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(8130) 株式会社サンゲツ

プライム

ブリッジレポート:(8130)サンゲツ 2026年3月期上期決算

ブリッジレポートPDF

 

近藤 康正 社長

株式会社サンゲツ(8130)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場・名証プレミア市場

業種

卸売業(商業)

代表取締役社長執行役員

近藤 康正

所在地

愛知県名古屋市西区幅下1-4-1

決算月

3月

HP

https://www.sangetsu.co.jp/

 

株式情報

株価

期末発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

3,045円

59,200,000株

180,264百万円

11.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

155.00円

5.1%

221.20円

13.8倍

1,923.28円

1.6倍

*株価は12/5終値。26年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2022年3月(実)

149,481

7,959

8,203

276

4.66

70.00

2023年3月(実)

176,022

20,280

20,690

14,005

238.71

105.00

2024年3月(実)

189,859

19,103

19,695

14,291

243.44

140.00

2025年3月(実)

200,378

18,174

18,606

12,567

213.90

150.00

2026年3月(予)

210,000

19,000

19,500

13,000

221.20

155.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、同様)。

 

 

 

株式会社サンゲツの2026年3月期上期決算概要などをご紹介致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2026年3月期上期決算概要
3.2026年3月期業績予想
4.近藤社長に聞く
5. 今後の注目点
<参考1:中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】>
<参考2:長期ビジョン【DESIGN 2030】>
<参考3:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 26年3月期上期の売上高は前年同期比5.3%増の988億円。3セグメントとも増収で上期の過去最高を更新した。営業利益は同10.9%増の81億円。国内インテリアセグメントは、仕入先の火災事故の影響(床材ユニット)や人的資本強化に伴う人件費増など各種コスト増を価格改定効果、商品ポートフォリオ強化により吸収し、営業増益。国内エクステリアセグメントは黒字転換、海外セグメントは損失縮小。予想に対しては海外セグメントの伸長などで売上高はほぼ計画通り、利益は主に国内インテリアセグメントの販管費減少により計画を上回った。

     

  • 26年3月期の業績予想に変更は無い。売上高は前期比4.8%増の2,100億円(セグメント売上高について修正あるが、連結合計には変更なし)、3セグメントとも増収を予想。営業利益は同4.7%増の190億円の予想。国内インテリアセグメントが主に仕入先工場における火災事故の影響により減益予想の一方、国内エクステリアセグメントの増益、海外セグメントの黒字転換が寄与する。年間配当は前期比5.00円/株増の155.00円/株の予想。12期連続増配で予想配当性向は70.1%。

     

  • 近藤社長に2026年3月期上期決算のポイント、今後の取組み、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「2023年3月期、2024年3月期の好業績を反映し株価は上昇しましたが、その後は横ばい状態が続いています。これは、次の成長戦略が問われているのだということは十分理解しております。現在2026年5月に公表する次の中期経営計画を策定中です。底堅い国内インテリア事業は、既存のインテリア商品卸売事業を拡大させつつ、隣接領域でどんな事業展開ができるのか、日本市場と比較して相対的に成長余地の大きい海外事業に関してはどのように加速させていくのか、国内エクステリア事業と空間総合事業は収益を伴った成長を実現させるための見極め及び基盤づくり、といった点がポイントとなり、それを支える人事制度や投資計画を具体的にご説明したいと思っています。引き続き私どもの挑戦をご支援下さいますようお願い申し上げます。」とのことだ。

     

  • 上期進捗率は売上高47.1%。営業利益43.1%。下期のウェイトが高い同社では、いずれもほぼ例年並みの水準である。中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】の最終年度、国内の需要環境(特に住宅市場)の低迷、仕入先工場火災の影響を踏まえた微減益予想の国内インテリア事業において、存在感を高めている中型商品の伸長や火災事故から供給を再開した床材商品の販売回復、適切な販管費コントロールなどでどこまで売上・利益を積み上げていくことができるのか注目したい。

     

1.会社概要

壁紙、床材、カーテンなどインテリア商品の専門商社最大手。商社ではあるがデザインや機能など製品の企画・開発から手掛け、一部商品を除きファブレス。安定した業績を生み出すビジネスモデル、主要商品の高いシェア等が強み。
2025年3月末時点では、グループ企業に、沖縄地区でのインテリア商材の販売を担う「株式会社サンゲツ沖縄」、カーテン専門の販売会社「株式会社サンゲツヴォーヌ」、エクステリア商品の専門卸「株式会社サングリーン」、中国・香港での事業展開の拠点「GOODRICH GLOBAL LIMITED」、米国の非住宅向けを中心とした壁装材製造販売会社「KOROSEAL INTERIOR PRODUCTS HOLDINGS, INC.」、東南アジアにおけるインテリア商材販売会社である「Goodrich Global Holdings Pte. Ltd.」、シンガポールを中心とする東南アジアで空間デザイン・総合施工を展開している「D’Perception Pte Ltd」、施工能力の強化を通じて更なる受注獲得を目指す「フェアトーン株式会社」、国内最大手のビニル壁紙製造メーカーである「クレアネイト株式会社」、九州エリアの有力配送会社である「株式会社クロス企画」の10社を有する。また、2025年4月には、以前よりサンゲツの出荷・配送を委託していた物流会社である株式会社SDSをグループ会社化した。

 

【1-1沿革】

1849年(嘉永2年)、表具(布や紙などを張って仕立てられた巻物、掛軸、屏風、襖、衝立、額、画帖など)を商う「山月堂」創業。1953年、創業家により株式会社山月堂商店として株式会社化。1970年代後半以降、東京、大阪、福岡をはじめ全国で事業展開。1980年、名古屋証券取引所市場第2部に上場。1996年、東京証券取引所市場第1部上場。海外にも進出し、トータルインテリアを供給するブランドメーカーとしての地位を確立する。
2022年4月、市場再編に伴い、東証プライム市場・名証プレミア市場に移行した。

 

【1-2 企業理念】

同社では、2020年に策定した「Sangetsu Group 長期ビジョン 【DESIGN 2030】」において、目指す姿を「スペースクリエーション企業」としてきたが、<参考1:中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】>で触れるように、23/3期までの実績及び今後の同社を取り巻く環境などを踏まえ、長期ビジョン【DESIGN 2030】を見直すとともに、長期的な成長に向けた新中期経営計画【BX 2025】を策定した。

 

これに伴い、グループ社員を中心としたタスクフォースにより企業理念の見直しを行い、2024年1月に、企業としての社会価値創造を念頭に、新たな企業理念として、最上位の概念である「Purpose」、Purposeに基づいて実現する未来像「Dream」、Purposeを形づくる企業としての信念「Belief」、社員の姿勢「Way」を新たに掲げた。

 

Purpose 存在意義

すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。

Dream 実現する未来像

誰もが明日の夢を語れる世界

Belief 大切にする信念

企業の誠実さが、社会を変える力になる。

Way 私たちの姿勢

自由と公正 自我と共創 変革と飛躍

 

【1-3市場環境】

◎概観
同社の主力商品である壁紙や床材の出荷状況は国内建設市場の動向に影響される。人口減少や家族構成の変化による新設住宅着工戸数・面積の減少などで国内インテリア市場は長期的には縮小傾向にあると見られる。

 

(同社資料より)

 

一方、下のグラフは、同社売上高、国内インテリア市場、新設住宅着工戸数(国土交通省発表)の推移を比較したもの。同社の売上高及び国内インテリア市場の動向は、新設住宅着工戸数にほぼリンクしてきたが、リーマンショック後の動きを見ると、市場全体及び新設住宅着工件数は低水準で推移しているのに対し、同社売上高は2020年3月まで過去最高を連続して更新。21年3月期は新型コロナウイルスの影響もあり11期ぶりの減収となったが、22年3月期は再度増収に転じ、その後25年3月期まで連続して過去最高を更新している。

 

 

これは、新商品開発やロジスティクスの改革、施工・製造機能の拡充など各機能の強化を通じたソリューション提案力の高度化により、民間住宅以外に非住宅市場の開拓に投資してきたこと、及び業界トップ企業として価格改定を進めてきたこと等によるものである。

 

国土交通省発表の「令和7年度 建設投資見通し」によれば、民間住宅建築投資は横這いが続いている一方、民間非住宅建築投資は2025年度前年度比12.9%増の見通しと、やや明るさも見られる。

 

一般財団法人 建設経済研究所が発表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2025年10月10日発表)によれば、名目民間非住宅建築投資の対前年度伸び率は、2017年度まで堅調に増加した後、2020年度22.2%減とコロナ禍で大きく減少するも、その後緩やかに回復基調を辿っており、2026年度は12.4兆円と、コロナ禍前2019年度11.6兆円を超える見通しだ。事務所・店舗の着工床面積、民間建築補修(改装・改修)については、以下のように述べている。

 

着工床面積
*事務所
「オフィス供給過多の恐れもあるが、出社回帰・都心回帰の傾向によりオフィス需要の増加が期待されることから、2025年度の着工床面積は前年度比で微増と予測する。2028年、2029年に大量供給が見込まれることから、2026年度は前年度比で増加と予測する」と述べている。

 

*店舗
「建設投資に対する積極的な姿勢がみられるが、近年の大規模小売店における開店年次別店舗数、総店舗面積はともに減少傾向にある。また、物価高等による消費マインドの低迷もあり、着工床面積は2025年度、2026年度ともに前年度比で微減と予測する」としている。

 

 

民間建築補修(改装・改修)
国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査」によると、「2025年度第1四半期の改装・改修工事の受注高は前年度比3.0%増であり、高水準で推移している。住宅分野では、政府の住宅省エネキャンペーン2025の効果が堅調である。また、建替計画から大型リフォームやリノベーション計画へのシフトにより、今後も堅調な投資が期待される。非住宅分野では、設備投資は、人手不足対応の省力化、DX投資や脱炭素関連のGX投資需要、経済安全保障への関心の高まりによる、生産拠点の国内回帰の流れなどが下支えし、引き続き堅調な投資が見込まれる。よって、2025年度は引き続き高水準を維持すると予測する。2026年度も2023年度以降の水準は維持すると想定して、前年度比で微減と予測する」と、堅調な推移を予測している。

 

以上のように、民間非住宅建築投資はコロナ禍による減少の後は不安定ながらも堅調な推移が見込まれる。非住宅市場においてはリニューアル需要も堅調であるため、サンゲツでは25年4月の組織改編により新設した法人営業部を中心に需要取り込みを図っている。加えて海外事業の育成にも取り組み、他社にはない強みを強化、更なる成長を追求している。

 

◎同業他社
インテリア、内装材を扱う主な同業他社としては以下の7社が挙げられる。

 

