ブリッジレポート
(9837) モリト株式会社

プライム

ブリッジレポート:(9837)モリト 2023年11月期上期決算

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一坪 隆紀 社長

モリト株式会社(9837)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

卸売業(商業)

代表取締役社長

一坪 隆紀

所在地

大阪市中央区南本町4-2-4

決算月

11月末日

HP

https://www.morito.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,206円

30,000,000株

36,180百万円

4.8%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

54.00円

4.5%

67.40円

17.9倍

1,371.63円

0.9倍

*株価は8/16終値。発行済株式数は23年11月期第上期決算短信より、ROE、BPSは22年11月期実績、DPS、EPSは23年11月期予想。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年11月(実)

43,943

1,725

1,790

1,257

45.71

25.00

2019年11月(実)

45,987

1,734

1,779

1,402

51.17

26.00

2020年11月(実)

40,727

856

928

470

17.17

18.00

2021年11月(実)

43,636

1,619

1,834

1,407

51.41

26.00

2022年11月(実)

48,478

2,116

2,342

1,674

62.23

32.00

2023年11月(予)

50,000

2,300

2,450

1,800

67.40

54.00

*予想は会社側予想。単位:円、百万円。

 

モリト株式会社の2023年11月期上期決算概要等についてご紹介します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年11月期上期決算概要
3.2023年11月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23/11期上期は前年同期比4.1%増収、19.6%経常増益。自動車メーカーの減産や欧米・中国における需要の停滞などがあったが、流行に左右されない商品をはじめとする、機能性に優れた付属品や製品が好調に推移した。アジアが減収となったものの、日本や欧米が増収となった。利益面では、主力商品の原材料価格高騰などの利益を押し下げる要因があったものの高付加価値商品の販売が増加したことにより、売上総利益率が改善、販管費率の増加も抑えて2桁営業増益を確保した。欧米は、円安の影響によりのれんが増加した影響で損益が減少したが、日本やアジアの利益率は改善した。特別利益で投資有価証券売却益を計上し、純利益は同48.7%増。上期末配当は前期比倍増となる27.00円/株。

     

  • 通期予想に修正はなく、23/11期は前期比3.1%増収、4.6%経常増益を計画。上期の進捗率は売上高で48.3%、経常利益は59.6%。下期も不採算事業の見直しやCCCの改善を継続して進めていく。売上高については、日本市場は堅調を見込むが、中国においては、経済が横ばいもしくはやや落ちてきていること、欧米市場は、インフレの影響を受け、消費減速・需要停滞による過剰在庫などがあり、今後の見通しが不透明であることを考慮している。配当も修正なく、期末配当は27.00円/株。通期では前期から22.00円増配の54.00円/株を計画。

     

  • 上期は逆風もある中、国内が堅調に推移したこともあり増収を確保。利益面では、高付加価値商品の販売を推進し2桁増益を確保した。また、CCCの改善などを進めた結果、営業CFが大幅に増加しており、事業効率の改善も見られる。経常利益の通期予想に対する進捗率は前年同期を大きく上回っており、今後も事業が着実に進展すれば上方修正の可能性もあるだろう。第8次中期計画で掲げた26/11期目標の3年前倒し達成が視野に入る。株価は見直しが進んだが、中期計画の前倒し達成が見えてくれば更なる見直し余地もありそうだ。

     

1.会社概要

靴・衣類などに紐を通す穴に取り付ける環状の金具である「ハトメ」をはじめとし、ホック、マジックテープ®などの服飾の付属品や、自動車の内装品等の企画・開発から製造に加え、卸・流通までを一貫して手掛ける専門商社。
創業100年を超す歴史の中で培われた高い信頼性、高シェア、グローバルネットワークなどが強み。
2023年5月末現在、連結子会社は国内7社、海外13社の合計20社、持分法適用関連会社は国内に1社。
尚、2019年6月より持株会社体制となっている。

 

