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(3135) 株式会社マーケットエンタープライズ

プライム

ブリッジレポート:(3135)マーケットエンタープライズ 2022年6月期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

小林 泰士 社長

株式会社マーケットエンタープライズ(3135)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

小売業(商業)

代表者

小林 泰士

所在地

東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル

決算月

6月

HP

https://www.marketenterprise.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

873円

5,304,800株

4,631百万円

-32.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00

-

31.39円

27.8倍

197.95円

4.4倍

*株価は8/22終値。各数値は22年6月期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2019年6月(実)

8,472

452

455

203

39.87

0.00

2020年6月(実)

10,904

655

664

291

55.90

0.00

2021年6月(実)

10,875

54

32

-40

-7.63

0.00

2022年6月(実)

11,986

-319

-328

-404

-76.29

0.00

2023年6月(予)

15,000

300

275

167

31.39

0.00

2024年6月(計画)

20,000

1,200

*単位:百万円、円。 予想は会社予想。中計は会社発表の中期経営計画の目標値。

 

 

(株)マーケットエンタープライズの2022年6月期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年6月期決算概要
3.2023年6月期業績予想
4.中期経営計画の進捗
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/6月期の売上高は前期比10.2%増の119億86百万円。ネット型リユース事業は前期並み、メディア事業、モバイル通信事業は増収。四半期ベースでは第1四半期をボトムに売上高は増加傾向。通期売上高、第4四半期売上高はそれぞれ過去最高を記録した。営業利益は3億19百万円の損失に転じた。全セグメント共に増収で、売上総利益も増加した一方で成長を見据え、広告宣伝投資(同85.0%増)、人員投資(同11.8%増)を積極化したため損失に転じた。

     

  • 23年6月期の売上高は前期比25.1%増の150億円、営業利益は3億円の黒字に転換を予想。2024年6月期を最終年度とする中期経営計画の初年度の22年6月期は外部環境・社内施策共に概ね想定通りの進捗となったことから、今期についても計画内容を踏襲し、様々な施策を着実に遂行する。

     

  • 中期経営計画においては個人向けリユースを中心に成長戦略を加速する。

     

  • 個人向けリユースでは、出張買取人員の採用強化と千葉拠点開設などを実行し、潜在層へのアプローチを強化する。マシナリーでは、事業譲受したファーマリーとのシナジー効果発現を推進し、国内外法人向け販売体制の強化にも注力する。おいくらでは、月額課金の導入店舗の獲得と自治体連携数の積み増しに注力する。メディア事業では、既存戦略の深堀と新規領域進出の足掛かりをつける。モバイル通信事業では、WiMAX5Gの獲得強化に加え、ストック収益力の向上に注力する。

     

  • 22年6月期は増収も、モバイル通信事業において中期的なストック収益基盤を構築すべく新たな料金プランを設定したこと等により営業損失を計上したが、今23年6月期は注力する個人向けリユース、おいくらが大きく伸び、連続して過去最高売上高を記録するとともに、ストック収益力が一段と向上するモバイル通信事業の将来収益の積み上がりにより営業利益も黒字に転換する見込みだ。

     

  • 24年6月期は売上高に加え、営業利益も大幅に過去最高を更新する計画であり、そのカギを握る「個人向けリユース」の注力施策の進捗を引き続き注目していきたい。

     

1.会社概要

リユースを核とした持続可能な社会を実現する最適化商社を目指し、様々な事業を展開している。最適化商社とは、多様化する消費行動や様々な消費スタイルに対し、個々人、そして一部の商品・サービスにおいては法人にまでその枠を広げ、インターネットを通じて、最適な選択肢を提供できる会社と同社は定義している。なお、マーケットエンタープライズという社名の由来は、市場(マーケット)と冒険的創出(エンタープライズ)。「市場を創出していく会社を築き上げたい」という創業時の思いが込められている。
事業は、ネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業の3事業に分かれ、ネット型リユース事業は、個人向けリユースや農機具を中心に、全国のリサイクルショップと消費者をつなぐリユースプラットフォーム「おいくら」も手掛ける。メディア事業は、リユース関連、通信関連、消費関連等、消費者にとって関心の高い分野にフォーカスしており、通信事業は連結子会社(株)MEモバイルがWiMAX(高速無線通信サービス)サービス「カシモWiMAX」を展開している。グループは同社と連結子会社(株)MEモバイル、(株)MEトレーディング、(株)UMM、MARKETENTERPRISE VIETNAM CO.,LTD.の5社。
2021年2月、東京証券取引所マザーズ市場から東京証券取引所市場第一部へ市場変更。2022年4月、市場再編に伴い東証プライム市場へ移行した。

