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(9423) 株式会社フォーバル・リアルストレート

スタンダード

ブリッジレポート:(9423)フォーバル・リアルストレート 2025年3月期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

 

芳賀 直樹 社長

株式会社フォーバル・リアルストレート(9423)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

芳賀 直樹

所在地

東京都千代田区神田神保町3-23-2 錦明ビル

決算月

3月

HP

https://www.realstraight.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

111円

24,277,800株

2,694百万円

13.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

2.80円

2.5%

4.53円

24.5倍

26.38円

4.2倍

*株価は8/5終値。予想は会社側予想。各数値は25年3月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2022年3月(実)

2,153

52

52

50

2.12

2.00

2023年3月(実)

2,975

156

156

112

4.69

2.20

2024年3月(実)

3,066

169

170

130

5.40

2.40

2025年3月(実)

3,139

126

126

86

3.57

2.60

2026年3月(予)

5,000

180

180

110

4.53

2.80

*単位:円、百万円。予想は会社予想。連結決算。

 

 

 

(株)フォーバル・リアルストレートの2025年3月期決算概要等についてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2025年3月期決算概要
3.2026年3月期業績予想
4.中期経営計画
5.芳賀社長に聞く
6.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 25年3月期は増収減益。売上高は前期比2.4%増の31億39百万円。売上の内訳は、不動産仲介等の売上高が同17.5%減の2億9百万円、内装工事及びそれに付随するサービスに関する売上高が同4.2%増の29億30百万円。営業利益は同25.2%減の1億26百万円。増収ではあったが利益率の高い不動産仲介等の減収により粗利額は同0.3%の増加にとどまり、人件費など販管費の増加(同4.4%増)を吸収できなかった。不動産仲介が想定に及ばなかったことから利益は業績予想を下回った。

     

  • 26年3月期は増収増益を予想。売上高は前期比59.2%増の50億円、営業利益は同42.4%増の1億80百万円を見込む。第一工芸社子会社化が寄与するほか、引き続き、オフィス環境関連業務の収益拡大を図るべく、不動産物件の仲介から内装工事、各種インフラの整備やオフィス機器・什器の手配までを行うオフィス移転のワンストップサービスについて取り組みを強化する。配当は、0.20円/株増配の2.80円/株を予定している。予想配当性向は57.4%。

     

  • 2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定・発表した。ワークプレイスの創造を通じて「働き方」と「場」の在り方の最適解を提供し経営課題の解決に貢献することを基本方針に、事業成長に取り組み、最終年度の28年3月期「売上高60億円、営業利益2億20百万円、経常利益2億20百万円」を計画している。配当についても毎期0.20円/株の増配を予定。

     

  • 芳賀 直樹新社長に、自身の役割、中期経営計画の重要なポイント、株主・投資家へのメッセージ話を伺った。「我々は、お客様の事業成長や、利益・雇用の創出を支援すること、それを通じて当社が社会に価値を提供することが重要であると考えています。そうした事業活動の下で、当社も着実に売上・利益を上げ、企業価値向上に取り組んでまいりますので、是非中長期の視点で応援していただきたいと思います。」とのことだ。

     

  • 芳賀新社長はフォーバルにおいて、オフィスソリューションディビジョンという新設部署で、不動産の仲介からオフィスの内装工事をワンストップで提供し、適切なオフィス環境作りによる経営課題の解決に携わってきた。2009年から株式会社フォーバル・リアルストレートが同事業を担当するにあたって同社に移り、さらなる事業拡大に貢献している。フォーバルグループの中でも、同事業に最も精通した一人と言ってよいだろう。

     

  • オフィス空間やワークプレイスの多様化が進む中、様々な選択肢を提案することで需要を取り込んで、顧客企業に価値を提供するとともに、売上・利益の拡大を目指す同社が新たに掲げた新中期経営計画の進捗に注目していきたい。