コード

企業名

売上高

増収率

営業利益

営業増益率

営業利益率

時価総額

PER

PBR

ROE

3501

SUMINOE

105,000

+0.2%

3,100

+3.3%

3.0%

18,590

10.7

1.0

2.1%

4206

アイカ工業

265,000

+6.6%

29,000

+5.8%

10.9%

228,388

11.6

1.2

10.1%

4224

ロンシール工業

21,400

-0.2%

1,150

+32.2%

5.4%

8,445

10.5

0.4

0.1%

5956

トーソー

23,500

+3.1%

600

-19.7%

2.6%

5,660

12.5

0.3

3.4%

7971

東リ

111,000

+5.0%

5,100

+16.5%

4.6%

42,751

10.4

0.9

7.5%

7989

立川ブラインド工業

42,800

+3.4%

4,400

+0.9%

10.3%

40,073

12.1

0.7

5.7%

8130

サンゲツ

210,000

+4.8%

19,000

+4.7%

9.0%

180,264

13.8

1.6

11.4%

9827

リリカラ

36,800

+8.9%

1,000

+348.8%

2.7%

9,040

19.5

1.0

0.7%

*単位:百万円、倍。業績は今期会社予想。時価総額、PER、PBRは2025年12月5日終値ベース。計算の基となる発行済株式数は自己株式を含み各社の直近決算短信より。EPS、BPSも同様。ROEは前期実績。

 

 

【1-4 事業内容】

壁紙、床材、カーテン、椅子生地などインテリア商品の企画開発及び販売が中心事業。一部商品を除きファブレスであるが、単なる商社ではなく、扱う商品のほとんどを自社で企画・デザイン・開発を行っている。グループ会社を通じて国内エクステリア事業を、米国、シンガポール、中国/香港のグループ会社4社により海外事業も展開している。
事業セグメントは、「国内インテリア」「国内エクステリア」「海外」の3セグメント。

 

 

①「国内インテリアセグメント」
◎主な取扱商品

壁紙

同社の主力商品。住宅から非住宅分野まで幅広く利用される壁装材。近年では汚れ防止や消臭、キズが付きにくいなどの性能を持つ機能性壁紙も人気。抗ウイルス壁紙などもラインアップ。また、部屋の一面あるいは一部だけ色やデザインの異なる壁紙を使う「アクセントクロス」は住空間の魅力を高め、一般住宅、賃貸住宅でも採用が進んでいる。

クッションフロア

アパートやマンションなどでも多く利用されているシート系床材。木目・石目など豊富なデザインと機能性・クッション性が特長の幅広い用途を持つアイテム。

長尺塩ビシート

 

医療・福祉施設や商業スペース、教育施設などに多く利用されるシート系床材。安全、衛生面に配慮した機能のほか、ワックスがけ不要などの優れたメンテナンス性による管理維持コストの削減、環境負荷の低減にもつながる性能を持つアイテムなどがある。

フロアタイル

商業施設や教育施設、また戸建やアパート、マンションにも利用される幅広い用途をもつ、タイル状の塩ビ床材。ウッドやストーンなどモチーフとなる素材を高い印刷技術と精緻なエンボス加工で表現した意匠性の高さも特長。

カーペット

 

住宅から商業施設、ホテル、旅館まで幅広い用途で利用される繊維系床材。多彩なデザインと高い機能性を備える。物件に応じたオリジナルデザインの提案も行う。

カーペットタイル

主に、オフィス、ホテル、商業施設、教育施設などに使用される、サイズは50センチ角がメインのタイル状カーペット。貼り替えも手軽な上、メンテナンス性にも優れている。

カーテン

同社が取扱うのはすべてオーダーカーテン。好みや部屋の条件に合ったデザイン、サイズで窓まわりを装飾できるのが特長。デザイン性豊かな厚手のカーテンのほか、外から室内が見えにくいミラー調レースや遮熱などの機能性アイテムも人気。

 

商品数は約12,000点と他に類を見ない多彩なラインアップを誇っている。
主力の壁紙で商品数は約4,300点。概ね3年毎に見本帳の更新を行っているが(カーテンは3~4年毎)、古い品を見本帳から外し、新しい商品に入れ替える所謂「改廃率」は壁紙で30~40%程度。廃止された商品は破棄しなければならないため無駄が発生してしまうが、見本帳の鮮度もユーザー満足度を高める重要な要素であり、同社の体力や長年に亘るノウハウの蓄積により効率と鮮度のバランスを取っている。

 

◎営業体制
名古屋の本社の他、全国に9カ所の支社、約50カ所の支店・営業所・事務所を持ち、重要な営業拠点として8カ所のショールームを有している。2024年3月には新たな価値創造の拠点として、東京日比谷に「PARCs Sangetsu Group Creative Hub(以下、PARCs)」を開設した。
 

(同社資料より)

 

最終的に商品を納入し、売上を立て、代金が入金されるのは上図の内装仕上げ段階で、主な相手先は代理店を通じた内装工事業者やインテリアショップ、建材店となるが、その前工程での商品PRも重要だ。
住宅やビルが竣工するまでには、発注者(施主)、設計事務所、デザイン事務所、ゼネコン、サブコン、ハウスメーカーなど、数多くのプレーヤーが関わっており、インテリアをデザインや機能から最終的に選択する意思決定は川上から始まっているケースも多数ある。
そのため、同社では見本帳、ショールームなど様々な機会を通じて商品のPRを行っている。もちろん「待ち」のみでなく、法人営業部(全国的に法人顧客をカバー)をはじめとした全国の営業員約700名(サンゲツ単体)が、各担当先に足を運び情報提供・収集、提案を行っている。主として代理店を経由した販売スタイルをとっているため(一部では直接販売)正確な数字は把握できていないが、全国の顧客数は数万社にのぼる。

 

◎物流体制・配送体制
物流効率化を目指し、ロジスティクス体制の整備を進めており、より広範囲なエリアの在庫バックアップと地域の在庫拠点を兼ねる「基幹ロジスティクスセンター」を2カ所、所在地域の在庫拠点である「地域ロジスティクスセンター」を7カ所保有している。
東・名・阪・福は、ほぼ全商品が常に在庫されており、出荷点数は1日6万点に上るが、欠品率は1日平均で約1%となっている。周辺の物流センターから即座にカバーする事で、納期待ちを依頼する事はほぼない。内装の工期に合わせた「Just in Time」を全国物流ネットワークによって実現している。仕入先は約270社と広範囲に亘っている。
また、配送については、物流コストが増加するのに対応し、自社配送体制の拡充を進めている。
東北において地域配送体制を整備したのに続き、全国各地で順次地域配送体制の構築を進めており、重量物の配送や施工現場まで届ける個配網の整備も進めている。2022年9月には、九州全域における配送事業を行う株式会社クロス企画を買収。2025年4月には以前より同社の出荷・配送を委託していた物流会社である株式会社SDSをグループ会社化し、本州・九州地区の配送業務の強化を図っている。

 

空間総合事業
2025年4月より、事業部門内に「空間総合事業部」を設置。空間デザインや設計・施工管理、および空間総合案件に携わる営業部署等、空間総合事業に関する機能を集約した。また、グループ会社であるフェアトーンも主管する。これら空間全体のデザイン力・設計・施工管理力・内装仕上げに関する施工力をベースに、スペースデザイン力・発想力・構想力・提案力・コンサル力などのソフトパワーや木工・照明・電気なども対象とした総合的な施工力・施工管理力を強化し、顧客にとって最適な空間を創造・提供している。

 

②「国内エクステリアセグメント」
2005年にグループ会社化した株式会社サングリーンが門扉、フェンス、テラスなどのエクステリア商品を国内で販売・施工している。中期経営計画【BX 2025】では、首都圏への地理的拡大や、インテリア・エクステリアの一体型提案を含む空間提案力強化に注力する。

 

 

③「海外セグメント」
北米:KOROSEAL INTERIOR PRODUCTS HOLDINGS, INC.、東南アジア:Goodrich Global Holdings Pte. Ltd.、D’Perception Pte Ltd、中国/香港:GOODRICH GLOBAL LIMITEDを中心に、事業を展開している。

 

【1-5 資本政策・株主還元】

中期経営計画【BX 2025】では、資本政策の方針として「2026年3月末の自己資本を 950~1,050 億円 とする」「株主還元は配当を主体とし、1株当たり年間配当金は130円を下限に、安定的な増配を目指す」「市場の状況により自己株式の取得も検討する」としている。
2025年3月末の自己資本は1,130億円と株高などによる保有株式の含み益等の影響でその他包括利益累計額が増加したことにより、上限を超過している。持続的かつ発展的な成長に向けた戦略投資と株主還元のバランスを意識した経営を進めるべく、今後の方針については社内検討中である。

 

【1-6 ROE分析】

 

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

22/3期

23/3期

24/3期

25/3期

ROE (%)

6.0

4.2

3.5

1.5

5.1

0.3

15.3

14.1

11.4

 売上高当期純利益率(%)

4.84

2.89

2.23

0.89

3.29

0.19

7.96

7.53

6.27

 総資産回転率(回)

0.88

0.91

0.94

0.96

0.90

1.01

1.13

1.13

1.13

 レバレッジ(倍)

1.41

1.60

1.67

1.74

1.73

1.69

1.70

1.66

1.61

*売上高当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益÷当期売上高
総資産回転率=当期売上高÷(前期末総資産と当期末総資産の平均値)
レバレッジ=(前期末総資産と当期末総資産の平均値)÷(前期末自己資本と当期末自己資本の平均値)

 

25年3月期は売上高当期純利益率の低下に伴いROEも低下したが、日本企業に求められる最低限の水準の8%を超過している。また、同社が認識する株主資本コスト(6~8%程度)も超過している状況である。

 

 

【1-7 競争優位性】

1849年の創業以降170年以上の歴史の中で、同社グループは日本のインテリア業界のパイオニアとして、商品の企画・開発、物流、販売までを一貫して手掛けるバリューチェーンを構築してきた。
「独自性、デザイン、機能、品質、安定供給に裏付けられた、卓越した商品力」「強靭なサプライチェーン」「全国にわたるきめ細かな販売ネットワーク」「社会課題解決への積極的な貢献」を強みに、デザイン・商品・物流・施工という4つの機能を核としたソリューション提案を強化し、スペースクリエーション企業への転換を目指している。

 

(同社 統合報告書「SANGETSU REPORT 2025」より)

 

4つの機能の概要は以下の通りである。

 

