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(9223) 株式会社ASNOVA

名証ネクスト

ブリッジレポート:(9223)ASNOVA 2023年3月期第2四半期決算

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投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

 

 

上田 桂司 社長

株式会社ASNOVA(9223)

 

 

企業情報

市場

名証ネクスト市場

業種

サービス業

代表取締役社長

上田 桂司

所在地

愛知県名古屋市中村区平池町四丁目60番地の12 グローバルゲート26階

決算月

3月

HP

https://www.asnova.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,990円

1,539,900株

3,064百万円

8.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

14.00円

0.7%

100.92円

19.7倍

1,761.35円

1.1倍

*株価は12/20終値。発行済株式数、DPS、EPSは23年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

2,132

188

184

61

1,368.81

0.00

2020年3月(実)

2,724

236

282

265

194.97

0.00

2021年3月(実)

2,241

-145

11

15

11.68

0.00

2022年3月(実)

2,679

166

287

204

150.14

0.00

2023年3月(予)

3,198

224

242

154

100.92

14.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。

 

 

株式会社ASNOVAの会社概要、成長戦略、業績動向、上田社長へのインタビューなどをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.今後の成長戦略
3.2023年3月期第2四半期決算概要
4.2023年3月期業績予想
5.上田社長へのインタビュー
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 仮設機材「くさび式足場」のレンタル・販売・架払工事を行い、主に足場施工業者や中小の建設会社等、約2,400社の顧客に足場を提供している。「在庫量」「拠点との距離」「機材の品質」「対応力」で同業他社を大きく上回り、顧客から高い評価を得ている。

     

  • 好調な上期業績と今後の継続的な足場需要増加への対応等を勘案し、業績予想を上方修正した。23年3月期の売上高は前期比19.4%増の31億98百万円、営業利益は同34.7%増の2億24百万円の予想。足場投資は前期比倍増で投資額としては過去最高となる24億円を予定している。

     

  • 配当については、株主還元の更なる強化と新たな投資家層へのアプローチを図るため、期末配当を3.50円/株から4.00円/株へ増配すると発表した。22年12月末の株式分割前換算では7.00円/株から8.00円/株へ1.00円/株の増配。これにより年間配当額予想は、株式分割前換算で中間配当7.00円/株、期末配当8.00円/株の合計15.00円/株となる。予想配当性向は14.9%。このほか、株主優待制度の導入・拡充、株式分割も発表した。

     

  • 経営基盤を強化するとともに、既存事業の更なる拡大と新規事業の立ち上げに取り組んで行く。新規事業として「ベトナム市場の開拓」「パートナー制度による拠点拡大」「マッチングサービスによる新たな足場需要の開拓」に注力する。

     

  • 上田 桂司社長に、社会的存在意義、競争優位性、成長戦略、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「私の責務は当社の企業価値を向上させていくことだと強く認識しています。また、それだけではなく、足場の必要性についての認知度を向上させ、循環型社会の実現にも貢献していきたいと考えています。株主・投資家の皆様には、是非当社の挑戦を中長期の視点で応援していただきたいと思っています」とのことだ。

     

  • 2022年9月末時点での同社足場保有額は101億円と、くさび式足場を扱う同業他社を大きく上回る。ただ、その稼働率は現時点でほぼフル稼働ということだ。今期の足場投資額は例年の約2倍、24億円を計画している。来期以降もどの程度の投資を継続して実行し、保有額を増大させることができるのかが、同社の成長性を見るうえでの最大のポイントとなる。保有額増加によって海外展開およびASNOVA STATIONがいつごろから収益に寄与してくるのか、その進捗も注目していきたい。

     

     

1.会社概要

仮設機材「くさび式足場」のレンタル・販売・架払工事を行い、主に足場施工業者や中小の建設会社等、約2,400社の顧客に足場を提供している。「在庫量」「拠点との距離」「機材の品質」「対応力」で同業他社を大きく上回り、顧客から高い評価を得ている。

 

【1-1 上場までの沿革】

当初は会社を承継する考えはなかった上田 桂司氏(現 株式会社ASNOVA 代表取締役社長)は、1999年、乞われる形で父親が創業した建設機械のリース・レンタル業を営む上田建機株式会社(福井県敦賀市)に入社する。
2011年の東日本大震災を契機に、原子力発電所が地域経済を支える福井県敦賀市では景気が急速に落ち込み、上田建機株式会社も厳しい状況に直面する。
かねてより大手レンタル会社の参入などで建設機械レンタル業の将来性に疑問を感じていた上田氏は、「新しい会社を立ち上げ、もっと大きな市場で、より社会性のある事業を展開したい」との想いから、2013年12月、日本レンテクト株式会社(現 株式会社ASNOVA)を設立し、代表取締役社長に就任した。
上田建機在職時から建設機械レンタルに代わる事業として足場レンタル事業のマーケティングを行っていた上田社長は、足場施工業者の間では、設置や解体が容易で施工費用が比較的安い「くさび式足場」のニーズが極めて高いにもかかわらず、レンタルしてくれる会社が無いことを知る。そこで地域を関西まで広げてマーケティング、ヒアリングを行ったところ、全ての会社から「レンタルできれば大変助かる」という声を聴き、一気に「くさび式足場」レンタル事業のアクセルを踏む。
ニッチな市場を先行して開拓したことに加え、マンション老朽化問題や自然災害対策など景気の波に左右されにくい足場ビジネスという側面も後押しとなり業容は順調に拡大。千葉、大阪、東京、仙台、埼玉などに拠点を開設し、2017年には本店を名古屋市中村区に移転し、2019年に商号を株式会社ASNOVAに変更。
2022年4月、名証ネクスト市場に株式を上場した。

