ブリッジレポート:(9438)エムティーアイ 2026年9月期中間期決算
![]() 前多 俊宏 社長 | 株式会社エムティーアイ(9438) |
![]() |
企業情報
市場 | 東証プライム市場 |
業種 | 情報・通信 |
代表取締役社長 | 前多 俊宏 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー35F |
決算月 | 9月末 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(期末) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
543円 | 60,435,200株 | 32,816百万円 | 20.1% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
20.00円 | 3.7% | 51.13円 | 10.6倍 | 331.86円 | 1.6倍 |
*株価は6/23終値。各数値は25年9月期および26年9月期中間期決算短信より。EPSはレンジ予想の上限値。
業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | DPS |
22年9月(実) | 26,479 | 870 | 485 | -930 | -16.99 | 16.00 |
23年9月(実) | 26,798 | 298 | 458 | 753 | 13.73 | 16.00 |
24年9月(実) | 27,669 | 2,394 | 2,827 | 2,363 | 43.05 | 17.00 |
25年9月(実) | 29,910 | 2,946 | 3,027 | 3,404 | 61.62 | 19.00 |
26年9月(予) | 31,500 | 3,100 ~3,500 | 3,400 ~3,800 | 2,560 ~2,840 | 46.09 ~51.13 | 20.00 |
*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益、以下同様。
株式会社エムティーアイの2026年9月期中間期決算概要、2026年9月期業績予想などをお伝えします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2026年9月期中間期決算概要
3.2026年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 26年9月期中間期の売上高は前年同期比5.2%増の156億66百万円。コンテンツ事業が減収だったものの、ヘルスケア事業や学校DX事業が大きく伸びた。営業利益は同2.4%増の16億79百万円。売上総利益率は低下して売上総利益は3.3%増。AdGuard向けの販促費を抑えたこともあり販管費比率は低下し、営業利益率は前年同期11.0%から10.7%となった。ヘルスケア事業が営業損失となったもののコンテンツ事業と学校DX事業が2桁増益となり増益を確保した。第2四半期末配当は予想通り10.00円/株を実施する。前年同期から1.00円/株の増配。
- 26/9期は売上高が前期比5.3%増の315億円、営業利益は同12.0%増の33億円の予想。売上高は上方修正した。短・中期的業績拡大の牽引役となるのは学校DX事業、ヘルスケア事業も中長期的な売上拡大が期待できる。学校DX事業では、フルクラウド型一括サービスの競争優位性を活かしながら積極的に事業展開する。ヘルスケア事業では、売上成長を実現できるような様々な施策を展開していく。コンテンツ事業においてセキュリティ関連アプリ「AdGuard」の有料会員数拡大に取り組むことにより収益維持を図る。期末配当は修正なく、前年同期と同額の10.00円/株を予定。通期では20.00円/株。予想配当性向は41.1%(予想EPSの中間値を適用)。
- 26/9期中間期は売上高や営業利益は会社予想を上回って着地した。一旦は低迷していた営業利益はこの3年はしっかりと半期で10億円超を確保する見通しで、安定した利益体質が構築されつつある。コンテンツ事業で有料会員はやや伸び悩むも、ヘルスケア事業および学校DX事業の売上がしっかりと伸びている。特に学校DX事業は25/9期に黒字に転じて高い利益率も構築されつつある。さらに公立学校向けでは2027年4月導入の受注が複数県決定し、成長の牽引役として業績拡大に寄与する。ヘルスケア事業ではクラウド薬歴が好調に推移している。先行投資により営業損失だが、将来の利益成長に向けた布石であり、今後売上拡大に伴い分岐点を上回ってくれば高い利益率になるであろう。