1.会社概要

【1-1 事業内容】

ワークプレイスの創造を通じて「働き方」と「場」の在り方の最適解を提供し経営課題の解決に貢献することを事業の中心に据える。単なる物件の紹介や内装工事にとどまらず、顧客企業が抱える経営課題や成長戦略に寄り添いながら伴走することで、最適なオフィス環境の構築を支援。具体的には、オフィスの移転やリニューアルを検討する企業に対し、不動産物件の仲介、内装工事、各種インフラの整備やオフィス機器・什器の手配に至るまで、一貫したトータルソリューションを提供している。

 

(同社資料より)

 

【1-2 事業セグメント】

セグメントはソリューション事業の単一セグメント。
売上高は不動産仲介等の売上高および内装工事及びそれに付随するサービスに関する売上高の2つで構成されている。

【1-3 ビジネスモデルと強み】

オフィス移転・リニューアルを起点に、企業の働く環境を総合的に支援するビジネスモデルを展開する。不動産物件の仲介から内装工事、各種インフラの整備やオフィス機器・什器の手配に至るまでを一気通貫で提供し、プロジェクト完了後も継続的なサービスを通じて顧客との関係を深めている。

 

(1)オフィス空室情報データベースの構築と情報収集体制の強化
オフィス移転・拠点開設を検討する企業への迅速かつ高精度な物件提案を可能とするため、都内を中心としたオフィスマーケットに関する空室情報の収集・蓄積体制を構築している。日常的な営業活動を通じて得られる膨大な物件情報を独自にデータベース化し、定期的にアップデートを実施することで、精度の高い最新データの維持を実現している。これにより、顧客のニーズに即した物件提案を迅速かつ的確に行うことが可能となっている。

 

さらに、都内主要オフィスビルの物件オーナーとの長期的な信頼関係を築いていることから、一般には流通しにくい情報や新規空室情報にもいち早くアクセスできる体制を有している。このような情報の「質」と「量」における優位性が、オフィス仲介・提案力の差別化要因となっており、顧客企業への高い付加価値提供を実現している。

 

(2)一気通貫体制によるトータルサポートで、顧客の移転業務を効率化
不動産・プロジェクトマネジメント・内装設計・什器・ICTの各専門領域の社内部門が連携し、オフィスの移転・リニューアルプロジェクトを一気通貫でサポートする体制を構築。この社内完結型のサービス提供体制により、各工程を分断せずスピーディーかつ一貫性のあるプロジェクト進行が可能となり、顧客企業の負担軽減と業務効率化に大きく寄与している。通常、オフィス移転には不動産仲介業者、内装施工業者、通信インフラ業者、引越し業者、廃棄業者など、多くの外部窓口との調整が必要だが、トータルサポート体制ではこれらを一元化。顧客は煩雑な調整業務から解放され、本来の業務への影響を最小限に抑えることができる。
さらに、物件選定の初期段階から内装設計の専門人材がプロジェクトに参画することで、移転目的や将来的な働き方に即した設計視点をもとに物件を評価・選定することが可能となっている。これにより、物件契約後の設計変更やミスマッチリスクを未然に回避し、移転の本来の目的に沿った成果を実現できる体制を提供している。

 

(3)ストック型収益と継続的な顧客接点
移転完了後もOA機器やネットワーク機器の保守・更新支援を継続的に提供することで、ストック型の安定収益を確保。定期的な接点を通じて顧客の次なるニーズを早期に把握し、新たな移転やリニューアル提案につなげる体制を構築している。

 

【1-4 ROE分析】

 

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

ROE(%)

51.9

33.8

38.0

19.3

29.7

12.3

24.1

23.5

13.9

 売上高当期純利益率(%)

6.43

5.36

6.62

3.49

5.42

2.34

3.77

4.24

2.75

 総資産回転率(回)

3.14

2.76

2.66

2.59

2.65

2.52

2.98

2.46

2.40

 レバレッジ(倍)

2.57

2.29

2.16

2.14

2.07

2.09

2.14

2.25

2.12

 

不動産仲介の売上増減に伴い、収益性が変動する。25/3期は内装工事及びそれに付随するサービスが増収も、不動産仲介が減収だったことからROEは低下。ただ、日本企業が一般的に目指すべきと言われている8%を超え、2桁のROEで推移している。今後も高水準のROEが期待される。