 

経営の指針と3つの取り組み
国連が示すSDGsの17の目標を経営の指針としており、この指針の下で次の3つの取組みを進めている。1つはリユースによる循環型文化の推進。創業以来展開しているネット型リユース事業による商品の買い取りと再販売を通して持続可能な社会の実現に貢献していく(SDGs17の目標の「12」に関わる取り組み)。2つ目は、リユースを通じて日本に眠っている製品の国内外を問わない循環。農機具、建設機器、医療機器等、国内では使用されなくなった商品やリユースされ難いものを、海外で活躍する販路を通じて循環させ持続可能な社会の実現に貢献していく(「2」、「3」、「6」、「12」が関わる取り組み)。3つ目は、同社がこれまで培ってきたノウハウやリソースを活用したDX推進支援による中小企業の成長支援である(「8」に関わる取り組み)。

 

【1-1事業概要】

①ネット型リユース事業
(概要)
買取・販売共にマルチチャネル対応のため、幅広いニーズに応える事ができ、農機具・建機・医療機器といった事業者を中心とした法人向けのサービスも展開している。

 

ビジネスフロー

(同社資料より)

 

商品ジャンル毎30種の買取専門サイトを用意し、月間で約4万件に及ぶ買取依頼に対してコンタクトセンターで事前査定を行い、買取価格や買取方法を提案する。出張(自社の物流網を用いた顧客宅への訪問買取)、宅配(同社が宅配キットを用意)、店頭(リユースセンターへの持ち込み)の3つの買取方法が用意されており、いずれの場合も過去のオークションの落札価格や価格比較データを取り込んだ自社データベースを活用し、顧客に迅速に買取金額を伝える「事前査定」を実施している。このため、顧客は安心してサービスを利用できる。

 

買い取った商品は全国12カ所に展開するリユースセンターで管理し、販売は、「ヤフオク!」、「Amazon」、「楽天」といった主要ECマーケットプレイスや自社ECサイト「ReRe(リリ)」に同時出品している。商品在庫を一元管理するシステムを自社開発しているため、どこかのサイトで売れると自動的に他サイトの在庫が消し込まれる。このように、複数サイトに同時に出品して販売できるため、商品回転率が高い点も同社の強みとなっている。また、販路の多様化が進んでいるため、買取が伸びれば売上の拡大に繋がる仕組みを構築している。

 

こうした、完全自社開発の統合基幹業務システムをベースにして、一気通貫で高品質なリユースサービスを提供できる体制を確立している点は同社の大きな強みである。
現在は既存の個人向けリユースが売り上げの過半を占めるが、近年ではマシナリー(農機具)の業績が急成長している。加えて、全国のリサイクルショップや買取専門店、質屋などと、「物を売りたい」一般の消費者をつなぐ集客支援マッチングプラットフォーム「おいくら」を将来業績のけん引役として育成中である。

 

 

(同社資料より)

 

②メディア事業
賢い消費者への情報提供を目的に消費者の関心の高い分野のメディアを保有しており、広告掲載企業への送客により広告収入を得ている他、連結子会社(株)MEモバイルへ送客し同社サービスで顧客化している。

(同社資料より)

 

③モバイル通信事業
連結子会社(株)MEモバイルが中古スマホと格安SIMを組み合わせたMVNOサービス「カシモ」及びWiMAXサービス「カシモWiMAX」を展開している。
21年4月から「WiMAX5G」と取り扱いを開始した。収益モデルは回線販売に伴う販売奨励金収入と、累積販売回線数に伴う回線料収入。既存の回線契約により発生が見込まれる将来の通信料収入などの収益である「将来収益」の拡大を目指している。

