ブリッジレポート
(8040) 株式会社東京ソワール

スタンダード

ブリッジレポート:(8040)東京ソワール 2025年12月期決算

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小泉 純一 代表取締役社長

株式会社東京ソワール(8040)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード

業種

繊維製品(製造業)

代表者

小泉 純一

所在地

東京都中央区銀座7-16-12 G-7ビルディング 7階

決算月

12月

HP

http://www.soir.co.jp

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,059円

3,860,000株

4,087百万円

2.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

45.0円

4.2%

101.35円

10.4倍

3,031.51円

0.3倍

*株価は3/27終値。25年12月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2022年12月

14,241

339

449

519

152.58

20.00

2023年12月

15,026

520

617

798

233.35

30.00

2024年12月

15,700

243

347

500

145.40

45.00

2025年12月

16,112

173

295

236

68.50

45.00

2026年12月(予)

16,200

350

450

350

101.35

45.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。2024年12月期から連結決算。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。

 

 

株式会社東京ソワールの2025年12月期決算概要、小泉社長へのインタビューなどをご紹介致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2025年12月期決算概要
3.2026年12月期業績予想
4. 小泉社長に聞く
5.今後の注目点
<参考1:2025~2027年 中期経営計画>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 婦人フォーマルウェアの製造、販売並びにこれに附随するアクセサリー類の販売を主要な業務とする。製品は縫製加工業者(国内・海外工場)や商社から仕入れ、主に全国の百貨店及び量販店等に卸売販売している。一部はネット販売も含めた直営店舗による直接販売も行う。近年は事業領域の拡大に取り組んでいる。

     

  • 25年12月期の売上高は前期比2.6%増の161億12百万円。 株式会社キャナルジーン(ライフスタイル事業)が連結対象になったこともあり増収。営業利益は同28.5%減の1億73百万円。粗利率が高く中期経営計画で注力中の小売の売上構成比上昇もあり、売上総利益は同4.7%増加し、粗利率も同1.0ポイント上昇したが、出店費用や販促施策等による販管費の増加(同5.7%増)もあり減益となった。
  • 主要販路である百貨店・量販店の店舗閉鎖、不採算店舗閉鎖、猛暑による来店客数減や物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりなどにより売上高は予想を下回った。人件費減、物流コスト抑制などで販管費抑制に努めたが、売上減の影響が大きく、利益も予想を下回った。

     

  • 26年12月期の売上高は前期比0.5%増の162億円、営業利益は同101.3%増の3億50百万円を見込む。引き続き事業環境は厳しいため売上高は前期並みを見込んでいるが、利益面では原材料価格の高騰等はあるものの、効率性を重視して営業利益率を前期1.1%から2.2%へ上昇させる考え。配当は前期と同じ45.00円/株の期末配当を実施する予定。予想配当性向は44.4%。

     

  • 小泉純一社長に、足元の業況、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「フォーマルというのは相手への想いを胸に、装う世界です。結婚式であればあの人の結婚式に出席してお祝いしたい、そのための必要な装いを選びますし、お葬式でもお世話になったあの方への想いを示す装いがある。日本人のそうした心の表現を、これまでも当社はモノづくりを重視し、本質へこだわることで大事にしてきましたが、これからも変わることなく、お客様のために、大切なフォーマルの在り方をお届けしていかなければならないと考えています。厳しい事業環境ではありますが、需要はしっかりとありますので、成長性と収益性を追求しつつ、日本文化を確実に継承してまいります。株主還元をはじめとした資本市場における当社の評価向上にも取り組んでまいりますので、フォーマルライフのリーディングカンパニーとして長期的な成長を目指す当社を、是非中長期の視点で応援していただきたいと思います。」とのことだ。

     

  • 2025年12月期は増収減益ではあったが、棚卸資産回転率及び売上総利益率はそれぞれ改善した。2026年12月期も売上高は前期比横ばいながらも、大幅な増益を計画している。経営理念の再定義からスタートした中期経営計画の折り返しとなる2026年12月期は、中計の達成に向けた「加速フェーズ」と位置づけ、これまでの成果を土台に収益構造の再整備に取り組む考えだ。事業環境は引き続き厳しいと見られるが、どのように利益を伸長させていくかを注視していきたい。

     

     

     

1.会社概要

婦人フォーマルウェアの製造、販売並びにこれに附随するアクセサリー類の販売を主要な業務とする。
製品は縫製加工業者(国内・海外工場)や商社から仕入れ、主に全国の百貨店及び量販店等に卸売販売している。一部はネット販売も含めた直営店舗による直接販売も行う。近年は事業領域の拡大に取り組んでいる。

 

【1-1 沿革】

児島絹子氏が1954年に「ソワール洋装店」を開業したのが始まり。会社設立は1969年。1971年には「黒のフォーマルウェア」に特化して展開、成長の基礎を築いた。国内外の企業との提携を経て、現在も黒が主軸だが黒以外のフォーマルウェアも手掛けている。また、フォーマルに関するアクセサリーや生活用品、食品等の販売も行っている。1986年に日本証券業協会へ店頭登録。1988年には東証二部に上場。2022年4月、東証の市場区分見直しに伴い、スタンダード市場へ移行した。24年4月に株式会社キャナルジーンを子会社化し、ライフスタイル事業をスタートさせた。

 

【1-2 経営理念】

創立55周年を迎えた2024年、経営理念(Mission、Vision、Value)を再定義した。
常に変化する環境において、今後も成長し続けるために、これまでの経営理念の根幹となる精神を受け継ぎつつ、経営を通じて果たすべき使命と目指す姿を示している。

 

