ブリッジレポート
(2884) 株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス

プライム

ブリッジレポート:(2884)ヨシムラ・フード・ホールディングス 2024年2月期第2四半期決算

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吉村 元久

代表取締役CEO

株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス(2884)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

食料品(製造業)

代表取締役CEO

吉村 元久

所在地

東京都千代田区内幸町二丁目2番2号 富国生命ビル18階

決算月

2月

HP

http://y-food-h.com

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,015円

23,876,621株

24,234百万円

8.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

-

31.48円

32.2倍

314.11円

3.2倍

*株価は10/30終値。発行株式数、DPS、EPSは24年2月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2020年2月

29,875

808

740

177

8.02

0.00

2021年2月

29,289

523

787

417

18.59

0.00

2022年2月

29,283

655

993

500

21.03

0.00

2023年2月

34,937

678

1,323

613

25.77

0.00

2024年2月(予)

46,679

1,574

1,575

749

31.48

0.00

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスの2024年2月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2024年2月期第2四半期決算概要
3.2024年2月期業績予想
4.成長戦略
5.吉村CEOに聞く
6.今後の注目点
<参考1:提携先との協業>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 24年2月期第2四半期の売上高は前年同期比41.2%増の230億84百万円。国内・海外とも増収。新たにM&Aにより加わった6社も寄与した。営業利益は同376.4%増の9億21百万円。原材料価格の高騰に伴って行った価格改定に加え、不採算取引の停止、生産品目の絞り込みが効果を表した。販管費の増加を吸収して大幅な増益となった。

     

  • 業績予想に変更は無い。24年2月期の売上高は前期比33.6%増の466億79百万円、営業利益は同131.9%増の15億74百万円の予想。既存企業のオーガニックな成長に加え、新規M&Aによりグループ化した企業の損益取り込み、M&A取得関連費用の減少も寄与する。原材料価格や物流費高騰に伴うコスト増に対しては、より一層の生産効率化や費用削減に努めるとともに、販売先に対する価格改定や規格改定を実施することで、適正な利益の確保を図る。

     

  • 23年10月、ホタテの加工を行っている株式会社ワイエスフーズの発行済株式70%を取得し、子会社とした。「海外において需要が増加する日本産ホタテの調達ルートの確保」「大手ホタテ加工企業としての確立された地位と高い品質管理能力を持つ生産加工設備」「ヨシムラ・フード・ホールディングスグループ企業とのシナジー」などが株式取得の理由。

     

  • 中国が日本産水産品の輸入を停止したことにより、ワイエスフーズグループの中国向けの売上高が減少する等、一時的な業績への影響は考えられるが、世界で評価が高まる日本産ホタテの需要が減少することは考えにくく、中長期的な業績への影響は限定的であると考えている。日本政府及び東京電力は、輸入停止により損害を被った水産関連企業への補償を表明しており、損害が発生する場合には補償金の受領に向けて手続きを進めていく。

     

  • 吉村CEOに、中国によるホタテ輸入停止の影響、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「日本から中国に輸出されるホタテを100とすると、加工したホタテの半分50はアメリカに輸出され、中国が消費するのは20から30であり、今回の問題は供給ルートの一時的な混乱に過ぎません。」「養殖で安定的に供給され、かつ品質も高く、ウイスキーや牛肉を上回り、品目別でトップの輸出品であるホタテに何か問題が生じて売れなくなったわけではありません。世界的に旺盛な需要が存在する中で、EUにもアメリカにも輸出できる工場を持つ当社には、巨大なビジネスチャンスがあるということを是非ご理解いただきたいと思います。」「マルキチやワイエスフーズのように企業規模は大きく、かつ収益性も高い会社をグループ化できるようになった当社ですが、今後も積極的に成長戦略を推進し、企業価値の向上と社会課題の解決を実現して参りますので、引き続き応援していただきたいと思います。」とのことだ。

     

  • 北海道においてマルキチとワイエスフーズをコア企業に中間持株会社を設立し、北海道の水産企業などをグループ化していくプロジェクトの準備は着々と進んでいるようだ。北海道水産業界で著名な2社をグループ化したことで、ヨシムラの認知度は大きく上昇しており、旧オーナーが株式を30%保有する中間持株会社をIPOさせるスキームは、ヨシムラにとってもグループ会社にとってもメリットが大きく、有力企業のグループ化を大きく推進するエンジンとなろう。ホタテを始めとした日本産水産物は海外富裕層に高く評価されており、これからも市場の拡大が見込まれる中、第3弾、第4弾のリリースを期待したい。

     

     

     

1.会社概要

優れた商品や技術力を有しながらも、事業承継など様々な問題を抱えている全国の中小食品企業をM&Aによりグループ化。中核スキルである「中小企業支援プラットフォーム」により問題を解決し、グループ各社を活性化することで、グループ全体の成長を図っている。投資ファンドや大企業に対する圧倒的な優位性、強固な参入障壁が強み。アライアンスによる成長加速を目指している。2023年8月末時点の主要グループ会社は27社。

 

【1-1 沿革】

大和證券株式会社、モルガン・スタンレー証券株式会社の事業法人部で上場企業の資金調達やM&Aなどを手掛けていた吉村氏は、ある時、経営難に陥っているが買い手の見つからない食品会社を紹介される。
元より、大和證券在籍中の米国MBA留学時から「食」を通じて日本がもっと高く評価されるべきだと強く感じていた吉村氏は、2008年3月、(株)ヨシムラ・フード・ホールディングスの前身となる(株)エルパートナーズを設立し、個人でこの食品会社を引受け、それまでに培ってきた経験やネットワークなどを活用して活性化に取り組んだところ、黒字化に成功。
この評判を聞き、多くの中小食品会社が支援を求めてきたところ、1社ごと個別に手掛けるのではなく、持株会社体制の下で、商品開発、製造、販売などの各機能を相互に補完することにより効率的に成果も上げることができると判断し、2009年8月、商号を(株)ヨシムラ・フード・ホールディングスとした。

 

以降も、事業承継問題を抱えたり、単独での経営に行き詰まったりした企業のグループ化を進めていく。大手食品会社や投資ファンドと競合しない独自のポジショニングや売却しないというポリシーが評価され、産業革新機構や日本たばこ産業(JT)などから出資を受けるとともに、業容も拡大。2016年3月に東証マザーズに上場し、2017年3月には東証1部に市場変更した。2022年4月、プライム市場に移行。
日本企業のみでなく、シンガポール、マレーシアなど、海外企業のグループ化も進め、更なる成長を追求している。

 

【1-2 目指す社会像】

企業としての社会的存在意義を改めて『いつまでも、この“おいしい”を楽しめる社会へ ~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~』をミッションとし、ビジョン(果たすべき役割)、バリューズ(大切にする価値観)を改めて示すこととした。

 

 

 

 

ミッション

いつまでも、この“おいしい”を楽しめる社会へ~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~

*私たちは、人々が、多種多様な選択肢から自分の嗜好に合わせて自由に選択でき、それが尊重される社会こそ、豊かで幸せであると考えます。

*私たちは、世界中の消費者が、多種多様で高品質な“おいしい”を自由に選択し、それを楽しめる豊かな社会を目指してまいります。

ビジョン

地域の“おいしい”を守り、育て、世界へ

*私たちは、「いつまでもこの“おいしい”を楽しめる社会」を実現するため、日本および世界で大切にされてきた“おいしい”を見つけ、守り、育て、世界へと届けてまいります。

*そのために、私たち独自の“おいしい”を見つける目利き力、“おいしい”を守る事業基盤、“おいしい”を育てる支援機能、“おいしい”を世界へと届ける販売網を構築してまいります。

