ブリッジレポート
(4255) THECOO株式会社

グロース

ブリッジレポート:(4255)THECOO 2025年12月期決算

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平良 真人 CEO

THECOO株式会社(4255)

 

 

企業情報

市場

東証グロース市場

業種

情報・通信業

代表者

平良 真人

所在地

東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル

決算月

12月

HP

https://thecoo.co.jp

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,943円

2,100,105株

4,080百万円

39.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.0円

-

119.39円

16.3倍

257.62円

7.5倍

*株価は3/5終値。25年12月期決算短信より。

 

業績推移(非連結)

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2022年12月

4,279

-212

-210

-488

-

0.0

2023年12月

3,806

-544

-553

-764

-

0.0

2024年12月

4,331

-68

-63

-69

-

0.0

2025年12月

4,831

197

215

174

83.34

0.0

2026年12月(予)

5,480

300

300

250

119.39

0.0

*予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

 

THECOO株式会社の2025年12月期決算概要などをご紹介致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2025年12月期決算概要
3.2026年12月期業績予想
4.平良代表取締役社長CEOへのインタビュー
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • WEB、Android、iOSで提供するファンビジネスプラットフォーム「Fanicon」を運営する「ファンビジネスプラットフォーム事業」、及びYouTuberやインスタグラマー等を活用したマーケティング支援を行う「インフルエンサーセールス事業」と運用型広告のコンサルティングを行う「デジタル広告事業」などを提供する「デジタルマーケティング事業」を展開している。2014年設立、21年12月に東証マザーズ市場へ新規上場。22年4月に市場区分の見直しに伴い東証グロース市場へ移行。

     

  • 25/12期の売上高は前期比11.5%増の48億31百万円。ファンビジネスプラットフォーム事業が18.3%増収と牽引、デジタルマーケティングは7.2%減収にとどまったが全体として2桁増収を確保した。営業利益は1億97百万円、前期68百万円の損失から黒字に転じて大幅に改善した。売上総利益は前期比21.7%増。販管費はコントロールして7.0%増にとどめた。売上拡大に向けて成長投資を実行する一方、人件費等の費用コントロールを行った。セグメント別には、ファンビジネスプラットフォーム事業が大幅な増益となり、デジタルマーケティング事業でも損失が縮小した。

     

  • 26/12期は、売上高が前期比13.4%増の54億80百万円、営業利益は同52.2%増の3億円を予想。ファンビジネスプラットフォーム事業においては、新規アイコンの獲得に伴うファン数の増加による月額利用料金の増加が続く見通し。デジタルマーケティング事業においては、新たに台頭するインフルエンサーとのネットワークを強化する。利益面では、Faniconのファン数増加やトラフィック急増時に備えたインフラ強化のための開発費や人材獲得のための人件費が増加する見込み。また、新規サービスの探索活動および追加販路の開拓に係る投資として1億80百万円を見込んでいる。

     

  • 平良社長へ25/12期実績や26/12期予想、さらには今後の中長期的な見通しなどについてインタビューした。25/12期には黒字体質をしっかりと固め、26/12期予想についても増収基調をしっかりと維持しつつ費用面では予想を大きく変動する要素はあまりないという。また、株価は昨年上昇したものの公開時には届いていない。時価総額100億円を目指してしっかりと業績予想を達成し、株主の期待に応えていく姿勢が示された。

     

  • 23/12期の従業員不正行為に伴う成長鈍化により24/12期にかけて赤字続いていた。こうした中、ファンビジネスプラットフォーム事業が牽引して23/12期下期をボトムに四半期毎に売上が伸び、コスト改善もあり24/12期4Qには黒字転換していた。25/12期はその流れを引き継いだ形で四半期ごとに売上・利益とも拡大基調となり、期中2度の上方修正を経ての着地となった。26/12期においてもこの流れは継続するだろう。売上構成比の大きいファンビジネスプラットフォーム事業の安定成長は当面続きそう。株価も見直しが進み、昨年は4倍近くにまで上昇した。それでも、21年の公開価格(7,200円)には遠く及ばない。25/12期には売上高・営業利益とも過去最高を更新しており、足元の売上・利益の成長からも依然として評価不足といえそうだ。