2.2022年6月期決算概要

【2-1連結業績】

 

21/6期

構成比

22/6期

構成比

前期比

予想比

売上高

10,875

100.0%

11,986

100.0%

+10.2%

-13

売上総利益

3,879

35.7%

4,268

35.6%

+10.0%

-

販管費

3,825

35.2%

4,588

38.3%

+19.9%

-

営業利益

54

0.5%

-319

-

-

+80

経常利益

32

0.3%

-328

-

-

+76

当期純利益

-40

-

-404

-

-

+35

* 単位:百万円。当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。予想比は金額ベース。

 

増収、損失計上も売上高は過去最高を記録
売上高は前期比10.2%増の119億86百万円。ネット型リユース事業は前期並み、メディア事業、モバイル通信事業は増収。
営業利益は3億19百万円の損失に転じた。全セグメント共に増収で売上総利益も増加した一方で成長を見据え、広告宣伝投資(同85.0%増)、人員投資(同11.8%増)を積極化したため損失に転じた。
結果として、売上高・利益ともほぼ計画通りの着地となった。

 

 

四半期ベースでは第1四半期をボトムに売上高は増加傾向。通期売上高、第4四半期売上高はそれぞれ過去最高を記録した。

 

【2-2 セグメント別動向】

 

21/6期

構成比

22/6期

構成比

前期比

予想比

ネット型リユース事業

6,580

60.5%

6,631

55.3%

+0.8%

-13.4%

メディア事業

519

4.8%

599

5.0 %

+15.5%

-0.1%

モバイル通信事業

3,866

35.6%

4,861

40.6%

+25.7%

+13.1%

セグメント内消去

-89

-

-105

-

-

-

連結売上高

10,875

100.0%

11,986

100.0%

+10.2%

-0.1%

ネット型リユース事業

534

8.1%

111

1.7%

-79.2%

-

メディア事業

231

44.6%

345

57.6%

+49.2%

-

モバイル通信事業

137

3.6%

134

2.8%

-2.0%

-

調整

-849

-

-911

-

-

-

連結営業利益

54

0.5%

-319

-

-

-

*単位:百万円。利益の構成比は売上高利益率。

 

ネット型リユース事業
売上高は前期並み、減益。
売上高は前期比0.8%増の66億31百万円、セグメント利益は同79.2%減の1億11百万円。
中期経営計画の達成に向けて買取依頼数増加のためのマーケティング投資の積極化、商品買取に関する潜在ニーズの掘り起こしに向けた出張買取バイヤーや車両等の増強、農機具分野における新拠点の開設、中古農機具買取・販売事業の事業譲受、積極的な採用活動やシステム投資等を行った。

 

*個人向けリユース事業
買取依頼数は前期比21.8%増の374,000件。積極的なマーケティング施策が奏功した。
買取件数は同7.6%増の65,200件。出張買取人員採用の遅れにより、買取依頼に十分に対応できず、小幅な伸びにとどまった。
リユース事業本部従業員数は前期比15名増の123名。新卒配属および下期にかけての中途採用が進んだ。
売上高は前期比3.7%減の51億40百万円と減収も、在庫金額は前期末比48.9%増の1億93百万円と、23年6月に向けた体制を準備できた。
2021年9月にシニア向け買取のための専用ページを開設し、シニア層向け買取を本格的に開始した。

 

*マシナリー(農機具)
買取件数は前期比6.2%増の2,702件。買取金額は同36.7%増の9億51百万円。
売上高は同26.8%増の13億65百万円。国内販売・輸出とも順調で、過去最高を記録した。
在庫金額は前期末比77.2%増の2億10百万円と大幅に積み増した。
2022年4月、「DMM農機」のブランド名で展開していた株式会社ファーマリーの中古農機具買取・販売事業の事業を譲受したことも増収、在庫増に寄与した。
21年10月、茨城県結城市に北関東リユースセンターを開設した。東日本の農機具買取及び越境EC向け出荷機能を強化する。