*その結果として、世界の食文化と多様化、地域社会の活性化を推進するグローバルプロデューサーとなります。

バリューズ

「あなた“らしさ”を大切にします」

*私たちは、私たちに関わる全ての方のあなた“らしさ”を大切にします。

*私たちは、私たちのグループで働く社員の“個性”、“新しい発想”、“チャレンジ精神”を大切にします。

*私たちは、私たちのグループ企業が持つ“歴史”、“文化”、“社員”、“取引先”、“地域社会”を大切にします。

*私たちは、私たちのグループ企業が持つ“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合い、共に成長してまいります。

*私たちは、私たちに関わる全ての人の“らしさ”を大切にした結果、多様な選択肢のある豊かな社会づくりに貢献します。

 

【1-3 市場環境・設立の背景】

日本全国の中小企業の支援・活性化を目的として設立された同社は、中小食品企業を取り巻く状況について以下のように述べている。
(同社有価証券報告書、同社資料を基にインベストメントブリッジが抜粋・要約・編集)

 

(中小食品企業を取り巻く状況)
*日本食は世界的にも極めて高い評価を受け注目されている分野であると同時に、国内の食品産業は1990年代から一貫して事業所数、雇用者数、GDPの面から最大の業種であり、日本が誇る基幹産業。
*企業数の99%は中小企業で、それぞれが優れた商品や技術力を有している。
*しかし、少子高齢化等により国内の市場規模は縮小し続けており、一部の中小食品企業にとっては、単独での生き残りが難しい経営環境が続いている。
*そのため、多くの企業が事業継続をあきらめて廃業や事業停止を選択せざるを得ない状況となっている。

 

(中小企業の事業承継の状況)
*経営者の平均引退年齢は70歳前後となる中、経営者の平均年齢は63.02歳に達し、今後7年間で約50%の経営者が平均引退年齢を迎えることが予想される。
*そうした中、国内企業の3分の2にあたる57.2%が後継者不在となっており、現時点において事業承継を考えている企業は、全産業合計で33%にとどまるなど、事業承継の準備は進んでいない。
*加えて、2020年の中小企業の休業・廃業件数は49,698件と2007年の約21,000件から13年で急増している。
(中小企業庁「中小企業白書」(2023年版)、㈱東京商工リサーチ「全国社長の年齢」(2022年)、㈱帝国データバンク全国「後継者不在企業」動向調査(2022年)、中小企業庁「中小企業実態基本調査」(令和4年確報(令和3年度決算実績))などより。)

 

(中小食品企業における事業承継の受け皿の状況)
*中小食品企業における事業承継ニーズが高まる一方で、受け皿となる会社や組織は少ない。
*中小食品企業は大企業が受け皿となるには規模が小さいことが多く、また、投資ファンドは、単独での高い成長と数年以内の売却を主な目的としていることから、成熟市場にある中小食品企業は投資対象になりにくい。
*こうしたことから事業承継の担い手は圧倒的に不足している。

 

【1-4 事業内容】

同社グループは、ヨシムラ・フード・ホールディングスを持株会社として、23年8月末現在、グループ会社27社で構成されている。
ヨシムラ・フード・ホールディングスは、食品の製造および販売をおこなう中小企業の支援・活性化を目的とし、後継者難に直面している中小食品企業をM&Aでグループ化。グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなうとともに、グループ会社に対し、セールス・マーケティング、生産管理、購買・物流、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに支援および統括を行っている。

 

①ビジネスモデル
同社は食品業界において独自のビジネスモデルを構築しており、2つのエンジンによって成長を追求している。

 

一つはM&Aを通じたグループ企業数の拡大による成長。
2008年の創業以来、同社が受け皿となることで、事業承継や経営難などの問題を抱える中小食品企業が廃業・事業停止に至ることを防ぎ、それらの問題を解決してきた。
近年は日本企業のみでなく海外企業のグループ化にも注力している。
案件のソーシングは、M&A仲介会社、地銀を中心とした地方金融機関、弁護士、会計士からの紹介による「間接的アプローチ」が中心であったが、今後はスピードアップのため、ターゲットリストを作成して自らアプローチをすることや、アライアンス先である国分グループ本社のネットワークを活用することで、将来的なM&Aに向けた関係を構築する「直接的アプローチ」を強化し、より主体的、積極的に案件を発掘していく考えだ。

 

もう一つが、既存グループ会社の業容拡大による成長。
優れた製品や技術を持ちながらも、販路がない、人手が足りない、経営管理が不十分などの理由で成長できない企業に対し、「中小企業支援プラットフォーム」が各機能別に統括することで、課題を解決し各社の業容拡大を支援している。

 

(同社資料より)

 

「中小企業支援プラットフォームとは?」
この独自のビジネスモデルの核となるのが、同社が食品の製造・販売に特化して取り組んできた実績とノウハウの蓄積により構築した「中小企業支援プラットフォーム」だ。

 

持株会社として、グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなう同社は、各グループ会社が行う業務(セールス・マーケティング、生産管理、購買・物流、商品開発、品質管理、経営管理、人材確保など)を、同社の統括責任者が会社の壁を超えて横断的に統括し、有機的に結び付けて経営を支援することで、各社経営基盤の強化を図っている。

 

例えば、優れた製品を持っているが売上が伸び悩んでいるA社には、全国的な販売網を有するB社の販路を利用したり、販売ノウハウを活用したりするといったことである。また、上場企業である同社の信用力を活用した資金調達力によって安定した資金繰りを実現している。
グループ内で最もノウハウを有した人物が統括責任者に就くことにより、連携をより効果的なものとしている。
このように、グループ全体で各グループ会社の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウといった「強み」を共有し、人材・資金・販路不足といった「弱み」を補完する仕組みが「中小企業支援プラットフォーム」である。

 

「中小企業支援プラットフォーム」は、現在の体制においても有効に機能し効果をあげているが、今後さらに子会社が増加することにより、新たな強みとなるノウハウが加わりグループの経営資源もさらに蓄積され、それによって既存の子会社にとっても業績拡大の機会や生産効率化ノウハウの獲得などを図ることができるという新たなシナジーが生じることとなる。
このようなプラットフォームの拡張性はヨシムラ・フード・ホールディングスの事業基盤をさらに強固なものとする。

 

(同社資料より)

 

②セグメント
主要なセグメントは、「製造事業セグメント」と「販売事業セグメント」の2つ。2023年2月期より不動産賃貸および管理事業等、イベント・メディア・マーケティング事業等からなる「その他事業」が加わった。

◎製造事業セグメント
それぞれの会社が独自の商品を開発、製造し、国内企業は主に卸売業者を通じて日本全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアへ販売し、海外企業は主にシンガポールおよびマレーシアのホテル、飲食店、スーパーマーケット等へ販売している。2023年8月末現在、グループ会社は以下の22社。

 

(製造事業セグメント グループ会社)

会社名

特色

楽陽食品株式会社

(東京都足立区)

国内5カ所の工場で、チルドシウマイおよびチルド餃子を製造販売している。チルドシウマイの生産量は国内トップシェアである。

株式会社オーブン

(愛媛県四国中央市)

供給量が限られた広島県産カキを調達する独自のルートをもち、かきフライを主力商品として、鶏なんこつのから揚げやささみフライ等を製造販売している。

白石興産株式会社

(宮城県白石市)

1886年創業、宮城県白石市特産の白石温麺を主力商品とし、伝統的な製法により製造される乾麺等の製造販売をおこなっている。

株式会社ダイショウ

(埼玉県比企郡ときがわ町)

ピーナッツバターのパイオニアであり。独自の製法により作られる「ピーナッツバタークリーミー」は1985年の販売開始以来続くロングセラー商品。

株式会社桜顔酒造

(岩手県盛岡市)

1973年、岩手県の地場の10の酒蔵が結集して設立。日本最大の杜氏集団である「南部杜氏」の技により生み出された日本酒は、フルーティな味わいで高い評価。

株式会社雄北水産

(神奈川県足柄上郡大井町)

船上で捕獲直後にマイナス50度からマイナス60度で瞬間冷凍される船凍品のマグロ等を使用したねぎとろ、まぐろ切り落としを製造販売。

純和食品株式会社

(埼玉県熊谷市)

埼玉県HACCPを取得するなど、万全な生産管理体制を構築しており、ゼリーの製造においては新興企業ながら、大手GMSに評価されるなど、技術力と商品力には定評がある。

株式会社エスケーフーズ

(埼玉県大里郡寄居町)

チルド・冷凍とんかつ等の製造販売を主力とし、顧客ニーズに対応する製品を生産している。また、商社等を介さず、直接仕入れ、直接販売もおこなっている。

株式会社ヤマニ野口水産

(北海道留萌市)

半世紀にわたり、北海道特産品である鮭とばや、にしん等を熟練工によって独自の製法により製造販売している。

JSTT SINGAPORE PTE.LTD.

