ブリッジレポート:(4317)レイ 2026年2月期第1四半期決算
![]() 分部 至郎 社長 | 株式会社レイ(4317) |
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企業情報
市場 | 東証スタンダード市場 |
業種 | サービス業 |
代表取締役社長 | 分部 至郎 |
所在地 | 東京都港区六本木 6-15-21ハークス六本木ビル |
決算月 | 2月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数 | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
511円 | 14,328,976株 | 7,322百万円 | 11.2% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
15.00円 | 2.9% | 52.31円 | 9.8倍 | 505.96円 | 1.0倍 |
*株価は7/23終値。発行済株式数は直近短信記載の発行済株式数(自己株式を含む)。
*時価総額は7/23終値×発行済株式数。2026年2月期第1四半期決算短信及び2025年2月期決算短信より。
業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | DPS |
2022年2月(実) | 11,051 | 929 | 1,030 | 419 | 29.27 | 10.00 |
2023年2月(実) | 12,450 | 1,398 | 1,401 | 715 | 49.94 | 15.00 |
2024年2月(実) | 11,222 | 1,152 | 1,311 | 818 | 57.30 | 15.00 |
2025年2月(実) | 10,456 | 927 | 1,050 | 745 | 54.09 | 15.00 |
2026年2月(予) | 12,000 | 900 | 1,000 | 700 | 52.31 | 15.00 |
*単位:百万円。予想は会社予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。
レイの2026年2月期第1四半期決算の概要と2026年2月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2026年2月期第1四半期決算概要
3.2026年2月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 26/2期1Qは前年同期比38.6%増収、303.7%営業増益。エンターテインメント関連市場は、引き続きコンサート・舞台等が活発に開催されている。広告ソリューション事業テクニカルソリューション事業とも大幅な増収となった。利益面では売上総利益率が大きく向上、販管費の増加を抑え、営業利益率は前年同期5.2%から15.2%へ大幅に改善した。両事業とも損益が大幅に改善している。大型コンサートや展示会を中心に映像機材の稼働が牽引する形で売上高・各利益とも会社の当初想定を上回った。
- 通期予想は修正なく26/2期は売上高が前期比14.8%増の120億円、営業利益は同3.0%減の9億円を計画する。広告ソリューション事業の改善やエンターテインメント関連市場の引き続き堅調な推移を見込む。ただし、物価高の影響による人件費や外注単価の上昇や経費の増加により営業利益は前期比微減となる見通し。なお、上期予想については売上・利益とも上方修正している。配当は、前期と同じ15.00円/株の期末配当を予定。
- 1Qは大幅な増収増益。ロケットスタートとなり、上期予想を大幅に上方修正した。前回レポートで指摘したとおり、上期からの好スタートが現実化しそうだ。ただし、大阪万博案件において前倒しで売上計上できたものなどがあったことは考慮すべきであろう。それでも、秋のイベントシーズンを前に予想に対する進捗がかなり進んでおり、特に通期会社予想はかなりの余力を残しているだろう。上期の上方修正で株価は反応したものの、依然として保守的な予想に対してPERは低位にとどまっている。自社株買いにも積極的に取り組んでいるが、財務体質は良好なだけに今後の株主還元の動向にも注目していきたい。
1.会社概要
デジタル映像制作が主力事業。セールスプロモーション(SP)やテレビコマーシャル(TVCM)等の、企画、制作、プロモーション、更にはイベントまでをカバー。ポストプロダクション(編集スタジオ)機能や映像機器を保有し、実制作部隊を備える事で、顧客ニーズに合った総合的な提案やサービスができる事が強み。グループは、同社と(株)クレイ、(株)マックレイの連結子会社2社、および持分法適用関連会社に(株)プラスゼロ。
【経営理念】
・ 会社はステージ、社員をアクター、経営者を演出家、そしてお客様と株主の皆様は観客と置き換えることができると考えております。
