ブリッジレポート
(4043) 株式会社トクヤマ

プライム

ブリッジレポート:(4043)トクヤマ 2026年3月期決算

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井上 智弘

代表取締役 社長執行役員

株式会社トクヤマ(4043)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

化学(製造業)

代表取締役 社長執行役員

井上 智弘

所在地

東京都千代田区外神田1-7-5 フロントプレイス秋葉原

決算月

3月

HP

https://www.tokuyama.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

4,995円

72,088,327株

360,081百万円

8.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

未定

-

未定

-

3,934.75円

1.3倍

*株価は7/1終値。各数値は26年3月期決算短信より。2027年3月期の連結業績予想については、現時点で合理的な業績予想の算定が困難であることから未定としている。配当も未定。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2023年3月

351,790

14.336

14,783

9,364

130.15

70.00

2024年3月

341,990

25,637

26,292

17,751

246.72

80.00

2025年3月

343,073

29,968

29,588

23,388

325.08

100.00

2026年3月

349,476

37,017

38,203

22,205

308.64

120.00

2027年3月(予)

-

-

-

-

-

-

*単位:円、百万円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。2027年3月期の連結業績予想については、現時点で合理的な業績予想の算定が困難であることから未定としている。配当も未定。

 

 

 

トクヤマの2026年3月期決算概要、中期経営計画2030の概要、横田会長・井上社長へのインタビューなどをお伝えします。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画2030
3.2026年3月期決算概要
4.2027年3月期業績見通し
5.横田会長、井上社長に聞く
6.今後の注目点
<:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 26年3月期の売上高は前期比1.9%増の3,494億円。半導体関連製品が堅調に推移したほか、新規連結子会社が寄与した。営業利益は同23.5%増の370億円。半導体関連製品の販売が堅調、製造コストの改善も進み売上総利益は同15.5%増加し、粗利率も同4.3ポイント改善した。物流費の増加等で販管費も同12.5%増加したが吸収し2桁の増益となった。

     

  • 27年3月期の業績予想・配当予想は未定。中東情勢の緊迫化を背景とした原燃料の調達・コスト上昇への不透明感が高まっているため、現時点では合理的な業績予想の算定は困難と判断している。算定可能となった時点で速やかに公表する。

     

  • 2031年3月期を最終年度とする5年間の中期経営計画を策定・公表した。電子先端材料・ライフサイエンスを軸とした事業ポートフォリオの変革を一段と加速し、持続的な利益成長と企業価値向上を図る。2031年3月期の目標は「売上高4,075億円(26年3月期実績3,494億円)、営業利益570億円(同370億円)、営業利益率14.0%(同10.6%)」。

     

  • 2026年4月1日付で、代表取締役 社長執行役員に就任した井上智弘氏に自身のミッション、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「成長事業へのシフトについて、前中計では「事業ポートフォリオの転換」と呼んでいましたが、今回の中期経営計画2030では「事業ポートフォリオの変革」を掲げています。これは、後戻りのできない、不可逆性のある転換を実行しなければならないということを意味しています。一段と成長事業にかじを切るにあたり、さまざまな困難もあるかと思いますが、不退転の決意でこれをやり遂げることが私に求められていると考えています。」「事業ポートフォリオの転換で耕した畑からは、着実に成長の息吹が芽生え始めていますので、これからの5年間で、オーガニックに加えM&Aも活用してこの芽を大きく育てていきます。ただ、そのためには成長に向けた投資が絶対的に必要です。ROE、ROIC、WACC、株主資本コストをしっかりと意識し、株主還元も十分に配慮しながら、グッドカンパニーにとどまらない、グッドストックを目指していきますので、是非これからの当社にご期待ください。」とのことだ。

     

  • 井上新社長は社員に対し、「自分でやるべき仕事を探究すること」「不可逆的な変革に臨むにあたり先を見ること」「プロセスではなく結果を出すこと」の3点を要求している。特に、「変革」という観点からは「疑問を持つこと」の重要性を訴えているという。100年以上の歴史を有し、安定した事業ポートフォリオ持つトクヤマにおいて、更なる成長に向けて不可逆的な事業運営を行うためには、現状に疑問を持って何かしらの必要な変化点を自分で見つけ出すことが極めて重要と考えているためだ。

     

  • ここ5年ほどは1倍割れが続いていたPBRも最近では1倍超で推移している同社だが、井上新社長の下、グッドカンパニー、グッドストックとしてどのように更なる成長を遂げていくのか注目していきたい。

     

     

1.会社概要

ソーダ灰、苛性ソーダなど幅広い用途に用いられる必要不可欠な基礎化学製品、多結晶シリコンを始めとする半導体関連製品のほか、歯科器材やプラスチックレンズ関連材料、医薬品原薬・中間体などのファインケミカル製品を展開する総合化学メーカー。1918年創業。多様な特有技術から生み出される先端製品、高度に統合・集積された徳山製造所の競争力等が大きな強み。

 

【1-1 沿革】

1918年にガラスの原料であるソーダ灰(炭酸ナトリウム)の国産化を目指し、創業者 岩井勝次郎により「日本曹達工業株式会社」として設立された。現在でもソーダ灰製造を継続する唯一の国産メーカーである。1938年にはソーダ灰事業の副産物を生かした湿式法によるセメント製造を開始した。
第二次大戦後、無機関連事業を伸張させた後、高度経済成長時代に入ると、塩化ビニルやポリプロピレンなど石油化学関連事業を拡大させた。2度のオイルショックを経た後は、電子材料・ファインケミカルなど高付加価値分野へ進出。1984年には、現在では世界トップスリーに入る多結晶シリコン事業に進出した。1985年には電子部品の放熱材料として用いられる窒化アルミニウム粉末を独自開発の製法である還元窒化法により製造を開始した。以降も、プラスチックレンズ関連材料や歯科器材など生活・医療分野、環境・エネルギー分野などへ事業フィールドを拡大させてきた。ただ、2009年にマレーシアに設立した連結子会社「トクヤママレーシア」における多結晶シリコン事業が市況下落により大幅に収益が悪化。これにより15年3月期、16年3月期に多額の減損損失を計上し無配に転じた。
こうした状況に対し、2016年5月には「財務基盤の再建」に向けた種類株式の発行による資金調達を実施。同時に、「あらたなる創業」に向けたビジョンの下、5年間の中期経営計画「再生の礎」を策定・発表し、組織風土の変革、事業戦略の再構築などの重要課題に取り組んできた結果、18年3月期には4期ぶりの配当を実施した。2022年4月、市場再編に伴い、東証プライム市場に移行した。成長領域を中心とした事業ポートフォリオの変革に向け、2026年5月、「中期経営計画2030」を策定・公表した。

 

【1-2 経営理念・マテリアリティ】

同社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、2027年3月期を初年度とする「中期経営計画2030」策定にあたり、ありたい姿に「顧客起点のマーケティングから始める価値創造型企業」を追加・アップデートした。

Mission

経営理念

 