【沿革】

大阪の呉服商で奉公人として働いていた創業者・森藤寿吉氏が、1908年(明治41年)に独立し、ハトメ、ホックの仲買商「森藤商店」を一人で開業。大正時代に入りファッションの洋装化が進むのに伴い、靴の需要も拡大し、急成長を遂げる。1937年にはホックをスマトラ、ジャワへ、靴ひもをヨハネスブルグ(南アフリカ)、イギリスへ輸出するなど国際化も進めた。太平洋戦争後は、カラーナイロンファスナーやマジックテープ®の販売を開始したほか、1990年代に入り汎用資材の拡販を目指し、自動車の内装品、カメラのストラップなど生活産業資材関連事業にも進出し事業ドメインを拡大した。海外事業も積極的に展開。1989年、大阪証券取引所第2部に上場し、2013年7月の東証・大証の統合に伴い東京証券取引所第2部に移行。16年12月には、1部に昇格した。22年4月からプライムに上場。

 

 

1908年

森藤商店創業(ハトメ、ホック、靴ひもの商売開始)

1935年

株式会社森藤商店設立

1958年

カラーナイロンファスナーの販売を開始

1960年

マジックテープ®の販売を開始

1976年

モリト株式会社に商号変更

1977年

摩理都實業(香港)有限公司 設立(中国)(現 MORITO SCOVILL HONGKONG COMPANY LIMITED)

1983年

KANE-M,INC. 設立(米国)(現 MORITO NORTH AMERICA, INC.)

1985年

MORITO(EUROPE)B.V. 設立(オランダ)

1987年

エース工機株式会社設立(日本)

1989年

大阪証券取引所 第2部上場

2001年

摩理都實業(香港)の子会社として、

華健金属製品有限公司をM&A(中国)

(現 摩理都工貿(深圳)有限公司)

2003年

佳耐美国際貿易(上海)有限公司設立(中国)(現 摩理都(上海)国際貿易有限公司)

2005年

摩理都實業(香港)宝安工場、摩理都工貿(深圳)を移設、拡張(中国)

2007年

摩理都實業(香港)有限公司が華健金属製品有限公司を吸収合併(中国)

2008年

クラレグループと事業・資本提携 クラレファスニング株式会社を持分法適用会社に

2010年

カネエムダナン設立(ベトナム)(現 MORITO DANANG CO.,LTD.)

2011年

カネエムタイランド設立(タイ)(現 MORITO TRADING (THAILAND) CO., LTD.)

2012年

ミャンマー駐在員事務所開設(ミャンマー)(現 モリトアパレル株式会社ミャンマー駐在員事務所)

カネエムインクミシガン支店開設(米国)(現 MORITO NORTH AMERICA, INC.)

 

2013年

東京証券取引所 第2部に移行

2014年

株式会社マテックスをM&A(日本)

米国の服飾資材製造販売企業 SCOVILLをM&A(現 MORITO SCOVILL AMERICAS,LLC)

2016年

東京証券取引所 第1部に上場

2017年

MORITO SCOVILL MEXICO S.A. DE C.V.設立(メキシコ)

2018年

モリト関東ロジスティクスセンター開設

株式会社マニューバーラインをM&A(日本)

分割準備のために、モリト株式会社の100%子会社としてモリトジャパン株式会社を設立

2019年

持株会社体制への移行に伴い、モリト株式会社(純粋持株会社)とモリトジャパン株式会社(事業会社)に会社を分割

2022年

東京証券取引所 プライム市場上場

モリトジャパン株式会社を分割会社として、アパレル関連事業に関する権利義務をモリトアパレル株式会社に、輸送関連事業に関する権利義務をモリトオートパーツ株式会社に承継

 

【ビジョンなど】

1.創業理念
「積極・堅実」
創業期より培われてきた同社の精神。「自ら進んで判断・行動することで確実に成果を上げることが出来る」という意味を表す。「積極・堅実」は常にモリトの活動における基本姿勢であり、この姿勢が今日の事業発展につながった。この創業理念を変わらず引継ぎ、さらなる飛躍を目指していく。

 

2.経営理念
「パーツでつなぐ、あなたとつながる、未来につなげる」
(1)多彩なパーツを全世界に供給し、ジャンルを超えた無限の市場作りを追求します。
(2)お客様の要望を形にし、人々の豊かな暮らしにつながる本物のもの造りを実現します。
(3)ファッション性、機能性、快適性、安全性といったトータルな視点で価値創造力を発揮し、全ステークホルダーと一体になって未来創りに貢献します。

(同社HPより)

 

