ブリッジレポート
(3778) さくらインターネット株式会社

プライム

ブリッジレポート:(3778)さくらインターネット 2023年3月期上期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

田中 邦裕 社長

さくらインターネット株式会社(3778)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場 

業種

情報・通信

代表者

田中 邦裕

所在地

大阪府大阪市北区梅田1-12-12 東京建物梅田ビル11階

決算月

3月

HP

https://www.sakura.ad.jp/corporate/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

519円

36,879,056株

19,140百万円

3.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

3.50円

0.7%

21.77円

23.8倍

228.01円

2.3倍

*株価は11/4終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

19,501

567

395

91

2.44

2.50

2020年3月(実)

21,908

939

789

160

4.39

2.50

2021年3月(実)

22,168

1,372

1,099

758

20.79

3.00

2022年3月(実)

20,019

763

649

275

7.55

3.00

2023年3月(予)

20,350

1,390

1,230

800

21.77

3.50

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

 

さくらインターネット(株)の2023年3月期上期の概要と2023年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期上期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 23/3期上期は前年同期比3.4%増収、120.6%営業増益。クラウドサービスの売上が引き続き好調に推移したことやグループ会社のスポット売上の計上等により増収。利益面では、クラウド集中体制へ向けた投資方針の転換による減価償却費・リース料の減少などにより売上総利益が増加。販管費の増加を吸収して大幅増益となった。親会社株主帰属利益は2.4億円(前年同期は0.6億円の損失)。売上高、各段階利益はいずれも7月修正後の会社予想を上回った。

     

  • 通期予想は据え置き。前期比1.7%増収、82.1%営業増益を計画する。クラウドビジネスは堅調に推移する見込み。利益面では、円安が急速に進行する中、同社はサービスの自社開発率が高いことにより、サービス原価における為替の影響は抑制される。クラウドビジネスは堅調に推移するが、人への投資やマーケティングの強化等、中長期的な成長に向けた様々な施策の検討を進めることに加え、原油価格や為替など不透明な経済情勢も考慮し通期業績予想は据え置いた。配当も修正なく、前期比.0.50円増配の、3.50円/株の期末配当を予定。

     

  • クラウドサービスへの移行を着実に進行させており、上期は期初の予想を大きく上回る形での着地となった。上期は大幅に利益率を向上させたが、下期は更に上昇が進む見通し。今後も改善傾向が進むだろう。また、同社ではクラウドへの移行に合わせて新たなサービスもリリースしている。これらが本格的に貢献すれば、利益率の向上だけでなく高い売上成長も伴う形になるだろう。着実に事業展開が進んでいるものの、株価は低調に推移している。役職員へのインセンティブとして譲渡制限付株式報酬制度およびJ-ESOPを導入した。役職員挙げて株価を意識した経営が進むだろう。

     

1.会社概要

東京(西新宿、東新宿、代官山:フロア単位の賃借)、大阪(堂島:フロア単位の賃借)、北海道(石狩:土地建物保有)の3エリアで運営しているデータセンターを活かし、クラウド・インターネットインフラサービスを提供している。現在はハウジングや専用サーバといった物理基盤サービスからクラウドサービスへの移行を進めている。インフラを自社で保有する事で高収益を追求、稼働率を上げ固定費リスクを軽減している。

 

【企業理念】 

同社は、下記のミッション、ビジョン、バリューを企業理念として定め、これを実現することによって、全てのステークホルダーから価値ある企業として支持される事を目指している。

 

コーポレート・ミッション  使命
私たちは、人々とビジネスの可能性を広げるデータセンターサービスの提供を通じ、インターネットによってひらかれる創造性と驚きに満ちた未来の実現に貢献します。

 

コーポレート・ビジョン  目指す姿

・サービス

:高品質で低価格なITプラットフォームと革新的で面白いインターネットサービスの提供

・インフラストラクチャー

:スケールメリットと柔軟性を兼ね備えたコスト競争力の高いITインフラの実現

・テクノロジー

:価値あるサービスの実現とインターネットの発展に寄与する先進的な技術の探究

 

