ブリッジレポート
(3673) 株式会社ブロードリーフ

プライム

ブリッジレポート:(3673)ブロードリーフ 2025年12月期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

 

大山 堅司 社長

株式会社ブロードリーフ(3673)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

大山 堅司

所在地

東京都品川区東品川四丁目13-14 グラスキューブ品川 8階

決算月

12月

HP

https://www.broadleaf.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,010円

97,896,800株

98,875百万円

5.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

15.00円

1.5%

35.35円

28.6倍

269.40円

3.7倍

*株価は3/24終値。各数値は2025年12月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上収益

営業利益

税引前利益

当期利益

EPS

DPS

2022年12月

13,833

-2,897

-3,005

-2,431

-27.54

1.00

2023年12月

15,385

-1,902

-1,921

-1,487

-16.76

1.00

2024年12月

18,045

674

545

343

3.85

2.00

2025年12月

20,815

2,063

1,854

1,240

13.79

6.00

2026年12月(予)

23,500

4,800

4,750

3,200

35.35

15.00

*予想は会社側予想。IFRS対応。当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益。

 

 

 

株式会社ブロードリーフの2025年12月期決算概要、2026年12月期業績予想、大山社長へのインタビューなどをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2025年12月期決算概要
3.2026年12月期業績予想
4.Physical AI時代の勝利者への道
5.大山社長に聞く
6.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 25年12月期の売上収益は前期比15.4%増の208億15百万円。月額サブスク型ソフトの契約数が増加しているほかPC買替需要が寄与した。営業利益は同206.0%増の20億63百万円。限界利益率が高い収益構造のため増収により大幅な増益となった。売上・利益とも上方修正後の業績予想を上回った。好調な業績を勘案し、年間配当を従来予想比1.00円/株増、前年比4.00円/株増の6.00円/株とした。

     

  • 26年12月期も2桁増収、大幅増益で利益は過去最高を更新へ。売上収益は前期比12.9%増の235億円、営業利益は同132.7%増の48億円の予想。25年12月期に獲得したクラウドソフト契約に加え、これまで積み上げてきた契約も引き続き通年で寄与。クラウドへの切り替えが順調に進んでいるほか、大手企業を中心に稼働件数の増加も見込んでいる。コストについては、クラウドユーザー数および導入案件数の増加に伴い、インフラ投資や導入・運用支援に係る費用が増加する見込みだが、こうした事業拡大に伴う変動費の増加を、AI技術の積極活用による営業・開発の効率化に加え、社内業務プロセスの自動化・標準化により吸収する。株主還元のさらなる強化を目的として、配当性向の目安を従来の35%以上から40%以上に引き上げることとしたため、配当は前期比9.00円/株増配の15.00円/株を予定。予想配当性向は42.4%。

     

  • 大山 堅司 社長に、Physical AI時代の勝利者を目指す同社の競争優位性、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「Physical AIの実装には、理論値ではなく実地データが絶対的に不可欠となります。当社が保有している全てのデータは、現場における実際の作業で使用することができるように構成されており、同業他社でここまでできているものは無いと思います。」「クローズドデータの保有、これこそが一般的なSaaS企業との大きな違いです。一般的なSaaSでは、自社データを、SaaS企業が提供するソフトウェアという「箱」で処理します。ユーザーが優秀なAIを利用して自分で「箱」を作ることができるようになれば、ソフトウェアを購入する必要はありません。これに対し、当社が有しているのはWebでは決して手に入れることのできないクローズドデータです。ユーザーは当社が構築したクローズドデータを使うことで、効率的に様々な作業を行うことが可能になります。当社は一般的なSaaS企業とは異なり、「箱」ではなく「データ」を買っていただいているのです。」「当社は電力や水道と同じく、必要不可欠なインフラ企業です。自動車保有台数の増加・平均使用年数の長期化といったマクロ的な追い風の下、クラウド化の進展、クローズドデータ基盤の更なる強化によって、成長を伴った収益の安定性は今後益々強まる仕組みとなっています。是非、当社の今後の成長にご期待ください。」とのことだ。

     

  • 決算説明会(2026年2月12日開催)の席上で「現在、大手企業との提携や導入が進展しており、適切なタイミングで開示する予定」とのコメントがあったが、3月23日には伊藤忠商事らが出資するWECARSにクラウドサービス『Maintenance.c 』の提供を開始するとのリリースがあった。同社では、整備実施件数などに応じて課金額が増加するクラウドソフトの収益モデルが有効であることから、全国及び広域展開する車検・修理工場、中古車店・車用品店、ガソリン店などのほか、国産車・外国車の新車ディーラーの協力工場を顧客化の重点対象とする考えだが、全国240店舗を展開するWECARSはまさにその一例だ。今後も4つのKPI「クラウド化率」「ライセンス数」「ユーザー維持率」「平均月額売上」及びこうしたリリースにも注目していきたい。

     

     

     

1.会社概要

モビリティ産業に属する事業者の業務を支えるITネットワークや、業務アプリケーションで高シェア。同社の強みは自動車部品商、整備工場、鈑金工場、リサイクル事業者など異なる商流を統合しプラットフォーム化している点にある。産業のDXを推進の一環としてクラウドソフトの提供や、部品の顧客間取引を電子化する受発注プラットフォーム(トランザクション)の拡大に注力。
同社が独自に自動車部品に発番するBLコードは業界のデファクトスタンダードとなっており、事業者が部品を特定する上で欠かせないものとなっている。「SaS:Service as Software」を掲げ、同社にしかできないデータの集約・連携・循環を通じて産業全体の高度化に貢献するインフラ企業として、持続的な成長とPhysical AI時代の勝利者を目指している。

 

【1-1 沿革】

2005年12月に自動車部品商、自動車整備業、自動車鈑金塗装業などの各種システムを販売する「パッケージソフトウェア事業」の営業権を取得した。
形式上の存続会社である同社は、米国のプライベート・エクイティ・ファンドであるカーライル・グループの支援の下、2009年9月に、実質的な存続会社である「旧株式会社ブロードリーフ」の経営陣によるマネジメント・バイ・アウト(MBO)のための受皿会社として、シー・ビー・ホールディングス株式会社の商号で設立された。
その後、シー・ビー・ホールディングス株式会社は同年11月に株式譲渡により旧株式会社ブロードリーフを完全子会社化。2010年1月1日に旧株式会社ブロードリーフを吸収合併することで営業活動を全面的に継承すると同時に、商号を株式会社ブロードリーフに変更し、現在に至っている。

 

【1-2 企業理念】

同社は、「感謝と喜び」の心を根本に、幅広い業種・業界に特化した業務アプリケーションを開発し、 より良い製品・サービスを提供することにより、お客さまの事業創造に貢献することを企業理念として掲げている。

「感謝と喜び」という人や企業が深く結びつくために欠かせない“心”を大切に、お客様とともに繁栄するビジネスを進めております。私たちの商品やサービスがお客様の事業に貢献する時、お客様に「ブロードリーフとつきあって、よかった」と感じていただけるでしょう。

そして事業が日々成長する実感に、喜びが生まれることでしょう。そんなお客様の心を受けて、私たちにも「感謝と喜び」が生まれ、 よりよい商品やサービスにつながっていきます。

「感謝と喜び」をわかちあいながら、お客様とともに成長していく。それがブロードリーフの企業理念であり、ビジネスの「心」なのです。

(同社HPより)

 

この企業理念を全社員に浸透させ、より実践的なものとするため、毎年初、全社員が集合する「経営方針説明会」において大山社長が前年の総括と今年の方針を話すと共に、企業理念の確認を行っている。
全社員はクレドカード(※)を常に携帯し、行動規範などを全員で唱和している。
また、企業理念を理解・実践した社員を社員間投票で表彰し、社員同士でも感謝の気持ちを伝えるといった取り組みを行っている。
※クレド:「信条」を意味するラテン語で、「企業の信条や行動指針を簡潔に記したもの」を指す。従業員の自主的な行動を促すためのツールとして利用している企業が多い。

 

(社名について)

「ブロードリーフ(Broadleaf)」とは広葉樹を意味します。

広葉樹の多くは、春から夏にかけて、葉に日光を受けて成長し、冬には葉を落として土に養分を還し、他の植物と共生します。

ビジネスの大地にしっかりと根を張り、葉を生い茂らせ、実をつけて、お客様とともに未来へ向かって成長し続けたい。そんな気持ちが込められた社名です。

(同社HPより)

【1-3 市場環境】

(1)概観
同社の顧客ターゲットの中心は、カーオーナーが自動車を購入した後の、給油、自動車アクセサリーの購入、車検、点検、部品交換、自動車の売却、廃棄処理などの様々なニーズに対応して製品やサービスを提供する「モビリティ産業」のプレーヤーである。

 

(2)モビリティ産業を取り巻く環境
①自動車保有台数の増加
若者の自動車離れも言われているが、軽自動車を含む自動車保有台数(乗用車)は2025年3月末で約6,206万台と3年連続で過去最高を更新した。車両や部品の耐久性向上、安全装備の高度化により長期保有が進んでいることも背景にある。ストックである同台数は、今後も増加傾向が続くものと予想される。

 

②平均使用年数の長期化
乗用車が初年度登録されてから抹消登録されるまでの平均年数である平均使用年数は2025年3月末で13.35年と前年を0.03年上回った。10年前の2015年比では、0.97年延びている(一般財団法人 自動車検査登録情報協会 統計情報より)。自動車の利用に対するユーザーの考え方の変化から長期使用車両が増えていることで、自動車整備市場や部品・用品市場においては、整備・点検需要や部品・消耗品の交換需要が拡大している。

 

③点検・整備・検査回数の増加
自動車保有台数の増加、平均使用年数の長期化に加え、車検制度の厳格化や法人車両比率の上昇により、点検・整備・検査の回数は増加している。特に商用車は一般車両と比較してメンテナンス頻度が高く、整備需要の拡大につながっている。
同社は車両台数およびメンテナンス回数の増加に連動して収益が拡大する構造にある。EV化についても、部品点数の減少による影響もあるが、車両の高度化に伴う検査項目及び管理業務の増加によるプラス効果がそれを上回る。