 

【1-2 理念、目指す姿】

以下のようなパーパス(存在意義)、バリューズ、経営理念、経営ビジョンを掲げている。

パーパス(存在意義)

 

ASNOVAのあらゆる意思決定の拠り所として、またASNOVAの全従業員が一体となって進む先を示す指針として、唯一の「起点」となるもの。

「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす。

 

※社名「ASNOVA」は「明日の場を創りだす」という同社の存在意義を表している。

バリューズ

 

パーパスを体現するために従業員一人ひとりが大切にする価値観。ASNOVAのあらゆる職場で、それぞれの日々の仕事の指針となるものである。

1.お客様と社会の想いを感じ取ろう。

2.一歩先を見よう。明日を思い描こう。

3.慣習を疑おう。既成概念から飛び出そう。

4.決めるスピードと動くスピードで前へ出よう。

5.まずやってみよう。あきらめずにやりとげよう。

6.個を磨き、共に成長し続けよう。

7.時代を先回りして変化し続けよう。

 

仮設工事に係る多様なサービスをワンストップで提供するとともに、仮設工事業界のイメージ向上につながる先進的なサービスを創出し業界の抱える問題を解決することを目指している。

【1-3 同社を取り巻く環境】

(1)着実に拡大する足場需要
建設現場では必須の機材である足場の需要は、「マンション修繕工事の増加」「住宅リフォーム工事の増加」「自然災害の増加」により今後も着実に拡大すると見られる。

 

*マンション修繕工事の増加
国土交通省の資料によれば2020年(令和2年)に築30年以上のマンションの戸数は約230万戸だが、2030年には400万戸を超え、2040年には約580万戸まで増加する見通し。
築後30年以上経過したマンションは、安全性の確保、資産価値の維持向上のために老朽化対策が必要であり、一定の周期で修繕工事が実施される。
同社資料によれば、分譲マンションの大規模工事修繕市場は2022年の2,710億円が3年後の2025年には3,620億円とCAGR(年平均成長率)10%での成長が見込まれている。また大規模修繕工事の内訳を見ると、仮設工事、外壁塗装、屋根防水など、足場を必要とする工事が半分以上を占める。
老朽化マンションの増大にともない修繕工事向け足場需要は中長期的に拡大することが予想される。

 

 

 

(同社資料より)

 

*住宅リフォーム工事の増加
住宅取得に際し新築を選好する傾向が強い日本では全住宅流通量(中古住宅及び新築住宅)に占める中古住宅のシェアは大きくなりつつあるものの、欧米諸国と比べると依然として低い水準にあり、国土交通省は社会問題化している空き家対策も含め中古住宅の流通促進、中古住宅市場の活性化を進めている。
また、コロナ禍に伴うリモートワークの増加による住居内での仕事場の確保、少子化の進行により子供が独立した後の一戸建て改装などの需要もあり、住宅リフォーム市場も着実に拡大するものと見込まれ、工事の際の足場需要も同様に増加すると思われる。

 

*自然災害の増加
近年、豪雨を始めとした自然災害の発生頻度は高まり、その被害も拡大している。政府の「国土強靭化計画」に基づいた災害予防工事や復興工事も増加している。また、住宅やマンションの老朽化対策も重要な社会課題と認識されている。

 

(2)軽仮設材リース・レンタル市場規模
同社の事業領域にあたる軽仮設資材リース・レンタル市場の市場規模は2,251億円(同社資料より)。
上記のような用意を背景に、足場需要は今後も中長期的に拡大トレンドにあると見込まれる。

 

※軽仮設材とは、建築工事で主に使用され、人力による運搬が可能な軽量の資材を指す。また、軽仮設材の主要品目は足場材・鋼製型枠・丸角部材・長尺足場材・支保工部材・養生部材。
なお、同社の取り扱い品目は足場材・丸角部材・長尺足場材・支保工部材・養生部材となる。

 

(3)競合関係
「くさび式足場」を扱っている上場企業は同社のみ。非上場企業では数社あるが、拠点数、足場保有額などからは同社が大きくリードしているということだ。

 

 

【1-4 事業内容】

建設工事現場等で使われる足場の「レンタル」を行っている。セグメントはレンタル関連事業の単一セグメント。

 

(1)足場の概要
足場には「くさび式足場」「枠組足場」「次世代足場」「単管足場」の4種類があるが、同社は「くさび式足場」に特化して取り扱っている。
「くさび式足場」は、主に戸建住宅や高さ45メートルまでの中低層マンション等の建築工事で使用される。ハンマー一本で組み立てることができるため設置や解体が容易で、施工費用が比較的安い、保管・運搬・施工効率が良いといった点が特長である。
「くさび式足場」自体は30年以上前から製造されていたが、本格的な普及は同社のレンタルによるもの。
「枠組足場」「次世代足場」「単管足場」は主に中高層建物や土木・公共工事で使用される。

 

※建設仮設業界では、その厳密な定義と使い分けが明確に整理されずに使用されているのが現状であり同社では有価証券報告書等では以下のように定義して使用している。
仮設機材:同社が取り扱う商材の全般を指す。
足場:仮設機材のうち、防音パネル等を除いた、高所作業のための踏板や支柱などで組み立てたもの全般を指す。
但し、建設仮設業界では、個別の商品名を表現する際には、「仮設機材」と表現せずに「足場」と表現するケースも多く存在する。

 