・ 最先端のステージ(会社)で、アクター(社員)、演出家(経営者)全員がそれぞれプロ意識に徹し、十分にその実力を発揮し、多くの観客(お客様と株主の皆様)から拍手をいただくことは大変素晴らしく、当社グループの理想とするところです。
・ 当社グループは、その理想の下、常に会社組織や投資機材の一層の拡充、最先端化と、全社員の絶え間ない質的向上を経営の基本方針としております。
21世紀前半はデジタルとネットワークの時代。同時に、経済・社会の大きなうねりの中でさまざまな価値が見直され、物から人へ価値観が移る心の時代でもあると言われている。同社はパソコンの時代と共に生まれ、パソコンの時代と共に成長してきた。大学のクラブ活動として始めたホログラフィ、その発展としてのレーザーによるディスプレイやパソコンのホビーとしての応用に関する研究活動は、最新の技術革新をどのように活用していくかというような課題を通じて、常にチャレンジする精神を同社に植え付けた。同社では不断のイノベーションを遺伝子と捉えている。
同社は、小さなベンチャー企業としてこういった遺伝子を育て、それまでの活動の発展として、広告、プロモーションや番組など
そして今、デジタル映像の力は映像の制作・流通工程を大きく変革しようとしている。フィルムや映写機器などがデジタルに置き換わるだけでなく、新しい技術が制作工程を変革し、さらにネットワークを通じた映像配信によるコンテンツ販売にいたるまでの流れを作り出し、同社の業界を劇的に変化させている。
【経営戦略】
優れたデジタル映像演出技術および最先端のデジタル映像制作技術をもとに、それが活かせる市場機会の発見と俊敏な取り組みを行い、市場から得られたリターンを再び高度な目利きをもって最新技術に投資する。この不断のイノベーションが同社の経営戦略。そのために必要不可欠な事項は次の四点。
①日進月歩する新技術から、新たな独自価値を創造できる高度な技術力
②急変する市場において、正しく価値を表現できる高度なプロデュース力
③魅力的な新技術、手法、アイデアを的確に捉える高度な目利きの能力
④高度な人材の育成と、魅力ある労働環境の整備
これら能力を常に高めるよう不断の努力を続け、顧客と株主により大きな喜びと感動を提供していく考え。
インバウンド需要の高まりを受けた企業の好調などを受けて、交通・レジャーや飲食など、様々な分野で広告需要が高まっている。プロモーションメディア広告費は徐々に回復し、コロナ禍前の76%程度に戻りつつある。また、AIや縦型動画広告、コネクテッドTVの利用も盛んになるなどインターネット広告費が、広告費全体の伸び率をけん引している。
同社で需要が大きくなっているエンターテインメントに力を入れるとともに、AIを始めとする先進的なデジタルの技術を活用し、顧客ニーズや課題から最適な企画・制作をすることで、リアルとデジタルの両面から要望に応えることを目指している。
人材不足の中、労働環境の改善、技術教育、積極的な人材雇用を行うことで、今後も質の高いサービスの提供を目指す。
【事業セグメント】
事業は、SPやTVCM等の企画制作を行う広告ソリューション事業と、保有する各種映像インフラを活用した実制作やデジタル映像機材のレンタルを行うテクニカルソリューション事業に分かれる。同社グループは、企画制作領域と実制作領域をカバーする事で一貫したサービスを提供できる事が強みだ。
25/2期の売上構成比は、それぞれ41.6%、58.4%。連結調整前営業利益の構成比は、それぞれ7.4%、92.6%。
広告ソリューション事業
顧客の販売戦略に対し、キャンペーンやイベント、展示会、TVCM等の企画制作をもって、総合的に顧客の要望に応える事業。広告代理店や一般企業の広告部門を主な取引先とする。SP、展示会、キャンペーン、博覧会等各種イベント、ショールーム、展示施設等の企画制作を行うSP・イベント部門と、TVCMやビジネスプロモーション映像等の企画制作を行うTVCM部門に分かれ、同社と(株)クレイが事業を手掛けている。人的パワーが中心となるビジネス。
尚、広告の制作は、クライアント及び広告代理店が方向性や戦略を決定し、企画・制作会社戦略に基づいて詳細な実施計画を立案し、実制作作業を各種業者に発注する。制作実施を担当するテクニカルソリューション事業を持つことにより、技術的な側面の提案や本番実施日での細心なケアをできることが、同事業のセールスポイント。上場同業社としては、SP・イベント部門でテー・オー・ダブリュー(4767)、TVCM部門で東北新社(2329)を挙げる事ができる。
SP・イベント部門 (コミュニケーションデザインユニット) (関西ユニット) | TVCM部門 (クリエイティブデザインユニット) (関西ユニット) |
・各種プロモーション、イベント等の企画制作 ・展示会、博覧会、ショールーム等の企画制作 ・デザイン、プレミアム商品、印刷物等の企画制作 ・デジタルプロモーションの企画制作 | ・TVCM等の企画制作 ・通販番組を含むダイレクト広告の企画制作 ・ミュージックPV等の企画制作 ・イベント、ショールーム等の映像の企画制作 |
