ブリッジレポート
(7120) 株式会社SHINKO

スタンダード

ブリッジレポート:(7120)SHINKO 2026年3月期決算

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村上 芳仁 社長

株式会社SHINKO(7120)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

卸売業

代表取締役社長

村上 芳仁

所在地

東京都台東区浅草橋5-20-8 CSタワー8階

決算月

3月

HP

/https://www.kk-shinko.com

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

974円

5,502,000株

5,358百万円

33.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

44.00円

4.5%

145.18円

6.7倍

483.40円

2.0倍

*株価は6/9終値。26年3月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2023年3月

15,948

752

762

481

280.53

70.00

2024年3月

16,145

627

634

410

225.10

80.00

2025年3月

16,904

687

691

512

295.75

97.00

2026年3月

19,383

913

926

675

143.53

43.00

2027年3月(予)

21,558

1,031

1,030

682

145.18

44.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。2025年10月1日付で1:3の株式分割を実施。EPS、DPSは遡及再計算を行っていない。

 

 

 

株式会社SHINKOの2026年3月期決算概要、2027年3月期業績予想、村上社長へのインタビューなどをご紹介します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2026年3月期決算概要
3.2027年3月期業績予想
4.中期経営計画およびその進捗
5.村上社長に聞く
6. 今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業の3事業を柱に、全国60超の拠点より24時間365日エンジニアが機器の保守、導入設計、設置展開サービスを提供している。

     

  • 26年3月期は2桁の増収増益、売上・利益とも予想を上回り、過去最高を更新した。売上高は前期比14.7%増の193億83百万円。3事業とも増収。保守サービス事業ではソリューション事業のシナジー効果による新規保守案件が増加、既存案件も拡大した。ソリューション事業ではDX推進に伴う案件が増加した。人材サービス事業では派遣単価改定と請負案件増加が寄与した。ソリューション事業において大型官公庁案件の受注獲得が想定以上に進んだ点は、大きな前進と同社では自己評価している。営業利益は同32.8%増の9億13百万円。増収に伴い売上総利益が同11.9%増加。人件費中心とした販管費増を吸収した。

     

  • 27年3月期も増収増益を見込む。売上高は前期比11.2%増の215億58百万円、営業利益は同12.9%増の10億31百万円の予想。事業基盤拡大とアップセル・クロスセルの取り組みで次の中期経営計画に向けた土台作りの最後の1年と位置付けている。引き続きIT人材不足、国内IT市場の拡大、旺盛なDX需要と良好な事業環境の下、3事業とも増収を見込んでいる。配当は前期比1.00円/株増配の44.00円/株を予定。予想配当性向は30.3%。

     

  • 村上芳仁新社長に、ご自身のミッション、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。「今後の経営計画をしっかり遂行していくことが私のミッションであると考えています。その中でも最も大事にしたいのが『品質』です。当社の事業は全て品質が基本であるということはこれまでも重視してきた点ですが、改めて徹底したいと思っています」「株主の皆様が、『SHINKOの株を保有していること』を自慢できるような会社にしていきたいと思っています。最高業務執行責任者として業績の着実な拡大を続け、配当についても利益を株主の皆様に適切に還元してまいります。是非引き続き当社の成長を応援していただきたいと思います」とのことだ。

     

  • 村上社長は新卒で新興サービス(現SHINKO)入社後、取引先にCE(カスタマーエンジニア)として派遣され、就業していた。派遣期間中、派遣先企業の社内コンテストにおいて優勝。さらに多くの企業が参加する全国規模のコンテストにも、その派遣先企業の社員として参加し、上位入賞を果たした経験を持つ。そんな村上社長は社長インタビューにあるように、「品質」に今後も徹底的にこだわっていく考えだ。既存事業の安定した成長基盤の上で、さらなる成長を追求する村上新社長率いる同社の今後に注目していきたい。

     

1.会社概要

保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業の3事業を柱に、全国60超の拠点(25年3月末時点)より24時間365日、エンジニアが機器の保守、導入設計、設置展開サービスを提供している。

 

【1-1 上場までの沿革】

2014年5月設立。これは形式上の存続会社で、実質上の存続会社は1953年設立の新興サービス(株)(設立時の社名は(株)新興印刷電信サービスステーション)。23年3月に東証スタンダード市場へ新規上場。

 

