ブリッジレポート
(4317) 株式会社レイ

スタンダード

ブリッジレポート:(4317)レイ 2022年2月期第3四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

分部 至郎 社長

株式会社レイ(4317)

 

 

企業情報

市場

JASDAQ

業種

サービス業

代表取締役社長

分部 至郎

所在地

東京都港区六本木 6-15-21

決算月

2月

HP

https://www.ray.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

350円

14,328,976株

5,015百万円

-

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

10.00円

2.9%

32.80円

10.7倍

358.02円

0.98倍

*株価は2/22終値。発行済株式数は直近短信記載の発行済株式数(自己株式を含む)。
時価総額は2/22終値×発行済株式数。ROE、BPS、PBRは2021年2月期決算短信より算出。数値は四捨五入。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年2月(実)

11,959

576

533

374

28.42

6.00

2019年2月(実)

11,471

896

882

609

42.54

8.00

2020年2月(実)

11,925

1,035

1,037

721

50.38

5.00

2021年2月(実)

7,045

-707

-496

-367

-25.68

5.00

2022年2月(予)

10,900

670

770

470

32.80

10.00

*単位:百万円。予想は会社予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。

 

レイの2022年2月期第3四半期決算の概要と2022年2月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年2月期第3四半期決算
3.2022年2月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/2期3Q累計は前年同期比47.8%増収、営業利益1億55百万円(前年同期は6億84百万円の損失)。国内経済では、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和され、持ち直しの動きが見られる。同社の主要市場である広告業界でも、同社の主要事業分野であるイベント・展示会・コンサート・舞台等の実施も再開され始めており、広告・エンターテインメント市場にも回復の動きが見えている。売上総利益率は前年同期20.9%から31.0%へ大幅に向上、販管費は増加したものの、営業損益は大幅に改善した。

     

  • 22/2期予想は未定としていたが、2月21日に業績予想を公表し、売上高は54.7%増収の109億円、経常利益7億70百万円(前期は4億96百万円の経常損失)を予想。新型コロナウイルスオミクロン株の流行が懸念される等、未だ収束が見通せない状況にあり、同社の主要事業分野はその影響を大きく受けるものの、オンラインイベント、事務局・施設等の運営関連の大型案件を受注し、これらの案件の売上が期末に集中して計上できる見込みであること、ならびに現時点で入手可能な情報や予測に基づき算定ができたものである。配当は1株当たり10.00円(前期比5.00円の増配)。

     

  • 引き続き新型コロナの影響を受けてはいるものの、21/2期2Q(6-8月)を底に既に最悪期は脱している。秋の書き入れ時とも重なる3Q(9-11月)は売上高25億20百万円、営業利益2億02百万円。コロナ禍前20/2期3Qや19/2期3Qと比較しても、特に利益面では遜色ない水準に達している。新型コロナ感染拡大前には構造改革を進め、利益率を改善させてきており、現在も新型コロナ感染拡大を経てその延長線上にあると見ている。足元オミクロン株の感染が急拡大してはいるものの、重症者は抑えられており影響は限定的となりそう。来期を見据えると、新型コロナの治療薬浸透も考えられる。株価については、22/2期予想(EPS32.80円)に対するPERが10.7倍と低く、見直し余地は大きい。

1.会社概要

セールスプロモーション(SP)やテレビコマーシャル(TVCM)等の、企画、制作、プロモーション、更にはイベントまでをカバー。ポストプロダクション(編集スタジオ)機能や映像機器を保有し、実制作部隊を備える事で、顧客ニーズに合った総合的な提案やサービスができる事が強み。グループは、同社と(株)クレイ、(株)マックレイの連結子会社2社。

 

【経営理念】

・ 会社はステージ、社員をアクター、経営者を演出家、そしてお客様と株主の皆様を観客と、置き換えることができると考えております。
・ 最先端のステージ(会社)で、アクター(社員)、演出家(経営者)全員が、それぞれプロ意識に徹し、十分にその実力を発揮し、多くの観客(お客様と株主の皆様)から拍手をいただくことは大変素晴らしく、当社グループの理想とするところです。
・ 当社グループは、その理想の下、常に会社組織、投資機材の一層の拡充、最先端化と全社員の絶え間ない質的向上を経営の基本方針としております。