存在意義

化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する

Vision

経営方針

ありたい姿

顧客起点のマーケティングから始める価値創造型企業

*独自の強みを磨き、活かし、新領域に挑み続ける企業

*社員と家族が健康で自分の仕事と会社に誇りを持てる企業

*世界中の地域・社会の人々との繋がりを大切にする企業

Values

行動指針

価値観

*顧客満足が利益の源泉

*目線はより広くより高く

*前任を超える人材たれ

*誠実、根気、遊び心。そして勇気

 

加えて、従来設定していたマテリアリティを、会社全体の重要課題をベースとしたものにアップデートし、ありたい姿の実現に必要な要素を抽出し、新たなマテリアリティを設定した。

(同社資料より)

【1-3 事業内容】

26年3月期の報告セグメントは「化成品」「セメント」「電子先端材料」「ライフサイエンス」「環境事業」の5セグメント。「電子先端材料」ライフサイエンス」を成長領域と定義している。「セメント」については、セメント・固化材の国内販売事業および一部連結子会社株式の譲渡に伴う完全子会社の設立と会社分割を実施し、同完全子会社株式を太平洋セメント株式会社へ2026年10月1日付で譲渡する予定。セメント・固化材の製造事業については2028年度を目途に南陽工場での製造停止を検討している。

 

 

◎電子先端材料
<概要・主要製品>
半導体に使われる高純度多結晶シリコンは、世界有数のシェアを有する。またその副生物から製造する乾式シリカはシリコーンゴムやCMPスラリー、複写機トナーなどに使用されている。放熱性に優れた窒化アルミニウムは、半導体製造装置のほか、パワー半導体分野で、電子工業用高純度薬品は半導体前工程、液晶パネルの製造などで使用されている。

 

事業

特長

主要製品

シリコン

徳山製造所において年産8,500トンの多結晶シリコン生産能力を有し、国内一位。

半導体用多結晶シリコン

シリカ

独自の技術により開発されたレオロシールは高度に精製した原料ガスを酸水素炎中で高温加水分解させ、反応から包装まで全てクローズドシステムで一貫した管理のもとに製造されている。そのため、高純度、高分散性、高比表面積という特徴を有しており、多くの用途で使われている。日本国内だけでなく中国にも生産拠点を持ち、事業の最適化を図りながら、安定・継続的な供給に努め、世界市場を視野に入れて更なる事業拡大を目指している。

乾式シリカ

放熱材

窒化アルミニウム粉末から、顆粒、粉末を焼結したセラミックスなど、用途にあわせた製品を展開している。独自開発の製法・還元窒化法は、不純物の極めて少ない良質な製品を生み出し、窒化アルミニウム粉末では、世界トップシェアを獲得している。

窒化アルミニウム

ICケミカル

アジアの成長市場に向け、より高純度な製品を供給すべく、製造・販売拠点を日本・台湾・韓国に展開している。

電子工業用高純度薬品、フォトレジスト用現像液

 

主要製品

用途

多結晶シリコン

半導体ウエハー

乾式シリカ

CMPスラリー、各種エラストマー、各種シーラント、液状樹脂製品、粉体製品

窒化アルミニウム

電子部品の放熱材料、半導体製造装置の部材

電子工業用高純度薬品

ウエハー、電子デバイス等の精密洗浄及び乾燥

 

(多結晶シリコン)

 

(窒化アルミニウムセラミックス)

 

(同社提供)

 

<基本方針と施策>
顧客から選ばれ続ける製品の供給と開発品の提案により事業と収益の拡大を図る。

 

事業

主要施策

多結晶シリコン

*最先端品を始めとし顧客要求品質を的確に把握し、品質世界一・コスト極小化を実現

乾式シリカ

*CMP、シリコーン向けに続く高機能品の拡充

*中国子会社徳山化工におけるコストダウンと高付加価値化

ICケミカル

*先端半導体向け製品の品質追求、拡販

放熱材

*窒化アルミ粉末生産能力増強

*窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムフィラーの事業化

 

同社が製造している世界シェア20%の多結晶シリコンや放熱材用窒化アルミニウムなど半導体製造プロセスに不可欠な様々な半導体関連製品は、同社が長年かけて開発・蓄積してきた様々な特有の要素技術の組み合わせから創出された先端材料であり、どれも世界的に極めて高い競争力を有している。

 

(同社資料より)

 

半導体製造分野では半導体の大容量化・小型化に伴う半導体の微細化・3次元化が急速に進んでいる。
同社の「半導体用高純度多結晶シリコン」、「電子工業用高純度IPA」は、歩留まり悪化を引き起こす不純物、残渣物を極限まで低減させた超高純度材料であり、微細化・3次元化を進める半導体メーカーから高い評価を得ている。
また、半導体の安定した動作に不可欠な放熱材料においても同社製品の評価は高い。
近年、車載用、産業機器、電鉄向けパワーデバイスの高出力化・小型化に伴い放熱材料の需要が急増しているが、同社では、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムセラミックス、窒化ケイ素、窒化ホウ素など、独自の還元窒化法などにより開発された不純物の極めて少ない高熱伝導率の放熱材料を供給している。

 

上の図の様に、原料から最終製品に至る半導体製造プロセスにおいて、「点」ではなく、多様な先端製品を「面」で供給することで、より大きな事業機会を創出し、需要を取り込んでいく考えだ。

 

◎ライフサイエンス
<概要・主要製品>
トクヤマ本体が手掛けるファインケミカル事業とNF事業および、グループ会社が開発・製造・販売する体外診断用医薬品、体外診断用医薬品材料、歯科器材、臨床検査システム等から成る。
ファインケミカル事業では、同社の強みである有機合成技術から生まれた、メガネ関連材料やジェネリック医薬品原薬・中間体、M&Aにより譲受した体外診断用医薬品および体外診断用医薬品材料などを中心に事業展開をしており、NF事業では、水は通さず空気や湿気は通すという微多孔質フィルムを製造販売している。

 

事業

主要製品

ファインケミカル

医薬品原薬・中間体(アミノ基保護材、縮合剤)、プラスチックレンズ関連材料(フォトクロミック材料、ハードコート剤)

(株)トクヤマライフサイエンス

体外診断用医薬品および体外診断用医薬品材料の開発・製造・販売

(株)トクヤマデンタル

歯科器材の製造・輸出入・販売

(株)エイアンドティー

臨床検査試薬・機器システムの開発・製造・販売

NF

微多孔質フィルム

 

<基本方針と施策>
顧客起点の開発・製造・販売体制の確立・強化により、国内外の市場で優位なポジションを獲得。事業の拡大を図り、人々の生活・健康(QOL)の改善に貢献する。

 

◎化成品
<概要・主要製品>
ソーダ灰、苛性ソーダ、塩化カルシウムなど、幅広い用途に用いられ、各産業において必要不可欠な基礎化学製品を取り扱っている。
また、苛性ソーダの製造工程で発生する塩素と水素は多結晶シリコンの製造工程で使用されるなど、効率的な事業運営が行われている。
「顧客に選ばれ続けるトクヤマを実現する」という部門目標のもと、顧客企業個々のニーズに見合った安定的かつタイムリーな製品・サービスの提供に努めている。