ミッション・ビジョン・バリュー

MISSION:社会的使命

大切な想いの、すぐそばに。

大切な人を想う。東京ソワールは、そんな大切な想いのすぐそばで、本質にこだわった価値を提供し、一人ひとりの想いが調和した社会を実現します。

VISION:目指す姿

人を想う気持ちに寄り添い、“生きる”をもっと、美しく。

人生の節目と日々の暮らしにおける「人を想う気持ち」に寄り添うことで、誰もが周囲との調和を大切にしながら、自分らしく凛と美しく生きられる世の中へ。それが、東京ソワールが考えるウェルビーイングです。

私たちは、これまでもこれからも「人を想う気持ち」を大切にしながら、生活者、従業員、取引先、株主、そして社会や地球環境のウェルビーイングの実現に貢献し続けます。

VALUE:大切にする価値観

本質へのこだわり / 文化を創り上げた誇り / すべてに真摯な姿勢

ともに創るチーム力 / 新しいことへの挑戦

 

原点
創業からの原点として、以下を掲げている。

 

Motto

モットー

「自分の人生に目標を持って、いきいきと仕事をしましょう。」

Founding Spirit

創業精神

「誠実、責任、努力」

Origin

原点

日本女性が過去何百年もかけて作り上げてきた日本の着物の文化と技術とその時代に合った最高のマナーに叶った着こなしを受け継いで現代においても日本女性を一番美しく見せる洋服作り。そしてこれからも一番その時代に合った国際的に一流で通る洋服作りに邁進する。

 

【1-3 セグメント】

祖業である婦人フォーマルウェアを卸売・小売などで販売するフォーマル事業が主軸。子会社である株式会社キャナルジーンを中心として、店舗やECで販売するライフスタイル事業が24/12期より新たに加わり、2つのセグメントで事業展開している。

 

【1-4 事業展開】

1-4-1 フォーマル事業
店舗
百貨店や量販店、ショッピングセンターなど644店舗を展開している(2025年末現在)。

(同社HPより)

 

取り扱いカテゴリー
カテゴリーは、葬儀やお別れの会などの悲しみの席や法要に適したブラックフォーマル、結婚式や披露宴などのパーティーや卒業式・入学式・七五三などのセレモニーに適したカラーフォーマル、それぞれのウェアをコーディネートするアクセサリーの3つ。フォーマルのあらゆるニーズに応えるよう、個性豊かなブランドを揃えている。20超のフォーマルブランドを取り扱い、うちブラックフォーマルのみで10ブランドを超える。

 

*ブラックフォーマルの一例 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(同社HPより)

 

 

*カラーフォーマルの一例

 

 

 

 

 

 

ソワール ドルチェ

エモーショナル ドレッシーズ

リファンネ

(同社HPより)

 

*アクセサリーの一例

 

ブラックフォーマル

結婚式・パーティー

セレモニー

(同社HPより)

 

1-4-2 ライフスタイル事業
2024年に子会社化した株式会社キャナルジーンはカジュアルウェアから、バッグ、シューズ、アクセサリーまで幅広く販売。
ルミネエスト新宿店

(同社HPより)

 

2025年3月6日にルミネエスト新宿店をオープン。
あたり前なカジュアルでは満足できない人の為に提案するセレクトショップ。トレンドを取り入れながら、各国の個性的でワールドワイドなブランド・アイテムを中心に、独自の目線でセレクトしている。
店舗販売に加え、ECでも販売しているが、フォーマル事業と比較してEC販売の比率は約7割と高い。

 

公式オンラインショップの一部

(CANAL JEAN(株式会社キャナルジーン)公式オンラインショップより)

 

「kuros’」は黒の持つエネルギーとストーリーを届けるライフスタイル提案型ブランド。

(kuros’HPより)

 

創業よりこだわり続ける「黒」をキーワードに、「Food&Drink」、「Kitchen&Dining」、「Living」、「Fashion」、「Health&Beauty」の
5つのカテゴリーで展開。リアル店舗とオンラインストアで販売しており、丸の内の「KITTE」に常設店舗を構える。

 (同社HPより)

 

【1-5 販売チャネル別売上高】

ロードサイドを含むチェーンストアの構成比が高いが、2025年12月期は株式会社キャナルジーン子会社化の寄与もあり、直営店・ECサイトが大きく伸長した。

 

 

※販売チャネル別の売上高を四捨五入で表示しており、合計が決算短信における全社の売上高と一致しない場合がある。また、本データにおける販売チャネルは、同社の事業別のセグメントとは異なる。
(同社資料より)

 

【1-6 実店舗数の推移】

実店舗数は減少傾向にあるが、売上高は増加していることから店舗あたりの売上高は増加し、効率性が向上している。

※店舗数は各年度の期末時点で店頭展開している売場数を参照している(同一店舗に2か所売場がある場合は2店舗と換算)。
※期間限定展開等の催事及びロードサイドは除外。
※モノポリー店舗とは、同社1社体制の売場を指す。
(同社資料より)

 

【1-7 ROE分析】

 

20/12期

21/12期

22/12期

23/12期

24/12期

25/12期

ROE (%)

-22.8

3.9

6.3

8.9

4.9

2.3

売上高当期純利益率(%)

-19.375

2.532

3.644

5.314

3.188

1.468

総資産回転率(回)

0.640

0.790

1.010

1.044

1.098

1.141

レバレッジ(倍)

1.843

1.949

1.723

1.613

1.407

1.367

*ROEは、決算短信における自己資本当期純利益率。23/12期までは非連結。24/12期は連結決算開始に伴い、総資産回転率及びレバレッジの計算においては「期首・期末平均」ではなく、期末の数値を使用している。

 