コーポレート・バリュー  重視する価値観
・質の高いサービスを生みだす絶えざるイノベーション
・コストパフォーマンスを支える卓越したオペレーション
・すべての活動のベースとなる良質なコミュニケーション

 

1-1事業内容

事業は、クラウドサービス(クラウドインフラストラクチャー、クラウドアプリケーション)、物理基盤サービス、及びドメイン取得サービス、SSL取得サービス(独自ドメインによるサーバ証明書の取得代行)、子会社事業等のその他サービスに分かれ、22/3期の売上構成比は、クラウドサービス54.8%(うち、クラウドインフラストラクチャー36.2%、クラウドアプリケーション18.6%)、物理基盤サービス22.5%、その他サービス22.7%。

 

クラウドサービス
現在同社が経営資源を集中させている事業。幅広いサービスラインアップを提供して培ってきた同社の技術力・ノウハウを活用し、顧客の利用シーンや成長フェーズにあわせた新たなクラウドサービスの開発を加速させている。

 

クラウドインフラストラクチャー
仮想化技術により、物理サーバ上に複数の仮想サーバを構築し、そのひとつひとつが専用サーバのように利用できるサービス。基本的に仮想サーバ1台毎の単体契約となるサービス(「さくらのVPS」)と、契約の中で複数台サーバの申し込みとそのネットワーク設定を可能とし、日割や時間割での課金が可能なサービス(「さくらのクラウド」)等を提供。

 

クラウドアプリケーション
同社が所有する物理サーバと豊富な機能をメンテナンス不要で複数の顧客が共同で利用するサービス(「さくらのレンタルサーバ」)をはじめとした自社やパートナー企業と開発したSaaSサービス等を提供。

 

物理基盤サービス
同社が運営するデータセンター内に、顧客所有の通信機器類を自由に設置できるスペースと、インターネット接続に必要な回線や電源などを貸与するハウジングサービス、及び同社が所有する物理サーバを専用で利用できる専用サーバサービスがある。

 

その他サービス
ゲヒルン(株)のセキュリティサービス、アイティーエム(株)の大規模法人向けMSP(マネージメント・サービス・プロバイダ:サーバやネットワークの監視運用保守を請負う)、ビットスター(株)の小中規模法人向けMSP、プラナスソリューションズ(株)のハイパフォーマンスコンピューティング領域のインテグレーション、IzumoBASE(株)のストレージ仮想化サービス等の収益が含まれている。

 

尚、連結子会社6社及び持分法適用関連会社2社と共にグループを形成しており、連結子会社は、ゲヒルン(株)、櫻花移動電信有限公司、アイティーエム(株)、ビットスター(株)、プラナスソリューションズ(株)、IzumoBASE(株)。持分法適用関連会社は、(株)S2i、BBSakura Networks(株)。

2.2023年3月期上期決算概要

2-1 上期連結業績

 

22/3期 上期

構成比

23/3期 上期

構成比

前年同期比

会社予想

予想比

売上高

9,662

100.0%

9,989

100.0%

+3.4%

9,970

+0.2%

売上総利益

2,146

22.2%

2,500

25.0%

+16.5%

-

-

販管費

1,948

20.2%

2,063

20.7%

+5.9%

-

-

営業利益

197

2.0%

436

4.4%

+120.6%

370

+18.0%

経常利益

129

1.3%

377

3.8%

+192.6%

320

+18.0%

親会社株主帰属利益

-69

-

247

2.5%

-

220

+12.3%

* 単位:百万円

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
* 費用項目の▲は費用の増加を示す。

 

 

3.4%増収、120.6%営業増益、クラウドサービスへのシフトを進め、会社予想も上回る
売上高は前年同期比3.4%増99.8億円。クラウド集中を図る中で物理基盤サービスにおける大口案件の契約期間満了等があったものの、クラウドサービスの売上が引き続き好調に推移したことやグループ会社のスポット売上の計上等により増収。会社予想99.7億円を上回った。

