ブリッジレポート
(6033) 株式会社エクストリーム

グロース

ブリッジレポート:(6033)エクストリーム 2023年3月期決算

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佐藤 昌平 代表取締役社長CEO

株式会社エクストリーム(6033)

 

 

企業情報

市場

東証グロース市場

業種

サービス業

代表者

佐藤 昌平

所在地

東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル21F

決算月

3月

HP

https://www.e-xtreme.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,248円

5,501,508株

6,865百万円

21.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

23.00円

1.8%

116.33円

10.7倍

768.47円

1.6倍

*株価は5/18終値。
*発行済株式数は発行済株式数から自己株式を控除。23年3月期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

6,286

945

851

560

104.48

21.00

2020年3月(実)

7,161

1,379

1,295

966

177.69

36.00

2021年3月(実)

6,230

703

750

491

90.14

18.00

2022年3月(実)

7,231

592

714

452

82.20

17.00

2023年3月(実)

8,816

1,024

1,174

814

148.18

30.00

2024年3月(予)

10,000

900

1,000

640

116.33

23.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2018年11月、1株を2株に分割(EPSは遡及修正、DPSは分割前の実額)。

 

(株)エクストリームの2023年3月期決算の概要と2024年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期決算概要
3.2024年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23/3期は前期比21.9%増収、73.0%営業増益。デジタル人材事業は、企業のDX推進などによる技術ソリューションに対する旺盛な需要を背景に、新規・既存案件とも受注が好調に推移、受託開発事業では子会社における受注が順調に推移、エス・エー・エスも貢献し両事業とも大幅増収。コンテンツプロパティ事業は安定的に持続した。利益面ではデジタル人材事業の利益率が改善、受託開発事業は黒字転換して大幅増益となった。30.0円/株の期末配当を実施。

     

  • 24/3期は前期比13.4%増収、12.1%営業減益を計画する。上場時に目標とした売上高100億円の突破を想定。デジタル人材事業はWEB系顧客拡大・積極的採用によるプロジェクト数の増加で19.4%増収、受託開発事業は6.9%増収、コンテンツプロパティ事業は18.5%減収を見込む。利益面では、採用費、広告宣伝費など投資予算を計上し、減益予想としているが、売上規模を安定させ、継続的な事業成長のために投資を行う方針。配当は23.0円/株の期末配当を実施予定。

     

  • 23/3期は期初の会社予想(売上高77億円、営業利益6.0億円)を大幅に上回り、売上高は上場時(15/3期、16.6億円)から8年で5倍超となった。特筆すべきは、営業利益(同、1.8億円)についても約5.6倍になったことだろう。先行投資をこなしながらも、しっかりと利益率を向上させた。24/3期は、上場時に目標とした売上高100億円にトライすることとなる。減益予想となっているが、特にコンテンツプロパティ事業において保守的な予想となっている印象がある。デジタル人材事業は着実な成長を実現させており、今後も持続しそう。23/3期に黒字転換した受託開発事業においてはベトナム子会社が本格的に軌道に乗っており、より大きな収益貢献が期待できそうだ。前期に子会社化したエス・エー・エス(株)と(株)Dragami Gamesについては様々なシナジーが期待できる。株価は24/3期が減益予想だったこともあり直近は軟調に推移している。保守的予想が顕在化すれば低位にとどまるバリュエーションに見直し余地が生まれそうだ。

     

1.会社概要

クリエイティブな開発スキルを有するデジタルクリエイター(プログラミングやグラフィックの開発スキルを持ったクリエイター&エンジニア)のプロダクションである。法人向けにゲーム・スマートフォンアプリ・Web・IT企業等へソフトウエア開発サービスを派遣契約または請負契約にて提供するデジタル人材事業、デジタル人材事業またはグループ各社の顧客から持ち込まれるスマートフォンアプリまたはWEB開発案件、大規模会員向けプラットフォームシステムの構築~導入~運用などの案件を持ち帰り形式にて受託・納品する受託開発事業、同社またはグループ会社が保有するゲーム・キャラクター等の知的財産を活用し、様々な事業を展開するコンテンツプロパティ事業を展開している。

 