 

同社は、小さなベンチャー企業から発展し、広告、プロモーションや番組等の映像制作ビジネスを立ち上げてきた。その発展を支えてきたのは上記の経営理念である。この経営理念の下、強みであるデジタル映像制作加工技術及びデジタル映像演出技術を活かせる市場機会への俊敏な取り組み、そして市場より得られたリターンをデジタル技術に再投資する事で能力を高め、その高められた能力を基に新たな市場機会に挑戦する、という不断のイノベーションを経営戦略として推進している。

【経営方針】

同社は現在の立ち位置を、次の30年に向けた第二の創業と位置付けており、キーワードとして「100億をベースにさらなる躍進」を掲げている。現在、大手広告代理店からの直接・間接(制作会社経由)の受注が全体の50%を占めており、残りの50%は直接取引によるもの。次の30年に向けた企業創造では、深耕と領域拡大で大手広告代理店向けビジネスの拡大を図りつつ、エンターテイメントやMICE関連の売上構成比を引き上げていく(広告主からの直接受注や学会関連のビジネスの拡大)。また、業界再編を顧客フィールドの拡大につなげるべくM&Aの可能性も探っていく。

 

【事業セグメント】

事業は、SPやTVCM等の企画制作を行う広告ソリューション事業と保有する各種映像インフラを活用した実制作やデジタル映像機材のレンタルを行うテクニカルソリューション事業に分かれる。同社グループは、企画制作領域と実制作領域をカバーする事で一貫したサービスを提供できる事が強みだ。テクニカルソリューション事業の全売上高の6%が広告ソリューション事業向けの内部売上であり、94%が顧客向けの売上である。
20/2期の売上構成比は、それぞれ50.2%、49.8%。連結調整前利益の構成比は、それぞれ39.4%、60.6%。新型コロナ感染拡大の影響を受けた21/2期の売上構成比はそれぞれ59.2%、40.8%。

 

広告ソリューション事業
広告代理店や一般企業の広告部門を主な取引先とする。企業のSP、キャンペーン、イベント、展示会、ショールーム等の企画制作・運営を手掛けるSP・イベント部門とTVCMの企画制作を行うTVCM部門に分かれ、(株)レイと(株)クレイが事業を手掛けている。
尚、広告の制作は、クライアント及び広告代理店が方向性や戦略を決定し、戦略に基づいて企画・制作会社が詳細な実施計画を立案し、実制作作業を各種業者に発注する。上場同業者としては、SP・イベント部門でテー・オー・ダブリュー、TVCM部門でAOI TYO Holdingsを挙げる事ができる。

 

SP・イベント部門(コミュニケーションデザイン事業本部)

TVCM部門(クリエイティブ・デザイン事業本部)

・各種プロモーション、イベント等の企画制作

・展示会、博覧会、ショールーム等の企画制作

・印刷物、デザイン、プレミアム商品等の企画制作

・Web等のデジタルプロモーションの企画制作

・TVコマーシャル等の企画制作

・通販番組を含むダイレクト広告の企画制作

・ミュージックPV等の企画制作

・イベント、ショールーム等の映像の企画制作

 

テクニカルソリューション事業
各種制作プロダクションやエンターテインメントの主催者等を主な取引先とする。広告ソリューション事業が提案する企画制作を実現する事業だが、現在、グループ外への売上が全体の94%を占め、広告ソリューション事業向けの社内売上は6%にとどまる。イベント、展示会、コンサート、学会、会議等で使われる映像システム、特殊演出システム、ビジネスプレゼンテーション機器等のレンタル・オペレーションサービスを行う映像機器レンタル部門と、デジタル映像を中心に各種映像(テレビコマーシャル・番組等)の編集及びDVD・ブルーレイディスク・CG制作等を行うポストプロダクション部門に分かれている。広告ソリューション事業と同じく請負事業で、主に制作会社から受注しているが、設備の償却負担がコストに占める割合が大きく、各種機材の稼働率が利益面での課題となる。上場同業者としては、映像機器レンタル部門でヒビノ、ポストプロダクション部門でIMAGICA GROUPを挙げる事ができる。

 

映像機器レンタル部門(イベント事業本部)