テクニカルソリューション事業
広告ソリューション事業が提案する企画制作を実現する事業。デジタル映像編集スタジオを保有し、撮影から加工までの一貫した制作基盤と、各種催事に使用するデジタル映像機材のレンタルをおこなう映像関連インフラを持つ事業体。広告ソリューション事業と同じく請負だが、設備の償却負担がコストに占める割合が大きく、各種機材の稼働率が利益面での課題となる。主に制作会社から受注している。各種制作プロダクションやエンターテインメントの主催者等を主な取引先とする。25/2期はグループ外への売上が全体の91%を占め、広告ソリューション事業向けの社内売上は9%。イベント、展示会、コンサート、学会、会議等において映像システム、特殊演出システム、ビジネスプレゼンテーション機器等のレンタル・オペレーションサービスを行う映像機器レンタル部門と、デジタル映像を中心に各種映像(TVCM・番組等)の編集及びDVD・ブルーレイディスク・CG制作等を行うポストプロダクション部門に分かれている。機材と人的パワーが中心となるビジネス。広告ソリューション事業と同じく請負事業で、主に制作会社から受注しているが、設備の償却負担がコストに占める割合が大きく、各種機材の稼働率が利益面での課題となる。
企業、テレビ局、映画会社及び広告代理店は、方向性や戦略を決定し、企画・制作会社へ発注する。企画・制作会社は戦略に基づいて詳細な実施計画を立案し、実制作作業を各種業者に発注する。同社グループには、TVCM等の企画を立案する広告ソリューション事業があり、実際に映像編集を行う同社のクリエイターは、顧客の要望に細心のケアをもって対応できることが特徴。上場同業社としては、映像機器レンタル部門でヒビノ(2469)、ポストプロダクション部門でIMAGICA GROUP(6879)を挙げる事ができる。
映像機器レンタル部門 (ショーテクニカルユニット) | ポストプロダクション部門(マックレイユニット) |
・コンサート等の大型映像機器のレンタル、オペレーション ・ライブ中継、撮影、ネットワーク配信 ・展示会や発表会等の大型映像機器のレンタル、オペレーション ・ショールーム等への映像機器販売および運営サポート | ・CM、TV番組等の映像デジタル編集、MA(ミュージックオーディオ)制作 ・CM等の撮影、デジタルアーカイブ ・CG、各種映像制作の技術サポート ・アニメ・番組等の制作業務 ・Blu-ray / DVDのオーサリング、制作全般 |
【主なビジネスフィールド】
広告フィールドに軸足を置いて事業を展開しているため、大手広告代理店向けの売上(直接及び制作会社経由の間接)が多いものの(広告代理店との取引は大手広告代理店のみ)、かつては6割を占めていたが現在は3-4割程度。代わって大手企業からの直接受注などの構成比が増加している。今後も深耕と領域拡大で大手広告代理店向けビジネスを拡大させつつ、一般企業等の広告主からの直接受注やMICE関連ビジネスの売上構成比を引き上げていく考え。
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※MICE
企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨(Incentive)、国際機関・団体、学会が行う国際会議(Convention)、及び展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとったもの。多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。
(同社HPより)
【強み ワンパッケージサービス】
同社の強みは、制作領域と技術領域を持つ事で、映像、イベント、クリエイティブ、そしてプロモーションという4つの異なる領域をカバーし、顧客ニーズに合った総合的な提案ができる事。広告ソリューションで培ってきた企画制作力と、 IT・デジタル・映像を強みとしたテクニカルソリューションを駆使して、顧客の様々なニーズに、どの立ち位置からでも、どの段階からでも柔軟にサポートしていく。
発想し、共創し、実装する。
デジタルとリアルが密接に関わりあう時代。デジタルだけでも、リアルだけでもない、境界を越えたコミュニケーションが求められる。ひとりの発想を、チームで力強いクリエイティブへと共創し、プロモーションに実装させていくことで、これからの時代の新しい体験価値を提供していく。
2.2026年2月期第1四半期決算概要
(1)連結業績
| 25/2期 1Q | 構成比 | 26/2期 1Q | 構成比 | 前年同期比 |
売上高 | 2,322 | 100.0% | 3,217 | 100.0% | +38.6% |
売上総利益 | 778 | 33.5% | 1,263 | 39.3% | +62.2% |
販管費 | 657 | 28.3% | 772 | 24.0% | +17.5% |