     

     

1.会社概要

WEB、Android、iOSで提供しているファンビジネスプラットフォーム「Fanicon」を運営する「ファンビジネスプラットフォーム事業」、及びYouTuberやインスタグラマー等を活用したマーケティング支援を行う「インフルエンサーセールス事業」と運用型広告のコンサルティングを行う「デジタル広告事業」などを提供する「デジタルマーケティング事業」を展開している。
「Fanicon」は17年12月の提供開始以降、インフルエンサーだけでなく、アーティストや著名人が幅広く利用し、ファンコミュニティだけでなく、ECやチケットなどを統合して扱えるファンビジネスプラットフォーム事業へと拡大してきた。

 

社名「THECOO」の由来は、般若心経の中の文句「色即是空(しきそくぜくう)」。
この世の万物は形をもつが、その形は仮のもので、本質は空(くう)であり、不変のものではないという意味である。
人の人生は、儚く脆くあっという間に過ぎ去る。ならば、『人生を思いっきり楽しみましょう』。
平良社長のこのような思いが込められている。

 

【1-1 沿革】

平良代表取締役CEOが一橋大学卒業後に伊藤忠商事、SONY、Googleなどを経てデジタル広告事業を行う企業として2014年に設立。15年にインフルエンサーセールス事業を開始し17年にはファンビジネスプラットフォーム事業を立ち上げた。21年12月に東証マザーズ市場へ新規上場。22年4月に市場区分の見直しに伴い東証グロース市場へ移行。

 

年 月

概要

14年 1月

東京都品川区大崎にデジタル広告事業を行うルビー・マーケティング株式会社設立

3月

東京都港区南麻布二丁目に本社を移転

9月

東京都港区芝二丁目に本社を移転

15年 1月

インフルエンサーセールス事業を開始

1月

YouTubeクリエイターと広告主企業のマッチングサービス「iCON CAST」の提供開始

16年 2月

THECOO株式会社に社名変更

2月

マーケティングとインフルエンサーについて考えるオウンドメディア「RIPPLY」の運用開始

7月

東京都目黒区目黒二丁目に本社を移転

12月

美容ファッション・ライフスタイルに焦点をあてたインフルエンサーマネジメント事業を行うため、

子会社HUITMORE株式会社(所有持分51%)を設立

17年 3月

インフルエンサーマネジメント事業として社内にゲーム実況者に特化した事務所「Studio Coup」を立ち上げ

12月

ファンビジネスプラットフォーム事業を開始

ファンコミュニティプラットフォームであるアプリ「Fanicon」をリリース

18年 3月

東京都渋谷区神宮前三丁目に本社を移転

19年 3月

HUITMORE株式会社の全株式を取得

5月

HUITMORE株式会社を吸収合併

20年 3月

チケット制ライブ配信サービス「Fanistream」の提供開始

21年 4月

チケット制ライブ配信サービス「Fanistream」をリニューアルし、「CaSsette」の提供開始

4月

新宿御苑にスタジオ「BLACKBOX³」をオープン

5月

NTTドコモとライブ配信事業に関する業務提携契約を締結

12月

東証マザーズに新規上場

22年 4月

東証市場区分見直しに伴いマザーズ市場からグロース市場に移行

8月

東京都渋谷区神宮前二丁目に本社を移転

23年 6月

Faniconプラットフォームにおけるオンデマンド製造サービスを新たにリリース

 

【1-2 経営方針】

ビジョン
“できっこない”に挑み続ける
個人が失敗を恐れず、自由に表現し、活躍できる社会に。

挑戦はイノベーションを生み出しますが、残念ながら、全ての挑戦がすぐに報われるわけではありません。

努力が実らないことも、続ける意義を見失ってしまうこともあります。

挑戦に失敗はつきもの。「失敗しても諦めず、成功するまで続ければ、いつかは必ず成功する」

とTHECOOは信じています。

私たちは全てのユーザー、クライアント、そして社員のさまざまな領域における挑戦を、全力でサポートします。

 