3.経営ビジョン
『存在価値を創造する、あたらしい「モリトグループ」の実現』
社員1人ひとりが力を発揮できる環境を作ることで、商品が持つ付加価値に留まらないモリトグループとしての新しい存在価値を創造し、継続して成長を続ける会社を目指してまいります。

 

4.企業行動指針

顧客に対する責任を果たす

ビジネスパートナーに対する責任を果たす

株主に対する責任を果たす

社会に対する責任を果たす

お互いに対する責任を果たす

 

5.MORITO VALUE
モリトの社員の中に暗黙知として、根付いているモリトの価値観や考え方、行動の在り方を「MORITO Value」として定義し、行動指針や判断の基準として明文化し、浸透させる事で、国内外のモリトグループの一体感、求心力を高める。

(同社HPより)

 

【事業内容】

ハトメ、ホック、バックル、ファスナーなど服飾の付属品を扱う「アパレル関連事業」、カメラ・PC関連ケース、靴の副資材やインソールなどフットケア商品を扱う「プロダクト関連事業」、マットエンブレム、ドアグリップなど自動車の内装品を中心とした「輸送関連事業」の3事業で構成される。
どの事業においても、ファッション性、機能性、快適性、安全性等を勘案し、市場や顧客ニーズに沿った商品の企画、開発からはじまり、製造、流通、販売までを一貫して手掛けている。
報告セグメントは、日本、アジア、欧米の3セグメント。

 

アパレル関連事業

<取扱い商品例>

 

<活用例>

カジュアルウェア・シューズ

スポーツウェア・シューズ

作業服・シューズ

メディカルウェア、ベビーウェア

フォーマルウェア・シューズ、バッグ

(同社資料より)

 

23年11月期第2四半期の売上構成比46.5%。
ハトメ、ホック、バックル、ファスナー、リベットなど服飾品やフットウェアの付属品を、主として卸、商社、代理店などを通じて同社の最終顧客である国内外のアパレルメーカー等に納入している。

 

 

 

◎プロダクト関連事業

<取扱い商品例>

 

<活用例>

インソール・シューケア商品

カメラ・PCケース等映像機器関連商品、

サポーター、安全関連商品、教具・文具

スケートボード・サーフィン等

アクティブスポーツ関連商品

(同社資料より)

 

23年11月期第2四半期の売上構成比38.6%。
産業資材分野への付属品、半製品の提供の他、インソール、靴クリームなどフットケア商品を中心に、同社オリジナル製品として自社ブランドで販売している。

 

◎輸送関連事業

<取扱い商品例>

 

<活用例>

自動車内装部品

鉄道・新幹線内装部品

航空機内装部品

 

(同社資料より)

 

23年11月期第2四半期の売上構成比14.9%。
主としてマットエンブレム、ドアグリップ、アームレストといった自動車の内装品を中心に取り扱っている。
自動車関連が約9割を占める。日系の主要自動車メーカーのサプライヤー企業などが主な顧客となっている。

 

【特徴と強み】

● 流行に左右されない、生活必需品向けのビジネスが多数
日常生活に欠かせないもののパーツを扱っているため、流行・景気に左右されにくく、継続的に販売ができるビジネスが多数。

(同社資料より)

 

● ポートフォリオが分散して安定した業績

アパレル・プロダクト・輸送関連の3つの事業を柱に、ワールドワイドに事業を展開。

 

オイルショックやリーマンショック、新型コロナウイルス感染拡大の影響などがあっても、赤字にならない安定した業績を維持。

 

(同社資料より)

 

● ニッチ分野をターゲットに、多彩なアイテムで高シェアをマーク
各業界分野でシェア率の高い商品多数。
金属ホックは日本で1位、世界でも1位、2位を争う。
<主要アイテムとシェア>

(同社資料より)

 

 

● 製造・調達・販売をグローバルに展開
自社拠点以外にも、協力工場や代理店が世界各地にあり、
あらゆる顧客ニーズにできるだけ近くで対応。

(同社資料より)

 

これらに加え、「ユニークなポジショニング」も同社の特徴の一つと言って良いだろう。
同社が取り扱う品目一つ一つをとれば競合先もあるが、これだけ多彩な品目を取扱いながら、その企画・開発から製造、流通、販売までを一貫して手掛け、売上高約500億円というボリュームを実現している企業は世界的にも他に見当たらないということだ。