 

*おいくら
加盟店の絞り込みを行ったこともあり、売上高は前期比24.6%減の1億25百万円。Web買取件数は前期同水準の13万9千件。

 

メディア事業
増収増益。
売上高は前期比15.5%増の5億99百万円、営業利益は同49.2%増の3億45百万円。
効率的な事業運営により増収率を大きく上回る増益となった。
月平均PV数は前期比35.9%増の1,381万PV。主力の通信分野、その他分野それぞれ同40.2%増、31.3%増と順調に増加している。
通信関連グループ向け、通信関連グループ外向け、その他分野グループ向けとも増収で、収益の分散化による安定的な基盤構築が進んでいる。

 

モバイル通信事業
増収減益。
売上高は前期比25.7%増の48億61百万円、営業利益は同2.0%減の1億34百万円。
新商材であるWiMAX 5Gを中心に新規回線獲得数は前期比48.9%増の27,400回線。
ストック型の5G回線獲得が好調なため、期末時点の将来収益は前期比2.3倍の7億17百万円と、計画していた6億3百万円を大きく上回った。

 

 

 

第4四半期のネット型リユース事業の売上高は過去最高を記録した。

 

 

【2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)】

財政状態

 

21年6月

22年6月

増減

 

21年6月

22年6月

増減

流動資産

2,530

2,541

+10

流動負債

1,155

2,058

+902

 現預金

1,469

941

-527

 仕入債務

308

366

+58

 売上債権

581

971

+389

 短期有利子負債

440

1,063

+622

 商品

285

439

+153

固定負債

653

176

-476

固定資産

931

990

+59

 長期有利子負債

635

161

-473

 有形固定資産

360

365

+5

負債合計

1,808

2,235

+426

 無形固定資産

236

215

-20

純資産

1,653

1,296

-357

 投資その他の資産

334

408

+73

 利益剰余金

810

406

-404

資産合計

3,461

3,531

+69

負債純資産合計

3,461

3,531

+69

* 単位:百万円。有利子負債にはリース債務を含む。

 

売上債権および商品の増加などで資産合計は前期末比69百万円増加し35億31百万円。
仕入債務、有利子負債の増加等で負債合計は同4億26百万円増加の22億35百万円。
利益剰余金の減少で純資産は同3億57百万円減少の12億96百万円。
自己資本比率は前期末より11.8ポイント低下し29.7%となった。

 

キャッシュ・フロー

 

21/6期

22/6期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

595

-394

-989

投資キャッシュ・フロー(B)

-76

-274

-198

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

518

-669

-1,188

財務キャッシュ・フロー

-306

129

+436

現金及び現金同等物期末残高

1,469

941

-527

* 単位:百万円

 

税金等調整前四半期純損失の計上等で営業CF、フリーCFともマイナスに転じた。キャッシュポジションは低下した。

 

 

3.2023年6月期業績予想

【3-1 連結業績予想】

 

22/6期 実績

構成比

23/6期 予想

構成比

前期比

売上高

11,986

100.0%

15,000

100.0%

+25.1%

営業利益

-319

-

300

2.0%

-

経常利益

-328

-

275

1.8%

-

当期純利益

-404

-

167

1.1%

-

* 単位:百万円。当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。

 

増収、黒字転換
売上高は前期比25.1%増の150億円、営業利益は3億円の黒字に転換を予想。
2024年6月期を最終年度とする中期経営計画の初年度の22年6月期は外部環境・社内施策共に概ね想定通りの進捗となったことから、今期についても計画内容を踏襲し、様々な施策を着実に遂行する。

 

【3-2 セグメント別事業戦略】

個人向けリユースを中心に、成長戦略の推進を加速する。

 

セグメント

戦略

ネット型リユース

個人向けリユース

・出張買取人員を中心とした社員採用の強化

・新規拠点(千葉リユースセンター)の開設

・販路多様化を推進

 

マシナリー(農機具)

