ブリッジレポート
(4783) NCD株式会社

スタンダード

ブリッジレポート:(4783)NCD 2026年3月期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

 

下條 治 社長

NCD株式会社(4783)

 

 

会社情報

市場

東証スタンダード市場

業種

情報・通信

代表者

下條 治

所在地

東京都品川区西五反田 4-32-1

決算月

3月

HP

https://www.ncd.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

2,403円

8,088,116株

19,436百万円

22.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

120.00円

5.0%

228.09円

10.5倍

1,046.78円

2.3倍

*株価は6/25終値。発行済株式数は2026年3月期末の発行済株式数から自己株式を控除。数値は四捨五入。
*ROE、BPSは2026年3月期実績。DPS、EPSは2027年3月期予想。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

配当

2023年3月(実)

22,853

1,195

1,212

672

83.31

20.00

2024年3月(実)

25,481

2,115

2,140

1,387

170.38

50.00

2025年3月(実)

30,106

2,809

2,852

1,905

232.95

70.00

2026年3月(実)

30,867

2,638

2,672

1,861

227.73

120.00

2027年3月(予)

32,000

2,750

2,780

1,830

228.09

120.00

(単位:百万円、円)
*予想は会社予想

 

NCD株式会社の2026年3月期の概要と今後の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2026年3月期決算
3.2027年3月期業績予想
4. 中期経営計画
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 26/3期は前期比2.5%増収、6.1%営業減益となった。システム開発事業が同0.2%増収、サポート&サービス事業が同5.9%増収、パーキングシステム事業同が1.9%増収と全事業において増収を確保した。IT関連事業では大型案件終了等の影響はあったものの増収を維持し、パーキングシステム事業では、前期の大型案件を獲得の反動があった一方、機器入替を含む案件の獲得が好調に推移した。利益面では、売上総利益率は前期とほぼ同水準の21.8%を維持したものの、人的投資や事業拡大に伴い販管費が前期比9.3%増加したことから、営業利益率は前期の9.3%から8.5%へ低下した。パーキングシステム事業では価格改定効果が寄与した一方、IT関連事業では子会社における案件の取り込み時期の遅れを概ね挽回したものの、採算性の高い大型案件終了の影響を補うには至らず、利益面の重しとなった。セグメント利益はサポート&サービス事業が同7.9%増益となった一方、システム開発事業は同8.4%減益、パーキングシステム事業は同6.1%減益となった。株主還元については、期末配当を前期比23.00円増配の1株当たり60.00円とし、年間配当は同50.00円増配の120.00円とした。連結配当性向は52.7%となった。

     

  • 27/3期は前期比3.7%増収、4.2%営業増益を計画している。事業環境について、IT関連事業では、企業のDX推進やシステム投資需要を背景に引き続き堅調な事業環境を見込む。一方で、人件費の上昇や中途採用市場における競争激化が続いていることから、高度IT人材の育成および即戦力となる中途採用者の確保に注力する方針である。パーキングシステム事業では、人手不足を背景とした駐輪場の無人化需要や、駐輪機器の老朽化に伴う更新需要により、底堅い事業環境が続くと見ている。人手不足を補う月極駐輪場管理システム「ECOPOOL」の拡販や駐輪場の料金改定、IT活用による管理運営の最適化を推進し、収益力向上に取り組む。株主還元については、年間配当を前期と同額の1株当たり120.00円(中間配当60.00円、期末配当60.00円)とする予定である。予想配当性向は52.6%となる見込みで、前期に続き配当性向50%超の還元を維持する計画。

     

  • 新中期経営計画「Vision2029」を発表した。29/3期に売上高360億円、営業利益35億円を目標とする。既存ビジネスの高付加価値化と新規ビジネスの育成を両輪として、成長領域の創出と収益性向上を推進する方針である。計画前半で事業基盤の強化を進め、後半に成長投資の成果を取り込むことで、高収益体制への転換を目指す。

     

  • 25/3期まで高い成長を実現してきた同社だが26/3期は増収ながら減益、27/3期についても小幅な増収・営業増益計画となっている。ただし、成長の方向性に変化はなく、「Vision2029」達成に向けた事業基盤強化のフェーズにあると考えられる。27/3期から始まる新中期経営計画「Vision2029」では既存事業の高付加価値化と新規事業の育成を通じて成長の再加速を目指す。前中期経営計画「Vision2026」では、計画初期の好調な業績を背景に業績目標を上方修正した。その後、事業環境の変化などを踏まえて目標を見直したものの、最終的には当初計画を上回る水準で着地しており、着実な成長を実現した。この実績を踏まえると、「Vision2029」の目標についても一定の保守性が織り込まれている可能性がある。加えて、M&Aの進捗次第では、更なる成長につながることも期待される。IT関連事業は長期にわたり安定した顧客基盤を有しており、企業のDX投資拡大を背景に今後も成長が期待される。パーキングシステム事業も、不採算案件の見直しや料金改定の実施により収益性が向上している。一方、株価は業績成長の一服感を背景に軟調に推移しており、PERは低位にとどまる。累進配当および配当性向50%以上を目安とする株主還元方針の導入により配当利回りも高水準である。業績の安定性や中期的な成長余地を考慮すると、株価の見直し余地は大きいと考える。

     

1.会社概要

独立系ソフトウエア開発会社のパイオニア。コンサルティングからシステム運用までを手掛けるシステム開発事業、システムの保守・運用とテクニカルサポートを主体としたサポート&サービス事業、及び自転車駐輪場システムの開発・運営を行なうパーキングシステム事業を展開。システム開発事業やサポート&サービス事業は優良顧客との継続的な取引が特徴。また、パーキングシステム事業では、電磁ロック式駐輪場の導入実績が国内最大級である
事業拠点は本社(東京都品川区)のほか、お台場オフィス(東京都江東区)、江東サービスセンター(東京都江東区)、福岡オフィス(福岡市)、小倉オフィス(北九州市)、長崎オフィス(長崎市)、五島オフィス(長崎県五島市)を構えている。連結子会社は、国内には主に関西エリアでIT関連事業のクロスセルを行うNCDソリューションズ(株)(大阪市)、アウトソーシング事業を展開するNCDテクノロジー(株)(東京都品川区)、23年12月に子会社化したソフトウエア受託開発業を展開する(株)ジャパンコンピューターサービス(以下JCS)、駐輪場工事や集金等を行うNCDプロス(株)(東京都目黒区)、自転車・バイク駐輪場設備の総合プランナーであるNCDエスト(株)(福岡市)がある。海外では中国天津市に天津恩馳徳信息系統開発有限公司(NCD CHINA)があり、日系企業向けにERP導入等を行っている。