 

2.2025年3月期決算概要

【2-1非連結業績】

 

24/3期

構成比

25/3期

構成比

前期比

予想比

売上高

3,066

100.0%

3,139

100.0%

+2.4%

-

売上総利益

1,238

40.4%

1,242

39.6%

+0.3%

-

販管費

1,069

34.9%

1,116

35.5%

+4.4%

-

営業利益

169

5.5%

126

4.0%

-25.2%

-33.5%

経常利益

170

5.6%

126

4.0%

-25.6%

-33.3%

当期純利益

130

4.2%

86

2.8%

-33.7%

-28.0%

*単位:百万円。

 

増収減益、利益は予想を下回る
(事業環境)
大手不動産会社の調べによると、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)のオフィスビル市場においては、2025年3月末時点の平均空室率は3.86%と、前年同月比1.61%低下。四半期ベースでは7四半期連続の低下となった。一方、東京都心5区の2025年3月末時点における平均賃料は20,641円/坪と前年同月比で821円(4.14%)上昇し、5四半期連続の上昇となった。

 

(業績概要)
売上高は前期比2.4%増の31億39百万円。
売上の内訳は、不動産仲介等の売上高が同17.5%減の2億9百万円、内装工事及びそれに付随するサービスに関する売上高が同4.2%増の29億30百万円。
営業利益は同25.2%減の1億26百万円。増収ではあったが利益率の高い不動産仲介等の減収により粗利額は同0.3%の増加にとどまり、人件費など販管費の増加(同4.4%増)を吸収できなかった。不動産仲介が想定に及ばなかったことから利益は業績予想を下回った。

【2-2 売上高の内訳】

 

24/3期

25/3期

前期比

不動産仲介等

253

209

-17.5%

内装工事及び付随サービス

2,812

2,930

+4.2%

全社売上高

3,066

3,139

+2.4%

*単位:百万円

 

◎不動産仲介
前期比17.5%の減収。成約件数は前期比約10%減、顧客単価は同約9%減。減収に関しては、前々期はビルオーナーの早期テナント獲得に向けたリーシング施策による収入が増えたが、25年3月期は以前の水準に戻ったという面もあり、環境の悪化などではないということだ。

 

◎内装工事やOA機器・什器の販売
前期比4.2%の増収。成約件数は前期比約11%増、顧客単価は同約9%減。
オフィス移転以外にも、リニューアル案件やレイアウト変更案件などを積極的に受注した。

 

【2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)】

◎主要BS

 

24年3月

25年3月

増減

 

24年3月

25年3月

増減

流動資産

1,229

1,234

+5

流動負債

693

678

-14

現預金

770

761

-8

仕入債務

316

326

+9

売上債権

406

406

-0

負債合計

693

678

-14

固定資産

72

84

+12

純資産

607

639

+32

投資その他の資産

50

59

+8

利益剰余金

431

460

+28

資産

1,301

1,318

+17

負債純資産

1,301

1,318

+17

*単位:百万円。

 

自己資本比率は前期末比2.5ポイント上昇し48.5%。

 

◎キャッシュ・フロー

 

24/3期

25/3期

増減

営業CF

107

65

-42

投資CF

-14

-16

-2

フリーCF

93

48

-44

財務CF

-52

-57

-4

現金・現金同等物残高

770

761

-8

*単位:百万円。

 

営業CF、フリーCFともプラス幅が縮小した。キャッシュ・ポジションはほぼ変わらず。

 

【2-4トピックス】

◎次世代オフィス空間コンサルティング事業を展開する株式会社第一工芸社を子会社化
2025年4月1日付けで、次世代オフィス空間コンサルティング事業を展開する株式会社第一工芸社の全株式を取得し、子会社とした。

 