- コンテンツ事業ではしっかりとした利益水準の確保を進める中、足元は学校DX事業がしっかりと貢献している。ヘルスケア事業で先行投資の効果がしっかりと収益に反映されてくれば利益率は格段に伸びるだろう。株価は低調に推移しているが、利益水準が安定的に確保される構造となりつつあり、成長投資を吸収できる体質へ移行しつつある。PERは低位にとどまっており見直し余地が大きい。
1.会社概要
【1-1沿革】
1996年、創業者前多俊宏氏(現 同社代表取締役社長)が、モバイルコンテンツのさらなる可能性を予見し、世の中に必要とされる様々なエンターテインメントや生活情報、ソリューションサービスを創出することを目的に、同社を設立。
携帯電話販売やコンテンツ配信のほかインターネット決済システム、ウェブサイトシステム運営等、インターネット関連サービスのスポット型ビジネスを多角的に展開し、モバイルコンテンツ市場の急成長とともに業容も拡大。1999年には株式を店頭登録し、2004年にジャスダック証券取引所に上場した。
その後、モバイル通信の中心デバイスが携帯電話からスマートフォンへ移行するのに伴いスマートフォン向けコンテンツ事業への移行を進めてさらに収益を拡大させ、2015年には東証一部へ市場を変更。
2016年に総務省が0円端末廃止策を打ち出したことに伴い全体の有料会員数は減少(※)を続けていた。同年から長年のコンテンツ事業で培ったUI/UXやマーケティングの強みを活かし、将来の成長ポテンシャルが大きいヘルスケア事業や学校DX事業の拡大に注力している。「コンテンツ企業」から「DX推進企業」への変貌を図っている。
2022年、市場再編に伴い東証プライム市場に移行した。
(※)同社では有料会員入会導線の中心を携帯ショップとしていた。機種変更の際のコンテンツ購入に伴う値引き額の原資を、同社が販売奨励金として携帯ショップに提供。スマートフォン普及に伴いコンテンツ事業は大きく成長したが、2016年の同施策の導入により入会者数は大きく減少していった。

【1-2 理念】
同社グループでは、より良い未来社会の実現に向け、社会システムの在り方を問い続けながら、テクノロジーを活用した価値創出に取り組んでいる。事業を通じて、生活者一人ひとりの安心や自由、選択の広がりにつながる社会の実現を目指している。
2025年12月に経営理念を刷新し、「生きるを変えていく。」をパーパスとして掲げ、その実現のために「人とテクノロジーの調和」「社会システムのリフレーミング」を方針として定めた。人に寄り添う視点とテクノロジーの融合により社会の「あたりまえ」を更新し、持続可能な社会の実現に貢献していく考えである。
ヘルスケア事業においては、データ分析を基にした健康の維持や病気の予防による国民のQOL向上や、医療費削減への寄与を目指している。学校DX事業においても自治体との連携を進め拡大中。
【1-3 事業内容】
報告セグメントは、「コンテンツ事業」、「ヘルスケア事業」、「学校DX事業」「その他事業」の4区分。

(1)コンテンツ事業
動画・音楽・書籍・コミックをはじめとするエンターテインメント系コンテンツ、セキュリティ関連アプリ「AdGuard」、天気・地図道路情報サービス等のスマートフォンを中心としたモバイル端末上で利用するコンテンツサービスをエンドユーザーに提供している。
コミック配信事業者向けにオリジナルコミック作品を提供するB to B型のオリジナルコミック事業も展開している。
創業以来の祖業であり現在も売上高の6割を占める。2026年3月末の有料会員数は2025年9月末比6万人減少の318万人。
足元の有料会員数は緩やかな減少が続いている。今後は、需要の大きいコンテンツへの集中により利益確保を優先する考えである。
◎主な事業・サービス
①セキュリティ関連アプリ「AdGuard」
広告ブロック、追跡ブロック、脅威ブロック、ペアレント機能(子供の保護機能)の4機能を特色とするモバイル用セキュリティ関連アプリケーション。
2026年3月末の有料会員数は128万人。1アカウントで複数台の端末に対応可能な点等が評価され、有料会員数は着実に増加しており、更なる拡大を見込んでいる。

(同社資料より)
②オリジナルコミック事業
同社スタッフが販売部数拡大に向けたマーケティング戦略の下、ストーリーを企画・構築したうえで、アマチュア及びプロの漫画家が作品化し、顧客である出版社に提供している。
(2)ヘルスケア事業
ヘルスケアに役立つ情報の配信のみならず、利用者一人ひとりがスマートフォン等を介して個々のヘルスデータをさまざまな生活シーンで利活用し、より便利で快適な日常を送れるよう、「世の中を、一歩先へ」を推し進めるためのさまざまなサービスを展開している。