インフルエンサーやデジタル広告、ファンコミュニティビジネスに限定することなく、テクノロジーの力を最大限に活かして、公序良俗に反することなく“できっこない”に立ち向かい、挑戦し続ける企業・組織・人を目指す。

 

【1-3 事業内容】

BtoCであるファンビジネスプラットフォーム事業およびBtoBであるデジタルマーケティング事業の2セグメント。ファンビジネスプラットフォーム事業は成長事業、デジタルマーケティング事業はコア事業と位置付けている。相互にデータ・顧客基盤・ノウハウ等を共有している。

 

  ファンビジネスプラットフォーム事業               デジタルマーケティング事業

(同社資料より)

 

アイコン・・・コミュニティのオーナー且つ運営主体
ファン・・・月額料金を支払い、コミュニティに加入するユーザー
レポーティング・・・広告運用についての定期報告、内容は出稿金額、獲得コスト、広告運用方法等
ファンから受け取る収益は、月額利用料金とポイント購入、ECでの物販などで構成される。
「Fanicon」=「Fan」+「Icon」

 

(1)ファンビジネスプラットフォーム事業
ファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供及び運営管理を行う。
「Fanicon」はアーティスト、インフルエンサー、タレント等(ファンコミュニティのオーナーであり、ファンの熱量の対象となるもの、以下「アイコン」という)とそのファンが集い、アイコンとしての「価値」を提供したいアイコン側のニーズと、アイコンや共通の目的を持ったファンと「つながりたい」というファン側のニーズをマッチングさせるプラットフォーム。従来のアイコン側(事務所を含む)からの一方通行のコミュニケーションがメインのファンクラブと異なる。ファンコミュニティのオーナーであるアイコンと、そのファンコミュニティに属するファンが一緒になってコミュニティを盛り上げ、ファンコミュニティを通じて共感したファン同士も繋がり、アイコンとファン、ファンとファンが双方向でコミュニケーションを可能にしたアイコンとファンのためのサービス。
「Fanicon」はセルフサインアップ型のサービス。アイコンやアイコンの所属事務所がコミュニティの運営やコンテンツの提供などを独自に行う。同社はカスタマーサクセスチームを設置し、アイコンにファンの熱量を維持するために有効な機能の使用方法や、ファンに喜んでもらえるコミュニティ作りをコンサルティングサポートしている。現在、国内においてはインフルエンサーやタレントだけでなく、アーティストや俳優、スポーツ選手といった幅広いジャンルのファンコミュニティが存在しており、韓国でもいくつかのアイコンがコミュニティを開設している。
Faniconの会員(ファン)はすべて有料会員となっている。同事業の売上高は、会員より受領するサブスクリプションフィーを売上高として計上するストック型のビジネスモデル。また、昨今はポイント課金型の売上高も伸びており、安定的、継続的な収入が見込まれている。会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施している。一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ており、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けている。また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により低水準で推移している。
オープンで無料であることが「一般的なサービス」である中、あえて会員制を選択しているのは、完全有料制・完全会員制にすることが、ロイヤリティを高め、持続可能な活動につながるため。ファンを維持したうえで安定した収益基盤を確保できる。また、安心して交流ができ、ファンの熱意も高まる。
アイドル、アーティスト、俳優、ミュージシャン、タレント、YouTuber、スポーツチーム、Kpopアイドルなど、幅広いカテゴリーのアイコンが開設している。
同社の推測では、ファンビジネスプラットフォーム事業のSAM(ファンコミュニティ市場規模)は1.6兆円、TAM(エンタメやコンテンツを含めた市場規模)は13.4兆円。今後も事業の拡大が期待できる広大なマーケットポテンシャルがある。

 

アイコンの一例

(同社資料より)

 