旧新興サービス株式会社の沿革

年 月

概要

53年 7月

東京都港区三田において株式会社新興印刷電信サービスステーションを創業

株式会社新興製作所(現社名)のST型頁式和欧文印刷電信機(テレプリンター)の保守サービス会社並びに保守対応機器の販売会社として発足

82年 5月

商号を新興サービス株式会社に変更、OA機器(FAX・コピー機等)販売開始

94年 6月

東京地区の三洋電機製品販売拡大を目的として、株式会社サンヨーオーエー新興を三洋電機情報機器株式会社との共同出資により設立

02年 4月

自社開発の「電気工事積算システム」のバージョンアップ及び開発・販売体制強化を目的として株式会社ドソネ設立

05年 1月

愛・地球博(日本国際博覧会)にエンジニアを派遣したことを契機に、人材サービス事業を開始

07年 7月

ソリューション営業に特化した組織を作り、全国で展開作業等のソリューション事業を開始

14年 11月

新興リボーン株式会社と合併。この合併により、旧新興サービス株式会社は消滅

 

SHINKOの沿革

年 月

概要

14年 5月

新興サービス株式会社の株式の引受けを目的に新興リボーン株式会社設立

11月

旧新興サービス株式会社を吸収合併、商号を新興サービス株式会社に変更

20年 4月

商号を株式会社SHINKOに変更

23年 3月

東京証券取引所スタンダード市場に新規上場

 

【1-2 経営方針】

以下の企業理念、ビジョン、行動基準/行動指針を掲げている。

企業理念

わたしたちはお客様を念い(おもい)、仲間を想い(おもい)、社会を憶い(おもい)、高度情報通信ネットワーク社会のラストワンマイルである人と人との接点に新たな価値を創造していきます。

 

念い:一心に思う、想い:感情を込めて思う、憶い:深く思う

ビジョン

『Human Service For Happy Life』

 

創立60周年を記念して2013年7月25日に制定したコーポレートキャッチをビジョンとして掲げている。
同社の経営資源である「人」が、すべての相対する「人」に対して、サービスという見えない価値を提供し幸福を実現するという同社のアイデンティティを表現している。「人と人との接点を大切にしながら新たな価値を創造していく」、それが同社のビジョンである。

行動基準/行動指針

わたしたちは、お客様第一で行動します。そのために、お客様の期待を超えるサービスを提供します。
わたしたちは、プロフェッショナルとして行動します。そのために、日々の研鑽を怠らず、スキルの習得に努めます。
わたしたちは、チャレンジ精神で行動します。そのために、前向きに努力し、常に挑戦し続けます。
わたしたちは、コンプライアンス意識をもって行動します。そのために、ルールを正しく理解し、厳守します。
わたしたちは、チームワークを大切に行動します。そのために、仲間の個性と価値観を尊重します。
わたしたちは、社会貢献を喜びとして行動します。そのために、社会の一員として責任を果たします。

 

【1-3 事業内容】

「保守サービス事業」「ソリューション事業」「人材サービス事業」の3つが報告セグメント。

 

(1)保守サービス事業

(同社資料より)

 

システムのサポート、機器の保守、コールセンター、ヘルプデスクサービスを提供している。全国の病院、クリニックに導入されている、PHCHD(6523)の子会社であるウィーメックス株式会社製電子カルテシステム、レセプトコンピュータ(診療報酬明細書発行システム)を始め、調剤薬局に導入されているレセプトコンピュータ、電子薬歴システム、自動錠剤包装機、一包化監査システム、病院に導入されている注射薬払出システム、適温配膳車等の保守サービスを受託している。
厚生労働省の調査(医療施設動態調査:令和8年2月末概数)によると全国の病院・一般診療所の数は約11万3千施設、同じく厚生労働省の調査(令和5年度衛生行政報告例の概況)によれば、調剤薬局は、全国約6万3千施設(令和6年度末)。そのうち同社では病院・一般診療所へ導入されている電子カルテシステムやレセプトコンピュータ、調剤薬局に導入されている電子薬歴システム等の機器を合わせて、約3万6千件の保守契約を締結し保守サービス業務を行っている。

 