 

営業利益は同120.6%増の4.3億円。クラウド集中体制へ向けた投資方針の転換による減価償却費・リース料の減少(プラス影響額2.7億円)、データセンター最適化等による賃借料の減少(同0.6億円)、グループ会社におけるその他サービス原価の増加(マイナス影響額1.9億円)などにより売上総利益が前年同期21.4億円(売上総利益率22.2%)から25.0億円(同25.0%)へ増加した。販管費は、採用増等よる人件費の増加(0.8億円)、販売促進に向けたデジタルマーケティング等広告宣伝費の増加(0.5億円)、新たな働き方にあわせた本社移転による地代家賃の減少(0.9億円)などにより前年同期19.4億円(販管費率20.2%)から20.6億円(同20.7%)へ増加したものの、売上総利益の増加を主因に大幅営業増益となった。経常利益は前年同期比192.6%増の3.7億円。前年同期に特別損失に本社移転損失を計上した反動により、親会社株主帰属利益は2.4億円(前年同期は0.6億円の損失)となった。

 

重点施策への取り組み状況

 

クラウドビジネスの強化

既存サービスの提供価値向上と、他社との協業による新たな成長領域の基盤づくりを加速

●クラウドサービスの機能強化の継続やWEB広告等のデジタルマーケティング強化を実施

●コインチェック(株)のバーチャル株主総会総合支援サービスと同社のライブ配信エンジンが連携開始(8月)

 

 

 

注力領域への

投資集中

中長期の更なる成長に向けた人材獲得やマーケティング強化に注力

●国内でIT人材需要が高まる中、エンジニア中心に上期採用実績約35名と人材獲得は順調に進捗

●データドリブンで顧客の課題や声の収集分析を行い、プロダクト側に連携するサイクル構築を目指した組織づくりを実施

 

 

その他の

取り組み

●役職員へのインセンティブとして譲渡制限付株式報酬制度および株式給付信託(J-ESOP)を導入

●DX人材の獲得・育成、オープンイノベーションを起こすための取り組みの一環として沖縄に新拠点の開設を決定

 

サービス別売上高

 

22/3期 上期

構成比

23/3期 上期

構成比

前年同期比

クラウドサービス

5,359

55.5%

5,789

58.0%

+8.0%

物理基盤サービス

2,298

23.8%

1,845

18.5%

-19.7%

その他

2,003

20.7%

2,354

23.6%

+17.5%

合計

9,662

100.0%

9,989

100.0%

+3.4%

* 単位:百万円

 

業績予想との差異要因
7月28日に上期の業績予想を以下の通り修正した。

 

期初予想

修正予想

実績

売上高

9,400

9,970

9,989

営業利益

250

370

436

経常利益

180

320

377

親会社株主帰属利益

130

220

247

* 単位:百万円

 

注力するクラウドサービス売上が概ね予想通りに進捗していることに加え、政府衛星データ関連案件売上の実現により売上高は修正した予想を上回った。利益面では、為替の影響によるドメイン取得費の増加や原油価格高騰による電力費の増加があるも、クラウドサービスへのリソース集中・最適化の進行や、売上高の増加等により修正した予想を上回った。

 

財政状態

 

22年3月

22年9月

 

22年3月

22年9月

流動資産

9,776

9,127

流動負債

11,309

10,319

有形固定資産

15,725

15,005

固定負債

8,637

7,828

無形固定資産

426

398

株主資本

8,313

8,517

投資その他

2,468

2,280

純資産

8,449

8,664

固定資産

18,620

17,684

負債・純資産合計

28,396

26,812

* 単位:百万円

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

上期末の総資産は前期末との比較で15.8億円減の268.1億円。主な要因は、減価償却による有形固定資産の減少、買掛金の支払いや借入金の返済による現預金の減少、売掛金の減少等によるもの。負債は17.9億円減の181.4億円。主な要因は、買掛金や借入金の減少等によるもの。純資産は2.1億円増の86.6億円。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるもの。自己資本比率は31.8%(前期末29.3%)。