売上高当期純利益率及びレバレッジの低下により、25/12期のROEは2.3%と2期連続で低下した。一方、総資産回転率は改善が続いている。同社では株主資本コストを5.0~6.0%と推定している。この株主資本コストをコンスタントに上回るROEの実現のためには、収益性の改善とともに、資産効率性の更なる向上が期待される。ROE向上に向けた今後の取組みについては、(参考1:2025~2027年中期経営計画【7.資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて】)を参照。

 

注: 24年12月期決算短信記載の「自己資本当期純利益率」は4.9%であり、同社資料(2025~2027年度中期経営計画P19) のROE5.3%と異なっている。これは、連結決算を開始したことに伴い、同資料ではROE計算に際し、分母に株主資本合計を使用しているため。

 

2.2025年12月期決算概要

【2-1 連結業績概要】

 

24/12期

構成比

25/12期

構成比

前期比

予想比

売上高

15,700

100.0%

16,112

100.0%

+2.6%

-3.5%

売上総利益

8,052

51.3%

8,431

52.3%

+4.7%

-

販管費

7,809

49.7%

8,257

51.3%

+5.7%

-

営業利益

243

1.5%

173

1.1%

-28.5%

-42.1%

経常利益

347

2.2%

295

1.8%

-15.0%

-26.1%

中間純利益

500

3.2%

236

1.5%

-52.7%

-28.3%

*単位:百万円。

 

増収減益、売上・利益とも予想を下回る
売上高は前期比2.6%増の161億12百万円。 株式会社キャナルジーン(ライフスタイル事業)が連結対象になったこともあり、増収。営業利益は同28.5%減の1億73百万円。粗利率が高く中期経営計画で注力中の小売の売上構成比上昇もあり、売上総利益は同4.7%増加し、粗利率も同1.0ポイント上昇したが、出店費用や販促施策等による販管費の増加(同5.7%増)もあり減益となった。
主要販路である百貨店・量販店の店舗閉鎖、不採算店舗閉鎖、猛暑による来店客数減や、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりなどにより売上高は想定を下回った。人件費減、物流コスト抑制などで販管費抑制に努めたが、売上減の影響が大きく、利益も予想を下回った。

 

【2-2 事業別売上高構成比】

中期経営計画では「直営店の出店による顧客接点の拡大」に取り組み、卸売から小売へのシフトを進めている。小売事業の売上構成比は前期比6.8ポイント上昇し26.9%。キャナルジーンが連結対象となったことに加えて、フォーマル事業でもEC、SCが前期比でそれぞれ10.2%増、10.0%増と2桁の伸長。SCはまだまだ出店余地があるため、毎期複数の直営店出店を計画している。

 

(同社資料より)

 

【2-3 商品別売上高】

ブラックおよびカラーフォーマルは、春商戦においてキャンペーン強化等の対策を講じたものの、主力販路である百貨店・量販店の不採算店舗からの撤退や店舗閉鎖などの影響もあり減収となった。ライフスタイル事業は㈱キャナルジーンの連結対象化が寄与し、大幅な伸長。

 

(同社資料より)

 

※2024年より株式会社キャナルジーンを連結の範囲に含めているが、損益計算書については、24年12月期の同社売上高は第3四半期以降を連結対象としているのに対し、25年12月期においては通期の売上高を連結対象としている。決算説明資料における対前年増減率等については、連結期間の差異を調整せず、単純比較により算出している。

 

【2-4 財政状態とキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

24年12月

25年12月

増減

 

24年12月

25年12月

増減

流動資産

8,524

8,314

-210

流動負債

2,928

2,384

-543

現預金

1,862

2,058

+196

仕入債務

1,790

1,396

-393

売上債権

1,500

1,366

-134

固定負債

1,209

1,060

-148

棚卸資産

4,888

4,579

-308

負債合計

4,137

3,445

-692

固定資産

5,776

5,619

-156

有利子負債

631

587

-43

有形固定資産

2,388

2,347

-40

純資産

10,163

10,488

+325

投資その他の資産

2,786

2,850

+64

利益剰余金

2,180

2,251

+70

資産合計

14,300

13,934

-366

負債・純資産合計

14,300

13,934

-366

*単位:百万円。売上債権は売掛金と電子記録債権の合計。仕入債務は支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計。

 

売上債権及び棚卸資産の減少等で資産合計は前期末比3億66百万減少の139億34百万円。仕入債務の減少等で負債合計は同6億92百万円減少の34億45百万円。利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加等で純資産は同3億25百万円の増加の104億88百万円。自己資本比率は前期末から4.2ポイント上昇し75.3%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

24/12期

25/12期

増減

営業CF

-68

430

+498

投資CF

-535

62

+597

フリーCF

-603

492

+1,096

財務CF

-294

-296

-1

現金同等物残高

1,862

2,058

+196

*単位:百万円

 

棚卸資産の減少額拡大などで営業CFはプラスに転じた。前年にあった連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が無くなり投資CF、フリーCFもプラスに転じた。
キャッシュポジションは上昇した。

 

【2-5 重点施策の進捗状況】

中期経営計画では、「ウェルビーイングな商品・購入体験の拡充」を目指し、「事業領域の拡大」「事業基盤の整備」「効率化の追求」に取り組んでいる。

 

(1)事業領域の拡大
ライフスタイル事業において、2025年3月にオープンしたキャナルジーン ルミネエスト店(東京都新宿区)は計画を大幅に上回り好調に推移している。このため、多くの出店依頼の引き合いが来ているという。
kuros’ においては、ZOZOTOWN店を2025年10月に出店した。ファッションアイテムだけでなく、キッチンツールやヘルス&ビューティー等、ユニセックスで利用できるアイテムをラインナップしている。kuros’公式オンラインサイト上での、飲食店やクリニック・美容サロンなどの法人や記念日の贈り物・内祝いを探す個人顧客等の大口受注への対応を強化しているほか、9月6日の96(クロ)の日に合わせた店頭イベント等、様々なイベントの企画運営や情報の発信にも注力している。