 

【グローバルニッチトップを目指した過去の取り組み】

(同社資料より)

 

 

グローバルネットワーク構築

販売・調達

香港、アメリカ、オランダ、中国(上海)、タイ、ミャンマー、メキシコ

製造

中国(深セン)、アメリカ(ジョージア州)、ベトナム(ダナン)

M&A

スコーヴィル(アメリカ)、マテックス(日本)、マニューバーライン(日本)

 

収益力強化

■グローバル品質保証体制の構築
■自社物流拠点の設立
■持株会社体制への移行
■事業会社モリトジャパンの分割

 

管理体制の強化

■ダイバーシティ、働き方改革
■キャリア採用等人事戦略

 

【ROE分析】

 

16/11期

17/11期

18/11期

19/11期

20/11期

21/11期

22/11期

ROE(%)

3.9

10.7

3.8

4.3

1.5

4.3

4.8

売上高当期純利益率(%)

2.95

7.99

2.86

3.05

1.15

3.22

3.45

総資産回転率(回)

0.91

0.98

0.96

0.97

0.93

0.97

1.00

レバレッジ(倍)

1.46

1.36

1.40

1.45

1.37

1.36

1.36

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

17/11期のROEが大幅に上昇したのは、土地売却による特別利益の計上で当期純利益が大きく増加したため。19/11期も固定資産売却益や有価証券売却益が当期純利益を押し上げた。20/11期は新型コロナの影響で売上高当期純利益率が低下した。21/11期は売上高当期純利益率が大幅に改善、22/11期も改善して特殊要因のあった17/11期を除き過去最高水準。23/11期の売上高当期純利益率は3.60%へ更に向上する見通し。

 

 

2.2023年11月期上期決算概要

(1)連結業績概要

 

22/11期 上期

構成比

23/11期 上期

構成比

前年同期比

売上高

23,207

100.0%

24,148

100.0%

+4.1%

売上総利益

6,113

26.3%

6,541

27.1%

+7.0%

販管費

4,995

21.5%

5,236

21.7%

+4.8%

営業利益

1,117

4.8%

1,305

5.4%

+16.8%

経常利益

1,219

5.3%

1,459

6.0%

+19.6%

純利益

879

3.8%

1,308

5.4%

+48.7%

*単位:百万円。純利益は親会社株主に帰属する純利益。以下同様。

 

前年同期比4.1%増収、19.6%経常増益
売上高は前年同期比4.1%増の241億48百万円。半導体不足による自動車メーカーの減産や欧米・中国における消費の減速による需要の停滞などがあった。一方、流行に左右されないスポーツシューズ・医療機器関連商品・アウトドア関連商品をはじめとする機能性に優れた付属品や製品が好調に推移した。日本国内では全市場の需要が大幅に回復した。また、サステナブルな社会の実現を目指したモリトグループの取り組み「Rideeco(リデコ)」において、廃漁網や縫製工場から出る「はぎれ」などを活用した環境配慮型の商品の開発・販売を推進し、新規取引の獲得に注力した。利益率改善を目的とした不採算事業の撤退のため、アジアが減収となったものの日本や欧米が増収となった。

 

営業利益は前年同期比16.8%増の13億5百万円。主力商品の原材料価格高騰や自動車メーカーの減産といった利益を押し下げる要因はあったものの高付加価値商品の販売増加により、売上総利益率は前年同期26.3%から27.1%へ改善し、売上総利益は前年同期比7.0%増の65億41百万円。販管費率の増加を抑え2桁営業増益を確保した。地域別には欧米の損益が悪化したものの、日本やアジアの利益率が改善し、いずれも2桁増益。営業外では、為替差損益の改善などがあり、経常利益は前年同期比19.6%増の14億59百万円。特別利益において投資有価証券売却益を計上したことなどにより、純利益は同48.7%増の13億8百万円となった。
売上高・営業利益・経常利益は半期決算開示開始以来過去最高を更新した。
上期末配当は期初予想通り、前期から倍増の27.00円/株を実施。

 

(2)セグメント別動向

地域別動向

 

22/11期 上期

構成比

23/11期 上期

構成比

前年同期比

売上高

 