 

事業

特長

主要製品

ソ-ダ・塩カル

国内需要の伸び悩みや輸入品の増加による競争激化から、事業環境は厳しく、国内のソーダ灰メーカーは現在同社1社。国内メーカーとしての存在意義と責任は今まで以上に大きく、創業以来培ってきた技術と、長年にわたり築き上げてきた顧客との信頼関係を軸に、競争力を維持・強化し国内市場で確固たる地位を築いくことを目指している。

また珪酸ソーダカレットは、原料であるソーダ灰や苛性ソーダから一貫して自社生産する競争力と生産能力の高さを武器に国内トップシェアを誇っている。

 

 

ソーダ灰、塩化カルシウム、珪酸ソーダ、重曹

クロルアルカリ・塩ビ

苛性ソーダ生産能力は年間49万トンで国内第3位。また、併産される塩素を利用して多様な製品を生産しており、同社の競争力を下支えしている。これらの製品群は多岐にわたるため、特定の分野の消費動向から受ける影響が少ないのも特長。

塩化ビニル樹脂(塩ビ)はその40%が石油由来で、残りの60%は塩由来。石油への依存度という面からは、塩ビは省資源性の高いプラスチックである。さらに塩ビ製の複層ガラスサッシは住宅の保温効果に優れ、冷暖房のエネルギーを節約することによる地球温暖化ガスの排出削減にも有効である。

苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、酸化プロピレン、メチレンクロライド

 

主要製品

用途

ソーダ灰

ガラス原料、グラスウール原料、石けん・洗剤原料、かん水、水処理助剤他

塩化カルシウム

凍結防止剤、防塵、除湿剤、廃液処理、食品添加物

苛性ソーダ

製紙原料(パルプ)となる木材チップの溶解、アルミニウム原料のボーキサイト(鉱石)の溶解、調味料、石けん、廃水処理剤、中和剤

塩ビ

パイプ、電線被覆、フィルムなどの原料

壁紙、床材、手袋などの原料

 

<基本方針と施策>
顧客ニーズに沿った、高品質及びコスト競争力に優れた基礎化学素材及びサービスを提供することにより、顧客の事業発展に貢献するとともに、中核事業として安定的かつ、継続的な収益向上に貢献する。

 

事業

主要施策

ソ-ダ・塩カル

*国内単一メーカーとして、安定供給・品質を維持

クロルアルカリ・塩ビ

*苛性ソーダ・塩素の更なる原価低減を目指した自家発電と電解の競争力強化

*塩化ビニルモノマーの輸出拡大とプラントフル稼働の維持

*塩素誘導品(塩ビ、酸化プロピレン、クロロメタン他)の収益力強化

 

◎環境事業
<概要・主要製品>
将来の一つの柱とするために、グループ内に点在していた環境関連事業を集約し、新たな事業展開を目指すセグメントとして2022年3月期より新設したセグメント。廃石膏ボードリサイクル、イオン交換膜、GHG排出削減の技術開発及び事業化などに取り組んでいる。

 

事業

主要製品

(株)トクヤマ・チヨダジプサム

廃石膏ボードのリサイクル事業

(株)アストム

脱塩・濃縮用イオン交換膜及び電気透析装置の製造販売

 

◎その他
報告セグメントである「化成品」、「セメント」、「電子先端材料」、「ライフサイエンス」、「環境事業」に含まれない事業セグメントで、海外販売会社、運送業、不動産業などを含む。

 

前述したように、「セメント」については、2028年度を目途に南陽工場での製造停止を検討している。

 

 

【1-4 研究開発】

研究開発拠点として日本国内には「つくば研究所」(茨城県つくば市)、「徳山研究所」(山口県周南市)を持ち、東西2拠点体制を敷いている。
「つくば研究所」では、中長期的な視点に立った先端技術開発、基盤技術としての分析解析技術開発、複合材料を特徴とする歯科材料分野、高付加価値製品をターゲットとした有機ファインケミカル分野の研究開発を行っている。

 

徳山製造所内に立地する「徳山研究所」は、徳山地区の研究・開発の拠点。
徳山地区の開発グループのみならず様々な研究・開発チームが集まることによって得られるシナジー効果や、ものづくりの現場である製造部にも近く情報交換が容易といったメリットも大きい。
また、国内の研究開発拠点に加えて台湾のグループ会社である德山台灣股份有限公司では、半導体の微細化・高集積化に伴い半導体メーカーから寄せられるケミカル・マテリアルの高純度化要求に対応すべく、新規製品創出に向けた情報収集・マーケティング拠点として運営するとともに、現地の半導体メーカー・研究機関などと共同開発を行う開発拠点としての役割を担っている。

 

【1-5 同業他社】

コード

社名

売上高

増収率

営業利益

増益率

営業利益率

ROE

ROA

時価総額

PER

PBR

4005

住友化学

2,360,000

1.4

177,000

16.6

7.5%

6.4

3.4

865,762

12.3

0.9

4042

東ソー

未定

-

未定

-

-

5.0

7.8

923,717

-

1.1

4043

トクヤマ

未定

-

未定

-

-

8.2

7.4

360,081

-

1.3

4063

信越化学

未定

-

未定

-

-

10.4

12.5

14,409,084

-

3.0

4118

カネカ

820,000

1.0

36,000

9.4

4.4%

6.4

3.1

353,997

10.7

0.7

4183

三井化学

1,900,000

13.9

83,000

12.5

4.4%

4.0

3.2

854,188

17.1

0.9

4205

日本ゼオン

405,000

-1.7

38,000

4.5

9.4%

9.9

7.4

476,360

12.3

1.2

5711

三菱マテリアル

1,990,000

7.9

36,000

-40.5

1.8%

5.7

3.6

576,844

11.7

0.8

*売上高、営業利益は今期予想、単位は百万円。ROE、ROAは前期実績、単位は%。時価総額、PER(予)・PBR(実)は7月1日終値ベース。単位は百万円、倍。東ソー、トクヤマ、信越化学は今期予想を未定としている。

 

【1-6 資本コストと株価を意識した経営の実現について】

2026年4月にアップデートされた「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」は以下の通り。
https://www.tokuyama.co.jp/news/pdf/2026042802_Release.pdf

 

(1)現状評価
2026年3月期は、成長領域である体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業の取得の完了、海外での不採算事業からの撤退の完了に加え、セメント・固化材の国内販売事業等の譲渡の決定等、中期経営計画2025の重点課題である事業ポートフォリオの転換を強力に進めるうえで重要な施策を行うことができた。経営指標の面では、米国の高関税政策に伴う世界的な物価上昇や、マイナス金利政策の解除に伴う国内金利の上昇に加え、2026年2月以降の中東情勢に伴う原材料供給の不安定化やこれに付随する国内株価の変動等による影響はあったものの、業績と株価はともに伸長し、PBRはおおむね1倍前後で推移。ROEについては前年比で1ポイント低下し8.2%となった。営業利益は増益となった反面、当期純利益は一過性の特別損失の計上で減益となった。