(2)デジタルマーケティング事業
インフルエンサーを用いたマーケティング施策の実施支援及びデジタルマーケティングに関する支援を行う。
インフルエンサーを用いたマーケティング施策とは、顧客企業の製品やサービスをインフルエンサーが制作する動画等を通じてプロモーションする手法。インフルエンサーの持つ属性によってフォロワーにターゲティングしやすく、クライアント企業の商品のブランディングや認知度向上、購買意欲の向上を効率的に行うことが期待できる。インフルエンサーを常時3,000名以上ネットワーキングし、柔軟な提案が可能となっている。
デジタルマーケティングは、ウェブ上で行われる広告活動やマーケティング。自社のブランド、製品・サービス等に関するメッセージを潜在的な顧客に広めることを目的としている。
同事業では顧客企業や広告代理店からプロモーションの依頼を受けて、最適なインフルエンサーの提案・選定及び施策内容の企画立案を行い、インフルエンサーが作成する制作物の進捗や内容確認を実施して、インフルエンサー自身のSNSへの投稿を支援している。特に同社が強みとしているのがデータを活用した提案。特定のメディア・プラットフォームに依存せず、あらゆる分野をカバーする膨大なインフルエンサーネットワークを用いることで顧客の課題に寄り添った最適なソリューションを提供している。
同事業の収益は、主にクライアント企業並びに広告代理店より、契約に基づき収受する手数料等。
同社によると、24年の日本のソーシャル広告の媒体費は13.3%増と高成長。また、デジタルマーケティング事業のSAM(日本のソーシャル広告市場規模)は0.9兆円、TAM(日本のインターネット広告媒体費)は2.9兆円。いずれも2桁成長しており、今後も拡大余地がある巨大なマーケットポテンシャルがある。

2.2025年12月期決算概要

【2-1 業績概要(非連結)】

 

24/12期

構成比

25/12期

構成比

前期比

会社予想

予想比

売上高

4,331

100.0%

4,831

100.0%

+11.5%

4,760

+1.5%

売上総利益

1,831

42.3%

2,229

46.1%

+21.7%

-

-

販管費

1,899

43.9%

2,032

42.1%

+7.0%

-

-

営業利益

-68

-

197

4.1%

-

170

+16.0%

経常利益

-63

-

215

4.5%

-

180

+19.8%

当期純利益

-69

-

174

3.6%

-

150

+16.3%

*単位:百万円。

 

11.5%増収、黒字に転じる
売上高は前期比11.5%増の48億31百万円。ファンビジネスプラットフォーム事業が18.3%増収と牽引、デジタルマーケティングは7.2%減収にとどまったが全体として2桁増収を確保した。営業利益は1億97百万円、前期68百万円の損失から黒字に転じて大幅に改善した。売上総利益率が前期42.3%から46.1%へ向上して売上総利益は前期比21.7%増。販管費はコントロールして7.0%増にとどめた。売上拡大に向けて成長投資を実行する一方、人件費等の費用コントロールを行った。その他の販管費も抑制したことにより損益が大きく改善した。セグメント別には、ファンビジネスプラットフォーム事業が大幅な増益となり、デジタルマーケティング事業でも損失が縮小した。
各段階利益は期中2度の上方修正を経て、その予想も上回って着地した。

 

【2-2 セグメント別売上高・営業利益】

 

24/12期

構成比

25/12期

構成比

前期比

売上高

 

 

 

 

 

ファンビジネスプラットフォーム事業

3,187

73.6%

3,769

78.0%

+18.3%

デジタルマーケティング事業

1,144

26.4%

1,062

22.0%

-7.2%

合計

4,331

100.0%

4,831

100.0%

+11.5%

セグメント利益

 

 

 

 

 

ファンビジネスプラットフォーム事業

57

1.8%

294

7.8%

+415.8%

デジタルマーケティング事業

-125

-

-97

-

-

合計

-68

-

197

4.1%

-

*単位:百万円、セグメント利益の構成比は売上高利益率。

 

