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(7046) TDSE株式会社

グロース

ブリッジレポート:(7046)TDSE 2023年3月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

 

 

東垣 直樹 社長

TDSE株式会社(7046)

 

 

企業情報

市場

東証グロース市場

業種

サービス業

代表者

東垣 直樹

所在地

東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー27階

決算月

3月

HP

https://www.tdse.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,720円

2,200,000株

3,784百万円

9.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

未定

-

65.94円

26.1倍

830.49円

2.1倍

*株価は12/19終値。発行済株式数、DPS、EPSは23年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

1,351

195

212

146

76.40

10.00

2020年3月(実)

1,377

126

127

90

44.08

10.00

2021年3月(実)

1,323

50

68

190

93.11

20.00

2022年3月(実)

1,723

217

219

148

72.19

10.00

2023年3月(予)

2,247

237

238

136

65.94

未定

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。19年3月期および21年3月期のDPSにはそれぞれ記念配当 5.00円、特別配当10.00円を含む。

 

TDSE株式会社の会社概要、2023年3月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.成長戦略
3.23年3月期第2四半期決算概要
4.23年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 国内最高峰のデータサイエンティスト集団。AI技術を核に、メンバーそれぞれが持つ業界トップクラスの経験・実績と高度な専門スキルにより、クライアント企業の変革をサポートしている。安定成長事業の「AIノウハウを軸としたコンサルティングサービス:フロー型」と、高成長事業の「AI製品等によるサブスクリプションサービス:ストック型」の2つのサービスを提供し、両サービス間のシナジー創出を追求している。「幅広い領域で活かせるAI技術を保有する独自AI製品『scorobo』」「AIビジネスを推進する協業ネットワーク」なども特長・強み。

     

  • 23年3月期第2四半期の売上高は前年同期比48.2%増の10億88百万円。フロー型ビジネスでは大規模×長期化(LTV最大化)に繋がる事業展開により小売業・金融業等の案件大規模化が進み、ストック型ビジネスではNetBase、Cognigy共に新規顧客を獲得した。営業利益は同106.0%増の1億24百万円。売上増大に伴う外注費増、事業強化を目的とした技術社員の採用・育成、非対面での営業推進やデジタル技術等を用いてのマーケティングの強化、研究開発投資などでコストも増加したが、増収効果で吸収し大幅な増益となった。当期純利益は同41.8%増の57百万円。特別損失に代表取締役(創業者)の退任に伴う特別功労金40百万円を計上した。売上高・営業利益は上半期の過去最高を記録した。

     

  • 好調だった上期実績と今後の動向を勘案し業績予想を上方修正した。23年3月期の売上高は前期比30.4%増の22億47百万円、営業利益は同9.0%増の2億37百万円の予想。フロー型ビジネスでは、顧客との中長期にわたる関係強化を継続的に実施。ストック型ビジネスでは、提供している既存商品のサービス拡張および新サービスの提供に向けた準備を進める。社員の育成・採用強化、デジタルマーケティングおよびパートナーネットワークの強化にも努める。

     

  • 修正後予想に対する上期進捗率は売上高48.5%、営業利益52.3%と例年と比較し高水準にある。フロー型、ストック型共に順調に推移しており、第3四半期、第4四半期で通期予想に対し売上・利益をどこまで積み上げることができるかを注目していきたい。

     

  • 2013年10月に創業し来年10周年を迎える同社では、AI市場における同社位置づけを確固たるものにするため、新たな中期経営計画を、2023年3月目途に発表する予定。詳細は検討中だが、1本目の柱として確立しているフロー型ビジネスに続き、ストック型ビジネスをどのようにして2本目の柱として確立させるかが大きなポイントであると東垣社長は考えている。投資もしっかりと行いながら企業価値向上を目指していくので、是非長期的な目線で応援してほしいとのことだ。

     

     

1.会社概要

国内最高峰のデータサイエンティスト集団。AI技術を核に、メンバーそれぞれが持つ業界トップクラスの経験・実績と高度な専門スキルにより、クライアント企業の変革をサポートしている。
安定成長事業の「AIノウハウを軸としたコンサルティングサービス:フロー型」と、高成長事業の「AI製品等によるサブスクリプションサービス:ストック型」の2つのサービスを提供し、両サービス間のシナジー創出を追求している。