 

(2)事業基盤の強化:新ブランド「TOKYO SOIR(トウキョウソワール)」が伸長
2025年10月に全国のリアル店舗とEC含めた販路横断型で展開を開始した新ブランド「TOKYO SOIR(トウキョウソワール)」が、発売開始2か月間(10月~11月末)で累計販売数355着を突破し、売上計画を65%上回った。

 

*TOKYOSOIRの特徴
「普遍性:誰からも失礼に見られないスタンダードなデザイン」「汎用性:季節・シーン問わず多用途に対応」「安心感:迷わず選べる安心の一着」「機能性:着やすい、お手入れ簡単」などを特徴としており、体型変化を考慮したパターン設計で長く着用が可能。フォーマル特有の同社ならではの高度な縫製/プレス技術が施されている。

 

(同社リリースより)

 

*取り巻く環境・消費者の声
コロナ禍を契機に家族葬の広がりが加速し、葬儀全体の約5割を家族葬が占めるようになったが、アフターコロナとなった昨年以降は、「家族葬後に参列者以外の弔問客が後を絶たず、自宅での対応や香典返しの準備に手間がかかったため、一度で済ませたいと考え一般葬を選んだ」という理由などで、一般葬が再び増加傾向にある。一般葬では、家族以外の周囲の目も意識し、「きちんとした装い」であることが求められる一方で、「自分に似合い、納得できるものを着たい」「品質が良く、長く着られるものを選びたい」という声が高まっている。
こうしたニーズに応えるため、新ブランド「TOKYO SOIR」では、アンサンブル、ワンピース、パンツスーツの3つのスタイルで、フォーマルのスタンダードを提案し、ECを含め販路横断で販売を開始した結果、上記のような好調な立ち上がりとなった。
購入者からは、「デザインがシンプルで飽きがこない」「生地が軽く着心地が良い」「シルエットがきれい」「年齢を問わず長く着られそうで、価格もちょうどいい」「喪主としても着られるので、こういうものが欲しかった」といった声が寄せられており、アンケート回答者の約8割が「冠婚葬祭の場にふさわしいブランドや品質の商品を選びたい」という理由で「TOKYO SOIR」を選択した。

 

*今後の展開
好調な立ち上がりを受け、2026年春からは現在の3型から6型に拡大し、販売店舗も約210店舗に拡大する計画(2025年10月時点)だったが、2026年2月時点で既に200店舗を超えている。同年秋冬からはさらに8型に拡大する予定で、同社の直営店formforma(フォルムフォルマ)の全店舗での展開に加え、全国の百貨店・量販店に拡大する考えだ。
「TOKYO SOIR」は、特別に岡本健デザイン事務所がアートディレクションからブランディングまでを一貫して手がけている。同事務所の岡本健氏、飯塚大和氏協力のもと、特設サイトの開設、販促デザイン、ブランドイメージ動画の制作など、ブランドディレクションを多面的に展開し、企業価値向上と認知拡大を推進する。

 

(3)効率化の追求
資産効率の改善、業務運営の効率化を図っている。
効率的な財務体質の構築を実現するための指標として、「棚卸資産回転率」「売上総利益率」「販管費比率」を重要財務指標と位置付けている。
2025年12月期は、棚卸資産回転率は前期比0.25回転上昇の3.40回転、売上総利益率は同1.0ポイント上昇し52.3%とそれぞれ改善した。販管費自体のコントロールを継続しているが、フォーマル事業が伸び悩み、販管費率は同1.5ポイント上昇した。

(同社資料より)

 

【2-6 トピックス】

◎東証スタンダード市場上場維持基準へ適合
2026年1月、東京証券取引所から「上場維持基準(分布基準)への適合状況について」を受領し、2025年12月31日基準日時点において、スタンダード市場の上場維持基準のすべてに適合したとリリースした。
2024年12月31日時点において、スタンダード市場の上場維持基準のうち、「流通株式時価総額」について基準に適合していなかったが、「上場維持基準への適合に向けた計画」に基づく取組を進めた結果、2025年12月31日基準日時点において、スタンダード市場の上場維持基準のすべての項目に適合することができた。
今後も、持続的な成長に向けた事業領域の拡大と収益力の向上を図り、業績に応じた株主還元の実施やIR活動の強化等により、企業価値向上に努める考えだ。

 

3.2026年12月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

25/12期 

構成比

26/12期(予)

構成比

前期比

売上高

16,112

100.0%

16,200

100.0%

+0.5%

営業利益

173

1.1%

350

2.2%

+101.3%

経常利益

295

1.8%

450

2.8%

+52.2%

当期純利益

236

1.5%

350

2.2%

+48.0%

*単位:百万円。

 

売上高は前年並みも、増益を予想
売上高は前期比0.5%増の162億円、営業利益は同101.3%増の3億50百万円を見込む。
引き続き事業環境は厳しいため売上高は前期並みを見込んでいるが、利益面では、原材料価格の高騰等はあるものの、効率性を重視して営業利益率を前期1.1%から2.2%へ上昇させる考え。
配当は前期と同じ45.00円/株の期末配当を実施する予定。予想配当性向は44.4%。

 

 

【3-2 主な取り組み】

経営理念の再定義からスタートした中期経営計画の折り返しとなる2026年12月期は、中計の達成に向けた「加速フェーズ」と位置づけ、これまでの成果を土台に収益構造の再整備に取り組む。

 

(同社資料より)

 