 

④認証工場数と指定工場数
自動車の原動機、動力伝達装置、走行装置などを取り外して行う自動車の整備や改造にあたる「分解整備」は、地方運輸局長の「認証」を受けた「認証工場」で行う必要がある。
認証工場のうち、設備、技術、管理組織等について一定の基準に適合し、地方運輸局長より指定自動車整備事業の「指定」を受けた工場を「指定工場」と言う。
認証工場数及び指定工場数とも、数は横這いないしは微増だが、近年、認証工場に占める指定工場の比率が上昇している。
これは、景気動向、後継者難などの理由から小規模の工場が中規模および大規模工場の系列やグループに組み込まれているためと考えられる。

 

同社によれば、全国に非ディーラー系の工場は約7万あるが、うち約4万は整備士が3名以下の小規模工場で、同社が主要ターゲットとする中規模・大規模工場は約3万と二極化が進んでいるという。同社では、システムを導入する経済的な余裕もある中規模・大規模工場へのアプローチを引き続き強化している。

 

モビリティ産業においては、EV化シフト・CASE(※)に代表される自動車の進化に伴い、高度化した車両メンテナンスをサポートするITシステム需要増加、ナレッジの蓄積や共有の需要増加、大規模な事業者における経営効率化のためのDX投資需要増加が予想され、最新鋭のクラウドソフトへのニーズも高まると思われる。
この点も、整備工場における強固な顧客基盤を有する同社にとってはフォローの風と言えよう。

 

※CASE:今後の自動車における大変化を示すもので、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の略。

 

⑤リサイクル部品市場
2005年に自動車リサイクル法が施行され、自動車解体、自動車リサイクル部品等の市場は、リサイクルグループ共有在庫システムの多様化やインターネットオークションの利用が進んでいる。リサイクル部品の活用は、CO2排出量抑制や環境問題への対応のため、社会的にも重要な取組みとなっている。一方、近年では廃車になった自動車を解体してリサイクル部品とするのではなく、海外に中古車として輸出される割合が高くなっている影響を受け、リサイクル部品市場全体の取引高は減少傾向にある。

 

⑥プレーヤーの事業形態
CASEの潮流が強まるに伴い、カーオーナーのニーズは多様化が進んでいる。これに対応するために、モビリティ産業の既存顧客は、単一業態からトータルショップへと事業を拡大させるケースが増えている。
これまで同社は顧客ごとに各種業務用ソフトウェアを提供(ライセンスを発行)していたが、クラウドサービスを提供することで、事業拡張に合わせてサービスをスピーディーに提供することができ、これにより顧客ニーズを確実に取り込んでいく。

 

【1-4 事業内容】

主にモビリティ産業をはじめとする市場に、クラウドサービス及びパッケージシステムの提供を行っている。更なる成長を追求するためにパッケージベンダーからプラットフォーマーへの進化を目指し2018年12月期から提供を開始した「Broadleaf Cloud Platform」上の多様なサービスを組み合わせることで顧客の業務を総合的にサポートすることが可能となり、顧客の経営・業務改革の支援を実現している。
2022年12月期からは、ソフト販売のメイン商材を、従来ソフト「.NSシリーズ」から新しいクラウドソフト「.cシリーズ」に変更。従来ソフト「.NSシリーズ」を使用している顧客には6年のリース契約が満了となるタイミングで「.cシリーズ」の提供へ切り替えている。
売上区分は、ソフトウェアサービスとマーケットプレイスから成る「クラウドサービス」、ソフトウェア販売と運用・サポートで構成される「パッケージシステム」、PC等のハードウェア類やサプライの販売により構成される「その他」に分類される。
25年12月期の売上構成比は「クラウドサービス」56.8%、「パッケージシステム」27.4%、「その他」15.8%。
「クラウドサービス」は「ソフトウェアサービス」と「マーケットプレイス」、「パッケージシステム」は「ソフトウェア販売」と「運用・サポート」に大別される。

 

 

さらにソフトウェアサービスは「ソフトウェア」「保守契約費」「初期導入費」に分類されている。

 

同社では、「ソフトウェア」「保守契約費」「運用・サポート」の売上合計を、安定的に計上される「経常売上」と定義している。2025年12月期の経常売上は前期比18.6%増の147億37百万円で、全売上高の70.8%を占めている。
クラウド化の進展に伴いパッケージシステムの運用・サポートは減少傾向にあるが、ソフトウェア・保守契約費が高い伸びを見せている。

 

◎売上区分
(1)クラウドサービス
サブスクリプション型ソフトウェアに関わる売上「ソフトウェアサービス」と、受発注プラットフォームに関わる売上「マーケットプレイス」に大別される。

区分

主な提供サービス・商品

ソフトウェアサービス

・クラウドソフトウェアサービス「.cシリーズ」(標準版、特定大手版)

・「.NSシリーズ」(月額販売)

・電子帳簿保存法対応ソリューション「電帳. DX」

・タブレット型業務支援ツール「CarpodTab」

・ソフトウェアサービスに関わるサポート、及び顧客業務のデジタル化を支援するその他サービス

マーケットプレイス

・オープン型EC・EDI「クラウド版受発注プラットフォーム」

・自動車リサイクル部品の取引ネットワーク「パーツステーションNET」における決済代行サービス

・自動車部品の電子受発注システム「BLパーツオーダーシステム」

 

 

 

(主なサービスなど)
◎クラウドソフト「.cシリーズ」
「.cシリーズ」は、「Broadleaf Cloud Platform」のAPIにより、他システムや外部ネットワークと緊密に連携し、コントロールが可能である。
企業システムの中核的な役割を果たし、AIによる学習機能があるため、企業や店舗、あるいはIDごとに固有の操作方法や処理内容を学習し、ナレッジ化することができる。
これにより継続的かつ効率的な事業運営にとって重要なナレッジが集積され、企業や店舗の中でナレッジの共有を実現する。

 

また、「.cシリーズ」は、システムの位置づけ・役割が、従来の事務処理システムから、顧客の事業上の中核となるトータルマネジメントシステムへと変化する。
この変化により、これまでの主力ソフト「.NSシリーズ」が、見積請求書作成や顧客管理に用いられていたのに対し、経理担当の売上管理や伝票作成、整備担当の作業管理、営業担当の集客といった業務に加え、グループウェアとして社内コミュニケーションにも利用でき、まさにユーザー企業のDX推進を強力に支援する。

(同社資料より)

 

加えて、クラウドソフト「.cシリーズ」で注目すべきは、ライセンス体系の変更である。
従来ソフトでは、PC1台に1ライセンス、結果的に、1企業に1台、あるいは、1店舗に1台というケースが大半であった。
これに対しクラウドソフトでは、端末フリーのWebアプリとなるため、エンドユーザーごとにIDアカウントを付与できるようになる。
ユーザー企業は、企業ライセンスのメニューからプランを選択し、追加で必要なジョブライセンスを選択する。企業ライセンスやジョブライセンスの機能を複数人で利用する場合は、利用人数に応じて追加従業員アカウントの購入が必要となる。このほか、データベースやカスタマーサポートなどのサービスメニューがある。
この変更により、対象顧客は企業数または店舗数から、従業者数へと変化する。
モビリティ産業における自動車整備業、鈑金業、部品商、リサイクル業の対象4業種の事業者数は10数万社であるが、従業者数は事業者数の5倍以上、50万人以上の規模となる。

 

対象顧客企業ごとに、社員数や職種構成を綿密に調査したうえで、設定価格と想定販売数を最適化する。
業種と職種の組み合わせや企業規模などにより、ライセンス種類は分かれており、ライセンス種類ごとに単価に幅があるものの、2025年末のライセンス数は20,556(標準版18,220、特定大手版2,336)、25年12月期のライセンス当たり月額売上(ARPL)は25,217円となっている。

 

(同社資料より)

 

※ライセンス形態について
「.cシリーズ」は端末フリーのクラウドソフトになるため、エンドユーザーごとにアカウントIDを付与できる。これにより各拠点の情報やシステムを本部でリアルタイムに統合管理が可能なほか、場所を選ばず使えるポータビリティも大きな特徴である。
「.cシリーズ」では、業種ごとに設定された「企業ライセンス」を店舗ごとに導入し、1人目は、企業ライセンスのみで利用可能。2人目以降は、職種に応じた職種別ライセンスである「ジョブライセンス」を使用する。
例えば、基本パックに加えて、経営者ロール、メカニックロール、フロントロールの3ライセンスが追加されると合計で4ライセンスを付与する。
さらにそれらを複数人で利用する場合は、エンドユーザーごとに追加可能な「従業員アカウント」を付与する。
従来のソフト「.NSシリーズ」では、「1社または店舗につき、1ライセンスを導入」という形態が大半であったが、クラウドソフト「.cシリーズ」では、使用する社員ごとにライセンス(又はアカウント)付与という形態に変化する。
このライセンス体系の変化により、店舗当たりの採用ライセンス数は、従来ソフトと比べて大幅に増加する。

 

◎「BLパーツオーダーシステム」
同社では、自動車部品の電子受発注システムである「BLパーツオーダーシステム」を運用している。
「BLパーツオーダーシステム」は、整備工場向け業務システムと部品商向けシステムを接続し、見積・納期回答、受注業務をシームレスに行うサービス。
これまで、整備に際し部品が必要な整備工場は、既に取引のある部品商に電話やFAXで部品を発注していたが、手間、誤発注、納期などの点で課題が山積みであった。
こうした状況を改善し、大幅な業務効率改善、商売の円滑化、価格・納期の即時対応等を実現したのが同システムである。

 

より多くの整備工場に接続して取引を増やしたい部品商と、必要な部品をタイムリーに入手したい整備工場を接続。
部品商に対し、月額利用料、整備工場からの問い合わせ件数に応じた従量手数料などをチャージする。

 

(同社資料より)

 