グループは、同社の他、連結子会社に(株)EPARKテクノロジーズ(出資比率58.3%)、オフショア開発拠点を活用したITサービスの開発等を行う(株)エクスラボ(同100%)及びEXTREME VIETNAM Co., LTD.(同100%、ベトナム国ハノイ市)。また、23/3期に2社を新規連結。22年6月から株式会社角川ゲームスから吸収分割承継を受けて(株)Dragami Games(同93.3%)を子会社化した。加えて22年11月にはゲーム開発・組込システム開発を行うエス・エー・エス(株)及び子会社の酒田エス・エー・エス(株)を買収(51.3%取得)、3Qから新規連結となった。持分法適用関連会社には、(株)EPARKペットライフ(同23.8%)、(株)ネクストン及び子会社のウーガ(同15.0%)。(株)EPARKテクノロジーズは飲食店・病院・美容院・時間貸駐車場・エステサロン等の順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の基幹システム開発・保守を手掛けており、(株)EPARKペットライフはペットサロン・動物病院のポータルサイトを運営(予約・送客サービス)している。(株)ネクストンはPC向けゲームソフトの開発・販売を行っており、TVアニメ化された「恋姫†無双」などの著名IPを保有する。

 

 

【企業コンセプトと行動指針】
企業コンセプトは、「まじめに面白いをる会社。未来の楽しいをる会社。」。行動指針を、「スピード×クオリティ×チャレンジ」としている。スピード。常にフルスピードを意識する。今日できる事は今日やる。今出来る事は今やる。後回しにしない。クオリティ。妥協せず常に最高のクオリティを目指す。量は質に転化する。多くのアイデア、多くの成果、多くの挑戦など、多くを生み出すことが、クオリティの高いものに結実する。全ての成果はお客様のためにある。お客様が満足するクオリティを目指す。チャレンジ。失敗を恐れずに前に踏み出す。現状に満足せず、常に改善を心がける。

 

1-1 事業の概要

事業は、デジタル人材事業、受託開発事業、及びコンテンツプロパティ事業に分かれる。各事業の概要は次の通り。

 

23/3期 セグメント別売上高・利益

 

売上高

構成比

営業利益

利益率

デジタル人材事業

5,027

57.0%

949

18.9%

受託開発事業

3,275

37.1%

385

11.8%

コンテンツプロパティ事業

513

5.9%

363

70.7%

合計

8,816

100.0%

1,024

11.6%

* 単位:百万円、営業利益には調整額674百万円があり、合計額と一致しない

 

デジタル人材事業
ゲーム・スマートフォンアプリ・WEB・IT企業等に対し、ソフトウエア(プログラミングやグラフィック等)開発サービスを派遣契約または請負契約にて提供する。クリエイター&エンジニアを持続的に強化・拡充していく事ができる自社養成システム(研修・教育システム)を有し、登録型派遣会社とは異なり、タレント性や独自スキルを持った人材を柔軟に供給する事ができる事が強みである(⇒競合他社が少ない)。充実した研修・教育制度の下、社員はデバイスの流行廃りに左右されない技術を維持し、同社は社員の技術力を企業として担保している。また、クリエイター&エンジニアは営業マンとしての側面も持ち、常駐先での取引拡大にも貢献している。

 

顧客分布の推移

 

20/3期

21/3期

22/3期

23/3期

エンタメ系顧客

51.0%

55.8%

48.9%

49.2%

スマーフォンアプリ

81.4%

74.1%

77.5%

74.0%

家庭用ゲーム

9.8%

11.0%

10.5%

14.5%

オンラインゲーム

7.4%

10.1%

7.1%

5.5%

遊戯機器

1.0%

0.0%

2.3%

1.7%

業務用ゲーム他

0.4%

4.8%

2.6%

4.3%

非エンタメ系顧客

49.0%

44.2%

51.1%

50.8%

IT

53.9%

45.4%

41.6%

48.5%

Web

46.1%

54.6%

58.4%

51.5%

 