(シンガポール)

シンガポールにおいて、空輸で運ばれた新鮮な日本産の魚介類等を使用し、寿司、巻物、おにぎり等の製造販売を行っている。

株式会社おむすびころりん本舗

(長野県安曇野市)

自社開発のフリーズドライ装置により、製菓原料、非常食等を製造している。

株式会社まるかわ食品

(静岡県磐田市)

浜松エリアにおける餃子の有名店。こだわりぬいた素材で創業以来秘伝のレシピにより餃子の製造・販売をおこなっている。

PACIFIC SORBY PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールにおいて、チルド及び冷凍水産品の加工、卸売りをおこなっている。

株式会社森養魚場

(岐阜県大垣市)

養殖鮎の生産量は国内トップクラスであり、採卵・ふ化から育成・出荷まで安定的に生産できる独自のノウハウを蓄積している。また、雄雌を産み分ける技術も有している。

NKR CONTINENTAL PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールおよび子会社のあるマレーシアにおいて、厨房機器の製造、輸入販売、設計施工、メンテナンスをおこなっている。

株式会社香り芽本舗

(島根県出雲市)

ソフトタイプのわかめふりかけ、ひじきふりかけ、わかめスープ、わかめ茶漬け等の自社商品からOEM商品まで、高品質かつ多様なラインアップの商品を製造している。

十二堂株式会社

(福岡県太宰府市)

ソフトふりかけ「梅の実ひじき」等を製造、販売。全国に多くのファンを持ち根強い人気を誇る。

株式会社小田喜商店

(茨城県笠間市)

茨城県「岩間の栗」を中心とした製品の製造・販売を行っている。

株式会社細川食品

(香川県三豊市)

国産野菜を使用したかき揚げ、チヂミなどの冷凍総菜や、赤飯などの冷凍米飯製品を製造している。

株式会社丸太太兵衛小林製麺

(北海道札幌市)

生麺(ラーメン)の製造・販売を中心に、餃子の皮の製造及びたれ等調味料の販売も行っている。

株式会社林久右衛門商店

(福岡県福岡市)

独自に開発した最中に入ったお吸物を主力商品とし、削り節、だしの製造加工・販売を行っている。

株式会社マルキチ

(北海道網走市)

ホタテを中心に、サケ、イクラ、カニ等の製造加工・販売を行っている。

 

*2023年10月に水産加工製造を行う株式会社ワイエスフーズを子会社化。

 

◎販売事業セグメント
販売力と企画力を強みとしており、国内企業は主に産業給食事業者、生活協同組合等へ、海外企業は主にスーパーマーケット、ホテル、飲食店等へ販売をおこなっている。2023年8月末現在、グループ会社は以下の3社。

 

(販売事業セグメント グループ会社)

会社名

特色

㈱ヨシムラ・フード

(埼玉県越谷市)

業務用食材の企画・販売を主とし、自社で物流機能を持たず、販売先へ直送するビジネスモデルを構築している。

㈱ジョイ・ダイニング・プロダクツ

(埼玉県越谷市)

冷凍食品の企画・販売をおこなっている。日本全国の生活協同組合に直接口座を有しており、それを活用してグループ商品の販売もおこなっている。

SIN HIN FROZEN FOOD PRIVATE LIMITED(シンガポール)

アジア各地の有力な水産会社から高品質かつ安心・安全な冷凍水産品および冷凍水産加工品を仕入れ販売している。

 

◎その他セグメント
2023年8月末現在、グループ会社は以下の2社。

 

(その他セグメント グループ会社)

会社名

特色

SHARIKAT NATIONAL FOOD

(シンガポール)

シンガポールにおいて食品工場兼食品用低温倉庫を所有し不動産賃貸業を行っている。

株式会社ONESTORY

(東京都港区)

イベントビジネス等を実施。地域に眠る「食」や「文化」等を再発掘・再編集し、プレミアムなコンテンツとしてプロデュースしている。

 

【1-5 特徴と強み】

①事業承継の受け皿としての優位性
食品業界のM&Aにおける有力なストロングバイヤーは、大手食品会社や投資ファンドなどであるが、同社は主として以下の3点で確固たる競合優位性を有している。

 

*受け皿としての広範な受容力
同社ではグループ化した会社の売却を目的としておらず、短期的な業績回復を図るだけでなく、中長期的な視点から会社の持続的な成長の実現を目指している。そのため、事業規模が小さく成長に時間がかかる企業や、成長のための経営資源が不足しているような企業などを含め、幅広い中小企業の受け皿になることができる。
この点で、対象とする企業規模について一定のスケールが必要な大手食品会社、投資ファンドとの大きな差が生まれている。
また、売却してキャピタルゲインを得ることが目的の投資ファンドの場合、中小食品企業のオーナー経営者の信頼を得ることは容易ではなく、この点でも、中期的な視点で持続的成長を目指すグループ一体経営を実践している同社は大きなアドバンテージを有している。

 

*高度なM&A実行力
創業以来、中小の食品関連企業を多数グループ会社化し、その後の再成長を実現してきたため、食品業界の市場環境・商習慣、中小食品企業特有のリスク等を熟知しており、数ある中小企業の中から強みを持つ企業を選ぶ優れた目利き力を有する。
加えて、デューデリジェンスや交渉のノウハウ、知見の蓄積も豊富であり、M&Aの実行力は極めて高い。

 

*幅広いネットワークを通じた豊富かつ良質なM&A情報
都市銀行、地方銀行、信用金庫、証券会社などの金融機関や、M&Aアドバイザリー業務をおこなう企業等との幅広いネットワークを構築しており、豊富な中小食品企業のM&A情報を収集することができる。
また「食品業界に特化」「売却を目的としていない安心感」といった要因により、量のみでなく同社のニーズに則した質の高い情報を得ることもできている。

 

②中核スキル:中小企業支援プラットフォーム
グループ全体で各グループ会社の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウといった「強み」を共有し、人材・資金・販路不足といった「弱み」を補完する仕組みである「中小企業支援プラットフォーム」によって、グループ会社の活性化を実現しており、その実績は高く評価されている。

 

③地域活性化への貢献
子会社の株式会社桜顔酒造(岩手県)、白石興産株式会社(宮城県)、株式会社オーブン(愛媛県)をはじめとした、地方の中小食品企業の事業承継等を積極的におこなってきた。
中小企業支援プラットフォームを活用することで、これまで地域を限定して販売されていた魅力ある商品を全国(および一部海外)に展開することや、グループの資金を活用して新たな設備投資を行うことが可能であり、これによって地方の中小食品企業の再成長と地方経済の活性化に貢献している。

 