(1)デザイン機能
社会の変化とともに多様化する価値観に対し、これに対応する空間デザインの重要性も年々高まっている。同社グループは、こうしたニーズに応えるため、商品提案にとどまらない総合的な空間デザイン提案機能を強化している。壁装材・床材・ファブリックといったインテリア商品のコーディネートに加え、設計・施工、エクステリアまでを網羅した空間全体におけるソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献する。質の高いソリューションを提供するため、空間デザイン・設計・施工力の強化も推進している。専門人材の採用と社内の人材育成を積極的に進めることで、住宅から非住宅、新築からリフォーム、インテリアからエクステリアまで、あらゆる分野に対応できるデザインチームを構築している。

 

<主要リソース等(2024年)>

スペースデザイン人材 105

国内インテリア営業 40事業所

国内エクステリア営業 17事業所

海外営業拠点 7エリア

 

(2)商品機能
①商品企画・開発
同社グループは、日本にインテリアという概念が浸透していなかった時代に壁紙事業へ参入し、その後、インテリア商品のパイオニアとして日本国内に市場と需要を創出し、市場のニーズに迅速に応える商品開発・企画力をベースに事業を拡大してきた。顧客ニーズに応じた市場起点の商品開発のみならず、従来の発想に縛られない新しい商品を市場へ供給するべくマーケットインの商品開発を進める一方で、商品デザイン人材の拡充や外部・海外デザイナーとの取り組みも交えながら、約12,000点の商品を常備在庫して販売している。主力商品である壁装材、床材、ファブリックの開発強化を進める中で、成長を見込み注力しているリアテック(粘着剤付化粧フィルム)やガラスフィルム、カーペットタイル、フロアタイル、椅子生地等の中型商品(高付加価値商品)は順調に売上規模を拡大している。

 

②製造・調達
建設における最終工程であるインテリア・エクステリアは空間に彩りをもたらす商品として高いデザイン性とともに、品切れの少ない迅速な安定供給体制が求められる。同社が取り扱う多種多様な商品群の安定供給には、インテリア事業で約270社、エクステリア事業で約150社にものぼる仕入先各社との関係性が不可欠である。同社は仕入先との連携をこれまで以上に強化するため、持続可能な安定供給体制の構築に向けたSCM(サプライチェーンマネジメント)の最適化を進めている。主力商品である壁装材については国内大手壁紙メーカーであるグループ会社クレアネイトとの連携を深め、製販一貫体制を構築することで、供給力の確保と事業の効率化を図っている。安定供給と多様な商品開発を両立させるため、品質管理レベルの向上も追求している。専門部署を新設し、商品開発における品質設計と検証の精度を高めるとともに、仕入先との連携を通じて、高い品質管理体制を確立することにより、顧客から信頼される商品を安定的に提供している。

 

<主要リソース等(2024年)>

商品デザイン人材 約90

サプライヤー 国内インテリア事業:約270社、国内エクステリア事業:約150社

国内最大の壁紙製造設備(クレアネイト株式会社)

最新鋭の壁紙製造設備(Koroseal社)

 

(3)物流機能
国内インテリア事業においては、1日約6万点の商品出荷と約4万点のサンプル出荷を行っている。迅速かつ正確な出荷体制および日本全国各地への配送体制は、顧客の内装工事の工期変動への柔軟な対応や内装デザイン・仕様のスムーズな検討に大きく貢献している。
ロジスティクス拠点においては、各地域の在庫バックアップ機能を持ち、所在エリアの在庫拠点も兼ねる基幹ロジスティクスセンター(以下、LC)を2カ所、各エリアの在庫拠点となる地域LCを7カ所設置しているほか、全社的な在庫の効率化を見据えたサプライチェーンマネジメントセンターの設置を進めていく。

 

社会課題となっている人手不足や高齢化、女性にも働きやすい職場環境整備を見据え、徹底した自動化・省人化を追求し、全国LCへ展開している。配送体制については、ソリューション提案力の強化に向けた施策として、ラストワンマイルに対応する自社個配網であるサービスクルー便を拡充している。人員数を大幅に増やし、対応エリアを拡大するとともに、拠点間輸送体制の再構築、既存便の集約等による効率化を進め、配送サービスのレベル向上に努めている。ロジスティクス人材における採用の強化・育成を行い、適切な労務管理の徹底や統括部門への安全管理担当の設置等による組織力向上を進め、物流機能を拡大させるとともに、配送品質および安全性の向上に資する取り組みにも注力している。

 

<主要リソース等(2024年)>

物流人材および業務委託先 約1,000

旗艦/地域LC  9拠点


(同社 統合報告書「SANGETSU REPORT 2025」より)

 

 

(4)施工機能
施工はデザインを具現化する手段として非常に重要な機能であるが、建設業界における人手不足は業界全体の重要課題の一つである。施工には、元請け工事、一次・二次下請け工事があり、同社では従来から二次下請け施工(内装業者の施工応援業務)を行ってきた。2014 年に発表した中期経営計画「Next Stage Plan G」の重点施策として施工力強化を明示して以降、同社グループの重要機能として位置付け、施工機能を担うフェアトーン(2017年グループ会社化)や壁装(2021年グループ会社化)と連携を取りながら、グループ全体での施工機能の向上を図っている。従来同社が主としていた内装施工力のみならず、事業主に近いポジションで空間全体を具現化する総合施工力の強化に向け、見積り・調達・施工管理を行うエンジニア人材の拡充を進める一方で、安全管理や法規制への対応基盤を構築し、デザイン力・ソリューション力を強化している。

 

<主要リソース等(2024年)>

一級・二級建築士 40名

施工管理技士 112

 

 

2.2026年3月期上期決算概要

【2-1 業績概要】

 

25/3期上期

構成比

26/3期上期

構成比

前年同期比

予想比

売上高

93,878

100.0%

98,892

100.0%

+5.3%

-0.1%

売上総利益

28,977

30.9%

30,621

31.0%

+5.7%

-0.3%

販管費

21,598

23.0%

22,435

22.7%

+3.9%

-3.7%

営業利益

7,379

7.9%

8,185

8.3%

+10.9%

+10.6%

経常利益

7,607

8.1%

8,526

8.6%

+12.1%

+11.5%

四半期純利益

4,995

5.3%

6,313

6.4%

+26.4%

+23.8%

*単位:百万円。中間純利益は親会社株主に帰属する中間純利益。

 

増収増益、売上高は上期の過去最高を更新
売上高は前年同期比5.3%増の988億円。3セグメントとも増収で上期の過去最高を更新した。営業利益は同10.9%増の81億円。国内インテリアセグメントは、仕入先の火災事故の影響(床材ユニット)や人的資本強化に伴う人件費増など各種コスト増を価格改定効果、商品ポートフォリオ強化により吸収し、営業増益。国内エクステリアセグメントは黒字転換、海外セグメントは損失縮小。予想に対しては海外セグメントの伸長などで売上高はほぼ計画通り、利益は主に国内インテリアセグメントの販管費減少により計画を上回った。

 

 

【2-2 セグメント別動向】

 

25/3期上期

26/3期上期

前年同期比

売上高

 

 

 

国内インテリアセグメント

77,810

78,010

+0.3%

壁装ユニット

37,768

39,349

+4.2%

床材ユニット

27,736

25,863

-6.8%

ファブリックユニット

4,466

4,827

+8.1%

施工およびその他

7,838

7,970

+1.7%

国内エクステリアセグメント

3,139

3,380

+7.7%

海外セグメント

12,938

17,502

+35.3%

調整額

-10

-0

-

合計

93,878

98,892

+5.3%

営業利益

 

 

 

国内インテリアセグメント

8,008

8,253

+3.1%

国内エクステリアセグメント

-40

36

-

海外セグメント

-589

-106

-

調整額

1

1

-

合計

7,379

8,185

+10.9%

*単位:百万円

 

➀国内インテリアセグメント
前年同期比増収増益。厳しい環境下ではあるが、商品・デザイン・物流・施工といった各機能の強化および機能間の連携を推進し、市場・地域・顧客のニーズに応じたソリューション提案活動を展開した。コスト増を価格改定や中型商品の販売増で吸収した。壁紙販売数量は前年同期比減少したが、他社に先行して実施した価格改定等によるシェアへの影響は限定的と考えている。

 

(商品)
環境配慮、省施工のニーズに対応した低環境負荷商品の品揃えや新商品の開発に注力した。第2四半期(7-9月)においては、ハイグレードカテゴリー向けの壁紙見本帳「テクスチャー&マテリアル」「ブランド&パターン」、各種施設向けのカーテン見本帳「コントラクトカーテン vol.11」等を発刊した。リアテック(粘着剤付化粧フィルム)、中・高価格帯のカーペットタイル、フロアタイル、椅子生地等の中型商品(高付加価値商品)の販売は引き続き堅調に推移した。

 

(物流)
効率的かつ競争力のある体制構築に向け、SCMの中核機能として継続的な改善活動を推進している。2025年3月期より全社横断組織によるSCMの高度化に着手し、調達物流の改善、物流現場での省人化等を進めている。2025年4月にグループ会社化した物流会社の株式会社SDS、および九州地区の物流を担うグループ会社の株式会社クロス企画と連携し、物流機能のさらなる向上を図っている。

 

(製造)
グループ会社の壁紙メーカーであるクレアネイト株式会社が、2025年10月に広島県において新工場を開設した。東日本(岩手県、千葉県)に加え、西日本に製造拠点を構えることで3拠点での最適生産体制を構築し、高品質で競争力に裏付けられた安定供給を実現する。

 

(空間総合事業部)
2025年4月創設。事業企画から空間デザイン・設計、施工、営業・マーケティング・プロジェクトマネジメントを一貫して担う。インテリア事業で培った、多様な市場へのネットワークや、トータルインテリアとしてのプロダクトポートフォリオなど、同社グループの独自性・専門性に裏付けられた価値を提案、提供することを目指している。

 

仕入先工場の火災事故の影響により、一部床材商品(主に非住宅と集合住宅向け)の売上が減少したほか、廃番とした旧見本帳商品の評価損を第1四半期(4‐6月)に計上した。第2四半期(7-9月)からは、受注停止となっていた非住宅向けの床材商品を本格的に販売再開し、概ね想定通りの回復となっている。

 

➁国内エクステリアセグメント
前年同期比増収増益(黒字転換)。四半期ベースで25年3月期第3四半期から継続して黒字を計上している。
新設住宅着工戸数の低迷等厳しい事業環境が続いているが、販売価格の上昇、意匠性の高いカーポートや防犯面から需要が高まっている門扉といった各商品の販売伸長、2024年に開設した関東2拠点での安定的な受注確保等のほか、外構空間に関わる設計・施工事業における専門人材の採用、営業活動の強化、施工領域の拡大により、売上が伸長している。適切な販管費コントロールの実施により、販管費は減少した。

 

③海外セグメント
前年同期比増収増益(損失縮小)
海外関係会社の2025年1月から6月までの実績を、26年3月期上期の業績に算入している。

 