21/3期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、20/3期まで伸びてきた非エンタメ系顧客の新規開拓が停滞した。エンタメ系既存顧客への深堀り営業(単価アップ施策)が主体となったことから、若干エンタメ系顧客へのウェイトが増加した。
22/3期には再び非エンタメ系顧客が増加に転じ、初めて50%を上回った。23/3期も非エンタメ系顧客がエンタメ系顧客を上回った。尚、当該セグメントの売上高は順調に伸びており、エンタメ系顧客への売上高が低下したわけではなく、非エンタメ系顧客からの受注割合が増加していることを示している。
今後も、ゲーム等のエンタメ開発で培った視覚表現力、演出力などのクリエイティブな開発スキルをセールスポイントとして、市場規模が大きいネットビジネス・WEBサービス事業者などへ応用的に展開させ、事業規模を拡大させていく方針。

 

受託開発事業
子会社(株)EPARKテクノロジーズが手掛けるEPARKプラットフォームに関わる各種開発・保守、(株)エクストリームのテックファンド事業本部とベトナムのオフショア子会社を活用して開発を行う(株)エクスラボによるナショナルクライアントからのシステム開発・保守・追加案件等の受託開発(持ち帰り型の開発)を手掛けている。ナショナルクライアント向けでは、ビッグデータ分析での分析基盤の設計開発及び分析、AIを活用したシステム開発、リアルタイムコミュニケーションを実現する技術を活用した映像配信プラットフォーム開発、遠隔地にある設備をデバイス上の操作でオペレーション支援システムの開発等を手掛けている。エス・エー・エスは23/3期から子会社化(詳細は後述)

 

受託開発事業の子会社

(株)EPARKテクノロジーズ

WebやIoT技術とAR/VR、AI(機械学習)など最新のデジタルテクノロジーを活用し、DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスの企画立案、データの検証、PoC、開発、運用まで一気通貫で提供。

(株)エクスラボ

受託開発事業におけるオフショア開発拠点として、品質の高い技術サービスを適切な価格で提供。また、クライアントの要望に応じ、柔軟な開発体制を構築する「ラボ型サービス」や現地進出のサポートを行う「インキュベーションラボサービス」を提供。

EXTREME VIETNAM Co., Ltd.

日本人技術者の他、開発、安定運用の実績が豊富な現地技術者が約120名、日本語対応可能なスタッフも40名在籍。高い日本語力と経験で顧客の企業文化・開発意図まで考慮し、最高の開発環境で高品質のサービスを提供。

エス・エー・エス(株)

エンターテイメント事業及びシステムソリューション事業の2事業を展開する受託開発会 社。ゲーム等の受託開発事業においては、大手ゲームパブリッシャーを主な取引先とし て、40年を超える取引実績があり、業界内でも老舗として名が通った企業。

 

コンテンツプロパティ事業
ゲーム開発・運営・販売事業や同社が保有するゲームタイトルやキャラクター等の使用許諾を行うライセンス事業を行っている。

 

ライセンス許諾による「ラングリッサー」の海外配信
中国のゲーム会社である天津紫龍奇点互動娯楽有限公司(中国・北京市)を通して、2018年8月に中国でスマートフォン版ゲームアプリ「ラングリッサー」の使用許諾による配信が始まり、同年10月には、台湾、香港、マカオでの配信を開始した。その後、許諾地域が広がり、日本(2019年4月)、韓国、及びロシア(共に同年6月)で配信が開始された。

 

各許諾地域における売上集計作業はライセンス許諾先である天津紫龍奇点互動娯楽有限公司(中国・北京市)が行っており、同社からの収益報告に一定の時間を要する事と契約上収益に係る報告サイクルが定められている事から、現地での実際の収益計上と(株)エクストリームの収益計上にはタイムラグがある。

 

また22年6月には、「角川ゲームス」より吸収分割承継を受けた(株)Dragami Gamesが新たに加わった(詳細は後述)。

 

2.2023年3月期決算概要

財務基盤は盤石
デジタル人材事業における堅実なビジネスモデル及びラングリッサー関連のロイヤルティ収益等により、営業CFは10億円超の黒字を確保した。有利子負債は、前期末に1億円あった短期借入金を一旦完済したが、下期に6.5億円再び借り入れた。23/3期末のキャッシュポジションは前期末比6.1億円増加した。現預金及び流動性の高い投資有価証券(高格付外債等)の保有残高は44.9億円。自己資本比率は59.4%(前期末70.0%)と引き続き財務基盤は盤石。