ポストプロダクション部門(マックレイ事業本部)

・MICE等での大型映像機器のレンタル、オペレーション

・コンサート等の大型映像機器のレンタル、オペレーション

・ライブ中継、撮影、ネットワーク配信

・会議施設、ショールーム等への映像機器販売、運営サポート

・CM 、TV番組等の映像デジタル編集、MA制作

・CM等の撮影、デジタルアーカイブ

・CG、各種映像制作の技術サポート

・Blu-ray / DVDのオーサリング、制作全般

【おもなビジネスフィールド】

 

※MICE

企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨(Incentive)、国際機関・団体、学会が行う国際会議(Convention)、及び展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとったもの。多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントの総称。

(同社HPより)

 

広告フィールドに軸足を置いて事業を展開しているため、大手広告代理店向けの売上(直接及び制作会社経由の間接)が多いものの(広告代理店との取引は大手広告代理店のみ)、売上高の過半には届いておらず、エンターテイメントやMICE関連等の売上が過半を超えている。深耕と領域拡大で大手広告代理店向けビジネスを拡大させつつ、一般企業等の広告主からの直接受注やMICE関連ビジネスの売上構成比を引き上げていく考え。

 

【強み ワンパッケージサービス】

同社の強みは、制作領域と技術領域を持つ事で、映像、イベント、クリエイティブ、そしてプロモーションという4つの異なる領域をカバーし、顧客ニーズに合った総合的な提案ができる事。広告ソリューションで培ってきた企画制作力と、 IT・デジタル・映像を強みとしたテクニカルソリューションを駆使して、顧客の様々なニーズに、どの立ち位置からでも、どの段階からでも柔軟にサポートしていく。

2.2022年2月期第3四半期決算

(1)3Q累計(3-11月)連結業績

 

21/2期 3Q累計

構成比

22/2期 3Q累計

構成比

前年同期比

売上高

4,635

100.0%

6,852

100.0%

+47.8%

売上総利益

968

20.9%

2,125

31.0%

+119.5%

販管費

1,652

35.6%

1,969

28.7%

+19.2%

営業利益

-684

-

155

2.3%

-

経常利益

-497

-

252

3.7%

-

当期純利益

-359

-

154

2.3%

-

*単位:百万円

*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)

 

前年同期比47.8%の増収、1億55百万円の営業利益
売上高は前年同期比47.8%増の68億52百万円。国内経済では、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和され、持ち直しの動きが見られる。同社の主要市場である広告業界でも、同社の主要事業分野であるイベント・展示会・コンサート・舞台等の実施も再開され始めており、広告・エンターテインメント市場にも回復の動きが見えている。
営業利益は1億55百万円(前年同期は6億84百万円の損失)。売上総利益率は前年同期20.9%から31.0%へ大幅に向上、販管費は増加したものの、営業損益は大幅に改善した。営業外では持分法による投資損失の計上はあったものの、雇用調整助成金を計上したことなどで経常利益は2億52百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億54百万円(前年同期は3億59百万円の損失)となった。

 

(2)セグメント別動向

 

21/2期 3Q累計

構成比

22/2期 3Q累計

構成比

前年同期比

広告ソリューション

2,453

52.9%

3,956

57.7%

+61.3%

テクニカルソリューション

2,182

47.1%

2,895

42.3%

+32.7%

連結売上高

4,635

100.0%

6,852

100.0%

+47.8%

広告ソリューション

-13

-

456

85.9%

-

テクニカルソリューション

-307

-

74

14.1%

-

調整額

-363

-

-375

-

-

連結営業利益

-684

100.0%

155

-

-

*単位:百万円

 

広告ソリューション事業
売上高39億56百万円(前年同期比61.3%増)、営業利益4億56百万円(前年同期は13百万円の損失)。
SP・イベント部門、TVCM部門ともに、オンラインを中心としたイベント・展示会、事務局業務等の需要を取り込みや広告需要の回復を受け、受注も堅調だったことから、業績も堅調に推移した。

 

テクニカルソリューション事業
売上高28億95百万円(前年同期比32.7%増)、営業利益74百万円(前年同期は3億7百万円の損失)。
ポストプロダクション部門においては、TVCM編集業務を中心に需要が回復しつつあり、業績も堅調に推移している。一方、映像機器レンタル部門は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、大型映像機材を使用するリアルイベント・展示会・コンサート・舞台等の需要は回復するに至らず、業績は低調に推移した。