(同社資料より)

 

(2)方針・目標
同社は「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」という経営理念(存在意義)を定めている。この理念は株主をはじめとするステークホルダーとの信頼と協働を通じて実現されると同社では考えている。また、昨年度終了した中期経営計画2025に続き、新中期経営計画(※本アップデート時は未公表)においても引き続き事業ポートフォリオの変革を進め事業の一層の成長に努めていく。PBR1倍を安定的に超えられる経営体質に向けての各取り組みについては、このような経営理念および中期経営計画に包含される持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた施策と一体とさせながら進めて行きたいと考えている。

 

(3)具体的な取り組み
①株主還元の充実化
同社は、株主に対する利益還元を経営上の重要な施策の一つとして位置付けており、持続的な成長のための投融資や研究開発を通じた中長期な視点での企業価値の最大化、業績や財務状況、資本コスト等を総合的に勘案した上で、安定的、継続的に株主に対し利益還元を実施していく。こうした方針の下、2025年3月期より配当金は、単年度の業績の影響を受けにくいDOE(株主資本配当率)3%を目標として、配当性向30%以上を目指すことを掲げている。2026年3月期の配当金は1株120円(配当性向38.9%、DOE3.3%)とした。2026年度以降もこの方針に沿って株主還元を実施していく。

 

②ROICを積極的に活用した成長事業への重点投資と既存事業の見直し
同社では、ROICがWACCを2年連続で下回る事業については、毎年事業継続の可否を判断するなど、資本コストをベースとした事業評価を実施している。なお、2026年3月期のROICは6.8%と4期ぶりにWACC(6.5%)を上回った。過去数年間、成長事業に対し積極的な投資を実施してきた成果が徐々に表れてきている結果だと考えている。ROICがWACCを継続的に上回るように、今後も事業評価の枠組みを活用の上、資本コストをより意識した経営を推進し、投下資本に対する収益性の向上を図る。

 

(同社資料より)

 

③政策保有株式の縮減
保有する上場株式については、資産効率の向上を図るため2026年3月期も更なる縮減を進めた。2026年3月期は保有の11銘柄のうち、2銘柄を完全売却し、1銘柄は一部売却を行った。2027年3月期もこの取り組みを継続し、2025年3月期より時期を分散して売却している銘柄を中心に売却を進めていく。なお、売却により創出されたキャッシュは成長領域および研究開発に活用していく。

 

④株主との対話
中長期的な企業価値向上の実現には、株主・投資家との継続的な信頼関係の構築が重要と考えている。同社では、IR関連部署だけでなく、経営者自らが各種説明会(IR・SR)に積極的に参加して株主・投資家との対話を実施している。その対話の中では、成長分野の事業環境や中期経営計画2025達成に向けての議論を深めた。今後も、フェアディスクロージャ―の精神に基づき、適切な情報発信を通じて、ステークホルダーとの関係を深化させていく。

2.中期経営計画2030

2026年5月、2031年3月期を最終年度とする5年間の中期経営計画を策定・公表した。

 

【2-1 前中計の振り返り】

2021年2月に策定した「中期経営計画2025」においては、「事業ポートフォリオの転換」「地球温暖化防止への貢献」「CSR経営の推進」を重点課題として掲げた。
「事業ポートフォリオの転換」においては、「電子先端材料」「ライフサイエンス」「環境」を成長事業と位置づけそれぞれ積極的に施策を推進した。
「電子先端材料」分野では、マレーシアとベトナムに拠点を設立し、半導体用多結晶シリコンの生産・供給体制の強化を進めている。
「ライフサイエンス」分野では、体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業を取得し、体外診断・生化学分野への展開に向けた足がかりを築いた。
既存事業の見直しでは、海外で不採算事業から撤退したほか、伝統事業である「セメント・固化材」について、国内販売事業等の譲渡を決定した。

 

これらの施策に精力的に取り組んできたが、最終年度目標はいずれも未達となった。
主な要因として、「半導体市場が計画期間の中盤に調整局面を迎えたこと」「半導体先端分野の需要拡大の効果が同社事業領域に波及するまでに時間を要したこと」が挙げられる。加えて、化成品・セメント事業における国内需要の縮小や、原燃料価格の高騰、人件費・研究開発費・ITコスト等の増加も影響した。

 

*財務数値

 

2021年3月期

2026年3月期

(目標)

2026年3月期

(実績)

売上高

2,592

4,000

3,494

営業利益

309

450

370

ROE

13.4%

11.0%

8.2%

*単位:億円

 

*事業ポートフォリオの転換
2021年3月期35%だった成長事業(電子先端材料、ライフサイエンス、環境)の売上高構成比を、2026年3月期には50%まで引き上げることを目標としていたが、41%にとどまった。ただ、事業営業利益ベースでは21年3月期30%から26年3月期53%と、利益の過半を成長事業で稼ぐ体制を構築することができた。

 

【2-2 中期経営計画2030】

(1)計画の骨子
引き続き、電子先端材料・ライフサイエンスを軸とした事業ポートフォリオの変革を一層加速させ、持続的な利益成長と企業価値向上を進める。前中計の「転換」から「変革」へとさらに加速させる。

 

(2)事業ポートフォリオマネジメント
電子先端材料およびライフサイエンスは積極的投資による事業成長を目指す。化成品は、合理化等による競争力強化(改善)により収益維持向上を目指す。萌芽期にある環境事業は、事業基盤の強化を進めます。

 

基本方針

リスク

電子先端材料

・顧客動向に合わせた投資(設備・R&D)

・要求品質への対応

・半導体技術の限界による市場の成熟化

・AIブームの収束

ライフサイエンス

・技術優位性向上のためのM&AとR&D

・事業領域(国・製品)の拡大

・為替変動

・国毎のトレンドの違い

化成品

・安定生産と合理化

・「規模の経済」による供給過剰(低価格化)

・維持更新費や原燃料価格の高騰

環境事業

・社会的な課題に対する取り組み

・3R(リデュース、リユース、リサイクル)からサーキュラーエコノミーへの変化

 

①電子先端材料における取組
半導体市場の成長に不可欠な高純度、高品質、高機能製品を、長年培った微量分析技術とともに供給する体制を構築する。高純度IPAは、顧客の需要地に拠点を構え、顧客需要への迅速な対応と技術的ニーズの汲み取りを実施する。
高純度多結晶シリコンは、世界最先端の品質管理、技術とともに、グリーン電力を活用した世界最小CFP製品の供給を目指す。

 

②ライフサイエンスにおける取組
同社グループの強みを活かし、シナジーを発揮することで成長を加速させる。
高齢化社会のQOL向上への貢献とGlobal South向けの新製品の開発を通じて、健康長寿社会の実現に貢献していく。

 

 

(同社資料より)

 