(株式会社第一工芸社概要)
1947年設立。あらゆる変革は全て「社員のポテンシャルを最大限発揮するため」と捉え、その先にあるのは「関わるすべての方々の幸せ」であると考え、半歩先のビジネスシーンにふさわしい次世代オフィス空間を顧客と共に創造デザイン・設計している。2024年3月期の業績及び財政状態は、売上高15億93百万円、営業利益44百万円、当期純利益33百万円、総資産8億4百万円、純資産2億66百万円。
「長年にわたる什器販売に基づく仕入力」「創業77年の歴史に裏付けられた長期にわたり良好な関係性を築いている顧客基盤、顧客数は約2,000社」などを強みとする。
株式会社フォーバルが株式の100%を保有するフォーバルグループの1社。

 

(子会社化の経緯・背景)
フォーバル・リアルストレートと第一工芸社はフォーバルグループ内でともにオフィスに関する事業を営んでいるが、それぞれ異なる強みを持っていることから、子会社化することで相乗効果によるお互いの強みを活かした事業拡大を見込むことができると考えた。
例えば、フォーバル・リアルストレートは新規開拓の顧客が多いのに対し、第一工芸社は前述のように強固な顧客基盤を有しており、顧客層について競合することなく補完が可能。また、業務内容に重複する部分も多く、最適な人材配置により更なる生産性の向上を図ることも期待できる。

 

(その他)
2025年4月1日にフォーバルより全株式を取得した。取得価額は普通株式1億75百万円、アドバイザリー費用1.8百万円の合計約1億76百万円。
今回の株式取得に伴い、2026年3月期第1四半期より連結決算に移行する。
のれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間、受け入れた資産及び引き受けた負債の額並びにその主な内訳は現時点では確定していない。

 

3.2026年3月期業績予想

【業績予想】

 

25/3期

構成比

26/3期(予)

構成比

前期比

売上高

3,139

100.0%

5,000

100.0%

+59.2%

営業利益

126

4.0%

180

3.6%

+42.4%

経常利益

126

4.0%

180

3.6%

+41.9%

当期純利益

86

2.8%

110

2.2%

+27.4%

*単位:百万円。25/3期は非連結、26/3期は連結。前期比はインベストメントブリッジが計算した参考値。

 

増収増益を予想
売上高は前期比59.2%増の50億円、営業利益は同42.4%増の1億80百万円を見込む。
第一工芸社子会社化が寄与するほか、引き続き、オフィス環境関連業務の収益拡大を図るべく、不動産物件の仲介から内装工事、各種インフラの整備やオフィス機器・什器の手配までを行うオフィス移転のワンストップサービスについて取り組みを強化する。
配当は、0.20円/株増配の2.80円/株を予定している。予想配当性向は57.4%。

 

4.中期経営計画

26年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定・発表した。

 

【4-1 基本方針】

“社員・家族・顧客・株主・取引先と共に歩み社会価値創出を通してそれぞれに幸せを分配することを目指す ”という経営理念の下、ワークプレイスの創造を通じて「働き方」と「場」の在り方の最適解を提供し経営課題の解決に貢献することを目指す。

 

【4-2 重点取組事項】

事業成長に向けた取り組み

近年の市場環境の変化に伴い、オフィスに対するニーズは多様化しており、企業にとってオフィスの在り方は単なる執務空間にとどまらず、企業価値の最大化と密接に関わる重要な要素として位置付けられている。
こうした環境下において、顧客企業の多様なニーズに対応した高付加価値なオフィス環境を提供することで、顧客の成長と価値創出に貢献する取り組みを強化する。
具体的には、不動産・プロジェクトマネジメント・内装設計・什器・ICTの各専門人材がチームを組み、顧客に寄り添った良質なサービスの提供を行い、企業成長の伴走型支援を行う。
これによって顧客企業への利益貢献を積み重ね、事業の拡大を図る。
また、新たな収益体制の構築に向け、既存ビルのバリューアップ需要に対応し、ビルオーナー向けのビル資産価値向上ソリューション提案にも取り組む。

 

(2)マーケティング・ブランド強化
働き方や企業活動の変容に伴い、オフィスに求められる役割は一層高度化・複雑化している。「オフィス仲介」「内装デザイン」「ICT環境構築」など各サービスにおいても、単なる物件紹介に留まらず、顧客企業が抱える経営課題や将来像を踏まえた、より戦略的なワークプレイス提案力が重要となっている。
こうした認識の下、以下の施策を重点的に推進し、マーケティング活動とブランド価値の向上を図ることで、事業成長を加速。競争優位性をより明確にし、新たな顧客層の開拓と事業領域の拡大を目指す。