*ファンビジネスプラットフォーム事業
売上高は前期比18.3%増の37億69百万円、営業利益は同415.8%増の2億94百万円。
会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施しているが、一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ている。その結果、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けている。また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により、前期に引き続き低水準で推移している。
アイコン数は約3.8千で前年同期比18.8%増、ファン数は同19.4%増の約41.2万人。4Qの流通総額は前年同期比19.8%増の18.6億円と順調に拡大。ARPUについては同3.2%減の896円、個別アプリのファン数の増加によって、下降傾向にある。

 

*デジタルマーケティング事業
売上高は前期比7.2%減の10億62百万円、営業損失は97百万円(前年同期は1億25百万円の損失)。
従業員の育成に力を入れ、サービスの品質向上を図ることで、既存顧客からの継続発注を確保している。同時に、マーケティングとインサイドセールスの活動を積極的に展開することで、国内外を問わず新規顧客の獲得も進めている。4Qの取扱件数は前年同期比8.0%減の150件、案件単価は同23.7%増の2.1百万円。採算性の強化に取り組んでおり収益性は改善傾向にはある。ただし、4Qには既存サービスにおける成長投資や追加販路の探索に取り組んだことにより、営業利益は一時的に縮小している。

【2-3 第4四半期の動向】

四半期毎の推移は以下の通り。
営業損失が続いていたが、23/12期4Qをボトムとした改善傾向が継続している。25/12期は四半期ごとに売上をしっかりと伸ばし、成長投資で4Qは3Q比で若干減少したが利益も拡大傾向にある。

 

 

*ファンビジネスプラットフォーム事業
4Qの売上高は前年同期比13.7%増の10億68百万円、営業利益は前年同期並みの1億円。

 

 

【アイコン数、ファン数の推移】
4Qのアイコン数が前年同期比18.8%増の約3.8千、ファン数は同19.4%増の約41.2万人。新規アイコンの獲得がファン数の伸びを牽引している。

 

(同社資料より)       *個別アプリ:「Fanicon」同等の機能を持つ別のアプリをOEM提供しているもの。

 

【流通総額、ARPUの推移】
4Qの流通総額は前年同期比19.8%増の18.6億円と順調に拡大。ARPUは同3.2%減の896円。全ファン数に占める個別アプリのファン数増加により下降傾向にある。

 

(同社資料より)

 

*Faniconは総売上を計上。個別アプリは手数料のみを売上として計上
*個別アプリ:「Fanicon」同等の機能を持つ別のアプリをOEM提供しているもの

 

*デジタルマーケティング事業
4Qの売上高は前年同期比12.9%増の3億29百万円。営業損失は26百万円(前年同期は20百万円の損失)。採算性改善を進めているものの、既存サービスの成長投資および追加販路の探索により営業損失は増加した。

 

 

【取扱件数、案件単価の推移】
4Qの取扱件数は前年同期比8.0%減の150件となったものの、案件単価は同23.7%増の2.1百万円となった。

(同社資料より)

 

【2-4 財政状態及びキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

24年12月

25年12月

増減

 

24年12月

25年12月

増減

流動資産

2,236

2,917

+681

流動負債

2,235

2,728

+492

現預金

1,601

2,044

+443

仕入債務

858

1,024

+166

売上債権

570

817

+246

前受金

1,051

1,345

+294

固定資産

434

432

-2

固定負債

80

80

-0

有形固定資産

154

132

-22

負債合計

2,316

2,808

+492

無形固定資産

108

128

+19

純資産

354

540

+186

投資その他の資産

171

171

+0

利益剰余金合計

-1,353

174

+1,528

資産合計

2,670

3,349

+678

負債・純資産合計

2,670

3,349

+678

*単位:百万円。

 

現預金の増加などで流動資産が前期末比6億81百万円増加。資産合計は同6億78百万円増加の33億49百万円。
前受金の増加で流動負債が増加し、負債合計は同4億92百万円増加の28億8百万円。
純利益の増加により純資産は同1億86百万円増加の5億40百万円。
自己資本比率は前期末13.3%から16.1%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