 

NCDのグループ企業と事業セグメント

*売上高は26/3期。
(同社提供資料より)

 

26/3期の売上構成比はシステム開発事業41.2%、サポート&サービス事業32.3%、パーキングシステム事業26.3%。
セグメント利益の構成比はシステム開発事業34.7%、サポート&サービス事業23.2%、パーキングシステム事業42.1%。

【IT関連事業の概要】

■ 業務アプリの開発・保守、サポート&サービスはインフラ構築・運用に対応する
■ 堅調な需要のパッケージ製品をフックとして新規顧客を獲得し、クロスセルで業務範囲を拡大させている

IT関連事業

売上分類(サービス分類)

ITコンサル

ITプロフェッショナル派遣によるコンサルティングやプロジェクト管理支援業務など

SIサービス

業務用アプリケーションの開発や保守など

パッケージ導入

奉行シリーズを中心としたパッケージ製品の導入

ITインフラ

基幹システムの設計・構築・運用・監視サービスなど

サービスデスク

業務用アプリケーションや基幹システムに関する問い合わせ窓口業務など

システム開発

顧客の課題解決・戦略実行に最適なシステムの構築や各種パッケージ製品に関する導入支援などのソリューションサービスを提供。ITプロフェッショナル派遣やコンサルティング業務にも対応

サポート&サービス

基幹システムの設計から構築・運用・監視まで対応し、障害対応、テクニカルサポート、サービスデスク、アウトソーシングなどを通じて顧客のIT業務全般をサポート

主な取扱製品

(同社提供資料より)

 

【IT関連事業の強み】

POINT1

基幹システムのライフサイクル全般をカバー

企業活動になくてはならない基幹システムの企画から運用までワンストップで対応

 

(同社提供資料より)

POINT2

多業種の大手優良企業との長期継続取引

保険業界を中心に、エネルギー/機械/出版/食品など幅広い領域に精通

POINT3

高いストック比率による安定した収益基盤

ストック比率の高さに加え、一次請けが多いことも安定成長に貢献

POINT4

グループシナジーによるコストメリット・BCP対策

グループ会社やマネージドサービスセンター活用によるメリットが訴求力に

 

【IT関連事業のビジネスモデル】

■ 開発から保守・運用までワンストップのビジネスモデル
■ ストック型売上が8割以上を占める安定した収益基盤


(同社提供資料より)

 

【IT関連事業の取引先】

■ 保険会社を中心とし、長期で安定した顧客基盤を持つ
■ 業務知識・顧客理解の深い同社ならではの高品質なサービスが強みとなっている

主な取引先と取引期間

50年以上

高砂熱学工業、東京ガスグループ、パナソニックグループ

30年以上

日本生命グループメットライフ生命、エスアールエル、福岡県庁

花王グループ、西部ガスグループ、富士フイルムグループ

20年以上

商船三井グループ、電通グループ、ニッスイ

10年以上

東京海上グループ、エラストミックス、ソニーグループ、大阪府農協電算センター

JTBアセットマネジメント、東京鐵鋼、ヤクルトグループ

10年未満

FWD生命オリックス生命、JFEグループ、匠大塚、日本貨物鉄道

ベイシアグループソリューションズ、ベネッセコーポレーション

みずほフィナンシャルグループ、三菱商事ライフサイエンス、LIXIL他

(26年4月1日現在)
(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

【マネージドサービス】

保守・運用業務では包括的なサービス提供ができるマネージドサービスへの切り替えを推進し、高付加価値ビジネスモデルへ転換

(同社提供資料より)

 

【パーキングシステム事業の主要ブランド】

■ IT技術を活用した2つのブランドを展開

 

 

・同社駐輪場の主力ブランド

・放置自転車問題を解決する電磁ロック式駐輪場システム

・DX化を推進する月極駐輪場管理システム

・駐輪場の検索から契約まで全てWebで完結

(同社提供資料より)

 

【パーキングシステム事業の歩み】

■ 駐輪場管理台数は業界トップクラス、採算性を重視した駐輪場を展開している。
■ 26年4月1日現在、設置個所は2,168箇所、管理台数は561,068台(うちECOPOOL379箇所、124,419台)。

*グラフは26年4月1日現在
(同社提供資料より)

 

【パーキングシステム事業の強み】

POINT1

駐輪場業界を牽引するリーディングカンパニー

豊富な実績と高い財務健全性により、入札案件などで優位性を発揮

 

(同社提供資料より)

POINT2

業界唯一、ワンストップのビジネスモデル

ファブレスで駐輪機器の製造・販売から管理運営までワンストップで対応

POINT3

24時間365日対応の駐輪場サポートセンター

自社保有のサポートセンターによる利用者の声を反映した高品質なサービス

POINT4

IT関連事業とのシナジー効果

IT技術を活かした駐輪機器の開発や、遠隔サービスを展開

 

【パーキングシステム事業のビジネスモデル】

幅広い顧客 多様な駐輪場モデル

※26年4月1日現在 ※指定管理者:自治体が公の施設の管理を行わせるために期間を定めて指定する団体
(同社提供資料より)

 

売上構成としては、機器販売、管理運営(自営・指定管理・受託)に分類され、ストック型売上が約8割を占めている。
■ 駐輪機器の導入から駐輪場の管理運営までワンストップのビジネスモデル
■ ストック型売上が約8割を占める安定した収益基盤

 

売上分類

内容

 

ストック型:駐輪場利用料収入・管理運営 等

フロー型:駐輪場機器販売、EC事業等(同社提供資料より)

機器販売

顧客企業への駐輪機器等の販売

管理・運営

自営駐輪場

民間企業との契約による自社ブランド

「EcoStation21」、「ECOPOOL」の管理運営

指定管理

自治体からの指定管理者選定による駐輪場の管理運営

受託

鉄道会社や自治体等が運営する駐輪場の管理受託 等

その他

自転車関連商品の販売、EC事業 等

 