 

 

 

 

 日本

16,108

69.4%

17,328

71.8%

+7.6%

 アジア

4,097

17.7%

3,583

14.8%

-12.5%

 欧米

3,000

12.9%

3,236

13.4%

+7.9%

 合計

23,207

100.0%

24,148

100.0%

+4.1%

セグメント利益

 

 

 

 

 

 日本

864

5.4%

1,112

6.4%

+28.6%

 アジア

314

7.7%

374

10.5%

+19.1%

 欧米

85

2.8%

-31

-

-

 調整額

-146

-

-150

-

-

 合計

1,117

100.0%

1,305

100.0%

+16.8%

*単位:百万円
*売上高は外部顧客への売上高。利益の構成比は売上高利益率

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

事業別売上高

 

アパレル関連

プロダクト関連

輸送関連

合計

 日本

5,859

9,023

2,444

17,328

 アジア

2,826

278

479

3,583

 欧米

2,545

11

679

3,236

 合計

11,231

9,313

3,603

24,148

前年同期比

+6.3%

+3.7%

-1.5%

+4.1%

*単位:百万円

 

◎日本
前年同期比7.6%増収、28.6%増益
アパレル関連事業では、作業服、スポーツシューズ、バッグ向け付属品の売上高が増加した。一方、欧米向けのメディカルウェア向け付属品の売上高については減少した。
プロダクト関連事業では、医療機器関連商品、均一価格小売店向け商品、スノーボード・アウトドア関連商品及び厨房機器レンタル・販売・清掃事業の売上高が増加した。
輸送関連事業では、日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が増加した。

 

◎アジア
前年同期比12.5%減収、19.1%増益。
アパレル関連事業では、中国・香港でのベビーウェア向け付属品、ベトナムでのスポーツシューズ向け付属品、作業服関連商品の売上高が増加した。一方、中国・香港での欧米向けカジュアルウェア・作業服関連付属品の売上高が減少した。
プロダクト関連事業は昨年と同水準。
輸送関連事業では、中国での日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が減少した。

 

◎欧米
前年同期比7.9%増収、31百万円のセグメント損失(前年同期は85百万円の利益)。
アパレル関連事業では、レジャー関連商品向け付属品は増加した。一方、カジュアルウェア向け付属品の売上高は減少した。
輸送関連事業では、日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が増加した。

 

(3)財務状態とキャッシュフロー(CF)

◎主要BS

 

22年11月末

23年5月末

 

22年11月末

23年5月末

流動資産

30,481

29,157

流動負債

9,309

7,393

 現預金

10,399

10,763

 仕入債務

5,625

4,197

 売上債権

12,103

11,182

 短期有利子負債

330

330

 たな卸資産

6,953

6,524

固定負債

4,278

4,145

固定資産

19,790

19,388

 長期有利子負債

1,423

1,283

 有形固定資産

10,166

9,745

負債合計

13,587

11,539

 無形固定資産

3,866

3,429

 株主資本

31,860

32,733

 投資その他の資産

5,757

6,213

 利益剰余金

27,539

28,343

資産合計

50,271

48,546

 自己株式

-2,174

-2,163

 

 

 純資産

36,684

37,007

負債純資産合計

50,271

48,546

自己資本比率(%)

72.9%

76.2%

*単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

総資産は、485億46百万円となり前期末比(以下同)17億25百万円減少した。
流動資産は、291億57百万円となり13億23百万円減少。主に、現預金が3億63百万円増加したものの、売上債権が9億20百万円、棚卸資産が4億28百万円減少したこと等によるもの。
固定資産は、193億88百万円となり4億2百万円減少。主にのれんが3億15百万円減少したこと等によるもの。
流動負債は、73億93百万円となり19億16百万円減少。主に、仕入債務が14億27百万円減少したこと等によるもの。
固定負債は、41億45百万円となり1億32百万円減少。主に、長期有利子負債が1億40百万円減少したこと等によるもの。
純資産は、370億7百万円となり3億22百万円増加した。
自己資本比率は前期末の72.9%から76.2%へ、3.3ポイント増加した。

 

 

◎キャッシュフロー

 