オウンドメディアやSNSを活用し、最新のオフィスに関する知見を発信することで、認知度向上とエンゲージメント強化を図る。

顧客企業の課題解決事例や導入後の成功事例を公開することで、実績と信頼性を可視化し、競合との差別化を図る。

顧客ターゲット層のニーズに合致した広告施策を展開し、質の高いリード獲得を強化することで、効率的な営業活動に繋げる。

同社の強みである、不動産、内装、ICTの各専門チームによる総合的な提案力と、顧客に寄り添う伴走型支援という独自のブランドイメージの浸透を図る。

 

内装案件受注に関しては、新規顧客の開拓が重要と考え、25年3月にはオフィス内装デザイン事例サイトを立ち上げた。コンテンツを一層強化させて、受注力向上に繋げていく考えだ。

 

(3)人材の採用・育成と評価制度の再構築
持続可能な企業成長を支えるため、社員一人ひとりの成長を促す仕組みづくりと、経営体制の整備に取り組んでいる。
人材面では、従業員の成長が企業全体の発展に繋がるという考えのもと、成果だけでなく行動や成長過程も適正に評価する新たな人事評価制度の構築を進めている。事業成長を支える人材の採用強化とあわせて、育成体制の仕組みも整え、持続可能な組織づくりを目指す。

 

(4)ガバナンス強化
透明性と健全性の高い経営体制の構築を目指し、持続的な企業価値の向上とステークホルダーからの信頼確保を目的として、ガバナンス体制の強化に取り組んでいる。
具体的には、取締役会や監査体制の強化、社内規定や業務フローの見直しを継続的に行っている。コンプライアンスおよび情報セキュリティに関する社内教育も継続的に実施し、全従業員の意識向上を図っている。

 

【4-3 数値目標】

最終年度の28年3月期「売上高60億円、営業利益2億20百万円、経常利益2億20百万円」を計画している。
配当についても毎期0.20円/株の増配を予定。

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

27/3期

構成比

28/3期

構成比

CAGR

売上高

3,139

100.0%

5,000

100.0%

5,500

100.0%

6,000

100.0%

+24.1%

営業利益

126

4.0%

180

3.6%

200

3.6%

220

3.7%

+20.4%

経常利益

126

4.0%

180

3.6%

200

3.6%

220

3.7%

+20.4%

年間配当金

2.60

-

2.80

-

3.00

-

3.20

-

-

*単位:百万円、円/株。26/3期より連結決算。26/3期以降は計画。CAGRは25/3期から28/3期への年平均成長率、インベストメントブリッジが計算。

 

5.芳賀社長に聞く

芳賀 直樹新社長に、自身の役割、中期経営計画の重要なポイント、株主・投資家へのメッセージ話を伺った。
芳賀社長は1974年11月生まれの50歳。1997年4月にフォーバルに新卒で入社し、12年間営業職中心に経験を積んだ。フォーバルにおいてはオフィスソリューションディビジョンという新設部署で、不動産の仲介からオフィスの内装工事までをワンストップで提供し、フォーバルが得意とする情報機器の販売に繋げていく事業を行う中で、適切なオフィス環境作りによる経営課題の解決という付加価値の提供にも事業の目的を拡大。2009年に同事業を株式会社フォーバル・リアルストレートが担うにあたって同社に移り、さらなる事業拡大に貢献。25年4月1日に代表取締役社長に就任した。

 

Q:新社長としてのご自身の役割はどのようなものとお考えでしょうか
一昔前のオフィス空間は、出社し自席で一日仕事をして退社、営業であれば出社後準備をして外に出かけ、帰社して営業報告をまとめて退社といったように、非常にシンプルなものでしたが、現在は、ソロワーク、コミュニケーションの場としてのオフィス、カフェでのワーク、まだ少ないものの仮想空間上にオフィスを再現するなど、ワークプレイスの多様化が進んでいます。
人手不足が益々顕在化する中、優秀な人材の確保・育成は企業にとって、極めて重要な経営課題ですから、今後は大企業のみでなく、中小企業のオフィスにおいてもそうしたワークプレイスの多様化が進んでいくと見ています。
そうした変化に当社としては今まで以上に積極的に対応し、様々な選択肢をご提案することが必要ですので、その新たな道筋を構築していくことが私の役割であると考えています。