【パーキングシステム事業の市場環境】

■ 放置自転車の発生しうる都市部がターゲットであり市場は飽和に向かっているが、ビジネス機会は永続的に発生する

(同社提供資料より)

 

【IT関連事業×パーキングシステム(PS)事業のシナジー効果】

■ 自社保有アセット(PS事業)を「実証の場」として活用することで、IT事業の高付加価値化とPS事業のサービス力および収益性向上を同時に実現する相互成長モデルが競争優位性を高める
✓ IT関連事業は実証フィールドをもつSIer
✓ パーキングシステム事業はIT内製力をもつオペレーター

 

(同社提供資料より)

2.2026年3月期決算

(1)連結業績

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

前期比

会社予想

予想比

売上高

30,106

100.0%

30,867

100.0%

+2.5%

31,000

-0.4%

売上総利益

6,565

21.8%

6,744

21.8%

+2.7%

販管費

3,755

12.5%

4,105

13.3%

+9.3%

営業利益

2,809

9.3%

2,638

8.5%

-6.1%

2,450

+7.7%

経常利益

2,852

9.5%

2,672

8.7%

-6.3%

2,450

+9.1%

親会社株主に帰属する当期純利益

1,905

6.3%

1,861

6.0%

-2.3%

1,650

+12.8%

(単位:百万円)
※数値にはインベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前期比2.5%増収、6.1%営業減益
売上高は前期比2.5%増の308億67百万円。システム開発事業が同0.2%増収、サポート&サービス事業が同5.9%増収、パーキングシステム事業同が1.9%増収と全事業において増収を確保した。IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)において大型案件終了の影響があったものの、システム開発事業における保険会社、金融業、建設向け案件の獲得や、サポート&サービス事業における小売業向けサポートデスク、保険会社向けインフラ構築・運用案件の受注が寄与した。パーキングシステム事業では、前期の大型案件獲得の反動減があったものの、機器入替案件の受注や料金改定効果により、駐輪場利用料収入は堅調に推移した。
営業利益は前期比6.1%減の26億38百万円。売上総利益率が前期とほぼ同水準の21.8%維持したものの、販管費が同9.3%増加したことから、営業利益率は前期の9.3%から8.5%へ低下した。パーキングシステム事業では料金改定効果が寄与した一方、IT関連事業では子会社における案件の取り込み時期の遅れを概ね挽回したものの、採算性の高い大型案件終了の影響を補うには至らなかった。セグメント利益は、サポート&サービス事業が前期比7.9%増となった一方、システム開発事業は同8.4%減、パーキングシステム事業は同6.1%減となった。
経常利益は前期比6.3%減の26億72百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.3%減の18億61百万円となった。
株主還元については、期末配当を前期比23.00円増配の1株当たり60.00円とした。これにより年間配当は前期比50.00円増配の120.00円となり、配当性向は52.7%となった。

 

 

(2)セグメント別動向

セグメント別売上高・セグメント利益

 

25/3期

構成比/利益率

26/3期

構成比/利益率

前期比

システム開発事業

12,699

42.2%

12,729

41.2%

+0.2%

サポート&サービス事業

9,409

31.3%

9,961

32.3%

+5.9%

パーキングシステム事業

7,975

26.5%

8,128

26.3%

+1.9%

その他

22

0.1%

48

0.2%

+118.2%

連結売上高

30,106

100.0%

30,867

100.0%

+2.5%

システム開発事業

1,028

8.1%

942

7.4%

-8.4%

サポート&サービス事業

585

6.2%

631

6.3%

+7.9%

パーキングシステム事業

1,217

15.3%

1,142

14.1%

-6.2%

その他、調整額

-21

-77

営業利益

2,809

9.3%

2,638

8.5%

-6.1%

(単位:百万円)
*営業利益の利益率は売上高営業利益率

 

システム開発事業は、売上高127億29百万円(前期比0.2%増)、セグメント利益9億42百万円(同8.4%減)。保険会社向けアプリケーション保守の拡大、金融業へのクラウド型ワークフローシステムの導入、建設業におけるアプリケーション保守及び海外拠点向けシステム要件定義の受注等の新規案件を獲得した。しかし、大型案件が複数、前期で終了したことや一部顧客からの戦略的撤退を実施したことから売上高は前年並みとなった。利益面では、顧客への価格交渉を継続した。しかし、人材確保に向けた従業員の賃上げや外注先からの労務費の転嫁要請に適切に対応したことなどによるコスト増加、および採算性の高い大型案件が終了したことなどが影響して減益となった。
サポート&サービス事業は、売上高99億61百万円(前期比5.9%増)、セグメント利益6億31百万円(同7.9%増)。小売業のサポートデスク案件、及び複数の保険会社におけるインフラ構築・運用案件の受注により増収となった。利益では、人件費の増加や外部要員費が上昇したものの、増収効果等により増益となった。
パーキングシステム事業は、売上高81億28百万円(前期比1.9%増)、セグメント利益11億42百万円(同6.1%減)。料金改定の効果も寄与し、駐輪場利用料収入は引き続き堅調に推移した。機器販売においても、大型案件を獲得した前年同期の反動があったものの、機器の入替を含む案件獲得が好調に推移したことにより微増収となった。利益面では、自営駐輪場の採算性は向上しているものの、通信事業者のサービス終了に伴うネットワーク回線変更や次世代駐輪場開発への投資等により減益となった。
26/3期は中期経営計画「Vision2026」の最終年度であったが、当初の目標を大きく上回って着地した。

 

(3)財政状態及びキャッシュ・フロー

財政状態

 

25年3月

26年3月

 

25年3月

26年3月

現預金

7,567

7,835

仕入債務

1,069

1,115

売上債権

4,095

4,512

短期借入金

799

799

流動資産

12,586

13,251

流動負債

5,741

5,910

有形固定資産

1,293

1,351

退職給付に係る負債

1,416

1,535

無形固定資産

270

249

固定負債

2,500

2,425

投資その他

1,945

2,033

純資産

7,854

8,549

固定資産

3,509

3,634

負債・純資産合計

16,095

16,886

(単位:百万円)
*売上債権には契約資産を含む。

*インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

26/3期末の総資産は前期末比7億90百万円増加し、168億86百万円となった。増加した主なものは主な増加要因は、現金及び預金の増加(2億68百万円)のほか、契約資産の増加(2億57百万円)、売掛金の増加(1億93百万円)などである。負債は、前期末比95百万円増加し、83億36百万円となった。株式報酬引当金(流動)の増加(1億99百万円)や契約負債の増加(1億24百万円)などがあった一方、未払法人税等の減少(1億96百万円)やリース債務(流動)の減少(1億39百万円)などがこれを一部相殺した。純資産は、利益剰余金の積み上がりなどにより前期末比6億95百万円増加し、85億49百万円となった。
この結果自己資本比率は前期末48.4%から50.1%となり1.7ポイント上昇し、財務基盤の一層の強化が進んだ。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