電子カルテシステム及びレセプトコンピュータの保守は、顧客と直接保守契約を締結する「メディコムハードウェア保守契約」と機器のメーカーであるウィーメックスと顧客が保守契約を締結した後、同社が顧客に対して保守サービスを提供し、ウィーメックスからハードウェアに係る保守料を受領する「システムサポート契約」の2つのパターンがある。現在ウィーメックスにより、システムサポート契約の締結が促進されており、既存顧客は機器のリプレースのタイミングで順次メディコムハードウェア保守契約からシステムサポート契約へ契約形態を変更している。また、従来契約を締結しないまま障害発生の都度修理対応をしていた顧客に対しても契約締結を促す意向であることから、今後契約件数は増加している。ウィーメックスからは同社の保守サービスの品質が高く評価されている。

 

また、ウィーメックス以外でも多くのベンダーから多種多様な機器の保守サービスを委託されている。修理対応サービスレベルに合わせた保守契約を各ベンダーと締結しており、緊急対応の要否、駆けつけ時間と部品在庫管理等の細かな要求に合わせ、全国60超の拠点からエンジニアが顧客の元へ駆けつけるオンサイトサービスを提供している。

 

メーカーに属さない独立系の保守会社であることが強み。医療機器やIT機器、非IT機器を問わず様々なメーカー機器の保守対応が可能であり、24時間365日オンサイトサービスを提供している。
保守サービス事業の多くは保守契約に基づき継続的に収益が入るストック型ビジネスであることから、経済状況の変動に左右されにくいという特長がある。新型コロナウイルス感染症が拡大し、経済が低迷し始めた20年以降においても、安定した収益を確保している。

 

また、近年需要が増えつつあるコールセンターやヘルプデスク業務、機器の稼働状況を継続的にチェックする死活監視業務についても、東京都にテクニカルセンターを設置し、体制を整備しており、81の企業より業務を受託している(26年3末時点)。テクニカルセンターはオンサイトサービスの中枢拠点でもあり、障害発生の一次連絡を受付けている。連絡受付後、障害内容を踏まえて対応方法をジャッジし、現地対応が必要な案件については、拠点の管理者(通称ディスパッチャー)へ連絡する。ディスパッチャーはエンジニアの手配をしたり、訪問前準備をしたりと各種サービスの司令塔として機能し、迅速なトラブル対応を可能にしている。その他テクニカルセンターでは、ネットワークやPCの遠隔監視や診断を行っており、障害発生時にも自動的にアラートが上がる仕組みになっている。また、遠隔監視により、システムの利用が不可能となるような重度の障害を未然に防ぐ等の予防保守にもつながっている。

 

更に、今後の保守サービス事業の拡大を目指し、2016年に東京都、2020年には大阪府、2021年には宮城県、2022年には北海道、2024年には長野県において医療機器修理業の許可を取得した。医療分野における保守実績のある同社へは、現在多くのメーカーから医療機器の保守依頼や、同業他社からの協業依頼もある。

 

(2)ソリューション事業

(同社資料より)

 

 

医療機関、福祉施設、一般企業、官公庁向けにシステムの設計、構築、設置工事、展開管理等のICTサービスを提供する。また顧客の要望に合わせた機器の提案、販売も行う。
本社におけるソリューション営業活動では、日本電気、KDDIといった大手企業との協業により、ネットワーク機器やPC関連の設定サービスを提供する他、大手総合重工業メーカー物流部門との協業による自動倉庫システムサービスの展開など、様々なサービスメニューを開発、展開している。これらの案件は本社が全国拠点をマネジメントすることにより、全エリアにおいて同一品質のサービスを提供している。

 

テクニカルセンターは機器の設定から現地配送までを一括管理するキッティングセンターとしての機能も備えている。これにより、東京都八王子市、北海道支店、東北支店、中部支店、関西支店に設置しているキッティングスペースと併せて、品質の平準化を図るべくその体制を強化している。

 

全国9支店においてもそれぞれソリューション営業の活動をしている。特に地元企業とのリレーションに力を入れ、例えば北海道支店における家畜セリシステム、中四国支店における農政局へのPC販売、設定、設置、展開作業等、地元ならではの機器に関わるソリューション案件も獲得している。

 

顧客からの情報収集、営業提案、ネットワークの設計、構築、機器の設置展開、更に保守サービス事業へ引き継いでの運用管理、オンサイトサービスという一連の流れをワンストップで提供できることが強み。

 

(3)人材サービス事業

(同社資料より)

 

IT機器の保守、点検、修理を行うカスタマエンジニア(CE)、システムの設計や、ネットワークの設計・構築、派遣先企業のフロント営業のサポートを行うシステムエンジニア(SE)を派遣している。

 