◎「パーツステーションNET」
また、リサイクル部品流通ネットワーク「パーツステーションNET」の運営も行っている。
リサイクル部品の販売者であるリサイクル事業者は商品を「パーツステーションNET」に登録し、リサイクル部品の使用者である整備工場や鈑金工場は必要な商品の検索を、仲介業者である部品商やリサイクル業者は適合確認を行う。
販売者と仲介業者の間で部品売買が行われた際にはリサイクル部品決済代行サービス「パーツステーションファクタリングNET」を通じて取引額の決済を代行し、手数料を徴収している。

 

(2)パッケージシステム
ライセンス型ソフトウェアの販売に関わる売上「ソフトウェア販売」と、ライセンス型ソフトウェアの利用に関わる売上「運用・サポート」に大別される。

区分

主な提供サービス・商品

ソフトウェア販売

・「NSシリーズ」に代表されるパッケージシステム

・作業分析/業務最適化ソフトウェア「OTRS」

運用・サポート

・パッケージシステム「NSシリーズ」に付帯する保守・サポートサービス等

 

OTRSは、経営工学 (Industrial Engineering)に基づいてつくられた生産・製造現場の作業時間短縮・省力化・コスト低減など、企業のカイゼン活動を支援するソフトウェア。
最新動画エンジンを搭載し、動画分析・加工による作業のバラツキの可視化、熟練工とそうでない作業員の作業の差異を可視化する比較再生、分析結果を作業手順書や動画マニュアルとして出力するレポート出力などの機能を有し、①作業のムリ・ムダ・ムラをなくしQCD(質・コスト・デリバリー)を高める、②作業の標準化による公平な評価を実現する、③モーションマインド(作業方法についてより能率的な方法を探求し続ける心構え)の向上で職場の活性化に繋がる、といったメリットを提供する。

 

サポートにおいては、顧客の最適なビジネス環境を維持するために365日稼働のカスタマーヘルプデスク(コールセンター)や全国25の営業拠点(2025年12月末現在)に専門スタッフを配置し、ネットワークやハード、サーバー等のトラブル時に迅速に対応するサポート体制を構築している。

 

(3)その他

区分

主な提供サービス・商品

ハードウェア

PC、モニター、プリンター等の周辺機器

サプライ

専用帳票やトナー等のサプライ品の販売

 

 

【1-5 ビジネスモデル】

同社ではモビリティ産業向けのプロダクトを中心に、2028年末でのクラウド化率100%を目指し、従来ソフトからクラウドソフトへの移行を進めている。
従来ソフトでは、顧客企業ごとにライセンスを発行していたが、クラウド化により、従業員別のアカウントも発行できるようになる。これに伴い、顧客のデジタル化の範囲が拡大すればするほど、利用する従業員が増加し、結果的に1社あたりで得られる売上は向上することとなる。

 

 

【1-6 特徴と強み】

①カーアフター産業をリードできる唯一のIT企業
国土交通省は「世界最先端IT国家創造宣言」(2013年6月、閣議決定後、2015年6月、変更を閣議決定)を踏まえ、国が保有する検査登録情報(所有者情報等)をはじめ、車両の位置・速度情報や事故・整備履歴情報等の「自動車関連情報の利活用による新サービスの創出・産業革新」に関する将来のあり方について、「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン検討会」を設置した。

 

同検討会が2015年1月に発表した「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョンについて」によれば、日本の自動車関連情報の利活用の現状について、

自動車が収集・発信できる情報は、近年の自動車のIT化の進展によって、膨大かつ多岐にわたっている。

ただ、我が国では、自動車に関連した膨大な情報について、個別の主体が情報をバラバラで有していること等のため、利活用が進んでいない。

諸外国では、既に自動車関連情報を利活用した保険サービス、自動車履歴情報の提供等の多様なサービス展開が進んでおり、我が国においてもITを活用した自動車関連分野のイノベーションを促進していくべき。

 

と、現状分析及び課題の抽出を行っている。

 

その上で、重点テーマとして、

①「安全OBD(※)に対応したスキャンツールの共通化」を通じた次世代自動車等の安全使用の推進

②テレマティクス等を活用した新たな保険サービスによる安全運転の促進・事故の削減

③自動車の履歴情報を収集・活用したトレーサビリティー・サービスの展開による自動車流通市場の活性化

④検査と整備の相関分析等を通じた検査・整備の高度化・効率化

 

の4つを挙げており、膨大なデータの一元管理を通じた、安心・安全な自動車取引の活性化を民間主導で進めようとしている。
こうした状況下、数千万台に及ぶ自動車整備履歴情報を有する専門性と数万社の顧客をベースに、将来のカーアフター産業をリードできるのは自社のみと同社は考えている。
※:OBD:On-board diagnostics。自動車に搭載されるコンピュータが行う自己故障診断のこと。

 

②圧倒的なシェア
国内部品商の約7割に同社の業務用システムが既に導入されている。また、整備工場に関しては、同社のターゲットとなる中規模又は大規模の非ディーラー系工場を中心として同社グループで23,000社超にシステムが導入されており、圧倒的なシェアを有している。
加えて、同社の様にプラットフォーム化して多様なシステムを提供している企業は他にはない。限定的なシステム販売会社が数社あるが、どれも売上規模では同社の10分の1程度であり、事実上競合は存在しない状態とのこと。

 

③豊富な実績&圧倒的なデータ量
同社に「パッケージソフトウェア事業」を譲渡した翼システム株式会社(設立1983年)が最初のソフトウェアである自動車部品商向けシステム「パーツマン」の販売を開始したのが1983年であり、この時から数えれば約40年の実績となる。30年前から自動車1台当たり約3万点にのぼる部品情報をデータベース化しており、独自ノウハウで作り上げた部品コードは業界標準となっている。
また修理現場の実地データも含めた収録データ数は膨大な量にのぼり、比類を見ない質・量ともに圧倒的なNo.1のデータベースとなっている。

 

④顧客との信頼関係
直販体制を敷き、顧客ニーズを的確に吸い上げ、きめ細かな対応を行っているため、厚い信頼関係が構築されており、重要な見えない資産となっている。
クラウド化の進展も、より強固な顧客サポート体制を始めとしたメリットを提供することとなり、関係強化は更に進展するものと思われる。

 

【1-7 資本コストや株価を意識した経営】

(1)資本コスト
同社では、CAPMによる自社の株主資本コストを「8.0%」と推定している。
<前提>
*リスクフリーレート(残存期間10年の国債利回り 1.0%、株式リスクプレミアム(同社推定)7.0%、ベータ値1.0
*過去株価から算出されるベータ値は1.0未満であるが、保守的に1.0に設定する。

 

(2)PER、PBR
①PER
2019年までの収益の中心がソフトのリース販売及び保守サービスであった「収益安定期」から、2020年から2022年にかけての部分的なソフトのサブスク提供を開始した「売上調整期」において、PERは平均的に20倍以上を確保していた。
2023年までの「計画赤字期」を終え、「利益回復期」の2024年に入り、PERはプラスに転換している。
PER=1/(株主資本コスト - 期待成長率)と仮定すると、株主資本コスト=8%の下で、PER20倍は、利益の期待成長率は3%であることを意味している。

 

②PBR
「収益安定期」から「売上調整期」において、PBRは2.2~2.5倍で推移していた。
「計画赤字期」においても、1.5倍以上を確保しており、「利益回復期」に入った2024年以降は上昇を続け、本レポート作成時(2026年3月25日)は、3.7倍となっている。

 

(3)ROEの実績と計画
サブスク型への売上モデルの転換に伴い、損失を計上したこともありROEは一時的に低下したが、2025年11月期5%まで回復。2026年から株主資本コスト8%を上回る見込みである。

 

(4)株主価値向上への取組
PBR(=ROE×PER)の上昇に向け取り組みを推進中である。
中期経営計画(2022-2028)での業績計画の達成確度を見極めたうえで、ROEターゲットおよび株主還元方針を含む資本政策を策定する予定である。

<主な取り組み>

ROEの回復・上昇

まずは業績計画(ROE25%水準)の達成を目指す。

「商品・サービスの強化・拡張による市場拡大を通じた利益成長機会の創出」「成長投資と株主還元の両立によるサステナブル成長の実現」を図る。

株主資本コストの低減

8%以下に抑制する。

「サブスク型ソフトウェア事業への転換による業績ボラティリティの低減」「任意での適時開示の積極的な実施による情報非対称性の解消」に取り組む。

期待利益成長率の上昇

3%の大幅な超過を目指す。

「中期業績計画の公表(2022年~2028年)による利益成長の実現可能性の理解浸透」「プラットフォーム型サービスの積極展開によるソフトウェア事業に続く成長領域の創出」がカギとなる。

 

2.2025年12月期決算概要

(1)業績概要(IFRS)

 

24/12月期

構成比

25/12月期

構成比

前期比

修正予想比

売上収益

18,045

100.0%

20,815

100.0%

+15.4%

+2.0%

売上総利益

11,712

64.9%

13,520

65.0%

+15.4%

+3.2%

販管費他

11,038

61.2%

11,457

55.0%

+3.8%

+0.5%

営業利益

674

3.7%

2,063

9.9%

+206.0%

+21.3%

税引前利益

545

3.0%

1,854

8.9%

+240.3%

+27.9%

当期利益

343

1.9%

1,240

6.0%

+261.3%

+24.0%

*単位:百万円。販管費等は、販売費及び一般管理費とその他営業費用の合計からその他の営業収益を控除。当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益。修正予想比は25年11月公表の予想値に対する比率。

 

クラウド化進展に伴い2桁の増収、大幅増益。売上・利益とも予想を上回る。
売上収益は前期比15.4%増の208億15百万円。月額サブスク型ソフトの契約数が増加しているほかPC買替需要が寄与した。
営業利益は同206.0%増の20億63百万円。限界利益率が高い収益構造のため増収により大幅な増益となった。コスト面において、クラウドソフトの対象業種拡大や機能追加に伴い減価償却費が増加したほか、サービス品質のさらなる向上に向けたITインフラ強化費用が増加。一方で、生成AIを活用した営業活動や開発・管理業務の効率化を継続し、コストの最適化を積極的に推進した。
売上・利益とも上方修正後の業績予想を大きく上回った。
2022年に主力商品である業務ソフトの全面刷新(クラウド化)に合わせ、売上モデルをサブスク型に転換し、着実にクラウド化移行を進めてきた。計画通り3年目の2024年に黒字転換を実現し、収益の安定化と高成長を両立する業績トレンドを形成中である。
好調な業績を勘案し、期末配当を前回発表の2.50円/株から3.50円/株に修正。これに伴い、年間配当を前年比1.00円/株増の6.00円/株とした。