<北米(米国・カナダ)>
経営基盤や事業インフラの強化が一段と進み、各施策が着実に進捗している。ホテル市場のみならずオフィスや商業施設など他市場での拡販が進み、増収。業績連動賞与をはじめとした人件費は膨らんだものの、売上高の増加および製造現場での生産性改善がカバーし、利益は前年同期比で増加した。

 

<東南アジア>
2025年3月期に悪化したインテリア商品卸売事業の損益が、経営体制の刷新をはじめとする構造改革の進展により大きく改善し、第2四半期(4‐6月)単体では黒字転換した。2024年7月にグループ会社化した、設計・施工を事業領域とするD’Perception社は売上に寄与したものの赤字となっており、企業体質の強化が課題である。

 

<中国・香港>
不動産市場の停滞や雇用環境の悪化による消費意欲の低下などを背景に、依然として厳しい状況が続いている。顧客・市場別の戦略実行による受注増加、報酬体系の見直しや各種コストの適正化により、前年同期と比較して業績は改善傾向にある。

 

【2-3 財務状態】

◎主要BS

 

25/3月末

25/9月末

増減

 

25/3月末

25/9月末

増減

流動資産

117,011

113,272

-3,738

流動負債

58,276

44,499

-13,777

現預金

33,727

33,392

-335

仕入債務

33,612

29,440

-4,172

売上債権

58,879

54,602

-4,277

短期借入金

9,607

2,567

-7,040

有価証券

300

300

0

固定負債

11,836

21,903

+10,066

棚卸資産

22,433

23,222

+789

長期借入金

3,177

13,531

+10,354

固定資産

66,912

69,249

+2,337

負債合計

70,113

66,402

-3,710

有形固定資産

41,665

42,335

+669

純資産

113,810

116,119

+2,309

無形固定資産

4,354

5,060

+705

利益剰余金

74,538

76,443

+1,905

投資その他の資産

20,892

21,853

+961

自己株式

-698

-663

+35

資産合計

183,923

182,522

-1,401

負債純資産合計

183,923

182,522

-1,401

 

 

 

 

自己資本比率

61.4%

63.2%

+1.8pt

*単位:百万円。売上債権は、受取手形、売掛金、契約資産、電子記録債権の合計。仕入債務は、支払手形及び買掛金、契約負債、電子記録債務の合計。借入金にはリース債務を含む。

 

現預金、売上債権の減少などで資産合計は前期末に比べ14億円減少し1,825億円。
仕入債務の減少などで負債合計は同37億円減少し664億円。
利益剰余金の増加等で純資産は同23億円増加し1,161億円。これらの結果、自己資本比率は前期末から1.8ポイント上昇し63.2%となった。有利子負債は同33億円増加し160億円となった。

 

【2-4 トピックス】

◎サステナビリティの取り組み
①環境
壁紙メーカーであるクレアネイト株式会社の新たな製造拠点においても、環境負荷の低減を推進している。東日本に加え西日本にも製造拠点を設けることで、原材料調達および製品配送の距離を大幅に削減し、配送に伴うGHG排出量の削減を見込んでいる。メイン燃料を重油から液化天然ガス(LNG)に転換することによるエネルギー効率の向上などにも貢献する計画である。脱炭素社会や水資源保全などに貢献する低環境負荷商品を各見本帳に多数ラインアップするなど、社会課題解決を起点とした商品開発を加速させている。

 

 

②人的資本
積水ハウス株式会社が実施する、男性育休を考えるプロジェクト「IKUKYU.PJT」に賛同した。「育休を考える日」である9月19日にタイミングを合わせて、サンゲツが進めている男性育児休業取得に関するニュースリリースを発表し、性別問わず誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする「共育て」の実現に向けた情報発信を行った。サンゲツ単体では、2024年度実績において、中期経営計画[BX 2025]で目標に掲げる「男性社員の育児休業2週間以上の取得率100%」を達成している。

 

③社会貢献
2014年より実施している児童養護施設のリフォーム支援をはじめ、産学共同事業の構想など教育機関との新たな取り組みを通じた社会貢献にも注力している。これらの取り組みの中で、社会貢献活動である「ビリビリンピック&エコフォトフレームづくり」が「第19回キッズデザイン賞」(※)を受賞した。この活動は、壁装材や床材、ファブリックといったインテリア商材のサンプルチップ付き見本帳の分別作業を競技化し、剥がしたサンプルチップでフォトフレームを製作する、同社ならではの体験型イベント。リサイクルの重要性やインテリアへの興味・関心を高め、子どもたちの創造性を育むことに貢献することを目的としている。プロダクト以外の分野でのキッズデザイン賞の受賞は同社として初めて。

 

※キッズデザイン賞(主催:特定非営利活動法人キッズデザイン協議会)
「子どもたちが安全に、そして安心して暮らす」「子どもたちが感性や創造性豊かに育つ」「子どもを産み育てやすい社会をつくる」という目的を満たす、製品・サービス・空間・活動・研究の中から、子どもや子育てに関わる社会課題解決に取り組む優れた作品を顕彰するもの。

 

3.2026年3月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

25/3期

構成比

26/3期(予)

構成比

前期比

進捗率

売上高

200,378

100.0%

210,000

100.0%

+4.8%

47.1%

売上総利益

62,373

31.1%

65,800

31.3%

+5.5%

46.5%

販管費

44,198

22.1%

46,800

22.3%

+5.8%

47.9%

営業利益

18,174

9.1%

19,000

9.0%

+4.7%

43.1%

経常利益

18,606

9.3%

19,500

9.3%

+5.0%

43.7%

当期純利益

12,567

6.3%

13,000

6.2%

+3.6%

48.6%

*単位: 百万円

 

業績予想に変更なし、増収増益を予想
業績予想に変更は無い。売上高は前期比4.8%増の2,100億円(セグメント売上高について修正あるが、連結合計には変更なし)、3セグメントとも増収を予想。営業利益は同4.7%増の190億円の予想。国内インテリアセグメントが主に仕入先工場における火災事故の影響により減益予想の一方、国内エクステリアセグメントの増益、海外セグメントの黒字転換が寄与する。年間配当は前期比5.00円/株増の155.00円/株の予想。12期連続増配で予想配当性向は70.1%。

 

【3-2 セグメント別動向】

 

25/3期

26/3期(予)

前期比

修正率

進捗率

売上高

 

 

 

 

 

国内インテリアセグメント

163,986

166,000

+1.2%

-0.4%

47.0%

国内エクステリアセグメント

6,611

7,250

+9.6%

-4.6%

46.6%

海外セグメント

29,794

36,750

+23.3%

+2.9%

47.6%

調整額

-13

-

-

-

-

合計

200,378

210,000

+4.8%

0.0%

47.1%

営業利益

 

 

 

 

 

国内インテリアセグメント

18,940

18,850

-0.5%

0.0%

43.8%

国内エクステリアセグメント

17

50

+190.6%

0.0%

74.0%

海外セグメント

-785

100

-

0.0%

-

調整額

2

-

-

-

-

合計

18,174

19,000

+4.7%

0.0%

43.1%

*単位:百万円

 

(1)国内インテリアセグメント
増収減益予想。
新築住宅市場を中心に弱含みの市場環境を想定している。数量は減少傾向で推移するも、各商品のシェア拡大を進める。仕入コストや人件費等を中心とする販管費の継続的なコストアップの影響が今期も拡大する見込みだが、2024年12月に実施した価格改定等によりカバーする考えだ。
2024年12月に発生した仕入先工場における火災事故の影響により、2025年2月から一部の床材商品の受注を停止していたが、7月から段階的に供給を再開しており、2025年内にほぼ全商品について供給が再開される予定。今期について、上期を底に通期を通じて売上高で約50億円の影響を見込んでいる。

 

 

(2)国内エクステリアセグメント
増収増益予想。
本業であるエクステリア商材の流通事業の強化を図るため、経営体制を刷新。サンゲツグループ独自のエクステリア商品の開発およびサンゲツの営業ネットワークを活用した拡販等、グループ全体でのエクステリア事業強化に取り組む。

 

 

(3)海外事業
増収、黒字転換予想。
堅調な受注を確保している北米が引き続き業績を牽引する。空間デザイン・施工事業を担うD’Perception社の売上寄与や、前期計上された一過性費用の剥落、経営体制を一新した東南アジア・中国の業績改善等により黒字転換を目指す。

 

 

【3-3 中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】の進捗・トピックス】

(1)グループ連結経営の強化
グループ会社の存在感が増大している。2026年3月期上期の全社合計に占めるグループ会社の比率は売上高で31.9%、営業利益で10.5%。2023年3月期上期はそれぞれ25.2%、0.3%であったので、ここ3年で比率は着実に上昇している。
同社グループの企業価値向上に向け、サンゲツとしては今まで以上にグループ会社の経営力強化を支援していく考えだ。
海外セグメントに関しては、北米の伸長、東南アジアの赤字縮小(商品インテリア卸事業は26年3月期第2四半期(4-6月)に黒字転換)、中国・香港の赤字縮小により、2026年3月期は通期で海外セグメントの黒字転換を予想している。

 

(2)サプライチェーンマネジメント強化に向けた取り組み
同社は、多品種にまたがる卸売業を祖業・主業にしているため、物流・調達・システムを個別に捉えるのではなく、各機能が一体となって競争力を強化するSCMが重要だと考えている。サプライチェーンに関わるすべての機能が連携して初めて成り立つもので、それぞれの機能の強みだけでなく、チェーンそのものの強みを実現することが必要である。業界内では最先端を行く同社だが、他業界との比較では、改善の余地が大きいと考えている。

 

行程はStep1~Step4に分かれている。LC別の適正在庫算出(需要予測)・補充プロセス標準化・安定した在庫コントロールを目指すStep1では、デカップリングポイント(※)であるサンゲツLC(ロジスティクス・センター)が持つ在庫の最適化を完了している。
現在は、サンゲツ全体在庫の適正化と仕入先プロセス整流を目指すStep2を進めており、2026年3月期中の完了を想定している。2027年3月期には庫内作業生産性の向上と庫内配置最適化を図るStep3に着手する予定。その後、全LC最適化と最適ルーティングを目指す最終工程Step4を完了させ、調達先、販売先など社外も含め、業界のサプライチェーン全体を視野に入れた適正化を実現する。

 

Step1及び一部Step2におけるロジックおよび自動補充フローの高度化・拡充により、平均在庫量、平均在庫金額および補充指図回数は改善効果が表れている。需要予測に基づく発注点と発注量のコントロールによる、全LCにおける最適在庫の実現が進んでいる。

 

※デカップリングポイント
製造プロセスにおいて、見込み生産と受注生産の切り替えを判断する基準点

 

 

 

(同社資料より)

 