【1-6 配当政策・株主優待制度】

(配当政策)
株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けているが、現在は成長過程にあると考えているため、現金は設備投資等による積極的な事業展開およびプラットフォーム拡充による経営基盤の強化を図るための投資等に充当させることが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えている。
このため設立以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は、事業拡大のための投資および既存事業の必要運転資金とする方針である。将来的には、各事業年度の経営成績および財政状態を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針だ。

 

(株主優待制度)
保有株式数に応じて以下のような株主優待を実施している。

保有株式

優待回数

優待内容

300~499株

年1回(毎年2月末日現在の株主名簿に記載された株主)

800円相当の同社グループ製品を贈呈

500株~2,499株

年1回(毎年2月末日現在の株主名簿に記載された株主)

1,500円相当の同社グループ製品を贈呈

2,500株以上

年2回(毎年2月末日および8月31日現在の株主名簿に記載された株主)

それぞれ4,000円相当の同社グループ製品を贈呈

 

【1-7 ESG経営】

前述した目指す姿「いつまでも、この“おいしい”を楽しめる社会へ ~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~」を基本理念として「ESG経営」に取り組んでいる。

 

項目

主な取り組み

E(環境)

環境に配慮した持続可能な製品製造•

*環境変化に依存しない、もしくは、環境に負荷をかけない持続可能な製品製造技術・ノウハウを保有

*限られた食料資源の有効活用や効率的な生産を実施

 

森養魚場:気候変動、河川の水質汚染等の影響により天然鮎が減少する中、独自技術にて養殖鮎を安定供給

ヤマニ野口水産:端材やサイズ不揃い品を用いた製品開発により食材ロス削減への貢献

雄北水産:原材料の有効活用により、ネギトロや中落ちを効率的に生産・販売

 

製造工程にて発生した産業廃棄物の再利用

*グループ各社:製造工程にて発生した廃棄物を地域の畜産業者などに提供することによる食品廃棄物の有効活用

 

消費電力削減

*グループ各社:工場の使用電力削減を目的とした、LED化、高効率ボイラーの採用などを順次実施

S(社会)

地域に強力なファンを抱える企業を引き受けることにより、事業の存続に貢献

 

地域社会における食の多様性への貢献

*地域の消費者から高いニーズがあり、こだわりを持った原材料・レシピによる製品開発を実施

 

香り芽本舗:地元中国地方のふりかけ市場にてトップクラスのシェア

まるかわ食品:鮮度抜群の豚肉や(主に)地場産キャベツを中心としたこだわりぬいた原料と秘伝のレシピ

おむすびころりん本舗:信州安曇野の立地条件とフリーズドライ技術を生かした地域の特産品開発

ダイショウ:保存料、着色料不使用。なめらかな食感と飽きのこない味

オーブン:広島の清浄海域、条件付清浄海域に限定したカキの仕入れ

 

*学生等へ昼食の無償支援プロジェクト参画(おむすびころりん本舗)や小学生向け社会見学の場として開放およびプレゼントの提供(森養魚場・純和食品)

 

従業員の多様性

*グループ各社:女性の活躍の場を整備、障害者、外国人の登用など各種取組みを実施

G(ガバナンス)

中小企業支援プラットフォームによる支援

*グループ会社の自律性を担保しつつ、状況に合わせた事業計画立案や進捗管理への関与

*機能別の統括部署を設置し、グループとして事業支援や各種進捗管理などを実施

 

経営リソースのサポート

*グループ会社の資金調達や次世代経営者の育成により、グループ会社経営を支援

 

同社では、後継者不在企業を譲り受け、グループ化して活性化する事業はESG経営そのものと認識している。
また、ESG経営の推進により地域社会への貢献や消費者への価値提供を進め、同社グループに共鳴して参画を希望する優良企業や同社グループに共感して株主として支援する企業・消費者を増やすことが、持続的な成長の実現に繋がると考えている。

(同社資料より)

2.2024年2月期第2四半期決算概要

【2-1 連結業績概要】

 

23/2期2Q

構成比

24/2期2Q

構成比

前年同期比

売上高

16,349

100.0%

23,084

100.0%

+41.2%

売上総利益

3,216

19.7%

4,611

20.0%

+43.4%

販管費

3,023

18.5%

3,689

16.0%

+22.0%

営業利益

193

1.2%

921

4.0%

+376.4%

経常利益

747

4.6%

1,390

6.0%

+85.9%

四半期純利益

406

2.5%

830

3.6%

+104.1%

EBITDA

742

4.5%

1,734

7.5%

+133.7%

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。EBITDAは営業利益に償却費(減価償却、のれん)、コロナ関連補助金収入およびM&Aにかかる取得費用を加算して算出。

 

増収、大幅増益
売上高は前年同期比41.2%増の230億84百万円。国内・海外とも増収。新たにM&Aにより加わった6社(ONESTORY、小田喜商店、細川食品、丸太太兵衛小林製麺、林久右衛門商店、マルキチ)が寄与した。
営業利益は同376.4%増の9億21百万円。原材料価格の高騰に伴って行った価格改定に加え、不採算取引の停止、生産品目の絞り込みが効果を表した。一部企業における競争環境の良化も寄与し、販管費の増加を吸収して大幅な増益となった。
M&Aに係る取得費68百万円を加算した調整後営業利益及びEBITDAもそれぞれ同315.3%増、133.7%増と大幅に増加した。

 

【2-2 地域別売上動向】

 

23/2期2Q

24/2期2Q

前年同期比

国内

12,409

17,775

+43.2%

海外

3,870

5,223

+34.9%

シンガポール

2,983

4,213

+41.2%

その他海外

886

1,009

+13.8%

合計

16,279

22,998

+41.3%

*単位:百万円。合計は顧客との契約から生じる収益。

 

◎国内
販売事業において、既存販売先へ営業を強化したことで増収。製造事業においては、価格改定効果等により増収。
◎海外
新型コロナウイルスの影響が減少したことで、引き続き販売事業、製造事業共に増収。特に、シンガポールにおいて観光客数が回復し、ホテルや飲食店の需要増加に伴いPacific Sorby、NKR Singaporeグループの売上が大幅な増収。

 

【2-3 セグメント動向】

 

23/2期2Q

構成比

24/2期2Q

構成比

前年同期比

売上高

 

 

 

 

 

製造事業

12,098

74.0%

18,224

78.9%

+50.6%

販売事業

4,143

25.3%

4,707

20.4%

+13.6%

その他事業

107

0.7%

153

0.7%

+43.1%

 合計

16,349

100.0%

23,084

100.0%

+41.2%

営業利益

 

 

 

 

 

製造事業

371

3.1%

1,109

6.1%

+198.8%

販売事業

173

4.2%

282

6.0%

+62.8%

その他事業

-77

-

-33

-

-

 調整額

-273

-

-436

-

-

 合計

193

1.2%

921

4.0%

+376.4%

*単位:百万円。営業利益の構成比は売上高営業利益率。

 


*同社資料を元に(株)インベストメントブリッジが作成。

 

*製造事業セグメント
増収増益。
国内製造子会社は、原材料価格高騰に伴う価格改定の実施、および利益重視の戦略により不採算取引の見直しや生産品目の削減により生産効率を向上させたほか、M&Aにより新たにグループ化した企業(株式会社小田喜商店、株式会社細川食品、株式会社丸太太兵衛小林製麺、株式会社林久右衛門商店、株式会社マルキチ)の損益を取り込み、増収増益。
海外製造子会社は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の規制が緩和されたことで、一部のスーパー向けの売上が減少したものの、ホテル、飲食店向けの売上が回復し、増収増益。

 

*販売事業セグメント
増収増益。
国内販売子会社は、生協・宅配企業向けの売上が若干減少したものの、主に産業給食向けの売上が大幅に増加した。
海外販売子会社は、新型コロナウイルスの影響が減少したことでホテル、飲食店向けの売上が回復した。

 