 

設備投資・人員
上期の投資は通期予算25億円に対して7億円にとどまった。内訳はデータセンター1億円(予算2億円)、サーバ、ネットワーク機器6億円(22億円)、その他(システム、事務所関連等)0億円(1億円)。サーバ、ネットワーク機器の実績内訳はクラウドサービス4億円。

 

人員については、上期末のグループ従業員数が739名と前期末との比較で29名増加した。エンジニアが16名増、管理は2名増。グループ会社が11名増。

 

2-2 第2四半期(7-9月)連結業績

 

22/3 1Q

2Q

3Q

4Q

23/3 1Q

2Q

前四半期比

売上高

4,819

4,842

4,960

5,396

4,964

5,025

+1.2%

売上総利益

1,062

1,083

1,197

1,364

1,240

1,259

+1.5%

営業利益

111

86

241

324

244

191

-21.7%

経常利益

67

61

223

296

214

162

-24.3%

四半期純利益

50

-119

146

197

142

104

-27.1%

EBITDA

895

897

1,047

1,233

939

890

-

売上総利益率

22.0%

22.4%

24.1%

25.3%

25.0%

25.1%

-

営業利益率

2.3%

1.8%

4.9%

6.0%

4.9%

3.8%

-

* 単位:百万円

 

前四半期比1.2%の増収、同21.7%の営業減益
売上高は前四半期比1.2%増の50.2億円。クラウドサービスの売上は堅調に推移、物理からクラウドへの流れが想定内であり、修正予想を上回る状況である。1Qはグループ会社スポット売上を計上した一方で、2Qには政府衛星データ関連案件の売上を計上した。

 

営業利益は同21.7%減の1.9億円。利益面では、燃料調整費の上昇等による電力費の増加等がありつつも売上の増加により売上総利益が1.5%増の12.5億円となったものの、販管費においてスタートアップイベント協賛費用等の広告宣伝費の増加、株主優待費用の発生もあり減益となった。

 

また、サブスクリプション型売上の主要KPIとして、22/3期からARR(Annual Recurring Revenue:各期月末のMRR(Monthly Recurring Revenue)継続課金による月次収益を12倍して算出)を開示している。2QのARRは111.4億円となり、前年同期(103.1億円)との比較で8.1%増加した。
かつては売上の拡大を第一義として、設備投資や人員増強に力を入れてきたが、現在はカスタマーサクセス(Customer Success)・エンプロイーサクセス(Employee Success)を最優先とする経営方針に転換しており、ユーザーに長く利用してもらう、短期的な売上というよりは、LTVをいかに高めていくか、に力を入れており、この一環として、ARRが重視されるようになった。

 

サービス別売上高

 

22/3期

23/3期

前四半期比

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

クラウドサービス

2,652

2,707

2,773

2,830

2,883

2,906

+0.8% 

 クラウドインフラストラクチャー

1,735

1,777

1,845

1,881

1,935

1,954

+1.0%

 クラウドアプリケーション

917

930

927

949

947

951

+0.4% 

物理基盤サービス

1,162

1,135

1,108

1,089

935

909

-2.8% 

その他サービス

1,004

999

1,078

1,475

1,144

1,209

+5.6% 

* 単位:百万円

 

売上原価の内訳

 

22/3 1Q

2Q

3Q

4Q

23/3 1Q

2Q

賃料

397

377

370

363

357

353

減価償却費・リース料

1,158

1,143

1,144

1,250

1,018

1,010

労務費

848

848

830

845

836

876

通信費

352

337

349

358

363

362

電力費

179

207

195

200

197

238

修繕費

186

182

167

159

192

161

販売商品原価等

360

365

440

498

479

440

その他

274

295

264

356

277

322

* 単位:百万円

 

キャッシュ・フロー

 