(3)人的資本の拡大・高度化・活躍支援
デザイン・商品開発、設計・施工管理。情報システム・DX、コーポレート、営業、ロジスティクスといった幅広い職種で、2023年度は49名、2024年度は39名と積極的なキャリア採用を進めてきた。今後もキャリア採用は継続するが、量のみではなく質も重視していく必要があると考えている。
2025年9月時点のエンゲージメントスコアは58.7(A)と、前回の57.7(BBB)から向上し、2026年3月期目標の58.0(A)を達成した。「変革と成長の加速」を掲げる中、「変革活動」に対する社員の期待度が低いことは課題であり、サーベイを通じて健全な危機感に注視していく考えだ。

 

(4)商品調達体制の整備・強化
2025年10月、国内最大手のビニル壁紙メーカーであるクレアネイト社の東広島新工場が稼働を開始した。特に一般壁紙と比較して、品種が少なく、出荷数量が多い量産品の国内メーカーの稼働率は高水準で推移しており、持続的な安定供給体制構築に大きく寄与すると考えている。
環境負荷低減や働きやすい労務環境の整備を重視した設計で、サンゲツグループの重要なメーカー機能を担う同社を有効に活用し、調達コストの低減や商品開発・製造におけるグループシナジーの創出により競争力の一層の向上を目指す。

 

(5)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応
資本コスト、PER、PBR等の現状認識及び取組みは以下の通り。

 

①資本コストとROE、ROIC
CAPMによる資本コストは6.0%弱と推定しているが、市場期待である株式益利回りや投資家へのヒアリングを踏まえ、資本コストは8.0%前後と認識している。過去5年平均(21~25年3月期)のROEは9.2%、ROICは11.5%。これに対して、資本コストは8.0%前後と、スプレッドは超過状態にあるが、さらなる企業価値向上においては、時間軸を捉えた成長投資によるリターン実現と継続的かつ適切な資本コントロールが重要と認識している。

 

②PER、PBR
PERは23年3月期の収益性向上後、13倍台で推移している。PBRも1.0倍以上で推移しているが、株価の上値は重く、PER、PBRとも横ばい状態が続いている。収益性向上によりEPSは増加しているが、株価の上昇は限定的であり、成長期待を反映するPERが低迷している。

 

③取組み
*キャッシュ・アロケーション
中期経営計画【BX 2025】において、2026年3月期までの3年間累計で、Cash Inは470~570億円を見込んでいる。直近予想では営業CF約500億円、借入金増加約30億円。
Cash Outは成長投資約190~260億円、株主還元約254億円(自己株式取得は含まず)を予想。2026年3月期の主な成長投資はクレアネイト東広島工場新設、SDSのグループ会社化など約60~130億円を見込んでいる。

 

*株主還元
2026年3月期は、中間配当77.5円/株、期末配当は77.5円/株の予想。前期比5円/株の増配で12期連続増配の見込みである。予想配当性向は70.1%。

 

 

4.近藤社長に聞く

近藤社長に2026年3月期上期決算のポイント、今後の取組み、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

Q:2026年3月期上期決算について、各セグメントの状況についてお話しください。

 

概ね想定通りの決算でした。
国内インテリア事業は、仕入先工場の火災事故の影響はありましたが、供給及び販売の再開は概ね計画通りに進みました。主力の壁紙においては他社に先駆けた2024年12月の価格改定の影響もあり、上期時点において数量は減少しましたが、当社がこれまで進めてきた商品の機能強化などをご評価いただき、高シェアを維持できています。また、高付加価値の中型商品の売上構成比は1/4まで拡大してきています。こうしたことから、想定よりも厳しい国内の需要環境下であったものの、国内インテリア事業は底堅さを示すことができました。

 

国内エクステリア事業は小幅ではありますが、四半期ベースで25年3月期第3四半期から継続して黒字を計上することができました。事業環境は引き続き厳しいものがありますが、前期に開設した関東2拠点の売上が計画以上に寄与してきたことに加え、コストコントロールをしっかりと行って前年同期比で黒字転換しています。より安定的・継続的に利益を創出するための成長戦略についてはこれからという段階です。

 

海外事業については、北米では経営基盤や事業インフラの強化が一段と進むなど、各施策が着実に進捗して、利益が拡大しています。先日、Korosealの社長と様々議論したのですが、今後の成長戦略についても非常に意欲的なものであり、サンゲツとしてもこれをしっかりと後押ししていく考えです。
経営を刷新した東南アジアのインテリア商品卸売事業は第2四半期単体(2025年4-6月)では黒字に転換しましたので、この改善傾向を加速させていきます。設計・施工を担うD’Perception社は、主力のオフィスに加えホテルの大型案件を受注し売上高は大きく増えたものの、コストが先行し、上期は損失を計上しました。下期は収益改善を果たしていく見通しです。一方、中国・香港も経営体制を刷新し、現地スタッフ主導の経営改善を進めています。不動産をはじめ事業環境が大変厳しいものの、商品開発等でのサンゲツのサポートを強化し、短期間での収益改善を目指します。

 

Q:高付加価値の中型商品のサンゲツならではの強みや優位性はどのような点にあるのでしょうか。

 

代表的な中型商品の一つである粘着剤付化粧フィルムのリアテックについて言えば、品質と技術力に優位性があり、かつ、当社のきめ細やかな販売ネットワークを強みとして、着実に市場シェアが高まっています。リアテックは、日本市場のみならず海外での普及も期待されるので、今後グローバル商品として海外向けマーケティングを強化していきます。

 

Q:売上・利益に占めるグループ会社の構成比が高まっています。今後の取組みについてお話しください。

 

当社の事業規模、事業領域が拡大していく中、今後グループ会社各社の事業基盤、収益力の強化、ならびに、サンゲツグループとしての連結経営の強化が、今後の企業価値向上に向けて、大変重要になります。
当社とグループ会社は決して「親-子」にとどまるものではなく、独立会社としての自主性、主体性を尊重し、個社としての実力を高めるべく当社は各社をサポートしていきます。グループ会社の業種は、製造、施工、物流、卸売等多岐にわたっており、各社が必要とする機能については、出向者派遣を含め最大限サポートします。

 

Q:中期経営計画において「人的資本の強化」を重要なテーマとして挙げています。現在の進捗及び今後の課題などはいかがですか。

 

事業領域が広がり、グループ会社数が増加していること等を踏まえ、ここ数年新卒に加え、キャリア採用を積極的に進めてきました。当社として強化すべき機能、取り組むべき新たな事業はまだまだあるので、高度人材のキャリア採用を続けるとともに、現有社員のスキル強化、能力向上を一段と進めていきます。
例えば研修の内容について、まだまだ十分でないと考えており、事業環境が劇的に変わる中、必要なスキル、能力が身に付くよう、階層別に研修のあり方、内容等を検討しています。

 

Q:クレアネイトの東広島工場が竣工しました。御社のメーカー機能を今後どのように有効に活用していくお考えでしょうか

 

壁紙は大きく分けて量産壁紙と付加価値の高い一般壁紙に分けられます。クレアネイトは量産壁紙に強い会社です。業界全体での量産壁紙の国内需給はかなりひっ迫していますので、今回の東広島工場は、岩手県の一関工場とともに、競争力ある商品の持続的・安定的な供給体制の構築が最も重要な目的となります。もう一つの工場である成田工場は一般壁紙を主に製造しています。クレアネイトはサンゲツグループ国内唯一のメーカーであり、壁紙にとどまらず、市場・顧客ニーズ、社会課題の解決につながるイノベーティブな商品、高付加価値商品の開発を、当社と連携して強化していきます。

 

Q:ありがとうございます。それでは最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。

 

2023年3月期、2024年3月期の好業績を反映し株価は上昇しましたが、その後は横ばい状態が続いています。
これは、次の成長戦略が問われているのだということは十分理解しております。
現在2026年5月に公表する次の中期経営計画を策定中です。底堅い国内インテリア事業は、既存のインテリア商品卸売事業を拡大させつつ、隣接領域でどんな事業展開ができるのか、日本市場と比較して相対的に成長余地の大きい海外事業に関してはどのように加速させていくのか、国内エクステリア事業と空間総合事業は収益を伴った成長を実現させるための見極め及び基盤づくり、といった点がポイントとなり、それを支える人事制度や投資計画を具体的にご説明したいと思っています。
引き続き私どもの挑戦をご支援下さいますようお願い申し上げます。

 

5.今後の注目点

上期進捗率は売上高47.1%。営業利益43.1%。下期のウェイトが高い同社では、いずれもほぼ例年並みの水準である。中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】の最終年度、国内の需要環境(特に住宅市場)の低迷、仕入先工場火災の影響を踏まえた微減益予想の国内インテリア事業において、存在感を高めている中型商品(高付加価値商品)の伸長や火災事故から供給を再開した床材商品の販売回復、適切な販管費コントロールなどでどこまで売上・利益を積み上げていくことができるのか注目したい。

 

 

 

<参考1:中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】>

2023年5月12日、2020 年 5 月に発表した 2030 年を見据えた Sangetsu Group長期ビジョン【DESIGN 2030】を見直すとともに、2025年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】を策定した。

 

【長期ビジョンの見直しおよび新中期経営計画策定の背景】
同社グループは、2020年5月に長期ビジョン【DESIGN 2030】とともに、2020年度から2022年度までの中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】を発表し、4つの基本方針に基づく個別施策を着実に実行してきた。
その結果、長期ビジョン【DESIGN 2030】で設定した売上高・利益の収益目標を大きく上回ることができた。この3年間は、新型コロナウイルス感染症により、市場は大きく落ち込み、米国Koroseal社が大規模な減損損失を計上するなど、同社も影響を受けたが、自社グループの事業基盤や収益力は大きく拡大・強化されたと捉えている。
一方、世界経済は新型コロナウイルス感染症の影響から脱したとはいえ、格差の拡大、地政学的不安定性の増大、地球温暖化への対応の緊急性の高まり、金融情勢の不安定化等の不確実性、不透明性がますます高まっている。

 

こうした状況をふまえ、同社グループでは、改めて長期ビジョン【DESIGN 2030】を見直すとともに、長期的な成長に向けた新中期経営計画【BX 2025】を策定した。
なお、2024年1月に同社グループではグループ社員を中心としたタスクフォースにより企業理念の見直しを行っている。

 