 

【1-1沿革】

2013年、企業経営にAIやデータ活用が求められる時代の到来を予見し、ビッグデータ事業を展開するために株式会社テクノスジャパン(東証プライム、3666)がテクノスデータサイエンス・エンジニアリング株式会社(現 TDSE株式会社)を設立。同年には早稲田大学とビッグデータ活用研究に関する産学連携を開始した。
2014年9月、米国NetBase Solutions, Inc.と業務提携し、グローバル規模のソーシャルデータ分析サービスを開始するため、NetBase社AI製品「Netbase」の取扱いを開始した。
2015年1月に統計アルゴリズムを活用した同社独自のAI製品「scorobo」の販売を開始。
会社設立直後は、AIやデータ活用に関する世間の認知・理解も低かったため顧客企業側の反応も鈍かったが、徐々に海外を中心に多くの事例が情報として伝わるようになると、同社サービスに対する関心が急速に高まり引き合いも増加、売上・利益は順調に拡大していく。同時に同社サービスが高く評価され、2017年9月には株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が資本参加し、業務提携契約を締結した。
2018年11月にCognigy GmbH社と業務連携し、Cognigy社の対話型AIプラットフォーム「Cognigy」のグローバル販売契約を締結。
同年12月、東証マザーズに上場した。
2021年12月、TDSE株式会社に商号変更。
2022年4月、市場再編に伴い東証グロース市場に移行した。

 

 

【1-2 理念】

国内最高峰のデータサイエンティスト集団として、以下のようなミッション・ビジョン・バリューを掲げている。

 

ミッション

(取り組み)

データに基づいて意思決定を高度化する

 

私たちは、

「データとテクノロジーによって、勘や経験による属人的な意思決定を高度化し、人々がより効率的に、より最善の選択ができるようにする。」

ビジョン

(未来)

データを活用した可能性に溢れた豊かな社会を創る

 

私たちは、

「データに基づいて、最善の選択肢と仕組みを提供し、非効率が効率化され、人々の自由な時間とより良い選択肢がある、人々が幸せに暮らせる社会をつくる。」

バリュー

(取り組みにおいて優先すべき価値基準)

プロフェッショナルの追求

お客様にとって真に価値のあることを追求する。

 

チームワークと成長

互いの考え方・働き方・生き方を尊重し、常に協力して、自分とチーム全体を成長させる。

 

変化を楽しむ

同じ仕事はない、世の中は常に変化していく。変化を味方につけ、変化を楽しむ。

 

 

 

【1-3 市場環境】

 

◎AIビジネス市場
AIビジネス市場も加速度的に拡大している。2027年にかけ、CAGR9.3%で成長し、同年の市場規模は約2兆円に達する見込みである。
同社の主力領域である「分析サービス」は、市場規模が小さいが、高度な技術を要するため、引き続き自社の強みを発揮できる領域として注力する。
一方、「プラットフォーム」など市場規模が大きく、成長力の高い領域は、事業拡大に向け一段と注力する考えだ。

 

(同社資料より)

 

 

◎ビジネス領域
同社の主力領域である金融・流通・情報通信・エンターテイメント業界でのノウハウを企業資産として確立している。
特定の産業にこだわることは無く、各業界でのAI活用度や動向を調査のうえ、時代変化とともに新たに注目される領域への展開も視野に入れている。

 

(同社資料より)

 

【1-4 事業内容】

安定成長事業の「AIノウハウを軸としたコンサルティングサービス:フロー型」と、高成長事業の「AI製品等によるサブスクリプションサービス:ストック型」の2つのサービスを提供し、両サービス間のシナジーを創出している。
報告セグメントは、ビッグデータ・AIソリューション事業の単一セグメント。

 

 

(1)各サービスの概要
①コンサルティングサービス:フロー型
データ経営を目指す企業向けにAIを中心とした統合型ソリューションサービスを提供している。
企業のデジタルトランスフォーメーションを共に推進していくため、顧客企業が進める事業戦略に沿う形でデータ活用のテーマ抽出→データ分析→AIシステム実装に加え、教育まで一気通貫したコンサルティングサービスを提供している。