(2)ビジネスフロー・ビジネスモデル
◎ビジネスフロー
足場施工業者が、現場で必要な量の足場レンタルを同社に発注。足場施工業者は同社の機材センターで足場を受け取り現場で架設・設置する。工事が終了すると足場施工業者は足場を撤去し、同社に返却する。

 

(同社資料より)

 

◎ビジネスモデル
2022年9月末現在の顧客数は約2,400社。主たる顧客は建設現場で足場を組み立てる足場施工業者で、中小ゼネコン、イベント会社等からのレンタルの依頼もある。

 

(同社資料より)

 

*収益構造
足場レンタル事業拡大のためには、「保有する足場の増大=足場への投資」が必要である。
そのため、成長ステージにある同社においては、売上原価に占める減価償却費の割合が高いのが特徴である。
2022年3月期の足場に係る減価償却費は7億82百万円で、売上原価18億69百万円の42%を占めている。

 

(同社資料より)

 

足場の減価償却期間が5年であるのに対し、同社では足場管理のノウハウが蓄積されているため、20年~30年と長く使用することが可能。減価償却が終了し回収フェーズに移ると収益性は大きく向上する。
同社のシミュレーションによれば、投資フェーズで7%の営業利益率は、19%まで上昇し、回収フェーズに入ると48%まで高まる。

 

(同社資料より)

 

【1-5 同社の特長・競争優位性】

◎顧客に選ばれる総合力
同社が顧客に対し実施したアンケートによれば、足場レンタル会社選定の際に重視する点は「在庫量」「拠点との距離」「機材の品質」「対応力」であり、顧客は「いつでも、近くで、安心して」を求めていることがわかっている。
そこで同社では以下のような取り組みによって、顧客満足度の最大化を図り、競争優位性を構築している。

 

*在庫量/いつでも
年々足場機材投資を拡大させており、2022年9月末時点で101億円の足場を保有。競合の保有量を大きく上回る。
2023年3月期は年間で24億円の投資を予定している。

 

*拠点/近くで
足場レンタルの拠点となる機材センターは2022年10月末現在19拠点。2023年3月期は新たに栃木県上三川と佐賀県鳥栖の2拠点を出店した。
また「2.今後の成長戦略」で触れているように、「ASNOVA STATION」によるパートナーを通じた地方展開も進めていく。
顧客の利便性を追求し、足場レンタル需要の多いエリアには自社、レンタルサービスが行き届いていないエリアにはパートナーという棲み分けで出店を行い「近くで」を実現し、全国規模で足場レンタルの供給拠点を拡充していく。

 

*機材の品質・対応力/安心して
毎期150-200社近くの新規顧客を獲得している同社は顧客から高い評価を受けている。
在庫量や拠点の近さに加え、正確性、迅速さ、誠実さ、柔軟性、高品質(足場機材)など、顧客対応においても高い満足度を提供している。足場機材の使用可能期間を長期化させる管理ノウハウも同社の大きな優位性である。

 

 

加えて、電話とFAXの利用が多いレンタルの受発注をWEBシステムへ移行させ、安心して発注できる環境を提供している。
顧客・同社ともに煩雑な発注作業・業務量を減少させることで、人的ミスを減らすことができており、この点でも顧客に安心を提供している。

 

【1-6 株主還元】

現在の成長過程では、事業資金流出を避けて内部留保の充実を図り、業容拡大を目指すことを重視している同社は、株主還元も重要施策であると認識している。
2023年3月期は業績が予想通りに順調に推移していることに加え、市場のステップアップを目論んだ株主数増加を鑑み、後述のように、配当の開始と増配、株式分割の実施、株主優待制度の導入および拡充など、積極的な株主還元を実施している。

 

【1-7 SDGs】

マンションの老朽化や地球環境の変化による自然災害の増加、生活環境の変化等の社会的課題に対し、環境負荷の少ないレンタル事業を通じて循環型社会の実現や、環境課題にとどまらない社会課題の解決を目指している。
SDGsについての取り組みは以下のとおりである。

 

(同社資料より)

 

2.今後の成長戦略

経営基盤を強化するとともに、既存事業の更なる拡大と新規事業の立ち上げに取り組んで行く。

 

(1)新規事業

①海外展開
マンションや住宅のリフォーム工事など国内においても足場需要は堅調な拡大が見込まれるが、より大きな事業機会の獲得を目指し、海外展開を開始。
2022年10月5日、ベトナムに連結子会社ASNOVA VIETNAM Co.Ltd,を設立し、くさび式足場のレンタル事業を開始した。

 

(設立の背景)
以下の要因・背景などからベトナムを魅力的な市場であると考え、2017年からベトナムでテストマーケティングを実施してきた。

 

魅力的な労働力

2020年の人口はASEAN第3位の約9500万人。加えて2019年の平均年齢は31.9歳と若い。技能実習生の最大の輩出国であり、日本語人材も豊富である。

拡大が続く国内市場

経済成長率はコロナ禍で一時的に減速したが、2022年は6%以上と高成長が持続すると見込まれる。経済成長に伴い、中間層・富裕層が増加し、2020年時点で全世帯の約63%が中間層・富裕層。

地理的優位性

ASEANと中華華南地域を繋ぐ交通の要衝であるとともに、南シナ海に面しており大型船舶が直接寄港可能な深海港が複数存在する。ASEAN諸国にもアプローチしやすい。

日本との親和性

対ベトナムのODA(政府開発援助)拠出では日本は常に上位にあり、技術協力協定、投資協定、EPA(経済連携協定)も盛んである。

 