 

(3)財政状態

財政状態

 

21年2月

21年11月

 

21年2月

21年11月

現預金

3,016

2,681

仕入債務

690

962

売上債権

1,630

2,516

未払法人税・消費税等

68

195

たな卸資産

218

593

未払金・未払費用

249

227

流動資産

5,290

5,917

賞与引当金

146

82

有形固定資産

2,790

2,683

有利子負債(うちリース債務)

2,180(610)

2,148(578)

無形固定資産

52

42

負債

3,518

3,824

投資その他

514

389

純資産

5,130

5,208

固定資産

3,358

3,115

負債・純資産合計

8,648

9,033

*(単位:百万円)

 

22/2期3Q末の総資産は前期末比3億84百万円増加し90億33百万円。
流動資産は同6億27百万円増加し、59億17百万円。主な要因は、現預金の減少3億35百万円、受取手形(売上債権の一部)の減少52百万円、売掛金(同)の増加9億48百万円、たな卸資産の増加3億75百万円によるもの。
固定資産は同2億42百万円減少し31億円15万円。主な要因は、有形固定資産の減少1億7百万円等によるもの。
負債合計は前期末比3億6百万円増加し、38億24百万円。
流動負債は同3億49百万円増加し、33億65百万円。主な要因は、買掛金(仕入債務)の増加2億71百万円等によるもの。
固定負債は同43百万円減少し、4億58百万円。主な要因は、リース債務の減少32百万円によるもの。
純資産は前期末比78百万円増加し、52億8百万円。主な要因は、配当により71百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益1億54百万円の計上により、利益剰余金が82百万円増加したことによるもの。
自己資本比率は57.7%となった(前期末59.3%)。

 

3.2022年2月期業績予想

連結業績

 

21/2期 実績

構成比

22/2期 予想

構成比

前期比

売上高

7,045

100.0%

10,900

100.0%

+54.7%

営業利益

-707

-

670

6.1%

-

経常利益

-496

-

770

7.1%

-

親会社株主に帰属する当期純利益

-367

-

470

4.3%

-

*単位:百万円

 

22/2期予想は未定としていたが、2月21日に業績予想を公表し、売上高は54.7%増収の109億円、経常利益7億70百万円(前期は4億96百万円の経常損失)を予想。新型コロナウイルスオミクロン株の流行が懸念される等、未だ収束が見通せない状況にあり、同社の主要事業分野はその影響を大きく受けるものの、オンラインイベント、事務局・施設等の運営関連の大型案件を受注し、これらの案件の売上が期末に集中して計上できる見込みであること、ならびに現時点で入手可能な情報や予測に基づき算定ができたものである。配当は1株当たり10.00円(前期比5.00円の増配)。

 

(新型コロナウイルス感染症に関するリスク情報)
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないことから、その影響により広告需要が大きく落ち込む場合や、同社の主要事業分野であるイベント・展示会・コンサート・舞台等の実施自粛が長期に及ぶ場合には、同社の財政状態、経営成績に重要な影響を与える可能性がある。
尚、同社では厚生労働省発表の「新しい生活様式」の実践例を実践するとともに、各業界のガイドラインも参考にした感染予防策を実行すること等により、感染リスクの低減に努めている。また、経費削減を継続するとともに、銀行融資の増額等の施策を通じて手元資金の充実を図る等、財務内容の安定に努めている。

 

4.今後の注目点

引き続き新型コロナの影響を受けてはいるものの、21/2期2Q(6-8月)を底に既に最悪期は脱している。秋の書き入れ時とも重なる3Q(9-11月)は売上高25億20百万円、営業利益2億02百万円。コロナ禍前はそれぞれ20/2期3Qが31億18百万円、3億26百万円、19/2期3Qは31億19百万円、2億62百万円と特に利益面では遜色ない水準に達しており、営業利益率では19/2期3Qを上回る。新型コロナ感染拡大前には構造改革を進め、19/2期から20/2期にかけて利益率を改善させてきており、現在も新型コロナ感染拡大を経てその延長線上にあると見ている。今後、イベント等が本格的に再開し、20/2期並みの売上を取り戻せば、利益水準は20/2期を上回ると考える。足元オミクロン株の感染が急拡大してはいるものの、重症者は抑えられており影響は限定的となりそう。来期を見据えると、新型コロナの治療薬浸透も考えられる。国をまたいだ人の移動は引き続き限られそうだが、国内では移動の制限も抑えられるだろう。こうした中、株価は新型コロナ感染拡大前の半値水準にあり、22/2期予想(EPS32.80円)に対するPERは10.7倍と低く株価の見直し余地は大きい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外1名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
更新日:2021年11月22日