22/11期 上期

23/11期 上期

増減

営業CF

161

1,160

+998

投資CF

-204

112

+316

フリーCF

-42

1,272

+1,315

財務CF

-1,187

-709

+478

現金同等物残高

10,005

10,759

+754

*単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

23/11期上期末の現金及び現金同等物の残高は22/11期末比3億63百万円増加し、107億59百万円となった。
営業CFは、11億60百万円の収支プラス(前年同期は1億61百万円の収支プラス)となった。これは主に、仕入債務の減少により資金が減少した一方で、税金等調整前四半期純利益の獲得、売上債権の減少により資金が増加したもの。
投資CFは、1億12万円の収支プラス(前年同期は2億4百万円の収支マイナス)となった。これは主に、有形固定資産の取得による支出により資金が減少した一方で、投資有価証券の売却による収入により資金が増加したもの。
財務CFは、7億9万円の収支マイナス(前年同期は11億87百万円の収支マイナス)となった。これは主に、配当金の支払、長期借入金の返済による支出、及び自己株式の取得による支出により資金が減少したもの。

 

(4)事業のトピックス 

◎環境への取り組み「Rideeco」
「Rideeco」は、RIDE FOR ECOを意味し、RIDEはモリトグループの思いを表す頭文字。様々な業種・業界と協力し合うことで、サステナブルな社会の実現を目指した取り組みを実施。グッドデザイン賞授賞式の胸章に環境配慮型の生地が採用されるなど、これまでにない実績も多数。
Relation・・・新たな価値の創造に向かって様々な業種、業界と関係性を構築し力を合わせる
Initiative・・・傍観者ではなく、自らがサステナブルな社会に向かって取り組む
Devote・・・短期的な利潤の追求だけではなく、未来の社会のために自らの知恵を捧げる
Energy・・・そして根気よく、力を込めて活動する
 

(同社資料より)
サステナビリティサイト:https://www.morito.co.jp/sustainability/

 

廃漁網を活用した生地・資材を使った商品の開発・販売に継続して注力。
23年5月には、大阪市港区の海遊館で、海水を抜いた展示空間を舞台に、海洋プラスチック等を再利用して作られたファッションアイテムで彩る特別企画「サンゴショーウィンドウ」に採用。

(同社資料より)

 

◎モリトダナン(アパレル・プロダクト・輸送関連事業)
モリトグループにおける製造機能として、2010年にベトナムダナンに設立。チャイナリスクにも対応。
ベトナムをはじめ、東南アジアに工場を構え、現地調達を求める各種メーカーに対応。
近年は新型コロナウイルス等の影響から、現地調達のニーズが高まり、売上・製造規模も拡大中。

(同社資料より)

 

縫製を中心とした製造設備を完備し、スポーツシューズ、医療用ユニフォーム、食品・製薬・精密機械工場等で使用される衛生帽子などの売上が拡大。
製造規模拡大のためにも設備投資を実施。

(同社資料より)

 

◎機能性に優れたアウトドア関連向け資材好調(アパレル関連事業)
機能性に優れた資材にこだわる、アウトドアブランド向けの資材の売上が好調。
23年上半期は、軽量で耐久性に優れた資材がグローバル展開をするアウトドアブランドにて 多数採用。
 

(同社資料より)

 

◎会社認知度向上に向けた施策

 

 

京阪神FMラジオ3局が共同制作・放送する 「Saturday Junction」で、モリト提供のコーナー・ラジオCM を放送。

個人投資家へ向けたIRセミナーなど情報発信を継続。

(同社資料より)

 

3.2023年11月期業績予想

(1)連結業績予想

 

22/11期

構成比

23/11期(予)

構成比

前期比

売上高

48,478

100.0%

50,000

100.0%

+3.1%

営業利益

2,116

4.4%

2,300

4.6%

+8.6%

経常利益

2,342

4.8%

2,450

4.9%

+4.6%

当期純利益

1,674

3.5%

1,800

3.6%

+7.5%

*単位:百万円
*予想は会社側発表。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益

 

