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(9327) 株式会社イー・ロジット

スタンダード

ブリッジレポート:(9327)イー・ロジット 2023年3月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

 

 

角井 亮一 社長

株式会社イー・ロジット(9327)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

倉庫・運輸関連業

代表取締役社長CEO

角井 亮一

所在地

東京都千代田区神田練塀町68番地 ムラタヤビル5階

決算月

3月

HP

https://www.e-logit.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

689円

3,500,000株

2,411百万円

-17.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

未定

-

20.41円

33.8倍

507.61円

1.4倍

*株価12/12終値。発行済株式数、DPS、EPSは23年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

7,446

381

389

269

99.89

6.75

2020年3月(実)

8,385

84

102

76

28.35

2.00

2021年3月(実)

10,696

238

241

151

53.80

3.00

2022年3月(実)

12,208

-195

-190

-342

-98.80

0.00

2023年3月(予)

13,342

101

102

71

20.41

未定

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。

 

 

株式会社イー・ロジットの2023年3月期第2四半期決算概要等をご紹介致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期第2四半期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の主要施策・成長戦略
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

 

今回のポイント

  • EC通販事業者に対して商品の保管、ピッキング、梱包及び配送までを行う「物流代行サービス」を中心に、ワンストップのフルフィルメントサービスとして提供。ドミナント展開するFC(フルフィルメントセンター)を利用し荷主の突発的な出荷量増加にも柔軟に対応する「波動対応力」と、商品の購入者のために梱包する資材にこだわったり、手の込んだラッピングを施したりといった商品付加価値を向上する「マスカスタマイゼーション」が強力な競争優位性。通販物流・ECのみでなく実店舗も含んだオムニチャネル物流を事業領域とすることを目指している。
  • 23年3月期第2四半期の売上高は前年同期比14.2%増の65億38百万円。新規顧客の獲得と稼働が概ね計画通り推移した。増収効果に加え、Vプランの取り組みにより売上総利益は同42.9%増加し、粗利率も1.2ポイント改善した。営業利益、経常利益、四半期純利益はそれぞれ0.2百万円、6百万円、0.3百万円と黒字転換。新規顧客の稼働準備に伴う費用の増加抑制に努めたことで販管費は同5.0%増にとどまった。
  • 業績予想に変更は無い。23年3月期の売上高は前期比9.3%増の133億42百万円、営業利益は1億1百万円の黒字転換の予想。引き続き、EC通販物流事業の売上を伸長とともに、利益率向上のための取り組みを強化し、通期黒字化を目指す。配当は現時点では未定。
  • 新規顧客売上高の全売上高に占める構成比が21/3期(通期)7.6%、22/3期(通期)9.4%から、23/3期上期23.8%と急速に上昇している。増収率も対前年同期比で84.1%増と全社の増収に大きく寄与している。新規顧客稼働に伴ってコストも増加する構造ではあるが、今後の収益構造強化に繋がることが期待される。
  • 一方利益に関しては、これまでの「開設1年目は本格稼働に向けての準備期間であるため赤字からスタートする」というFC開設後の成長モデルを変革し、「賃借率の向上」によって新規FCを開設した場合も早期の利益回収を可能とするというVプランによって今期の通期黒字化が実現できるかが注目点となる。

     

1.会社概要

物流業務をアウトソーシングされるEC通販事業者に対して商品保管、ピッキング、流通加工、梱包、配送、代金回収等を行う「物流代行サービス」に加え、ささげ業務(商品の撮影・採寸・原稿)、受注処理、カスタマーサポート等を行う「運営代行サービス」を、ワンストップのフルフィルメントサービスとして、EC通販事業者や消費者(購入者)のニーズに対応したサービスを提供。
ドミナント展開するFC(フルフィルメントセンター)を利用し、荷主の突発的な出荷量増加にも柔軟に対応する「波動対応力」と、商品の購入者のために梱包する資材にこだわったり、手の込んだラッピングを施したりといった商品付加価値を向上する「マスカスタマイゼーション」が強力な競争優位性。
通販物流・ECのみでなく実店舗も含んだオムニチャネル物流を事業領域とすることを目指している。