 

DXコンサルティングサービス

顧客企業がデジタルトランスフォーメーションを推進する際に、DX成熟度およびビジネスゴールの可視化を実施した上で、推進体制および業務設計等の上流のコンサルティング領域からアプローチし、テーマアセスメントによる分析の企画を行う。

デジタル戦略領域に長けたDXコンサルタントを通じて、顧客企業の現状及び問題を整理し、「データ経営方針」「データ経営ロードマップ」「デジタル戦略組立て」「デジタル戦略人材の確保」「解析方針策定」など課題及び対策を明確にし、必要なノウハウを提供している。

データ解析コンサルティングサービス

データサイエンティストが、「DXコンサルティングサービス」により抽出された顧客企業のビジネス課題を把握の上、数理課題に置き換えて分析を実施し、分析結果をフィードバックする。

分析結果等に基づき、ビジネス課題の解決を支援している。

データ活用人材教育及び組織組成支援サービス

顧客企業の様々な業態・要望に合わせ、データサイエンティストや機械学習自動化ツールおよびビジネスインテリジェンスツールを活用するデータ活用人材の候補者を育成するための教育プログラムを提供している。

実務担当者のみならず、決定権限を有する経営者層への教育も行っており、データ分析をビジネスから経営判断への応用に至るまで内製化することを目指す企業向けに組織組成を支援している。

トータルAIエンジニアリングサービス

データエンジニアによる、顧客企業のデータ・AI活用に向けた分析基盤におけるコンサルティング、データ収集・加工およびデータマート構築を支援している。

AIエンジニアによるAIを組み込んだシステム構築・運用/保守サポートも行っている。

 

*フロービジネスの流れ

 

(同社資料より)

 

②サブスクリプションサービス:ストック型
同社独自AI製品「scorobo」シリーズや他社AI製品などの製品販売、または業務特有のAIモジュール(※)を顧客企業に提供し、使用料及び運用保守料を受領するサブスクリプションサービスを展開している。
※AIモジュール
AIシステムを構成するツールで、単体で活用するよりも業務システムやアプリケーション等と組み合わせて利用する。

 

◎自社AI製品「scorobo」等を活用したサービス
ディープラーニング技術など機械学習等を活用した同社独自のAI製品「scorobo」を提供している。

(同社資料より)

 

ディープラーニング技術等の 機械学習を活用した AIをモジュール化し、顧客サービスに合わせて AI製品化している。
現在、送電線異常検知に関する「scorobo for 送電線AI異常検知」を複数の電力会社に提供している。なお、過去にはマーケティングやフィンテック領域で活用するAIサービスの企画開発および提供を行ってきた。

 

◎ 他社AI製品等を活用したサービス
他社AI製品を活用したサービスも展開している。具体的には、SNSソーシャルリスニングツール「Netbase」、ChatBotや音声アシスタント等の対話サービスに対して、自動応答機能を提供する対話型AIプラットフォーム製品「Cognigy」など。

 

SNS・ソーシャルリスニング「NetBase」

 

NetBase Quid社が提供するAI製品。Twitter・Facebook・InstagramなどSNS上にあるテキスト・画像を瞬時に解析する。

話題の中心人物を探索する分析サービス「 SNS Link 」の提供を開始した。

 

海外で高く支持されているブランドであり、「豊富な対応メディア」「詳細な分析機能 ・多彩なフィルタリング」「50ヶ国語対応」「膨大なデータのリアルタイム分析」などが特長で、すべてのビジネス領域で活用可能な対応力も強みである。コカコーラ、ウォルマートなど大企業が多数導入している。

 

TDSEは、アジアパシフィックの正規販売パートナーとなっている。

Netbase代理店としてISIDをはじめとする企業との協業により販売網強化を進めている。また同顧客には、日本生命、日本航空を始め大手企業が挙げられる。

対話型AIプラットフォーム「COGNIGY」

 

 