22/3 1Q

2Q

3Q

4Q

23/3 1Q

2Q

営業CF(A)

539

902

449

2,066

416

802

投資CF(B)

-118

-205

-684

-665

68

-270

フリーCF(A+B)

421

696

-235

1,400

484

532

財務CF

-451

-602

-541

589

-1,333

-441

現金等残高

4,144

4,239

3,462

5,452

4,613

4,695

* 単位:百万円

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2Qの営業CFは前四半期の買掛金、前払費用等の支払いの影響により増加した。投資CFは前四半期に発生の旧大阪本社の敷金の返戻、当四半期のデータセンター原状回復費用支払い等により減少した。財務CFは前四半期の短期借入金返済の影響により増加した。

 

3.2023年3月期業績予想等

3-1 連結業績予想

 

22/3期 実績

構成比

23/3期 予想

構成比

前期比

売上高

20,019

100.0%

20,350

100.0%

+1.7%

営業利益

763

3.8%

1,390

6.8%

+82.1%

経常利益

649

3.2%

1,230

6.0%

+89.4%

親会社株主帰属利益

275

1.4%

800

3.9%

+190.4%

* 単位:百万円

 

23/3期は前期比1.7%の増収、同82.1%の営業増益を計画
通期予想は据え置き。売上高は前期比1.7%増の203.5億円を計画する。クラウドビジネスは堅調に推移する見込み。

 

営業利益は前期比82.1%増の13.9億円、経常利益は同89.4%増の12.3億円、親会社株主帰属利益は同190.4%増の8.0億円を見込む。利益面では、円安が急速に進行する中、同社はサービスの自社開発率が高いことにより、サービス原価における為替の影響は抑制される。クラウドビジネスは堅調に推移するが、人への投資やマーケティングの強化等、中長期的な成長に向けた様々な施策の検討を進めることに加え、原油価格や為替など不透明な経済情勢も考慮し通期業績予想は据え置いた。

 

投資はサーバ、ネットワーク機器(22億円)中心に25億円を予定している。
配当も修正なく、前期比.0.50円増配の、3.50円/株の期末配当を予定。

 

3-2 事業概況

クラウドビジネスの強化
同社エンジニアの技術力でパートナー・協業企業に深く入り込み、一体となって課題解決を支援することで共に新たな提供価値を創造。

 

 

 

■直近の取り組み、足元の状況

●クラウド・インテグレーターのパートナー企業に対して、同社エンジニアによるサービス勉強会を多数実施(上期25件)

●製造業の「モノ」の販売をSaaSサービス化する案件が進行中

●コインチェック(株)のバーチャル株主総会総合支援サービスと同社のライブ配信エンジンが連携開始(8月)

(同社説明資料より)

 

譲渡制限付株式報酬制度および株式給付信託(J-ESOP)の導入
取締役・執行役員向け譲渡制限付株式報酬制度の導入
株価変動のメリットとリスクを株主とより一層共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を従来以上に高めるため、対象取締役に対し、譲渡制限付株式を割り当てる報酬制度として導入を決定。
従業員向け株式給付信託(J-ESOP)の導入
従業員の意欲や士気、組織・事業をけん引するモチベーションを高めるため、従業員に対し自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」の導入を決定。本制度の導入により、同社従業員の株価及び業績向上への関心が高まり、これまで以上に意欲的に業務に取り組むことに寄与することを同社では期待している。

 

 

3-3 持続的成長のための取り組み

環境に配慮した取り組み

環境に配慮したデータセンター

クラウドコンピューティングに最適化した日本最大級の郊外型大規模データセンター・石狩データセンターは、開所当初より、サステナビリティを高める取り組みを積極的に行っている
石狩データセンター外観(正面:3号棟、左:1・2号棟)

(同社説明資料より)

 

■脱炭素へ向けた取り組み
22年6月より、非化石証書を活用した実質再生可能エネルギー100%の電力契約へ変更。これにより、石狩データセンターでの電力使用に伴う二酸化炭素(CO2)の排出量の実質ゼロを実現。