同社グループのヘルスケアサービスの利用を通じて、各医療機関や自治体で個々に蓄積されたヘルスデータをより有効に利活用することができるよう、各機関に存在する複数の異なるシステム上のデータを連携する新たなシステムの構築に向け取り組んでいる。
具体的には、調剤薬局に対しは、薬局DXとしてクラウド楽歴やクラウド在庫管理サービス、およびお薬手帳アプリサービスを提供するほか、自治体に対しては、母子手帳アプリや子育てDXサービスを提供している。そのほか、女性向け健康情報サービス『ルナルナ』をはじめとするヘルスケア系コンテンツの有料会員数は2026年3月末時点で46万人。
◎主な事業・サービス
①調剤薬局向けクラウド薬歴「CARADA 電子薬歴 Solamichi」
「CARADA 電子薬歴 Solamichi」は、クラウド型電子薬歴システム。処方に際して飲み合わせの危険性が高い薬剤をチェックする機能や、患者への服薬指導の内容をナビゲーションする機能などを搭載している。
また、薬歴の作成状況をチェックする機能や患者対応業務のto doリストを備えている。クラウド型の特性を生かし患者への在宅訪問や他店舗でのサポート時など、場所や時間を選ばずに薬歴を作成することも可能。
薬剤師による薬歴作成や患者への服薬フォローのサポートなどを通じて、患者が安全・安心に薬を服用できる環境づくりに貢献する。
医療機関と患者をつなぐクラウド薬歴「CARADA 電子薬歴 Solamichi」

(同社ウェブサイトより)
◎特徴
パソコンの操作が苦手でも、マニュアルを見なくても、感覚的に操作を行える見やすい画面とシンプルな操作性にこだわっている。
必要最低限のメニューやボタンのみを表示することで、誰でもストレスなく使用できる。
手書きより素早く薬歴を作成できるにもかかわらず、薬剤師の経験値にとらわれない薬歴の内容の均一化を実現する。
コンテンツ事業で培った高度なUI/UXデザイン能力が発揮されている。
◎市場開拓
2026年3月末の導入店舗数は4,458店舗。日本全国の約6万店の調剤薬局のうち、大手チェーンなどを除いた中小(いわゆるパパママ薬局)1万店をターゲットとしている。
営業においては、2016年に資本業務提携を行った医療用医薬品等卸売を手掛ける株式会社メディパルホールディングス(東証プライム、7459)が有する調剤薬局ネットワークを利用して顧客開拓を進めている。
既にオンプレミス型のシステムで同業他社が一定のシェアを有しているが、クラウド型に強みを持つ同社の優位性を武器に導入店舗数拡大に注力する。
◎料金体系
調剤薬局の必要コストは導入初月のみの初期費用と毎月の月額料金。
他メーカーによっては、電子薬歴システムを利用する端末の台数ごとにかかる端末追加費用が必要な場合があるが、「CARADA 電子薬歴」は端末追加費用が不要である。
②自治体向け母子手帳アプリ「母子モ」
母子健康手帳の記録から地域の情報までを携帯で簡単にサポートする電子母子手帳アプリサービス。
妊産婦と子どもの健康データの記録や体重・発育グラフの表示、予防接種のスケジュール管理、出産・育児に関するアドバイス、写真をつけた育児日記や家族との共有機能、地域の子育て情報など多様な機能を搭載。ICTの活用により子育て世代の不安や負担を軽減する。

(同社ウェブサイトより)
顧客(導入先)は自治体で、2026年3月末時点で843自治体が同サービスを導入している。全国の自治体に占めるシェアは48%。
月額5万円~10万円を自治体から収受し、アプリユーザーは無料で各サービスを利用することができる。政府によるデジタル化・DX推進の動もあり、事業環境は更に明るくなっている。また、母子手帳アプリ導入済み自治体へを主軸に子育てDXサービスの拡販も進めている。

(同社資料より)
自治体との連携においては、「ルナルナみらいサポート」で様々なプログラムを提供、将来の事業成長に向けた布石を打つ。
「ルナルナみらいサポート」の主な対象領域およびサービス
(同社資料より)

(3)学校DX事業
◎フルクラウド統合型校務支援システム「BLEND」
保育園、幼稚園、小・中学校、高等学校、高等専門学校、専修学校、大学まで、教職員の日々の校務を効率化する校務支援システム。主に私立の中学校・高等学校向けを中心としてクラウド型校務支援システムをエムティーアイの子会社のモチベーションワークス株式会社が提供している。
各種データの紐づけによりデータが一括反映されるため、各種の帳票に記入する必要が無く、二重校務を防止するほか、クラウド型システムのため、マルチOS・マルチデバイスに対応しており、端末や場所に限定されることなく、校務を実行することができ、「学校DX」を強力に支援する。