25/3期

26/3期

前期比

営業キャッシュ・フロー

2,270

1,785

-484

-21.3%

投資キャッシュ・フロー

361

-138

-499

-138.3%

フリー・キャッシュ・フロー

2,631

1,647

-983

-37.4%

財務キャッシュ・フロー

-947

-1,382

-434

+45.8%

現金及び現金同等物期末残高

7,455

7,723

+268

+3.6%

* 単位:百万円

 

26/3期の営業CFは17億85百万円の収入となったが、法人税等の支払いや売上債権の増加などにより前期比では減少した。投資CFは有形固定資産の取得を主因に1億38百万円の支出となり、前期の収入から支出へ転じた。
財務CFは配当金支払いや自己株式取得などにより13億82百万円の支出となり、前期比でマイナス幅が拡大した。
この結果、フリーCFはプラスを維持したものの前期を下回った。
26/3期末における現金及び現金同等物は、前期末比2億68百万円増加し77億23百万円となった。

 

(4)中期経営計画「Vision2026」の振り返り

26/3期は中期経営計画「Vision2026」の最終年度にあたる。財務目標は当初計画を大きく上回ったものの、再修正計画に対しては売上高が僅かに及ばなかった。各投資分野では一定の成果があり、全体では約90%を執行した。

 

 

 

当初計画

修正計画*

再修正計画*

実績

財務目標

売上高(百万円)

26,000

32,000

31,000

30,867

営業利益(百万円)

1,800

3,000

2,450

2,638

営業利益率

6.9%

9.4%

7.9%

8.5%

ROE

15%以上

20%以上

-

22.9%

投資目標

人的資本

7億円

 

 

6億円

研究開発・新規事業

6億円

 

 

2億円

その他

5億円

 

 

8億円

3年間投資額

18億円

 

 

16億円

*修正計画は24年11月、再修正計画は25年11月に公表

 

全社基本方針の振り返り
1.既存ビジネスの付加価値向上と新しいビジネスの創出による更なるNCDバリューの追求
グループビジョン実現に向けたファーストステップとして掲げた、既存ビジネスの土台固めは一定程度進捗
◼IT関連事業はNCDサービスモデルの進展に伴い収益性が改善。また、顧客基盤の強化が進み、売上高はこの3か年で40.6%成長
◼パーキングシステム事業は事業改革を完遂し、これまでよりも筋肉質な体制へ進化。売上総利益ベースでは19.2%→29.3%と10.1pt.の大幅な上昇
新規事業創出については、新たにスタートした公募制度を軸に、事業案の仕込み段階にある
◼公募制度から選出された事業案は、PoCを経て事業化の目途が立ち、「ジテレコ」ブランドを発表した。早期のローンチを目指す
2.企業価値向上に向けた経営基盤の強化
経営基盤の強化は、サステナビリティ経営、人的資本経営を中心にほぼ計画通り進捗
◼統合報告書発行、気候変動対応(TCFD開示・CDP回答「B-」評価)、非財務情報開示の充実が進展
◼管理職層やDX人材の育成、賃上げ等による給与制度の見直しを実施するなど、総額6億円規模の人的資本投資を実行
3.最適なグループ事業体制の再構築
IT関連事業はM&Aによる事業体制強化、パーキングシステム事業はグループ間での体制を再構築
◼IT関連事業は、フルアウトソース化に向け、ジャパンコンピューターサービスのM&Aを実現した
◼パーキングシステム事業ではグループ会社間の業務移管を行い、役割を再編成すると共に、外注業務の一部を内製化

 

 

3.2027年3月期業績予想

(1)連結業績

 

26/3期 実績

構成比

27/3期 予想

構成比

前期比

売上高

30,867

100.0%

32,000

100.0%

+3.7%

売上総利益

6,744

21.8%

7,400

23.1%

+9.7%

営業利益

2,638

8.5%

2,750

8.6%

+4.2%

経常利益

2,672

8.7%

2,780

8.7%

+4.0%

親会社株主に帰属する当期純利益

1,861

6.0%

1,830

5.7%

-1.7%

(単位:百万円)

 

27/3期は前期比3.7%増収、4.2%営業増益を見込む
27/3期の売上高は前期比3.7%増の320億円、営業利益は同4.2%増の27億50百万円を計画する。
事業環境について、IT関連事業では引き続き堅調な状況。業務効率化や競争力強化を目的としたDX投資が継続する中、AI活用に向けた取り組みやデータ基盤整備への需要が拡大している。また、クラウドシフトやマイグレーションを含む既存システムの刷新需要も高水準で推移している。一方で、人件費が増加傾向にあり、中途採用市場での競争も厳しさを増している。こうした中、高度IT人材の育成や、即戦力となる中途採用者の確保に注力している。また、AIをはじめとする先端ITの積極的な活用を通じて、顧客企業の生産性向上や競争力強化に貢献するなど、コンサルティング機能の拡充により、上流工程案件の受注拡大を図る。加えて、営業体制の強化やグループ間のシナジー効果をより発現させることにより、新規顧客の獲得及び既存顧客の領域拡大に取り組む考え。
パーキングシステム事業では、人手不足を背景とした駐輪場の無人化需要や、駐輪機器の老朽化に伴う更新需要により、市場環境は引き続き底堅く推移すると見込んでいる。一方で、建築資材価格の高騰などを背景とした都市再開発計画の延期・中止リスクについては注視が必要としている。駐輪場利用者数は安定して推移しているものの、電動キックボードをはじめとする多様なモビリティの普及や、道路交通法改正を契機とした自転車利用環境の変化への対応が求められている。
このような環境下、同社は月極駐輪場管理システム「ECOPOOL」の拡販、駐輪場料金の適正化、IT活用による管理運営の効率化を推進する。また、次世代駐輪システムの開発を進めることで、多様化するモビリティへの対応と利用者の利便性向上を図る考えだ。
27/3期は売上高320億円(前期比3.7%増)、営業利益27億50百万円(同4.2%増)、経常利益27億80百万円(同4.0%増)を計画する。親会社株主に帰属する当期純利益は18億30百万円(同1.7%減)の見込みである。
配当については、年間120.00円(中間60.00円、期末60.00円)と前期と同額を予定している。予想配当性向は52.6%であり、高水準の株主還元を継続する方針である。