主要取引先であるNECフィールディングへはCEを、KDDIグループへはSEを派遣している。NECフィールディングとは1967年のプリンター保守サービスの提供をきっかけに、長期に渡る取引の中で同社のエンジニアの技術力が評価され、130名を超えるCEを派遣している(26年3月末時点)。

 

KDDIグループからは、05年の日本国際博覧会におけるSE派遣以来、継続して派遣の要請があり、50名以上のSEを派遣、また25名が準委任契約又は請負契約による業務に従事している(26年3月末時点)。これら2社からは、毎年多くの増員要請を受けている。

 

その他複数の企業にもエンジニアを派遣しており、派遣を契機にソリューションや保守案件を受託するケースが増えている。

 

人材サービス事業全体の各期末時点における派遣人員数は、26/3期で259名。IT人材不足という市場環境において、派遣の需要が毎年増え続けていることから、今後も機会損失が無いよう、毎年計画的に派遣人員を増員し、社内研修による資格取得推進を始め、常時エンジニアのスキルアップを図っている。

 

 

【1-4 特長・強み、競争優位性】

同社の保守サービス事業及び人材サービス事業は、保守契約や派遣契約に基づくストック型のビジネスが主である。機器の保守は、新型コロナウイルス感染症が拡大した20年以降、医療機関等から一時的に保守員の立ち入りを制限されるケースがあった。しかし、診療に必要な機器を常時正常に稼働させ続けることは医療機関にとって不可欠なことであり、同様に他の企業においてもシステムを安定的に稼働させる必要がある。このことから、結果的には保守員の出動が減少するということは殆ど見られなかった。また、保守契約の解約となるケースも殆ど発生しなかった。人材サービス事業においては、派遣先の事情によりテレワークとなるケースもあった。ただし、ITエンジニア不足の市場の中で派遣契約が解除されることは無く、保守サービス事業同様、コロナ禍でも影響を受けにくいという傾向が見られた。
同社の社員は入社後、CEあるいはSEとしての教育を受け、必要な資格を取得した上でそれぞれ拠点へ配属される。エンジニアは各配属先において現場経験を積むことや、資格取得講習等を受講することにより、必要なスキルを身に付けていく。その後、ジョブローテーションにより、また新たな部署で経験を積むことで、マルチな対応が可能なエンジニアへとスキルアップしていく、そのような環境が同社にはある。
750名を超えるエンジニアがおり(26年3月末時点)、その多くはCEとSEの両スキルを保有している。特定の時間に集中していることが多い保守サービス業務の前後の時間に機器の設定や設置等作業を行うことにより、業務効率が上がり、生産性の向上につながっている。

 

このように、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業全てに対応でき、各事業の知見があるエンジニアが、自身の配属先あるいは派遣先での業務に従事する中で、取引先企業の抱える課題や需要を把握し、同社の3事業の特長を生かした提案をすることで、新たなビジネスが生まれている。他にも当初機器の導入展開案件を受託した取引先から、その次のステップである運用管理まで依頼されるケースも増えてきている。
このように、事業間シナジーにより新規案件を獲得できること、3事業を通じて様々な市場に参画できることは、同社の大きな強みである。

 

 

(同社資料より)

 

ヘルスケア市場における保守サービスのシェアは圧倒的なNo.1である。
医院・病院は安全性の確保や情報の厳格な管理といった要求水準が極めて高く、保守サービスにおいても顧客である医院・病院から様々なクレームを受けやすい。
そうした難しい領域で同社は約50年に亘り豊富な実績とノウハウを有している。いったん他社に流れた案件でも、クレームが殺到し結果的に同社が再度保守を担当することになったケースもあるということだ。また人材不足を背景に保守サービスを継続的に提供することが難しくなった同業者からの案件譲渡も増加傾向にあるということで、他社には容易にまねのできない強力な競争優位性を示している。

2.2026年3月期決算概要

【2-1 業績概要】

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

前期比

予想比

売上高

16,904

100.0%

19,383

100.0%

+14.7%

+5.8%

売上総利益

4,023

23.8%

4,502

23.2%

+11.9%

-

販管費

3,335

19.7%

3,589

18.5%

+7.6%

-

営業利益

687

4.1%

913

4.7%

+32.8%

+13.5%

経常利益

691

4.1%

926

4.8%

+33.9%

+13.8%

当期純利益

512

3.0%

675

3.5%

+31.6%

+25.9%

*単位:百万円。

 

