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ブリッジレポート
(9698) 株式会社クレオ

スタンダード

ESG Bridge Report:(9698)クレオ

ブリッジレポートPDF

 

 

柿﨑 淳一 代表取締役社長

株式会社クレオ(9698)

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

柿﨑 淳一

所在地

東京都品川区東品川4-10-27 住友不動産品川ビル

決算月

3月

HP

https://www.creo.co.jp/

 

財務情報

売上高

営業利益

当期純利益

総資産

純資産

ROA

ROE

14,689百万円

904百万円

487百万円

9,748百万円

6,904百万円

9.3%

7.0%

*2023年3月期連結実績。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。ROAは総資産経常利益率。ROEは、自己資本当期純利益率。

 

目次

1.会社概要
2.トップインタビュー
3.課題・マテリアリティと取り組み
4.財務・非財務データ
<参考>
(1)ESG Bridge Reportについて
(2)「柳モデル」について

 

1.会社概要

多様なソリューションを提供するシステムインテグレーター。2,000社を超える企業ユーザーを誇る業務用パッケージ「ZeeMシリーズ」(人事・会計・資産管理等を網羅するERP)や業務効率の向上・コスト削減に寄与するBPM(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)「BIZ PLATFORM」等の業務ソリューション、官公庁・自治体・公益法人・大企業向けシステム開発、国内大手ポータルサイト事業者向けWebシステム開発・運用、更には優良顧客を有するコールセンターサービス等を手掛ける。
グループは、(株)ココト、(株)ブライエ、(株)アダムスコミュニケーションの連結子会社3社。アマノ(6436)とLINEヤフー(4689)が、それぞれ同社株式の31.7%、13.2%を保有し、同社はアマノ(株)の持分法適用関連会社に当たる(いずれも23年3月期有価証券報告書より)。

 

【1-1 企業理念】

以下のグループ企業理念、行動指針を掲げている。

グループ企業理念

私たちは、「人間の想像力」と「世界中のテクノロジー」を結合することで、「感動!」を生む変革を起こし、豊かな未来社会の実現を目指します。

行動指針

~幸せな企業人であり続けるための7つの行動~

 

1. 感謝の気持ちを忘れない

2. 信頼すること、されることを重んじる

3. いつも誠実に行動する

4. 心も技術も磨き続ける

5. より健康であり続ける

6. 恐れずに何ごとにも挑戦する

7. 仕事にも社会にも人生にも成果を出す

 

会社ロゴには3つの「想い」が込められている。

 

「感動」を生むこと

期待を超え、驚きを提供する姿がロゴのエクスクラメーションマークに託されている。

「創造」し続けること

球体はクレオ自身を示し、人財、製品、サービスが生まれ育つ姿を表現している。

「永遠(とわ)」に寄り添うこと

クレオ自身である球体が、顧客や社会、株主に寄り添うイメージを表現している。

【1-2 事業内容】

エンタープライズDX事業本部、ビジネス・アクセラレーション事業本部、クラウド事業本部、社会システム事業本部の下、「ソリューションサービス事業」「受託開発事業」「システム運用・サービス事業」「サポートサービス事業」の4事業を展開している。

 

①ソリューションサービス事業(23/3期売上高構成比30.7%)
2,000社以上のユーザー企業を抱える人事給与・会計・資産管理ERP「ZeeMシリーズ」や業務効率の向上やコスト削減に寄与するBPM「BIZ PLATFORM」等のパッケージソフトの提供とカスタマイズ、顧客企業が法人企業や消費者に提供するソフトウエアやクラウドサービスの開発(顧客企業と共に開発するビジネスであり、同社社内で「共創型受託ビジネス」、或いは「共創型開発」と呼んでいる)、更にはERPとBPMのノウハウと、ホワイトカラーの定型的な作業を自動化するRPA(Robotic Process Automation)技術を組み合わせたサービスであり、人とロボットが混在した業務プロセスを実現するRPAソリューション等を提供している。
近年、人事給与パッケージ「ZeeM」とアマノ社の勤怠管理ソリューション「TimePro」の連携により、「働き方改革」需要の取り込みに成功しており、案件規模が大型化している。
担当事業本部:エンタープライズDX事業本部、ビジネスアクセラレーション事業本部(22/3期より)

 

②受託開発事業(23/3期売上高構成比21.1%)
大企業向けシステムの受託開発、官公庁・自治体向けのシステム、新聞社の組版システム等、信頼性と実績が重視される案件が多い。また、富士通経由の案件が多い事も特徴であり、短期的なぶれはあるが、安定成長が期待できる事業である。協力会社を含めた「人」の確保がポイントになる。
担当事業本部:社会システム事業本部

 

また、22/3期に新設された事業戦略本部は、ソリューションサービス事業と受託開発事業の共通部門となっている。

 

③システム運用・サービス事業(23/3期売上高構成比17.6%)
主に国内大手ポータルサイト事業者とそのグループ企業に対して、ポータルサイトやWebサービスの基盤となるサーバシステムの開発、保守、ハッキング対策等も含めた運用サービスを提供している。従来、持株会社傘下の複数のグループ企業で対応してきたが、2016年4月に設立した(株)ココトに集約された。これにより営業・開発面でグループ力を発揮できるようになり、ポータルサイト事業者のグループ企業に取引が広がっている。ポータルサイト事業者の深堀とグループ企業の開拓で事業を拡大させていく考え。
担当事業体:(株)ココト

 

④サポートサービス事業(23/3期売上高構成比30.6%)
ヘルプデスクやテクニカルサポートを中心としたサポート&サービス、社会調査、市場調査等、インバウンド・アウトバウンド両対応のコールセンターサービスを提供している。技術系では富士通系とNEC系にサービスを提供する等、優良顧客をバランス良く抱えている事が当事業の強み。安定成長が期待できる事業だが、課題は「人」の確保。このため、外国人採用にも力を入れている。
担当事業体:(株)ブライエ(22/3期より合併により商号変更)、(株)アダムスコミュニケーション