【2-4 財務状態とキャッシュ・フロー】

◎主要BS

 

23年2月末

23年8月末

増減

 

23年2月末

23年8月末

増減

流動資産

18,381

20,889

+2,508

流動負債

11,176

12,517

+1,340

 現預金

5,000

4,592

-408

 仕入債務

3,890

3,192

-697

 売上債権

5,493

6,596

+1,103

 短期有利子負債

4,966

6,516

+1,549

 たな卸資産

7,314

8,995

+1,681

固定負債

10,828

12,811

+1,982

固定資産

13,473

15,826

+2,352

 長期有利子負債

9,918

11,840

+1,921

 有形固定資産

6,917

8,000

+1,083

負債

22,005

25,328

+3,323

 無形固定資産

5,103

6,187

+1,083

純資産

9,850

11,387

+1,537

 投資その他の資産

1,453

1,638

+185

 利益剰余金

3,728

4,559

+830

資産合計

31,855

36,716

+4,861

負債純資産合計

31,855

36,716

+4,861

 

 

 

 

有利子負債合計

14,885

18,356

+3,471

*単位:百万円

*同社資料を元に(株)インベストメントブリッジが作成。

 

売上債権増、マルキチのグループ化に伴うたな卸資産増、有形固定資産(建物及び構築物)の増加等で、資産合計は前期末比48億円増加の367億円。
マルキチグループ化及び新規M&Aによる有利子負債の増加等で負債合計は同33億円増加の253億円。
利益剰余金、為替換算調整勘定の増加などで純資産は同15億円増加の113億円。
自己資本比率は前期より0.6ポイント低下し22.9%。

 

◎キャッシュ・フロー

 

23/2期2Q

24/2期2Q

増減

営業CF

-8

1,689

+1,697

投資CF

-459

-1,770

-1,311

フリーCF

-467

-81

+386

財務CF

913

-597

-1,511

現金同等物残高

3,419

3,909

+489

*単位:百万円

*同社資料を元に(株)インベストメントブリッジが作成。

 

税金等調整前四半期純利益の増加等で営業CFはプラスに転じた一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加等で投資CFのマイナス幅は拡大。、フリーCFのマイナス幅は縮小した。
短期借入金の純減額拡大、自己株式の取得による支出等で財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは上昇した。

 

【2-5 トピックス】

(1)株式会社ワイエスフーズを子会社化
23年10月16日、水産加工製造を行う株式会社ワイエスフーズの発行済株式70%を取得し、子会社とした。

 

(株式会社ワイエスフーズ概要)
1998年9月設立。北海道茅部郡森町に本社及び工場を構え、主に噴火湾沿岸で漁獲されたホタテの加工を行っている。
噴火湾地域では最大規模のホタテ加工設備及び保管設備を保有しており、買参権(漁協から直接水産物を購入する権利で、新規で取得することは困難)を持つ漁業協同組合から仕入れたホタテを加工し、主に国内の水産卸売企業や中国の水産加工企業へ販売している。
同社グループの株式会社マルキチとは、オホーツク沿岸で漁獲されたホタテの仕入や加工受託等の取引関係がある。

 

傘下には、株式会社マタツ水産、有限会社オガネサン清藤水産、株式会社ワイエス海商の3社がある。
マタツ水産は、北海道長万部を拠点とし、厳格な管理が必要とされる対EU及び対米輸出水産食品加工施設の認定を受けた自社工場でホタテやサケ等の加工を行い、主に国内の大手水産卸売企業を経由してスーパー量販店等へ販売している。
清藤水産は、ホタテの片貝加工(ホタテの貝殻を半分取り除く加工)を行う企業で、片貝の生産量では国内で約8割という圧倒的なシェアを誇り、主に国内の水産卸売企業を経由して飲食店等へ販売している。
ワイエス海商は、ふるさと納税等の通販事業、ちゃっぷ林館(茅部郡森町が所有する温浴施設)の運営事業、同施設内の桜はな(飲食店)の運営事業を行っている。
通販事業として、主にグループ会社からカニやイクラ、ホタテ等を仕入れ、北海道森町の納税返礼品として販売している。

 

*業績及び財政状態

 

21/7期

22/7期

売上高

12,981

16,865

営業利益

729

1,634

総資産

10,806

11,291

純資産

2,054

2,857

*単位:百万円

 

(子会社化の背景)
主として以下3点から、子会社化することとした。

 

①海外において需要が増加する日本産ホタテの調達ルートを確保
世界で流通している「ホタテ」は、「主に日本等で生育されるホタテガイ」と「主に中国等で生育されるイタヤガイ」であり、品種が異なる。日本産のホタテガイはサイズが大きいことに加え、甘みが強く、サイズや味、品質の面で大きな優位性をもっていることから、世界において希少価値の高い食品として認知度が高まっており、近年、欧米及びアジアにおいて需要が増加している。その証左として農林水産省が公表している「農林水産物輸出入情報・概況」によると、2022年のホタテ輸出額は910億円で、前年比42.4%増加。品目別でみた農林水産物の輸出額は第1 位で、ウイスキーや牛肉を押さえ、日本で最も輸出額の大きい農林水産物である。

 

ワイエスフーズ、マタツ水産、清藤水産の各社は、噴火湾沿岸の漁業協同組合の買参権を所有し、噴火湾沿岸で漁獲される新鮮なホタテの調達が可能であることに加え、マルキチは、オホーツク海沿岸の漁業協同組合の買参権を所有しており、オホーツク海沿岸で漁獲されるホタテを調達することができる。
ワイエスフーズがグループに参画することで、ヨシムラ・フード・ホールディングスグループは、北海道産ホタテの2大産地である噴火湾沿岸とオホーツク海沿岸からホタテを安定的に調達する権利を獲得できることとなる。

 

②大手ホタテ加工企業としての確立された地位と高い品質管理能力を持つ生産加工設備
ホタテの仕入れには漁協や水産関連企業との信頼関係が欠かせない。また、鮮度を保ったまま加工・保管を行うには、仕入量に対して継続的に加工ができる大規模な加工設備と十分な人員が必須で、参入障壁が高い業界である。
そうした中、ワイエスフーズグループは、北海道において数少ない大規模なホタテの加工設備、保管設備を保有する企業である。

 

近年、設備投資を行えずに廃業や事業縮小を進める同業他社が多い中、同社は積極的な設備投資を行うことで、道内における大手ホタテ加工企業としての地位を確立してきた。
加えて、ワイエスフーズの工場は対中国HACCP認証工場として、マタツ水産の工場は対EU輸出水産食品取扱施設、対米輸出水産食品加工施設として認定を受けるなど、高い品質管理体制を構築している。

 

③ヨシムラ・フード・ホールディングスグループ企業とのシナジー
ワイエスフーズグループとマルキチが持つリソースとノウハウを共有することで、ホタテ業界における更なるマーケットシェアの拡大と業績向上が期待できる。
例えば、噴火湾のホタテは冬から春にかけて最も水揚げされるのに対し、オホーツク海は夏から秋が最漁期であるため、両社の繁忙、閑散期に応じて相互に生産を補完することで、両社工場の稼働率及び生産性を向上することが可能である。
また、ヨシムラ・フード・ホールディングスグループ企業であり、シンガポールで水産品卸売業を行うSin Hin Frozen Food Private Limitedは、ホタテを主力製品のひとつとして年間約170トン以上購入しており、現地大手スーパー等へEmeraldブランドとして販売している。現在、Sin Hinは、中国の加工企業経由で一部ワイエスフーズのホタテを購入しているため、マルキチを含めた3社間で仕入ルート及び販路の整理を行うことで、グループ間において安定的な供給と更なる海外販路の強化が可能となる。

 