(3)キャピタル・アロケーション
中東情勢の緊迫化を背景とした原燃料の調達・コストの見通しが定かではないため、現時点で2026年度業績予想の算定が困難と判断し、金額は非表示としている。
キャッシュ・アウト(資金配分)に関しては、現時点で想定される目安を示している。2026年度の業績予想が算定可能となった時点で再配分を実施する考え。

 

(同社資料より)

 

①事業投資
キャッシュアウトの54%程度を、事業投資及びR&Dを含めた新規事業や新製品に投資する。
*電子先端材料
顧客動向に合わせた増産設備およびR&D投資による持続的成長を図る。
*ライフサイエンス
インオーガニック(M&A)も活用し、事業領域(エリア・製品ライン)拡大により成長を加速させる。

 

②R&D
成果物(新製品・新サービス)を継続的に創出し企業成長につなげる。
高純度分析、粒子制御、複合化、分子合成、プロセス技術といった同社の優れた保有技術の深化・融合やインオーガニック・DX・AI活用強化でイノベーションを生み出す。
開発テーマの出口の明確化、進捗管理、選択と集中、既存リソース(営業、製造など)との連携により開発効率を上げ、量産化さらに製品化へつなげる。
製品化までの各段階において、開発成果の評価や、テーマ継続・再構築の判断を実施する。

 

 

 

(同社資料より)

 

(4)カーボンニュートラルに向けた取り組み
2031年3月期排出量削減目標(2020年3月期比30%減)については達成の見込みだ。
新たに2036年3月期排出量削減目標を「2020年3月期比60%減」と定め、2051年3月期のカーボンニュートラル達成を目指す。

 

(同社資料より)

 

(5)数値目標
売上高はセメント・固化材の国内販売事業の譲渡による減少を想定しているが、「電子先端材料」「ライフサイエンス」領域の伸長が上回り、CAGRは3.1%程度を見込んでいる。

 

2026/3期実績

2031/3期目標

CAGR

売上高(億円)

3,494

4,075

+3.1%

営業利益(億円)

370

570

+9.0%

営業利益率

10.6%

14.0%

-

EPS(円)

309

551

-

ROE

8.2%

10.6%

-

ROIC

6.8%

9.1%

-

DOE

3.3%

4.0%

-

 

 

2.2026年3月期決算概要

【2-1 連結業績概要】

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

前期比

修正予想比

売上高

343,073

100.0%

349,476

100.0%

+1.9%

-0.6%

売上総利益

108,143

31.5%

124,946

35.8%

+15.5%

-

販管費

78,175

22.8%

87,928

25.2%

+12.5%

-

営業利益

29,968

8.7%

37,017

10.6%

+23.5%

-5.1%

経常利益

29,588

8.6%

38,203

10.9%

+29.1%

-2.0%

当期純利益

23,388

6.8%

22,205

6.4%

-5.1%

-19.3%

*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。修正予想比は26年1月公表の業績予想に対する比率。

 

増収増益収、予想を下回る
売上高は前期比1.9%増の3,494億円。半導体関連製品が堅調に推移したほか、新規連結子会社が寄与した。
営業利益は同23.5%増の370億円。半導体関連製品の販売が堅調、製造コストの改善も進み売上総利益は同15.5%増加し、粗利率も同4.3ポイント改善した。物流費の増加等で販管費も同12.5%増加したが吸収し2桁の増益となった。
化学品の国内外での販売価格の下落などを見込んで26年1月に業績予想を下方修正したが、売上・利益とも予想を下回った。

【2-2 セグメント別動向】

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

前期比

売上高

 

 

 

 

 

化成品

115,002

33.5%

106,226

30.4%

-7.6%

セメント

64,705

18.9%

66,881

19.1%

+3.4%

電子先端材料

87,054

25.4%

91,675

26.2%

+5.3%

ライフサイエンス

41,955

12.2%

49,387

14.1%

+17.7%

環境事業

5,216

1.5%

6,129

1.8%

+17.5%

その他

40,769

11.9%

41,707

11.9%

+2.3%

調整

-11,629

-

-12,532

-

-

合計

343,073

100.0%

349,476

100.0%

+1.9%

営業利益

 

 

 

 

 

化成品

10,832

9.4%

9,701

9.1%

-10.4%

セメント

7,453

11.5%

9,536

14.3%

+27.9%

電子先端材料

9,583

11.0%

15,681

17.1%

+63.6%

ライフサイエンス

7,816

18.6%

7,828

15.9%

+0.2%

環境事業

52

1.0%

655

10.7%

-

その他

2,163

5.3%

2,029

4.9%

-6.2%

調整

-7,933

-

-8,415

-

-

合計

29,968

8.7%

37,017

10.6%

+23.5%

*単位:百万円。営業利益の構成比は売上高利益率。

 

*化成品
減収減益

苛性ソーダ

輸出数量が減少したこと等により、減益

塩化ビニルモノマー

塩化ビニル樹脂

塩化ビニルモノマーの海外市況が下落したこと等により、減益

ソーダ灰

塩化カルシウム

販売数量が減少したこと、および物流費の増加等により、減益

 

*セメント
増収増益

セメント

国内出荷が前期比で減少したものの、国内の販売価格改定を進めたこと、および製造コストの改善等により、増益

 

*電子先端材料
増収増益

半導体向け多結晶シリコン

製造コストの改善や、製品ミックスの変動等により、増益

ICケミカル

電子工業用高純度イソプロピルアルコールの販売数量が増加したこと等により、増益

乾式シリカ

販売数量が堅調に推移したことや徳山化工(浙江)有限公司における製造コストの低減等により、増益

放熱材

半導体製造装置向けを中心に販売数量が増加したこと等で増益

 

*ライフサイエンス
増収増益

歯科器材

海外向けの出荷が増加したこと等により、増益

医療診断システム

製造コストの増加等により、減益

プラスチックレンズ関連材料

製品ミックスの変動が減益要因となったものの、棚卸資産評価損の戻入を計上したこと等により、前期並みの業績

体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業を担うトクヤマライフサイエンスグループを第3四半期より連結の範囲に含めたことに伴い、のれん償却費等が発生した。

 

*環境事業
増収増益

イオン交換膜

膜および装置の出荷が増加したこと等により、増益

廃石膏ボードリサイクル

廃石膏ボード収集が堅調に推移し、増益

 

【2-3 財務状態とキャッシュ・フロー】

◎主要BS

 

25年3月末

26年3月末

増減

 

25年3月末

26年3月末

増減

流動資産

234,630

212,070

-22,560

流動負債

91,338

121,493

+30,155

現預金

75,544

47,193

-28,351

仕入債務

45,742

42,324

-3,418

売上債権

81,549

82,731

+1,182

固定負債

111,011

138,126

+27,115

たな卸資産

69,652

74,352

+4,700

負債合計

202,349

259,620

+57,271

固定資産

241,577

345,362

+103,785

純資産

273,858

297,811

+23,953

有形固定資産

172,291

190,284

+17,993

株主資本

246,302

260,564

+14,262

無形固定資産

4,210

63,222

+59,012

利益剰余金

213,302

228,232

+14,930

投資その他の資産

65,074

91,854

+26,780

負債純資産合計

476,207

557,432

+81,225

資産合計

476,207

557,432

+81,225

有利子負債残高

110,689

162,019

+51,330

*単位:百万円。有利子負債にはリース債務を含む。

 