営業利益 | 121 | 5.2% | 490 | 15.2% | +303.7% |
経常利益 | 162 | 7.0% | 520 | 16.2% | +221.3% |
四半期純利益 | 113 | 4.9% | 364 | 11.3% | +220.4% |
*単位:百万円
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
前年同期比38.6%の増収、303.7%の営業増益
売上高は前年同期比38.6%増の32億17百万円。24年の国内総広告費は前年比4.9%増。国内経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される。ただし、米国の通商政策の影響や物価上昇の継続が景気を下押しするリスクや、資本市場の変動等の影響による懸念もあり、先行きは不透明な状況。こうした中、同社事業の市場であるエンターテインメント関連市場は、引き続きコンサート・舞台等が活発に開催されている。広告ソリューション事業テクニカルソリューション事業とも大幅な増収となった。
営業利益は前年同期比303.7%増の4億90百万円。売上総利益率は前期33.5%から39.3%へ大きく向上、販管費の増加を抑え、営業利益率は前年同期5.2%から15.2%へ大幅に改善した。セグメント別には、テクニカルソリューション事業、広告ソリューション事業とも損益が大幅に改善している。営業外では持分法投資利益の減少はあったが、経常利益は前年同期比221.3%増の5億20百万円。税負担は増加して親会社株主に帰属する四半期純利益は同220.4%増の3億64百万円となった。
大型コンサートや展示会を中心に映像機材の稼働が牽引する形で売上高・各利益とも会社の当初想定を上回った。
売上高、営業利益の四半期毎の推移は以下の通り。例年低調に始まることの多い1Q(3-5月)だが、26/2期については売上・利益とも比較的高い水準で始まっている。直近では、例年と違い売上高・営業利益とも25/2期2Q(6-8月)をボトムに徐々に伸びている。26/2期1Qは、開催終了後の売上計上を想定していた大阪万博案件のいくつかにおいて、納品済みの部分について検収が完了して売上計上できたものや、期間中の作業分について都度売上計上予定になり、当初想定より売上時期が繰り上がったものがあった。

(2)セグメント別動向
| 25/2期 1Q | 構成比 | 26/2期 1Q | 構成比 | 前年同期比 |
広告ソリューション | 886 | 38.2% | 1,373 | 42.7% | +54.9% |
テクニカルソリューション | 1,435 | 61.8% | 1,844 | 57.3% | +28.5% |
連結売上高 | 2,322 | 100.0% | 3,217 | 100.0% | +38.6% |
広告ソリューション | -14 | - | 116 | 8.5% | - |
テクニカルソリューション | 298 | 20.8% | 535 | 29.0% | +79.5% |
調整額 | -162 | - | -161 | - | - |
連結営業利益 | 121 | 5.2% | 490 | 15.2% | +303.7% |
*単位:百万円
*セグメント利益の構成比にはセグメントごとの利益率を表記。連結営業利益の構成比には連結営業利益率を表記。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
広告ソリューション事業
売上高13億73百万円(前年同期比54.9%増)、営業利益1億16百万円(前年同期は14百万円の損失)。
SP・イベント部門においては、前年は大型案件が受注不足となったため低調な結果となった。しかし、各種営業施策の効果もあり業績はやや改善した。またTVCM部門の業績は順調に推移した。
テクニカルソリューション事業
売上高18億44百万円(前年同期比28.5%増)、営業利益5億35百万円(同79.5%増)。
映像機器レンタル部門は、大型映像機械の稼働する展示会・コンサート等の実施があり、業績は好調に推移した。ポストプロダクション部門においても、前期に増床した編集室の効果もあり、スタジオの稼働率が伸びて業績は堅調に推移した。
(3)財政状態
財政状態
| 25年2月 | 25年5月 |
| 25年2月 | 25年5月 |
現預金 | 2,867 | 2,976 | 仕入債務 | 594 | 669 |
売上債権 | 1,918 | 1,560 | 未払法人税・消費税等 | 254 | 294 |
たな卸資産 | 423 | 426 | 未払金・未払費用 | 328 | 313 |
流動資産 | 5,356 | 5,453 | 賞与引当金 | 241 | 177 |
有形固定資産 | 3,138 | 3,097 | 有利子負債(うちリース債務) | 769(169) | 748(148) |