 

【1-1 沿革】

2000年2月、角井社長がインターネット通販事業者への物流代行及び物流業務のコンサルティングを行うことを目的として同社を設立。
物流で売上を向上させる「戦略物流」という概念の下、単なる下請けに甘んじるのではなく、積極的な各種提案や自社開発の「WMS:倉庫管理システム」による業務効率化を通じ、商品を購入した最終顧客が「リピートしたくなる」顧客離れが少ない「売上につながる物流」を実現。顧客(荷主)から高い評価を受けて業容は順調に拡大し、2021年3月、東京証券取引所 JASDAQ(スタンダード)市場に上場。2022年4月に市場再編に伴い、東証スタンダード市場に移行した。

 

【1-2 企業理念など】

以下のようなVISION、MISSION、VALUEを掲げている。

Vision

変化を先取りし、人々の感動体験を進化させ続ける

Mission

*グローバルな視点から流通を俯瞰する

*誰よりもその先のお客さまに役立つソリューションを探求する

*通販/小売物流のプロフェッショナル集団を目指す

*最先端テクノロジーを活用する

 

ことにより、高付加価値を実現する、「感動創造」No.1企業を目指す

Value

*常にその先のお客さまのために考え行動し、信頼される存在となる

*圧倒的な提案力で荷主さまと共に成功を創る

*新しい目で、常に学び、自分自身を向上させ続ける

*すぐ・まずやってみる、そして全員でやりきる

*謙虚で素直な心で仕事を楽しむ

 

同社の顧客は荷主であるが、通販サイトで商品を購入した通販利用者(最終顧客)に対し商品を迅速・丁寧に届けることを通じて、物とサービスから得られる感動を提供していくことを経営の念頭に置いており、最終顧客の満足度向上がリピートによる売上増=荷主の満足度向上につながると考えている。

 

【1-3 市場環境】

経済産業省の報告によれば、2021年の国内物販系分野のBtoC-EC市場規模は13兆2,865億円。2013年の5兆9,931億円からは、CAGR(年平均成長率)10.5%で拡大している。またEC化率(商取引市場規模に対する、電子商取引市場規模の割合)も毎年上昇を続けている。

 


(同社資料より)

 

ネットショッピング利用世帯数の割合は、2020年4月に発出された1回目の緊急事態宣言の解除後も50%超の水準で推移している。ネットショッピング支出額についても増加傾向で推移していることから、ネットショッピングの利用増加はコロナ禍による一過性の消費行動ではないことが見て取れる。

 

オムニチャネルなど小売業における実店舗とECサイトの最適な融合への取組み、メーカーが自社の商材をECサイト上で直接消費者向けに販売するDtoC(Direct to Consumer)の成長、スマートフォンを通じた電子商取引のさらなる増加などにより、物販系BtoC-EC市場は引き続き進展していくものと予想される。

 

【1-4 事業内容】

(1)サービス内容
物流業務をアウトソーシングするEC通販事業者に対して、主に「物流代行サービス」「運営代行サービス」をEC通販事業者や消費者(購入者)のニーズに対応したワンストップのフルフィルメントサービスとして提供している。
また、物流業務を自社運営する企業に対して「物流コンサルティングサービス」も提供している。
「フルフィルメントサービス」とは、EC通販サイトの構築から受注処理、カスタマーサポート、商品管理、物流代行、配送、代金回収等、EC通販サイトの運営に係わる代行を一括で提供するサービスのこと。

 

(同社資料より)

 