のれん、投資有価証券の増加などで、資産合計は前期末比812億円増加し5,574億円となった。
有利子負債の増加などで、負債合計は同572億円増加の2,596億円。
利益剰余金の増加で、純資産は同239億円増加の2,978億円。
この結果、自己資本比率は前期末から4.1ポイント低下し50.8%となった。
DEレシオは前期末から0.15倍上昇し0.57倍。

 

◎キャッシュ・フロー

 

25/3期

26/3期

増減

営業CF

52,368

50,985

-1,383

投資CF

-23,478

-122,975

-99,497

フリーCF

28,890

-71,990

-100,880

財務CF

-1,106

41,792

+42,898

現金同等物残高

74,926

46,466

-28,460

*単位:百万円

 

売上債権増加額の縮小、仕入債務減少額の拡大などで営業CFのプラス幅は縮小。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出増で投資CFのマイナス幅が拡大したことから、フリーCFはマイナスに転じた。コマーシャルペーパーの増加、長期借入による収入の増加などで財務CFはプラスに転じた。キャッシュポジションは低下した。

 

3.2027年3月期業績見通し

業績予想・配当予想は未定
中東情勢の緊迫化を背景とした原燃料の調達・コスト上昇への不透明感が高まっているため、現時点では合理的な業績予想の算定は困難と判断し、業績予想及び配当予想は未定としている。算定可能となった時点で速やかに公表する予定。
外部環境は不透明だが、成長事業であるライフサイエンス、電子先端材料を中心に収益確保に努める考えだ。

 

(同社資料より)

5.横田会長、井上社長に聞く

2026年4月1日付で、代表取締役の異動が行われ、横田浩氏が代表取締役 会長執行役員に、井上智弘氏が代表取締役 社長執行役員に就任した。横田会長、井上社長お二人にお話を伺った。

 

(1)横田会長へのインタビュー
横田浩会長は2015年6月に代表取締役 社長執行役員に就任し、11年間同社を牽引してきた。社長就任後、価格競争の激化などから巨額損失を計上していたマレーシアにおける多結晶シリコン事業の清算を先頭に立って主導し、トクヤマの歴史上、最大ともいえる危機を乗り切った。その後も持続的な成長を追求するべく、事業ポートフォリオの転換や組織風土改革と社員の意識改革に取り組んできた。

 

Q:11年間を振り返っての概観、ご感想をお聞かせください。
大きな危機を何とか乗り切り、事業ポートフォリオの転換や組織風土改革と社員の意識改革も一応の成果をあげることができたかなと感じています。
マレーシアの事案は、単に赤字事業の精算ということだけではなく、マレーシアにおける雇用維持も政治レベルでの大きな課題でした。当社が単独で中止を決定できるものではなく、大変難しい状況ではありましたが、周囲の方々のアドバイスやご協力のおかげで解決することができました。

 

Q:社長就任以来、事業ポートフォリオの転換と組織風土及び社員の意識改革に取り組んでこられました。この点について総括していただけますか。
事業ポートフォリオ転換については、26年3月期、売上高ベースで成長事業の構成比50%以上を目標としていました。実績は41%と残念ながら未達となりましたが、事業営業利益の構成比は53%に達し、成長事業がトクヤマを牽引する形となってきており、一定の道筋を付けることができたと思っています。

 

ポートフォリオ転換を進める中で、組織風土改革や社員の意識変革についても、大きく進捗したと感じています。
市場の変化が激しくかつ速い、お客様のニーズも足元だけではなく、もっと先にある電子先端材料やライフサイエンスではそうした変化に対する感応度が大変重要ですが、外部からの人材招聘の効果もあり、意識は大きく変化してきました。
ただ、私がそれ以上に感じているのが、化成品・セメント事業での意識の変化です。セメントを中心としたコモディティ分野は国内マーケットが大きくシュリンクしていることを肌で感じながら、業界を存続させるためには、当社がプライスリーダーとしてしっかりと収益を上げないといけない、そのためには従来のようにお客様の注文を待っているだけではなく、自分たちの製品の価値を最大限お客様に認めていただく、コストを吸収して適切な利益を獲得できる価格でご提供するという仕事のやり方が定着してきました。
セメント事業は販売事業を譲渡し、製造面でも2028年度を目途に南陽工場での製造停止を検討していますが、こうした取組みが高収益に繋がり、事業譲渡も大変スムーズに進んだと考えています。

 

Q:井上新社長にはどんな点を期待していますか。
事業ポートフォリオ変革の更なるスピードアップです。
当社では、指名・報酬委員会の内部に設置され、社長執行役員と独立社外取締役で構成し独立社外取締役が過半数を占めている社長指名委員会が社長執行役員のSuccession Planに取り組んでいます。2026年4月の井上新社長就任に当たっては、2021年から2025年にかけて社長執行役員のあるべき像策定や候補者アセスメント、候補者モニタリングを実施し、当社が直面している重要な経営課題に対応するうえで十分な経験やスキル、資質を保有していると判断して、選任いたしました。
新社長の井上は技術畑の人間です。事業ポートフォリオ変革を技術の面からさらに促進していく必要があることに加え、生成AIの一段の進化を含めて技術変化のスピードが今後も上昇していく中では、経営トップには技術についての知見が豊かな人間が適切であるという点も、選任にあたっての大きな理由でした。「事業ポートフォリオの変革」に向けた実行力も期待しています。また、社員の意識改革についても、さらに強力に推進して欲しいと思っています。

 

Q:ありがとうございます。では最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。
事業ポートフォリオの転換は進捗していますが、本格的な変革はまだまだこれからです。電子先端材料事業、ライフサイエンス事業ともに投資の手を緩めることなく製品開発に注力し、将来大きく飛躍するために足腰を鍛えるフェーズです。
最近、コモディティの会社から電子の会社になったねと言われることが増えているのですが、その道筋をさらに強化しつつ、適切な株主還元も行うことで、次の5年で株価面でもPERやPBRの点で株主・投資家の皆さんのご期待にお応えする企業になっていくだろうと考えています。井上新社長の下で更に成長を追求する当社を引き続き応援していただきたいと思います。

 

(2)井上社長へのインタビュー
井上智弘新社長は父親が化学系企業の研究者であった影響もあり、研究開発や製品開発に興味を持ち、大学院では物質工学を専攻。1989年同社入社後、事業推進プロジェクトリーダー等を経て、2021年に執行役員に就任。セメント部門の副部門長および環境事業部門の部門長を歴任。2023年に取締役就任し、経営企画、サステナビリティ、ニュービジネス、先進技術事業化センターなどを担当した後、2026年4月に代表取締役 社長執行役員に就任した。

 