こうした要因を背景に「経済成長に伴う住宅購買層の増加による工事需要拡大」「コロナ禍により停滞していた建設の再開」「建設機材の高騰によるレンタルへの移行」「工業団地計画による建設需要の拡大」などから建設需要および足場レンタル需要の高まりを見込んでいる。

 

(ベトナム市場における同社の強み)
足場機材の寿命を長くするには徹底した管理能力(在庫使用可否の判断、作業スピード、棚卸差異率)・整備が重要である。
足場の減価償却期間5年に対し、同社の機材使用期間は20-30年以上、棚卸差異率の業界平均が3%に対し同社は0.002%以下となっている。
こうした同社の足場管理能力や、くさび式足場に特化したレンタルのノウハウはベトナム現地のレンタル会社に対する強力なアドバンテージとなる。

 

また、2022年9月時点で同社の足場保有量は約33,000トン、101億円であるが、このうち経年材約1,000トン、約3億円をベトナムに輸送しセカンドマーケットとして活用する。加えて今後もベトナム用足場材の投資も継続して行い、日系レンタル会社、現地レンタル会社を抑えてシェアNo.1を目指す。

 

日本製品への信頼も大きな強みである。
ベトナム製の足場の使用年数が5年程度なのに対し、同社足場は前述の通り、そのノウハウである徹底した管理能力により20-30年以上の使用が可能である。
こうした日本製品の高品質・安全性に対し、現地潜在顧客は高い信用を寄せていることが、テストマーケティングや22年6月に出展した展示会「VIETBUILD(※)」を通じて確認できている。

 

※VIETBUILD
ベトナムで最大規模の建設業界の展示会。地元企業、アジア諸国や欧米からも多数の企業が参加し、建築・建設資材・不動産・内外装会社など2000ブースが出展。建設業界の新製品や新しいソリューションを模索する場であり、多くの質問や引き合いが寄せられたという。

 

 

(営業戦略)
3つの戦略を推進し、ベトナム事業を拡大する。

 

◎提供価値の認知
くさび式足場の認知度を向上させる。
くさび式足場の施工効率の良さを伝えるとともに、販売店を通じたモデル案件獲得により知名度を向上させる。

 

◎サービスを実現する人材の創出
くさび式足場の有用性を理解してもらうため、足場レンタル以外の顧客にも、外部の足場施工エンジニアリング、足場図面の設計作成、足場施工のスーパーバイザー(指導員)派遣などによりくさび式足場使用に関するアドバイスなども行う。

 

◎デジタル化への対応
ITのオフショア開発の世界的な拠点であるベトナムの特性を生かし、WEB受発注、電子INVOICE対応、請求・発注等
管理業務のデジタル化を進める。

 

(機材センター)
足場レンタル事業に不可欠な機材センターを、首都ホーチミンから約60km、新国際空港予定地から約30km、カイメップチーバイ港から約4kmと主要都市や空港・港へのアクセスも良いフーミー3特別工業団地に開設した。
今後開発が進む地域であり、足場の需要も大きいと考えている。
また、約4,000㎡の機材センターを開発するが、同工業団地は総開発面積999haと広大な工業地域であるため、将来的に保有量が増大した場合でも同敷地内での拡張が可能である。

 

(今後の展望)
*ベトナム国内における戦略
顧客企業数の拡大によるリスク分散を図る。主要顧客は日系企業のみでなく現地の建設企業であり、チャネル戦略により販売領域を拡大するほか、機材を増強し戸建住宅業界へ販売領域を拡大する。

 

*ベトナムを起点とした海外展開
ベトナムへの進出を足掛かりに、ベトナムの地理的優位性を活かし、高い経済成長率をみせるASEAN諸国へ展開する。
ASEANでは足場レンタル事業はまだ発展途上であり、日本で培ったノウハウにより市場創出・市場開拓を図る。

 

②ASNOVA STATION:パートナーを通じた地方展開
足場を「いつでも、近くで、安心して借りられる」社会の実現を目指す同社が、レンタルサービスが行き届いていないエリアで事業者とパートナー契約を結び、拠点を拡大していくのが「ASNOVA STATION」である。

 

(サービス開始の背景)
「マンションリフォーム」「住宅リフォーム」「自然災害」の増加により足場の需要拡大が見込まれる中、同社では足場供給能力拡充に向け、機材センターの拡大に取り組み、2022年10月現在、全国に5ヵ所の営業所と機材センター19拠点を有している。
同社顧客は足場レンタルに際し、「豊富な在庫量」「安心して利用できる品質の高さと対応力」に加え、「拠点の近さ」を重要なポイントとしていることが分かっている。
そこで、機材センターの増設と共に、よりスピーディーに足場レンタル拠点を拡充するために立ち上げたのが同サービスである。
地方では需要の多さに対し、足場のレンタル会社は少ない。足場レンタル事業を展開するためには初期費用の負担が大きいため参入障壁は高く、ASNOVA STATION展開に大きな競合は想定しにくい。

 

(ASNOVA STATION概要)
同社はレンタルサービスが行き届いていないエリアで事業者とパートナー契約を締結。同社はパートナーへ足場機材や商法・ノウハウの提供を通してパートナーを支援する。パートナーはエンドユーザーへ足場機材をレンタルする。

 

(同社資料より)

 

以下のようなきめ細かいサービスでパートナー企業を支援する。

 

(同社資料より)

 