 

■立地を活かした空調や送電方式への取り組み
これまでも北海道の寒冷な空気を利用した外気空調や高電圧直流(HVDC.※)給電等の送電方式に挑戦。空調にかかる消費電力の大幅削減や給電効率の改善を実現。

 

※HVDCとはHigh Voltage Direct Currentの略で、高電圧の直流での給電方式を意味する。HVDC12V方式は、300Vを超える高電圧直流を集中電源で12Vへと降圧したうえで、そのままサーバに給電する方式。
石狩データセンター外気空調システム概念図

(同社説明資料より)

 

社会貢献への取り組み
■スタートアップ支援
【さくらのスタートアップ支援プログラム】
全てのスタートアップ、ベンチャーを応援
スタートアップ、ベンチャーを対象に、ビジネスに不可欠なサーバインフラの提供、コンサルティングなどを実施

 

■教育支援
【さくらの子供向けプログラミング教室「Kids Venture」】
「つくる楽しさ」「学ぶ喜び」を体験できる場を提供
小学生を対象とした、電子工作・プログラミング教室の開催

 

【さくらの学校支援プロジェクト】
令和3年度文部科学大臣表彰(理解増進部門)を受賞
学校でのプログラミング教育およびICT活用教育への支援

 

【高専支援プロジェクト】
一人でも多くの優秀なIT人材創出の一助に
・クラウド・IoTサービスの体験ハンズオン
・石狩データセンターオンライン見学会
・同社サービスを用いた教材の共同制作 など

 

■次世代型の高専「神山まるごと高専」開校を支援
テクノロジー×デザイン×起業家精神。
社会に変化を生み出す力や起業家精神を持った人材を育てる、次世代型の高専「神山まるごと高専※」。このコンセプトやビジョンに賛同し、企業版ふるさと納税を用いて開校を支援。
※神山まるごと高専:23年4月に徳島県神山町に設立予定の私立高等専門学校

 

■ゲヒルン株式会社が「情報化促進貢献個人等表彰」経済産業大臣賞を受賞
防災情報をいち早く入手できるよう、ユニバーサルデザインや位置情報・地理空間情報を用いて緊急地震速報や防災気象情報をわかりやすくビジュアライズした、「特務機関 NERV 防災」アプリを開発・提供したことにより、安全・安心な社会の構築に貢献したとして表彰を受けた。

 

多様性尊重への取り組み
■「働きやすさ」と「働きがい」の両立(働き方の変革、女性の活躍推進)
在宅勤務やパラレルキャリア等を推進する社内制度をはじめとした、多様な働き方を支援する取り組みを継続。
働きやすい環境づくりに加えてキャリア形成支援体制を拡充し、従業員の女性比率向上や女性管理職の積極登用等にも注力。

 

(同社説明資料より)

 

人的資本経営への取り組み
■エンゲージメント状態の可視化を通じたESの実現
全社員を対象に、社員のエンゲージメント状態を可視化するツール「Wevox(ウィボックス)※」を22年3月に導入。定期的に調査を実施し全社で共有することで、会社を良くしていくための共通認識の1つにするとともに、ES(Employee Success)向上のための施策の検討やアクションに繋げていく。
※Wevox:アトラエ(6194)が提供する、エンゲージメント(組織や仕事に対する自発的な貢献意欲)サーベイ。組織で働く人のモチベーション、心身の健康状態についてアンケートを配信し、その推移や全体傾向を分析するツール

 

DX人材育成への取り組み
■テクノロジー人材の育成
【さくらのDXJourney】
全従業員がITを活用して「やりたいこと」を「できる」に変えるために、一定の技術スキルを所持することを目的とした研修制度。秘書や営業など非エンジニアの社員が、プログラミングやITインフラなどのテクノロジーに関する専用の研修を受講。

 