 

財政状態

 

22年3月

23年3月

 

22年3月

23年3月

現預金

1,670

3,207

未払金

634

868

流動資産

3,059

5,011

有利子負債

195

741

無形固定資産

91

274

負債

1,206

2,293

投資その他

1,832

1,757

純資産合計

3,824

4,825

固定資産

1,971

2,107

負債・純資産合計

5,030

7,118

* 単位:百万円

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

22/3期

23/3期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

449

1,006

+557

+123.9%

投資キャッシュ・フロー(B)

-316

-855

-538

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

132

151

+18

+14.3%

財務キャッシュ・フロー

-243

414

+658

-

現金及び現金同等物期末残高

1,731

2,346

+615

+35.5%

* 単位:百万円

 

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2-1 連結業績

 

22/3期

構成比

23/3期

構成比

前期比

2月予想

予想比

売上高

7,231

100.0%

8,816

100.0%

+21.9%

8,700

+1.3%

売上総利益

1,878

26.0%

2,504

28.4%

+33.4%

-

-

販管費

1,286

17.8%

1,480

16.8%

+15.1%

-

-

営業利益

592

8.2%

1,024

11.6%

+73.0%

915

+11.9%

経常利益

714

9.9%

1,174

13.3%

+64.5%

1,000

+17.5%

親会社株主帰属利益

452

6.3%

814

9.2%

+79.9%

700

+16.4%

* 単位:百万円

 

前期比21.9%の増収、同73.0%の営業増益
売上高は前期比21.9%増の88.1億円。デジタル人材事業では、企業のDX推進などによる技術ソリューションに対する旺盛な需要を背景に、新規・既存案件とも受注が好調に推移して前期比20.1%増収。受託開発事業では子会社(エクスラボ・EPARKテクノロジーズ)における受注が順調に推移、エス・エー・エスも業績貢献し同28.3%増収。コンテンツプロパティ事業は4.4%増収。「ラングリッサー」がサービス開始4周年で安定的に持続、昨年6月に子会社化した「Dragami Games」の収益が加わった。
営業利益は同73.0%増の10.2億円。デジタル人材事業は17.0%増益。受託開発事業ではEXTREME VIETNAM の開発要員稼働率が順調に回復したことにより、前期0.5億円の損失から3.8億円の利益へ大幅に改善した。コンテンツプロパティ事業は依然として高い利益率を維持したものの、17.3%減益となった。

 

セグメント別売上高・利益

 

22/3期

構成比・利益率

23/3期

構成比・利益率

前期比

デジタル人材事業

4,187

57.9%

5,027

57.0%

+20.1%

受託開発事業

2,552

35.3%

3,275

37.1%

+28.3%

コンテンツプロパティ事業

491

6.8%

513

5.8%

+4.4%

連結売上高

7,231

100.0%

8,816

100.0%

+21.9%

デジタル人材事業

811

19.4%

949

18.9%

+17.0%

受託開発事業

-52

-

385

11.8%

-

コンテンツプロパティ事業

439

89.4%

363

70.8%

-17.3%

調整額

-606

-

-674

-

-

連結営業利益

592

8.2%

1,024

11.6%

+73.0%

* 単位:百万円
* 各セグメントの売上高は構成比、営業利益は営業利益率。

 

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2-2 デジタル人材事業の動向


* 月次売上高推移には、セグメント間の内部売上高または振替高が含まれている
(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

23年3月は、前年同月比18.4%増、単月売上も過去最高。フリーランス人材による売上高も増加しており、「正社員」「フリーランス」「パートナー要員」の 3軸を人材確保の主軸として今後もプロジェクト数を伸ばす方針。

 

(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

プロジェクト稼働数は期首より前期実績を大きく上回るペースで推移した。稼働単価は前期実績とほぼ同水準で推移したが、プログラマなど需要の高い職種は単価上昇傾向が見られ、積極的に価格交渉を行っている。単価が大きく変化していない要因の一つに、取扱い職種の幅を広げている(事務職等)ことが挙げられる。

 

 

* プロジェクト稼働数は、デジタル人材における一件当たり(1人・1ヶ月と1件としてカウント)を合算した期中累計から算出
* 取引先数は、期中において取引(売上)が発生した顧客企業数を1とした通期合算から算出
* クリエイター&エンジニア数は、期末日におけるデジタル人材事業に従事したクリエイター&エンジニア数
(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