学校の教師の業務は「校務」と呼ばれ授業や出欠管理のほか、さまざまな業務があり超過残業が社会課題となっている。フルクラウド型校務支援システム「BLEND」導入学校では、校務の効率化が進み抜本的な業務改革を実現している。全国の私立学校を中心に導入が好調に推移しているが、今後は公立学校にも導入を進め、引き続き注力していく。
ビジネスモデルは以下の通り。私立学校は生徒一人当たり月額300円を定価とし、公立学校は初期導入売上と月額利用料からなる。
![]() |
![]() |
(同社資料より)
2026年4月末の私立学校の導入数は1,367校。需要は旺盛で、今後も多数の導入を見込んでいる。

私立学校(中学・高等学校)の50%をカバーしている。私立高校を中心に導入件数拡大を進めているが、公立中学・高校の開拓も進めている。山梨県では全ての県立高等学校、全ての公立小・中学校に導入。
(4)その他の事業
AI事業、法人向けDX支援事業やソリューション事業等が属している。
【1-4 特長・強み・競争優位性】
以下の4点を強みとしている。
(1)技術革新のスピードにキャッチアップできる開発スピード
インターネットを取り巻く技術革新のスピードは加速し、またAIやクラウド、API連携等の各種技術により異なるシステム間での複雑なデータ連携が可能になっている。
一方、開発にあたっては盤石なセキュリティ体制の構築も不可欠で、必要な開発技術は多岐に渡る。
こうした要請に対し、同社では高度な専門的スキルを有する優秀な開発者を国内外から通年採用しているほか、さまざまなパートナー企業等との技術連携に取り組んでおり、一連の技術革新のスピードアップに絶えずキャッチアップすることができる体制を構築しており、新たな付加価値を創出している。
コンテンツ事業で成長してきた同社は、PCベースのみでなく、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどマルチデバイス対応での開発力を磨いてきた。
セキュリティチェックも含め、全てのデバイスで対応するためのクラウド独特の開発力、対応力も同社の大きな強みである。
(2)高度なUI/UXデザイン能力
コンテンツサービスを多くのエンドユーザーに利用してもらうには、端末画面上のボタンの配置やわかりやすい説明文など、性別や年齢を問わず多くのユーザーが使いやすいと思う操作性に優れたデザインとして設計し、エンドユーザーにとって質の高いUXを生み出していくことが重要である。
同社は、創業以来動画・音楽、コミック等のエンターテインメント情報、地図・天気情報等の生活情報、ヘルスケア情報など、あらゆるジャンルのコンテンツサービスの企画・開発を行ってきた経験によって培った、高度なUI/UXデザイン能力を有している。
(3)ストック型重視のビジネスモデル
同社グループの事業の多くはストック型のビジネスモデルを中心とし、月額課金収入が売上高の大半を占めている。安定した収益基盤から積み上げた収益を、次なる成長事業への注力や最新のテクノロジーを採用したサービス開発等に充てることが可能である。
(4)サービスの良さを伝えるマーケティング力
同社事業の属するインターネット業界においても、エンドユーザーにサービスの良さをしっかりと伝え、継続的にサービスを利用してもらうには、マーケティングや営業力の強化が大切であると考えている。そのため、コンテンツプロバイダーでありながらも、長年、全国の携帯ショップにおけるコンテンツサービスの販売促進を行い、効果的なマーケティング戦略に基づいた積極的な営業活動を展開してきた。
現在ではコンテンツ事業のみならずヘルスケア事業、学校DX事業等において、自治体や医療機関、学校、企業等に対しても効果的なマーケティング戦略に基づいた営業活動によって各サービスの導入を推進している。
2.2026年9月期中間期決算概要
【2-1業績概要】
| 25/9期 中間期 | 構成比 | 26/9期 中間期 | 構成比 | 前年同期比 | 会社予想 | 期初予想比 |
売上高 | 14,885 | 100.0% | 15,666 | 100.0% | +5.2% | 15,000 | +4.4% |
売上総利益 | 11,091 | 74.5% | 11,459 | 73.1% | +3.3% | - | - |
販管費 | 9,451 | 63.5% | 9,780 | 62.4% | +3.5% | - | - |
営業利益 | 1,639 | 11.0% | 1,679 | 10.7% | +2.4% | 1,600 | +5.0% |
経常利益 | 1,721 | 11.6% | 2,063 | 13.2% | +19.9% | 1,650 | +25.1% |