 

(2)売上区分別動向

①クラウドサービス

 

24/12月期

25/12月期

増減率

予想比

クラウドサービス

8,210

11,832

+44.1%

+2.6%

ソフトウェアサービス

7,626

11,302

+48.2%

+2.7%

マーケットプレイス

584

530

-9.2%

0.0%

単位:百万円。予想比は25年11月公表の業績予想に対する比率。

 

増収。
ソフトウェアサービスはパッケージソフトからクラウドソフトへの切り替えが進み、新規顧客の獲得も順調に推移した。マーケットプレイスは、国内のリサイクル部品市場の停滞を背景に減収。

 

②パッケージシステム

 

24/12月期

25/12月期

増減率

予想比

パッケージシステム

7,450

5,699

-23.5%

-0.0%

ソフトウェア販売

1,941

1,441

-25.8%

+2.9%

運用・サポート

5,508

4,258

-22.7%

-1.0%

単位:百万円。予想比は25年11月公表の業績予想に対する比率。

 

減収。
モビリティ産業の顧客によるクラウドソフトへの切り替えが順調に進んでいる。

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎BS

 

24年12月末

25年12月末

増減

 

24年12月末

25年12月末

増減

流動資産

8,211

8,464

+253

流動負債

13,681

15,344

+1,664

現金等

4,306

4,121

-185

営業債務等

2,797

2,708

-89

営業債権等

3,365

3,708

+343

契約負債

6,287

8,389

+2,102

棚卸資産

186

326

+140

短期有利子負債

3,480

3,074

-406

非流動資産

31,684

32,960

+1,277

非流動負債

3,071

1,788

-1,283

有形固定資産

1,168

914

-254

長期有利子負債

2,655

1,384

-1,271

のれん

11,126

11,168

+42

負債合計

16,751

17,132

+381

無形資産

16,526

18,561

+2,035

資本合計

23,143

24,293

+1,149

その他の金融資産

988

901

-86

利益剰余金

10,408

11,297

+889

資産合計

39,895

41,425

+1,530

負債及び資本合計

39,895

41,425

+1,530

 

 

 

 

有利子負債残高

6,135

4,458

-1,677

 

 

 

 

自己資本比率

58.0%

58.6%

+0.6pt

*単位:百万円。現金等は現金及び現金同等物、営業債権等は営業債権及びその他の債権、営業債務等は営業債務及びその他の債務。
自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率。

 

クラウドソフトの機能拡張のための開発投資により無形資産が増加したことなどから、資産合計は前期末比15億円増加。
月額サブスク型クラウドソフトの5年契約が増加中で、その前受金にあたる契約負債が増加した一方、有利子負債が減少し、負債合計は同3億円の増加。契約負債は5年契約に基づく前受金であり売上計上は期間按分となり、将来の月額売上へと転換されるもの。同社の安定的な事業運営を支える重要な項目である。
利益剰余金の増加等で資本合計は同11億円増加。
この結果自己資本比率は前期末から0.6ポイント上昇し58.6%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

24/12月期

25/12月期

増減

営業CF

6,531

6,897

+366

投資CF

-4,308

-4,409

-100

フリーCF

2,222

2,488

+265

財務CF

-1,835

-2,692

-857

現金同等物残高

4,306

4,121

-185

単位:百万円

 

契約負債の増加額が減少した一方、税引前利益の増加などで営業CF及びフリーCFのプラス幅は拡大した。
有利子負債の減少により財務CFのマイナス幅は拡大。キャッシュポジションは若干低下した。

 

(4)トピックス

◎伊藤忠商事らが出資するWECARSにクラウドサービス『Maintenance.c 』の提供を開始
2026年3月、伊藤忠商事らが出資する株式会社WECARSに対し、全国の整備拠点における車検業務の透明性と適正性の確保に向け、自動車整備業向けクラウドサービス『Maintenance.c(メンテナンスドットシー)』の提供を開始した。

 

(株式会社WECARS概要)
2024年1月設立。MISSIONに「人々のカーライフの信頼できるパートナーとして、生涯にわたり、車のあらゆる困りごとの解決を支援し、安全・安心・快適なモビリティ社会の実現に貢献します」を掲げ、全国240店舗で国産車・外国車の中古車・新車販売及び車両買取業務、車検・一般整備及び鈑金塗装業務を手掛ける。伊藤忠グループ。

 

(サービス提供の背景・目的)
2024年3月に国土交通省より「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」が公表されたことにより、自動車整備業界全体において、業務の透明性向上と監査体制の強化が求められている。
WECARSでは、整備内容の可視化や作業記録の電磁的保存を通じたコンプライアンス強化に取り組んでいる。こうした体制を確実に実現するため、ブロードリーフのクラウドサービス『Maintenance.c 』を導入することとした。
ブロードリーフは中立的なIT事業者の立場からWECARSに『Maintenance.c 』を提供し、内製システムだけでは実現が難しい「第三者視点による運用基準の担保」や「客観性のある業務統制」に寄与することで、WECARSの信頼性向上を技術面からサポートする。

 

3.2026年12月期業績予想

(1)業績見通し(IFRS)

 

25/12月期

構成比

26/12月期(予)

構成比

前期比

売上収益

20,815

100.0%

23,500

100.0%

+12.9%

売上総利益

13,520

65.0%

17,000

72.3%

+25.7%

販管費他

11,457

55.0%

12,200

51.9%

+6.5%

営業利益

2,063

9.9%

4,800

20.4%

+132.7%

税引前利益

1,854

8.9%

4,750

20.2%

+156.2%

当期利益

1,240

6.0%

3,200

13.6%

+158.0%

*単位:百万円。当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益。

 

2桁増収、大幅増益で利益は過去最高を更新へ
売上収益は前期比12.9%増の235億円、営業利益は同132.7%増の48億円の予想。
25年12月期に獲得したクラウドソフト契約に加え、これまで積み上げてきた契約も引き続き通年で寄与。パッケージソフトからクラウドへの切り替えが順調に進んでいるほか、大手企業を中心に稼働件数の増加も見込んでいる。コストについては、クラウドユーザー数および導入案件数の増加に伴い、インフラ投資や導入・運用支援に係る費用が増加する見込みだが、こうした事業拡大に伴う変動費の増加を、AI技術の積極活用による営業・開発の効率化に加え、社内業務プロセスの自動化・標準化により吸収する。前期に続き大幅増益で、過去最高を更新する見込み。
株主還元のさらなる強化を目的として、配当性向の目安を従来の35%以上から40%以上に引き上げることとした。配当は前期比9.00円/株増配の15.00円/株を予定。予想配当性向は42.4%。

 

(2)売上区分別動向

①クラウドサービス

 

25/12月期

26/12月期(予)

前期比

クラウドサービス

11,832

15,700

+32.7%

ソフトウェアサービス

11,302

15,000

+32.7%

マーケットプレイス

530

700

+32.1%

単位:百万円

 

今期もソフトウェアサービスが大きく伸長する。マーケットプレイスは前期減収の反動及び、主要整備業、部品商やリサイクル業のクラウド浸透が進み大幅な伸び。

 

 

②パッケージシステム

 

25/12月期

26/12月期(予)

前期比

パッケージシステム

5,699

5,500

-3.5%

ソフトウェア販売

1,441

1,600

+11.0%

運用・サポート

4,258

3,900

-8.4%

単位:百万円

 

運用・サポートについては、既存顧客のクラウド化進展に伴い、売上の計上区分がソフトウェアサービス側に段階的に移行していく見込みである。

 

 

②その他

 

25/12月期

26/12月期(予)

前期比

その他

3,285

2,300

-30.0%

ハードウェア

2,613

1,700

-34.9%

サプライ

672

600

-10.7%

単位:百万円

 

2026年12月期より一部ハードウェアについては仕入販売ではなく販売手数料として計上する。

 

 

(3)中期経営計画の進捗

①基本戦略
成長戦略として、主力サービスであるクラウドソフト「.cシリーズ」の導入率を向上させる「クラウドの浸透」と、クラウドソフトを核として顧客の事業運営に不可欠となるITサービスを充実させる「サービスの拡張」を掲げている。

 

2025年までに適用可能な顧客層(規模、業種)を拡げるために、クラウドソフトの機能拡張開発を継続するのと並行して、従来ソフトの利用期限が満了した顧客から順にクラウドソフトへの移行を進めている。
結果としては、開発は計画通り進んでいるものの、同社の対応体制の点などから、従来ソフトの利用期限が満了しても準大手以上の顧客はクラウドソフト機能拡張版のリリースを待機してもらう状況となっている。そのため、競合他社ユーザのリプレイスなど新規顧客獲得に向けた営業活動も限定的になっている。

 

クラウドソフトの機能拡張が進みバージョンアップを重ねたことにより適用可能な顧客層は拡大しているため、計画達成に向けては、クラウドソフト移行を計画通りに実現することが重要である。
そこで、クラウドソフト移行計画の実現確度を向上させるため、クラウドソフトの営業戦略を以下のように、更新し、営業体制の再構築を行う。
・戦略的意思決定のスピードを重視し、これまでの全国7支店体制を3ブロックに変更しフラット化した。重点顧客と位置付けている全国展開もしくは広域展開している顧客に対する地域横断的な営業活動の活性化を図る。
・早期移行が望ましい顧客を重点対象と位置づけ、導入対象顧客の優先順位付けを実施する。待機中および従来ソフト満了予定の全顧客に対し、クラウドソフトの移行時期を個別に設定・通知する。
・重点対象の新規顧客に対する専任営業組織を新たに組成する。

 