①物流代行サービス
EC通販事業者の依頼を受けて商品を預かり、商品管理、ピッキング、流通加工、梱包、配送、代金回収等の一連の物流業務を代行している。

サービス詳細

概要

商品管理

EC通販事業者から預かった商品の保管、品質、消費期限、数量等の管理を行う。

自社開発のイー・ロジットWMS(倉庫管理システム)のデータと実地調査とを照合し、消費期限や数量の差異確認を行うことが可能。

EC通販事業者に同システムのアカウントを付与し、常にデータを共有している。

ピッキング

FC内に保管された商品の内、配送に必要な商品をピックアップし、梱包場所に運ぶ。QRコード検品等の活用により、作業時の出荷ミスを防止し検品精度の向上による適時適切な商品のピックアップを行っている。

梱包

配送単位ごとに区分けした商品を段ボール等の梱包資材で荷造する。

配送

梱包された商品を宅配業者を通じて購入者に届ける。

流通加工

小分け、カスタム商品(※)のパッケージング、半製品の組み立て等の商品付加価値を向上させる作業を行う。

代金回収

宅配業者が商品を届けると同時にその代金を回収する支払方法「代金引換」をEC通販事業者の代わりに行う。同社が宅配業者と契約することにより、EC通販事業者にサービスを提供している。

※カスタム商品
単純に商品を梱包して発送するのではなく、EC通販事業者から受ける特有の梱包方法(メッセージカード、キャンペーングッズ、付録の同梱等)に対して個々に対応する商品。

 

取扱商品の中で、食品物流が順調に拡大している。
食品系の物流業務は、他の商材よりもはるかに高度な品質管理が求められ、特に食品系の商材にとって、温度管理はコントロールが難しく、倉庫によっては温度帯で扱える範囲に制限がある。
同社では、常温・冷蔵品・冷凍品の3温度帯に対応が可能なため、幅広い商材を取り扱うことができる。
また、イー・ロジットWMSで賞味期限やロットなどを商品ごとに管理することも可能である。
現在、冷凍食品、酒(日本酒、ワイン等)、調味料(味噌、醤油)、チョコレート、ハム・ソーセージ等を取り扱っている。

 

②運営代行サービス
EC通販事業者の依頼を受けて商品撮影、商品データのアップ、受注処理、カスタマーサポート等を代行している。

サービス詳細

概要

商品撮影

通販サイトに掲載するための商品の撮影及び画像の加工を行う。

商品データのアップ

商品撮影した画像や商品情報を通販サイトにアップする。

受注処理

通販サイトの注文に対する出荷指示等、配送に必要な処理を行う。

カスタマーサポート

購入者や購入希望者等からメールや電話での問合せ対応を行う。

 

③物流コンサルティングサービス
当社の通販物流事業で培った経験によるノウハウの蓄積を活かし、物流業務を自社運営する企業向けにセミナー、教育、業務改善等のコンサルティングを提供している。

 

(2)フルフィルメントセンターの運営
同社は2022年12月現在、物流代行サービスの拠点となるフルフィルメントセンター(FC)を以下8カ所運営している。

FC名

床面積(坪)

竣工年月

東京FC(東京都江戸川区)

2,700

2010年10月

埼玉FC(埼玉県八潮市)

8,900

2014年10月

三郷FC(埼玉県三郷市)

6,800

2017年11月

大阪FC(大阪府大阪市)

7,500

2019年4月

足立FC(東京都足立区)

8,400

2019年4月

習志野FC(千葉県習志野市)

4,700

2021年1月

埼玉草加FC(埼玉県草加市)

10,400

2021年6月

大阪第2FC(大阪府大阪市)

9,400

2022年11月

 

【1-5 特長・強み】

物流業務のアウトソーシングを受託する同社の特長や強みは以下の通り。

 

(1)大型の物流センターをドミナント展開
FCの開設にあたっては、1か所の床面積5,000~10,000坪を目安にしており、1,000~2,000坪程度が中心の他社の通販物流センターと比較すると格段に大規模である。
関東エリアでは近隣のFC間の距離を20km以内に開設するドミナント戦略を推進している。
また、関東・関西の2つのエリアでの稼働により、配送コストの削減やリードタイムの短縮を実現している。