23/3期は13.1%増、連続で過去最高となる8,143プロジェクトを受注。正社員採用はもとより、フリーランス人材・ビジネスパートナー要員の増加がプロジェクト数増加に寄与した。取引社数、クリエイター&エンジニア数も大幅に伸びた。

 

3.2023年3月期業績予想

3-1 通期連結業績

 

23/3期 実績

構成比

24/3期 予想

構成比

前期比

売上高

8,816

100.0%

10,000

100.0%

+13.4

営業利益

1,024

11.6%

900

9.0%

-12.1%

経常利益

1,174

13.3%

1,000

10.0%

-14.9%

親会社株主帰属利益

814

9.2%

640

6.4%

-21.4%

* 単位:百万円

 

前期比6.5%の増収、同1.3%の営業増益を見込む
24/3期は売上高が前期比13.4%増の100億円、営業利益は同12.1%減の9.0億円を計画する。
売上高は14年の上場時に目指した100億円の突破を想定する。デジタル人材事業の売上高は19.4%増の60億円を見込む。WEB系顧客拡大・積極的採用によりプロジェクト数の増加を想定する。部門毎の前期末稼働プロジェクト数をベースに、今期採用予定数及び離職率予想などを勘案して算出したもの。受託開発事業の売上高は6.9%増の35億円を見込む。前期における受注実績をベースに、新規・保守案件に大別し、新規案件は期末時点での受注済み案件及び受注確度が高い案件の積み上げにより予想値を算出したもの。保守案件については、前期末時点において継続中の案件及び1契約当たりの契約金額を抽出し、その積み上げによって予想値を算出している。コンテンツプロパティ事業の売上高は18.5%減の5.0億円を見込む。ラングリッサーロイヤリティ収益やDragami Gamesの売上高を保守的に算出した。
利益面では、デジタル人材事業及び受託開発事業における売上原価については、1プロジェクト当たりの受注金額に対する労務費割合を主要な原価として見積もり算出している。コンテンツプロパティ事業における売上原価については、過去実績値を元に、プロジェクトに係る労務費、外注加工費、支払手数料、通信費等を算定している。デジタル人材事業及び受託開発事業における販管費については、営業社員の労務費、テレビCMなどの宣伝費、年間採用計画に基づいた採用媒体への広告費及び人材紹介会社への人材紹介手数料などを勘案し、算出している。コンテンツプロパティ事業における販管費については、過去実績値を元に広告宣伝費、決済手数料、プラットフォーム手数料等をベースに予想値を算出している。減価償却費については、ソフトウエアの開発計画、固定資産の取得予定等、設備投資計画に基づき発生する費用を見積もり、予想値を算出している。人材採用強化(フリーランス人材なども含む)のための採用費、広告宣伝費など投資予算を一定程度計上、減益予想としているが、売上規模を安定させ、継続的な事業成長のために投資を行う方針。営業外では支払利息の発生を見込んでおり、経常利益は前期比14.9%減の10億円、親会社株主利益は同21.4%減の6.4億円を見込む。

 

セグメント別売上高(連結調整後)見通し

 

23/3期 実績

構成比

24/3期 予想

構成比

前期比

デジタル人材事業

5,441

79.0%

6,000

60.0%

+19.4%

受託開発事業

3,277

13.6%

3,500

35.0%

+6.9%

コンテンツプロパティ事業

513

7.4%

500

5.0%

-18.5%

連結売上高

8,816

100.0%

10,000

100.0%

+13.4%

* 単位:百万円

 

3-2 株主還元

配当は1株当たり23.0円の期末配当を予定している(予想配当性向20.0%)。同社は、配当性向20%を目安として株主還元を実施していく方針。

 

3-3 戦略

①デジタル・たる・樽、エクストリーム♪CM第2弾放映開始

顧客獲得、求職人材・フリーランス人材へのブランド認知を目指す

 

評判の高かった前作CMコンセプトを踏襲し、23年年初より放映開始。潜在顧客企業、求職者などを専用WEBサイトへ誘導し、新たな顧客の取り込みと優秀な人材の確保を目指す。
※フジテレビ「ワイドナショー」、TBS「THE TIME」などにて放映中。