 

Q:ありがとうございます。現在の市場環境、事業環境は御社のビジネスにとってポジティブ、ネガティブどのようなものと見ていますか
オフィス空間事業にとっては非常に追い風と見ています。
不動産の仲介からオフィス空間づくりまでをワンストップで提供するというビジネスモデルにおいては、「移転」が主要なきっかけになるのですが、近年は「リニューアル」もマーケットとして拡大しており、需要は旺盛な状況です。
不動産仲介は市況に左右されやすい事業です。空室率が低すぎると流通する物件が少なくなり、成約に至りませんし、反対に空室率が高いということは景気が悪くて移転に費用を掛けないという状況になります。そうした意味では現在の空室率4%程度というのは丁度いい水準ではないかと思います。
賃料に関してですが、近年内装付きのセットアップオフィス物件が増えています。これはオーナーサイドで付加価値向上を図るもので、賃料単価も当然上昇します。こうしたことも含め、賃料は上昇傾向にあると見ています。

 

Q:今回中期経営計画を策定・発表されました。各種施策を挙げておられますが、特に重要な点について社長のお考えをお聞かせください。
一つは第一工芸社の子会社化です。
第一工芸社は80年近い社歴を有し大企業も含めた民間企業や自治体など多くのお客様に主にオフィス什器を販売しています。長期にわたり良好な関係性を築いている顧客基盤を活用し、当社とともに、お客様にコンサルティングを始めとした提案を通じて、アップセル、クロスセルを行いスピーディーに収益を拡大していきたいと考えています。
既に一体営業を行うための組織作りも終えており、コミュニケーションを密に取りながら積極的に活動していきます。

 

また、ESG経営、人的資本経営の実現に向け、中小企業を含めた企業のオフィス投資のトレンドは高まっていますので、そうした投資がどのような結果に結びついているのかを可視化することに取り組んでいきたいと考えています。
移転やリニューアルをされたお客様、何もしていないお客様など様々なお客様からアンケートを回収させていただき、組織サーベイ、ストレスサーベイ、従業員満足度などの視点から、フォーバルグループで中小企業のGDX(Green Digital transformation)に関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめて発信する研究機関「フォーバル GDXリサーチ研究所」からレポーティングしていく計画です。
これを用いて、企業に対するコンサルティング能力を一段と強化していく考えです。

 

Q:人的資本の強化についてはどのように取り組んでいかれますか
不動産仲介であれば、経営課題を解決し、お客様に価値を提供するためには単に希望エリアや希望する坪数をヒアリングするだけでは不十分です。なぜ移転を考えているのかという点からお話を伺い、課題解決に関する適切なご提案ができなければなりませんので、コンサルティング能力の強化という観点から人材教育には更に注力しなければなりませんし、そうした点も対象とした評価制度の再構築に取り組む必要があると考えています。
設計デザイナーに関しても、当社の成長にとって重要なエンジンとなりますので、着実な増員とともに、外部とのコラボレーションなども活用して、知識やノウハウの蓄積に繋げていきたいと思います。

 

Q:では最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。
私たちが価値を提供しているメインのお客様である中小企業は、企業数、雇用人数とも日本経済において重要な位置を占めていますが、各種リソース、特に「人」の確保という点では非常に困難な状況にあります。
そうした状況を打開・解決していくには、各企業が掲げる企業理念を実現するための空間づくりという視点から後押しする必要であると考えています。
企業理念とオフィスにどんな関係があるのかという意見もあるかと思いますが、企業理念をグラフィックでわかりやすく表示したり、経営層が日頃社員に伝えようとしているメッセージが現場に伝わりやすい空間を作ったりと、様々な方法があり、その重要性を強く訴求していきたいと思います。
我々は、格好いいオフィスを創りたいとか、単純に仲介を成立させて売上・利益を上げたいというのではなく、お客様の事業成長や、利益・雇用の創出を支援すること、それを通じて当社が社会に価値を提供することが重要であると考えています。
社会への価値提供とともに、当社も着実に売上・利益を上げ、企業価値向上に取り組んでまいりますので、是非中長期の視点で応援していただきたいと思います。