無形固定資産 | 12 | 12 | 負債合計 | 2,325 | 2,432 |
投資その他 | 613 | 714 | 株主資本 | 6,795 | 6,848 |
固定資産 | 3,764 | 3,824 | 純資産合計 | 6,795 | 6,845 |
資産合計 | 9,120 | 9,277 | 負債・純資産合計 | 9,120 | 9,277 |
*単位:百万円

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
1Q末の総資産は、現預金の増加などにより前期末比1億56百万円増加し、92億77百万円となった。
負債合計は預り金の増加などにより前期末比1億6百万円増加し、24億32百万円となった。
純資産合計は四半期純利益の計上などにより前期末比50百万円増加し、68億45百万円となった。
自己資本比率は73.8%となった(前期末74.5%)。
3.2026年2月期業績予想
連結業績
| 25/2期 実績 | 構成比 | 26/2期 予想 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 10,456 | 100.0% | 12,000 | 100.0% | +14.8% |
営業利益 | 927 | 8.9% | 900 | 7.5% | -3.0% |
経常利益 | 1,050 | 10.0% | 1,000 | 8.3% | -4.8% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 745 | 7.1% | 700 | 5.8% | -6.1% |
*単位:百万円
前期比14.8%の増収、3.0%営業減益を見込む、上期予想を上方修正
通期予想は修正なし。26/2期は売上高が前期比14.8%増の120億円、営業利益は同3.0%減の9億円を計画する。25/2期は低調に推移した広告ソリューション事業の改善やエンターテインメント関連市場の引き続き堅調な推移を見込む。期中には大阪・関西万博やジャパンモビリティーショーもある。展示会ももどりつつあることから増収を見込む。ただし、昨今の物価高の影響による人件費や外注単価の上昇、将来の機材投資を円滑に実施するための倉庫増床を目的とした移転費用による経費の増加により営業利益は前期比微減となる見通し。
ただし、上期予想については下表の通り大きく上方修正している。
大型コンサート・展示会を中心とした映像機材の活発な稼働がけん引する形で、1Qの売上高・各利益が当初想定を上回った。 また、開催終了(25年10月)後の売上計上を想定していた大阪万博案件のいくつかにおいて、納品済みの部分について検収が完了し売上計上できたものや、期間中の作業分について都度売上計上予定になり、当初想定より売上時期が繰り上がったものがあったため。
| 25/2期 上期 実績 | 構成比 | 26/2期 上期 予想 | 構成比 | 前年同期比 | 期初 予想 |
売上高 | 4,513 | 100.0% | 5,600 | 100.0% | +24.1% | 5,200 |
営業利益 | 172 | 3.8% | 500 | 8.9% | +190.0% | 240 |
経常利益 | 236 | 5.2% | 540 | 9.6% | +128.0% | 270 |
親会社株主に帰属する 中間純利益 | 169 | 3.8% | 375 | 6.7% | +121.6% | 180 |
配当修正なく、前期と同じ15.00円/株の期末配当を予定。
4.今後の注目点
1Qは大幅な増収増益。ロケットスタートとなり、上期予想を大幅に上方修正した。前回レポートで指摘したとおり、上期からの好スタートが現実化しそうだ。ただし、大阪万博案件において前倒しで売上計上できたものなどがあったことは考慮すべきであろう。それでも、秋のイベントシーズンを前に予想に対する進捗がかなり進んでおり、特に通期会社予想はかなりの余力を残しているだろう。
上期の上方修正で株価は反応したものの、依然として保守的な予想に対してPERは低位にとどまっている。自社株買いにも積極的に取り組んでいるが、財務体質は良好なだけに今後の株主還元の動向にも注目していきたい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 5名、うち社外1名 |
監査役 | 3名、うち社外2名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
更新日:2025年5月30日
<基本的な考え方>
当社は、株主をはじめとした全てのステークホルダーの皆様の信頼に応え、継続的な企業価値の向上と健全で透明性が高く、環境の変化に柔軟に対応できる経営を重要な課題と位置付け、経営効率の更なる向上を図りつつ、業務遂行の意思決定機関である取締役会、経営会議の充実、コンプライアンス遵守等、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取組みを推進しております。また、企業活動の展開にあたり、法令を遵守し、社会倫理に従って行動するという観点から、当社グループの役員及び従業員の基本的な行動の規範を定めた「レイグループ行動規範」を策定し、役員、従業員に遵守、徹底を図っております。
【コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)】
【補充原則 1-2-4.議決権の電子公使のための環境作り、招集通知の英訳】インターネットによる議決権行使は、当社は株主数が多くないため、郵送、出席により十分な議決権行使が行われていると判断しており、他社の状況を踏まえ、今後検討していきます。また、招集通知の英訳については海外投資家比率及び総株主数等を踏まえて現時点では実施しておりません。今後は、海外投資家・機関投資家比率に留意しつつ、必要に応じて株主の皆様の利便性に配慮した対応を検討してまいります。
【補充原則 2-4-1.管理職への登用等における多様性の確保の考え方と自主的かつ測定可能な目標】当社では、従業員が当社の成長を支える重要な存在であるとの認識にたち、多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。上記の考えのもと当社では、管理職への登用等に当たっては、年齢、性別や社歴等では区分せず、意欲と能力のある従業員が平等に機会を得られるよう環境を整備しております。そのため、当社グループの発展に貢献できる人材の採用に注力しております。現在では、測定可能な目標はございませんが、今後検討してまいります。
【原則3-1.情報開示の充実】
(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
経営戦略、経営計画について、当社は、経済環境や経営環境の変化が激しい中、迅速かつ柔軟に最適な経営判断を行うとともに、株主、投資家の皆様に当社の経営戦略や財務状況等を正しくご理解いただくための情報開示のあり方として、対処すべき課題を明確に公表するとともに、当該期の連結業績予想を公表することとしております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針は、本報告書の「1.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その他の基本情報」に記載のとおりです。
(ⅲ)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
取締役及び監査役の報酬等は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内において、会社の業績、職務内容、職責、経済情勢等を総合的に勘案し、株主総会が決定した報酬の限度内において取締役会で決定しております。
取締役の報酬については、株主総会において決議された報酬総額の限度内において取締役会の決議により代表取締役に決定を一任しております。また、監査役の報酬については、株主総会において決議された報酬総額の限度内において監査役全員の協議により監査役会で決定しております。
(ⅳ)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補者の指名を行うに当たっては、当社の経営陣幹部または取締役・監査役として相応しい豊富な経験、高い見識、高度な専門性を有する人物を候補者とし、取締役会において決定を行います。
【補充原則 4-1-2.中長期経営計画の実現への努力と未達時対応】当社は、中期経営計画を策定し、随時その進捗状況を確認し、目標達成に向け取り組んでおります。また、中期経営計画の見直しを毎年行うローリング方式を採用しております。ローリングを行う際の初年度の単年度利益計画は、各部門の詳細な積上げにより策定しており、月別に管理し、月次決算に基づいて統制しております。しかしながら、当社は市場動向が不透明等の理由により中期的な業績予想等を公表することは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないと考えております。このため、中期的な数値目標等は公開しておりません。
【補充原則4-1-3.最高経営責任者等の後継者計画の監督】当社の取締役会は、現在、代表取締役社長の後継者の計画については、具体的な監督は実施しておりません。また、社歴や代表取締役の年齢等を踏まえ、喫緊の課題として後継者の育成計画について取締役会で具体的な議論は行っておりませんが、今後、その具体的なあり方について検討してまいります。なお、最高責任者である代表取締役については、人格・知識・経験・能力を勘案し、その時々の当社を取り巻く状況や対処すべき課題に応じて、最適と考える人物を取締役会で選定することとしております。