(1)フォーマル事業
レディスフォーマルウェアを基軸に提供価値の向上と収益性の強化を両立させ、収益をより安定的に生み出せる事業へと進化させる。
具体的には、競争優位の確立においては、直営小売店「formforma」の出店エリア及び「TOKYO SOIR」ブランド展開店舗を拡大させる。
収益基盤の強化に向け、コラボレーション企画やオリジナルアイテムの強化によるEC売上のさらなる拡大や、店舗スタッフへの教育・研修強化による接客販売スキルの向上を図る。
冠婚葬祭に限らない人生の全てのライフイベントと定義している「フォーマルライフ」への価値提案として、レンタル事業の新規出店、従来のフォーマルの枠を超えたオリジナルアイテムの開発・展開に取り組む。

 

(2)ライフスタイル事業
フォーマル事業の環境変化を踏まえ、ライフスタイル事業を「将来の収益を支える事業」と位置づけ、戦略的に育成する。
新たな成長基盤の構築とブランドの確立に取り組む。
具体的には、様々な施策によりkuros’のブランド認知向上を図るほか、厳選した地域への出店を進める。
業務資本提携や新たなM&Aの機会を探る。

 

(3)事業基盤・経営効率の強化
持続的成長を支える企業体質への転換のため、サステナブルな経営基盤の構築・費用対効果を重視した業務運営・サプライチェーンの最適化に取り組む。

 

4.小泉社長に聞く

小泉純一社長に、足元の業況、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

Q:引き続き厳しい事業環境が続いていますが、そうした中でも、コスト削減や効率性向上のためにどんな取り組みをなさっているのでしょうか。
コスト削減については、海外生産の最適化を追求しています。中国からベトナム、さらにインドネシアなど、コストに適したブランドなどを考慮しながら進めています。国内で長年協業しているメーカーの海外進出先で対応していただいているので、当社が要求するクオリティについては特に問題はありません。
効率性という点では、店舗の効率性向上に注力しています。売上の約7割を占める卸売において、売上高という観点からは百貨店の大型店舗閉鎖の影響を大きく受けていますが、1店舗当たりの効率性は上がっています。フォーマル業界では数社で競争する売り場も多いのですが、当社は半歩先、一歩先を見据えた商品企画提案により、お客様にご評価いただき、結果として当社1社にお任せいただくケースも多数あります。適切な提案を行っていけば、確実に競争に打ち勝ちシェア向上に繋げていけると考えています。
在庫管理についても、需要変動に対応した生産コントロールや、店舗ごとの適正在庫管理を徹底した結果、効率的な在庫運用が進み、棚卸資産回転率は前期比で0.25回転改善させることができました。

 

Q:子会社、株式会社キャナルジーンは好調のようですね。
2025年3月に初めての東京進出ということで、新宿のルミネエストに出店にしたところ、大変好評で売上は計画を大きく上回っています。業界内でも話題となり、多くの出店要請を頂いていますので、新たな出店も検討中です。
売上の7割程度を占めるECも好調です。今後も中期経営計画に掲げているEC売上増、卸売から小売への転換という事業目標達成に大きく寄与するものと考えています。

 

(同社資料より)

 

 

Q:新ブランド「TOKYO SOIR(トウキョウソワール)」についてコンセプトや特長を改めてお聞かせください。
家族葬が増えるなど葬儀のシーンが変わる中でも、日本人として「ちゃんと装いたい、恥ずかしい思いはしたくない」という時に、まず当社を想起していただき、具体的に何を選ぶべきかという観点から、長年着ることができて、かつ本質にこだわる製品としてご提供するのが新ブランド「TOKYO SOIR」です。
当社ではこれまで、百貨店、GMS、小売直営店、ECの各販路に同じ商品を展開するということは基本的に行ってきませんでしたが、弊社の社名を冠した「TOKYO SOIR」は、お客様への強いメッセージになると考え、全ての販路で販売しています。それだけの自信作でもあるということです。当初目標の200店舗を既に突破しましたので、更に多くの店舗で取り扱っていきます。

 

 

Q:新規事業の一つ、レンタル事業の状況はいかがですか。
順調に収益は伸びています。現時点では青山店とECのみでしたので、新規出店を検討していたのですが、この3月末に名古屋への出店が決まりました。ご存じのように、名古屋地域は結婚を大切にお祝いする文化がありますので期待しています。人材確保の課題はありますが、主要都市にはまだ出店の余地がありますので、着実に店舗数を拡大したいと考えています。

 

Q:社員に対してはどんなメッセージを伝えているのでしょうか
現在の事業環境が大きく好転することは無いと見ていますので、我々が変わっていかなければいけません。そのためには、個々の社員が前向きに、自身のミッションをしっかりと自覚し、表現していって欲しいと伝えています。
そうした動きを後押しするために、当社の価値観を体現する社員の行動などを称える年間MVPの選定を行っています。社員投票による社員同士の評価ですので、大変盛り上がり、モチベーション向上に繋がっているようです。

 

 

Q:ありがとうございました。では最後に株主・投資家へのメッセージをお願いします。
フォーマルというのは相手への想いを胸に、装う世界です。結婚式であればあの人の結婚式に出席してお祝いしたいと想い、そのための必要な装いを選びますし、お葬式でもお世話になったあの方への想いを示す装いがある。日本人のそうした心の表現を、これまでも当社はモノづくりを重視し、本質へこだわることで大事にしてきましたが、これからも変わることなく、お客様のために、大切なフォーマルの在り方をお届けしていかなければならないと考えています。厳しい事業環境ではありますが、需要はしっかりとありますので、成長性と収益性を追求しつつ、日本文化を確実に継承してまいります。
株主還元をはじめとした資本市場における当社の評価向上にも取り組んでまいりますので、フォーマルライフのリーディングカンパニーとして長期的な成長を目指す当社を、是非中長期の視点で応援していただきたいと思います。

 