■アントレプレナーシップの醸成・発揮
【さくら満開プロジェクト】
アイデアを形にするスキルを社内全体で高めていくことを目的としたプロジェクト。新事業への興味やアイデアはあるが実現方法が分からない社員に向けたワークショップや勉強会を経て、22年1月には、社外から審査員を招いてビジネスプランコンテストを開催。

(同社説明資料より)

 

CSRマネジメント
社外役員、独立役員の選任・多様化によるコーポレート・ガバナンスの強化

 

(同社説明資料より)

 

情報セキュリティのマネジメント
■情報セキュリティの維持・向上
総合的な情報セキュリティマネジメントシステムであるISMSを全社適用し、継続的な情報セキュリティ水準の強化を実施。今後も更なるセキュリティの維持、向上を図る。

 

【「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度」登録】
日本政府が求めるセキュリティ要求を満たしているクラウドサービスを、運営委員会があらかじめ評価・登録する制度「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度」(通称:ISMAP(イスマップ))に、「さくらのクラウド」サービスが登録(21年12月)。
その他:取得している各種認証

 

(同社説明資料より)

 

【CSIRT】
SAKURA.SIRT(さくらサート)を設立し、日本シーサート協議会へ加盟している。SAKURA.SIRTでは【お客さまとインターネットそのものを安全にしていく】をモットーに、専門技術者とともに社内外と連携し、セキュリティ関連情報や情勢の把握・共有及び活用を実施。

 

4.今後の注目点

クラウドサービスへの移行を着実に進行させており、上期は期初の予想を大きく上回る形での着地となった。クラウドサービスへの移行は利益率の向上をもたらす。上期は大幅に利益率を向上させたが、下期は更に上昇が進む見通し。今後も改善傾向が進むだろう。22/3期の期初には、24/3期のターゲットを売上高220億円、営業利益24億円に置いていたが、徐々に見えつつある印象。また、同社ではクラウドへの移行に合わせて新たなサービスもリリースしている。これらが本格的に貢献すれば、急速な利益率の改善だけでなく、高い売上成長をもたらすことも期待できる。一方、2Q(7-9月)は1Q(4-6月)との比較で減益。広告宣伝費の増加など戦略的側面はあったものの、電力費の増加も背景にあった模様。ただし、電力費増加の背景にある原油価格高騰は収まっており、今後大きな影響を与えることはなさそうだ。もうひとつの課題として、IT人材不足が高まる中での人材確保が挙げられた。一時は採用控えていたため、獲得に手間取る可能性もあったが、足元までは着実に進めている模様。着実に事業展開が進んでいるものの、株価は低調に推移しており、21/3期決算発表前の800円前後の水準からは遠い。こうした中、役職員へのインセンティブとして譲渡制限付株式報酬制度およびJ-ESOPを導入した。役職員挙げて株価を意識した経営が進むだろう。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

9名、うち社外5名(うち独立役員3名)

監査役

4名、うち社外4名(うち独立役員2名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2022年7月1日)
基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、当社が企業規模を拡大していくのに並行して、経営管理組織の整備を推進し、各部門の効率的・組織的な運営及び内部統制の充実を図ることであり、その基本姿勢を基に現在まで努力してまいりました。特に、インターネット業界は、目に見えない多数の利用者に対して通信施設を開放しており、世界中のインターネット利用者を市場として成立している事業でありますので、他業界以上の大きな社会的責任を背負っております。当社におけるコーポレート・ガバナンスの確立は、このような社会的責任を果たしていくことを可能にする経営基盤であると考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
補充原則2-4-1 【中核人材の登用等における多様性の確保】
<多様性の確保についての考え方・自主的かつ測定可能な目標とその状況>
 当社の中核人材採用・登用については、「多様性が会社を発展させる」という考えのもと、年齢、性別、国籍等の属性にとらわれず、多様性を尊重した採用・登用の推進に取り組んでおります。しかしながら、IT技術者の採用割合の高さから女性の応募者がそもそも少ないことと、全社員における女性比率と比較して女性役職者比率が低いことを課題と認識しており、採用・役職者に占める女性の割合の目標数値については、一般事業主行動計画にて公表しております。
 なお、当社ではそのほとんどが中途採用者であることから、中途採用者の登用について、目標設定を行っておりません。外国人の採用・登用については、現時点では属性による目標設定は行っておりませんが、今後必要と判断した場合には、目標の設定を検討してまいります。