 

<基本的な考え方>
当社は、株主をはじめとした全てのステークホルダーの皆様の信頼に応え、継続的な企業価値の向上と健全で透明性が高く、環境の変化に柔軟に対応できる経営を重要な課題と位置付け、経営効率の更なる向上を図りつつ、業務遂行の意思決定機関である取締役会の充実、コンプライアンス遵守等、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取組みを推進しております。また、企業活動の展開にあたり、法令を遵守し、社会倫理に従って行動するという観点から、当社グループの役員及び従業員の基本的な行動の規範を定めた「レイグループ行動規範」を策定し、役員、従業員に遵守、徹底を図っております。

 

<実施しないおもな原則とその理由>

 

【補充原則 1-2-4.議決権の電子公使のための環境作り、招集通知の英訳】
インターネットによる議決権行使は、当社は株主数が多くないため、郵送、出席により十分な議決権行使が行われていると判断しており、他社の状況を踏まえ、今後検討していきます。また、招集通知の英訳については海外投資家比率及び総株主数等を踏まえて現時点では実施しておりません。今後は、海外投資家・機関投資家比率に留意しつつ、必要に応じて株主の皆様の利便性に配慮した対応を検討してまいります。

 

【補充原則 2-4-1.管理職への登用等における多様性の確保の考え方と自主的かつ測定可能な目標】
当社では、従業員が当社の成長を支える重要な存在であるとの認識にたち、多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。上記の考えのもと当社では、管理職への登用等に当たっては、年齢、性別や社歴等では区分せず、意欲と能力のある従業員が平等に機会を得られるよう環境を整備しております。そのため、当社グループの発展に貢献できる人材の採用に注力しております。現在では、測定可能な目標はございませんが、今後検討してまいります。

 

【補充原則3-1-3.サステナビリティについての取組みの開示】
当社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティー(持続可能性)を巡る課題について、「レイグループ 行動規範」を定め、適切な対応を行っております。
なお、当社では市場動向が不透明等の理由により中期的な業績予想等を公表することは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないと考えていることから中期経営計画を開示しておりません。そのため、人的資本や知的財産への投資等についても開示しておりません。
今後につきましても、情報の有用性を十分に検討したうえで、中期経営計画の開示要否と合わせ、人的資本や知的財産への投資等についての開示要否を検討してまいります。
また、当社は、ホームページに社長挨拶として、優れたデジタル映像演出技術および最先端のデジタル映像制作技術をもとに、それが活かせる市場機会の発見と俊敏な取り組みを行い、市場から得られたリターンを再び高度な目利きをもって最新技術に投資をすることを記載(https://www.ray.co.jp/about/greeting/)しており、このような取り組みを通じ、SDGsの一つである、「目標8経済成長と雇用」への対応を進めてまいります。

 

【補充原則 4-1-2.中長期経営計画の実現への努力と未達時対応】当社は、中期経営計画を策定し、随時その進捗状況を確認し、目標達成に向け取り組んでおります。また、中期経営計画の見直しを毎年行うローリング方式を採用しております。ローリングを行う際の初年度の単年度利益計画は、各部門の詳細な積上げにより策定しており、月別に管理し、月次決算に基づいて統制しております。
しかしながら、当社は市場動向が不透明等の理由により中期的な業績予想等を公表することは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないと考えております。このため、中期的な数値目標等は公開しておりません。

 