 

◎ドミナント戦略:同社最大の競争優位性「波動対応力」の源泉
大型FCのドミナント展開により、EC通販事業者の突発的な売上増大に対応が可能である。
同社ではこれを「波動対応」と呼んでいる。

 

例えば、荷主Xが販促キャンペーンを実施するため商品出荷量が急増する場合、同社では主に以下の3つの方法で対応する。

 

①FC内で出荷商品を移動
同一FC内の、スペースに余裕のある他の荷主の作業エリアに荷主Xの商品を一時的に移動・保管して対応する。

 

②近隣FCへ出荷商品を移動
他の荷主のスペースにも余裕が無い場合は、近隣FCに荷主Xの商品を移動し、そこで作業を行う。
年末のカレンダー発送などのケースで行われる対応。

 

③近隣FCから人員応援
商品の種類が多い場合などは、商品を移動させることは効率的ではないため、近隣FCからスタッフが応援に駆け付ける。
商品出荷量の増加は様々なケースがあるため、その時の状況に応じた適切な対応をとるが、①のケースでは「大型FC」であること、②及び③はFC間の距離が20km以内というドミナント展開であることから可能な対応である。
加えて同社FCは湾岸の倉庫群などの倉庫乱立地域を避け、物流の要となる人員を確保しやすい住宅街に立地している。同社で取り扱う商品は細かな作業が多く伴うため、機械よりも手作業の方が効率的であるため、人員の確保にも注力している。これも波動対応を支えている大きな要因である。

 

荷主の希望通りに出荷を行うことで売上を確保しつつ、配送コストの削減やリードタイムの短縮を実現しており、この「波動対応」が可能な点は、同社最大の競争優位性であり、今後も更なるブラッシュアップを図る考えである。

 

(同社資料より)

 

(2)マスカスタマイゼーション
さまざまなブランドの商品を扱うEC通販業界では、各ブランドが持つ固有の世界観や価値観を物流でも確かな形で具現化することが求められている。
同社では、そのブランドに相応しい梱包資材の使用や特別な仕様のラッピングを施すなど、商品の付加価値を高めることで、消費者(購入者)の感動体験の創造に取り組んでいる。

 

物流の「入荷」「保管」「梱包」「ラッピング」「出荷」という各ステップにおいて、同業他社、特に大手プラットフォーマーやロボティクスによる効率化を図っているケースでは、すべての荷主に対して同じオペレーションを適用することが一般的である。
これに対し同社では、荷主各社の独自性を支援しつつ、ベースとなる作業は全社統一である。
これによって、荷主の要望に合わせた配送方法、手の込んだラッピングや資材の使用などで、顧客のブランドの独自性のある世界観や価値観を表現することができる。作業は全社統一であるため効率性も維持できている。
また、一般的な茶色い段ボール箱ではなく、質や丁寧さを表現するために、あえて汚れが目立つ白い段ボール箱で梱包している。
これらはミッションにある「感動創造」No.1企業を目指す同社ならではの取り組みである。

 

(同社資料より)

 

(3)IT×物流
同社では、倉庫内の商品の保管場所、消費期限、入出荷、数量等の情報を管理するソフトウェアであるWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)を自社開発している。

 

システム部隊を自社にもっており、EC通販事業者ごとの固有のシステムカスタマイズにも柔軟かつスムーズな対応が可能である。
EC通販事業者が使用している注文管理システム(カートや受注管理ソフト、基幹システム)と同社のWMSとのシステム連係によって構築。
新サービス導入の取り組みにも積極的で、ITの活用により物流サービスの改善と品質向上を徹底して追及している。

 

 

(4)通販物流に特化し、ノウハウを深耕
設立以来通販物流代行を中心にサービスを展開してきた中で、難易度の高い「多品種少量」に対応してきたほか、食品、ワイン、化粧品、アパレル、玩具、グッズ、カー用品、冷凍冷蔵商品等様々なジャンルの商品に対応し実績とノウハウを蓄積してきた。また、現場実務と物流コンサルティングによりノウハウを一段と深堀りしてきた。