 

※21/3期はパーキングシステム事業において感染症の影響を大きく受けた。

 

 

(2)セグメント別業績見通し

 

(単位:百万円)

26/3期実績

27/3期予想

前期比

システム開発事業

売上高

12,729

13,300

+4.5%

売上総利益

2,539

2,800

+10.3%

セグメント利益

942

950

+0.8%

セグメント利益率

7.4%

7.1%

-0.3pt

サポート&

サービス事業

売上高

9,961

10,500

+5.4%

売上総利益

1,804

2,100

+16.4%

セグメント利益

631

700

+10.9%

セグメント利益率

6.3%

6.7%

+0.4pt

パーキング

システム事業

売上高

8,128

8,200

+0.9%

売上総利益

2,381

2,500

+5.0%

セグメント利益

1,142

1,100

-3.7%

セグメント利益率

14.1%

13.4%

-0.7pt

※売上高:セグメント間取引消去後の外部顧客への売上高

 

(3)株主還元

■ 株主優待制度を変更(拡充)
同社は株主還元の強化を目的として、株主優待制度の変更(拡充)を発表した。2026年9月30日を基準日とする株主優待制度より、優待対象となる最低保有株式数を従来の1,000株以上から100株以上へ大幅に引き下げる。これにより、より多くの個人投資家が株主優待制度を利用できるようになる。
(現行) 1,000株(10単元)以上 →(変更後) 100株(1単元)以上

 

■ 累進配当の導入による安定的な利益還元に加え、機動的な自己株式の取得も実施予定
同社は株主還元方針を見直し、株主への利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けた。連結業績および将来の事業展開に必要な内部留保の水準などを総合的に勘案し、原則として減配を行わず、配当の維持または増配を目指す累進配当を採用する。また、連結配当性向50%以上を目安として、安定的かつ継続的な配当を実施する方針である。加えて、自己株式の取得についても、財務状況や市場環境などを勘案しながら機動的な実施を検討していくとしている。

4.中期経営計画

新中期経営計画「Vision2029」を発表した。29/3期に売上高360億円、営業利益35億円を目標とする。

 

(1)NCDグループビジョン

32/3期に売上高400億円、営業利益40億円が目標

 

~2032年のありたい姿~
ワクワク・イキイキと働く環境を通して、 お客様や社会と共に、より多くの価値を創造する企業へ
基本方針
*より収益性の高い企業への変革を図り、NCDグループの持続的成長へ繋げる
*新しい事業領域への挑戦により、第3の事業柱を構築する
*NCDグループで働くことに幸せを感じ、かつ成長することのできる、“Well-being カンパニー”を目指す

 

(2)グループビジョンに向けた「Vision2029」の位置づけ

■新中期経営計画「Vision2029」は、グループビジョン達成に繋げるセカンドステップとして位置づけ
■引き続き足元の収益性改善に取り組むと共に、高付加価値なビジネスモデルへの転換を図るための、より明確な強みと新たな成長領域の創出に注力する

(同社提供資料より)

 

~戦略の方向性~
前中期経営計画「Vision2026」(26/3期)
• NCDサービスモデルの進化と拡充
• パーキングシステムの基盤強化
• 新ビジネスの創出に向けた施策の実行
新中期経営計画「Vision2029」(29/3期)
• 足元の収益性改善施策は継続しつつ、より明確な強みと成長領域の創出に注力
• 期間前半は投資と育成期間と位置づけ、期間後半に成果の刈り取りを狙う
• 新ビジネスの創出に向けては、複数事業のリリースがターゲット
グループビジョン
• 既存ビジネスの高付加価値化と、新ビジネスの成長による高収益体制への転換

 

~現状課題と「Vision2029」の方向性~

 

内部環境(Vision2026の振り返りを踏まえた現状課題)

外部環境(機会と脅威)

財務

収益性の改善

◼ ビジョン達成に向けては、営業利益率10%の達成が依然として高いハードル

生成AIの急速な進化と発展

戦略

事業の

高付加価値化

◼ 足元の事業基盤強化は着実に進むも、中長期的な成長を牽引するための「強み」の構築は道半ば

デジタル変革需要の高まり

人材戦略と事業戦略の真の連動

◼ 人材戦略に一定の成果はあるも、事業戦略を「真に」支える連動性には課題を残す

放置自転車・自転車保有台数の減少

施策

投資計画

◼ 外部アセットの積極活用も含めた多様な手段の実行と、より大胆な投資の必要性

人口減少・高齢化進行

 

今後も引き続きDX需要は拡大する中、競争優位性を高め、本質的な顧客課題の解決に貢献することが求められる。
Vision2029では、高い専門性と提案力を備えた、より高付加価値なビジネスモデルへの転換を早期に実現すると共に、 中長期目線での成長領域の育成に、より一層注力していく必要があると認識。

 

(3)Vision2029基本方針

より明確な「強み」の構築による高付加価値ビジネスへの転換と、新たな成長領域の創出
~事業戦略・IT関連事業~
顧客のビジネス変革パートナーとして、先端ITを駆使した既存サービスの高付加価値化と、上流工程案件の獲得による高付加価値領域の拡大
~事業戦略・パーキングシステム事業~
業界のリーディングカンパニーとして、 環境変化に応える次世代駐輪システムの実現と、新たな事業領域への挑戦

 

更なる企業価値向上に向けた、より実効性のある経営基盤の確立
テクノロジー戦略・・・先端IT×開発・運用から顧客のビジネス変革へ繋げる価値創出
人材戦略・・・事業戦略により連動した施策の推進と、人材マネジメント力の強化
サステナビリティ戦略・・・実効性のあるサステナビリティ経営推進サイクルの確立
ガバナンス強化・・・プライム上場企業レベルの強固なガバナンス態勢の構築
財務・資本戦略・・・積極的な成長投資の実行による経営戦略実現のスピードアップ