・ファーマリー事業譲受による法人買取商流の強化

・販売商流の多様化(自社オークション、自社運営展示即売会)

 

おいくら

・アクティブな月額課金加盟店の獲得に注力

・自治体連携数増加に向けて開拓を加速

メディア

既存戦略の深堀と新規領域への進出の足掛かりをつかむ。

モバイル通信

・ストック型収益モデルであるWiMAX5Gの獲得に注力する。

・保有回線のARPU向上を図る。

 

 

 

21/6期

22/6期

23/6期(予想)

前期比

23/6期(中計)

前期比

売上高

10,875

11,986

15,000

+25.1%

20,000

+33.3%

 ネット型リユース事業

6,580

6,631

9,804

+47.9%

13,744

+40.2%

  個人向けリユース

5,336

5,140

7,500

+45.9%

10,000

+33.3%

  マシナリー

1,077

1,365

2,000

+46.5%

3,000

+50.0%

  おいくら

166

125

304

+143.2%

744

+144.7%

 メディア事業

519

599

700

+16.9%

800

+14.3%

 モバイル通信事業

3,866

4,861

5,000

+2.9%

5,500

+10.0%

営業利益

54

-319

300

-

1,200

+300.0%

営業利益率

0.5%

-2.7%

2.0%

-

6.0%

+4.0%

営業利益+将来利益

373

398

997

+150.5%

1,950

+95.6%

**予想は会社予想。中計は会社発表の中期経営計画の目標値。単位:百万円

 

4.中期経営計画の進捗

【4-1 計画の進捗】

現在の中期経営計画期間を第2次投資期間と位置付けている。

 

フェーズ

期間

概要

上場後第1次投資期

2016年6月期~2018年6月期

新規事業であるマシナリー メディア モバイルを拡大フェーズ入りさせるために投資を実施

第1次収穫期

 

2019年6月期~2020年6月期

*マシナリー メディア モバイルの寄与により収益拡大

*事業譲受によりMEトレーディングやおいくらなどの次の成長の基盤を取得

第2次投資期

(今中期経営計画期)

2022年6月期~2024年6月期

*主力事業の個人向けリユースは再成長のための投資を実施

*マシナリーは成長を加速

*おいくらは中期的な成長のための基盤を整備

*モバイル通信は中期的なストック収益基盤を構築すべく新たな料金プランを設定

第2次収穫期

2025年6月期以降

リユースの継続的成長に加えおいくら及びモバイルのストック収益を中心に 持続的な収益拡大を目指す。

リユース事業においては、個人向けリユース、マシナリー、「おいくら」全てが売上・利益成長期に入る。

 

中期経営計画の進捗は以下の通り。下期にかけて戦略の実行スピードが加速した。

(同社資料より)

 

営業損失となったが、売上総利益を上回る投資を実行したため。
ストック型のWiMAX5G回線の獲得が順調で、営業損失を計上も、「営業利益+将来利益」は21年6月期の3億73百万円が、22年6月期は3億98百万円と前期比25百万円増加した。

 

【4-2市場認識と注力戦略】

(1)同社の市場認識
人口減少と高齢化が一段と進む中、家庭に眠っている潜在リユース市場、いわゆる「隠れ資産」は約44兆円と推計される。
世代別には、50代及び60代以上で約7割が「隠れ資産」を保有している。

(同社資料より)

 

個人金融資産は過去30年間で60歳代以上の構成比が倍増した。
2020年における個人金融資産の保有割合は60歳以上で68.5%、50歳以上で83.8%を占めている。

 

こうした環境下、高齢化の進展は同社ビジネスに大きな追い風であり、マシナリーに加え、個人リユース市場は市場成長率が大きく高まると見ている。
今期は個人リユースの戦略加速に注力する方針だ。
また、今後の顧客の中心はーズが顕在化していないシニア層(潜在層)になるため、44兆円に上る隠れ資産市場のニーズを掘り起こすための顧客との最終接点づくりやコンサルティング営業が重要になると考えている。

 

(同社資料より)

 

(2)同社の強みと強化すべき分野
①強み
リユース市場における同社の強みは以下の2点である。

 