顧客戦略についての考え方は以下の通り。
車両高度化の進行や人材不足・人件費上昇により、新車ディーラー単独では整備・修理の需要を十分に吸収することは難しく、業界全体で構造改革の必要性が高まっている。こうした環境のもと、従来は分断されていた新車ディーラー工場と地域の有力専業工場が連携し、新型車対応や車検・整備・修理に共同で対応する動きが進展している。
整備実施件数などに応じて課金額が増加するクラウドソフトの収益モデルが有効であることから、全国及び広域展開する車検・修理工場、中古車店・車用品店、ガソリン店などのほか、国産車・外国車の新車ディーラーの協力工場を顧客化の重点対象とする。

 

(同社資料より)

 

②クラウド指標の進捗・最新見通し
各KPIの状況、見通しは以下のとおり。
クラウドソフトを早期に導入する重点対象の顧客は大手事業者の割合が高く、小規模事業者の移行は大手の移行後に本格化することから、KPIの推移見通しは非直線的となる。

 

<クラウド化率>
2025年末のクラウド化率は計画通りの35.1%。2026年末は49.0%の計画。
2028年までにクラウド化率100%を達成する計画。2026年以降はクラウドソフトを中心としたソフトウェアサービスが、これまで以上に売上成長を牽引する構造となるため、達成確度の向上を重視していく。

 

<ライセンス数>
2025年末のライセンス数(標準版、特定大手版合計)は20,556ライセンス。2026年末は29,300ライセンスの計画。2028年末は60,300ライセンスを目指している。

(同社資料より)

 

<ライセンス当たり売上>
2025年末のARPL(ライセンス当たり月額売上)は25,217円/月。2026年末26,400円/月、2028年末27,600円/月を計画している。ARPLの上昇は値上げによるものではなく、月額利用料が高額な部品商や大手法人の構成比率上昇による構造的な単価上昇によるもの。
ARR(毎期の最終月である12月の経常売上を12倍した年間換算の経常売上)は、2028年12月期で200億円を見込んでいる。

 

<ユーザー維持率>2025年末のユーザー維持率は99.8%。既存ユーザーの比率が増えると、ユーザー維持率はさらに安定する見込みである。
2026年以降も目標としている99%以上を維持すると見ている。

(同社資料より)

 

4.Physical AI時代の勝利者への道

「AI」の急速な発達とあらゆる領域への浸透によって全てのビジネスシーンにおいて劇的な変革が生じており、この流れは今後ますます強まるものと見られる。
そうした環境下、同社では自社のポジショニング、競争優位性とその源泉、目指す姿を以下のように考えている。

 

(1)同社を取り巻く環境とポジショニング

①AIのパラダイムシフト
これまで「AI」は生成AIを中心に発展してきたが、今後は主戦場が「生成」から「現場」へ移行し、いわゆる「Physical AI」が主役となるパラダイムシフトが進行すると見られる。「Physical AI」は、ロボットをAIで操作するという単なるロボティクスを指すものではなく、実際の現場で稼働するAI基盤全体を意味する。
デジタル空間とは異なり、現場には設備や作業工程といった物理的制約が存在し、安全性や作業条件を踏まえた運用が求められ、「Physical AI」の実装には、理論値ではなく実地データが絶対的に不可欠となる。
現場で蓄積された成功事例のみならず、失敗履歴や判断の経緯といった文脈情報も重要となるほか、法令遵守や責任の所在など現実社会の枠組みに対応することも前提となる。
ところが、これらは、公開ウェブデータのみでは構築することはできない。産業現場で長年にわたり蓄積された業務データこそが、「Physical AI時代」における最も重要な基盤データとなる。

 

(同社資料より)

 

②自動車整備業界が直面している課題
自動車整備業は日本社会におけるカーライフの安全を支える重要な役割を担っているが、一方で現場では、人材・技術・業務構造などの面で、様々な課題を抱えている。

 

◎自動車整備士の人材確保
自動車整備士の平均年齢は上昇傾向にあり、整備士の人手不足や若年層不足は社会的・構造的な課題となっている。

 

◎自動車整備の高度化
EVや自動運転、先進運転支援システム(ADAS)の普及により、自動車整備に求められる知識・技能は年々高度化・専門化が進んでおり、工場設備への投資が不可欠である。また、電子制御部品の比率が高いことから修理手順や接続方法を誤ると車両が正常に稼働しないケースも生じるため、正確な情報と適切な修理方法の共有が従来以上に重要である。

 

◎DX化の遅れ
人手不足解消や情報の共有化のためには、DXによる体系的な知見やノウハウの共有が不可欠であるが、自動車アフターマーケット業界では、DX化が不十分で、現場判断が個人の経験や勘に依存している部分も少なくない。点検・整備・見積・履歴管理などのデータの統合が必要である。
こうした課題に対応するには設備の高度化・自動化のための一定の投資が不可欠であるため、ある程度の事業規模が必要。中小・零細工場の吸収・合併などを通じた工場の大規模化が進むものと想定される。

 

③Physical AI時代における同社のポジショニング
上記のような課題を有する業界において、同社は、自社を課題解決担う「Physical AI時代における必要不可欠なインフラ企業」と位置付けている。

 

同社は約30年にわたり、自動車アフターマーケットにおける実地データを蓄積してきた。これは仮想的に生成されたデータではなく、実際の現場で発生した受発注、在庫、修理履歴、車両情報といった実データであり、現在も日々更新がなされている。
自動車産業においては、部品情報、在庫状況、受発注データ、車両入庫予定、整備履歴などが相互に連動する。例えば、整備が必要なその車両に必要な部品が何か、およびその在庫状況を把握できなければ、整備を完了させることはできず、車両を再度稼働させることはできない。そうした車両停止は、特に商用車においては、直接的な収益機会の損失につながる重要な課題である。
同社が運用する仕組みは、部品・車両・整備・受発注といったデータを横断的に連携させ、産業全体の循環を支える重要な基盤である。この仕組みが常に正常に稼働しているために、プラットフォーム上の顧客企業は、「正確な見積もりの作成」「部品取引の継続性」「円滑な保険処理」などが可能である。実地データに基づく情報基盤を提供することで整備業務の標準化と高度化を支援する同社は、自動車産業における“見えないレイヤー”を支える存在として、重要な役割を担っている。

 

(同社資料より)

 

(2)Physical AI時代における同社の競争優位性

同社では、自動車アフターマーケットにおける実地データをAIによって活用し、更なる付加価値を創造することを目指している。
「Physical AI時代における必要不可欠なインフラ企業」である同社の競争優位性は以下の3点である。

 

①蓄積されたクローズドデータ
自動車アフターマーケットにおいては、長期にわたり現場で蓄積された実地データこそが競争力の源泉となる。
同社が保有するデータは単なる部品情報の羅列ではなく、部品と作業工程、必要工数、関連車両情報などを紐づけた構造化データであり、実際の作業プロセスまで把握できる点が大きな特徴がある。
何万もの整備工場に分散していた「修理現場データ」は、Webでは決して手に入れることのできないクローズドデータであり、容易に構築できるものではない。前述のように相互に連動したデータが無ければ修理・部品取引・保険といった自動車アフターマーケットにおける主要機能は稼働せず、蓄積されたクローズドデータは強固な参入障壁となっており、同社競争優位性の最大の源泉である。

 

②規制への対応体制
規制対応についても、法令情報のみならず、現場での実務対応や運用ノウハウまで含めたデータを保有している。
日本の車検制度は世界で最も複雑かつ厳格な制度である。同社では官公庁との連携を含め、規制と実務を結びつけた情報基盤を構築しており、CASEの進化など車両の高度化や更なる規制に細部に亘り対応することができる体制(データとシステム)を有している点は大きな強みである。
法改正に対しては、改正前からプログラムの変更に着手する必要があるため当局との関係構築も必須であり、これも大きな参入障壁となっている。

 

③メーカー・ディーラー管理外車両へのアクセスも可能
車両保有台数の増加と使用年数の長期化により、メーカー管理外で整備される車両が増加している。自動車メーカーは、「ディーラーから離れた車両」の詳細を知ることができないが、同社は専業工場との長年の取引関係を通じ、メーカー横断的な実態データを蓄積している。
全メーカー・全車種を横断した「故障・修理の実態」を知っているのは、自動車アフター市場では同社のみと言っても過言ではない。圧倒的な取引量と高い市場シェアにより、データの網羅性と精度も向上しており、「蓄積されたクローズドデータ」は更に強固なものとなっている。

 

(3)収益モデル

同社では、前述したような自動車整備業界全体に起こる工場の大規模化、設備の高度化・自動化を想定し、2つの収益モデルを設定している。

 

①基盤利用料(サブスクリプション)

整備工場・部品商向けの業務システム利用料。安定的なMRR(Monthly Recurring Revenue:月次経常収益)を積み上げる。

②トランザクション課金

伝票作成保存送信・部品取引回数・金額などに応じた従量課金を収受する。

 

クラウド化の目的は産業構造の変化に柔軟に対応できる収益モデルの構築である。利用実態に応じて課金する仕組みにより、市場再編に伴う工場数の増減に収益が影響されるのではなく、車両台数を中心とした顧客の業務量や取引量の増減が収益に連動する。絶対不可欠な産業インフラとしての機能を通じて安定的な収益基盤の維持・拡大を実現する。
上記の2つの収益モデルに加え、中期経営計画(2022-2028)の主要テーマ「2つのDX」で掲げている付加価値データの活用によるデータライセンス収益や、クラウド基盤を通じたサードパーティとの連携強化による新たな収益機会も既に創出が始まっている。現在、大手企業との提携や導入が進展しており、適切なタイミングで開示する予定である。

 

(4)目指す姿:SaaSからSaSへ

Open AIの元メンバーらによって2021年に設立されたアメリカのAIスタートアップ企業であるアンソロピックが2026年1月末に最新のAIモデルを発表したことで、「AIがSaaSを不要なものにするのではないか」との懸念が広がり、企業規模を問わず多くの関連銘柄の株価が下落している。
同社に対しても同様な見方をする向きもあるようだが、同社では以下のように、一般的なSaaSとの大きな相違点、単なるSaaS企業やAIベンダーとは異なる自社のビジネスモデルの独自性を示している。