Q:トクヤマの社長としてのご自身のミッションは何であると認識されていますか。
成長領域へのシフトについて、前中計では「事業ポートフォリオの転換」と呼んでいましたが、今回の「中期経営計画2030」では、「転換」ではなく、「事業ポートフォリオの変革」を掲げています。
これは何を意味するのかというと、後戻りのできない、不可逆性のある転換を実行しなければならないということです。一段と成長領域にかじを切るにあたり、さまざまな困難もあるかと思いますが、不退転の決意でこれをやり遂げることが求められていると考えています。

 

Q:そうしたミッションを踏まえ、社員にはどんなメッセージを届けているのでしょうか
自分でやるべき仕事を探究すること、不可逆的な変革に臨むわけだから先を見るしかないこと、プロセスではなく結果を出すことの3点を肝に銘じて欲しいという話をしています。
特に、「変革」という観点から、現在の業務の中で変えたほうが良い部分、プラスになるものがあればどんどん提案して欲しい、変革に繋がるもの、魅力的なものについては財務的な規律は踏まえた上で、全てに可能性を見い出したいと考えています。成長領域ではないものの化成品事業も魅力的な事業であるという認識です。
また、「疑問を持つこと」の重要性もメッセージとして発信しています。現在やっている仕事を、これまで通りにやれば、上司にもお客様にも怒られることはない、でもそれにどんな意味があるのかについて疑問を持って欲しい。100年以上の歴史を有し、安定した事業ポートフォリオ持つ当社が、更なる成長に向けて不可逆的な事業運営を行うためには、現状に疑問を持って必要な変化点を自分で見つけ出して欲しいと思っています。

 

Q:ありがとうございます。持続的成長のために横田前社長時代からのテーマである、社員の意識変革をこれからも追求するということですね。
続いて「中期経営計画2030」について伺います。各事業について、それぞれポイントをお話しください。

 

*電子先端材料
半導体の世界でお客様がどんなものを開発し、どんな材料を必要としているのか、この情報をきめ細かく吸い上げることが極めて重要です。そのため、高純度IPAのように、お客様の需要地に拠点を構え、需要への迅速な対応と技術的ニーズの汲み取りを行っていきます

 

*ライフサイエンス
健康長寿社会の実現に向け、糖尿病を始めとした慢性疾患の診断薬や検査薬に注力していきます。先進国のみならず、経済成長に伴って東南アジアにおいても確実に需要が拡大すると思われます。
また、がんに関するコンパニオン診断薬(※)の開発も強化していきます。2025年10月にM&Aによって設立した(株)トクヤマライフサイエンスが大きく貢献するものと見込んでいます。
※コンパニオン診断薬
特定の治療薬が患者に効くかどうか、あるいは副作用のリスクがないかを投与前にあらかじめ調べる体外診断用医薬品。

 

Q:成長実現のための今後の課題についてもお話しください。
今後の成長のためには海外を含めたM&Aが重要な戦略となると考えています。その際、不可欠となるのがPMIのノウハウですが、特に海外におけるPMIについては残念ながらノウハウや知見が不足していますので、外部人材の招聘や社員の育成に取り組んでいかなければなりません。
また、新規事業や新たな研究開発の成果を上げるためには「成功体験」が必要ですが、この点も当社はまだまだ十分ではありません。社員に様々な体験、経験をしてもらう環境を提供するという意味でも、M&Aは重要な施策であると位置づけています。

 

Q:ありがとうございました。最後に、株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。
マレーシアにおける多結晶シリコン事業で被った大きな傷を乗り越え、財務も目途が立ったものの、このままでは先細りになるという強い危機感の下で進めてきたのが事業ポートフォリオの転換です。現在、耕した畑からは、着実に成長の息吹が芽生え始めていますので、これからの5年間で、オーガニックに加えM&Aも活用してこの芽を大きく育てていきます。ただ、そのためには成長に向けた投資が必要です。ROE、ROIC、WACC、株主資本コストをしっかりと意識し、株主還元も十分に配慮しながら、グッドカンパニーにとどまらない、グッドストックを目指していきますので、是非これからの当社にご期待ください。

 

6.今後の注目点

井上新社長は社員に対し、「自分でやるべき仕事を探究すること」「不可逆的な変革に臨むにあたり先を見ること」「結果を出すこと」の3点を要求している。特に、「変革」という観点からは「疑問を持つこと」ことの重要性を訴えているという。100年以上の歴史を有し、安定した事業ポートフォリオ持つトクヤマにおいて、更なる成長に向けて不可逆的な事業運営を行うためには、現状に疑問を持って何かしらの必要な変化点を自分で見つけ出すことが極めて重要と考えているためだ。
ここ5年ほどは1倍割れが続いていたPBRも最近では1倍超で推移している同社だが、井上新社長の下、グッドカンパニー、グッドストックとしてどのように更なる成長を遂げていくのか注目していきたい。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

11名、うち社外5名(うち独立役員5名)

監査等委員

7名、うち社外5名(うち独立役員5名)

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2026年6月29日

 

<基本的な考え方>
当社は、社会全体の大きな変革の中で、直面する事業環境にあわせて、当社の存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」と定義しています。持続可能な社会に貢献するために環境と調和して事業を継続させ、顧客と共に未来を創造することのできるトクヤマでありたいとの思いを込めています。これは、株主の皆様をはじめとして、顧客、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの方々との信頼と協働によってこそ可能であり、それが持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に繋がると考えております。その実現のためには、コーポレートガバナンスは経営の重要な課題であり、常に充実を図っていく必要があると認識しています。以上が基本的な考え方です。
基本方針としては、コーポレートガバナンス・コード及び2024年4月に制定したコーポレートガバナンス・ポリシーを踏まえて、意思決定の迅速化と責任の明確化、取締役会の独立性整備と監督機能の強化、株主の皆様の権利・平等性の尊重、各種ステークホルダーとの適切な協働、適切な情報開示と透明性の確立及び株主の皆様との建設的な対話などに努めます。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則について、全てを実施しています。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

原則1-4【政策保有株式】

当社は、経営戦略の一環として、取引の維持強化、資金調達、原材料の安定調達等事業活動の必要性に応じて、政策的に上場企業の株式を保有することがあります。

この政策保有上場株式については、効率的な企業経営を目指す観点から、可能な限り縮減します。2025年度においては、保有上場株式11銘柄のうち、2銘柄について縮減を完了し、2026年3月期末現在で保有する上場株式は9銘柄となりました。

また、毎年取締役会において、リスクを織り込んだ資本コストと便益との比較により経済合理性を検証し、将来の見通しを踏まえて保有の適否を確認します。

当社は、当社と投資先企業双方の企業価値への寄与を基準に議決権を行使します。

補充原則3-1-3 【サステナビリティの開示】

当社は、「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客とともに創造する」という存在意義のもと、ありたい姿を実現するために「サステナビリティ基本原則」を定めています。さらに、この基本原則のもと、「トクヤマグループ行動憲章」および「トクヤマグループ人権方針」等の方針類を定め、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。