2桁の増収増益、売上・利益とも予想を上回り、過去最高を更新
売上高は前期比14.7%増の193億83百万円。3事業とも増収。保守サービス事業ではソリューション事業のシナジー効果による新規保守案件が増加、既存案件も拡大した。ソリューション事業ではDX推進に伴う案件が増加した。人材サービス事業では派遣単価改定と請負案件増加が寄与した。ソリューション事業において大型官公庁案件の受注獲得が想定以上に進んだ点は、大きな前進と同社では自己評価している。
営業利益は同32.8%増の9億13百万円。増収に伴い売上総利益が同11.9%増加。人件費中心とした販管費増を吸収した。

事業特性から売上・利益とも第4四半期(1‐3月)のウェイトが高いが、26年3月期は官公庁関連の大型案件のほか、介護施設においてIT導入補助金を活用したシステムや介護情報基盤の導入が進み、売上高が大きく伸びた。利益面においても、第4四半期に官公庁向けの粗利率の高い役務提供の新規案件を受注し、予測よりも売上総利益が増加した一方、販管費を想定よりも抑制できたため、営業利益は大幅に伸長。四半期ベースでも、第4四半期(1‐3月)の売上・利益(売上総利益、営業利益)は過去最高を記録した。

 

【2-2 セグメント別動向】

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

前期比

予想比

売上高

 

 

 

 

 

 

保守サービス

4,923

29.1%

5,140

26.5%

+4.4%

+1.7%

ソリューション

9,815

58.1%

11,973

61.8%

+22.0%

+9.0%

人材サービス

2,165

12.8%

2,269

11.7%

+4.8%

-0.3%

合計

16,904

100.0%

19,383

100.0%

+14.7%

+5.8%

セグメント利益

 

 

 

 

 

 

保守サービス

873

17.7%

1,017

19.8%

+16.6%

-

ソリューション

789

8.0%

938

7.8%

+18.8%

-

人材サービス

304

14.0%

315

13.9%

+3.8%

-

調整額

-1,278

-

-1,358

-

-

-

合計

687

4.1%

913

4.7%

+32.8%

+13.5%

*単位:百万円。セグメント利益の構成比は売上高利益率。

 

(1)保守サービス事業
売上高は前期比4.4%増の51億40百万円、セグメント利益は同16.6%増の10億17百万円。
ソリューション事業とのシナジー効果により、医療機関・薬局・訪問看護ステーション向けオンライン資格確認機器保守、各支店における新規案件、クリニック向け自動精算機の保守など、新規保守案件が寄与した。テクニカルセンターでの電子機器の修理を行うリペア運用を開始した。小売店ネットワーク機器保守の拡大、GIGAスクール保守のエリア拡大など、既存取引先案件も順調に拡大した。
一部保守案件の終結により第4四半期(1‐3月)は第3四半期(10‐12月)と比較して売上、セグメント利益は減少したものの2026年4月にスタートした保守案件受託でカバーし、業務効率化によりセグメント利益率は前期比で2.1ポイント上昇した。

 

(2)ソリューション事業
売上高は前期比22.0%増の119億73百万円、セグメント利益は同18.8%増の9億38百万円。
26年3月期は官公庁案件が豊富な年でもあり、複数の作業案件の受注が進んだ。Windows10サポート終了に伴うパソコン入替え、IT補助金を活用したシステム販売、介護情報基盤導入の開始等の需要を取り込み大幅な増収増益となった。

 

(3)人材サービス事業
売上高は前期比4.8%増の22億69百万円、セグメント利益は同3.8%増の3億15百万円。
交渉による派遣単価上昇及び請負案件増加が寄与した。ソリューション事業での官公庁案件創出に貢献したほか、派遣者のスキルが評価され、空港保守の派遣が増員となった。国内航空大手企業の1社から主要空港ほとんどの搭乗ゲートの保守を長年にわたり任されており、その品質の高さからもう1つの大手企業の案件にも繋がっている。
次年度に向けた派遣単価上昇の交渉を開始している。機会損失防止のための人材育成にも注力している。定期的な若手社員スキルアップ勉強会や個別面談の効果により離職者は減少傾向にある。
退職者が出たほか、ソリューション事業で予定している大型案件対応に向けて人事ローテーションを実施したため26年3月末の派遣者は259名で、前年同期の263名より4名減少した。

 