短期間で拡張性の高い対話型AIの設計/開発を可能とするプラットフォーム。

世界中の競合製品(IBMやGoogle)のなかで、リーダークラスの称号を調査会社ガートナーが認証している。

 

LINE、Slack、Teamsなど多様なチャネルとの連携が可能で、「23言語に対応した NLP(自然言語処理)」「ビジネスユーザーが開発可能なローコード仕様(GUIによる対話構築)」「Salesforceなど様々な業務システムと連携可能」「Voice UIなど必要となる管理機能をすべて搭載」といった点が特長・強みである。音声アシスタント等の自動応答サービスも提供でき、AlexaやGoogleの音声合成言語に対応している。

 

TDSEはアジアパシフィックの正規販売パートナーで、バーチャル接客&CRM ツール、コロナワクチン接種予約ボット、多言語による観光案内自動化などを協業も含め提供している。

 

TDSEは、米国シリコンバレーや欧州・アジアを始めとして、国内外にあるベンチャー企業のリサーチを進めている。
調査対象企業が持つテクノロジー及びプロダクトが、TDSEの新たなソリューションサービスとして導入が相応しいと判断した場合は、ビジネス化を図ることとしている。海外ベンチャー企業調査についても、調査協力体制を構築している。

 

(2)顧客企業
①概要
2013年の設立以来、リクルートをはじめとするサービス業や金融業の顧客を中心としつつ、世界展開を進める大手アパレル、大手総合スーパーなど小売・流通業の顧客も含め200社強にサービスを提供している。
経営層やAI事業推進者とのビジョン交換・議論を頻繁に行うほか、システム構築も含めたデータ経営支援ビジネスを展開していることから、中長期にわたる強固な関係を構築することができている。

 

特にリクルートグループに関しては、「商品需要予測 」「広告宣伝費最適化」「Webサイト商品レコメンド」「UI・UX改善解析」「商品投資効果分析」「類似画像分析」など、各事業会社の多様なAI構築を手掛けており、22年3月期売上高の約3割をリクルートグループ向け売上高が占めている。

 

(同社資料より)

 

②導入実績
金融業界始め、多くの業界・業態でイノベーション実現に向けた支援実績を有している。

 

(同社資料より)

 

2021年3月期以降は、コロナ禍で対面販売が減少する一方でオンライン販売が急伸する中、「需要予測」「ダイナミックプライシング」「食品ロス削減」といったニーズが高まり、小売・流通企業の案件が増大している。
今後は、顧客企業との継続した関係構築および拡大を図るとともに、業界ごとの市場の成長性や規模などを考慮しながら、コンサルティングサービスにおいては大企業を中心に展開していく。AI製品等のサブスクリプションサービスについては、大企業だけでなく、中堅企業もターゲットにした幅広い新規顧客の開拓を図る。

 

<データサイエンス活用事例>
上記のように多くの業界・業態でイノベーション実現に向けた支援実績を有している。
以下に、同社のデータサイエンス活用事例を紹介する。

 

◎商品需要予測による生産・在庫管理

業種

小売・流通

業務

時系列予測

課題

店舗在庫適正化

 

(現状)
商品ごとの日時(1週間先まで)の売上予測を行い、店舗の最適な在庫管理を行う必要性があった。
また、商品ごとの月次(3か月先まで)の売上予測を行い、製造における最適な生産計画を立てることも同様に課題であった。
さらに、店舗の在庫管理や製造における生産計画は属人性が高く、AIによるオートメーション化を行いたいと考えていた。

 

(アナリティクス・AIソリューション)
商品ごとの過去の売上やその他の外部データを用いていくつかのモデル(LightGBM、Prophet、CatBoost)を作成し、より精度の良いモデルで予測を行った。

 

(効果)
*売上に基づく日時、月次の需要予測が可能になった。​
*不要な在庫を減らし、過剰生産が抑制された。

 

◎ダイナミックプライシング

業種

小売・流通

業務

価格適正化

課題

価格適正化

 