中間純利益 | 1,757 | 11.8% | 1,863 | 11.9% | +6.1% | 920 | +102.6% |
*単位:百万円。各利益予想はレンジ予想の上限値。
増収増益、売上高や各利益は会社予想を上回る
売上高は前年同期比5.2%増の156億66百万円。コンテンツ事業が減収だったものの、ヘルスケア事業や学校DX事業が大きく伸びた。
営業利益は同2.4%増の16億79百万円。売上総利益率は低下して売上総利益は同3.3%増。AdGuard向けの販促費を抑えたこともあり販管費比率は低下したが、営業利益率は前年同期11.0%から10.7%となった。ヘルスケア事業が営業損失となったもののコンテンツ事業と学校DX事業が2桁増益となり増益を確保した。持分法投資利益が大幅に増加しており、経常利益は前年同期比19.9%増の20億63百万円。
25年11月11日公表の期初業績予想に対し、売上高は上回り、営業利益・経常利益はいずれもレンジ予想の上限を上回った。前年同期に特別利益に計上した還付消費税等がなくなったことにより、中間純利益は前年同期比6.1%増の18億63百万円となり、会社予想の上限を大きく上回った。
第2四半期末配当は予想通り10.00円/株を実施する。前年同期から1.00円/株の増配。

【2-2 セグメント別動向】
| 25/9期 中間期 | 構成比 | 26/9期 中間期 | 構成比 | 前年同期比 |
コンテンツ事業 | 8,542 | 57.4% | 8,263 | 52.7% | -3.3% |
ヘルスケア事業 | 3,149 | 21.2% | 3,923 | 25.0% | +24.6% |
学校DX事業 | 904 | 6.1% | 1,142 | 7.3% | +26.4% |
その他事業 | 2,289 | 15.4% | 2,336 | 14.9% | +2.1% |
売上高合計 | 14,885 | 100.0% | 15,666 | 100.0% | +5.2% |
コンテンツ事業 | 1,978 | 23.2% | 2,240 | 27.1% | +13.2% |
ヘルスケア事業 | 86 | 2.8% | -253 | - | - |
学校DX事業 | 272 | 30.1% | 410 | 35.9% | +50.6% |
その他事業 | 628 | 27.5% | 619 | 26.5% | -1.4% |
調整 | -1,326 | - | -1,336 | - | - |
セグメント利益合計 | 1,639 | 11.0% | 1,679 | 10.7% | +2.4% |
*単位:百万円。セグメント利益の構成比は売上高利益率。
(1)コンテンツ事業
減収増益。
26年3月末の有料会員数は25年9月末比6万人減少の318万人。セキュリティ関連アプリ「AdGuard」の有料会員数拡大が続いており、有料会員数はほぼ横ばいで推移している。コストコントロールを通じた販管費の減少により2桁増益となった。
(2)ヘルスケア事業
増収、損失計上。
26年3月末の月額有料会員数は25年9月末比1万人減少の46万人。
「クラウド薬歴」の26年3月末の導入店舗数は、25年9月末比647店舗増の4,458店舗。中規模以上の調剤薬局への導入拡大に注力した結果、大幅に伸びた。
薬局DXや子育てDX向けのシステム開発費増加や「ルナルナみらいサポート」の費用負担増により、営業損失となった。
(3)学校DX事業
大幅増収増益。
クラウド型校務支援システム「BLEND」の導入学校数は1,367校(25年4 月比300校増)となり、その月額利用料収入が増加した。公立学校向けには初期開発売上の計上もあり、大幅な増収。私立高校におけるシェアは50%、26年4月の新年度導入は323校。公立学校では山梨県立高等学校導入に続き、同県の小・中学校の導入準備も進める。
増収効果により大幅増益となった。
(4)その他事業
増収減益。法人向けDX支援事業の受注が堅調に推移し増収。販管費の増加により微減益。
【2-3 財務状態】
◎主要BS
| 25年9月末 | 26年3月末 | 増減 |
| 25年9月末 | 26年3月末 | 増減 |
流動資産 | 23,212 | 20,908 | -2,304 | 流動負債 | 8,074 | 6,050 | -2,023 |
現預金 | 17,816 | 15,130 | -2,686 | 仕入債務 | 1,020 | 848 | -171 |
売上債権 | 4,085 | 4,764 | +679 | 契約負債 | 2,726 | 1,780 | -945 |