【2-3 人材】

2025年4月に70名の新入社員を迎えた。2026年3月期の中途採用は27名で前期比3名増。2026年3月末時点の従業員数 は前期末比35名増の895名となっている。2026年新卒採用は前期比4名増の74名。
若手社員定着率目標を定め、入社3年目までの社員は85%以上(2026年3月期実績85%)、入社5年目までの社員は80%以上(前年実績75%以上)を目指している。そのために、入社前面談によるミスマッチ防止、新入社員研修の課題対策(自動車運転の技術不足を支援、配属前現場研修の実施)、配属後の課題対策(ヒアリング、アンケート等による不安やギャップの早目の解消)などに取り組んでいる。

 

【2-4 財政状態とキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

25年3月

26年3月

増減

 

25年3月

26年3月

増減

流動資産

5,061

7,392

+2,330

流動負債

3,063

4,706

+1,643

現預金

1,534

1,495

-38

仕入債務

1,195

1,845

+650

売上債権

2,895

4,719

+1,824

未払費用

730

853

+123

棚卸資産

266

445

+178

固定負債

1,554

1,787

+232

固定資産

1,307

1,376

+68

退職給付引当金

1,230

1,163

-66

有形固定資産

304

297

-6

負債合計

4,618

6,494

+1,876

無形固定資産

104

84

-20

純資産

1,750

2,273

+523

投資その他の資産

898

994

+95

利益剰余金合計

2,014

2,537

+523

資産合計

6,369

8,768

+2,399

負債・純資産合計

6,369

8,768

+2,399

*単位:百万円

 

官公庁の長期案件対応に伴う売上債権の増加等で資産合計は前期末比23億99百万円増加の87億68百万円。
同じく官公庁長期案件対応に伴う仕入債務の増加等で負債合計は同18億76百万円増加の64億94百万円。
純資産は同5億23百万円増加の22億73百万円。
自己資本比率は前期末より1.6ポイント低下し25.9%。

 

◎キャッシュ・フロー

 

25/3期

26/3期

増減

営業CF

921

-435

-1,357

投資CF

-186

-64

+121

フリーCF

734

-500

-1,235

財務CF

-709

461

1,171

現金同等物残高

1,534

1,495

-38

*単位:百万円

 

売上債権の増加などで営業CF、フリーCFはマイナスに転じた。キャッシュポジションはほぼ変わらず。

 

【2-5 トピックス】

◎CAD設計システムの販売やCAD関連コンサルティングを手掛ける株式会社TACを子会社化へ
2026年5月、CAD設計システムの販売やCAD関連コンサルティングを手掛ける株式会社TACを子会社化すると発表した。

 

(株式会社TAC概要)
2003年1月設立。創業者である代表取締役髙田定憲氏の下、CADの販売・導入コンサルティングというサブスクリプションビジネスにより、安定した収益基盤を構築しており、今後営業体制や人員体制の強化を図ることにより更なる事業拡大のチャンスを獲得する成長期にある。一方で、課題は人材採用と認識している。

 

(子会社化の背景、理由)
SHINKOは、創業以来保守サービス事業を基盤とし、安定した収益体制を確立してきたが、 IT市場は価格競争が激しく、ソリューション事業の利益率向上が課題となっており、全社の利益率の伸びは、新中期経営計画策定時の想定よりも緩やかなものに留まっている。今後の企業価値向上及び株主価値向上には、利益率向上が不可欠だが、そのためには新たな利益率の成長ドライバーとなり得る事業の立ち上げが必須であると考えていた。
今回の子会社による新規事業領域への進出は、新たな収益源の確保のみならず、特定事業への依存からのリスク分散にもなるほか、新中期経営計画を推進するうえでの目標である事業基盤の拡大と新たな顧客の開拓、アップセル・クロスセルによる更なる事業拡大に繋がると考えている。
また新卒社員を毎年70名以上採用しているSHINKOの人材採用力は、TACの成長に貢献するほか、SHINKOのエンジニアが、人事交流によりコンサルティングという新たな分野に活躍の場を広げるといった相乗効果にも期待している。

 

(株式取得の概要)
取得価額はTAC普通株式6億15百万円、アドバイザリー費用等(概算額)91百万円の合計7億6百万円(概算額)。
株式譲受期日は2026年7月1日の予定。

 

3.2027年3月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

26/3期 

構成比

27/3期(予)