 

こうした信頼と信用の積み重ね、蓄積されたノウハウが高く評価され、既存顧客から多数の新規顧客の紹介を受け顧客基盤の強化が進んでいる。

 

蓄積されたノウハウ、強固な顧客基盤は同社の「見えない資産」として評価すべきであろう。

 

(5)最前線である現場を重視
FCにおいては全スタッフが「高品質」と「改善活動」を常に意識している。

 

「当たり前」を徹底してこだわり抜き、高品質を実現・維持している。誤出荷など問題が発生した際には、原因究明と改善を実施するほか、全スタッフでの共有までを必ず行うことを徹底している。
また、様々な工程に現場スタッフからの改善提案を積極的に導入しており、改善提案数は年間7,200件を超えている。
「安全・安心・楽しく・きれいな職場」を目指して、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)と3S活動(定品・定位置・定量)を実施しているほか、社内外に対してサービス提供する物流人材の育成・教育を実施している。厚生労働省が後援するビジネス・キャリア検定試験合格講座も実施し、多数のスタッフが資格を保有している。

 

【1-6 株主還元】
株主還元を重要な経営課題と認識しているが、現在成長過程にあり、事業規模の拡大には新規のフルフィルメントセンターの賃貸借や設備の購入等の先行投資が必要であるため、内部留保を充実させていくことも必要であると認識している。
そのため今後も経済動向、経営成績及び財務状況等を総合的に勘案し、株主還元策として安定的に配当を実施していく方針であり、配当性向は30%を目指す。

 

2.2023年3月期第2四半期決算概要

(1)業績概要(非連結)

 

22/3期2Q

対売上比

23/3期2Q

対売上比

前年同期比

売上高

5,724

100.0%

6,538

100.0%

+14.2%

売上総利益

278

4.9%

397

6.1%

+42.9%

販管費

378

6.6%

397

6.1%

+5.0%

営業利益

-100

-

0

0.0%

-

経常利益

-94

-

6

0.1%

-

四半期純利益

-168

-

0

0.0%

-

*単位:百万円。

 

増収、黒字転換
売上高は前年同期比14.2%増の65億38百万円。新規顧客の獲得と稼働が概ね計画通り推移した。
増収効果に加え、Vプランの取り組みにより売上総利益は同42.9%増加し、粗利率も1.2ポイント改善した。
営業利益、経常利益、四半期純利益はそれぞれ0.2百万円、6百万円、0.3百万円と黒字転換。新規顧客の稼働準備に伴う費用の増加抑制に努めたことで販管費は同5.0%増にとどまった。

 

 

◎新規・既存顧客売上高推移

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前年同期比

新規顧客売上

847

14.8%

1,559

23.8%

84.1%

既存顧客売上

4,876

85.2%

4,978

76.2%

2.1%

合計

5,724

100.0%

6,538

100.0%

14.2%

*単位:百万円。同社資料を基にインベストメントブリッジ作成。
*新規顧客売上とは、取引開始後12か月以内の売上の合計額。例えば、2022年9月の新規顧客売上は、2021年10月~2022年9月の12か月間に新たに売上を計上した顧客に対する2022年9月の売上高合計となる。

 

(2)財政状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

22/3月末

22/9月末

増減

 

22/3月末

22/9月末

増減

流動資産

3,519

3,604

+84

流動負債

2,762

2,690

-71

 現預金

2,070

2,129

+59

 仕入債務

862

846

-16

 売上債権

1,151

1,183

+31

 短期借入金

191

251

+59

固定資産

1,720

1,919

+199

 未払金

1,446

1,318

-128

 有形固定資産

379

358

-21

固定負債

709

1,049

+339

 投資その他の資産

1,324

1,533

208

 長期借入金

525

862

+336

  差入保証金

1,203

1,420

+217

負債合計

3,472

3,740

+268

資産合計

5,239

5,523

+283

純資産

1,767

1,782

+15

 