固定資産 | 10,135 | 11,071 | +936 | 固定負債 | 2,827 | 2,539 | -288 |
無形固定資産 | 2,475 | 2,899 | +423 | 長期借入金 | 956 | 587 | -368 |
ソフトウェア | 2,127 | 2,300 | +172 | 負債合計 | 10,901 | 8,589 | -2,311 |
投資その他の資産 | 7,439 | 7,900 | +460 | 純資産 | 22,446 | 23,389 | +943 |
投資有価証券 | 4,691 | 5,178 | +486 | 利益剰余金 | 8,709 | 9,989 | +1,279 |
資産合計 | 33,347 | 31,979 | -1,368 | 負債純資産合計 | 33,347 | 31,979 | -1,368 |
*単位:百万円
現預金の減少などで資産合計は前期末比13億68百万円減少し319億79百万円。
契約負債の減少などで負債合計は同23億11百万円減少し85億89百万円。
自己資本比率は前期末から6.7ポイント上昇し61.9%となった。
3.2026年9月期業績予想
【3-1 業績予想】
| 25/9期 | 構成比 | 26/9期(予) | 構成比 | 前期比 | 前回予想 |
売上高 | 29,910 | 100.0% | 31,500 | 100.0% | +.5.3% | 31,000 |
営業利益 | 2,946 | 9.8% | 3,300 | 10.6% | +12.0% | 3,300 |
経常利益 | 3,027 | 10.1% | 3,600 | 10.6% | +9.0% | 3,300 |
当期純利益 | 3,404 | 11.4% | 2,700 | 6.2% | -43.9% | 1,910 |
*単位:百万円。予想は会社側予想。レンジ予想は中間値。
増収増益を予想
26/9期は売上高が前期比5.3%増の315億円、営業利益は同12.0%増の33億円の予想。売上高および経常利益・当期純利益を上方修正した。短・中期的業績拡大の牽引役となるのは学校DX事業、ヘルスケア事業も中長期的な売上拡大が期待できる。学校DX事業では、フルクラウド型一括サービスの競争優位性を活かしながら積極的に事業展開する。ヘルスケア事業では、売上成長を実現できるような様々な施策を展開していく。コンテンツ事業においてセキュリティ関連アプリ「AdGuard」の有料会員数拡大に取り組むことにより収益維持を図る。
期末配当は修正なく、前年同期と同額の10.00円/株を予定。通期では20.00円/株。予想配当性向は41.1%(予想EPSの中間値を適用)。
【3-2 各事業の下期以降の取り組み】
基本方針
学校DX事業が短期~中期、ヘルスケア事業は中期~長期で収益貢献する見通し。
(1)ヘルスケア事業
将来の成長ポテンシャルが大きく、BtoC型に比べて顧客と長期間にわたり取引関係を構築することにより安定的なストック型ビジネスになり得るため、売上成長を実現できるよう様々な施策を実施していく。
①クラウド薬歴の拡大
26年3月末の導入店舗数は4,458店舗。
調剤薬局からの導入意欲が引き続き高く、ヘルスケア事業の持続的な売上・利益成長に寄与する。協業先との連携強化を通じて導入店舗数をさらに拡大させる考え。また、調剤薬局全体の業務効率化を総合的に推進するために、グループで展開する薬局DXの商材を組み合わせた調剤薬局のクラウド化支援を積極展開することにより、さらなる収益向上に繋げていく。
AI自動要約機能を搭載し、薬剤師が使いやすいUI/UXを実現する。中規模以上の薬局・ドラッグストアへの導入を進めていく。

(同社資料より)
※ 「corte」 (コルテ)は、同社子会社株式会社ソラミチシステムと株式会社corteの共同開発
※ 「corte」は、株式会社corteの商標登録
グループ全体では全国13,000以上の店舗と取引実績がある。20%の薬局が導入している。
②母子手帳アプリ+子育てDXを推進
政府による母子保健情報のデジタル化推進が行われる中、母子手帳アプリ「母子モ」の自治体導入先をさらに拡大させる。また、その導入先を中心に複数の高機能な子育てDXサービスの拡販を強力に営業展開していく。そして自治体、病院、住民のデジタル連携の実現を通じた「母子モ」プラットフォーム戦略を推進することを通じて、同事業における中長期的な利益貢献を狙う。
母子手帳アプリ「母子モ」の導入自治体数は843、自治体シェアは48%。また、「母子モ」利用自治体の子育てDXサービス導入は順調。導入自治体数は延べ343。