 

<多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針、その状況>
 当社は、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、会社が提供する「働きやすい」環境の中で、社員個人が「働きがい」を追求できることを理想として、会社に縛られない広いキャリアとプライベートの両方で得た知識や経験をもって共創へつなげることを目指し、働き方の多様性を尊重するさまざまな社内環境整備をおこなっています。

 

 

補充原則3-1-3、4-2-2 【サステナビリティについての取組み、取組みについての基本方針の策定等】
<サステナビリティについての取組み>
 DX(デジタルトランスフォーメーション)を支える社会的インフラとして、データセンターの重要性は年々増していますが、SDGsの観点から、温室効果ガスの排出を削減してサステナブルな社会に貢献することが、大量の電力を消費するデータセンター運営において求められています。当社は、経営戦略の重要な要素として、サステナビリティを巡る取組みの重要性について十分に認識しております。
 当社が北海道石狩市で運営する石狩データセンターでは、その立地を生かし、2011年の開所当初よりサステナビリティを高める取り組みを積極的に行っています。冷涼な外気を活用した外気冷房によるエネルギー効率の向上等により、一般的な都市型データセンターと比較して約4割の消費電力を削減するなど、世界最高水準のエネルギー効率を達成しているほか、2022年6月には、非化石証書を活用した電力へと変更することで、石狩データセンターにおける二酸化炭素(以下、CO2)の年間排出量実質ゼロを実現し、年間約12,861トンのCO2の排出量を削減できることになりました。当社ではこの実質的なCO2排出量ゼロに留まらず、再生可能エネルギーを100%利用した石狩データセンターの運用を目指してまいります。
 また、2021年10月に、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言」への賛同を行うとともに、同提言に賛同する企業・機関等による「TCFDコンソーシアム」にも参加しております。今後は、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、適切な開示を行えるよう、引き続き準備を進めてまいります。

<人的資本、知的財産への投資等>
 当社は、知的財産への投資を事業の発展のために重要なものと位置付け、社内の創造的活動を積極的に支援しております。人的資本への投資についても、社員の能力を高めその能力を最大限に引き出す環境づくりに取り組んできた当社にとって、人材の確保や育成は強みであり、お客さまと社員の成功を支援することで共に成長していく関係を構築する「CS(カスタマーサクセス)・ES(エンプロイーサクセス)の実現」という、重点テーマにも沿ったものと言えます。いずれも当社の持続的な成長に資するよう監督を行うとともに、積極的な情報開示に努めてまいります。

 

原則5-2、補充原則5-2-1 【経営戦略や経営計画の策定・公表等】
 当社の経営戦略や経営計画の策定においては、資本コストを十分に考慮した上で収益力に関する目標を策定しておりますが、資本効率等の指標については、現在公表を行っておりません。引き続き事業特性等を踏まえた水準を検討し、決算説明会や個別ミーティング等により株主との対話を重ねながら、どのように伝えるべきかを慎重に検討していく予定です。
 事業ポートフォリオに関する基本的な方針の策定については、今後検討を進めてまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
原則1-4 【政策保有株式】
当社は、政策保有株式を保有しておりません。

 

原則5-1 【株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、IR担当組織を設置し、株主や投資家に対しては、年2回以上の決算説明会を開催するとともに、ご要望により、代表取締役社長・取締役最高財務責任者等による個別面談等を行うことで、適切に対話の機会を設けております。また、対話にていただいたご意見については、適宜経営陣に共有する仕組みを構築しております。
 なお、対話にあたっては、対話のテーマに留意し、インサイダー情報を厳重に管理しております。

 

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