 

 

 

負債純資産合計

5,239

5,523

+283

*単位:百万円。

 

新FC開設に伴う差入保証金増加などで資産合計は前期末比2億83百万円増加し55億23百万円。
長短借入金の増加などで負債合計は同2億68百万円増加し37億40百万円。
純資産はほぼ変わらず17億82百万円。
自己資本比率は前期末より1.5ポイント低下し32.2%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

22/3期2Q

23/3期2Q

増減

営業CF

-136

-87

+48

投資CF

-197

-253

-56

フリーCF

-334

-341

-7

財務CF

188

400

+212

現金・現金同等物残高

2,103

2,129

+25

*単位:百万円。

 

長期借入金の増加で財務CFのプラス幅は拡大。
キャッシュポジションはほぼ変わらず。

 

(3)トピックス

◎大阪第2フルフィルメントセンターを開設
22年11月、大阪第2フルフィルメントセンターを計画通り開設した。
延床面積は9,400坪、全国で8か所目、関西圏では2か所目。同社FCの総延床面積は59,000坪となった。
大阪市内での拠点拡充により、関東に続き関西エリアにおけるドミナント戦略の展開に向け、現場運用および受け入れ体制の強化を図る。

 

◎第22回戦略物流セミナーを開催
22年10月、「加速する小売業のオムニチャネル化」をテーマに、オンライン・オフラインのハイブリッド形式で第22回戦略物流セミナーを開催した。

 

3.2023年3月期業績予想

【業績予想】

 

22/3期

対売上比

23/3期(予)

対売上比

前期比

売上高

12,208

100.0%

13,342

100.0%

+9.3%

売上総利益

571

4.7%

892

6.7%

+56.2%

販管費

766

6.3%

791

5.9%

+3.1%

営業利益

-195

-

101

0.8%

-

経常利益

-190

-

102

0.8%

-

当期純利益

-342

-

71

0.5%

-

*単位:百万円。予想は会社側発表。販管費は同社資料よりインベストメントブリッジが計算。

 

業績予想に変更なし、増収、黒字転換の予想
業績予想に変更は無い。売上高は前期比9.3%増の133億42百万円、営業利益は1億1百万円の黒字転換の予想。
引き続き、EC通販物流事業の売上を伸長とともに、利益率向上のための取り組みを強化し、通期黒字化を目指す。
配当は現時点では未定。

 

(同社資料もとにインベストメントブリッジ作成)

 

4.今後の主要施策・成長戦略

【4-1 今期の主要施策】

23年3月期は期初より以下の施策に取り組んでいる。

 

(1)営業力の強化
マーケティング専門部署を新設し、既存顧客のマーケティングを支援する体制を構築する。
自社のコアコンピタンスである「EC通販企業の売上を伸ばす」「商品を購入した顧客がリピートしたくなるサービスの提供」をさらに強化するとともに、売上・出荷量拡大を目指す。

 

 

(2)FC運営の強化
*FCごとの特徴を生かす
*リーダーの経営力を上げる

 

(3)Vプランの継続
固定費を削減することで、収益構造を改革し筋肉質への転換を図るため、「リカバリー計画 Vプラン」の3施策を推進する。
①高付加価値サービスの提供
運営代行サービスをはじめとした高付加価値サービスを提供する。

 

②生産性の向上
自動化設備の導入等など、生産性の向上により人員配置の最適化を図る。

 

③賃借率の向上
これまで同社では開設したFCについて、
「1年目:投資フェーズ、本格稼働に向けての準備期間であるため、赤字からスタート」
「2年目:収益化フェーズ、保管型センターとして収益はプラスマイナスゼロ。出荷チームを作り、通販物流の現場の基礎ができあがる」
「3年目:回収フェーズ、出荷チームを一気に横展開し、出荷量が増える。1坪当たりの売上が2-3万円/月坪に伸びる。営業利益率6%以上を確保」
という3段階での成長モデルを構築してきたが、前期の損失計上を踏まえ、新たな施策により「1年目」の赤字を回避するための施策が「賃借率の向上」である。
具体的には、以下の3ステップを進める。