 

ポイント1:膨大なクローズドデータ基盤の活用
いわゆる「アンソロピック・ショック」とは、会計・財務・人事業務の効率化のためにSaaS(Software as a Service)の機能(専用Software)を利用していたユーザーが、AIエージェントを利用すれば同様の機能を実現することができるため、専用Softwareが不要になるというものだが、これは、SaaS企業が提供している機能にユーザーが自社データを入力して活用する一般的なケースである。

 

一方、同社は顧客が保有するデータの活用支援にとどまらず、同社が保有・統合する膨大な産業データ基盤を通じて、顧客が業務を遂行することができる環境を提供している。
前述のように、自動車アフターマーケットにおいては、実際の現場で発生した受発注、在庫、修理履歴、車両情報といった蓄積された構造化データがなければ実務には活用することができない。例えば、ユーザーはこれまで経験の無い修理案件も、同社の有する横断的なデータがあって初めて修理を行うことができる。自社データのみ入力すれば足りる「一般的なSaaS」との決定的な違いである。
クラウドはあくまでも提供形態であり、同社が長年にわたって蓄積・統合してきたクローズドデータこそが、同社システムの鍵であり、このデータベースを保有している点が一般的なSaaS企業との決定的な違いである。

 

ポイント2:「SaS:Service as Software」業務そのものをソフトウェアとして支える仕組み
こうしたことから同社では自社のビジネスモデルを「SaaS:Software as a Service」ではなく、「SaS:Service as Software」、すなわち業務そのものをソフトウェアとして支える仕組みであると位置づけている。
現在、同社では自動車アフターマーケットにとどまらず、モビリティ産業全体を横断するデータ基盤の構築を進めており、同社にしかできないデータの集約・連携・循環を通じて産業全体の高度化に貢献するインフラ企業として、持続的な成長とPhysical AI時代の勝利者を目指す考えだ。

 

 

(同社資料より)

5.大山社長に聞く

大山 堅司 社長に、Physical AI時代の勝利者を目指す同社の競争優位性、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

Q:Physical AI時代における御社の競争優位性についてお聞かせください
「Physical AI」は、ロボットをAIで操作するという単なるロボティクスを指すものではなく、実際の現場で稼働するAI基盤全体を意味します。デジタル空間とは異なり、現場には設備や作業工程といった多くの物理的制約が存在し、安全性や作業条件を踏まえた運用が求められます。そのため、Physical AIの実装には、理論値ではなく実地データが絶対的に不可欠となります。

 

当社が保有している全てのデータは、現場における実際の作業で使用することができるように構成されています。
部品データと言えば、一般的にはエクセルシートに、部品名およびその部品コードが記載されていて、大量の情報が一元的に並んでおり、それを呼び出すというイメージかと思いますが、当社の場合は、実際に修理や検査の現場で使用するデータとして構成されています。
例えば、「Bという部品を交換したい」場合、単に新たにBを取り寄せて交換すれば済むわけではない場合が多々あります。 「Bを交換するには一度、まずAという部品を外さないとならない。しかも既に取り付けてあるAは一度外すと再度取り付けることができないので、Aも新規に調達する必要がある」、ここまで情報を構成してあるのが当社データベースの大きな特徴で、同業他社でここまでできているものは無いと思います。また、整備工場によって手順や人の動き、工具の置き場所も異なる場合もあり、そうした点も含めて現場を把握できていないと、使えるデータになりません。

 

加えて、当社のシステムは部品流通の上流から下流までをカバーする業界のエコシステムとなっています。ですので、自動車が修理工場に持ち込まれる場合、事前に車種が分かれば、「その車種に必要な部品が手元の在庫にあるのか無いのか、無いのであれば部品商にあるのか、その上流の卸にあるのか、それとも最上流のメーカーまで行かないと無いのか」が把握できますから、効率的に部品を取り寄せて修理を行うことができます。特に稼働率が重要な商用車においては、効率的な修理の実施は商用車を保有する企業にとっては収益を左右する重要なポイントです。

 

さきほど、「Physical AI」の実装には、理論値ではなく実地データが絶対的に不可欠とお話ししましたが、現場で蓄積された成功事例のみならず、失敗履歴や判断の経緯といった文脈情報も極めて重要です。当社では蓄積されたデータを基に、この作業はこういう手順で進めなさい」というリコメンド、「作業指示書」を出すことができます。
多くの作業員の作業を分析し、上手い人の処理の仕方や下手な人の作業内容を基に、上手な人の作業を自動的にマニュアル化し、これを何度も繰り返すことにより現場で活用できるマニュアルが出来上がります。当社では以前から「OTRS」という、経営工学に基づいてつくられた生産・製造現場の作業時間短縮・省力化・コスト低減など、企業のカイゼン活動を支援するソフトウェアを使用しており、その点で大きく先行しています。
今後も「Physical AI」を更に磨き上げて、ロボットを使った自動化による自動車整備作業の大幅な効率化の実現を目指しており、既にその準備を進めています。
自動車の台数は増加傾向にある中で、給与や待遇の問題もあり整備士は減り続けています。自動車整備ができなければ日本の車社会自体が崩壊してしまいます。人手不足の解決に向け、「Physical AI時代における必要不可欠なインフラ企業」である当社の役割は極めて重要であると考えています。

 

 

Q:いわゆる「アンソロピック・ショック」により、多くのIT企業、SaaS企業は大企業も新興企業も株価が大きく下落していますが、御社株価は好調な推移です。御社の違いはどこにあるのでしょうか
クローズドデータの保有、これこそが一般的なSaaS企業との大きな違いです。
一般的なSaaSでは、会計や人事といった自社データを、SaaS企業が提供するソフトウェアという「箱」で処理します。ユーザーが優秀なAIを利用して自分で「箱」を作ることができるようになれば、わざわざソフトウェアを購入する必要はありません。
これに対し、当社が有しているのは、30年かけて何万もの整備工場に分散していた実地データを統合したもので、Webでは決して手に入れることのできないクローズドデータです。ユーザーは自社データのみでなく、当社が構築した日々フレッシュな情報が蓄積されている実地データを含めたクローズドデータを使うことで、効率的に様々な作業を行うことが可能になります。
つまり、当社は一般的なSaaS企業とは異なり、「箱」ではなく「データ」を買っていただいているのです。
7-8年前になりますが、社内の経営方針発表会の場で「これからはソフトウェアの価値はゼロに向かう。ソフトウェアで稼ぐ時代は終わり、データで稼ぐ時代にシフトしていく」ということを説明したのですが、今、まさにそうした時代が始まったということです。

 

Q:今後の御社の収益動向についてお話しください
パッケージソフトの時代はパッケージの販売数が重要でした、クラウドソフトの時代になりライセンス数がカギとなりましたが、それ以上に重要なのは、自動車アフターマーケットで言えば「何台の自動車を処理するか」です。
自動車の保有台数は着実に増加しています。自家用車のみでなく商用車も増加しているし、自動運転車も増加する。自動運転車は安全性確保のためメンテナンスが最低でも1年に1回は必要となりますから、修理・検査・整備を行う自動車台数は確実に増加していくと考えています。これに伴い、当社の収益も安定的に右肩上がりで拡大していくでしょう。
パッケージソフトの場合は価格の比較やメニューの内容でお客様が乗り換えることもありましたが、当社のクラウドに繋がっていると圧倒的な実地データ基盤に支えられているため、お客様が享受できるメリットは極めて大きく、乗り換え動機が生じることはまず無いだろうと思います。

 

 

Q:ありがとうございます。最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。
パッケージ販売からクラウド化への移行にあたっては、計画的な減収・減益の局面もあったことから、心配された投資家の方もおられましたが、当初予定通り2024年12月期には黒字転換し、前期の大幅増益に続き、今期も倍増以上の増益を見込んでいます。
当社は電力や水道と同じく、必要不可欠なインフラ企業です。単に自動車アフターマーケットのみのためではなく、自動車によるヒトやモノの移動という日本経済の円滑な運営にとっても欠かせない存在です。
自動車保有台数の増加・平均使用年数の長期化といったマクロ的な追い風の下、クラウド化の進展、クローズドデータ基盤の更なる強化によって、成長を伴った収益の安定性は今後益々強まる仕組みとなっています。
是非、当社の今後の成長にご期待ください。

 

6.今後の注目点

決算説明会(2026年2月12日開催)の席上で「現在、大手企業との提携や導入が進展しており、適切なタイミングで開示する予定」とのコメントがあったが、3月23日には伊藤忠商事らが出資するWECARSにブロードリーフのクラウドサービス『Maintenance.c 』の提供を開始するとのリリースがあった。同社では、整備実施件数などに応じて課金額が増加するクラウドソフトの収益モデルが有効であることから、全国及び広域展開する車検・修理工場、中古車店・車用品店、ガソリン店などのほか、国産車・外国車の新車ディーラーの協力工場を顧客化の重点対象とする考えだが、全国240店舗を展開するWECARSはまさにその一例だ。今後も4つのKPI「クラウド化率」「ライセンス数」「ユーザー維持率」「平均月額売上」及びこうしたリリースにも注目していきたい。

 

<参考1:中期経営計画(2022-2028)の概要>

(1)概要

同社では、顧客の利便性向上、収益のさらなる拡大と更なる安定的な収益基盤構築を目指し、2022年から従来ソフトのリース販売を終了し、クラウド版業務支援ソフト「.cシリーズ」への切り替えを進めている。
従来ソフトを使用している顧客は、契約満了後にクラウドソフトに順次移行する。現在の契約形態は最長6年のリース契約であるため、主要顧客の整備業・鈑金業の顧客のクラウドソフトへの移行が完了するのは2028年中を見込んでおり、2028年12月期を最終年度として中期経営計画を策定している。
「2つのDX」をテーマとして、進化への施策を進める。

 

<参考:「2つのDX」>
DX①顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進
顧客企業の新たな価値創造につながるビジネス環境の構築へ貢献する。

 