(同社個人投資家向け説明会資料より)

 

 

(同社個人投資家向け説明会資料より)

 

◎大株主とのビジネス提携
同社は働き方改革で注目されているアマノ株式会社と、LINEヤフー株式会社(旧 Zホールディングス)を大株主に持つ。アマノとは、2013年3月に 資本提携(2014年5月 業務提携)を行い、製品販売連携を行うとともに駐車場システムなどの開発支援とサポート連携を実施している。また、LINEヤフー株式会社とは、2005年1月に資本提携・業務提携を行い、協業サービスの開発・販売やサービスのシステム運用を行っている。

(同社個人投資家向け説明会資料より)

 

 

【1-3 強み、競争優位性】

(1)プロダクトビジネスと受託ビジネスをバランスよく展開
同社の強みは、プロダクトビジネスと受託ビジネスという特性の異なる事業を長く続けた歴史と経験であり、国内SI業界の中でバランスよく両方を備えている企業は少ない。また、主力のソリューションサービス事業において、プロダクトビジネスと共創型受託ビジネスの双方を抱えている点も強みとなっている。共創型受託開発では、パッケージカスタマイズに柔軟に対応し、自社製品開発では、自社製品開発ノウハウを他社製品の開発受託にも横展開している。このように、どちらしかやらない企業、或いは、どちらしかできない企業との差別化が図られている。
更に、製品(モノ)の販売だけではなく、企業課題を解決するサービス(コト)の提供へのシフトを通じて、点だった製品を線で繋ぎ、統合サービスとして提供している。

(同社個人投資家向け説明会資料より)

 

(2)強固な顧客基盤
同社は、様々な業界のトップ企業を顧客に持つ。ソリューションサービス事業では、西武ホールディングス、ソフトバンク、サイゼリヤ、東急電鉄、トヨタ関連会社、サミーネットワークス、シャトレーゼ、あいおいニッセイ同和、立命館大学、同志社大学などが、受託開発事業では、富士通グループ、アマノグループ、ヤマトシステム開発などが主要顧客となっている。また、システム運用・サービス事業では、ヤフー、バリューコマースなどが、サポートサービス事業では、富士通エフサス、日本電気グループ、レノボ・ジャパン、エン・ジャパンなどが主要顧客となっている。
加えて、1974年の創業であるが、富士通、日本電気、ソフトバンク、サイゼリヤ、西川産業、伊藤製パンとは、1990年代以前より長年に渡り取引関係がある。

 

【1-4 中期経営計画について】

同社は、23/3期で21/3期~23/3期からなる中期経営計画が終了したものの、24/3期~26/3期からなる新中期経営計画の策定を見送った。これは、同社が2024年3月22日に創立50周年を迎えるにあたり、1年をかけて足場固めを行い、来年を予定に次の成長へ向けた新たな中長期の経営方針の発表を行うためである。一方で、配当方針については現状の「配当性向40%」を維持する予定である。

 

(23/3期決算説明会資料より)

 

 

【1-5 価値創造のフロー】

同社は強固な顧客基盤をベースに、プロダクトビジネスと受託ビジネスをバランスよく展開し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値の向上を目指している。

2.トップインタビュー

●社会的責任、社会的存在意義について

Q.近年、社会全体が持続可能な成長を目指す中で、その重要なプレーヤーの一員である企業の理念、ミッション、社会的存在意義が重視されています。

まずは社長がお考えになる御社の社会的な責任や存在意義、企業理念についてお聞かせください。

 

当社では、ロゴに込めた想いにあるように、「創造すること」を重要なキーワードとしています。

IT業界のプレーヤーとして、我々の創造力とITの技術を組み合わせることで、社会に貢献し、明るい未来を築いていくことが当社の理念であり、社会的な存在意義です。

 

当社は今年、2024年3月に創業50周年を迎えるのですが、ここ数年、社員がご両親の介護に向き合うケースも増えつつあります。そうした中、当社にとっての重要な経営資源である社員がイキイキと働くことができる会社にしていくためには、会社としての制度のみでなく、ITを利用して快適な職場環境を作り上げる必要があります。

こうした会社の課題は、社会の課題でもありますから、次の50年のステージにおいて、創造力とITによって社会課題の解決に取り組んでいきたいと考えています。

 

 

 

代表取締役社長 柿﨑 淳一氏

●ビジネスモデル・特徴・強み・競争優位性

Q.御社の特徴や強み、競争優位性はどんな点でしょうか。

 

大きく2つ上げることができます。

 

1つは、プロダクトビジネスと受託ビジネスをバランスよく展開している点です。
2つの特性の異なる事業を長く続けた歴史と経験を持ち、バランスよく両方を備えている企業はさほど多くありません。
また、主力のソリューションサービス事業においては、プロダクトビジネスと共創型受託ビジネスの双方を抱えている点も強みです。
共創型受託開発では、自社製品開発ノウハウを他社製品の開発受託にも横展開することができます。
事業ポートフォリオが多岐にわたっているため、安定性があり、様々なシナジーを産み出すことができる点は大きな強みです。

 

2つ目は、強固な顧客基盤です。
ソリューションサービス事業、受託開発事業、システム運用・サービス事業それぞれにおいて、多くの日本を代表する企業がお客様となっています。
当社の創業は1974年ですが、富士通、日本電気、ソフトバンク、といったお客様とは、30年を超すお取引をいただいています。
この顧客基盤も当社の安定性に大きく寄与しています。
また、アマノ株式会社と、LINEヤフー株式会社を大株主に持ち、シナジーや協業を通じて、こちらでも安定的なビジネスを展開することができています。