 

*外部倉庫の活用
外部倉庫を活用し、商品在庫を保管する。既存FCに空きスペースができることにより、新たに出荷頻度が高い商品を保管することが可能となる。

*自社新規FC検討
外部倉庫を活用しながら、取扱量に応じて自社の新規FC開設を検討する。

*自社新規FC開設
外部倉庫にある商品を新規FCへ移動することにより開設の段階で収益が出る状態になる。

 

外部倉庫では商品在庫を保管し、既存FCでは出荷量の多い商品の割合を増やすという、『出荷型倉庫(同社FC)』と『保管型倉庫(外部倉庫)』の役割分担の明確化によって、一段の収益性向上を図る。

 

(同社資料より)

 

【4-2 来期以降の主要施策・成長戦略】

今期は営業力の強化、FC運営の強化、Vプランの継続により通期黒字化を確実なものとするとともに、来期以降はこれらに加え、顧客ニーズに応える3つの軸を強化することで売上・利益の成長を図る。

 

(1)バリューチェーン展開
既存顧客のマーケティングを支援する体制を構築
フルフィルメントの前工程のWEBマーケティングと、後工程の再購入プロモーションをカバーし、EC通販事業者が意識するカスタマージャーニー(※)を向上させる=見込み客の顧客化に繋がるソリューションを提供する。

 

※カスタマージャーニー
顧客が商品やサービスを知り、購入・利用意向をもって実際に購入・利用するまでに、顧客が辿る一連の体験を「旅」に例えたもの。
EC通販事業者が見込み客を顧客化し、自社商品のファンとなってもらうためには、顧客の辿る「旅」全体を通した顧客体験のマネジメントが必要であり、顧客体験を効率的にマネジメントし、適切なマーケティング施策を打っていくためには、カスタマージャーニーを地図上の旅のように可視化して捉える、カスタマージャーニーマップの作成が必要である。

 

(2)対象顧客・エリアの拡大
D2Cなどを目指すメーカー向けへのサービスを拡充し、新規顧客を獲得する。
ECの成長が著しいASEAN地域など海外に、提携した投資先と拠点を作り、日本企業の進出をサポートする。

 

(3)FCの開設と進化
FCごとの特徴を活かし、高効率運営を実現
自動化の推進、保管効率の向上

 

 

(同社資料より)

 

また、従来の通販物流・ECにとどまらず、実店舗も含めたオムニチャネル市場を事業領域とする考えで、そのための経営資源確保にも取り組んでいる。

 

5.今後の注目点

新規顧客売上高の全売上高に占める構成比が21/3期(通期)7.6%、22/3期(通期)9.4%から、23/3期上期23.8%と急速に上昇している。増収率も対前年同期比で84.1%増と全社の増収に大きく寄与している。新規顧客稼働に伴ってコストも増加する構造ではあるが、今後の収益構造強化に繋がることが期待される。
一方利益に関しては、これまでの「開設1年目は本格稼働に向けての準備期間であるため赤字からスタートする」というFC開設後の成長モデルを変革し、「賃借率の向上」によって新規FCを開設した場合も早期の利益回収を可能とするというVプランによって今期の通期黒字化が実現できるかが注目点となる。

 


 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

4名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年9月1日
<基本的な考え方>
当社は、下記のビジョン・ミッション・バリューに基づき、持続的な事業成長を達成することによって、企業価値の最大化を図ることを目標としております。

 

◆ビジョン
変化を先取りし、人々の感動体験を進化させ続ける

 

◆ミッション
・グローバルな視点から流通を俯瞰する
・誰よりもその先のお客さまに役立つソリューションを探求する
・通販/小売物流のプロフェッショナル集団を目指す
・最先端テクノロジーを活用することにより、高付加価値を実現する、「感動創造」No.1企業を目指す