女性向け健康情報サービス「ルナルナ」については、自治体の地域住民に対して「ルナルナみらいサポート」を県単位で当面無償提供する。当該地域における成育支援への貢献を通じて将来的な事業化に繋げていく。新潟県に続き宮城県と連携協定を締結したが、今後さらに連携を推進していく。
(2)学校DX事業
政府による都道府県域での校務DX推進が進展する中、フルクラウド型一括サービスの競争優位性を活かしながら積極的に事業展開することで持続的成長を目指す。フルクラウド型校務支援システム「BLEND」は受注の引き合いが引き続き強く、26 年4月時点の導入学校数は累計1,367校(25年4月比300校増)となった。 私立学校向けの受注活動は中学校・高等学校を中心に展開していたが、小学校や専門学校へも受注活動を行っていく。また、公立学校向けにも受注活動を積極的に展開することで、さらなる 売上・利益成長を図る。 27年4月~の予定で、福島県(公立小・中学校・県立高等学校)、島根県(県立高等学校)、宮城県多賀城市(小・中学校)の受注が決定。 |
![]() (同社資料より) |
(3)コンテンツ事業
セキュリティ関連アプリ「AdGuard」の有料会員数拡大に取り組むことにより収益維持を図る。
【3-3 中長期的な利益イメージ】
コンテンツ事業やその他事業(法人向けDX事業・AI事業)ではしっかり利益を確保していく。学校DX事業では短期~中期、ヘルスケア事業では中期から長期に収益貢献する見通し。29/9期までに営業利益50億円の確保を目指す。
4.今後の注目点
26/9期中間期は売上高や営業利益は会社予想を上回って着地した。下グラフを見ても一目瞭然、一旦は低迷していた営業利益はこの3年はしっかりと半期で10億円超を確保する見通しで、安定した利益体質が構築されつつある。コンテンツ事業では有料会員がやや伸び悩んではいる。ただし、従来から前多社長が「特に注力」と強調していたヘルスケア事業および学校DX事業の売上がしっかりと伸びている。特に学校DX事業は25/9期に黒字に転じて高い利益率も構築されつつある。公立校にも着々と展開を進めており、さらなる収益拡大が期待できる。ヘルスケア事業ではクラウド薬歴が好調に推移している。先行投資により営業損失だが売上拡大に伴い分岐点を上回ってくれば高い利益率になるであろう。
コンテンツ事業ではしっかりとした利益水準の確保を進める中、足元は学校DX事業がしっかりと貢献している。ヘルスケア事業で先行投資の効果がしっかりと収益に反映されることに期待したい。
株価は低調に推移しているが、利益は軌道に乗っている。PERは低位にとどまっており見直し余地が大きい。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 10名、うち社外5名 |
監査役 | 4名、うち社外4名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2026年5月15日
<基本的な考え方>
当社は、透明性が高く健全な経営体制の確立、そして事業環境の変化に対応した迅速かつ的確な意思決定システムの構築を重要な経営課題として捉えています。
その一環として、取締役の任期を1年とし、毎年株主の皆さまによる信任の機会を設け、緊張感を持った経営を行っています。また、コンプライアンス(法令順守)の強化・定着化を推進しています。
決算や重要な経営情報等については、IRポリシーに基づき、タイムリーかつ適切な情報開示を行い、また、ステークホルダーとの双方向コミュニケーションを行うことにより、経営の透明性を高め、市場との信頼関係構築に努めていきます。
<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
2021年6月改訂後のコーポレート・ガバナンス・コードに基づき記載しています。
【原則1-4】(政策保有株式)
政策保有株式の保有に関する方針およびその議決権の行使基準については、「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針1.株主の権利・平等性確保(6)」に記載のとおりです。
その中で当社は、主要な政策保有株式について、投資先企業の業績および株式保有の目的とその達成状況等を取締役会において定期的に報告し、当該企業および当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の観点から株主として議決権を適切に行使することとしています。
なお、個別の政策保有株式について、中長期的な経済合理性、保有目的の適切性、保有に伴うメリットやリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に検証・精査し、保有の意義が必ずしも十分でないと判断される場合には、縮減を図るプロセスを構築する方向で検討を進めていきます。