【前中期経営計画(2020-2022) 【D.C. 2022】の振り返り】
(1)成果:実施施策と成果

1.基幹事業の質的成長による収益の拡大

・低環境負荷商品の発売、低価格帯商品の拡充等商品ポートフォリオの増強

・クレアネイト社買収、新工場建設決定等の戦略的調達体制構築

・地域密着型営業体制の強化と全国展開型顧客フォロー体制整備による取引獲得能力向上

・大規模在庫拠点である基幹ロジスティクスセンターの設置と地域サテライト型ロジスティクスセンターの展開、全国配送網の整備

・カーテンの to C販売の拡大

2.基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化

・インテリア、エクステリア両面での空間デザイン力、施工管理力の強化

・東北地区有力施工事業者である株式会社壁装の買収を含めた施工能力拡大

・東南アジア・中国/香港での事業体制再編

3.経営・事業基盤の強化

管理職への職務給制度(ジョブ型人事制度)の導入

4.3次にわたる価格改定による収益の向上

-

 

(2)成果:定量実績
①財務指標

 

23/3期

参考:過去最高

【D.C. 2022】目標

【DESIGN 2030】目標

売上高

1,760.2

1,612(2019年度)

1,620

2,250※

EBITDA

246.8

140(1996年度)

-

-

営業利益

202.8

125(1996年度)

120

185

当期純利益

140.0

65(2016年度)

85

-

*単位:億円
※【DESIGN 2030】の見直し前の売上高目標は、収益認識に関する会計基準適用無し

 

2014年度にスタートした新体制の下、2度の中期経営計画「Next stage Plan G」「PLG2019」で実施してきた投資が「D.C. 2022」で効果を創出し、事業基盤・サービス機能の強化に基づく収益性向上を達成した。
営業利益は長期目標である【DESIGN 2030】の185億円を上回った。

 

 

 

23/3期

【D.C. 2022】目標

ROIC

16.5%

9.0%

ROE

15.3%

9.0%

CCC

77.1日

65日

 

仕入債務回転期間、棚卸資産回転期間の長期化により、CCCが目標未達であった以外は全ての目標をクリアした。

 

 

②非財務指標
地球環境、人的資本、社会資本の目標達成状況は以下のとおり。
スコープ1及び2におけるGHG排出削減目標は達成した。

(同社資料より)

 

③資本政策・株主還元
*自己資本
2020年3月末の自己資本932.4億円に対し、「900~950億円の範囲で維持する」ことを目標としていたが、2023年3月末は957.4億円と、若干の超過となった。

 

*資金配分
成長投資への資金配分計画を「200~260億円」としていたが、実績は158.6億円と50~100億円及ばなかった。

 

*株主還元
3年間の還元総額は169.2億円。総還元性向は約100%の方針に対し88.8%の実績。

 

(3)課題認識
前中期経営計画【 D.C. 2022 】を終えて、以下のような課題を認識している。

 

◎直接的な外部環境

高いシェアをもつ壁紙等、既存主力商品の日本市場の数量停滞

施工技能者の高齢化、施工力不足の顕在化

小口・重量物配送における物流 2024 年問題の現実化

原材料費、物流費、人件費の継続的上昇

汎用品価格帯でのリサイクルおよび低環境負荷商品への要請

 

◎内部課題

限定的な取扱商品

独自の商品デザイン力と裏付けとなるブランディング力

商品・物流・施工・販売・経営を統合管理するシステム構築

空間デザイン、施工管理、見積・調達、提案における専門力

地理的・規模的に限定されたエクステリア事業

海外事業会社の空間デザイン提案力、短納期供給力、施工支援力、商品デザイン力

事業転換の実行による販管費の拡大

社員意識変革、社員エンゲージメント、コンプライアンス、非正規社員の増加

教育研修を含む人的資本への低投資

 

【長期ビジョン【DESIGN 2030】の見直し】
長期ビジョン【DESIGN 2030】では“サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ”を目標に掲げ、スペースクリエーション企業へ転換するためのアプローチを明示し、取り組むこととしている。
このベースとなる基本的な考え方、戦略に変更はないが、前中期経営計画期間中の施策面、収益面の進捗をふまえ、長期ビジョン達成へのアプローチの文言を一部変更し、スペースクリエーション企業像の明確化と、さらにその先の事業の考察を行うと同時に、2022年度決算において長期ビジョン【DESIGN 2030】の収益目標を達成したことから、新たな定量目標を設定した。

 

(1)“スペースクリエーション企業へのアプローチ”の変更
2020 年5月に発表した“スぺ―スクリエーション企業へのアプローチ”の文言を以下のとおりに変更する。

 

経営・事業の基盤

多様性のある専門人材

多様性のある人的資本

事業関連データの連携と活用

デジタル資本の連携と活用

主要機能

サービス売りへの完全転換

 

サービスを付加価値の源泉とする事業

ソリューション提供

 

空間デザイン、商品、物流・配送、施工等の機能を有機的にインテグレートしてソリューションとして提供する事業

 

(同社資料より)

 

(2)目指すスペースクリエーション企業像の明確化
長期ビジョン【DESIGN 2030】で目指しているスペースクリエーション企業像を以下のとおり明確化する。

 

「人的資本とデジタル資本を基盤としたデザイン力とクリエイティビティによる4機能を有機的にインテグレートしたソリューション力により、グローバルにスペースクリエーションに関する高い価値を提供する企業」

 

<4つの機能>

それぞれの市場に最適なコンセプトに基づく魅力的な空間デザイン提案機能

高度な企画・開発・調達力を持ち、広範囲な商品を提案するスペース材料提供機能

品切れなく広域に即時配送を可能とする在庫・配送・物流機能

さまざまな事業、人的関係、企業連携を通じての規模と総合性・機動性のある施工機能

 

 

(3)更なる成長のための戦略:ソリューション力の強化
スペースクリエーション企業のプラットフォーム強化に加え、更なる商品・分野・地域での成長戦略を展開する。
空間デザイン、材料提供、物流・配送、施工機能といったソリューション力の強化を図る。
具体的には、【DESIGN 2030】を見据えて【BX 2025】から、「主要商品・事業の収益維持・向上」「中型商品の強化」「新商品による新市場開拓」「エクステリア分野の強化」「海外事業の収益拡大」に取り組む。

 

(4)スペースクリエーション企業の先の展開:スペースオペレーション事業への展開
同社では、スペースクリエーション企業へと転換することによる収益基盤の拡大と、収益の安定性を確認する一方、さらなる大きな成長のためにはスペースクリエーション企業に留まらず、さらに事業を展開していく必要性も認識した。

 

スペースクリエーション企業として、人々によろこびとやすらぎをもたらす空間をデザインし、提案し、提供するためには、その空間での人々の過ごし方を考え、構想することが必要となる。すなわち、スペースクリエーションとはどのような空間を提供するのか、空間をどのように人々に使っていただくかを考えることであり、これは空間のオペレーションがいかに行われるかを考察することに繋がっていると考えている。

 

その意味において、スペースクリエーション事業の先には空間のオペレーション事業の可能性があると考えており、「空間軸」に「時間軸」を掛け合わせた、スペースオペレーション事業への展開の可能性を追求すべく、検討を進めていく考えだ。

 

 

(5)新たな定量目標

(同社資料より)

 

2030年3月期の目標達成に向け今期から【BX 2025】を推進するとともに、長期的な視点でスペースオペレーション事業への展開を目指す。

 

【中期経営計画【BX 2025】の概要】
(1)基本方針
【BX 2025】は、前述した「課題認識」の下、「更なる成長のための戦略であるソリューション力の強化」に向け、次の飛躍に備える3年間と位置づけている。

 

<基本方針>
スペースクリエーションの価値を高めるソリューション力を強化・拡充し、強固な収益力と成長力を持つスペースクリエーション企業へと転換。
主要商品・市場の事業拡張に加え、商品の拡充、エクステリア事業・海外事業の拡大を実行する。
また、更なる長期的成長を可能ならしめる事業を展開するべく、スペースオペレーション事業の可能性を検討する。

 

<新組織体制>
この基本方針を徹底させ、ソリューション力を強化・拡充するために、事業部門を従来の取扱商材別から、地域別に分けたビジネスユニット体制に変革した。

 

(2)施策
「1.人的資本の拡大・高度化・活躍支援」「2. デジタル資本の蓄積・分析・活用」「3. ソリューション提供力の強化」「4. エクステリア事業と海外事業」「5. 社会価値の向上」の5つを挙げている。

 

①人的資本の拡大・高度化・活躍支援
人的資本の強化が、最重要課題であると考えており、具体的には以下の取り組みを進める。

組織別人事担当者の配置

多様性のあるキャリア採用の大幅増と新卒採用拡大

専門性と事業構築力強化のための教育・研修拡充

処遇改善と働く環境整備

非正規社員比率の改善とダイバーシティの推進

 

・社員各人をきめ細かくフォローするために、全社の人事ではなく、各組織別の人事担当者を配置する。

 

・サンゲツ単体のキャリア採用は、空間デザイナー、施工エンジニア、情報システム関連、ロジスティクス、コーポレート部門など、3年間で60-80名の採用を計画している。2023年度に49名、2024年度に39名の採用状況となっている。

 

・サンゲツ単体では、24年度の平均年収は7,895千円と上昇基調になっている。

 

・継続的に実施している社員アンケートの結果、19年度以降に仕事へのやりがいが低下傾向にあった中、23年度は改善に向けたさまざまな施策により改善傾向に転じた。また、チャレンジを重視する社風を感じる社員は継続して増加している。
過去、「やりがい」に関しては、社員の大半を占める営業社員に対する評価・報酬が従来は個人を対象としたものであったのに対し、組織対象に変更したためと見ているが、上記のような処遇改善により、足元では認識も変化しているということだ。

 

②デジタル資本の蓄積・分析・活用
具体的な施策は以下のとおり。

事業モデル転換に向けての基幹システムのリノベーション

空間デザイン提案を含むバリューチェーン変革のための情報・DATA活用推進

代理店との協業による商流・物流データ活用を通じての営業・物流の効率化、確実化

業務改善と現場業務のデジタル化推進

 

最重要課題が「代理店との協業による商流・物流データ活用を通じての営業・物流の効率化、確実化」である。
現在、同社の長いバリューチェーン内で、情報・DATAが分断されており、受注データと物流データの連携がない。そのため、発送した商品が現在どこにあるのかを把握することが難しい。
これを、DATAの連結を行うことで取引の確実化と物流の効率化を図る。加えて消費者に対しデジタルによる商品選定サポートを行うことで付加価値の提供も可能となる。

 

③ソリューション提供力の強化
具体的な施策は以下のとおり。

各々の市場に特化した空間デザイン、空間提案力の増強

取扱商品の拡大、高度化、ブランディング強化

商品調達体制の整備・強化

ロジスティクス体制の地理的・機能的な拡充、強化

大規模かつ機動力のある内装施工力と施工管理体制の整備

 

・サンゲツ単体では、空間設計・企画などスペースデザインを手掛ける専門人材を、2019年度の37名から2023年度には86名、2025年度には120名まで拡充する見込みだ。見積・調達・施工管理を行うエンジニアに関しては、2019年度0名を、2023年度5名、2025年度25名に増員することを目標としている。