 

6.今後の注目点

芳賀新社長はフォーバルにおいて、オフィスソリューションディビジョンという新設部署で、不動産の仲介からオフィスの内装工事をワンストップで提供し、適切なオフィス環境作りによる様々な経営課題の解決に携わってきた。2009年から株式会社フォーバル・リアルストレートが同事業を担当するにあたって同社に移り、さらなる事業拡大に貢献している。フォーバルグループの中でも、同事業に最も精通した一人と言ってよいだろう。
オフィス空間やワークプレイスの多様化が進む中、様々な選択肢を提案することで需要を取り込んで、顧客企業に価値を提供するとともに、売上・利益の拡大を目指す同社が新たに掲げた新中期経営計画の進捗に注目していきたい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

6名、うち社外2名(独立役員2名)

監査等委員

3名、うち社外2名(独立役員2名)

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2025年6月26日

 

基本的な考え方
当社は、以下の5項目をコーポレートガバナンスの基本方針といたします。

 

1. 当社は、全ての株主の権利及び平等性が実質的に確保され、適切に行使できるよう、株主に資する情報について、当社のホームページや東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービスに掲載する等、速やかに開示いたします。

 

2. 当社は、全てのステークホルダーとの協働を実践するため、社長が自らの言葉で全社員に朝礼や全社会議等を通じて説明を行い、ステークホルダーの権利・立場や企業倫理を尊重する企業風土の醸成に努めます。

 

3. 当社は、法令に基づく開示を適切に行うとともに、それ以外の情報についても当社ホームページ等の方法により積極的に提供いたします。また、情報の開示にあたっては、正確で分かりやすく、利用者にとって有用性の高い記載に努めます。

 

4. 取締役会では、経営理念・経営方針・経営計画について毎年度経営の意志決定をしており、それを受けて業務を執行いたします。
 また、取締役会規程、組織規程、業務分掌規程及び職務権限規程等を定めており、取締役と各部門の職務と責任を明確にすることで経営陣による適切なリスクテイクを支える環境整備を行います。
  独立社外監査役2名を含む監査役会により毎月開催されている定時監査役会にて実効性の高い監督を行います。

 

5. 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主との建設的な対話に積極的に取り組み、株主との双方向のコミュニケーションの充実に努めます。また、株主との対話を通じて当社に対する関心や懸念を把握し、当社の経営方針をわかりやくすく明確に説明し理解を得ることに努めます。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
2021年6月の改訂後のコーポレートガバナンス・コードに基づいて記載しております。

 

【原則2-3 社会・環境問題をはじめとするサステナビリティーを巡る課題】
補充原則2-3①
当社は、フォーバルグループの社是に基づき、地球全体の環境改善を目的として、『環境対策に関する方針』を策定しており、環境保護活動や社会問題に対する取組を課題と認識しております。
当社は、「いつも経営者のそばにいるオフィスのプロとして、企業の成長に伴走します」を基本理念に、“社員・家族・顧客・株主・取引先と共に歩み社会価値創出を通してそれぞれに幸せを分配することを目指す ”という経営理念の下、、オフィス空間の提供を通じて、カーボンオフセット商材の提供、LED照明の採用による電力使用量の削減、電子化推進による紙の削減など、環境への取り組みを進めております。
また、あらゆる人権を尊重し、求人・雇用・昇進等において、人種・国籍・宗教・信条・性別・性的指向・年齢・障がい等による不当な差別をいたしません。さまざまなバックグラウンドを持った従業員がその能力を発揮し、いきいきと活躍できるような職場環境を目指し、女性従業員や障がいのある従業員の活躍促進、ワークライフバランスに配慮した各種の支援制度の整備(出産・育児・介護に関する支援制度、テレワークや在宅勤務の導入等)、長時間労働の削減対策や有給休暇取得の促進等の取り組みを進めております。