【補充原則3-1-3】 (サステナビリティについての取り組み、人的財産や知的資本への投資等)
当社では、持続的成長と中長期的な企業価値の向上の実現に向け経営戦略を策定していますが、当社の事業環境は変化が激しく将来を見通すことが難しい状況にあるため、次期の見通しの公表を行う一方、中期経営計画を公表していません。
しかしながら、経営戦略のより具体的な内容を開示し長期的な方向性を示すことは、株主との対話の充実化に向け重要な課題と認識しています。
今後は、人的資本や知的財産への投資、およびサステナビリティなどを踏まえた開示の充実に向け、社内体制の整備進めます。
なお、サステナビリティについては、当社はインターネットおよびデジタルテクノロジーを基盤とする事業を展開しており、現時点で気候変動が事業に重大な影響を及ぼすとは想定していません。このため、プライム市場上場会社に求められているTCFDまたは同等の枠組みに基づく取り組みは実施していません。
一方、デジタルテクノロジーを活用し多種多様なサービス創出に加え、ヘルスケア事業や学校DX事業など社会的意義の高い事業を展開し、豊かな社会の実現を目指しています。
また、気候変動に関する課題に対しても各業界のクライアント企業やエンドユーザーによる当社サービスの活用を通じて様々なIT化を促進し、その対応に貢献していきます。
これらの取り組みを通じ、パーパスの実現とサステナビリティの推進に取り組んでいきます。
サステナビリティに関する考え方および取り組みの最新情報については、当社ホームページに掲載しています。
・当社のサステナビリティ:
より良い未来社会の実現に、エムティーアイの強みを
https://www.mti.co.jp/?page_id=30060
・事業を通じた社会課題解決に向けた取り組み事例のご紹介:
SXサスティナビリティトランスフォーメーション 私たちは次世代へと繋いで行く道を見つけることができるだろうか
https://www.mti.co.jp/?page_id=35082
<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
上記1の基本的な考え方に基づき、経営理念の実現を目指すとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、株主の皆さまをはじめとするステークホルダーからの信頼が得られるよう、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その改善に継続的に取り組むことを目的として、「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」を策定しました。
コーポレート・ガバナンスに関する基本方針URL
https://ir.mti.co.jp/wp-content/uploads/library/tse/2021/corporate20211220.pdfh
【原則5-1】(株主との建設的な対話に関する方針)
当社の株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取り組みに関する方針については、「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針 5. 株主との対話」および本報告書「III 株主その他利害関係者に関する施策の実施状況2.IRに関する活動状況」に記載のとおりです。また、当社ホームページ(IRサイト)にIRポリシーを掲載しています。
IRポリシーURL https://ir.mti.co.jp/ir_policy/
本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。 Copyright(C) Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |
ブリッジレポート(株式会社エムティーアイ:9438)のバックナンバー及びブリッジサロン(IRセミナー)の内容は、www.bridge-salon.jp/ でご覧になれます。
![]() | 同社の適時開示情報の他、レポート発行時にメールでお知らせいたします。 |
![]() | ブリッジレポートが掲載されているブリッジサロンに会員登録頂くと、株式投資に役立つ様々な便利機能をご利用いただけます。 |
![]() | 投資家向けIRセミナー「ブリッジサロン」にお越しいただくと、様々な企業トップに出逢うことができます。 |