 

・新たな取り扱い商品としてセラミックス商品、エクステリア商品の拡充を進めている。ウィリアム・モリスのデザインアーカイブに、現代のライフスタイルを調和させた、新たなコレクション「MORRIS CHRONICLES(モリス クロニクルズ)」の導入など、商品デザイン力・ブランディング力の強化にも取り組んでいる。

 

・商品力のみでなく機能強化で差別化を図っている同社は、遠方地区への当日配送網の拡大、重量物配送、階上げ・間配りまで行うサービス機能の提供など、ロジスティクスに関しても拡充・強化を図っている。
商品配送の現場を担うサービスクルーの拡大も進めている。23年度には札幌、東北、東京23区、中部、中国四国、九州で実施しているが、25年度には全国での展開を計画している。

 

・内装施工力強化と施工管理体制整備に向け、建築施工管理技士(22年度実績、1級建築施工管理技士13名、2級建築施工管理技士79名)および施工技能士(22年度実績、1,250名)の増強を進め、サンゲツ・フェアトーンとの連携を強化している。

 

④エクステリア事業と海外事業
具体的な施策は以下のとおり。

エクステリア事業の地理的・規模的拡大、高度化

海外事業におけるスペ―スクリエーション事業への転換のための商品・空間デザイン力強化、短納期供給体制構築、施工支援力強化、市場に応じたきめ細かな営業体制構築

 

・エクステリア事業は中部地区においては約30.0%のシェアを有するものの、関東地区、全国でのシェアはそれぞれ約2.0%、5.0%と低水準。そこで、インテリア事業とエクステリア事業の協業を強化する。インテリア事業の基盤を活用し、エクステリア事業の営業活動を活発化させるほか、インテリアとエクステリアの空間デザインの連携による提案力強化や施工体制の整備を図る。
・海外事業では、特に北米事業の強化を目指す。北米の壁紙市場は日本市場と比較して数量はおおよそ30分の1と小さいが、単価は日本の10倍以上。商品力に加えサンゲツが得意とする機能の向上も図ることで現在約20弱%にとどまる北米でのシェアを拡大させ効率的な収益拡大を図る。

 

⑤社会価値の向上
環境、社会について以下のような施策を推進する。

 

<環境>

連結および単体GHG(Scope1&2)排出量削減

GHG(Scope3)排出量の把握と削減方策の明確化

低環境負荷商品の開発強化

見本帳リサイクルセンターの拡大含めリサイクルの推進

 

・GHG(Scope1&2)排出量削減目標は、「26年3月期連結28%削減(21年度比)、単体60%削減(18年度比)」「30年3月期連結55%削減(21年度比)、単体カーボンニュートラル実現」を掲げている。
グループ非製造会社においてはカーボンニュートラルの実現を目指すとともに、壁紙製造会社であるクレアネイトの広島新工場においては、メイン燃料を従来の重油から液化天然ガス(LNG)にするなど、環境負荷の低減に向けた取り組みを進める。

 

<社会>

ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン推進

児童養護施設の住環境改善活動の推進

支援が必要な子ども達、開発途上国、難民への継続的支援

 

・サンゲツ単体の女性管理職比率は23年4月1日時点での18.3%から25年4月1日時点で22.8%となっており、25年度期初には25.0%へ、障がい者雇用比率は22年度時点の3.9%から24年度は3.2%、25年度には4.0%以上に引き上げる計画。

 

(3)資本政策
①株主還元方針

2026年3月末の自己資本を950〜1,050 億円 とする

株主還元は配当を主体とし、1株当たり年間配当金は130円を下限に、安定的な増配を目指す

市場の状況により自己株式の取得も検討する

 

26年3月期は12年連続の増配を予定している。

 

②資金配分計画
資金創出・調達は、23年3月末保有現金同等物270億円、3年間の営業CF470-510億円、3年間の借入金増減は▲80-60億円。

 

これを原資に、成長投資に200-250億円、株主還元に250-350億円を計画している。
主な設備投資は、クレアネイト広島工場80億円、物流投資18億円。
26年3月末の保有現金同等物は200-250億円を見込んでいる。

 

(4)定量目標(KPI)
①経済的価値
前述のように、定量目標の一部を見直した。売上高は目標を上回るものの、国内インテリアセグメントでの仕入先工場での火災事故の影響や、国内エクステリアセグメントおよび海外セグメントの当初利益目標に対する未達が利益を押し下げる見込みである。ROEについては、利益の下振れだけでなく、分母の自己資本の積み上がりも影響している。CCCについては、営業現場での取り組みやSCMの効果がある一方で、健全かつ持続的なサプライチェーンを維持していくための商流の見直し等も考慮している。

 

◎主要指標

 

23/3期

26/3期

連結売上高

1,760.2

2,100.0

連結営業利益

202.8

190.0

連結当期純利益

140.0

130.0

ROE

15.3%

11.5%

ROIC

16.5%

14.0%

CCC

77.1日

70.0日

単位:億円

 

◎セグメント別目標

 

23/3期

26/3期

売上高

1,760.2

2,100.0

国内インテリア

1,479.8

1,660.0

国内エクステリア

62.9

72.5

海外

217.5

367.5

営業利益

202.8

190.0

国内インテリア

210.9

188.5

国内エクステリア

4.5

0.5

海外

-12.6

1.0

単位:億円

 

②社会的価値
◎地球環境
<事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減>

GHG排出量

連結 28%削減 (2021年度比)

単体 60 %削減 (2018年度比)

使用エネルギー量

単体6.0%削減(2018年度比)

リサイクル率(有効利用率)

単体90.0%以上

 

◎人的資本
<社員の健康と能力開発、風土改革>

非喫煙率

85%以上

人的資本投資額

3年間合計7億円

キャリア採用者数

3年間合計60-80名

エンゲージメントスコア※

58.0(A)

※単体目標。やりがい指数については、2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用。

 

<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進>

女性管理職比率

25.0%以上(2026年4月時点)

障がい者雇用率

4.0%以上(2026年3月末時点)

男性育休取得率

2週間以上100%

*いずれも単体。

 

③社会資本
<コミュニティへの参画>

児童養護施設改修活動費

連結50件/年間

マッチングギフト

連結18,000S-mile(※)

外部団体への寄付を含めた社会貢献活動

連結

年間経常利益の0.3〜0.5%を目途とし、寄付は特定の団体に継続的に実施する。

 

※S-mile
社会貢献活動の促進を目的とした「サンゲツグループマッチングギフトプログラム」。社員の社会貢献活動をカウントし、活動内容に対しスマイルポイント(S-mile)を付与する。そのポイントを金額換算し、同社から支援先のNPOなどの団体へ寄附する仕組み。
基準となる活動は、会社が主体となって実施する「サンゲツグループボランティアクラブ」での活動に加え、社外での福祉施設支援・被災者支援・国際交流・地域活動・青少年教育・NPO支援等の個人活動を対象とし、全国の社員が地域によらず積極的に参加できるよう活動の支援を行っている。

 

<参考2:長期ビジョン【DESIGN 2030】>

<Sangetsu Group 長期ビジョン【DESIGN 2030】>
(1)概要
安田前社長が創業家以外初の経営トップに就任した2014年以降、経営体制、ガバナンス体制、仕事のやり方、社外とのかかわり方など、様々な変革に取り組み、同社は大きく変化・変容してきた。
しかし、事業そのものは、内装材料の販売という事業モデルから変化しておらず、この事業モデルそのものの変革が必要であると認識している。
そのためには、目指すビジョンを明確にし、未来の目標を明確に意識しながら、確実に諸施策を実行していく必要があると考え、2020年5月、「Sangetsu Group長期ビジョン【DESIGN 2030】」を設定した。

 

【DESIGN 2030】は2030年のありたい姿をデザインするという意味。
DESIGNのそれぞれのアルファベットが、目指すべき仕事の内容を表している。

 

(同社資料より)

 

(2)長期ビジョン【DESIGN 2030】の見直し
長期ビジョン【DESIGN 2030】では“サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ”を目標に掲げ、スペースクリエーション企業へ転換するためのアプローチを明示し、取り組むこととしている。
このベースとなる基本的な考え方、戦略に変更はないが、前中期経営計画期間中の施策面、収益面の進捗をふまえ、長期ビジョン達成へのアプローチの文言を一部変更し、スペースクリエーション企業像の明確化と、さらにその先の事業の考察を行うと同時に、2022年度決算において長期ビジョン【DESIGN 2030】の収益目標を達成したことから、新たな定量目標を設定した。

 

①目指す姿:「スペースクリエーション企業」
現在有するモノや商品のデザイン力、営業力、物流力をベースに、新たにスペースや空間を構想・デザインし、提案する能力を獲得して、新たなスペースや空間を創造する企業を目指していく。
今回の見直しに際してはスペースクリエーション企業へと転換することによる収益基盤の拡大と、収益の安定性を確認する一方、さらなる大きな成長のためにはスペースクリエーション企業に留まらず、さらに事業を展開していく必要性も認識した。

 

②長期ビジョン達成に向けて
長期ビジョンの達成に向けては、経営の基本を「デザイン経営」とし、デザインによるブランド価値の向上と事業転換を目指す。また、経営・事業の基盤に、「多様性のある人的資本」と「デジタル資本の連携と活用」を位置付け、「現場力と多様性ある専門人材が活躍する組織」、「DATAによる事業の効率化と転換」を実現させる。
主要機能としては、空間デザイン、商品、物流・配送、施工等の機能を有機的にインテグレートしてソリューションとして提供する「ソリューション提供」を目指す。
また、事業のエリアは、日本、北米、東南アジア、中国を中心とした環太平洋地域とする。
こうしたアプローチにより、「スペースクリエーション企業」へ転換し、同時に社会的価値の実現にも取り組んでいく。

 

(同社資料より)

 

 

③デザイン経営
デザイン経営の考え方は以下の通り。

 

『サンゲツグループは、デザインによる提供価値の拡大・向上を実現し、事業を転換することを目指します。

 

商品・空間自体の美しさや機能、コーディネーションを追求するだけでなく、さまざまな空間での人々の過ごし方、生活・体験・行動を考え、人と空間とのかかわりを構想し、デザインし、提案します。

 

モノのデザイン、空間のデザインに加え、コトのデザインを考え、提案することにより、ブランド価値を向上し、従来のモノを売る会社から、空間を創造しコトを提案・実現する会社へ転換することを目指します。』

 

④実現を目指す社会的価値
実現を目指す社会的価値を「Inclusive(みんなで)、Sustainable(いつまでも)、Enjoyable(楽しさあふれる)社会の実現に貢献します」としており、Inclusive、Sustainable、EnjoyableのそれぞれにおいてSDGsの目標を掲げている。