 

●主要マテリアリティにおける取り組み

Q.御社では6つののマテリアリティを選定しています。(「3.課題・マテリアリティと取り組み」参照)
このうち、御社の持続的成長にとって特に重要なマテリアリティについて社長のお考えを伺いたいと思います。

 

まずは、「人的資本」についてです。
改めて、「人的資本強化」が御社企業価値向上にいかに重要か、またそのためにどのような取り組みを進めているかをお聞かせください。

 

先ほど申し上げた「創造力」を強化していくためには、当社の良さである「チャレンジできる人材」をいかに育てていくかにかかっていると思っています。

 

私は1987年に新卒で入社し、ソリューション事業や受託開発など、様々な事業に関わってきたのですが、決してすべて順風満帆に進んできたわけではありません。いろいろな失敗を重ねてきたというのが正直なところです。
ただ、そうした失敗を重ねたことが良い経験になっていることは明らかです。
失敗は苦しいのですが、それを乗り越えたところに、何かまるで違う景色を見ることができ、それが次の成長に繋がっていることは自分自身で体感していますので、「創造力」を強化するためには、常にチャレンジを続け、社員の前向きな失敗は受け入れる組織でなければなりません。

 

様々な教育や研修の機会を設けて知識を深め、視座を高め、成長を促進するとともに、チャレンジする風土、クレオのDNAを一層醸成していきたいと思います。

 

Q:人的資本において、「ウェルビーイングの実現」を掲げています。そのためにどんな点に注力していますか?

 

1つは、仕事に対してどのようにしてモチベーションを上げていけるかが重要です。
そのための場づくりとして、社内に、若い社員たちが自由に集って活動できる「グローイング・ルーム」を設置しました。
こちらでは、異なった部門間でコミュニケーション連携を図ったり、自由なテーマで勉強会を開催したりするなど、社員が自発的に活動し、そこから湧き出てくるアイデアが次のビジネスに繋がっていくことを期待しています。
積極的なジョブローテーションなども含め、若手社員の意識向上促す環境づくりが、経営の重要な責務と考えています。

 

クラウドを中心とした技術や、当社事業と密接な関係を持つ人事や給与関係などの資格取得についても、推奨制度をさらに充実させていく考えです。
リスキリングについても重要な課題と認識しています。

 

2つ目は、働き方の多様性を受容する制度作りです。
テレワークを始め、介護、育児に対応し、安心して継続的に働き続けることができる制度をさらに拡充していきます。

 

また、質の高い仕事をするためには「健康第一」ですので、2018年に掲げた「健康経営宣言」の下、様々な取り組みを推進しています。
健康診断受診率は3年間100%となっていますし、喫煙率も低下しています。
これからも健康の可視化を進め、社員の意識をさらに向上させていきたいと考えています。

 

 

Q:ここ数年で人的資本強化が顕著に表れている点があればお話しください。

 

ここ数年、次世代の経営幹部社員教育に取り組んできました。
「新しいクレオの形を創り出そう」というテーマの下、社内横断的に熱心に議論を重ねている最中なのですが、この3月に発表会を開催します。
おおよそ40代半ばのメンバーなのですが、近い将来は、彼らが事業のトップを務め、その先は社長として会社をリードしていくことになろうかと思います。大いに期待しています。

 

Q.続いて、環境課題についてはどう認識されていますか?

 

当社はIT企業ゆえ、GHGの排出など、直接的に環境課題に及ぼす影響は大きくありませんが、当社が気候変動による影響を受ける可能性は高まっていると思います。企業として社会課題解決へ向けた貢献の1つとして取り組まなければならないと強く認識しています。

 

現在はペーパーレスや節電など、全社員レベルでの環境課題についての意識向上に取り組んでいます。
同時に、エネルギー管理の実施にあたり、現在はグループでのGHG排出量算出を実施中です。
2025年度中には算出データの開示、削減目標の設定、施策の検討などを行う予定で、TCFDへの賛同およびTCFDに沿った開示についても検討してまいります。

 

Q:コーポレート・ガバナンスについてのお考え、取り組みをお聞かせください。

 

当社は2022年4月4日よりスタンダード市場へ移行しました。より高いガバナンスが求められる中、企業価値向上へ向けガバナンス強化を推進しており、コーポレートガバナンス・コードが求める全原則の内、現状の充足率は95.1%となっており、2022年4月の市場移行前と比較すると、27.2ポイントも大幅に向上させることができました。
今後も、100%を目指し取り組んでいく考えです。

 

●今後の成長戦略について

Q.次に、今後の成長に向けた方向性についてお聞かせください。

 

23/3期で3年間の中期経営計画が終了しましたが、次の中期経営計画の策定を見送りました。
これは、2024年3月22日に創立50周年を迎えるにあたり、時間をかけて足場固めを行い、次の成長へ向けた新たな中長期の経営方針を策定するためです。非常に変化の激しい時代ですので、3年スパンが本当に正しいのかを含めて、次世代経営陣も交えて、現在議論を重ねています。

 

具体的な施策や方針は現時点ではお話しできませんが、クラウドサービスに注力し、ソフトウェア開発のみでなくソリューションサービス提供を強みとした企業へと変革していくことが成長のキーワードと考えています。

 

●その他のリスク、課題

Q.そうした目指すべき将来像を実現するうえでどんな点を課題と認識し、どのように対応していきますか。加えてESGについてもこれから必要な取り組みはどんな点でしょうか?