DX②データエクスチェンジャー(DX)として、同社サービス基盤を高付加価値化
同社独自のITプラットフォーム上で、ソフトウェアの顧客企業だけではなく、様々な3rdパーティーとの共同で得た情報を収集、分析、予想、統合し、情報の付加価値を高めた上で提供する。

 

データエクスチェンジャーとなることはデジタルトランスフォーメーション(DX)、EVや自動運転など車の進化、MaaS領域における事業展開を有機的に結び付ける重要要素となる。
データエクスチェンジャー(DX)として、顧客企業への価値提供を通して、社会課題解決につながる取り組みを加速させ、高成長企業への進化を目指す。

 

※データエクスチェンジャーとは?
同社においては、業務ソフトウェアでの入出力データのほか、自動車部品の受発注プラットフォームでの取引データなど、自動車に関する情報や、点検、整備、修理、部品売買など履歴の情報が、ビッグデータとして蓄積されている。
これらのデータと解析、予測のノウハウは、MaaS事業者の車両管理において活かされ、車両運行の安全を確保するための整備や点検に寄与する。
一方、MaaS事業者を通じた、予約、乗車情報や決済情報として、一般消費者の行動がビッグデータとして蓄積される。公共交通だけでなく、様々なMaaS領域に展開することで、様々な消費者の行動履歴が蓄積される。
これらは国々のレギュレーションによって取扱いが変わるため、レギュレーションに合わせてデータの取得・活用を制御しながら分析・解析する。こうした情報は、消費者との接点拡大を通じ、バリューチェーンを拡大しようとする多くの事業者にとって、魅力的なものとなる。
同社プラットフォームに蓄積されたこれらのデータを、利用者が求める仕様形式に変換し、価値あるものへと化学変化させる仕組みが、同社のクラウドプラットフォームであり、データエクスチェンジャーであると同社では定義している。

 

(2)成長戦略

(2)-1概要
成長戦略は「①クラウドの浸透」と「②サービスの拡張」である。

 

成長戦略①「クラウドの浸透」では、主力サービスであるクラウドソフト「.cシリーズ」の導入率を向上させることを、成長戦略②「サービスの拡張」では、クラウドソフトを核として、顧客の事業運営に不可欠となるITサービスを充実させることをそれぞれの重点施策としている。

 

この重点施策を、前述の、「DX① お客様のデジタルトランスフォーメーションを推進する」「DX② データエクスチェンジャーとして提供サービスを高付加価値化する」という「2つのDX」の観点で推進する。

 

同社の強みであるデータがサービスの付加価値となり、さらにデータが蓄積され、新たな価値の源泉となるという「データのエコサイクル」を生成し持続的な競争力の向上と成長を目指す。

 

(2)-2 成長戦略①:「クラウドの浸透」
業績計画達成のカギは、クラウドソフト「.cシリーズ」の浸透である。
以下3つの施策を実行し、その進捗を各KPIで管理している。

(同社資料より)

 

各KPIの定義は以下のとおり。

クラウド化率

「.cシリーズ」ユーザー社数÷「.cシリーズ」対象ユーザー社数×100

「.cシリーズ」ライセンス数

「.cシリーズ」標準版の課金ライセンス数

「.cシリーズ」ユーザー維持率

実績開示時に公表

「.cシリーズ」平均月額売上

「.cシリーズ」標準版の月額売上÷課金ライセンス数

 

※KPIの進捗状況は、「3.2026年12月期業績予想 (3)クラウド指標の進捗・最新見通し」に記述。

 

(2)-3 成長戦略②:「サービスの拡張」
①施策
*「Broadleaf Cloud Platform」によるサービス展開
以下の技術的特長を持つ「Broadleaf Cloud Platform」を起点として新たなサービスを展開する。

 

「Broadleaf Cloud Platform」は、ITシステムに求められる機能をマイクロモジュール化しており、拡張性が極めて高く、マイクロモジュールを組み合わせることでサービス化が可能。このため、様々なソフトを柔軟に構成し、顧客に提供できる。
また、ソフトに限らず、モジュール単位でも提供できる設計としておりAPIとして、3rdパーティーが利用でき、他社製ソフトの稼働基盤となるだけでなく、ブロードリーフのクラウドソフトとAPIを通して、機能連動、データ連動が可能である。
加えて、システムの開発環境をキット化しているため、システム開発会社はブロードリーフのクラウドソフトのアドオン開発が可能である。また、3rdパーティーであるシステム会社の開発リソースを利用できるようになるため、大手顧客からのカスタマイズニーズにも対応できる。
こうしたオープン型の特長から、ブロードリーフのソフトユーザー以外も参入が可能であり、ユーザー層の広がりによってサービスの付加価値が循環的に高まっていく仕組みとなっている。

 

サービスの主な買い手である整備業者については、従来版ソフトウェアの3,000社から2.3万社へ、さらには、現在の同社ユーザー以外も含めた6万社への拡張も期待できる。
売り手については現在の主な売り手である部品商・リサイクル業者に加え、今後予定されている自動車メーカー系部品商社の参加は対象マーケットの拡大につながる重要なポイントと考えている。

 

(同社資料より)

 

*受発注プラットフォームの業界スタンダード化
従来から提供しているプラットフォームサービスのひとつである自動車補修部品の受発注プラットフォームを業界スタンダードとし、年平均成長率30%以上を目指す。

 

自動車補修部品の受発注プラットフォームは、自動車整備工場などが部品商と売買取引を行う場合や、部品商同士、あるいは自動車リサイクル業者と部品商などが売買取引する際に利用している。
年々、顧客の採用率は上昇している一方で、電子取引は依然低水準である。

 

そこで、クラウドソフト「.cシリーズ」に、自動車補修部品の受発注プラットフォームを標準搭載(100%採用)するだけでなく、連動性や操作性などを高める予定であり、利用頻度も増加を見込んでいる。
これまでも利用頻度の高かった整備工場や車検チェーンから順にクラウドソフトを提供し、それに呼応する形で部品商やリサイクル業に導入し、さらに中小規模の整備鈑金業での利用も促進するような拡張策を戦略的に推進する。
電子帳簿保存法対応なども、売買取引の電子化を進めるきっかけとなると見ており、高成長、収益化を加速する。

 

(3)経営資源の配分方針

成長戦略である「クラウドの浸透」と「サービスの拡張」にあらゆる経営資源を集中させる。
2つをともに推進するためには、開発やセールスのリソースだけでなく、社内インフラの強化も必要と考えている。
今後の成長加速につなげるために、人材と知的財産を成長戦略実現のための中核資産と認識し、人的資本とIPリソースの最大化に向けて積極的な投資を行っていく。
同時に経営資源の最適な配分を実現するためにポートフォリオマネジメントを実施するとともに、厳格な事業管理を行い、経営効率の最大化を目指す。

 

(4)環境変化と事業への影響

気候変動を中心とした環境課題や、交通事故などの社会課題解決のために、モビリティ産業や関連行政は、今後大きく変化するものと見ている。

 

モビリティ産業においては、EV化シフト・CASEに代表される自動車高度化が進む。
それは同時に、メンテナンスの高度化に繋がり、EVや高度化した車両メンテナンスをサポートするITシステムの需要増加、ナレッジの蓄積や共有の需要増加、大規模な事業者における経営効率化のためのDX投資需要増加を意味し、最新鋭のクラウドソフトが必要となる。
また、全ての事業者がEVシフトや自動車高度化に対応できるものではないため、事業者数は減少傾向に向かうと予想される。一方で国内自動車保有台数は増加傾向にあり、今後は予防点検などのメンテナンス需要は増加が予想されるため、事業者の二極化が進むと同社では見ており、マーケットを捉える視点を社数から従事者数に変更する必要があると考えている。
行政においては、法制度の変更による電子化対応が必要で、書類の電子保存などの需要が増加する。

 

こうした変化はモビリティ産業事業者におけるDXに代表されるIT投資増に繋がり、同社にとってポジティブなものである。
同社の顧客企業は、変わりつつあるモビリティ社会のインフラを支え続ける存在であり、同社はクラウドソフトを始めとした様々なサービスの提供によって顧客を支援していく。

 

(5)サステナビリティ方針

サステナビリティ基本方針の下、ブロードリーフの「企業理念」及び「社名の由来」に込められた想いの実践を通じて「持続可能な社会の実現」と「企業価値の向上」を目指していく。

 

サステナビリティ基本方針
「長期的な視点に立ち、「サステナビリティ」における重点項目<マテリアリティ>に取り組むことで様々なステークホルダーに対する直接的・間接的なポジティブインパクトの拡大(価値創出)とネガティブインパクトの低減(社会的責任)に努めます」

 

同社の事業は、企業にITサービスを提供しているため、同社の役割はいわば黒子ともいうべきものである。そのため、環境課題や社会課題との直接的な接点は見えづらいが、各種課題との関連を常に意識しながら、これからも活動を推進していく。

 

(6)業績計画

①前提、ポイント
計画通り2024年12月期に黒字化を実現した同社では、2026年の過去最高業績更新、最終年度2028年営業利益130億円達成を目指している。

 

①業績計画(2026年12月期から2028年12月期)の前提、ポイント

ソフトウェアサービス

2026年以降、既存顧客のクラウド化を加速させる予定のため、ライセンス数の増加ペースは上昇する。

マーケットプレイス

2027年以降、大手の買い手・売り手へのクラウド浸透に加え、自動車メーカー系列の部品ディーラーが参画予定のため、取扱高の増加が加速する。

パッケージソフト販売

2026年以降も、非モビリティ産業の顧客による更新が継続するため、売上高は同水準で推移する。

運用・サポート

2026年以降は、既存顧客によるクラウド化が加速することで、売上の計上区分がさらにソフトウェアサービス側に移行する。

 

コストに関しては、2025年の組織フラット化に加え、2026年以降は中長期的な生産性向上のために人材開発投資を強化する。並行して、AIなどの自動化ツールを積極的に活用し、業務プロセスの最適化を通じたコスト抑制を推進する。

 

②業績計画

 

22/12期

23/12期

24/12期

25/12期

26/12期

(予1)

26/12期(予2)

27/12期

(予1)

27/12期

(予2)

28/12期

(予1)

28/12期

(予2)