平等で健康的なインクルーシブな社会の実現

 

サンゲツグループは、健康で快適な空間の創造を通じ、ジェンダーの多様性が尊重される、格差のない平等で健康的でインクルーシブな社会の実現に貢献します。

 

地球環境を守るサステイナブルな社会の実現

 

サンゲツグループは、サプライチェーン全体の環境負荷を低減し、長く使い続けられる空間の創造を通じ、ストック建築物の有効活用と共に、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現に貢献します。

 

より豊かでエンジョイアブルな社会の実現

 

サンゲツグループは、公平・安全・安心・効率的で人権を尊重する働き方により、さまざまな文化・生活に応じた空間の創造を通じ、よりエンジョイアブルな社会の実現に貢献します。

 

 

3つ目のEnjoyable については、SDGsの基本的な理念「誰も取り残さない」を踏まえ、自社の事業を考慮し、一歩進んで、より豊かでエンジョイアブルな社会の実現を社会的価値の一つとして挙げることとした。

 

 

<参考3:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

7名、うち社外4名(うち独立役員4名)

監査等委員

5名、うち社外4名(うち独立役員4名)

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2025年6月19日

 

<基本的な考え方>
当社は、企業価値の向上を図るため全てのステークホルダーとの良好な関係を築き、持続的に発展していくことを目指しています。
その実現のため、経営の透明性、迅速性、効率性を基盤としたコーポレート・ガバナンスの強化が重要な経営課題であると認識しています。
当社は、社外取締役の経営参加による取締役会の監査・監督機能を強化することをねらいとして、監査等委員会設置会社へ移行しています。
このガバナンス体制のもと、更なる企業価値の向上に努めております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

【原則1-4. いわゆる政策保有株式】

1.政策保有に関する方針、保有の適否に関する検証内容

事業戦略上、新たに関係を強化すべき企業、また、取引先として継続して関係を強化すべき企業などの観点から総合的に判断して中長期的に保有する政策保有株式を決めております。

保有株式については毎年、保有にかかるコストとリターンを確認し、中長期的にも保有意義がなくなったと判断した場合には株式の売却を行う方針であり、それに基づいた運用をしております。取締役会における検証の結果、保有継続を決定した銘柄については、有価証券報告書の「株式の保有状況」欄で開示します。

また、当社は政策保有株式として保有している会社から当社株式の売却の申出があった場合、売却を妨げる行為は行いません。

2.議決権行使の考え方

投資先企業の経営方針を尊重した上で、様々なチャンネルを通じた対話やコミュニケーションを行い、その企業の中長期的な企業価値の向上、株主還元姿勢、コーポレート・ガバナンスやCSRへの取組みなどを総合的に判断するとともに、議案の内容が当社の保有目的に適合するか、又、当該企業の価値向上につながるかを個別に精査した上で賛否の判断をしています。

【原則2-4 女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】

補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保

(1)多様性の確保についての考え方

サンゲツグループ人権方針、サンゲツグループダイバーシティ基本方針を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認および性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進しています。

(2)多様性の確保の自主的かつ測定可能な目標、及び多様性の確保の状況

・女性の管理職への登用

当社の正社員の女性社員比率は37.7%で、両立支援制度の拡充など性差問わず働き易い環境を整備してきたことにより年々増加しています。また、リーダー層(係長クラス)での女性比率は43.0%、管理職での女性比率は22.8%です。また、女性活躍を支援するために、女性社員及び上司に対するキャリア形成支援と支援スキル向上研修、女性活躍支援健康セミナー等も実施しています。中期経営計画【BX 2025】では、2026年までに女性管理職比率を25%とする目標を掲げており、過去5年間の推移を当社ウェブサイトで開示しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/divercity_policy.html

・キャリア採用者の管理職への登用

経営人材、情報システム、デザイナー等の専門人材を確保するため、2016年よりキャリア採用者の採用を積極的に行っております。執行役員については8名のうちキャリア採用者は3名です。

当社では専門人材、プロ人材については社内での育成と共にキャリア採用を積極的に推進しており、毎年管理職として数名を採用し、また、非管理職として採用した人材についても他の正社員と同様に公正な管理職登用を行っています。キャリア採用者の定着を図り活躍を支援するために、入社後の研修や社内コミュニケーションを実施しています。

・外国籍人材の管理職への登用

サンゲツ単体は主として国内市場をターゲットにしていますが、グループでの海外事業展開を始めた2015年より外国籍人材の採用を行っております。これらの人材は今後国籍の区分なく能力と業務パフォーマンスを基準に平等に管理職へ登用していきます。なお、グループの海外事業会社では、事業の中核を担う役員ポストのうち約6割が外国籍人材です。

(3)多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針、その状況

背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげる「ダイバーシティ・マネジメント」を経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、持続的な成長に向けた重要施策として取り組んでいます。ダイバーシティ&インクルージョン目標として、障がい者雇用の拡大、女性管理職登用支援、及び男性育児休暇取得促進を掲げています。この他にも、有給休暇取得率の向上、長時間労働の是正、及びLGBTQ+に関する取組み等を行っています。

 

補充原則3-1③

・サステナビリティについての取組み

長期ビジョン【DESIGN 2030】において、SDGsで示される17の目標の内、10を当社グループ目標内に入れています。また中期経営計画【BX 2025】において、基本方針の一つに社会価値に関する定量目標を掲げています。具体的な施策としては、①環境負荷の低減について具体的な数値目標の設定、②サプライチェーンにおける環境負荷の把握を促進(将来的には調達活動の判断基準の一つとする予定です)、③高耐久性のあるロングライフ商品の開発、低環境負荷商品の開発、④見本帳リサイクルがあります。④については、sangetsu 見本帳リサイクルセンターを2021年3月に開設、業務を開始しております。

・人的資本への投資

当社は、社員の多様性、人格、個性を尊重し、一人ひとりが経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の運営を目指しており、これらの制度については、当社ウェブサイトで開示しています

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/divercity_policy.html

人的資本への投資としては、社員の育成・能力開発、社員エンゲージメントの向上、働きやすい環境整備などがあげられますが、当社はこの全てに積極的に取り組んでいます。特に、現中期経営計画【BX 2025】においては、人的資本の強化を主要な施策の一つとして掲げ、3年間の投資計画として7億円を計画し、人的資本の拡大・高度化・活躍支援に取り組んでおります。具体的な取り組み施策としては、キャリア採用および新卒採用の拡大、社員の活躍支援としての教育・研修の拡充、エンゲージメントサーベイの実施、人事制度の見直し、処遇改善等を進めております。

さらに、健康経営方針『健康に働き、人生を送る「従業員が生き生きと働くために」』を掲げており、従業員が生き生きと働くために、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り健康の保持・増進活動に取組んでおり、これらの活動についても、当社ウェブサイトで開示しています

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html

・知的財産への投資

長期ビジョン【DESIGN 2030】において、デザインによるブランド価値の向上と事業転換を目指し、「デザイン経営」を経営の基本としています。デザイン経営を実現するため、デザイン人材の採用拡大、育成を通じた商品・空間デザイン提案力強化を推進しています。2023年7月に新設した法務部では法務機能に加えて、知財機能の強化に取り組んでおり、知的財産権創造、保護及び活用を積極的に行うことで、ブランド価値の向上を図っております。その他、従業員の職務発明に対しては、職務発明取扱いに関する社内規定に従い適切な報奨金を支払い、知的財産の創造を促進しております。

・気候変動が事業活動に与える影響

2025年6月発刊の有価証券報告書に気候変動によるリスクと機会を記載しています。また、2024年9月発刊の統合報告書50~55ページでは自然資本について、事業活動における環境負荷の状況をまとめており、事業活動やサプライチェーン全体での負荷低減の取組みを記載しています。当社ウェブサイトでは、「気候変動に関する考え方、重要課題」について、グラフや表を多用して説明しています

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html

また、2021年10月にTCFDに賛同し、TCFD開示項目4要素(戦略、ガバナンス、リスク管理、指標と目標)をウェブサイト内で概ね開示しています。リスク管理については、ウェブサイト内「気候変動によるリスクと機会」について、表を用いて説明しています

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/risk.html

また、2022年度より、社長を委員長とするリスク管理委員会において、「気候変動リスク部会」を新たに設置して、より組織的なリスク管理体制での対応と監視を行い、リスクと機会の特定と対応についてレビューと再検討を進めています。

今後、シナリオ分析の実施と財務影響の把握を進めるとともに、更なる開示の質と量の充実を進めてまいります。

【原則5-1. 株主との建設的な対話に関する方針】

 

・IR活動に関しては社長自らが統括し、IR面談、決算説明会も対応しています。海外投資家にも直接説明するなど投資家との積極的な対応を行っています。また、定期的に全社外取締役を含む監査等委員と機関投資家のミーティングを実施しています。  

・株主との対話を合理的に推進し且つ機動的なIR活動を実践するために、経営戦略室広報IR課を設置しています。

・国内・海外機関投資家、アナリストとの対話は要望に応じて社長執行役員、担当役員、経営戦略室広報IR課が面談しています。

・IR活動は広報IR課を専門部局としますが、各事業本部、財務経理部、経営戦略室経営企画課などの各部門が連携し、より実効性の高い情報提供に努めています。

・決算発表のほか、機関投資家向けには、決算説明会、経営戦略説明会、ロジセンター見学会等のイベントを開催、個人投資家向けには、証券取引所主催の個人投資家向けIRイベントへの参画のほか、株式情報誌への出稿やウェブサイトの拡充など積極的な情報開示を実施しています。

・2017年より当社品川ショールームにおいて株主向け会社説明会を実施し、主に関東地区の個人株主様への会社説明の機会を設けています。本説明会には取締役が出席し、社長執行役員が会社説明を行っています。(2020年度~2022年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため未実施)

・各イベント等で使用した説明用資料や対話の様子をウェブサイトで開示しており、必要に応じて英語版も開示しています。

・各年度において統合報告書を作成し、当社ウェブサイトで日本語版と英語版を開示しています

https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/report.html

・直接的な対話、ウェブサイト上の資料、決算説明会の動画、及び株主総会の動画の公開を通じて、株主に対し当社の経営戦略、事業環境、事業進捗、財務情報などに関して理解を深めて戴ける活動を実践しています。

・株主や投資家との対話を通じて得られたご意見は、広報IR課を通じて経営の改善に役立てています。また、四半期ごとに事業部門責任者へ共有し、情報開示の拡充および企業価値向上に向けた改善に繋げております。

・インサイダー情報の管理の取扱いについては、内部者取引等管理規定(インサイダー取引防止規定)に基づき、未公表の重要事実の管理を徹底し、適切に対応しています。

 

 

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