 

(同社資料より)

 

②東海地域におけるデジタル人材事業の受注増に対応するため、名古屋オフィスを移転・増床
社は14年6月に名古屋オフィスを開設致したが、近年東海地域におけるデジタル人材事業は、主に電事業等のインフラ系企業、完成車メーカー系列企業などにおける開発案件の需要が増加している。これらの需要に対応するために営業拠点の拡充を図り、受注数を継続的に増加させることを目的にオフィスを移転・増床することとした。名古屋オフィスの移転・増床に伴い、営業体制の拡充を図るとともに、技術者採を更に推し進め、取引先企業の幅広いニーズに対応できる体制を目指す。

 

 

 

名称

 株式会社エクストリーム 名古屋オフィス

新住所

 愛知県名古屋市西区名駅一丁目1番17号 名駅ダイヤメイテツビル5階

移転日

 23年4月1日

 

 

③受託開発事業の拡充を目的にエス・エー・エス株式会社を子会社化
<エス・エー・エス株式会社とは?>
・エンターテイメント事業及びシステムソリューション事業の2事業を展開する受託開発会社。
・ゲーム等の受託開発事業においては、大手ゲームパブリッシャーを主な取引先として、40年を超える取引実績があり、業界内でも老舗として名が通った企業。
・主な取引先メーカー・・・(株)セガ、(株)バンダイナムコエンタテインメント、アイア(株)、日本コロムビア(株)など
・家庭用ゲーム機向けソフト・スマートフォン向けゲームアプリだけではなく、ゲームセンター等のアミューズメント施設向けゲーム機などの開発も得意とする。
・システムソリューション事業においては、無線通信装置、ロボット制御システム、各種シミュレータ開発など、大手機器メーカー、国立研究開発機関などと直接取引。

 

<今回の株式取得による子会社化のシナジー>
①同社へ相談を受けるゲーム等の受託開発案件の対象会社への連携による同社の営業力と対象会社の開発力の一体化による収益機会拡大
②同社から対象会社への人的交流(出向等)による対象会社の課題である人的開発リソースの補完
③同社の海外取引ネットワークを生かし、アジア地域などで商圏が拡大されると見込まれるアミューズメント施設向けゲーム筐体市場への積極参入

 

エンターテイメント事業における主な開発実績タイトル一例

 

(同社資料より)

 

④今期より具体的なシナジーの創出を目指す
システムソリューション事業における主な開発実績タイトル一例

 

(同社資料より)

 

⑤Dragami Gamesのパイプラインが本格稼働
<株式会社Dragami Gamesとは?>
22年6月「角川ゲームス」より吸収分割承継を受け誕生。「角川ゲームス」の保有する知的財産権(著作権・商標権・ゲームデータ・ソースコードなど)の譲渡を受け、会社設立とともに主要ゲームタイトルの権利取得を実現。
世界的なヒット作となったゾンビアクションゲーム「LOLLIPOP CHAINSAW」(累計販売本数120万本超)、サイケデリックなストーリーが人気を博したミステリーアドベンチャーゲーム「√Letter ルートレター」シリーズ(累計販売本数50万本超)、全世界で好評を博したファンタジーダンジョンRPG「DEMON GAZE」シリーズ(累計販売本数40 万本超)、古代日本の若きリーダーたちの葛藤と成長を描く人気タクティクスRPG「GOD WARS」シリーズ(累計販売本数30万本超)など、多数のヒット作を有している。

 

(同社資料より)

 

 

⑥ベトナム子会社黒字転換、コロナ禍の影響から抜け出し稼働率向上

(同社資料より)

 

・コロナ禍からの影響がようやく穏やかなものになり、渡航制限が解除となったことで潜在顧客(日本企業)の現地視察、既存顧客による更なる同社活用に向けての現地での検討目的の訪問などを再開。(写真は、「OMRON HEALTHCARE」訪問の様子)

 

・今後は、日本企業からの受注はもとより、現地での案件獲得や技術人材の柔軟な活用など新たな経営フェイズに入る。

 