また、ワイエスフーズとマルキチを中核企業とし、北海道の水産及びその他食品企業のグループ化を促進することで、更なるマーケットシェア拡大や設備投資による競争優位性の確立を目指し、北海道における食品事業の拡大に向けて取り組んでいく。
*詳細は【4.成長戦略】で後述。

 

(中国による日本産水産品の輸入停止について)
なお、中国が日本産水産品の輸入を停止したことにより、ワイエスフーズグループの中国向けの売上高が減少する等、一時的な業績への影響は考えられるが、世界で評価が高まる日本産ホタテの需要が減少することは考えにくく、中長期的な業績への影響は限定的であると考えている。
また、中国の輸入停止によりホタテの相場価格が下落することも考えられるが、ワイエスフーズ及びマルキチは大規模かつ高性能な冷凍保管設備を保有しており、冷凍ホタテの賞味期限は2-3年であることから、市況が改善するまで在庫を維持できる体制が整っている。
加えて、ワイエスフーズの連結を開始する際、在庫単価を市場価格に基づき適正に評価替えすることで、連結後の損益が悪化しないよう対応することも検討している。また、日本政府及び東京電力は、本件により損害を被った水産関連企業への補償を表明しており、損害が発生する場合には補償金の受領に向けて手続きを進めていく。

 

(子会社化概要)
ワイエスフーズの発行済株式70%を取得する。取得価額は買収監査費用等を含み約60億円。中国の輸入規制を見込んだうえでワイエスフーズの事業計画を作成し、それをもとに株式価値を評価している。
ワイエスフーズの代表取締役である坂本拓也氏と専務取締役である坂本佑介氏は、引き続き両者で30%の株式を保有するとともに代表取締役社長、専務取締役を継続する。共に協力関係を構築し、シナジー効果を発揮することで、グループの業績向上及び北海道を中心とした日本の食品業界活性化に向けて取り組んでいく。
子会社化にあたり必要となる資金は、銀行借入により賄う予定である。

 

3.2024年2月期業績予想

【業績予想】

 

23/2期

構成比

24/2期(予)

構成比

前期比

進捗率

売上高

34,937

100.0%

46,679

100.0%

+33.6%

49.5%

営業利益

678

1.9%

1,574

3.4%

+131.9%

58.6%

経常利益

1,323

3.8%

1,575

3.4%

+19.0%

88.3%

当期純利益

613

1.8%

749

1.6%

+22.2%

110.9%

EBITDA

1,994

5.7%

2,718

5.8%

+36.3%

63.8%

*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。EBITDAは営業利益に償却費(減価償却費、のれん)およびM&Aにかかる取得費用を加算して算出。

 

業績予想に変更なし、大幅な増収増益を見込む
業績予想に変更は無い。売上高は前期比33.6%増の466億79百万円、営業利益は同131.9%増の15億74百万円、EBITDAは同36.3%増の27億18百万円の予想。
既存企業のオーガニックな成長に加え、新規M&Aによりグループ化した企業の損益取り込み、M&A取得関連費用の減少も寄与する。
原材料価格や物流費高騰に伴うコスト増に対しては、より一層の生産効率化や費用削減に努めるとともに、販売先に対する価格改定や規格改定を実施することで、適正な利益の確保を図る。
子会社化したワイエスフーズの22年7月期の業績は、売上高168億円、営業利益16億円、当期純利益8億円。損益の取り込みは24年2月期第4四半期から開始するが、連結業績に与える影響は現在精査中であり、開示すべき事項が発生したら速やかに開示する。25年2月期は通期で寄与する。

 

4.成長戦略

【4-1 これまでの経緯と前期実績】

同社は「ミッション:いつまでも、この“おいしい”を楽しめる社会へ~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~」「ビジョン:地域の“おいしい”を守り、育て、世界へ」「バリューズ:あなた“らしさ”を大切にします」を掲げ、食品業界において「中小企業支援プラットフォーム」を核とした独自のビジネスモデルを構築し、「M&Aを通じたグループ企業数の拡大による成長」と「既存グループ会社の業容拡大による成長」の2つのエンジンによって創業以来、成長を追求してきた。

 

M&A案件発掘に際しての紹介ルートは、同社の場合、既存グループ企業の取引先やM&A仲介会社、金融機関など多岐にわたっている。
紹介件数は期を追うごとに増加しており、コロナ禍の影響が薄れた23年2月期の紹介件数は大幅に増加し、300件を超えた。
この増加は、創業以来、さらには上場以降のM&Aの豊富な実績と信頼の積み重ねによるものである。

 

こうした紹介案件数の拡大に伴い、会社設立来当初8年間のM&A成約は年平均1件、その後の6年は同2件であったが、2023年2月期は過去最高の年間5件を実行した。2024年2月期は過去最大規模となる株式会社マルキチの株式を取得したのに続き、さらに規模の大きいワイエスフーズのM&Aを実施した。
経営基盤の安定、チームの拡充、案件判断におけるノウハウの蓄積、資金調達力の向上、海外販路の拡大など、長年かけて構築してきた企業受け入れ体制が整い始め、企業規模や事業基盤、商品性など、より強固で成長性が高く利益率も高い企業の譲り受けを可能とする新たなフェーズへ移行したと同社では考えている。

(同社資料より)

 

【4-2 国内食品業界の課題】

国内食品業界は、人口減少及び少子高齢化による国内市場の縮小化傾向が避けられない中、企業においても高齢化が進み、後継者不在を理由に廃業する企業が増加している。

 

 

 

(同社資料より)

 

同社の前期実行5件および24年2月期の、マルキチ、ワイエスフーズとも、後継者難の案件である。

 

【4-3 同社のビジネスモデル】

同社では新規M&A実行による「1.グループ企業の拡大による成長」と、中小企業支援プラットフォームを活用した「2.既存事業の業容拡大による成長」という2つのエンジンにより成長を追求している。

 

【4-4 同社の競争優位性】

同社は投資ファンドとは異なり、売却を前提としないため、対象企業オーナーの信頼を得やすい。また、大手食品企業と比較するとM&Aノウハウが豊富なほか、中小企業支援プラットフォームによる成長支援という面でも大きなアドバンテージを有している。
規模や業種を問わず、優れた商品・技術・ブランドを持っている企業のM&Aが可能で、他のストロングバイヤーは対象としにくい中小食品企業のM&Aを行える唯一無二の存在であり、適正な買収価格の設定とシナジー効果による高いROIの実現が可能と同社では考えている。

 

 

(同社資料より)

 

【4-5 戦略】

新規M&Aに関しては「ロールアップ戦略」「ニッチ市場戦略」を、既存企業に関しては「オーガニック成長戦略」を推進し、中長期的な成長を目指している。

 

(1)戦略1:ロールアップ戦略
特定の業界において中核となる企業をグループ化したのち、核となる企業の同業他社をグループ化する。
コアとなる企業をもとに同業界の企業をロールアップすることでマーケットシェアを拡大し、シナジー効果により業績を向上させる。

(同社資料より)

 

(2)戦略2:ニッチ市場戦略
ニッチ市場で一定程度のシェアを持つ企業や独自の商品を持つ利益率の高い企業をグループ化し、海外への販売及びBtoCビジネスを強化し、利益率を向上させる。

(同社資料より)

 

(3)戦略3:オーガニック成長戦略
*経営支援
経営経験が豊富な人材を採用し、グループ企業の社長として配置する。
優秀な若手人材を採用し、グループ企業での経営経験を積ませ、経営革新に繋げる。

 

*機能別支援
中小企業支援プラットフォームを活用した支援を行う。
機能別の専門人材を採用し、プラットフォームを強化する。

 