(現状)
スーパーなどの小売店では商品の売れ残りを防ぐために、商品の値下げなどを行うが、価格を下げすぎると利益が減り、値下げ幅を小さくしすぎると購買に至らず、さらに廃棄商品が増えてしまうという課題を抱えている。
このケースでは、これまで値下げの判断やタイミングは担当者の経験に依存していたが、利益を最大化する売値や値下げ価格をデータに基づき決定するためにダイナミックプライシングの導入を検討していた。

 

(アナリティクス・AIソリューション)
①各時点での需要予測と②動的計画法を用いたダイナミックプライシングを実施した。
*購買データと商品の在庫状況から機械学習を用いて各時刻の売上を予測
*販売期間を等分し各時刻での利益の総和を最大化する価格列を算出

 

(効果)
*ダイナミックプライシングのアルゴリズムにより、適切な値下げ幅を算出することで利益を最大化することに成功した。
*担当者の属人性に依存しない値下げが可能になった。

 

◎複写機メーカーによる消耗品交換予測

業種

製造

業務

アフターサービス

課題

物流コスト削減・在庫適正化

 

(現状)
複写機(コピー機)トナーなどの消耗品交換タイミングは顧客によって異なるため、定期的に消耗品を配送する従来の方法では、在庫及び物流に無駄が発生していた。

 

(アナリティクス・AIソリューション)
顧客別に消耗品交換を予測するAIエンジンを開発した。このAIエンジンにより、消耗品がなくなる前に補充/交換を実施し、消耗品在庫の無駄の削減、さらには配送ルートの最適化も実現し、消耗品の物流を効率化することが可能となった。

 

(効果)
*アフターサービスの質向上…消耗品が無くなる前に補充/交換
*消耗品の在庫削減…消耗品発注単位の最大化。在庫滞留期間を削減
*物流の効率化…消耗品の配送単位の効率化・物流コスト低減

 

以上はデータサイエンス活用事例ほんの一端であるが、時系列・画像・自然言語など全てのデータを取り扱い、それらを複合的に組み合わせて最適化を実現する業務用AIを構築できる点は、他社には難しい同社の強みである。

 

【1-5 特長・強み・競争優位性】

同社の主な競争優位性は以下の3点である。

 

(1)国内最高峰のデータサイエンティスト集団
役職員140名のうち、約8割がデータサイエンティストとエンジニアで構成されている。更に、データサイエンティスト職の9割が理系修士以上、その内5割が後期課程進学者・博士学位取得者である。また、素粒子・宇宙物理・航空工学など専門的に科学教育を受け、先進国の研究所で解析技術・知識を得た多彩なデータサイエンティストが多数おり、国内最高峰のデータサイエンティスト集団と自負している。

 

(同社資料より)

 

(2)豊富な解析技術・幅広い領域で活かせるAI技術を保有する「scorobox」
創業以来、様々な業界・業種におけるコンサルティングにより経験してきたプロジェクト実績、AI技術、ノウハウを「scorobox」といライブラリーに蓄積している。これらを同社の知的財産として活用することで、フロー型においてはコンサルティングの高度化・効率化を図っているほか、ストック型ではモジュール適用によって機能強化を進めている。
300を超えるライブラリーを活用することで経験の浅い技術社員の早期育成にも寄与している。

 

(同社資料より)

 

(3)AIビジネスを推進する共創体制
AIシステム構築の領域が大きく拡大するなか、同社単独でのビジネス推進ではなく、相互に強みを補完できるAI企業・IT企業、事業会社や大学・専門団体等、協業先と共創体制を構築しながら、最新技術キャッチアップおよび新サービス企画・研究・開発を推進している。

(同社資料より)

 

2.成長戦略

【1-3市場環境】で触れたように、DX市場、AIビジネス市場ともに今後も急成長が見込まれる。
そうしたフォローの風を受け、同社は以下のような成長戦略・取り組みを推進する。

 

(基本戦略)
成長ステージを意識した事業に取り組み、持続的に成長できる収益基盤を確立し、高付加価値ビジネスを推進する。

 

(取り組み)