・また、プロジェクトマネージャー人材の採用、育成を通じて価格競争力だけでなく、質の高い技術サービスの提供を目指す。

 

⑦フリーランス向けエージェントサービス開始から約2年
新しい人材獲得手法として事業を軌道に乗せていく

 

(同社資料より)

 

・21年8月6日のサービス開始から順調に登録フリーランス人材が増加。

 

・働き方多様化により、地方などの潜在的技術人材と同社顧客案件を結びつけることにより、顧客⇔フリーランス人材⇔同社の「三方良し」のビジネススタイルを確立。

 

・これまでは、正社員及び協力企業の2大人材獲得経路のみであったが、これにフリーランス人材が加わることで、同社の人材獲得手段の多様化にも効果が期待できると見込む。

 

・サービスURL https://www.extreme-freelance.jp/

 

 

今後の成長イメージ

(同社資料より)

 

▶基盤事業である「デジタル人材事業」を堅実に成長させるとともに、顧客基盤を強化。
⇒23/3期は、WEB系顧客に対する売上が増加。
▶広げた顧客基盤を活用し「受託開発事業」へ展開、売上規模を拡大。また、子会社オフショアも活用し、「受託開発事業」の利益率を向上。
⇒23/3期は、前期より大幅に黒字転換(52百万円の営業損失から3億85百万円の営業利益へ)
▶「デジタル人材事業」「受託開発事業」で培った企画・開発ノウハウを「コンテンツプロパティ事業」へ展開。新しい収益源確保を目指す。
⇒23/3期実績において、ゲーム開発に係る受託開発実績あり。この実績をベースに引き続きコンテンツプロパティ事業への展開を検討中。

 

4.今後の注目点

23/3期は期初の会社予想(売上高77億円、営業利益6.0億円)を大幅に上回り、売上高は上場時(15/3期、16.6億円)から8年で5倍超となった。特筆すべきは、営業利益(同、1.8億円)についても約5.6倍になったことだろう。先行投資をこなしながらも、しっかりと利益率を向上させた。24/3期は、上場時に目標とした売上高100億円にトライすることとなる。減益予想となっているが、特にコンテンツプロパティ事業において保守的な予想となっている印象がある。デジタル人材事業は着実な成長を実現させており、今後も持続しそう。23/3期に黒字転換した受託開発事業においてはベトナム子会社が本格的に軌道に乗っており、より大きな収益貢献が期待できそうだ。前期に子会社化したエス・エー・エス(株)と(株)Dragami Gamesについては様々なシナジーが期待できる。
近年、デザインの需要が高まっている。例えば、SIerはプログラムをつくることはできるが、画面でどう表現していくか、言い換えると、UI・UXに関する部分は苦手だ。一方、同社の強みは、ゲームを通じて、取扱説明書がなくても使うことができるソフトウエアを開発してきたこと。ゲームは遊びながら使い方を理解できるような作り方をしないといけないが、スマートフォンも同じ。ただ、今の日本にはこうした技術を持つ企業は必ずしも多くない。UI・UXに対するニーズが高まっているということは、同社が持っている技術に対するニーズが高まっているということであり、ライバルも少ない。同社が、非エンタメ系(ITやWeb関連)の売上を伸ばしている背景には、時代のニーズと同社の強みが合致しているためだ。
株価は24/3期が減益予想だったこともあり直近は軟調に推移している。保守的予想が顕在化すれば低位にとどまるバリュエーションに見直し余地が生まれそうだ。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

3名、うち社外1名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2022年6月30日)

 

基本的な考え方
当社グループは、企業活動を支えるあらゆるステークホルダーの利益を重要視しており、長期的、継続的また効率的な株主価値の最大化を実現する上でも、コーポレート・ガバナンスの確立を重要な経営課題であると認識しております。企業の社会的責任については、株主のみならず、多くのステークホルダー、また直接的な利害関係者でない社会全般に対してもコーポレート・ガバナンスを基盤として会社全体で使命を共有し、事業の根幹たる「お客様を幸せにする」においてたゆまぬ付加価値創造に注力すべく、従業員に対し基本的な心構え・指針となるよう「社内規程」の整備・徹底を図っております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
当社グループはコーポレートガバナンス・コードの基本原則を実施しております 。

 

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