【4-6 今後の取り組み:北海道の水産企業グループ化を推進】

23年10月のワイエスフーズ子会社化を契機に、同社では北海道ホールディングス(仮称)を設立し、マルキチとワイエスフーズをコア企業に、北海道の水産企業等のグループ化を推進し、IPOを目指す考えだ。
(北海道ホールディングス設立の狙い)
北海道ホールディングス(仮称)では、北海道の水産企業等のグループ化を推進するとともに、ヨシムラ・フード・ホールディングスのM&Aノウハウ・資金調達力・経営管理力、マルキチ及びワイエスフーズ経営陣の業界ネットワーク・経営力・業界に関する知識といった各社の強み・優位性を融合する。加えて、地域銀行の融資や人材派遣を用いて、「グループ間のシナジー創出によるコストダウンや生産効率化、海外販路拡大、業績安定化」「工場集約や設備投資による効率化と競争優位性の確立」「ロールアップによるマーケットシェア拡大を通じた収益力の拡大」を目指す。

 

マルキチ及びワイエスフーズとも旧オーナーが30%の株式を引き続き保有するとともに、引き続き経営を担うことから、北海道ホールディングス(仮称)の規模・業績拡大によるIPOは、ヨシムラ・フード・ホールディングスにとっても、旧オーナーにとってもメリットの大きいものであり、WIN-WINの関係を構築して更なる発展を目指していく考えだ。

(同社資料より)

 

5.吉村CEOに聞く

吉村CEOに、足元の状況と今後の対応、M&A戦略の状況、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

◎24年2月期第2四半期決算について
前年同期比で増収、大幅な増益となりました。
国内では、前期より進めてきた価格改定が大きく寄与しました。前下期は数量減により売上高は若干低下したのですが、今上期は想定以上の売上増につながりました。前期は値上げをしない同業他社も多かったのですが、今期に入り値上げに踏み切らざるを得なくなり、当社の売上増に繋がりました。浜松餃子を製造販売しているまるかわ食品を始めとしたブランド力・競争力の高い製品を持つ企業は、価格改定効果が特に大きく表れました。この他、利益重視の戦略により不採算取引の見直しや生産品目の削減により生産効率を向上させたことも寄与しました。
海外は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の規制が緩和されたことで、ホテル、飲食店向けの売上が回復しました。

 

◎M&A戦略について
5件のM&Aを成約させた前期(23年2月期)に次いで、今期(24年2月期)は過去最大規模となる株式会社マルキチの株式を取得したのに続き、さらに規模の大きいワイエスフーズのM&Aを実施することができました。

 

創業以来様々な苦労もありましたが、当社独自のM&Aに取り組んできた中で、経営基盤の安定、チームの拡充、案件判断におけるノウハウの蓄積、資金調達力の向上、海外販路の拡大など、企業の受け入れ体制が整い、企業規模や事業基盤、商品性などの面で、より強固で成長性が高く利益率も高い企業の譲り受けを可能とする新たなフェーズへ移行したと考えています。

 

特に、十数年の実績や地道な宣伝活動の結果、多くの後継者のいない中小食品会社のオーナーに当社の名前を知ってもらえるようになったことに加え、ファンドとは違って売却を前提としないため、オーナーから安心感をもって当社の提案を聞いてもらえる点は大きなアドバンテージです。

 

◎ワイエスフーズ子会社化と北海道におけるロールアップ戦略
近年、水産業界では、少子高齢化、人材不足、資金力不足に伴う施設の老朽化などから事業継続に課題を抱え、廃業や事業縮小を検討する企業が増えています。
そうした現状の中、世界に誇るべき日本の「食」を守り、更に発展させていくことは当社の重要なミッションでもあります。

 

そこで、今回のワイエスフーズ子会社化を契機に、中間持株会社を設立し、マルキチとワイエスフーズをコア企業に、北海道の水産企業等のグループ化を推進していく考えです。

 

中間持株会社の社名は現時点では仮称として「北海道ホールディングス」としています。
同社では、北海道の水産企業およびその他の食品企業もグループ化を推進するとともに、当社のM&Aノウハウ・資金調達力・経営管理力、マルキチ及びワイエスフーズ経営陣の業界ネットワーク・経営力・業界に関する知識といった各社の強み・優位性を融合します。
加えて、北海道の地域銀行の融資や人材派遣を用いて、グループ間のシナジー創出によるコストダウンや生産効率化、海外販路拡大、業績安定化、工場集約や設備投資による効率化と競争優位性の確立、ロールアップによるマーケットシェア拡大を通じた収益力の拡大を目指します。

 

北海道ホールディングスは収益力の拡大を実現しながら、IPOを目指します。
マルキチ及びワイエスフーズとも旧オーナーが30%の株式を引き続き保有するとともに、引き続き経営を担うことから、北海道ホールディングスの規模・業績拡大によるIPOは、当社にとっても、旧オーナーにとってもメリットの大きいものとなります。
今後グループ入りする企業ともWIN-WINの関係を構築して更なる発展を目指していく考えです。

 

◎中国の日本産水産物輸入停止について
23年8月に、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出を理由として、中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止しました。

 

中国は日本の水産物輸出の2割強を占める最大の輸出先で、ホタテは輸出の5割が中国向けとなっています。
このため、マルキチ、ワイエスフーズへの影響を不安視する声が我々のところにも届くのですが、影響は限定的であると考えており、是非投資家の皆様にも我々がそう考える背景、理由を知っていただきたいと思います。

 

マルキチ、ワイエスフーズの中国向け輸出の大部分は冷凍の殻付きホタテです。
輸入した中国企業は殻を剥き、増量や食感を良くするために加水加工を行ったうえで卸業者などに販売するわけですが、その地域別販売先はアメリカが約50%で、中国の国内消費は20~30%に過ぎません。

 

一方で、マルキチとワイエスフーズの国内工場は合計7か国のHACCP認証を取得しており、現在、中国以外にも、アメリカ、カナダ、EU、台湾、ベトナム、タイ、オーストラリアなど10か国以上に輸出を行っています。
マルキチとワイエスフーズを合わせた売上の約半分は国内向けで、対中国向け売上は約18%となっています。

 

中国の輸入停止により売上に影響があるのは事実です。ただ、「中国による日本産ホタテの輸入停止」という言葉だけが独り歩きし、業績に多大な影響を受けてしまうと考えがちですが、以上のように、中国依存度は決して高いものではありません。
加えて、日本産のホタテはサイズが大きくかつ品質も高いことから、世界各国で高く評価されており、こうした需要が急激に減少することは考えにくく、短期的にはともかく、中長期的な影響は極めて限定的であると考えています。

 

現在中国の加工業者は日本からの輸入が止まっているため、在庫のホタテを加工して米国への輸出や中国国内への販売を行っていますが、今年末には中国におけるホタテ在庫が枯渇する可能性があり、経営的に困難な状況にある中国加工業者もあると聞いています。

 

今後は中国当局の判断によるため不透明な部分も多いのですが、仮に輸入停止が続くとすれば、世界的なホタテ需要を着実に取り込むために、「政府からの補助金を活用した日本国内における生産能力増強」「タイ・ベトナム等、第三国のパートナーと協同での生産開始」「シンガポールにおける生産開始」といったオプションを検討していきます。

 

加えて、マルキチ、ワイエスフーズはホタテの対EU輸出水産食品取扱認定施設を計4施設、米国向け輸出水産食品取扱認定施設(最終加工施設)を計2施設有している点は、今後の当社グループの大きなアドバンテージになっていくものと考えています。

 

◎株主投資家へのメッセージ
テレビやネットを見ると「ホタテの業者が大変だ」といったニュースが目に入り、投資家の皆様は大変不安に思っていらっしゃるかと思います。
ただ、先ほどお話ししたように、日本から中国に輸出されるホタテを100とすると、加工したホタテの半分50はアメリカに輸出され、中国が消費するのは20から30です。つまり、今回の問題は供給ルートの一時的な混乱に過ぎません。

 