 

(4)数値目標

29/3期に売上高360億円、営業利益35億円を目指す。27/3~29/3期の投資総額(パーキングシステム事業に係る駐輪場施設投資を除く)は45億円(うち人的資本投資13億円、研究開発・IT・DX投資9億円、設備投資・その他12億円、M&A10億円)を見込む。

連結財務目標

27/3期

28/3期

29/3期

売上高

320億円

340億円

360億円

営業利益(率)

27.5億円(8.6%)

30億円(8.8%)

35億円(9.7%)

ROE

 

 

20%以上

ROIC

 

 

20%以上

 

 セグメント別財務目標

 

売上高

売上総利益(率)

セグメント利益(率)

システム開発

150億円

34億円(22.7%)

13億円(8.7%)

サポート&サービス

120億円

25億円(20.8%)

8.5億円(7.1%)

パーキングシステム

90億円

29億円(32.2%)

13.5億円(15.0%)

 

(5)事業別方針

IT関連事業
基本方針
顧客のビジネス変革パートナーとして、先端ITを駆使した既存サービスの高付加価値化と、上流工程案件の獲得による高付加価値領域の拡大
主要戦略
①顧客ポートフォリオの再構築による収益性の改善
②先端ITを駆使した保守・運用サービスによる既存サービスの高付加価値化
③業界・業務知見を活かした上流工程の領域拡大
重要施策
営業体制の強化
◼ 新規顧客の獲得強化と、ポテンシャル顧客の深耕
◼ 低採算案件、顧客からの戦略的撤退
◼ 提案力、交渉力、顧客リレーションシップ強化
コンサルティング機能の拡充
◼ 生保業界およびITインフラ領域を中心とした上流案件の獲得強化
◼ ビジネスアナリスト人材の育成と採用強化
◼ プロセス、ナレッジ等のサービスモデルの高度化
先端ITの活用強化
◼ 強みを持つ業務知見×AI等による顧客業務プロセス変革への貢献
◼ AI、自動化、データ活用等を推進する社内体制の強化と、外部アセットの活用強化
グループシナジーの最大化
◼ グループ会社間の役割の明確化とクロスセルの強化
◼ 技術分野でのNCDグループCoE(センターオブエクセレンス)の設置
投資方針
高付加価値化モデルの構築や営業体制強化のための投資(3か年総額約10億円)

 

パーキングシステム事業
基本方針
業界のリーディングカンパニーとして、
社会的環境変化に応える次世代駐輪システムの実現と、新たな事業領域への挑戦
主要戦略
①モビリティの多様化に対応する次世代駐輪システムの早期実現と会員サービスの展開
②新たな市場と成長領域の開拓
③自営ビジネスと自治体ビジネスの拡大による、既存収益基盤の更なる強化
重要施策
次世代型製品のリリースに向けた開発
■ 次世代駐輪システムのリリースに向けたPoCの早期検証と開発の遂行
■ EcoStation21、ECOPOOLに対応するアプリサービスの開発と会員サービス化
製品開発体制の強化
■ 製品開発体制の強化と、外部アセットの積極活用
■ マネジメント人材の育成と採用強化
サービスラインアップの更なる充実
■ 多様化するモビリティ環境に対応するハード/ソフト両面での新製品の開発
■ 多様化する顧客ニーズに対応するサービスプランの拡充
営業体制の強化
■ サービスプロモーションや提案力の強化、営業体制の強化
■ グループ会社間でのクロスセル強化
投資方針
製品開発関連投資(3か年総額約7億円)

 

(6)新規事業戦略

■ Vision2026期間中に制度化した社内アイデア公募制度を軸に、Vision2029でも継続した取り組みを展開する。
■ Vision2029期間中のグループ業績への貢献度は高くないものの、Vision2032に向けて複数の新事業が立ち上がっている状態を目指す。
①ジテレコ事業の着実な事業化とセールスプロモーション施策の展開
26年冬の発売を目指し、製品開発は最終段階。着実なローンチと顧客獲得に向けた各種施策を展開
②次なる事業案創出に向けた施策の展開と社内制度の拡充・活性化
■ ジテレコ事業に次ぐ、構想段階にある事業案のPoC実施と早期の事業化
■ 社内公募制度の活性化と、新規事業専門部署の立ち上げ等による推進体制の強化
③新規事業を担う人材の育成強化
■ 事業構想大学院大学等との協業による、次世代の事業を担う人材の育成強化

 

(7)サステナビリティ戦略

前中計にて課題を残したマテリアリティと事業戦略との連動性を高めるため、定量的なKPIの設定を拡充するとともに、サステナビリティ浸透活動をより一層推進し、実効性のあるサステナビリティ経営サイクルの確立に繋げる。

 

5.今後の注目点

25/3期まで高い成長を実現してきた同社だが、26/3期は増収ながら減益となり、27/3期も小幅な増収・営業増益計画としている。ただし、成長の方向性に変化はなく、27/3期からスタートした中期経営計画「Vision2029」に向けた事業基盤強化の局面と捉えることができる。
前中期経営計画「Vision2026」では、計画初期の好調な業績を背景に業績目標を上方修正した。その後、事業環境の変化などを踏まえて目標を見直したものの、最終的には当初計画を上回る水準で着地しており、着実な成長を実現した。この実績を踏まえると、「Vision2029」の目標についても一定の保守性が織り込まれている可能性がある。加えて、M&Aの進捗次第では、更なる成長につながることも期待される。
IT関連事業は長年にわたり安定した顧客基盤を有しており、企業のDX投資需要を背景に今後も着実な成長が期待できる。パーキングシステム事業も、不採算の自治体駐輪場の見直しや料金改定などの収益改善施策が奏功し、収益力が向上している。
足元の株価は業績成長の一服感を背景に軟調な推移となっており、PERは低位にとどまる。一方、26/3期から累進配当および配当性向50%以上を目安とする株主還元方針を導入したことで配当利回りは高水準となっている。業績の安定性に加え、中期的な成長余地や業績上振れの可能性を考慮すると、株価の見直し余地は大きいと考える。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成>

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役(監査等委員除く)

10名、うち社外5名

監査等委員

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2026年6月25日

 