収益基盤拡大にむけ、DX/AIコンサルティング、システム構築実装にむけたコンサルティングメニューを強化する。

主力領域である「分析サービス」は、市場規模が小さいが、高度な技術を要するため、引き続き自社の強みを発揮できる領域として注力する。

分析サービスを強みとしつつ、高成長事業の位置づけとして、自社/他社AI製品の拡充を図り、サブスクリプションサービス売上を拡大する。

安定成長事業である「コンサルティングサービス」によるノウハウの提供と、高成長事業である「サブスクリプションサービス」によるAIエンジンの提供でシナジーを創出する。

 

(同社資料より)

3.2023年3月期第2四半期決算概要

【3-1業績概要】

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前年同期比

売上高

734

100.0%

1,088

100.0%

+48.2%

売上総利益

284

38.8%

393

36.2%

+38.1%

販管費

224

30.6%

269

24.8%

+19.9%

営業利益

60

8.2%

124

11.4%

+106.0%

経常利益

60

8.3%

125

11.5%

+106.2%

四半期純利益

40

5.5%

57

5.3%

+41.8%

*単位:百万円。

 

大幅な増収増益、過去最高の売上・利益を更新
売上高は前年同期比48.2%増の10億88百万円。フロー型ビジネスでは大規模×長期化(LTV最大化)に繋がる事業展開により小売業・金融業等の案件大規模化が進み、ストック型ビジネスではNetbase、Cognigy共に新規顧客を獲得した。
営業利益は同106.0%増の1億24百万円。売上増大に伴う外注費増、事業強化を目的とした技術社員の採用・育成、非対面での営業推進やデジタル技術等を用いてのマーケティングの強化、研究開発投資などでコストも増加したが、増収効果で吸収し大幅な増益となった。
当期純利益は同41.8%増の57百万円。特別損失に代表取締役(創業者)の退任に伴う特別功労金40百万円を計上した。
売上高・営業利益は上半期の過去最高を記録した。

 

 

【3-2 決算のポイント】

(1)フロー型・ストック型
フロー型は前年同期比49%増、ストック型は同41%増と共に大きく伸長。
フロー型は、前期に続き「大規模×長期化(LTV の最大化)」に繋がる顧客との接点増加活動を行った結果、想定通りに大型案件を受注することができ、顧客との繋がりを深めることができた。
ストック型は体制強化を進めた結果、新規顧客が増加。
ストック比率は低下したが、ストック重視の方針に変更はない。今期より人員増強を進めている。

 

 

(2)フロー型売上高の内訳
顧客別では、サービス業大手、アパレル大手、金融業界から信頼度が高まり、受注が拡大した。
サービス別では、アナリティクスが大半を占めるが、AIシステム実装を進めるエンジニアリングも徐々に増加している。
フロー型の売上成長を支えるため、人材強化の部署を設置し、スピード感ある採用を実施している。また認知度向上のためにもパートナーとの連携が不可欠であることから、社内リソースとのバランス運営を行っている。

 

(同社資料より)

 

(3)ストック型売上高の内訳
NetBase、Cognigyとも新規に代理店契約やアライアンスを締結するなど販売体制を強化し、市場攻略を積極的に進めた結果、幅広い領域での拡販が進んだ。
Netbaseの主要代理店であるISIDの業績効果は大きく、さらなる関係強化を図る。
また、今年度よりビジネス領域で強い販売網やポテンシャルを有する新たな代理店との連携を推進していく。

(同社資料より)

 

【3-3 財務状態とキャッシュ・フロー】

◎主要BS

 

22年3月末

22年9月末

増減

 

22年3月末

22年9月末

増減

流動資産

1,891

1,878

-12

流動負債

323

255

-68

 現預金

1,613

1,550

-62

固定負債

20

20

0

 売上債権

201

234

+32

負債合計

343

275

-68

固定資産

159

148

-11

純資産

1,708

1,751

+43

 投資その他の資産

124

117

-6

 利益剰余金合計

637

674

+36

資産合計

2,051

2,026

-24

負債純資産合計

2,051

2,026

-24

*単位:百万円

 

自己資本比率は前期末から3.1ポイント上昇し86.4%。

 

◎キャッシュ・フロー

 