 

◆バリュー
・常にその先のお客さまのために考え行動し、信頼される存在となる
・圧倒的な提案力で荷主さまと共に成功を創る
・新しい目で、常に学び、自分自身を向上させ続ける
・すぐ・まずやってみる、そして全員でやりきる
・謙虚で素直な心で仕事を楽しむ

 

このビジョン・ミッション・バリューのもと、コンプライアンスの徹底、適切な情報開示等、透明性の高いコーポレート・ガバナンス体制の構築及び企業の社会的責任を果たすべく、経営環境の変化に迅速に対応し、最適な経営管理体制の選択・改善・強化の努力を行ってまいります。
これらを実行することによって、その先のお客様、取引先、株主・投資家、従業員、地域社会など全てのステークホルダーから信頼を得て、良好な関係を構築してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>

原則

実施しない理由

【原則2-4 女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】

補充原則2-4①

当社は、中核人材の登用等における多様性の確保の重要性を認識しており、女性・外国人・中途採用者など区別なく公正公平な評価をもとに人材育成と管理職登用を行うこと及び必要に応じて適材適所での人員配置とすることを基本方針としております。そのため特定の性別、人種などに対する目標値は設けておりません。中長期的な人材育成方針と社内環境整備方針については検討を進めてまいります。

【原則3-1 情報開示の充実】

補充原則3-1③

当社は、通販物流事業を通じて発生する廃棄物のリサイクル推進、環境に配慮した包装資材等の使用や消費電力の省力化など、環境負荷の軽減に積極的に取り組んでおります。従業員に対しては、教育制度の整備やワークライフバランスを考慮した働きやすい職場環境づくり等、健康・労働環境への配慮に努めております。また、物流センターにおける求人採用を基本的に地元採用とすることで地域経済への活性化に貢献できるものと考えております。なお、人的資本や知的財産への投資等については、補充原則4-1②に記載のとおり中期経営計画の策定・公表を行っていないことから、経営戦略とあわせてお示しできる段階にないため現時点では開示しておりません。今後検討を進めてまいります。

【原則4-2 取締役会の役割・責務(2)】

補充原則4-2②

当社は、ビジョン・ミッション・バリューに基づき、お客様、取引先、株主・投資家、従業員、地域社会など全てのステークホルダーとの対話を尊重し、持続可能な社会の構築に積極的に役割を果たすとともに、企業価値の向上に努めることを基本方針としております。人的資本・知的財産への投資等については補充原則3-1③に記載のとおりであります。これらをはじめとする経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行についての監督については、中期経営計画等とあわせて今後検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(開示)>

原則

開示内容

【原則1-4政策保有株式】

当社では、現時点で政策保有株式を保有しておらず、今後も保有の予定がないことから方針等は定めておりません。

【原則5-1株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の他、様々な機会を捉えて、株主との間で建設的な対話を行ってまいります。

・経営理念や経営戦略、業績等に対する理解を得るため、IR活動の充実に努めてまいります。

・対話全般については、代表取締役社長が統括し、適宜経営陣幹部と協議の上進めるものとしております。

・株主との個別面談については、IR担当部署が対応することとしております。また、株主の希望及び面談の目的等を確認した上で、必要に応じて経営陣幹部が面談を行い、合理的な範囲で適切に対応を行うこととしております。

・株主との建設的な対話を促進するため、IR担当部署と関連部署は意見交換や情報共有を定期的に行い、連携して対応を行うこととしております。

・株主との対話を通じて得た有用な意見・要望は、適宜取締役会等にフィードバックを行うこととしております。

・株主構造については定期的に調査を行い、その結果を踏まえ、株主に合わせた適切な方法により、コミュニケーションの充実を図ってまいります。

・株主との対話にあたっては、法令及び関連規則等を順守し、インサイダー情報の漏えい防止に努めてまいります。

 

 

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