(今後の展望)
初年度の今期「10拠点、売上高10百万円」、2期後の25年3月期「30拠点、売上高3億22百万円」を計画しており、パートナー拡大と共に売上高の伸長を見込んでいる。
自社で機材センターを開設する際に必要な土地や管理スタッフといった投資が不要なため、スピード感を持った拡大が可能である。

 

 

(同社資料より)

 

③マッチングサービス:新たな足場需要の開拓
同社では、足場はマンションや住宅の建設のみでなく、アート、イベント、展示会、オフィス空間構築など、もっと様々なシーンで用いることができると考えている。
そこで同社がコンシェルジュとして一般ユーザーと足場施工業者の間に入り、利用者と足場施工業者の不安を解消することで最適なマッチングを実現し足場の利用用途の拡大を促進する。
足場施工業者から月額の登録料及びマッチングが成立した際の成果報酬を収受する。

 

(同社資料より)

 

このサービスによって一般ユーザーは簡易かつ自由に空間創造を行うことができる。一方足場施工業者は足場の市場領域の拡大、閑散期と繁忙期の差の縮減、安定雇用の実現といったメリットを享受できる。

 

(2)既存事業の拡大

①新規出店の拡大
国内足場市場の更なる開拓のためには引き続き、顧客の利便性を重視して足場レンタル需要の多いエリアにドミナント出店を行っていく。23年3月期には栃木県上三川、佐賀県鳥栖の2店舗を出店して19拠点となった。
また前述のASNOVA STATIONを加えると、同社のレンタル拠点数は2023年3月期末時点で約30拠点となる。
自社およびパートナーによる拠点拡大で、足場需要を着実に取り込んでいく。

 

②足場投資の拡大
業容拡大のために最も必要なものが足場投資。23年3月期には足場機材を24億円購入する計画だ。
今後も継続的に投資を拡大し、足場レンタルの普及を図る。

 

③新規顧客の拡大
23年3月期、新規機材センター出店による獲得も含め、新規顧客数200社を計画しており、総顧客数は約2,500社に上る見込み。足場施工業者は全国で約84,000社あり、開拓余地は極めて大きい。
以下3つの営業戦略を強化することで安定的な顧客獲得を目指す。

 

WEBマーケティング

サービスサイトやランディングページを利用し、コラムなどでSEO対策を行うことで、WEBサイト訪問者数と問い合わせ件数の拡大を図る。

WEB受発注システム

足場業界では、受発注は電話とFAXの利用がいまだに一般的である。受発注をWEBシステムへ移行させることで、より利便性を高め、顧客満足度の向上を図る。

ASNOVA GROWTH

創業期から成長期の新規顧客に向けた「レンタルからスタートできる足場購入サービス」。希望するタイミングで、レンタルから購入に切り替えることが可能な仕組みで、資金的に余裕がない創業期から成長期の顧客を支えていく。

 

※新規顧客とは当該事業年度において新たに契約締結した顧客。既存顧客とは当該事業年度の前年度までに契約締結した顧客。
(同社資料より)

 

(3)経営基盤の強化
同社では、新たな事業やサービスを担う人材育成を目的とした人事制度「ASNOVA WAY」を運営している。
様々な角度・視点から人的資本の強化を図り、全社で「パーパス」を体現する文化を醸成する。

 

(同社資料より)

 

3.2023年3月期第2四半期決算概要

【3-1業績概要】

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前年同期比

予想値

売上高

1,317

100.0%

1,463

100.0%

+11.1%

1,395

営業利益

47

3.6%

-9

-

-

-21

経常利益

73

5.5%

1

0.1%

-97.4%

-16

四半期純利益

46

3.5%

-6

-

-

-14

*単位:百万円。

 

増収減益、売上・利益とも予想を上回る
売上高は前年同期比11.1%増の14億63百万円。期初からの大幅な足場投資に伴い受注が拡大した。
営業利益は9百万円の損失(前年同期は47百万円の利益)。レンタル事業の売上収益は増加したが、足場への積極投資による減価償却費の増加、機材センター2店の出店経費、人件費増など積極的な投資の実施により損失計上。

 

堅調なリフォーム市場を背景に足場機材への需要が増大する一方、世界的な鋼材価格の高騰による足場機材の価格上昇により同社の主要な顧客である足場施工業者において、購入からレンタルへシフトする機運が高まっている。
こうした状況の下、機材が想定以上の高稼働となったことや、機材センターの新規出店による受注拡大により売上・利益とも期初予想を上回った。

 

(同社資料より)

 

【3-2 財務状態】

◎主要BS

 

22年3月末

22年9月末

増減

 

22年3月末

22年9月末

増減

流動資産

1,273

1,082

-190

流動負債

1,757

2,425

+668

 現預金

750

326

-424

 仕入債務

61

408

+346

 売上債権

393

530

+136

 短期借入金

1,406

1,819

+412

固定資産

4,384

6,239

+1,854

固定負債

1,500

2,236

+736

 有形固定資産

4,233

6,024

+1,791

 長期借入金

1,464

2,178

+714

  賃貸資産

2,190

3,802

+1,612

負債合計

3,257

4,662

+1,404

  土地

1,624

1,685

+61

純資産

2,400

2,659

+259

資産合計

5,658

7,322

+1,663

 利益剰余金

2,005

1,999

-6

 

 

 

 

負債純資産合計

5,658

7,322

+1,663

*単位:百万円。賃貸資産は純額。

 

新規機材センターの出店および足場投資拡大により資産合計は前期末比16億円増加し73億円。
仕入債務および長短借入金の増加で負債合計は同14億円増加の46億円。
新株発行に要資金調達により純資産は同2億円増加し26億円。
自己資本比率は前期末より6.1%低下し36.3%となった。