5.今後の注目点

2025年12月期は増収減益ではあったが、棚卸資産回転率及び売上総利益率はそれぞれ改善した。2026年12月期も売上高は前期比横ばいながらも、大幅な増益を計画している。
経営理念の再定義からスタートした中期経営計画の折り返しとなる2026年12月期は、中計の達成に向けた「加速フェーズ」と位置づけ、これまでの成果を土台に収益構造の再整備に取り組む考えだ。
事業環境は引き続き厳しいと見られるが、どのように利益を伸長させていくかを注視していきたい。

 

 

<参考1:2025~2027年 中期経営計画>

2022年~2024年 中期経営計画はコロナ禍からの回復と原材料価格高騰の中で、効率的な財務体質への見直しと新たな事業モデルの構築に重点的に取り組んだ結果、売上高は計画を達成、営業利益は22/12期に2期前倒しで達成し、23/12期は更に大きく上回り、しっかりした実績を残したといえよう。一方で、棚卸資産回転率は計画未達となり、継続的な課題と同社では認識している。
25/12期から新たに「2025年~2027年 中期経営計画」がスタートした。24/12期には成長に向けた戦略投資も行っており、事業領域を拡大させながら2040年の売上高300億円への足固めを行っていく考え。

 

(同社資料より)

 

【1 経営環境と課題】

同社では取り巻く経営環境を以下のように踏まえ、「事業領域の拡大」「事業基盤の整備」「効率化の追求」を今後の課題とした。
-経営環境-
・百貨店・量販店といった主要販路において店舗閉鎖や業態再編等により顧客接点が減少している
・価値観の変化やオンラインショップの利便性向上により消費者ニーズや消費行動が多様化している
・企業価値向上に向けて、資本コストや資本効率を意識した経営が求められている
・サステナブルな社会の実現に向けた社会的要請が増加している

 

-課題-

消費者ニーズ・消費行動の変化への対応

事業領域の拡大

(長期ビジョンへの挑戦)

経営計画達成に必要な事業基盤の再点検

事業基盤の整備

(環境変化への対応)

資本効率を意識した経営の実践

効率化の追求

(稼ぐ力の強化)

 

【2 長期ビジョン】

『一人ひとりの想いが調和した社会を実現するウェルビーイング企業』
同社が掲げるウェルビーイングとは、周囲との調和を大切にしながら、自分らしく凛と美しく生きられる世の中を目指す事。顧客が人生の節目や日々の暮らしの中で「大切な人を想う気持ち」に寄り添い、今まで以上に多くのシーンで幅広い顧客に信頼される企業を目指す。

 

【3 中期経営計画で目指す姿】

中期経営計画期間中には長期ビジョンの実現を見据えて、「ウェルビーイングな商品・購入体験の拡充」を目指し、挑戦と変革に取り組む。
顧客の人生の節目やライフイベントに寄り添い、婦人フォーマルを超えた新たな価値を提供していく考え。女性に限らない顧客をターゲットにして商品や体験購入を拡充させる。また、ライフイベント商品を拡充させていく。

 

【4 定量目標】

27/12期「売上高180億円、営業利益5億40百万円、営業利益率3.0%」が目標。利益率の向上に伴い、営業利益は24/12期との比較で122.2%増を目指す。

 

24/12期 

構成比

27/12期計画

構成比

増減率

CAGR

売上高

15,700

100.0%

18,000

100.0%

+14.6%

+4.7%

営業利益

243

1.5%

540

3.0%

+122.2%

+30.5%

*CAGR(年平均成長率)はインベストメントブリッジが試算

 

【5 定性目標】

フォーマル、ライフスタイルの両事業を通じて、2030年の目指す姿である「ウェルビーイングな商品・購入体験の拡充」を実現させていく。本質にこだわり、環境に配慮し、お客様が凛として美しく生きられる商品を、快適で満足感のある購入体験を大切に提供するグループでありたいと考えている。

 

フォーマル事業においては、生活者のライフイベントに寄り添い、ものだけではない価値を提供する、『フォーマルライフのリーディングカンパニー』を目指す。同社が掲げるフォーマルライフとは、冠婚葬祭に限らない、人生の節目となる全てのライフイベント、リーディングカンパニーとは、ものだけでなく、「情報」「新しいこと」を含めた価値が提供できる存在。

 

ライフスタイル事業においては、セレクトショップCANAL JEANでは、あたり前なカジュアルでは満足できない人の為に提案していく。カジュアルなライフスタイルの人々に、トレンドを取り入れながらヘルシーでナチュラルな世界観を提案し、“笑顔でやさしく心豊かに”暮らせる未来をともに創る企業を目指す。
kuros’では、黒の持つ無限の可能性とエネルギーを、世界に発信する。心と体が喜ぶもの、愛着を持って使い続けられるもの、作り手の情熱から生まれたもの、凛として美しく本当に良いもの、そして黒の魅力と力を秘めたものを、提案し続ける。

 

東京ソワールが目指す姿・世界観を表現したビジュアルイメージ

 

(同社資料より)

 

【6 事業戦略・機能別戦略】

(1)フォーマル事業
基盤が整備され安定している同事業では、経営課題として掲げた「事業領域の拡大」を図る。顧客体験価値の向上を重視、狙うべきマーケットの拡張も図っていく。

 

狙うべきマーケットの拡張(フォーマルライフマーケットでの価値提案)
フォーマルの枠を超えたオリジナルアイテムを展開拡充させる。また、リトルオケージョン(ちょっとしたハレの日)の訴求による新たなニーズを掘り起こしていく。ライフイベントに関しては情報発信し、サービスの開発も行う。

 

顧客体験価値の向上
直営店の出店による顧客接点を拡大させていく考え。オフィシャルECサイトのサービス拡充により、直営店と連携しシームレスな購入体験やサービスを実現させていく。また、レンタルサービスやリペアサービス等の販売以外のサービスを提供することが可能な環境作りも行っていく。