<基本的な考え方>
当社は、「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する」という経営理念のもと、全てのステークホルダーの期待に誠実に応え、経営の健全性、透明性、効率性を確保していくことが、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に不可欠であると認識し、経営上の重要課題としてコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
【補充原則4-1-3】
当社は、執行役員制度の導入等により、将来の経営陣の選定、育成を図っておりますが、現時点では最高経営責任者(CEO)等の具体的な後継者計画を策定しておりません。
当社は、後継者計画の策定・運用を重要な経営課題として考えており、今後、取締役会の主体的な関与ならびに後継者候補の育成についての監督を行うべく検討してまいります。

 

【補充原則4-8-1】
当社の取締役10名中5名が経営の監査・監督能力を備えた独立社外取締役であり、取締役会において独自の立場より積極的に議論に参加し、十分な情報交換及び認識共有が行われているものと認識しております。従いまして、現時点では独立社外者のみを構成員とする会合などが必要とは判断しておりません。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
【原則1-4】
当社の政策保有株式に係る方針は、以下のとおりでございます。
(1)基本方針
当社は、取引関係やパートナーとの良好な関係を構築・維持し、事業の円滑な推進を図ることで中長期的な企業価値の向上を実現する目的で、限定的に上場株式を保有することがあります。
個別の政策保有株式の保有適否については、上記目的に適合しているかを中心に、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を基準に毎年定期的に取締役会で検証を行い、保有が不適と判断するものについては縮減を進めてまいります。
(2)議決権行使方針
政策保有株式に係る議決権行使に際しては、保有先及び同社の持続的成長や中長期的な企業価値向上に寄与するものかを基準に適切に判断いたします。
(3)政策保有株主からの売却等の意向への対応
当社は、当社の株式を政策保有株式として保有している会社(政策保有株主)からその株式の売却等の意向を示された場合は、取引の縮減を示唆する等の売却を妨げることは一切行わず、売却等に対応します。

 

【補充原則2-4-1】
<多様性の確保についての考え方>
当社は、「NCDグループ行動規範」において、「国籍、民族、人権、宗教、信条、性別、年齢、社会的身分及び障害の有無等の理由による差別や個人の尊厳を傷つける行為を行わない」こと、「自主性と創造性を重視する職場風土をつくり、各人の能力を最大限に発揮して成果をあげるため、お互いの人格と個性を尊重する」ことを定めております。また、これらを受け「人事ポリシー」においても「個性を尊重し、認め合い、切磋琢磨する企業文化の実現こそが社員一人ひとりの自律的な成長、持続的な事業の発展、そして社会への貢献につながるものと考え、さまざまな人事・人材開発の施策を実行」していくことを明文化し、人材育成、キャリア開発、組織開発等にかかる様々な施策に取組んでおります。更に、「人権尊重とD&Iの推進」をサステナビリティ経営におけるマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定し、人材の多様性の確保に向けた社内環境整備を行っております。

 

<多様性の確保の自主的かつ測定可能な目標、その状況>
女性社員、外国人社員、中途採用社員の管理職登用等について、以下のとおりの目標を定めております。
(1)女性社員
・女性管理職比率:現状(2026年3月末時点。以下同様)13.2%を2026年度に14%、2030年度に20%とする目標を設定しています。
・社員全体の女性比率 : 現状33.9%を2026年度に37%、2030年度に40%とする目標を設定しています。
・常勤取締役/執行役員数(合計):現状1名を2030年度に2名以上とする目標を設定しています。
(2)外国人社員
・外国人社員管理職数:現状0名を2026年度以降に1名以上とする目標を設定しています。
(3)中途採用社員
・中途採用社員管理職比率:現状55.5%を2026年度以降も現状程度とする目標を設定しています。

 

【補充原則3-1-3】
<サステナビリティについての取組み>
当社は、サステナビリティに対する取組みを重要な経営課題と認識しており、「サステナビリティ基本方針」のもと事業を通じた社会課題の解決に努めております。また、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すうえで、中長期的な視点で優先的に取組むべきマテリアリティを特定しております。推進体制としては、当社社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、個別課題解決のための目標設定や実行計画の策定等を行うことにより、サステナビリティへの取組みを強化しております。また、「サステナビリティ推進委員会」における活動内容等は取締役会に報告、審議されています。
なお、これらの取組み等については、当社ホームページ、有価証券報告書、決算説明会等において開示しております。

 

<人的資本、知的財産への投資>
当社は、人的資本への投資を最重要課題の一つと捉え、人材育成・キャリア開発、組織開発への取組みを一層強化するための専門部署として「人財開発室」を設置し、ダイバーシティ推進を含む各施策を展開しております。なお、現中期経営計画期間における人的資本投資(除く人件費)計画は13億円であります。
また、知的財産への投資等につきましては、マテリアリティへの取組みの一環でもあるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進や高付加価値な駐輪サービスの提供などにおいて必要となるものについては、積極的に行ってまいります。

 