 

【3-3 トピックス】

①佐賀鳥栖、栃木上三川に機材センターを新規出店
同社では成長戦略の重要な施策として「機材センターの新規出店」を推進している。23年3月期は現時点で以下2か所に新たに出店した。

 

◎佐賀鳥栖センター(佐賀県鳥栖市真木町1133-1)
2022年8月25日オープン。敷地面積5,413㎡。
佐賀鳥栖センターは、九州エリア(福岡市、佐賀市、熊本市、北九州市、大分市)の中心部に位置する。これまで本州にしか機材センターはなかったが、佐賀県へ出店することで今後の九州展開の足掛かりとする。

 

◎栃木上三川センター(栃木県河内郡上三川町大字上郷字下河原299番5)
2022年9月12日オープン。敷地面積3,930㎡。
関東には既に6拠点機材センターがあるが、栃木上三川センターを新規出店することで関東エリアのシェアを更に拡大し、既存顧客への利便性向上と茨城県や福島県も含めた新規顧客獲得を狙う。

 

②ベトナム子会社を設立
2022年10月5日、ベトナムに連結子会社ASNOVA VIETNAM Co.Ltd,を設立した。
詳細は「2.今後の成長戦略」を参照。

 

③ASNOVA STATION サービスの運営を開始
2022年10月17日、レンタルサービスが行き届いていないエリアで事業者とパートナー契約を結び、拠点を拡大していく「ASNOVA STATION サービス」の運営を開始すると発表した。
詳細は「2.今後の成長戦略」を参照。

 

④積極的な株主還元策を実施
株主満足度の向上、株主数の拡大、流動性向上を目指し、2022年11月30日、以下の株主還元策を発表した。

 

◎株式分割
株式の流動性向上、投資家層の拡大、株主数の増加を図るため1:2の株式分割を実施する。
基準日は2022年12月31日。

 

◎増配
これまで無配としてきた同社だが、2022年8月12日に中間配当、期末配当それぞれ7.00円/株、年間合計14.00円/株の配当を実施すると発表した。
加えて、株主還元の更なる強化と新たな投資家層へのアプローチを図り、2022年11月30日、期末配当を3.50円/株から4.00円/株へ増配すると発表した。上記の株式分割前では7.00円/株から8.00円/株へ1.00円/株の増配。
これにより年間配当額は、株式分割前換算で中間配当7.00円/株、期末配当8.00円/株の合計15.00円/株となる。

 

◎株主優待制度
2022年8月31日に、株主の支援に感謝するととともに、同社株式への投資魅力を一層高め、中長期的保有株主の増加を目的として、株主優待制度「ASNOVAプレミアム優待倶楽部」の導入を発表した。
3月末、9月末の保有株式数に応じて進呈されるポイント数は、最低ランクで「500-599株で5,000ポイント」となるが、上記株式分割実施にあたり、分割後でも進呈ポイントに変更を行わないこととした。

 

例えば、現在500株を保有している株主は、同制度の下では5,000ポイントが進呈される。2022年12月31日の株式分割で保有株式数は1,000株となると進呈ポイントに変更がないため、この株主は1,000株保有による進呈ポイント15,000ポイントを得ることができ、実質的に進呈ポイント数は3倍となる。

 

⑤DX推進のカギとなるノーコード予測AIプラットフォーム「UMWELT」を本格導入
2022年12月8日、名古屋大学発AIベンチャーの株式会社トライエッティングのノーコード予測AIプラットフォーム「UMWELT (ウムベルト) 」を導入したと発表した。

 

(株式会社トライエッティング概要)
2016年6月設立。主要事業として、サプライチェーン領域における業務特化型拡張知能(AI)技術の研究開発およびライセンス販売を行っている名古屋大学発のAIベンチャー企業。
「明日の未来を、今日つくろう」をミッションに掲げ、認識・未来予測・最適化を主とした「知能作業」の自動化に取り組んでいる。

 

(ノーコード予測AIプラットフォーム「UMWELT」概要)
人間では考慮しきれない量の学習データから需要予測を行い、いつ・何が・どれだけ売れるのかを高精度で予測することが可能なシステム。日・週・月、拠点ごと、全品番で需要予測が可能。
最適な生産計画の立案、ロスの削減、在庫減による利益率の向上、最適な人員配置による人件費削減、間接費用の削減(運送費など)などを実現する。

 

(ASNOVAでの導入目的)
足場施工業者及びASNOVAの以下のような課題解決のためにノーコード予測AIプラットフォーム「UMWELT」を導入することとした。

 

*足場施工業者の課題
足場が足りない場合、足場を借りる一方で、足場レンタル企業は一部の機材センターで足場が足りない場合の手段として、他のセンターから機材を移動させる、もしくは足りないため購入する必要があり、こうした対応を期限に合わせて実行することは担当者の負担となっていた。

 

*ASNOVAの課題
2022年9月末時点で約101億円の足場機材を保有し、全国19拠点の機材センターにおいて、全国の建設現場で必要となるレンタル機材を管理しているが、きめ細かな対応が必要な業務は負担が大きく、属人化や適正在庫の管理が課題であると認識していた。

 

こうした課題を解決し、今まで以上に「必要な時に、必要な場所へ」足場を提供するには、事前に足場機材の需要予測をおこなうことで各機材センターに適切な在庫を揃えることが必要であると考え、AIで需要予測を行う「「UMWELT」を導入することとした。

 