 

やはり人的資本強化が最大の課題です。
量的な課題で言えば、近年、当社は積極的にベトナム企業とのアライアンスを締結していますが、オフショア開発という形だけでなく、優秀なエンジニアを確保していこうと考えています。
一方で属人ベースではなく、クラウドを活用した、人に依存しないビジネスモデルを構築する必要がありますし、生成AIを活用した効率化にも取り組まなくてはなりません。
人的資本を質・量両面で強化することが、成長のためには欠かせません。

 

採用活動の多様化ももちろんですが、働き甲斐のある環境づくりによって、魅力ある会社と認識してもらう必要があると考えています。

 

●ステークホルダーへのメッセージ

Q.様々なお考えをお聞かせいただきありがとうございました。最後にステークホルダーへのメッセージをお願いいたします。

 

当社は独立系のソフト会社として、モノづくり、創造、人を重視して、これまで成長してきました。
ですので、短期的に大きく高収益を稼ぎ出すといった会社ではありません。真摯で真面目な会社です。
今年創業50周年を迎えますが、次の50年、100年も人を大事に、創造力とITを組み合わせて社会課題を解決してまいります。
お客様、従業員、パートナー、株主、全てのステークホルダーの皆様と共に着実な成長を実現して、企業価値の最大化と社会課題解決を追求して参りたいと考えていますので、引き続き温かいご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

3.課題・マテリアリティと取り組み

株式会社クレオが現状認識している課題・マテリアリティは以下のとおりである。
マテリアリティの選定に際しては、社外へのヒアリングも行っている。

 

課題

マテリアリティ

環境

カーボンゼロへの取り組み

社会資本

安全で便利な社会基盤の提供

人的資本

ウェルビーイング実現のための取組

ビジネスモデルとイノベーション

デジタル技術による新しいビジネスモデルの展開

リーダーシップとガバナンス

コーポレートガバナンスの高度化

*SASB Materiality Mapなどを参考に作成。

 

上記に加え、全ての課題に共通するマテリアリティとして「各ステークホルダーとの協働:株主、社員、顧客、取引先、社会環境や地域社会など様々なステークホルダーと共に互いの魅力を高める価値を共創する」を挙げ、合計6つのマテリアリティを特定した。

 

【ESG課題に対する基本認識・推進体制】
<サステナビリティに関する基本認識>
“私たちは「人間の想像力」と「世界中のテクノロジー」を結合することで「感動!」を生む変革を起こし豊かな未来社会の実現を目指します。”をグループ理念として、情報化社会の発展に貢献してきた。
今後もデジタル化が進む未来社会に向け、様々な環境変化に適応しながら社会課題の解決、持続的な成長による企業価値向上に務める。

 

2021年11月に、「サステナビリティ方針」を制定した。

サステナビリティ方針

・事業活動を通じ、社会課題の解決に貢献する

・持続可能な環境と経済の調和に取り組む

・変化に柔軟に適応できる経営基盤の発展を目指す

 

 

 

<ガバナンス及び推進体制>
持続可能な社会の実現及び発展へ向け、情報技術が欠かせないインフラとなっていることを認識し、企業としての方針や重要課題を整理してその姿勢を社内外へと情報開示することで企業価値の向上を図ることを目的に、社長を議長とする活動の取りまとめを行う会議体(サステナビリティグループ)を設置している。
原則年1回以上の開催において、マテリアリティの見直しや取組方針の検討、施策の監督などを行い、取組の進捗や必要な方針決定については適宜取締役会に付議・報告している。

 

サステナビリティ方針策定に合わせ、サステナビリティグループの活動を開始。2023年4月には、4つのワーキンググループからなり、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設立した。

 

 

(同社有価証券報告書、ウェブサイトより)

 

【3‐1 「環境」課題におけるマテリアリティ:カーボンゼロへの取組】

地球環境を改善し次の世代へ繋ぐため、気候変動への対応・循環型社会の推進・自然エネルギーの普及に貢献する。
IT企業であるため、GHGの排出など、直接的に環境課題に及ぼす影響は大きいとは言えないが、一方で、気候変動による影響を受ける可能性は高まっていることもあり、企業として社会課題解決へ向けた貢献の1つとして取り組まなければならないと認識している。
エネルギー管理の実施にあたり、現在グループでGHG排出量の算出を実施している。
2025年度中に算出データの開示、削減目標の設定、施策の検討などを行う予定である。
TCFDへの賛同及びTCFD提言に沿った情報開示の実施についても検討中である。

 

(主な取り組み)

ペーパーレスの推進

・コピー機台数の集約

・印刷時のID認証(※)を実施している。

※複合機の利用はICカードを持っている社員に限定し、個人ごとに利用できる機能を制限。ICカードをかざさないと紙が出力されないため、印刷物の取り違えや置き忘れによる情報漏えいを防ぐことができる。

オフィスにおける適切な温度管理

クールビズやウォームビズの実施

節電

スペース不使用時の消灯

 

このほか、子会社である株式会社ブライエでは、以下のようなSDGsに向け以下のような取り組みを進めている。

エコへの取組

 

ISO14001/COOL CHOICE に賛同し、活動している。

「勿体ない」をキーワードに、4R(Refuse、Reduce、Reuse、Recycle)を基本的な考え方として、取り組んでいる。

・山梨県甲府市 白山清掃活動

・休耕地の利活用

・社内節電ポスターの作成・掲示

社会貢献

 

JICAボランティア事業に、同社の事業ドメインである「IT」という切り口で参加し、社員がアフリカ・ザンビア国に赴任。

帰国後、赴任先での活動経験から、使用済みPCの寄贈へとつながった。

甲府プロジェクト ~おーらいの里~

 

社員やその家族が、楽しく自然に親しむ場をつくろう」

「農業体験を通して人間形成できたら」

「癒しの場として・・」

「自然に親しむ中で、生物からの恵みや自然の大切さを学べたら・・」

そうした複合的な目的で、2012年4月から、「信玄プロジェクト(休耕地活用プロジェクト)」を立ち上げ、現在では「甲府プロジェクト」として活動を続けている。

ヘルシーカンパニーへの取り組み

 