23/11期も増収増益を計画
通期予想に修正はなく、23/11期は売上高が前期比3.1%増の500億円、営業利益は同8.6%増の23億円、経常利益は同4.6%増の24億50百万円、当期純利益は同7.5%増の18億円を計画する。
通期予想に対する進捗率は売上高で48.3%、営業利益は56.8%、経常利益は59.6%、当期純利益は72.7%。下期についても、不採算事業の見直しやCCC(Cash Conversion Cycle)の改善を継続して進めていく。
売上高については、日本市場は堅調を見込む。一方アジア市場、特に中国においては、不動産の問題や年初に行われた上海ロックダウン、若者層の雇用等の影響で、経済が横ばいもしくはやや落ちてきている。欧米市場は、特にグローバルアパレルについてSPA(アパレル製造小売業)はコロナ禍前から頭打ちだったが、大量生産しアウトレットやバーゲンセールで商品を売るというビジネスモデルが成立しなくなってきている。実際に、GAPの日本唯一の旗艦店が閉店するということで、欧米市場においても今期は多少の厳しさがあると同社では見ている。
配当も修正なく、1月に掲げた新たな株主還元策に基づき、期末配当は27.00円/株。通期では前期から22.00円増配の54.00円/株を計画する。

 

(2)利益配分に関する基本方針

●安定的かつ継続的配当の実現
●配当性向は50%以上を基準(※)
●自己資本配当率(DOE)目標4.0%
(※)特別な損益等の特殊要因により純利益が大きく変動した場合、その影響を考慮

 

(3)第8次中期経営計画

23年1月に内容を一部変更した

①サステナビリティ方針の策定  ▶ https://www.morito.co.jp/sustainability/
②資本政策の変更
企業活動に必要となる資金を長期的な視点で安定的かつ効率的に調達運用するため、偏りのない安定的な財務資本構成を構築する。
<施 策>
(1)中長期的な資本効率(ROE)の向上 → 効率的経営の実践
(2)業績連動性に安定性も付加した株主還元 → 適切な利益分配
(3)資産効率の改善 → BSの圧縮とCF創出および資金の積極投資
(4)資本構成の適正化 → 財務レバレッジなどの活用
③株主還元策の変更
上記(2)利益配分に関する基本方針の通り(23/11期より)。DOEを従来の1.5%から目標4.0%へ変更。

 

投資22/11期~26/11期で、売上高 500 億円、営業利益 25 億円を定量目標として定める。
ただし、売上高・営業利益共に目標数値を早期達成した場合は見直しを実施。

 

 

(同社資料より)

 

(4)中長期方針 モリトが目指す姿

小さなパーツで世界を変え続ける、グローバルニッチトップ企業

 (同社資料より)

 

4.今後の注目点

上期は原材料価格高騰や自動車生産の停滞、中国における景気鈍化などの影響はあったものの、国内が堅調に推移したこともあり増収を確保。利益面では、高付加価値商品の販売を推進したことにより2桁増益を確保した。派手さはないものの、着実な決算だったといえるだろう。特に市場が安定しているアパレル関連事業の成長が軌道に乗っていることが注目される。また、CCCの改善などを進めた結果、営業CFが前年同期1億61百万円から11億60百万円へ大幅に増加しており、事業効率の改善も見られる。経常利益の通期予想に対する進捗率は59.6%で前年同期実績52.1%を大きく上回っており、今後も事業が着実に進展すれは上方修正の可能性もあるだろう。
第8次中期計画で掲げた26/11期目標の3年前倒し達成が視野に入る。前回レポートでも言及したが、1月の中期計画変更の目玉はDOE目標4.0%にある。同社が目標として掲げるROE8%達成に向けての強い決意と受け止めている。
株価はさらに見直しが進んだ。同社における会社認知度向上に向けた施策も徐々に成果を挙げているといえそうだ。それでも、PBRは1倍割れ。中期計画の前倒し達成が見えてくれば更なる見直し余地見直し余地があると考える。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態

監査役会設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

社外取締役が委員長(議長)を務める任意の指名報酬委員会を設置している。委員は3名でうち2名が社外取締役。

 

◎コーポレートガバナンス報告書
更新日:2023年2月27日

 