24/12期

25/12期

増減

営業CF

225

549

+324

投資CF

-131

-101

+29

フリーCF

94

447

+353

財務CF

-21

-4

+16

現金同等物残高

1,581

2,024

+443

*単位:百万円。

 

ファンビジネスプラットフォーム事業における前受金の増加などにより営業CFおよびフリーCFのプラス幅が拡大した。
キャッシュポジションは増加した。

 

3.2026年12月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

25/12期 

構成比

26/12期(予)

構成比

前期比

売上高

4,831

100.0%

5,480

100.0%

+13.4%

営業利益

197

4.1%

300

5.5%

+52.2%

経常利益

215

4.5%

300

5.5%

+39.1%

当期純利益

174

3.6%

250

4.6%

+43.3%

*単位:百万円。

 

26/12期は2桁増収増益予想
26/12期は、売上高が前期比13.4%増の54億80百万円、営業利益は同52.2%増の3億円を予想。
ファンビジネスプラットフォーム事業においては、新規アイコンの獲得に伴うファン数の増加による月額利用料金の増加が続く見通し。加えて、バレンタインなどの季節毎のイベントとアイコンごとに開催するイベントの実施により、ポイント購入の増加を見込む。デジタルマーケティング事業においては、新たに台頭するインフルエンサーとのネットワークを強化する。消費者のSNSの活用方法の変化に即したマーケティング施策の企画・提案に注力して国内外の顧客との新規案件も増加を目指す。内部統制の強化を継続的に進める。利益面では、Faniconのファン数増加やトラフィック急増時に備えたインフラ強化のための開発費等が増加する見通し。成長に向けて必要な人材獲得のための人件費の増加も見込む。また、将来の事業成長に向けた取り組みとして、新規サービスの探索活動および追加販路の開拓に係る投資として1億80百万円を見込んでいる。

【3-2 26/12期の方針】

これまでの改善プロセスを活かし高収益体質への転換を進めていく。事業を通じて創出した利益を、中長期的な企業価値向上に直結する領域へ積極的に投資を行い、持続的な成長に向けた土台作りを推進する。

 

事業

方針

ファンビジネスプラットフォーム事業

・ファン数拡大のドライバーとして新規アイコンの獲得を強化する

・並行して費用構造の見直しによる利益改善を進める

・中長期の成長に向けた新たなプロダクト創出にも取り組む

デジタルマーケティング事業

・利益率を維持しながら利益規模の拡大を実現させる考え

・このため、大口顧客・新規顧客の獲得に向けた組織基盤の構築と営業力の強化に注力する。

 

 

4.平良代表取締役CEOへのインタビュー

平良真人代表取締役CEOに、設立の経歴や、今後の事業展開、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

平良社長は1973年12月生まれ。一橋大学を卒業後97年に伊藤忠商事株式会社に入社、株式会社ドコモAOLやソニー株式会社、グーグル株式会社を経て2014年にオンライン広告事業を行う企業として同社を設立した。

 

~25/12期実績について~
Q:4Qは売上高が拡大しましたが、利益面では3Qとの比較では減益になっておりますのでその点をご解説いただければと思います。

 

売上高については、年末ということもあり季節的に大きく伸びる時期ではありますが、予想を上回っているような状況でした。利益面につきましては、4Qには戦略的に成長領域に費用を投下いたしました。ただしこれは我々が想定していた投資であり、3Q比で営業減益になったことも計画通りです。

 

Q:デジタルマーケティング事業での採算性見直しについてお聞かせください

 

粗利額を大きくしていこうと取り組んでおります。顧客の規模を大きくすることによって粗利率は上昇する傾向にあり、粗利額は増加します。そのためにも価値のある提案をしていくことにより黒字体質を固めていこうかと思っています。このように顧客の大型化に取り組むことにより取扱件数は減少しつつも案件単価が伸びております。

 

Q:直近で見られるアイコンやファンの特徴などはありますか、また前回インタビューではFaniconで韓国を強化するとのことでしたがその進捗や新規事業展開についてもご紹介いただければと思います。