 

【原則2-4 女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】
補充原則2-4①
当社は、あらゆる人権を尊重し、求人・雇用・昇進等において、人種・国籍・宗教・信条・性別・性的指向・年齢・障がい等による不当な差別をいたしません。さまざまなバックグラウンドを持った従業員がその能力を発揮し、いきいきと活躍できるような職場環境を目指し、女性従業員や障がいのある従業員の活躍促進、ワークライフバランスに配慮した各種の支援制度の整備(出産・育児・介護に関する支援制度、テレワークや在宅勤務の導入等)、長時間労働の削減対策や有給休暇取得の促進等の取り組みを進めております。
また、人材戦略の指標として、管理職に占める女性従業員の割合が30%以上、全従業員に占める女性従業員の割合が40%以上、男性の育児休業等の取得率が50%以上をそれぞれ目標としております。

 

【原則3-1 情報開示の充実】
補充原則3-1②
当社は、海外投資家に向けた英語での情報開示・提供の有用性を認識しており、今後の株主構成等を勘案し検討してまいります。
補充原則3-1③
当社は、フォーバルグループの社是に基づき、地球全体の環境改善を目的として、『環境対策に関する方針』を策定しており、環境保護活動や社会問題に対する取組を課題と認識しております。
当社は、“いつも経営者のそばにいるオフィスのプロとして、企業の成長に伴走します”という経営理念の下、オフィス空間の提供を通じて、カーボンオフセット商材の提供、LED照明の採用による電力使用量の削減、電子化推進による紙の削減など、環境への取り組みを進めております。
また、あらゆる人権を尊重し、求人・雇用・昇進等において、人種・国籍・宗教・信条・性別・性的指向・年齢・障がい等による不当な差別をいたしません。さまざまなバックグラウンドを持った従業員がその能力を発揮し、いきいきと活躍できるような職場環境を目指し、女性従業員や障がいのある従業員の活躍促進、ワークライフバランスに配慮した各種の支援制度の整備(出産・育児・介護に関する支援制度、テレワークや在宅勤務の導入等)、長時間労働の削減対策や有給休暇取得の促進等の取り組みを進めております。

 

【原則4-2 取締役会の役割・責務(2)】
補充原則4-2②
当社は、サステナビリティを巡る取り組みについて基本的な方針は策定しておりませんが、環境対策についての方針は作成、開示しております。また、経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行について監督しておりません。これらについては、今後の検討課題としてまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
2021年6月の改訂後のコーポレートガバナンス・コードに基づいて記載しております。

 

【原則1-4 政策保有株式】
当社では政策保有株式は現在保有しておりません。
また政策保有株式の保有予定はありませんが、保有する場合は基準を策定・開示いたします。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、IR担当取締役が中心となって、株主・投資家との主体的かつ効果的な対話を行っております。必要に応じてIR担当部署が補佐し、株主・投資家との円滑な対話を実践するために、IR担当部署が中心となって関連部門間の連携を図っております。また、株主・投資家との対話で得られた意見は必要に応じて取締役会が共有し、企業価値の向上に努めております。
なお、株主・投資家との対話に関しては、内部情報管理規程に基づきインサイダー情報の漏洩防止に努めております。
株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みに関する方針
1)株主・投資家との対話に関しては、IR担当取締役が統括し、主体的かつ建設的な対話に努めております。
2)IR担当部署が中心となって、株主・投資家との円滑な対話を実践するために、資料の作成に必要な情報を共有するなど、関連部門間の連携を図っております。
3)IR担当部署が窓口となり、株主・投資家の要望に応じて代表取締役、IR担当取締役、IR担当部署が個別面談に積極的に対応しております。
4)株主・投資家との対話で得られた意見は、必要に応じて経営陣にフィードバックし、情報の共有および活用を図っております。
5)株主・投資家との対話に関しては、内部情報管理規程に基づきインサイダー情報の漏洩防止に努めております。

 

 

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