中長期的な視点でホタテ事業の今後を考える際に最も重要なのは、「北海道産のホタテの世界的な競争優位性」に尽きると考えています。
養殖で安定的に供給され、かつ品質も高い。ウイスキーや牛肉を上回り、品目別でトップの輸出品であるホタテに何か問題が生じて売れなくなったわけではありません。
世界的に旺盛な需要が存在する中で、在庫が無くなれば中国からの輸出は不可能です。その際、EUにもアメリカにも輸出できる工場を持つ当社には、巨大な流通を確保する大きなチャンスがあるということを是非ご理解いただきたいと思います。

 

マルキチやワイエスフーズのように企業規模は大きく、かつ収益性も高い会社をグループ化できるようになった当社ですが、今後も積極的に成長戦略を推進し、企業価値の向上と社会課題の解決を実現して参りますので、引き続き応援していただきたいと思います。

 

6.今後の注目点

北海道においてマルキチとワイエスフーズをコア企業に中間持株会社を設立し、北海道の水産企業などをグループ化していくプロジェクトの準備は着々と進んでいるようだ。
北海道水産業界で著名な2社をグループ化したことで、ヨシムラの認知度は大きく上昇しており、旧オーナーが株式を30%保有する中間持株会社をIPOさせるスキームは、ヨシムラにとってもグループ会社にとってもメリットが大きく、有力企業のグループ化を大きく推進するエンジンとなろう。
ホタテを始めとした日本産水産物は海外富裕層に高く評価されており、これからも市場の拡大が見込まれる中、第3弾、第4弾のリリースを期待したい。

 

<参考1:提携先との協業>

(同社資料より)

 

国分グループ本社株式会社との協業
得意先数約35,000社、取引メーカー数約10,000社、グループ会社数54社、商品ラインアップ約60万アイテムに加え、300年を超す業によって培われたノウハウなどを有する、国分グループ本社との協業の進捗は以下のとおりである。

 

協業内容

進捗

販売

国分が持つリソースを活用したヨシムラ・フード・ホールディングスグループ商品の販売促進

国分取引先(大手スーパー等)へヨシムラ・フード・ホールディングスグループ商品を提案し、一部で新規採用決定

購買

国分を窓口とした仕入ルートの増加

仕入コスト低減による粗利増加

消耗品の一括購入条件見直し

原材料の一部を国分経由への調達に切替えることで、コスト削減に成功

消耗品の購入についても、国分が運営する集中購買システムへ切り替えを行うことで、グループ全体でコストを削減

商品開発

国分の知見やノウハウを活用した、新商品・国分のPB商品(缶つま等)の共同開発、ヨシムラ・フード・ホールディングスでの製造

国分と協同で、缶つま等の新商品開発により、製品化

国分の持つマーケティング情報のヨシムラ・フード・ホールディングスグループへの共有、営業面における活用

物流

国分の物流ノウハウ・自社倉庫等を活用した物流網の見直し

商品供給(販売)エリアの拡大

グループ子会社毎に、地域性を考慮しながら物流コスト低減に向けた協議を実施中

M&A

国分と協同でM&A案件を発掘、検討

国分と協同でPMIを実施

国分の情報網を活かしM&Aニーズをタイムリーに収集できる体制の構築に向けた取り組みを実施中

具体的に両社で検討できる案件については、協同でのPMIやバリューアップ施策含め、随時検討を実施中

その他

会社対会社の協業推進

中長期的な協業の実現

国分エリアカンパニーへのヨシムラ・フード・ホールディングスグループの紹介、及び共同事業に向けた協議を実施中

国分から常駐の出向者を受け入れ、常時緊密な連携を維持

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外2名(2名とも独立役員に指定)

監査役

3名、うち社外3名(3名とも独立役員に指定)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2023年5月30日

 

<基本的な考え方>
当社は、株主の皆様をはじめとして、顧客、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの方々との信頼と協働によってこそ、持続的な成長と中長期的な企業価値を創造できると考えております。
そのため、当社では経営の健全性、透明性、効率性を確保する基盤として、コーポレート・ガバナンスの継続的強化を経営上の最重要課題としており、意思決定の迅速化、業務執行に対する監督機能の強化、取締役に対する経営監視機能の強化、および内部統制システムを整備することで、会社の透明性・公平性を確保し、すべてのステークホルダーへのタイムリーなディスクロージャーに努めてまいります。

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>

原則

実施しない理由

(補充原則2-4-1中核人材の登用等における多様性の確保)

当社は、人材の多様性確保と育成が中長期的な企業価値の向上に繋がるものと考え、性別、年齢、国籍などにかかわらず、能力・実績を重視した公正・公平な人材採用・登用に取組んでおります。現時点では女性・外国人・中途採用者の管理職への登用に対する測定可能な数値目標を定めてはおりませんが、今後も引き続き多様性の確保に向けた施策を推進するとともに、目標についても検討してまいります。

(補充原則3-1-3 サステナビリティへの取り組み)

当社は、サステナビリティに関する具体的な取組みについて、当社ホームページ(https://www.y-food-h.com/business/sustainability/)にて開示をしております。

後継者不在などの課題を抱える企業をM&Aによりグループ化し、中小企業支援プラットフォームを用いて活性化・成長させ、地域社会にも貢献する当社のビジネスは、ESG経営そのものであると考えており、サステナビリティについての取組みを強化することで、持続的な成長の実現を目指してまいります。

知的財産への投資等については、当社では、ブランド戦略を大変重要なものと捉え、知的財産権の運用・管理については厳格に管理し、社内研修等を通じて、従業員の知的財産権の知識向上に努めております。

また、人的資本への投資についても、社内規程に基づき各種研修等を定期的に実施しており、今後経営計画とも連動させた形で、開示していきたいと考えております。

気候変動に係るリスク及び収益機会に与える影響については、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく必要データの収集と分析を行い、それらの取組みについて開示することを検討してまいります。

(補充原則4-2-2 サステナビリティ基本方針の策定等)

当社は、サステナビリティを巡る課題への対応は中長期的な企業価値向上の観点から重要な経営課題であると認識しており、今後、基本的な方針や経営計画の策定・公表について検討してまいります。

経営資源の配分等に関する戦略の実行についても、取締役会で実効性を含めて審議・監督を行うよう検討を進めてまいります。

(原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表)

当社は、決算説明資料等により中長期的な成長戦略を開示しておりますが、今後、具体的な目標及び実行施策等について株主の皆様に分かりやすい説明の方法を検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

<原則1-4 政策保有株式>

当社は、取引関係の維持・強化等を目的として、限定的かつ戦略的に株式を保有いたします。この場合、取引関係の維持・強化によって得られる利益とリスク、資本コスト等を総合的に勘案し、当社の企業価値の増加に資するか否かの観点から、投資の可否を判断いたします。取締役会は、毎年個別の政策保有株式について、保有に伴う便益、リスクが資本コストに見合っているか、中長期的な観点から当社の企業価値の向上に資するかどうかについて経済合理性等を検証し、保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、縮減を図ります。また、議決権の行使にあたっては、中長期的な視点で企業価値向上につながるか、または当社の株式保有の意義が損なわれないかを判断基準として、適切に行使いたします。株式価値を毀損するような議案については、会社提案・株主提案にかかわらず、肯定的な判断をおこないません。

<原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針>

 

 

当社は、株主・投資家との建設的な対話やコミュニケーションを図るため、管理本部をIR担当部署として体制を整備しております。株主・投資家からの取材につきましては、管理本部が代表取締役CEO、取締役CFOなどと対応方法を検討するとともに合理的な範囲内において対応し、また、四半期毎に決算説明会を開催し、その内容を動画にて配信しております。株主・投資家との対話で得られたご意見等は、都度、取締役及び経営幹部に対して報告しております。

 

 

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