*マーケティング力
幅広い商品別の買取バーティカルメディアを数多く運営しており、これらを基軸に低コストで年間37万件という業界でもトップクラスの買取依頼を獲得することができる。
22年6月期の買取依頼件数37.4万件のうち潜在層が圧倒的多数であり、既に潜在層の買取依頼確保の体制は出来上がっている。

 

*営業
多種多様な商品を買取可能な買取営業ノウハウは同社最大の強みである。
また顧客のニーズに合わせた「宅配」「店頭」「出張」という3つの買取チャネルと全国12カ所の買取拠点(リユースセンター)を有しており、インフラの整備は進んでいる

 

②強化すべき点
強みを活かし、個人リユース市場の開拓を推進するためには、潜在層におけるニーズ顕在化に向け対面コンサルティング営業の強化が不可欠であり、出張買取人員の増員に注力する。

 

(3)今後の注力施策
「個人向けリユース」「おいくら」において以下のような注力施策を掲げている。

 

①個人向けリユース
◎出張買取人員の採用
潜在的な顧客に対する提案リソースの強化のため出張買取人員を中心に採用を加速する。
中途採用を中心に、リユース事業本部従業員数を22年6月末の123名から23年6月末には5割増の189名を目指す。

 

◎新拠点の開設
需要が旺盛な首都圏の買取能力拡充のために、個人向けリユースとして4年半ぶりにリユースセンターを千葉市に開設する。
22年10月上旬の稼働開始を予定している。

 

◎買取件数の拡大
上記施策により出張買取能力を強化し、2023年6月期の出張買取件数は前期比2.3倍、買取件数全体で約4 割増を目指す。

 

(同社資料より)

 

②おいくら自治体との連携強化
社会的信用度向上のため官民連携でのごみ減量の取り組みを加速する。政令指定都市を中心に全国の自治体へのアプローチを強化し、現在の4自治体から、今後3年で新規導入100自治体を目指す。
信用度の高い大手企業とのパートナー関係構築にも注力する。

 

【4-3 今期の事業別戦略】

各事業とも2023年6月期の計画に変更は無い。
個人向けリユースを中心に成長戦略を加速する。

(同社資料より)

 

(1)個人向けリユース
出張買取人員の採用強化と千葉拠点開設などを実行し、潜在層へのアプローチ強化を通じて前年比46%増収を見込む。
最終24年6月期売上高100億円を目指す。

(同社資料より)

 

(2)マシナリー
事業譲受したファーマリーとのシナジー効果発現を推進する。国内外法人向け販売体制の強化に注力する。

 

(同社資料より)

 

(3)おいくら
月額課金の導入店舗の獲得と自治体連携数の積み増しに注力する。

 

(同社資料より)

 

(4)メディア事業
既存戦略の深堀と新規領域進出の足掛かりをつける。

 

(同社資料より)

 

(5)モバイル通信事業
WiMAX5Gの獲得強化に加え、ストック収益力の向上に注力する。

 

(同社資料より)

 

業績目標として「最終年度2024年6月期、売上高200億円、営業利益12億円。25年6月期も合わせて合計25億円以上」を掲げている。

 

 

21/6期(実)

22/6期(計画)

22/6期(実)

23/6期(計画)

24/6期(計画)

CAGR

売上高

10,875

12,000

11,986

15,000

20,000

+29.2%

 ネット型リユース事業

6,580

7,659

6,631

9,804

13,744

+44.0%

  個人向けリユース

5,336

6,000

5,140

7,500

10,000

+39.6%

  マシナリー

1,077

1,500

1,365

2,000

3,000

+48.3%

  おいくら

166

159

125

304

744

+144.0%

 メディア事業

519

600

599

700

800

+15.6%

 モバイル通信事業

3,866

4,300

4,861

5,000

5,500

+6.4%

営業利益

54

-400

-319

300

1,200

-

営業利益率

0.5%

-3.3%

-2.7%

2.0%

6.0%

-

営業利益+将来利益

373

203

398

997

1,950

+121.4%

*単位:百万円。CAGRは22/6期(実)から24/6期(計画)までの年平均成長率、同社資料を基にインベストメントブリッジが計算。

 