 

(2)ライフスタイル事業
24/12期から新たに加わった同事業では、「CANAL JEAN」及び「kuros’」を展開している。今後の事業領域の拡大における鍵を握っているともいえよう。顧客接点の拡大・新規顧客の獲得に向けて、新規出店およびサービスの拡充に取り組む。

 

顧客接点の強化
厳選した地域への出店により顧客接点を拡大させていく。また、オフィシャルECサイトのリニューアル、UI・UX(サイトの見た目と操作性)改善をさせて顧客満足度の向上を図る。リアル店舗とオフィシャルECサイトを統合させることにより、シームレスな購入体験を実現させていく考え。

 

ブランド認知度の向上
ブランドアイデンティティを発信していく。デジタルマーケティングやイベントも活用する。

 

M&A、業務提携の推進
24/12期には株式会社キャナルジーンをM&A。業務提携を含めて今後も積極的に推進していく。

 

(3)事業基盤の見直し・強化、効率化の追求
事業基盤の整備においては、コーポレートブランドの浸透(アウターブランディング)を図る。PR を強化し企業価値を向上させるほか、マーケティング戦略を推進し認知を拡大させ、新たな顧客基盤を構築する。組織再編と人材戦略を推進し、事業戦略の達成に向けた機能別組織を組成する。また専門的スキルを持つ人材の育成と採用、社員のリスキリングも進める。サステナブル経営も実践していく(【4-5 サステナブル経営】参照)。持続可能な社会の発展に貢献する取り組みを推進する。レンタル事業も拡大させる考え。

 

効率化の追求においては、資本効率の改善を進め、資本コストや株価を意識した経営を実践していく(【4-4 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて】参照)。業務運営の効率化も図る。基幹システムを見直し、データ分析を再構築する。また、店舗運営のデジタル化も推進する。

 

【7 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて】

東証が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」についての現状分析及び今後の取組みは以下の通り。

 

~現状分析~ 
同社が試算するCAPMによる株主資本コストは5.0~6.0%。25年12月期のROEはこれを下回った。PERは15.0倍と改善傾向にあるものの、18倍程度と推計する業界平均には及ばず、PBRは依然低水準にとどまっている。

(同社資料「2025年12月期通期決算説明資料」より)
注: 24年12月期決算短信記載の「自己資本当期純利益率」は4.9%であり、上記同社資料のROE5.3%とは異なる。これは、連結決算を開始したため、同資料ではROE計算に際し、分母に株主資本合計を使用しているため。

 

~基本方針~
PBR(=ROE×PER)の向上に向けて、ROEとPERの改善に取り組む
① ROE ⇒ 成長性と収益性の両立
② PER ⇒ IR活動の強化による成長戦略の発信

 

同社では資本コストや株価を意識した経営の実現(PBRの向上)には、ROEおよびPERの改善が必須と認識。PBR向上に向けてROEとPERの改善に取り組む。

 

~戦略と施策~
成長戦略の遂行による事業成長・企業価値向上に加えて、ステークホルダーとの関係性強化によって、PBRの向上を目指す。

主な戦略・政策項目

具体的施策・数値目標

P

B

R

R

O

E

成長性と収益性の両立

成長戦略の遂行

本中期経営計画の達成

ROE目標7.0%以上

総資産回転率の向上

需要変動に対応した生産コントロールの徹底

非事業資産の圧縮

収益性の向上

原価率の維持

経費コントロールの徹底

P

E

R

IR活動の強化による成長戦略の発信

ステークホルダーとの関係強化

コーポレートサイト等への情報開示の強化

投資家(株主)とのIR面談の回数増

PR強化による企業イメージ・企業価値の向上

サステナブル経営の推進

株主還元方針の明確化

配当性向 40%以上

株主優待の拡充

 

【8 サステナブル経営】

~基本方針とマテリアリティ~
環境負荷の低減、ガバナンス体制の強化、人権尊重と多様性の認知、公正・公平な事業活動等を通じて持続可能な社会構築に取り組んでいる。

基本方針

「人を想う気持ちに寄り添い、“生きる”をもっと、美しく。」

というビジョンから、人を想う気持ちを大切にしながら企業価値の向上を追求し、

生活者、従業員、取引先、株主の信頼に応え、そして持続可能な社会の発展に貢献する

マテリアリティ

 

(同社資料より)

社長を委員長とする「サステナブル経営推進委員会」を設置した。マテリアリティに基づく小委員会で具体的なアクションを推進する体制を構築している。以下、ESGにおける主な取り組み。

 

 

マテリアリティ

主な取り組み

Environment

(環境)

環境

・環境配慮型商品の開発

・製造工程における有害化学物質の不使用の徹底

・廃棄商品削減の取り組み

Social

(社会)

消費者課題

人権

コミュニティ

労働慣行

・長期に着用できる安心・安全なものづくり

・不当な差別の排除等の徹底

・社会貢献活動の推進やフォーマル文化の啓蒙、服育活動

・ダイバーシティ&インクルージョン、女性活躍推進

Governance

(ガバナンス)

公正な事業慣行

組織統治

・事業における社会的責任の推進

・実効性のあるコーポレートガバナンス体制の構築

 

~取り組み事例~
24/12期までの主な具体的な取り組み実績は、以下の通り。今後も持続可能な社会の発展に向けて、取り組みを強化していく考え。

フォーマルウェアの「リサイクル キャンペーン」の実施

 

着用されなくなったフォーマルウェアを回収し、新しい衣類の原料や自動車内装材に再資源化され、地球の資源へ循環される。

 

服育プログラム「僕の私のフォーマルウェア」の実施

(メセナ活動認定制度 This is MECENAT2024認定)

 