売上収益

13,833

15,385

18,045

20,815

23,500

23,500

27,500

27,500

31.500

32,000

営業利益

-2,897

-1,902

674

2,063

4,800

4,800

9,000

9,000

13,000

13,000

営業利益率

-

-

3.7%

9.9%

20.4%

20.0%

32.7%

32.7%

41.3%

40.6%

当期利益

-2,431

-1,487

343

1,240

3,200

3,200

6,000

6,000

8,000

8,500

単位:百万円。25/12期まで実績。予1は2025年2月公表の従来予想。予2は2026年2月公表の今回予想。当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益。枠内色付きは上方修正箇所。

 

◎サービス別売上推移

 

24/12期

25/12期

26/12期

(予1)

26/12期(予2)

27/12期

(予1)

27/12期

(予2)

28/12期

(予1)

28/12期

(予2)

クラウドサービス

8,210

11,832

15,400

15,700

20,700

20,900

26,400

26,800

ソフトウェアサービス

7,626

11,302

14,700

15,000

18,900

19,600

23,300

24,300

マーケットプレイス

584

530

700

700

1,800

1,300

3,100

2,500

パッケージシステム

7,450

5.699

8,100

5,500

6,800

4,500

5,100

3,300

ソフトウェア販売

1,941

1.441

2,700

1,600

2,700

1,600

2,600

1,500

運用・サポート

5,508

4,258

5,400

3,900

4,100

2,900

2,500

1,800

その他

2,386

3,285

-

2,300

-

2,100

 

1,900

ハードウェア

1,689

2,613

-

1,700

-

1,500

 

1,300

サプライ

697

672

-

600

-

600

 

600

売上収益

18,045

20,815

23,500

23,500

27,500

27,500

31,500

32,000

単位:百万円。25/12期まで実績。予1は2025年2月公表の従来予想。予2は2026年2月公表の今回予想。今回予想では従来予想のパッケージシステムからその他を切り出したうえで予想値を更新。枠内色付きは上方修正箇所。

 

主力商材であるクラウドソフトを中心にソフトウェアサービスが売上成長を牽引する。
・クラウドソフトの機能拡充が進み、ほとんどの顧客に適用可能な状況となったため、今後はクラウド移行が加速する。
・パッケージソフト売上には、現時点でクラウドソフトの提供を開始していない非モビリティ産業向けが含まれているため、パッケージシステムのソフトウェア販売は一定規模で継続する見通し。
・ハードウェア売上は一部業種において従来の仕入販売方式から仲介方式への移行により緩やかな減少を見込む。

 

 

<参考2:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外4名(うち独立役員4名)

監査役

3名、うち社外2名(うち独立役員2名)

 

◎コーポレートガバナンス報告書
更新日: 2026年3月25日

 

<基本的な考え方>
当社は企業活動を支えるすべてのステークホルダーの利益を重視しており、コーポレートガバナンスの強化を経営の重要課題として位置付けております。そのために、当社の企業理念である「感謝と喜び」を実現し、企業価値の永続的な増大を図るとともに、経営の健全性及び透明性の確保に努めております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社はコーポレートガバナンス・コードの各原則を全て実施しています。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
当社におけるコーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示内容は以下のとおりでございます。

原則

開示内容

【原則1-4 政策保有株式】

当社では、株式の政策保有に関する方針及び政策保有株式の議決権行使の基準を以下のように定め、運用しております。

 

(政策保有に関する方針)

当社は、良好な取引関係の維持発展並びに新事業における将来の取引や業務提携の可能性等を勘案し、政策保有株式を保有いたします。

また、当社の取締役会において、政策保有株式について保有目的、株価変動リスク等を検証し、保有継続に合理性がないと判断した保有株式については縮減を進めてまいります。当社は、政策保有株主から株式売却の意向が示された場合には、当該株主の意向を尊重し、その売却等を妨げません。当社は、取引先が政策保有株主であるか否かにかかわらず、経済合理性を十分に検証しており、政策保有株主である会社との取引においても経済合理性を欠くような取引は行いません。

 

(政策保有株式の議決権行使の基準)

当社は、政策保有株式の議決権行使にあたっては、提案されている議案について、株主価値の毀損につながる議案でないかを確認いたします。また、議決権の行使について政策保有株主である会社の状況等を勘案のうえ、必要がある場合には当該会社に議案の趣旨を確認し、議案に対する賛否を判断いたします。

【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】

1.女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保について

当社は、変化の激しい市場環境に対応し、スピードをもった事業創造ができる組織力を高めていくため、女性、外国人、中途採用者の多様な人材の採用、起用を積極的かつ継続的に進めております。その一環として、当社管理職における中途採用者比率については、継続して過半数を維持することを一つの指標としております。当事業年度は、管理職及び執行役員のいずれも過半数が中途採用者で構成されており、あわせて女性や外国籍社員の登用も着実に進んでおります。今後も社内環境の整備を図り、属性に縛られない適材適所の登用を継続してまいります。

 

2.多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針について

当社は、今後も国籍、性別等にとらわれず、その能力・成果に応じた人材を評価し、登用を行ってまいります。

特に女性活躍推進については、新規直雇用者における採用比率の30%以上を女性社員とすることを女性活躍推進法で求められる一般事業主行動計画に明記しております。

また、ライフステージ毎に柔軟な働き方ができる勤務体系整備や時間と場所にとらわれない新しい働き方の実現に向けた検討をすすめており、子の看護休暇の延長取得や、育産休介護休業等の取得者に対する一時金の支給、従業員が長期療養を必要とする際に法定では時効消滅となった有給の積立利用ができる制度を新設するなど、社内環境の整備を進めております。。

【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取組み等】

当社は、企業理念である「感謝と喜び」に基づき、事業活動を通じた持続可能な社会の実現と企業価値向上の達成を目指し、サステナビリティに関する課題への取り組みを実施しております。

(ⅰ)サステナビリティについての取り組み

当社グループでは、サステナビリティ方針にもあるように、『持続可能な社会の実現』と『企業価値の向上』を目指して取り組みを進めております。

サステナビリティに関する具体的な取り組み等については、当社ウェブサイトのサステナビリティページに開示しておりますので、ご参照ください。

サステナビリティについての取り組み

https://www.broadleaf.co.jp/sustainability/

 

(ⅱ)人的資本、知的財産への投資

当社グループの掲げる企業理念や経営上の目標を実現し、企業価値の向上を図るための源泉となるものは人的資本と知的財産と考えており、人的資本と知的財産の最大化に向けて積極的な投資を行ってまいります。

人的資本・知的財産への投資については、当社ウェブサイトに開示しておりますので、ご参照ください。

人的資本への投資

https://www.broadleaf.co.jp/sustainability/diversity/

知的財産への投資

https://www.broadleaf.co.jp/sustainability/dx/

 

(ⅲ)気候変動への対応

当社の掲げる企業理念や経営上の目標を実現し、企業価値の向上を図るために、気候変動に起因するリスクや事業への影響を特定し、CO2をはじめとする温室効果ガス排出量の削減に向けた国の施策や社会の動向を注視し適切に対応しながら、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指してまいります。

気候変動の対応については、当社ウェブサイトに開示しておりますので、ご参照ください。

気候変動への対応

https://www.broadleaf.co.jp/sustainability/climate_change/

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

株主との対話(面談)は、代表取締役社長による統括のもと、IR担当部門であるインベスターリレーションズ室が行います。

なお、対話の目的及び面談者の属性を考慮のうえ、必要に応じて代表取締役社長が対応いたします。IR担当部門は、関連部門との定期的な情報共有を実施することで、株主に対する十分な情報の提供と円滑な対話の実施に努めます。また、建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努めます。個別面談以外の対話の手段として、代表取締役社長による機関投資家向け決算説明会や個人投資家向け会社説明会を実施しております。また、当社ウェブサイトにIRに関する問い合わせページを設けております。対話において把握された株主の意見・懸念については、取締役会や経営会議等において随時、代表取締役社長又はIR担当部門から経営陣幹部にフィードバックいたします。対話に際しては、ディスクロージャーポリシー及びインサイダー取引防止規程に則り、インサイダー情報に該当する内部情報の管理を徹底いたします。

IR・お問い合わせ https://www.broadleaf.co.jp/form/

ディスクロージャーポリシー https://www.broadleaf.co.jp/ir/policy/

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】

【英文開示有り】

当社は、2025年2月7日に開催した決算説明会において、資本コストや株価を意識した経営方針について公表いたしました。

株主資本コストにつきましては、主にCAPM(資本資産評価モデル)を用いて推定しており、複数の条件で算出したベータ値の中から、最も保守的な数値を採用しております。また、ROEに関しては、中期経営計画の最終年度である2028年までの計画を示しております。さらに、PERやPBRの状況、並びに株主価値向上に向けた取り組みについても開示しております。

なお、当社は現在、単一セグメントで事業を展開していることから、収益性の指標としてROICは現時点では用いておりません。しかし、今後の事業

多角化の進展に応じ、必要に応じてROICの目標設定を検討してまいります。

 

 

具体的な内容につきましては、2024年12月期末に公表した決算説明資料をご参照ください。

日本語:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3673/ir_material_for_fiscal_ym/172212/00.pdf

 

英語:

https://www.broadleaf.co.jp/Portals/0/images/en/ir/materials/

FY12_2024%20Business%20Results%20Briefing%20Material.pdf

 

 

本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

Copyright(C) Investment Bridge Co., Ltd. All Rights Reserved.

 

ブリッジレポート(ブロードリーフ:3673)のバックナンバー及びブリッジサロン(IRセミナー)の内容は、www.bridge-salon.jp/ でご覧になれます。

 

 

同社の適時開示情報の他、レポート発行時にメールでお知らせいたします。

>> ご登録はこちらから

 

ブリッジレポートが掲載されているブリッジサロンに会員登録頂くと、株式投資に役立つ様々な便利機能をご利用いただけます。

>> 詳細はこちらから

 

投資家向けIRセミナー「ブリッジサロン」にお越しいただくと、様々な企業トップに出逢うことができます。

>> 開催一覧はこちらから