社員が心身共に健康で楽しんで仕事に取り組めるよう、同社は創業当初からさまざまな取組みを行ってきた。

 

(例)

デスクワーク中心の業務は、慢性的な運動不足に陥りがちなため、もっとも手軽な運動「ウォーキング」を推奨しており、「ウォークレース」など楽しみながら歩数を増加させる。

 

甲府の施設での土いじりも、メンタルケアに寄与している。

働きやすい職場づくり

 

働きやすい職場づくりと、従業員満足度の向上を目標に、全社員が働きやすく、生産性の高い企業を目指している。

 

・管理職に占める女性労働者の割合 7.4%

・男女の賃金の差異

(男性の賃金に対する女性の賃金/年収の割合)  82.8%

・有給休暇取得率    72.4%

※2023年3月期実績

 

【3‐2 「社会資本」課題におけるマテリアリティ:安全で便利な社会基盤の提供】

長年に渡り培った経験と技術で安心安全なシステムを提供し、社会や企業の根幹を支え続けることを責務と認識している。
主として、重要顧客である富士通株式会社官公庁等の社会基盤(官公庁等)の安定を下支えしている。
また、企業への基幹システムや、特にZeeMをはじめとする人事給与(HR/人的資本管理)領域におけるソリューション提供により、間接的な消費者福利に貢献している。

 

安全で便利な社会基盤提供に不可欠な個人情報保護や情報セキュリティについても、以下のように適切な仕組みを構築している。

 

*「個人情報保護方針」を制定、プライバシーマークを取得」
顧客の個人情報ならびに従業者に関する個人情報について、厳正に保護することを社会的責任と認識し、個人情報保護を重要な企業活動のひとつと定め、同社の従業者は個人情報保護方針に従い個人情報の保護に努めている。
https://www.creo.co.jp/policy/privacy/

 

*「情報セキュリティ方針の策定と公開」
ICTで社会に貢献する企業グループとして顧客や取引先から預かる情報資産および経営資源としての情報資産について、厳正に取り扱うことを社会的責任の一つであると考え、情報セキュリティの維持・向上に努めることが重要な経営課題と認識し、事業運営を安全かつ適正に行うため情報セキュリティ基本方針を宣言している。
https://www.creo.co.jp/policy/security/

 

*「ISMS認証の取得」
情報セキュリティを確保するためのリスクを把握し、適切に管理・運用するためのシステムである「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」の認証を取得している。
https://www.creo.co.jp/corporate/about/

 

【3‐3 「人的資本」課題におけるマテリアリティ:ウェルビーイング実現のための取組】

持続的成長のために人財を最重要資産と捉え、中長期的に多様な人財が活躍できることを目指している。
そのための環境づくりが重要課題であると認識している。

 

①戦略
人財の才能を最大化するため「働きやすい環境構築」「働きがいの向上」に努めると共に、心も体も健康であり続け、生き生きと持続的に活躍できるよう「健康経営」を標榜し、人財の健康保持・増進に取組んでいる。

 

②指標及び目標
管理職の登用において、性別、国籍、中途採用、新卒採用の区別なく、能力や適性を総合的に勘案して登用している。
人的資本に関わる指標については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の指標を開示している。
なお、女性管理職については、2022年度時点で同社グループにおける「女性管理職比率」は8.0%だが、将来的に10%以上を目指している。

 

③主な取り組み
<教育・キャリアパス>
社員の能力開発に向け、以下のような研修制度、資格取得支援制度を運営している。

新入社員研修

3か月の新入社員研修で社会人としての基礎、SEとしての技術の基礎を学習する。配属後はOJT教育により実力をアップさせる。

・社会人教育(ビジネスマナー、プレゼンテーション、情報セキュリティ など)

・技術研修(プログラミングの基礎、言語研修、疑似プロジェクト)

・OJT(現場実務トレーニング)

・フォローアップ研修

階層別研修

・リーダー研修

・昇格者研修

など

テーマ別研修

・防災研修

・コンプライアンス研修

資格取得奨励金制度

会社が奨励している資格を取得した場合、受講料・受験料の補助、奨励金の支給を行っている。

2023年度は、200を超える資格が対象となっている。

 

<健康経営>
クレオの社名の由来でもある「創造」を支えるのは社員の健康と認識しており、最重要資産である社員、人財が心も体も健康であり続け、生き生きと活躍できるよう、戦略的な健康の保持・増進に取り組むため、2018年5月、「健康経営宣言」を制定した。

健康経営宣言

クレオは、企業を支える経営資源・活力は「人財」にあると考え、社員が物心両面で健康であり続ける「健康経営」を実践して参ります。

 

社員の健康は、本人やその家族にとっても大切なものであるとともに、企業にとっても貴重な財産です。末永く価値を提供し続ける企業を目指すクレオは、標榜する行動基準「より健康であり続ける」ことを推進し、社員が持てる能力を最大限発揮することで、 「100年企業」を目指し、家族やお客様の幸せ、これからの豊かな未来社会の実現に貢献します。

 

2018年5月

株式会社クレオ

最高健康責任者 柿﨑 淳一

 

◎組織体制
代表取締役社長を健康経営責任者とする組織体制を構築している。

(同社ウェブサイトより)

 

◎健康経営における主な取り組み

NIPPON ITチャリティ駅伝への参加

ラジオ体操の実施

ウォークレース

社員・家族参加のイベントを開催

人事制度改定

テレワークの実施

 

◎指標と実績
健康経営を推進するため、様々な指標を管理している。

(同社ウェブサイトより)

 

<福利厚生>
各種社会保険に加え、従業員持株会制度、財形貯蓄制度、確定拠出年金制度などを運営している。
休日休暇、休業制度についても、通常の制度に加え、ヘルパー休暇、アニバーサリー休暇(年間1日)、リフレッシュ休暇(年間7日) など同社グループ独自の制度も運営している。