(導入状況)
業務負担軽減と業界のDX推進のために2022年4月より「UMWELT (ウムベルト) 」を導入し、機材需要予測のテスト運用を行ってきた。
これまでは担当者が、レンタル事業で培った過去の実績データをもとに予測数値を算出していたのに対し、「UMWELT」導入により1~2年先の需要予測も可能なため、必要在庫を算出して機材購入の判断材料としても活用することができる。
また、これまでは、電話やFAXで受発注を行っていたため、失注情報が適切に管理されていなかったが、導入による正確な需要予測により失注を必要最低限に抑えることができ、機材の稼働率は例年と比較して大幅に上昇した。
こうした明確な成果が表れたことから、22年12月より本格導入に踏み切った。

 

同社では、有限な資源を繰り返し「再利用」するレンタルビジネスが更に普及することで社会課題の解決につながり、レンタルを軸とした新たな事業展開と既存事業の拡大で「循環型社会」の実現への貢献を目指しているが、今回のDX活用により、さらに強力に推進していく考えだ。

 

4.2023年3月期業績予想

【業績予想】

 

22/3期

構成比

23/3期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

売上高

2,679

100.0%

3,198

100.0%

+19.4%

+6.6%

45.8%

営業利益

166

6.2%

224

7.0%

+34.7%

+46.6%

-

経常利益

287

10.7%

242

7.6%

-15.7%

+43.5%

0.8%

当期純利益

204

7.6%

154

4.8%

-24.5%

+38.6%

-

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

業績予想を上方修正
上期業績と今後の継続的な足場需要増加への対応等を勘案し、業績予想を上方修正した。
売上高は前期比19.4%増の31億98百万円、営業利益は同34.7%増の2億24百万円の予想。
足場投資は前期比倍増で投資額としては過去最高となる24億円を予定している。
上期売上高の進捗率は45.8%。例年通りの進捗率と会社側は考えている。

 

【3-3 トピックス】で触れたように、配当については、株主還元の更なる強化と新たな投資家層へのアプローチを図るため、期末配当を3.50円/株から4.00円/株へ増配すると発表した。22年12月末の株式分割前換算では7.00円/株から8.00円/株へ1.00円/株の増配。これにより年間配当額予想は、株式分割前換算で中間配当7.00円/株、期末配当8.00円/株の合計15.00円/株となる。予想配当性向は14.9%。

 

5.上田社長へのインタビュー

上田 桂司社長に、社会的存在意義、競争優位性、成長戦略、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

Q:御社のウェブサイトを拝見しますと、トップページに大きく「パーパス」の文字が目に飛び込んできます。まず御社の社会的な存在意義、企業理念などについてお聞かせください。

 

パーパス策定にあたっては昨年2021年10月頃から、20名程度によるワークショップを数多く重ねてきました。
実は、昨年の秋口には上場承認が近づき、それまで準備を重ねてきた上場が遂に実現するということで、当然達成感が広がり始めました。また上場したからにはこれからの売上・利益をどうするかという目的意識も強まってきたのですが、これは何か違う、本来の目的ではないなと感じました。
「当社は社会の中でどうあるべきか」「何を目的として自分は仕事をしているのだろう」「そもそも会社とは何なのだろうか」といった事をこの時期にもう一度皆で考えてみる必要があると考えたのです。
私がこの商売を始めて一番うれしかったのは、お客様に「ありがとう」と言って頂いたことです。それを社員の皆にも感じてもらいたいし、足場の重要性とそれを取り扱っていることにプライドを持って欲しいと思い、様々な年代、様々な部署のメンバーで徹底的に議論してもらいました。

 

そうして策定されたパーパス(存在意義)が、『「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす』であり、当社のあらゆる意思決定の拠り所として、また全従業員が一体となって進む先を示す指針として、唯一の「起点」となるものと位置付けました。

 

 

Q:ありがとうございます。まさに、「明日の場を創りだすASNOVA」ということですね。続いて、御社のミッションについてもお聞かせください。

 

足場は工事が終わると撤去されてしまうので、印象に残りにくいのですが、どんな現場でも足場がなければ工事は始まりません。足場がなければ世の中が成り立たないといっても過言ではありません。
特に自然災害が発生した際は、翌日から電話が鳴りやまないほど足場の依頼が殺到します。

 

その際、お客様から何が求められるかというと、「借りたいときにいつでも借りられる」「近くで借りられる」「安心して借りられる」の3つです。
ですので、「全国どこでも安心して足場をレンタルできる環境を整備する」、これが当社の目指すミッションです。

 

 

Q:次に御社の特徴・強み、競争優位性についてお話しください。

 

まず一つ目は、「借りたいときにいつでも借りられる」に対応する「くさび式足場」の保有量です。
現在約100億円を保有していますが、お客様が借りたいときに借りられる環境を作るには保有量が必要ですので、これからも圧倒的な保有量を確保していきたいと考えています。
足場投資のための資金調達面からも、株式上場により大きなアドバンテージを獲得することができました。

 

二つ目は「近くで借りられる」に対応できる拠点数です。
現在当社の機材センターは全国で19拠点。競合他社で最も多いところでも7拠点ほどです。出店速度は今後もっとスピードアップしていきます。
当社機材センターの出店と並行し、「ASNOVA STATION」というパートナーシップによる地方展開にも注力していきます。
パートナーには土地と人員をご用意いただき、当社は足場と管理ノウハウなどを提供し、お客様が近くで足場を借りられる場を作ります。
来期には当社機材センターと合わせ約30拠点で足場をレンタルすることとなる予定です。

 