【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】当社では、社外監査役1名を独立役員として登録しております。独立社外取締役の選任につきましては、当社の規模、当社取締役会の規模、適切な候補者の確保の困難性等の諸事情に鑑み、現時点では選任しておりません。今後当社を取り巻く環境の変化により、独立社外取締役を増員する必要性が発生した場合には、候補者の選定を検討してまいります。
【補充原則 4-10-1.任意の諮問委員会の設置による指名・報酬などに関する独立社外取締役の関与・助言】当社は、独立取締役は選任しておりませんが、社外取締役は1名選任しており、当社事業領域に関する知見を活かして、取締役会や各取締役へ意見を述べるとともに、必要に応じて助言を行っております。任意の諮問機関としての委員会は設置しておりませんが、現時点では、取締役会の場において、社外取締役から適切な関与・助言を得られていると考えております。
【原則 5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】当社は、中期経営計画を公表しておりません。しかし、株主総会等を通じて、株主に対して、当社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する基本的方針および目標達成に向けた事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・人材投資等を含む具体的な施策を説明しております。また、事業計画については、当社の業績、社会情勢および経済情勢の変化等を踏まえ、当該計画に変更が生じた際には、株主総会等において株主に説明を行うこととしております。なお、中期経営計画も株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に立ち、取締役会において、引き続き中期経営計画の公表について検討してまいります。【補充原則 5-2-1.事業ポートフォリオに関する基本的な方針や見直しの状況】当社では、事業内容や経営戦略、経営方針等について有価証券報告書に記載しておりますが、原則5-2に記載の通り中期経営計画は公表しておらず、事業ポートフォリオの基本方針等についても説明は行っておりません。現在、経営環境等も慎重に見極めながら、経営方針や事業ポートフォリオの見直し等について取締役会で協議・検討を重ねており、当社としての方針を明確に示せるタイミングで、中期経営計画の公表についても検討してまいります。
【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づくおもな開示】
【原則 1-4.いわゆる政策保有株式】当社は、事業提携や取引関係の強化、情報収集の観点から、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断される株式を政策保有株式として保有することがあります。保有の合理性の検証にあたっては、保有目的の適正性、保有先企業との取引関係等を確認し、毎年取締役会において保有の適否を検証しております。また、同株式に係る議決権の行使は、議案が保有方針に適合するかを総合的に勘案して判断いたします。
【原則 2-6.企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】当社は、確定拠出年金制度を導入しており、アセットオーナーとして企業年金の積立金の運用に関与しておりませんが、制度の運営担当部門においては、委託先運営管理機関である証券会社や信託銀行等から情報を入手し、運用商品の選定や従業員に対する資産運用に関する教育実施等を行ってまいります。
【補充原則 4-1-1.取締役会から業務執行取締役に対する委任範囲の概要】当社は、「取締役会規程」を制定し、法令等に準拠して取締役会で審議する内容を取締役会に付議すべき事項として定めております。また、「職務権限規程」を定め、経営陣が執行できる範囲を明確にしており、組織変更等に応じて、常に見直しがなされる仕組みを構築しております。取締役会は原則毎月1回開催し、会社の重要な業務執行の決定を行うとともに業績の進捗についても論議し対策等を検討しております。
【原則 5-1.株主との建設的な対話に関する方針】当社の株主との対話については、総務部が対応して、タイムリーに情報を開示すると共に、投資家との面談の実施やメールなどによる株主・投資家からの問い合わせに対応するなどの様々な機会を通じて株主等との建設的な対話の機会を持つように努めております。当社経営方針、企業の成長戦略にかかる取組みついて理解を得るよう努めるとともに、株主等の声に耳を傾け、資本提供者等の目線からの経営分析や意見を吸収及び反映し、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでおります。
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