構成比

前期比

売上高

19,383

100.0%

21,558

100.0%

+11.2%

営業利益

913

4.7%

1,031

4.8%

+12.9%

経常利益

926

4.8%

1,030

4.8%

+11.3%

当期純利益

675

3.5%

682

3.2%

+1.1%

*単位:百万円

 

増収増益を見込む
売上高は前期比11.2%増の215億58百万円、営業利益は同12.9%増の10億31百万円の予想。
事業基盤拡大とアップセル・クロスセルの取り組みで次の中期経営計画に向けた土台作りの最後の1年と位置付けている。
引き続きIT人材不足、国内IT市場の拡大、旺盛なDX需要と良好な事業環境の下、3事業とも増収を見込んでいる。
配当は前期比1.00円/株増配の44.00円/株を予定。予想配当性向は30.3%。

 

【3-2 セグメント別動向】

 

26/3期

構成比

27/3期(予)

構成比

前期比

売上高

 

 

 

 

 

保守サービス

5,140

26.5%

5,258

24.4%

+2.3%

ソリューション

11,973

61.8%

13,913

64.5%

+16.2%

人材サービス

2,269

11.7%

2,386

11.1%

+5.1%

合計

19,383

100.0%

21,558

100.0%

+11.2%

*単位:百万円

 

(1)保守サービス事業
前期比2.3%増収の予想。
ソリューション事業で機器の販売や設置した取引先から引き続き保守を受託する、シナジー効果による拡大を図る。26年3月期に対応した、官公庁施設や小売店のネットワーク工事は、引き続き保守を受託した。また、取引先の合併などにより電子カルテの保守及びコールセンター業務の受託件数も増加する見込み。最も利益率の高い保守サービス事業を伸ばしていくことは、全社の利益率向上にもつながるため、保守、コールセンター案件の獲得に加えて、26年3月期より本格的に開始したLCM(※)案件の拡大に取り組む。
※LCM:ライフサイクルマネジメントサービス。パソコンやスマートフォンなどのIT資産の調達・キッティング(初期設定)、運用・保守、データ消去・廃棄に至るまで、全プロセスを一元管理・代行するアウトソーシングサービス。企業はBSマネジメント上、PCを始めとした機器を資産化せず、リースとして運用したいというニーズが強く、LCMは今後の拡大が見込まれている。

 

(取り組み)
既存、新規ともに拡大を目指す。ダウンタイムの最小化と事業継続性を重視する企業や医療機関のオンサイト保守の需要に応えるほか、テクニカルセンターの活用に加えてAI導入の検討を進めて更なる収益力向上を図る。

 

◎既存案件の拡大
・電子カルテ、レセプトコンピュータ保守拡大
・自動精算機等、医療DXに係る機器の保守拡大
・空港保守の拡大
・LCMサービスの拡大

 

◎新規案件獲得
・医療関連IT機器のコールセンター案件拡大
・医療機器保守の新規獲得
・ガバメントソリューション案件からの保守開始

 

(2)ソリューション事業
前期比16.2%増収の予想。
Windows10サポート終了に伴うパソコン需要の反動が予測される一方、政府のガバメントソリューションサービスやガバメントクラウドへの投資が引き続き拡大していくことから、26年3月期から続く工事案件への対応と並行して新規案件の獲得を目指す。
工事案件等の拡大と内製化を目指し、社内体制を整備する。前期の大型案件対応で蓄積したノウハウと体制を活かし複数の大型案件獲得を目指すほか、引き続きソリューション案件から保守事業につなげるシナジー発現を追求する。
介護情報基盤(※)を活用した情報共有のためのカードリーダー等の導入やWebサービスのアカウント設定等の対応が、2028年4月の本格運用開始に向けて動き出しており、導入支援事業者としての活動をスタートした。全国に拠点を有する同社の強みを活かし、約2年かけて、各自治体や介護事業所等の導入を支援する。ヘルスケア分野への更なる積極的な参入を目指し、2026年4月に組織再編を行った
※介護情報基盤
自治体、利用者、介護事業所、医療機関等が介護情報を電子的に閲覧できる情報基盤。2026年4月より初期運用が開始しており、各自治体や事業所で順次導入が進められる。国は、導入に伴うシステム初期導入や環境整備にかかる負担を軽減するため、対象となる介護事業者・医療機関への補助制度を整備している。

 