三つ目は「安心して借りられる」に対応する当社のノウハウです。
足場をお貸しする際の正確性、迅速さ、誠実さ、柔軟性をお客様に高くご評価いただいています。
また足場機材の使用可能期間を長期化させる管理ノウハウも当社の大きな優位性です。当社では20-30年前に作られた足場が現役で稼働していますが、それを可能にしている錆や劣化を防ぐ保管方法などは大きな参入障壁となっています。

 

 

Q:今後の成長戦略のうち、「ベトナムへの進出」「パートナーによる地方展開」「マッチングサービス」についてコメントをお願いします。

 

◎ベトナムへの進出
初めてベトナムを訪問したのは2014年頃です。ベトナムの足場メーカーの社長と面談した際、足場のレンタルはベトナムにはまだ無いが将来はレンタルの時代が来るだろうと仰っていたのが印象に残り、その後何度か訪れる中で信頼できるパートナーを見つけ、2017年から実際にくさび式足場を使ってもらったり、レンタルして採算を検討したりしてきました。その結果、十分事業として成立すると確信し、今回の現地法人設立に至りました。
今後の需要は極めて大きいと見ていますが、足場供給量、適切な管理人員の育成など課題もありますので、3年程度はじっくりと進めていく考えです。

 

 

◎パートナーによる地方展開
先程申し上げたように、パートナーには土地と人員をご用意いただき、当社は足場と管理ノウハウなどを提供し、お客様が近くで足場を借りられる場を作ります。ただ、単に売上・利益を目的とするのではなく、先ほどのパーパスにあるように我々がやろうとしていることに共感していただけることを大前提にパートナー作りを進めていく考えです。

 

◎マッチングサービス
当社は足場レンタル会社なのですが、高校の文化祭で使用したい、イベントで使用したいといった方から、「足場施工をしてほしい」「足場会社を教えてほしい」といった問い合わせが日常的に入ります。
実は、世間には足場施工業者という職業があることを知らない方が多数いらっしゃるのです。
そこで、需要と供給をマッチングさせることでお互いにメリットを提供することは、足場の重要性をもっと世の中に伝えたい当社としても重要な取り組みであると考えています。

 

 

Q:何が今後の課題であると認識しておられますか。

 

足場業界の認知度を向上させることだと考えています。
先ほど申し上げたように、足場がレンタルできるということを知らない方も多くおいでですので、当社ではオウンドメディア「カケルバ」を立ち上げ、まずは興味、関心を持ってもらおうと、足場、仮設工事をキーワードに様々な記事を掲載しています。

 

また、足場仕事は体力仕事なので大変ではあるのですが、収入もよく、他の体力仕事をしていた方が一度足場仕事をすると、魅力を感じて仕事を続けるという方が多くいらっしゃいます。実は少子化・高齢化による影響も少なく、足場施工業者は増加傾向にあるのです。

 

当社は足場レンタル含めた足場業界の社会性、必要性をもっと知っていただく責任がある、そうした使命を担っていると思っています。

 

 

Q:経営基盤の強化という観点から打ち出している「ASNOVA WAY」とはどんなものなのでしょうか。

 

「ASNOVA WAY」は、新たな事業やサービスを担う人材育成を目的としたASNOVAの人事制度です。
個々人が成長しない限り会社は成長しません、逆に言えば社員一人一人が成長すれば会社は成長するということです。
そこで、一人一人にスポットを当て、各人が望むもの、それぞれに不足しているものを会社がサポートしていきます。
例えば、もっと知識を付けたいのならば外部教育機関の学費を支援したり、キャリアを積みたいという社員にはキャリア形成を促進する挑戦の場を提供したりなど、成長したい、自分に不足しているスキルを磨きたいという想いに応えられる環境を整えることで、当社の未来を担う人的資本を強化していきます。

 

 

Q:ありがとうございました。最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。

 

私の責務は当社の企業価値を向上させていくことだと強く認識しています。そのために、今回の上場を有効に活用し、保有足場量を増大させること、全国に拠点を広げることで、売上・利益の拡大につなげてまいります。
また、それだけではなく、足場レンタル事業は日本のみでなく海外でもニーズが高く、かつ社会的に必要とされる循環型ビジネスでもありますので、足場の必要性についての認知度を向上させ、循環型社会の実現にも貢献していきたいと考えています。
加えて、社名通り、明日の場において社員達と一緒に、新しい価値の創造にも挑戦していきたいと思います。
株主・投資家の皆様には、是非当社の挑戦を中長期の視点で応援していただきたいと思います。

 

 

6.今後の注目点

2022年9月末時点での同社足場保有額は101億円と、くさび式足場を扱う同業他社を大きく上回る。ただ、その稼働率は現時点でほぼフル稼働ということだ。
今期の足場投資額は例年の約2倍、24億円を計画している。来期以降もどの程度の投資を継続して実行し、保有額を増大させることができるのかが、同社の成長性を見るうえでの最大のポイントとなる。
保有額増加によって海外展開およびASNOVA STATIONがいつごろから収益に寄与してくるのか、その進捗も注目していきたい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

4名、うち社外1名(独立役員1名)

監査役

3名、うち社外2名(独立役員2名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年6月30日

 

<基本的な考え方>
当社は、『「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす』というパーパス(存在意義)を掲げ、株主をはじめ、お客様、お取引先、地域社会、従業員等のステークホルダーと良好な関係を構築しつつ、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うことにより、当社の持続的成長および中長期的な企業価値の向上を目指し、コーポレート・ガバナンス体制の確立、強化に取り組んでまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

 

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