 サステナビリティ基本原則  

https://www.tokuyama.co.jp/csr/activities.html

 トクヤマグループ行動憲章 

https://www.tokuyama.co.jp/csr/pdf/2023csrpdf_1.pdf

 トクヤマグループ人権方針 

https://www.tokuyama.co.jp/csr/pdf/human_rights_policy.pdf

 サステナビリティ経営の中核機関であるサステナビリティ会議では、全社的なサステナビリティに関する課題の認識、計画の策定と執行の確認、および内部統制上の重要事項を審議・決定しています。また、全社的なリスクマネジメントに関する議論も、この会議で行われます。

2026年5月に公表した中期経営計画2030では、会社の持続的な成長を実現すべく、マテリアリティを会社全体の重要課題をベースとしたものにアップデートしました。昨今では会社経営とサステナビリティが不可分であることから、新しいマテリアリティの6項目(「事業ポートフォリオの変革」「顧客との創発による事業・製品創出」「オペレーショナル・エクセレンスの追求」「地球環境問題への責任と挑戦」「ガバナンス&レジリエンスの強化」「人的資本の活用」)はサステナビリティ(CSR)に関する項目と当社が重視する経営課題を融合した内容となっています。

地球環境問題の中で重要な位置を占める気候変動への取り組みとして、当社グループは、2021年に2030年度GHG排出量30%削減(Scope 1・2;2019年度比)、2050年度カーボンニュートラル実現という目標を掲げました。そして2026年5月に開示した中期経営計画2030では、2035年度Scope 1・2:60%減(2019年度比)、Scope 3:30%減(2022年度比)という新たな中期目標を掲げ、実現を目指します。2021年2月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明しており、2022年度以降、TCFDが示す「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」のフレームワークに則って開示する情報を整理し、「トクヤマTCFDレポート(https://www.tokuyama.co.jp/csr/global_warming.html)」として発行しています。さらに、2023年5月には経済産業省が主導する「GXリーグ」への参画を表明しました。

当社グループは、ありたい姿として「顧客起点のマーケティングから始める価値創造」を掲げており、顧客との創発による事業・製品の創出を目指しています。この価値創造を支えるものの一つが当社グループに蓄積されたさまざまな知的財産であり、これらの保護と活用、そして深化と新たな獲得に向けた研究開発への投資は、事業ポートフォリオの変革に不可欠と認識しています。これらの詳細は、統合報告書「トクヤマレポート(https://www.tokuyama.co.jp/ir/report/annual_rep.html)」に記載しています。また、当社グループの知的財産への考え方を明らかにするため、2023年4月に「トクヤマグループ知的財産の基本方針(https://www.tokuyama.co.jp/csr/pdf/basic_intellectual_property_policy.pdf)を制定しました。

加えて、当社グループは「人的資本の活用」を会社の重要課題であるマテリアリティの一つとして挙げており、その視点から2019年度にトクヤマグループのビジョンを実現する人材に期待する普遍的な姿や、成長の方向性を「トクヤマグループ人事ポリシー」

(https://www.tokuyama.co.jp/csr/employee.html#Human_Resources_Policy)として具体的に定め、実践しています。この人事ポリシーは、社員に期待するあるべき姿、成長の方向性などを規定し、人事施策の軸として、また人事制度の改定や運用の際の基本原則としてこれを活用するとともに、グループ会社への浸透を進めています。このポリシーのもと、経営環境の変化に対応していくために、新たな人材戦略を2024年4月の取締役会にて決議しました。この人材戦略には「経営戦略の実現に寄与しつつ、従業員の価値向上を実現する」というメッセージを込め、経営戦略の実現や当社の企業価値向上につながるストーリーを具体的に示し、働き方のニーズに応じた多様で生産性が高い人的資本を形成することを目的としています。この戦略に基づき、当社はジョブ型の人事制度を2024年度からは管理職に対して導入し、従業員に対しては2025年5月から、働き方に応じた複線型のコース制度により適正な評価を実現すると同時に、年齢給や属人手当を廃止して業務成績を強く意識した人事制度を導入しました。これにより、会社への貢献度合いを評価報酬の軸とした「Pay for job」の精神のもと、クリエイティブで生産性が高く、かつ自律的に企業活動に貢献する人材の育成・確保を目指します。

統合報告書「トクヤマレポート」において、この人材戦略を含む当社の人的資本に対する考え方について、詳しく説明しています。

原則5−1【株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、株主・投資家の皆様からの理解と信頼を得るため、会社の経営・財務情報のみならず社会に提供する製品・サービス、環境的・社会的側面などの非財務情報についても、適時・適切にかつわかりやすく開示するよう努めています。情報開示の基本姿勢、適時開示体制については、本報告書の「Ⅴ‐2.その他コーポレートガバナンス体制等に関する事項(適時開示体制の概要)」をご覧ください。

株主・投資家の皆様との建設的な対話を促進する統括的な役割は、広報・IRグループ所管部門長が担います。

対話の企画、実施などについては、広報・IRグループが主体となり、経営企画グループ、経営管理グループ、財務・投融資グループ、サステナビリティ推進グループ、総務グループ、研究開発本部、事業部門など社内の各部署と密接に連携しています。

経営トップ自らが株主・投資家と対話を行うIR活動として、アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を年4回開催している他、証券会社主催のカンファレンスやスモールミーティングへの出席などを随時実施しています。またIR活動を担当する広報・IRグループは、国内外の機関投資家との個別面談や個人投資家向け会社説明会などを行っています。その他IR活動の詳細については、本報告書の「Ⅲ-2.IRに関する活動状況」をご覧ください。

株主・投資家の皆様との対話で得られたご意見等につきましては、経営トップと関係部署の責任者が出席するIR会議の中で確認・共有している他、経営会議での報告などを通じ社内の各部署へフィードバックして、経営戦略や事業戦略の策定や軌道修正に活かし、企業価値向上につなげています。

なお、インサイダー情報の管理については、社内規程を定め、秘密保持誓約等で情報管理を徹底しています。

【株主との対話の実施状況等】

2025年度の株主との対話の実施状況については、当社ウェブサイトをご参照ください。

https://www.tokuyama.co.jp/ir/business_policy/dialogue.html

また、本報告書「Ⅲ-2.IRに関する活動状況」も併せてご参照ください。

 

<資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応> *2026年4月28日にアップデート
当社は「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」という経営理念(存在意義)を定めています。この理念は株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼と協働を通じて実現されます。また、昨年度終了した中期経営計画2025に続き、2026年度に開始する中期経営計画2030(2026年5月29日公表)においても当社は事業ポートフォリオの変革を進め事業の一層の成長に努めてまいります。PBR1倍を安定的に超えられる経営体質に向けての各取り組みについては、このような経営理念および中期経営計画に包含される持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた施策と一体とさせながら進めて行きたいと考えております。
詳細は以下のURLで開示しています。
(日本語版)https://www.tokuyama.co.jp/news/pdf/2026042802_Release.pdf
(英語版)https://www.tokuyama.co.jp/eng/news/pdf/2026042802_Release_e.pdf

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

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