<基本的な考え方>
当社は、経営理念及びすべての役員、社員が取り組むべきことをまとめた行動規範に則りステークホルダーの立場に立って、長期的継続的な企業価値の向上を実現するうえで、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を経営上の最重要課題と位置付けております。ステークホルダーに対しては、誠実な姿勢で適時開示、役割と責任の明確化によるスピーディな意思決定、そして客観的なチェック機能の強化が必要であると考えます。
当社は、社外取締役による取締役会に対する業務執行の監督および社外監査役を含めた監査役による監査が経営監視機能として有効であると判断し、監査役会設置会社形態を採用しております。
取締役会は社内取締役3名と社外取締役2名で構成されており、毎月1回定例開催し、法令に定められた事項及び会社の経営戦略に関わる重要事項について決定するとともに取締役の職務の執行について監督しております。また、コンプライアンス委員会を設置しコンプライアンス体制の定着と維持を図り、内部統制システムの要請に対応しております。
なお、社外取締役2名について、東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出ております。
監査役会は社外監査役2名を含む3名で構成されており、コーポレート・ガバナンス体制の確立を基本的な監査視点とし、公正かつ客観的な監査を行っております。
なお、社外監査役2名について、東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出ております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>

 

【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】
中核人材への登用は、性別や国籍等にかかわらず能力・見識・人格等を公正に評価して行っているため、数値目標は現在設定してはおりませんが、既に、当社グループにおいて海外拠点の取締役、管理職にローカル社員や女性社員を登用しており、多様性の確保を進めております。
数値目標の設定等については引続き検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

 

【原則1-4 政策保有株式】
(1)政策保有に関する方針
当社は、事業戦略上の重要性、販売・生産・資金調達における各取引先との取引関係の必要性等を勘案し、企業価値向上に寄与するもの、または業務上必要とされるものと判断した場合に限り、上場株式を保有いたします。
(2)政策保有株式にかかる検証の内容
上場株式の継続保有の適否については、毎年、取締役会にて、配当金額や取引高等の保有に伴う便益や保有目的及び今後の取引見通しなどを検証し、総合的に判断しております。
検証の結果、保有の意義が十分でないと判断される保有株式については、適宜売却いたします。
なお、検証において妥当性が認められる場合でも、市場環境や経営・財務戦略等を考慮し、売却をすることがあります。
また、検証の結果、保有を継続すると判断した銘柄のうち保有数が多いものについては、有価証券報告書において、その保有株数・保有目的を開示しております。
(3)政策保有株式にかかる議決権行使基準
保有株式の議決権の行使については、株主価値の向上に資するものなのか否か、また、当社への影響等の観点を踏まえ、総合的に判断し、適切に行使しております。

 

【原則3-1(ⅱ) コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方】
当社では、危機管理体制の構築および積極的な経営戦略の遂行のために、コーポレートガバナンス体制の維持・強化を行っていくことは経営上の重要課題と考えており、本報告書の「Ⅰ.1 基本的な考え方」に記載しております。

 

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み】
<サステナビリティについての取組み>
当社のサステナビリティの考え方や方針、取り組みについては当社ホームページにて掲載しております。
https://www.morito.co.jp/sustainability/
<人的資本、知的財産への投資等>
当社は、モリトグループ人材マネジメント方針を定め、「自育・自成」の教育方針のもと、高い成果を発揮する能力・意欲を持つ人材に対し、能力開発の機会を提供しています。各階層に応じた研修やキャリアデザイン研修、自己啓発の支援等を定期的に実施し、人的資本強化に努めております。
モリトグループ人材マネジメント方針については、当社ホームページにて掲載しております。
https://www.morito.co.jp/sustainability/society/diversity/human_resource_management_policy/
また、サステナビリティに関連する商品に関して統一したブランドを設定し商標出願を行ったり、商品についての特許、意匠等を出願するなどして知的財産への投資も行っております。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、株主との対話の場を設けております。①体制整備状況当社は株主との建設的な対話の実現のためIR担当役員を任命しております。また、IR担当部署を中心に関連部署が連携し、株主に対し適切な情報を提供できるような体制を構築しております。②取組の方針半期毎に代表取締役またはIR担当役員によるアナリスト・機関投資家向け決算説明会や個別面談を行い、オンライン開催による個人投資家向け会社説明会やIRフェアへの参加を年に複数回行うことを基本方針としております。それらの機会に得た情報を経営に反映させるため、経営陣で情報の共有をしております。また、当社は内部者取引管理規程に基づきインサイダー情報を適切に把握し、株主との対話の際には細心の注意をはらっております。

 

 

本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

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