 

【3‐4 「ビジネスモデル&イノベーション」課題におけるマテリアリティ:デジタル技術による新しいビジネスモデルの展開】

デジタル技術を使い、これまでにないビジネスモデルを提供し、顧客の競争力維持・強化を支援する。

 

 

<主な取り組み>
・市場の変化を捉えた製品やサービスのライフサイクル最適化やデジタル技術を用いた価値創造を模索していく。
・ビジネスモデルの強靭性を強化するために、主力製品ZeeMにおいて、オンプレミスからクラウドへ、ライセンスの一括販売からサブスクリプションへといったビジネスモデルの変更を進める。
・実現のカギとなる人財確保について、新卒採用は毎年30名前後を採用する。
・若手向けキャリア育成「Growing」:新卒3年目までの人財によるプロジェクトマネジメントを体験する「仮想プロジェクト」を実施する。

 

<サプライチェーンマネジメント>
ベトナム企業とのアライアンスを通じてオフショア開発の積極的に活用していく。
得意分野の異なる複数の企業と連携し、様々な開発領域に対応する。

 

また、不当な取引や不正競争行為、優越的地位の濫用を禁止し、健全な競争と公正な取引を通じて、顧客や調達先企業との適切なパートナーシップを築いている。

 

<クレオユーザー会の運営>
「共創」を理念とし、ユーザーと共にイノベーションを創出することを目的として「クレオユーザー会(CUG)」を運営している。
様々な業務課題をテーマに、最新のテクノロジーに関するナレッジや同業他社のノウハウを共有する機会を作ることで、ユーザーが自社のイノベーション創出のヒントを得てもらうことを目指す。
「オープンイノベーション」の場として、分科会活動とフォーラム活動を実施している。

 

各部門別に最新のテクノロジーや業務課題をテーマとした分科会活動では、情報交換の場として、有識者・専門家を招いたカンファレンス、ユーザー同士によるディスカッション、同業他社の解決事例の共有などを、業務やビジネスに関する新たな情報提供を行うフォーラム活動では、有識者を招いたセミナー、業務担当者向けの勉強会、同業他社との交流、経営層の交流や勉強会などを実施している。
いずれも、「経営革新」と「業務改善」に向けたノウハウやヒントなど、有益なナレッジの共有を目的としている。

 

【3‐5 「リスク管理・ガバナンス」課題におけるマテリアリティ:コーポレートガバナンスの高度化】

経営環境への迅速な対応や経営の透明性を向上させるガバナンス体制の構築に努めている。

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外3名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2023年12月5日)
基本的な考え方
当社はクレオグループの企業理念を踏まえ、誠実・真摯な姿勢で株主、お客様、従業員、事業パートナーなどステークホルダーに対する責任を果たし、透明性の高い経営を行います。コーポレートガバナンス・コードの主旨に則り、経営の更なる効率化および透明性の向上、業務執行の監督機能の一層の強化により、クレオグループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>

原則

実施しない理由

【原則1-2④ 招集通知の英訳・議決権

電子行使プラットフォームの利用】

当社では、機関投資家や海外投資家の比率が高くないため、議決権の電子行使や招集通知の英訳を行っておりません。当社の機関投資家や海外投資家の比率が20%を超えた場合には、費用等を勘案の上、招集通知の英訳や議決権の電子行使採用の是非を検討してまいります。

【原則4-8 独立社外取締役の有効な

活用】

当社では、豊富な経験や幅広い見識を有し、当社の主要株主からの独立性も十分に確保された独立社外取締役を1名選任しております。独立社外取締役は、取締役会において求められる役割・責務を十分果たしておりますが、今後のガバナンス体制のさらなる強化を目的として必要に応じて独立社外取締役を増員するなど、適正な体制構築について議論を進めてまいります。

【原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表】

当社は、2023年3月期を最終年度とした3ヵ年の中期経営計画において連結売上高、連結営業利益、連結営業利益率の目標を開示しております。

資本コストを踏まえた事業構造や経営資源の配分の見直しにつきましては継続的に議論を進めており、適切なタイミングで開示することを予定しております。

投資においては、人的資本への投資を最重要と考え、採用の強化ならびに、研修などを通じた人財育成の強化に努めております。また、設備投資・研究開発などについてはリスクを考慮するとともに、当該投資が全社事業戦略に合致しているかを検証し、適切な経営資源の配分を考慮しております。

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(検討中)】

当社は資本コストや株価を意識した経営の実現へ向けた対応として、資本コストや資本収益性の的確な把握に向け現状の分析を進めております。進捗の開示につきましては適宜行っていく予定です。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

原則

開示している主な原則

【原則1-4 政策保有株式】

当社は、株価変動によるリスク回避及び資産効率向上の観点から、投資先との事業上の関係や当社との協業に必要がある場合を除き、これを保有しない方針としております。なお、政策保有株式の議決権行使につきましては、中長期的な企業価値向上に資するかなどを総合的に確認の上、適切に対応することとしております。

【原則2-4① 中核人材の登用等に

おける多様性の確保】

当社は、人財を最重要資産と捉え、中長期的に多様な人財が活躍できることを目指しており、管理職においても、性別、国籍、中途採用・新卒採用の区別なく、能力や適性を最大限発揮できるよう総合的に勘案した登用をしております。外国人、中途採用者については事業戦略に必要となる職種の人財を国籍を問わず経験・能力等に基づいた採用を実施しており、管理職への登用に特化した目標設定を行う状況にないと認識しております。女性管理職につきましては、2023年3月期時点の「女性管理職比率」は8.0%ですが、将来的に10%以上を目指しております。今後も引き続き、国籍および中途採用・新卒採用を問わず、幅広く企業価値向上に資する人財の積極的な登用を進めてまいります。