 

5.今後の注目点

22年6月期は増収も、積極的な投資により営業損失を計上したが、今23年6月期は注力する個人向けリユースが大きく伸び、連続して過去最高売上高を記録するとともに、ストック収益力が一段と向上するモバイル通信事業の将来収益の積み上がりにより営業利益も黒字に転換する見込みだ。
24年6月期は売上高に加え、営業利益も大幅に過去最高を更新する計画であり、そのカギを握る「個人向けリユース」の注力施策の進捗を引き続き注目していきたい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年12月28日)
基本的な考え方
当社は、「Win Winの関係が築ける商売を展開し、商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」という創業以来の経営理念を常日頃より体現すべく、公正で透明性が高く、迅速で効率的な経営に取り組むことを基本的な考えとしております。その実現のため、少数の取締役による迅速な意思決定及び役員相互間の経営監視をはじめとした組織全体でのコンプライアンスの徹底、ディスクロージャーの充実等により、株主の皆様やお客様をはじめ、取引先、地域社会、従業員等各ステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中で企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
【原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表】
当社は、経営方針を基に、過去の実績、将来の予測、到達目標及び実行の可能性、人員計画、設備計画、及び資金計画、経済、社会情勢及び市場環境を考慮し、今後の経営課題を明らかにした上で、達成すべき売上・利益を算定し、3年をサイクルとして、1年経過毎に見直しを行う、ローリング方式にて中期経営計画を策定しております。計画策定に際しては、事業セグメントごとに経営指標(KPI)を定め、収益目標への達成状況を把握しておりますが、現時点において資本コストを的確に把握した上での、収益力、資本効率等に関する目標数値を定めるには至っておりません。
また、当社は、比較的新奇性の高い事業を展開していることに加え、直近の社会環境の急激な変化に鑑み、可変要素が低く本来的な投資判断に資する中期的な業績予測の開示が必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないとの考えから、中長期的な数値目標を開示しておりません。現時点においては、翌期の経営戦略、業績予想(売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)の開示にとどめ、決算説明会等において株主にわかりやすく説明を行っております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則の各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、現在、政策保有株式として上場株式を保有しておりませんが、当社グループの企業価値向上及び中長期的な発展に資すると判断される技術やノウハウを有している企業との関係性強化、事業戦略上の重要性等を総合的に勘案のうえ、当該企業の株式を政策保有する方針としております。保有にあたっては投資金額の多寡にかかわらず取締役会での審議を経ることとしており、当該取締役会において、前述の方針との適合性はもとより、投資金額の妥当性、利害関係等についても多角的に検証を行います。なお、当社及び投資先の状況変化に鑑み、妥当性がないと判断された場合には、取締役会の審議を経て保有株式の縮減等の見直しを行います。議決権行使にあたっては、当該企業の中長期的な企業価値向上に資するか否かを議案ごとに判断し、適切に議決権を行使いたします。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、常日頃から株主と積極的な対話を行い、株主の意見や要望を経営に反映させ、株主とともに会社を成長させていくことが重要であると認識しております。
株主との対話全般について統括を行い、建設的な対話が実現するよう代表取締役社長は取締役管理本部長を中心とするIR体制を整備し、当社の経営戦略や経営計画に対する理解を得るため、個別面談のほか、決算説明会、個人投資家向け説明会、証券会社等主催のIRイベントへの参加、機関投資家との対話の場等を設け、個人投資家からの質疑応答、機関投資家からの取材にも積極的に対応しております。
株主との建設的な対話に向け、株主、投資家の投資判断に資する有益な情報を適切に提供すべく、情報取扱責任者である取締役管理本部長を中心として社内各部門(総務、財務、経理、法務、広報)の責任者は原則週1回会社情報を共有し、有機的な連携を図っております。一方で、インサイダー取引や特定情報の漏えいが行われないよう、情報発信前に開示可否事項について明確な取決めを行う等、細心の注意を払っております。

 

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