22/3期2Q

23/3期2Q

増減

営業CF

17

-38

-56

投資CF

-3

-3

-0

フリーCF

14

-42

-56

財務CF

-40

-20

+20

現金同等物残高

1,416

1,550

+134

*単位:百万円。

 

営業CF並びにフリーCFは、特殊要因として、退任した創業者取締役への特別功労金の他、今期は上期にも業績賞与を支給したこと、売上の大幅増に伴う売上債権の増加等により上期はマイナスではあるが、キャッシュポジションは上昇している。

 

【3-4 トピックス】

(1)NetBaseを使用し、日経 CNBC 番組で米国中間選挙動向分析結果を提供
22年11月、日経 CNBC 番組「昼エクスプレス」において、Twitter 等を情報源とするビッグデータ分析にTDSEが取り扱う SNS 分
析製品『NetBase』を活用し情報を提供した。
番組内でTDSE社員が『NetBase』をリアルタイムに操作し、ソーシャルメディア上での世論の動向を紹介した。

 

(2)3社とNetBase販売パートナー契約を締結
株式会社ガイアックス(3775、名証ネクスト)、株式会社ゴンドラ、株式会社デジタルアイデンティティ(株式会社Orchestra Holdings
東証プライムの子会社)とSNSマーケティング分野での協力的な関係を築くことを狙いとして、「NetBase」の販売パートナー契約を締結した。3社はNetBaseの多くの導入実績及び多機能製品である点を評価した。
マーケティング領域に強みを持つ3社との連携により、SNS分析にとどまらず、提携先とともに顧客企業のマーケティング支援強化を目指す。

 

(3)シミックソリューションズと Cognigy 販売パートナー契約を締結
22年8月、シミックソリューションズ株式会社(シミックホールディングス 東証プライムのグループ会社)と医療領域における DX 推進における協力的関係を築くことを狙いとして、Cognigyの販売パートナー契約を締結した。

 

(シミックソリューションズ概要)
2001年1月設立。画期的なソリューションを通してヘルスケアに新たな価値を創造し、培ってきた知識やノウハウ、デジタル/IoT などの最先端の技術を活用し、多様化するヘルスケア分野のニーズに的確に対応する患者中心のヘルスケアソリューショ
ンを提供している。
今回は、Cognigyの医療機関向け実績と導入のしやすさを評価しパートナー契約締結に至った。

 

(医療領域におけるTDSEの取り組み)
TDSE は対話型AI プラットフォーム「Cognigy」を活用して、NTT データや熊本市など企業・自治体の業務自動化サービスを提供しているほか、 AI ボット導入で負担の掛かる FAQ 作成を自動生成する AI 製品「QA ジェネレーター」の提供も行っている。
同社では、こうしたサービスをベースに、新型コロナウイルスの影響により、医療機関やクリニック等へ負荷が集中し、現場の医療従事者への負担が高まっていることから、With コロナ時代において、この状況を少しでも軽減し、逼迫している医療社会に貢献できる仕組みとして、医療機関向け「オンライン問診用ボット」や「コロナワクチン接種予約ボット」の提供を行ってきた。

 

(アライアンスの目的)
今回のパートナー契約により、医療業界の課題である超高齢化による医療費の抑制や、慢性的な医療従事者の人材不足に加えてコロナ感染対策の徹底が必要となる厳しい業務環境下に対してシミックソリューションズの豊富な医療業界ノウハウと、「Cognigy」で構築・運用される多様な AI ボットの組合せにより、医療業界が抱える負荷を軽減する取組の実現を目指す。
将来的には音声対話型 AI と組み合わせて、デジタル問診やバーチャル診療などのサービスが可能になると考えており、患者にとっても医療機関にとっても、新たな活用シーンとして進展することが予想される。
両社では人々が寄り添えるよう社会に貢献する事業者としての使命を着実に果たし、医療社会を支えるサービスの提供を通じて社会に貢献する考えだ。

 

(4)AI 画像解析サービス「TDSE Eye」の第一弾サービス提供開始
22年11月、AI による画像解析サービス「TDSE Eye」の第一弾サービスとして、設備点検や製品検査等の効率化・コスト削減を実現する異常検知サービスの提供を開始した。