【原則3-1 情報開示の充実】

(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画

当社の経営理念、経営戦略については、当社のWebサイト(https://www.creo.co.jp/)に掲載しております。

 

企業理念・行動指針

https://www.creo.co.jp/corporate/concept/

中期経営計画(2020年度~2022年度)

https://www.creo.co.jp/news/p20200521-6/

 

(ⅱ)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針

当社のコーポレートガバナンスに関する基本方針については、本報告書の「Ⅰ.1.基本的な考え方」に記載のとおりです。

 

(ⅲ)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続

当社取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続きにつきましては、本報告書の「Ⅱ.1.【取締役報酬関係】報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容」に記載の通りです。

 

(ⅳ)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続

経営陣幹部の選解任および取締役・監査役候補者の指名につきましては、業務執行の監督や重要な意思決定を行うために必要な各分野に関する専門性、多様な経験、高度な能力を考慮し、知識・経験・能力のバランスや多様性を考慮する方針としております。当該方針に基づき、取締役候補者は取締役会において決定し、監査役候補者については監査役会の同意を得たうえで、取締役会で決定しております。なお、取締役の職務執行に不正又は重大な法令若しくは定款違反等があった場合には、当該取締役の役位の解職その他の処分又は株主総会への解任議案の提出について、取締役会において審議のうえ、決定することとしております。

 

(ⅴ)個々の選解任・指名についての説明

個々の取締役の選解任理由は、株主総会参考書類において開示しております。

【補充原則3-1③ サステナビリティに

ついての取組み】

当社は、2021年よりサステナビリティ方針及びESG情報の整理を行い、経営において優先して取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、我々が提供しているサービスや活動との紐づけを行いました。その後は各サービスや活動の分析による具体的な目標の設定やガバナンス体制の強化などの取組を推進しております。

人的資本への投資については、採用の強化に努めるとともに、研修などを通じて人財育成に努めております。また、設備投資・研究開発などの投資についてはその投資のリスクや全社事業戦略へ合致しているかの検証を行い適切な投資に努めております。なお最新の情報につきましては、以下のWebサイトにて開示してまいります。

サステナビリティ方針・ESG情報サイト

https://www.creo.co.jp/corporate/sustainability/

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、当社が相当と認める範囲及び手段によって、適切な情報開示と透明性を確保する観点から株主との建設的な対話を促進するための体制整備及び取組み等に関する基本方針を定め、株主との建設的な対話を行うこととします。これを実現するため、以下を実施してまいります。

(1) 株主との対話全般については、管理部門の役員を責任者として決算説明会等様々な取組みを通じて、内容、機会の充実を図る。

(2) 対話をサポートするIR担当部署は、IRを行う内容に応じてその詳細な情報を有する各関連部門等と事前に十分な情報交換を実施する等の連携を図り、株主との対話の充実に向けて積極的なIR活動に取組む。

(3) 当社の事業およびその戦略等の情報提供については、決算説明会の他、必要に応じて投資家向け説明会等を開催または参加することにより、積極的に推進する。

(4) IR活動によって得られた株主等からの意見や要望等については、管掌役員から経営会議及び取締役会にフィードバックする。

(5) インサイダー情報については、社内のインサイダー規程に基づき、情報管理の徹底を図る。

(6) 株主・投資家との対話に際して、一部の特定者に重要情報を選択的に開示することがないよう、フェアディスクロージャールールを遵守し、重要情報の管理を徹底する。

 

4.財務・非財務データ

(1)財務データ

◎BS/PL

 

2019/3期

2020/3期

2021/3期

2022/3期

2023/3期

売上高

13,526

14,624

14,745

14,784

14,689

経常利益

706

1,095

1,195

1,107

911

当期純利益

664

731

776

657

487

EPS(円)

80.05

88.49

94.90

80.28

60.99

ROE(%)

12.0

12.2

12.2

9.6

7.0

総資産

8,433

8,968

9,336

9,777

9,748

純資産

5,861

6,158

6,642

6,997

6,904

自己資本比率(%)

69.0

68.5

71.1

71.6

70.8

*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。

 

◎CF

 

2019/3期

2020/3期

2021/3期

2022/3期

2023/3期

営業CF

900

889

494

1,110

515

投資CF

-236

-354

-399

-389

-350

フリーCF

664

535

95

721

165

財務CF

-135

-418

-296

-330

-571

現金・現金同等物

4,012

4,128

3,927

4,317

3,910

*単位:百万円

 

(2)非財務データ

①社会資本関連

 

2021/3期

2022/3期

2023/3期

株主数(名)

1,949

4,683

5,851

*単位未満株主数を含んだ総株主数

 

②人的資本関連
◎基本データ

 

2021/3期

2022/3期

2023/3期

従業員数(連結)

1,196

1,204

1,218

従業員数(単体)

499

505

498

非正社員数

99

103

192

*単位:名

 

◎採用、ダイバーシティ関連

 

2021/3期

2022/3期

2023/3期

新卒採用の女性比率

38.8%

54.9%

45.7%

中途採用者比率

44.7%

23.4%

37.4%

障がい者雇用比率

1.64%

1.65%

1.42%

外国人比率

0.92%

1.33%

0.93%

従業員離職率

8.1%

8.2%

9.5%

 

◎教育関連

 

2021/3期

2022/3期

2023/3期

従業員一人当たりの研修費用

59,085円

55,443円

60,906円

 

③ガバナンス関連

 

2021/3期

2022/3期

2023/3期

取締役数

6

6

6

うち男性

6

6

6

うち女性

0

0

0

社外取締役数

3

3

3

外国籍取締役数

0

0

0

執行役員数

6

7

5

うち男性

6

7

5

うち女性

0

0

0

外国籍執行役員数

0

0

0

監査役数

3

3

3

うち男性

3

3

3

うち女性

0

0

0

外国籍監査役数

0

0

0

*単位:名

 