子ども世代にファッションの楽しさを伝えるため、デザイナー体験のプログラムを出前授業と職業体験を通じて提供し、キャリア教育の一端を担っている。

 

 

ワークライフバランスへの取り組み

 

仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組んでおり、厚生労働大臣が「子育てサポート企業」として認定する「くるみんマーク」の認定を受けている。

 

(同社資料より)

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて> 

◎組織形態及び取締役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

9名、うち社外4名

うち監査等委員

4名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2026年3月27日)

 

<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成その他の基本情報は次のとおりです。
1.当社は、法令及び社会的規範の遵守を基本とし、公正な企業活動を行うことにより経営の透明性を高め、効率化、迅速化の向上に努めております。
2.コーポレート・ガバナンスにつきましては、健全な企業経営を行っていく上での重要な事項と考え、迅速で正確な経営情報をもとに、経営を取り巻く諸問題に対し的確な意思決定と業務執行が行えるように運営してまいりたいと考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
【原則1-2.株主総会における権利行使】
補充原則1-2-4 2021年7月開催の臨時株主総会より、インターネットによる議決権行使を開始いたしました。
また、招集通知の英訳については、海外の株主・機関投資家の比率を注視し、必要に応じて検討を行います。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、原材料の安定的な調達並びに中長期的な営業取引上の必要性など、取引先との良好な関係を推進するために、必要と判断される企業の株式を保有しております。
政策投資目的で保有する株式については、毎年取締役会において、個別銘柄毎に中長期的な関係維持など保有することの妥当性や経済合理性 を総合的に検証し、継続して保有する必要がないと判断した株式の売却を進めるなど、政策保有株式を縮小していくことを基本方針としております。経済合理性の検証に当たっては、個別銘柄ごとに保有目的の定性面に加えて、取引先からの受注実績や保有に伴う便益及び受取配当金などのリターンが、リスクや資本コストに見合っているか等を取締役会等で検証しております。
この結果、2020年度には全ての取引先持株会からの脱退を完了しており、2023年度には1銘柄6億51百万円、2024年度には4銘柄1億72百万円、2025年度には5銘柄1億83百万円の売却を行い、引き続き政策保有株式の縮小に努めております。
また、政策保有株式の議決権の行使に当たっては、当該取引先等の経営方針を十分尊重した上で、株主価値・企業価値を毀損するような議案でないかなど、一般株主と同様な観点から議決権を行使することを基本としております。

 

【原則3-1 情報開示の充実】
適時・ 適切な情報の開示を行うことが、株主をはじめとするステークホルダーとの信頼関係の基盤となることを認識しております。その認識を実践する為に、法令に基づく開示以外にも、株主を始めとするステークホルダーにとって重要と判断される情報について、当社ホームページ等により開示を行っております。
(1)経営理念及び理念体系を当社ホームページで、経営戦略を株主総会招集通知、有価証券報告書等で開示しております。
(2)コーポレートガバナンスの基本的な考え方・基本方針は、コーポレートガバナンスに関する報告書、有価証券報告書で開示しております。
(3)当社は、株主総会決議に基づく取締役の報酬(監査等委員である取締役を除く)について、「取締役報酬に係る決定方針」を取締役会において決議しております。
経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっては、役員報酬規程(内規)に基づいて検討を行い、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬、業績連動報酬(全社業績連動報酬及び調整給)並びに株式報酬により構成し、社外取締役及び監査等委員である取締役については、その職務に鑑み基本報酬のみとしております。
基本報酬は、月例の固定報酬とし、世間水準、会社の業績、従業員給与の水準などを考慮しながら、役位に応じて総合的に勘案した上で、設定しております。
全社業績連動報酬は、営業利益を指標とし、その他の業績状況等を考慮して算出しており、調整給は、個々の取締役の業務執行状況などを参考に、いずれも指名・報酬委員会からの答申を受け、取締役会において決定することとしております。
(4)株式に関する報酬として、株価変動のメリットとリスクを株主と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的に、社外取締役及び監査等委員である取締役を除く取締役に対し、役位別に定めた株式数に基づき毎年一定時期に支給することとしております。
(5)取締役の選任は役員規程(内規)において方針と手続きを定めております。経営陣幹部、取締役候補については、業務経歴等を踏まえ、指名・報酬委員会からの答申を受け、最適な人物を指名しております。社外取締役については、幅広い知識や実務経験を有しており、その豊富な経験や識見を活かし、当社経営に的確な助言を頂ける人物を指名しております。
(6)招集通知及びTDnet、当社ホームページで個々の選解任・指名についての説明を開示しております。取締役候補者(監査等委員である取締役を除く)の選任手続きについては、取締役会に先立ち、指名・報酬委員会において業務経歴などを踏まえて審議をした上で、取締役会で決議を行い、株主総会に付議することとしております。監査等委員である取締役の選任手続きについては、監査等委員会の同意を得た上で、取締役会で決議を行い、株主総会に付議しております。経営陣幹部の解任の方針と手続きについては、経営陣幹部がその機能を十分に果たしていないと認められる場合、取締役会に先立ち、指名・報酬委員会において審議を行った上で、指名・報酬委員会の答申を踏まえて取締役会にて決議し、株主総会に付議することとしております。

 

補充原則3-1-3 環境・社会問題への取り組みは、重要な経営課題と認識しており、この課題に対し「サステナブル経営推進委員会」を中心に、外部団体等とも連携して取り組んでおります。活動内容については、当社ホームページやビジネスレポート等で開示をしております。
人的資本への投資については、人材育成方針並びに社内環境整備方針に基づき、さまざまな取り組みを行っており、当社ホームページや有価証券報告書等で開示をしております。
知的財産への投資では、当社の保有するブランド名を、日本及び中国・ベトナム等の生産国にて商標登録を行っております。

 

 

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