 

(AIによる設備や製品の外観検査の課題)
現在、製造業の DX のテーマとして、AI による画像解析技術を活用し、設備や製品の外観検査の自動化・効率化が注目されている。しかしながら、画像検査 AI の開発にかかる大きなコストが導入の壁となっていたほか、検査対象ごとに大量の学習データを集めて AI を学習させる必要があり、開発済みの AI を再利用することも困難であった。こうした理由により、画像検査 AI 導入が特に中堅・中小規模の製造業などでは導入まで進まないケースも多くみられた。

 

(TDSE Eye概要)
こうした課題に対して、同社 は、長年の画像解析技術の研究開発やコンサルティングサービスを通じて得られたプロジェクト経験・ノウハウを活かし、画像解析サービス「TDSE Eye」のサービス開発を行ってきた。
「TDSE Eye」は、AI の専門知識がなくても簡単に画像検査 AI を利用できるため、導入期間や開発コストを大幅に削減できる。「TDSE Eye」を活用することで、容易に画像検査 AI を導入することが可能となる。

 

今回リリースされた機能には、少数の正常データのみで AI モデルを作成できる最先端の異常検知 AI が実装されており、設備の保守業務、製品の品質確認など、目視作業による外観検査を効率化することができるエッジデバイスにも対応可能な AI 画像解析クラウドサービス。
今後は、市場と対話しながら領域を選定、画像分類、物体検出などの機能開発を進めていく。

 

4.2023年3月期業績予想

【業績予想】

 

22/3期

構成比

23/3期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

売上高

1,723

100.0%

2,247

100.0%

+30.4%

+11.3%

48.5%

営業利益

217

12.6%

237

10.5%

+8.7%

+7.9%

52.3%

経常利益

219

12.7%

238

10.6%

+8.4%

+8.4%

52.5%

当期純利益

148

8.6%

136

6.1%

-8.3%

+9.0%

42.2%

*単位:百万円。予想は会社側予想。
*23/3期は、代表取締役(創業者)の退任に伴う特別功労金贈呈による特別損失を計上。

 

業績予想を上方修正、増収増益予想
好調だった上期実績と今後の動向を勘案し業績予想を上方修正した。
売上高は前期比30.4%増の22億47百万円、営業利益は同8.7%増の2億37百万円の予想。
フロー型ビジネスでは、顧客との中長期にわたる関係強化を継続的に実施。ストック型ビジネスでは、提供している既存商品のサービス拡張および新サービスの提供に向けた準備を進める。社員の育成・採用強化、デジタルマーケティングおよびパートナーネ
ットワークの強化に努める。

 

5.今後の注目点

修正後予想に対する上期進捗率は売上高48.5%、営業利益52.3%と例年と比較し高水準にある。フロー型、ストック型共に順調に推移しており、第3四半期、第4四半期で通期予想に対し売上・利益をどこまで積み上げることができるかを注目していきたい。
2013年10月に創業し来年10周年を迎える同社では、AI市場における同社位置づけを確固たるものにするため、新たな中期経営計画を2023年3月目途に発表する予定。詳細は検討中だが、1本目の柱として確立しているフロー型ビジネスに続き、ストック型ビジネスをどのようにして2本目の柱として確立させるかが大きなポイントであると東垣社長は考えている。投資もしっかりと行いながら企業価値向上を目指していくので、是非長期的な目線で応援してほしいとのことだ。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

4名、うち社外取締役1名(うち独立役員1名)

監査役

3名、うち社外監査役2名(うち独立役員1名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年6月21日

 

<基本的な考え方>
当社は、「データに基づいて、意思決定を高度化する」というミッションのもと、「データを活用した可能性溢れた豊かな社会」の実現に向けて、更なる飛躍を目指し、株主、取引先、従業員等ステークスホルダーの信頼を得、継続的な企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンスの充実が経営上の重要な課題であると位置づけ、コンプライアンス体制及びリスク管理体制の構築・強化を図り、取締役会を中心に「経営の効率化」及び「監督機能の強化」に主眼を置き、健全で透明性が高く、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の構築に努めてまいります。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

 

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