<参考>
ESG Bridge Reportの発行に際しては、柳 良平氏(京都大学経済学博士、早稲田大学大学院会計研究科客員教授)に多大なご協力を頂いた。
この「参考」のパートでは、ESG Bridge Report発行の趣旨についても述べさせていただくとともに、同氏の提唱する「柳モデル」の概要を同氏の著作「CFOポリシー第2版」から引用する形で紹介する。

 

(1)ESG Bridge Reportについて

ESG投資がメインストリーム化する中で、投資家からは日本企業に対し積極的なESG情報開示が求められ、これに呼応する形で統合報告書作成企業数は増加傾向にあります。
ただ、統合報告書の作成にあたっては経営トップの理解・関与が不可欠であることに加え、人的リソースおよび予算負担から多くの企業が踏み出すことができていないのが現状です。
また、統合報告書の作成にあたっては各種データの整理、マテリアリティの特定、指標や目標値の設定など多くのステップが必要ですが、現状の準備不足のために二の足を踏んでいるケースも多いようです。

 

しかし、柳氏が「CFOポリシー第2版」で、「日本企業が潜在的なESGの価値を顕在化すれば、少なくとも英国並みのPBR2倍の国になれるのではないだろうか」「柳モデルの実現により日本企業の企業価値は倍増でき、それは投資や雇用、年金リターンの改善を経由して国富の最大化に資する蓋然性が高い」と述べているように、日本企業のESG情報提供は、日本全体にとっても有意で積極的に推進すべき事項であると株式会社インベストメントブリッジは考えています。

 

そこで、一気には統合報告書作成には踏み出せないものの、ESG情報開示の必要性を強く認識している企業向けに、現時点で保有するデータやリソースをベースに、投資家が必要とするESG情報開示に少しでも近づけるべく、弊社がご協力して作成しているのが「ESG Bridge Report」です。
日本企業のESG情報開示を積極的に後押ししている日本取引所グループが発行している「ESG情報開示実践ハンドブック」のP6には「ここで紹介している要素が全て完璧にできていないと情報開示ができないということでもない。自社の状況を踏まえてできるところから着手し、ESG情報の開示を始めることで、投資家との対話が始まり、そこから更なる取り組みを進めていく際に、本ハンドブックが手がかりになることを期待している」とありますが、「ESG Bridge Report」は、まさに「できるところから着手し、ESG情報の開示を始める」ためのツールであると考えています。

 

柳氏によれば「柳モデル」の本格的な展開のためには、ESGと企業価値の正の相関を示唆する実証研究の積み上げ、企業の社会的貢献が長期的な経済価値に貢献する具体的事例の開示などが必要とあり、実際のハードルは高いのですが、各企業のESGへの取り組みがいかにして企業価値向上に繋がっているかをわかりやすくお伝えしたいと考えています。

 

お読みいただいた多くの投資家からのフィードバックを基に、よりクオリティの高いレポートへと改善してまいりますので、是非忌憚のないご意見を賜りたいと存じます。

 

株式会社インベストメントブリッジ
代表取締役会長 保阪 薫
k-hosaka@cyber-ir.co.jp

 

(2)「柳モデル」について

(拡大する非財務資本の価値、ESG投資の急増、ESGと企業価値をつなぐ概念フレーム策定)
近年、多数の実証研究において企業価値評価における非財務情報の重要性拡大が証明されており、今や、企業価値の約8割は見えない価値(無形資産)、非財務資本の価値と推察される。
加えて、非財務情報と企業価値の関係を調べた多数の実証研究の結果から、ESGと企業価値は正の相関を持つ蓋然性があると考えられる。
一方、グローバルにESG投資のメインストリーム化が進む中、潜在的なESGの価値にもかかわらず多くのケースでPBRが1倍割れもしくは低位に留まる日本企業は、PBR上昇のために「柳モデル」により、非財務資本を将来の財務資本へと転換すること、つまりESGと企業価値をつなぐ概念フレームを策定して開示する必要がある。

 

(「柳モデル」の概要)
株主価値のうち、「PBR1倍相当の部分」にあたる株主資本簿価は現在の財務資本・財務価値により構成される。
一方、株主価値のうち「PBR1倍超の部分」にあたる市場付加価値は、(将来の財務資本ともいえる)非財務資本により構成されると同時に、残余利益モデルにおいてはエクイティス・プレッド(ROE-株主資本コスト)の金額流列の現在価値の総和でもある。
このことから柳氏は、非財務戦略の結論として「非財務資本とエクイティ・スプレッドの同期化モデル」=「柳モデル」を、ESGと企業価値を同期化する概念フレームワークとして提案している。

 

「柳モデル」においては、「市場価値(MVA)」を通じて残余利益の現在価値の総和としてのエクイティ・スプレッドと非財務資本が相互補完的である、つまり、エクイティ・スプレッドによる価値創造はESGを始めとする非財務資本の価値と市場付加価値創造を経由し、遅延して長期的には整合性を持つ。
そのため、ESG経営は資本効率を求める長期投資家とは市場付加価値を経由して同期化でき、協働が可能であろう。
これを傍証するように、柳氏が実施した投資家サーベイにおいては、世界の投資家の大多数が「ESGとROEの価値関連性を説明してほしい」と要望していると同時に、「ESGの価値の100%あるいは相当部分をPBRに織り込む」と回答しており、「柳モデル」は間接的にも長期投資家の大半から支持されていると解釈できよう。
(同氏の「柳モデル」の詳細については、柳良平著「CFOポリシー第2版」中央経済社(2020)
をご参照されたい。

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解はインベストメントブリッジが公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、インベストメントブリッジが信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

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