 

アイコンの特徴に大きな変化はありませんが、スポーツ選手などは増えてきている印象があります。韓国ではK-POPアイドルや俳優が増えてきています。新規事業についてはファンビジネスプラットフォーム事業に近いところで、エンタメ関連の事業を模索しております。

 

~26/12期予想について~
Q:通期予想は開示しておりますが、中間期予想は非開示です、季節ごとの変動はありますか

 

例年4Qに偏る傾向があります。これはFaniconにおいてクリスマスとハロウィンのイベントがあることによるものです。もちろん、例えばバレンタインデーなど季節ごとにイベントはありますが、4Qのイベント、特にクリスマスは圧倒的に大きく売上が伸びます。また、デジタルマーケティング事業では4Qに予算消化の動きが出てきます。

 

 

Q:費用面で不確定要素としてどのようなものが挙げられますか

 

先行投資などが計画から大きく変動することは考えにくく、コスト面で予想を超える可能性があるのはやはり物価高の影響です。もちろん、弊社としてもある程度織り込んではいますが、想定を大きく超えるようであれば業績予想も見直す必要があるかもしれません。

 

Q:人材不足の中で獲得するのは大変だと思いますが、獲得状況についてお聞かせいただければと思います。

 

人材は簡単に獲得できる訳ではなく、流出もあります。大量に採用することはありませんが、各部署で必要な人材がありターゲットを絞って、常に優秀な人材を全社一丸となって採用に取り組んでいる状況です。

 

Q:黒字体質がしっかり固まってきましたが、中長期で目指す売上や利益の規模感は如何ほどですか。

 

日本取引所が定めたグロース市場の上場維持基準となる時価総額100億円を目指しています。それに見合うだけの売上・利益となるように現在は進めています。業績も軌道に乗りはじめ、どこかのタイミングで中期計画も発表すべきかとは思っています。

 

Q:最後に、株主・投資家へのメッセージをお聞かせください。

 

この1年では上昇しましたが、それでも上場時の株価にはほど遠いです。まずは、企業価値を高めるためにもしっかりと予算を達成することです。ぜひ期待していただきたいと思います。

 

5.今後の注目点

23/12期の従業員不正行為に伴う成長鈍化により24/12期にかけて赤字が続いていた。こうした中、ファンビジネスプラットフォーム事業が牽引して23/12期下期をボトムに四半期毎に売上が伸び、コスト改善もあり24/12期4Qには黒字転換していた。25/12期はその流れを引き継いだ形で四半期ごとに売上・利益とも拡大基調となり、期中2度の上方修正を経ての着地となった。26/12期においてもこの流れは継続するだろう。売上構成比の大きいファンビジネスプラットフォーム事業の安定成長は当面続きそう。あえて課題があるとすればデジタルマーケティング事業の伸び悩みということにはなるが、同社の成長を阻むものではない。また、同社はキャッシュリッチであり黒字定着化後にはM&Aなども絡めた成長も期待できそうだ。今後は株主還元の強化にも期待。
株価も見直しが進み、昨年は4倍近くにまで上昇した。それでも、21年の公開価格(7,200円)には遠く及ばない。25/12期には売上高・営業利益とも過去最高を更新しており、足元の売上・利益の成長からも依然として評価不足といえそうだ。今後の四半期毎の成長を見守りたい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2025年3月31日)
基本的な考え方
当社は、「”できっこない”に挑み続ける」というビジョンに基づき、挑戦をしつづけることで継続的に成長し企業価値を最大化するためには、株主、顧客、従業員をはじめとする利害関係者から継続的な信頼を得ることが重要であると認識しております。
そのためには、コーポレート・ガバナンスの充実が極めて重要であり、透明性の確保並びに法令遵守の徹底を進め、同時に、経営環境の変化に対応し、効率的な経営を推進するための組織体制の強化に努めてまいりたいと考えております。

 

【コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由】
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

 

 

 

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