【補充原則4-1-3.最高経営責任者等の後継者計画の監督】
当社の取締役会は、現在、代表取締役社長の後継者の計画については、具体的な監督は実施しておりません。また、社歴や代表取締役の年齢等を踏まえ、喫緊の課題として後継者の育成計画について取締役会で具体的な議論は行っておりませんが、今後、その具体的なあり方について検討してまいります。なお、最高責任者である代表取締役については、人格・知識・経験・能力を勘案し、その時々の当社を取り巻く状況や対処すべき課題に応じて、最適と考える人物を取締役会で選定することとしております。

 

【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】
当社では、社外監査役1名を独立役員として登録しております。独立社外取締役の選任につきましては、当社の規模、当社取締役会の規模、適切な候補者の確保の困難性等の諸事情に鑑み、現時点では選任しておりません。今後当社を取り巻く環境の変化により、独立社外取締役を増員する必要性が発生した場合には、候補者の選定を検討してまいります。

 

【補充原則 4-10-1.任意の諮問委員会の設置による指名・報酬などに関する独立社外取締役の関与・助言】
当社は、独立取締役は選任しておりませんが、社外取締役は1名選任しており、当社事業領域に関する知見を活かして、取締役会や各取締役へ意見を述べるとともに、必要に応じて助言を行っております。任意の諮問機関としての委員会は設置しておりませんが、現時点では、取締役会の場において、社外取締役から適切な関与・助言を得られていると考えております。

 

【原則 5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】
当社は、中期経営計画を公表しておりません。しかし、株主総会等を通じて、株主に対して、当社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する基本的方針および目標達成に向けた事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・人材投資等を含む具体的な施策を説明しております。
また、事業計画については、当社の業績、社会情勢および経済情勢の変化等を踏まえ、当該計画に変更が生じた際には、株主総会等において株主に説明を行うこととしております。
なお、中期経営計画も株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に立ち、取締役会において、引き続き中期経営計画の公表について検討してまいります。

 

【補充原則 5-2-1.事業ポートフォリオに関する基本的な方針や見直しの状況】
当社では、事業内容や経営戦略、経営方針等について有価証券報告書に記載しておりますが、原則5-2に記載の通り中期経営計画は公表しておらず、事業ポートフォリオの基本方針等についても説明は行っておりません。
現在、経営環境等も慎重に見極めながら、経営方針や事業ポートフォリオの見直し等について取締役会で協議・検討を重ねており、当社としての方針を明確に示せるタイミングで、中期経営計画の公表についても検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づくおもな開示>

 

【原則 1-4.いわゆる政策保有株式】
当社は、事業提携や取引関係の強化、情報収集の観点から、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断する企業の株式を保有しております。
保有の合理性の検証にあたっては、保有目的の適正性、保有先企業との取引関係等を確認しております。
また、同株式に係る議決権の行使は、議案が保有方針に適合するかを総合的に勘案して判断します。

 

【原則 2-6.企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】
当社は、確定拠出年金制度を導入しており、アセットオーナーとして企業年金の積立金の運用に関与しておりませんが、制度の運営担当部門においては、委託先運営管理機関である証券会社や信託銀行等から情報を入手し、運用商品の選定や従業員に対する資産運用に関する教育実施等を行ってまいります。

 

 

【補充原則 4-1-1.取締役会から業務執行取締役に対する委任範囲の概要】
当社は、「取締役会規程」を制定し、法令等に準拠して取締役会で審議する内容を取締役会に付議すべき事項として定めております。また、「職務権限規程」を定め、経営陣が執行できる範囲を明確にしており、組織変更等に応じて、常に見直しがなされる仕組みを構築しております。
取締役会は原則毎月1回開催し、会社の重要な業務執行の決定を行うとともに業績の進捗についても論議し対策等を検討しております。

 

【原則 5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社の株主との対話については、総務部が対応して、タイムリーに情報を開示すると共に、投資家との面談の実施やメールなどによる株主・投資家からの問い合わせに対応するなどの様々な機会を通じて株主等との建設的な対話の機会を持つように努めております。
当社経営方針、企業の成長戦略にかかる取組みついて理解を得るよう努めるとともに、株主等の声に耳を傾け、資本提供者等の目線からの経営分析や意見を吸収及び反映し、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでおります。

 

東証コーポレート・ガバナンス情報サービス:https://www2.tse.or.jp/tseHpFront/CGK010010Action.do?Show=Show

 

 

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