【補充原則4-11-3】
当社は、毎年、取締役会の実効性に関する分析・評価を行い、結果の概要を開示します。2025年度の取締役会実効性評価の実施方法及び評価
結果の概要は以下のとおりです。
<実効性評価の実施方法>
全取締役に対して自己評価アンケートを実施いたしました(2026年3月)。なお、アンケート結果の集計及び分析について、透明性・客観性の確保を目的として外部機関を活用しております。アンケートの主な項目(計30問)は以下のとおりです。
(1)取締役会の構成と運営
(2)経営戦略と事業戦略
(3)企業倫理とリスク管理
(4)業績モニタリングと経営陣の指名・報酬
(5)株主等との対話
<評価結果の概要>
アンケート結果の分析・評価について2026年5月開催の取締役会において審議した結果、当社の取締役会について実効性は概ね確保されているとの結論に至りました。また、当社の取締役会の強みとして「自由闊達な議論」「行動規範の制定と監督」「株主との建設的な対話を促進する体制構築」「指名・報酬委員会の運営」などが挙げられることが確認されました。更に、前年度抽出された主な課題への取組状況等については、以下のとおり確認されました。
(1)資本コストを意識した経営
・「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関連する議論の機会が増え、内容としても深まっているなど一定程度改善したが、資本コストを意識した経営に関する取組みや情報について継続的なブラッシュアップの実施が必要である。
(2)持続的な企業価値向上のための戦略推進についての議論の充実
・中期経営計画策定過程において目指すべき姿や主要戦略について議論され、一定の方針は共有されたが、主要戦略の推進によるビジネスモデルや業務プロセスの改革の取組みについて適切に監督するためには、更なる議論の充実が必要である。
(3)戦略の審議に必要な情報提供
・事業環境やリスク等に関連する情報提供の体系化と事業環境分析に必要な指標の整理は継続課題であり、取締役会資料の早期配布の徹底、取締役会以外での情報提供の充実、競合分析についての情報共有等が必要である。
(4)取締役トレーニングの継続実施
・トレーニングの機会は提供されたが、事業内容等の理解を深めるためには更なる機会の充実が必要である。
(5)株主・投資家との建設的な対話を促進する体制構築
・株主・投資家の意見・要望のフィードバックが強化され、対話の質向上に向けた議論が実施されている一方で、十分に対応できる人員・人材の配置等の体制充実が必要である。
取締役会の更なる実効性向上に向けた2026年度の主な課題及び対応策として以下が挙げられました。
<2026年度の主な課題及び対応策>
(1)戦略の審議に必要な情報提供
・取締役会資料の早期配布の徹底、取締役会以外での情報提供の充実、情報分析力強化のための経営企画部門の体制強化等
(2)中長期的な戦略の議論
・取締役会の役割・付議事項の更なる見直し、中長期的な経営戦略についての更なる審議機会の充実
(3)戦略のモニタリング強化
・中期経営計画や中長期的な主要戦略(人材戦略、サステナビリティ戦略、テクノロジー戦略等)の進捗状況、方針変更の必要有無の確認
(4)取締役会の適切な構成
・ありたい取締役会構成、各取締役の期待役割や必要なスキル等に関する議論の充実

 

【補充原則5-1】
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、「ディスクロージャーポリシー」に基づき、株主との対話に積極的に取組むとともに、株主との建設的な会話を促進するための体制整備及び取組に関する方針を以下のとおりに定めています。
(1) 株主との対話は、IR担当部門(IR・サステナビリティ推進室)を管掌する取締役が統括し、代表取締役社長、関係部門の担当役員等及びIR担当部門とともに適切に対応する。
(2) IR担当部門は、事業部門、総務部、経理部等の関係部門との情報共有や意見交換を通じて、株主との対話を促進するための有機的な連携を確保する。
(3) IR担当部門は、積極的に個別面談に対応するとともに、決算説明会においては代表取締役社長等が説明を行い、アナリスト向けスモールミーティングも実施する。また、個人投資家向けにも説明会を開催し、対話機会の充実に努める。
(4) 株主との対話により把握した株主の意見等は、取締役会への報告等を通じて当社内で共有し、今後の経営に活かすように努める。
(5) 株主との対話に際しては、情報開示の公平性を確保するため、「内部情報管理規程」に則り、インサイダー情報を適切に管理する。

 

 

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】
当社は、自社の資本コストを把握し、資本コストを意識した経営を実践すべく、中期経営計画の目標数値として資本コストを上回るROEの目標を設定しております。資本収益性や市場評価に関する現状分析および具体的取組みは以下のとおりです。
※当社ホームページに掲載の2026年3月期 026年3月期決算・中期経営計画説明会資料(P34~P35)もご参照ください
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4783/ir_material_for_fiscal_ym4/203689/00.pdf

 

<現状分析>
(1)資本収益性
・コロナ禍の影響を大きく受けた2021年3月期を除き、ROE、ROICとも当社が認識する資本コスト(9%程度)、WACC(9%程度)を上回る水準で推移している。
・引続き、適切な自己資本の積み上げとともに、ROE水準維持のための利益率向上と1株当たりの利益増加が課題である。
(2)市場評価
・PBRは1倍を超えて推移しているものの、PERは同業他社に比して低水準であり、当社の中長期的な企業価値向上に対する市場評価を十分に得られていないと推測する。
・株価は上昇基調で推移しているものの、低い流動性が課題である。
<具体的取組み>
当社グループの企業価値を持続的に向上させていくためには、ROE水準の維持、資本コスト低減と期待成長率向上によるPER改善が必要であると認識しており、具体的取組みは以下のとおりです。
(1)収益力向上
・2026年3月期は減益。営業利益率も9.3%(2025年3月期)から8.5%に低下。EPS(1株当たり当期純利益)も232.95円(2025年3月期)から227.73円に減少。・営業活動強化による顧客ポートフォリオの再構築、既存ビジネスの付加価値向上、新規ビジネスやサービスの創出に注力することなどにより、収益性の改善とEPS拡大を図っていく。
(2)資本の最適配分
・基本方針として、ROE20%以上を維持するバランスシート・コントロールを行っていく。・引続き、積極的な成長投資(人的資本、新規事業創出、M&A等)を実施。・株主の皆様に対する利益還元の姿勢をこれまで以上に明確かつ充実させるとともに、株主層の拡大を図るため、2026年3月期より連結配当性向50%以上を目安とするよう配当方針を変更。2027年3月期より「累進配当導入」や「機動的な自己株式取得」を加えた配当方針に変更。3)サステナビリティへの取組みの一層の強化と非財務情報開示の拡充
・人的資本経営をはじめとするサステナビリティへの取組みをこれまで以上にグループベースで展開。実効性の高いサステナビリティ推進サイクルの確立と体制の整備・強化を図っていく。・TCFD提言に基づく情報開示、CDP認定取得【B-】など気候変動への対応を強化。今後、SBT認定を取得予定。
(4)IR活動の強化及び株主・投資家との対話の拡大
・各々半期に一回開催する機関投資家向け説明会、個人投資家向け説明会に加え、オンラインセミナーやインフルエンサー対談等も実施。IRフェア出展や個人株主向け駐輪場見学会等により、株主・投資家との対話の機会を拡充。・これらの結果、2026年3月期において機関投資家との個別面談は40件程度(2025年3月期)から60件超に増加。引続き、投資家との建設的な対話の拡大を図っていく。
(5)コーポレート・ガバナンスの一層の強化
・決算短信、適時開示資料及び決算説明会資料などに加え、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンス報告書なども対象に英文開示を拡充。
・取締役会実効性評価アンケート結果の集計及び分析について外部機関を活用することで、評価の透明性・客観性を確保。
・役員のインセンティブ報酬にマルス・クローバック条項を導入。

 

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