◎導入支援事業者の対応内容
・利用する端末の準備
・証明書のインストール
・マイナ資格確認アプリの初期設定
・ケアプランデータ連携の初期設定
・カードリーダーの提供と接続確認
・アカウント作成(管理/一般)
・介護WEBサービスへマイナ資格確認アプリ情報の事前設定

 

(3)人材サービス事業
前期比5.1%増収。
IT人材不足の中、需要は引き続き旺盛と見ている。既存取引先のみならず、空港や医療機器等メーカーからのエンジニアの派遣要請が引き続き増加傾向にある。エンジニアの採用、育成に注力し、機会損失の無いよう需要を確実に取り込んでいく。
保守サービス事業に次ぐ安定基盤として拡大を目指す。

 

(取り組み)
・継続的な派遣単価交渉
エンジニアの価値向上を図る。

 

・既存取引先における増員
派遣先におけるエンジニア評価が増員につながる。請負業務において育成した新人の派遣を開始する。

 

・新規派遣先の開拓
医療機器メーカー(保守エンジニアの需要)やその他企業におけるIT人材不足により、需要は旺盛であることから採用、教育に注力する。

 

・新規請負案件の受託
積極的な営業活動により請負案件の増加を目指す。

 

 

【3-3 採用計画】

2027年新卒及び中途はそれぞれ約70名、約25名の採用を計画している。
若手社員の定着率目標は、入社3年目85%以上、入社5年目80%以上としている。前期実績は入社3年目85%、入社5年目75%であった。

4.中期経営計画およびその進捗

27年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を実行中である。

 

【4-1 骨子】

同社を取り巻く事業環境は、「IT人材不足」「国内IT市場の成長」「政府・企業とも積極的なDX推進」と良好である。
こうした環境下、DX改革が推進される市場においてSHINKOの存在価値を高め、DX改革の一翼を担い、事業の成長を継続しステークホルダーの期待に応えていく。

目指す姿

総合ITソリューションサービス企業

価値の提供方法

ITネットワーク技術と、全国ネットワークの強みを活かす

注力領域

DXを推進する医療機関・企業を全面的にサポート

 

【4-2 2年目の実績】

2年目の26年3月期は計画を大幅に達成し、売上高は3年目の計画を超過した。各事業セグメントにおいて、新規案件獲得、アップセル・クロスセルの取り組み強化が進んでおり、中計の目標である事業基盤拡大は着実に進展している。
(業績計画)

 

26/3期(計画)

構成比

26/3期

(実績)

構成比

27/3期

(計画)

構成比

27/3期

(予想)

構成比

売上高

18,316

100.0%

19,383

100.0%

19,217

100.0%

21,558

100.0%

営業利益

804

4.4%

913

4.7%

1,001

5.2%

1,031

4.8%

経常利益

814

4.4%

926

4.8%

1,008

5.2%

1,030

4.8%

当期純利益

536

2.9%

675

3.5%

684

3.6%

682

3.2%

*単位:百万円、利益の構成比は売上高利益率。27/3期(計画)は策定時の計画。27/3期(予想)は26年5月公表の今期予想。

 

【4-2 テーマと進捗】

「成長と収益力向上」を最重要テーマとしている。それぞれの進捗などは以下の通りである。

 

(1)テーマ:成長
同社の現場は人と人の接点にあり、直接工数(直接業務に関わる従業員及び派遣受入れ者数)の増加に比例して売上高が増加すると考えている。成長実現に向け、毎年30名程度の純増を想定している。2026年3月期は35名純増することができた。
2024年7月の公表時、「25年3月期の予想売上高172億39百万円からの3ヵ年の売上高CAGR +5.6%」を目標としていたが、人材確保により売上高は堅調に成長する計画で、3ヵ年の売上高CAGRは+12.9%を見込んでいる。

 

(2)テーマ:収益力向上
同社では、営業利益率と一人当たりの付加価値労働生産性には密接な関係があると考えている。これまでも、役務を伴うソリューション案件の増加によりエンジニア一人当たりの稼働率が上昇し、結果的に一人当たりの付加価値労働生産性がアップ、営業利益率も向上した。
営業利益率向上に向けての施策としては、「対既存取引先価格転嫁の交渉」「新規取引先適性価格での案件創出」「内製化による外注費の削減とエンジニアの効率化」を挙げているが、最も注力するのが「内製化による外注費の削減とエンジニアの効率化」。マルチスキル化で効率化を実現する考えだ。
ただ、2026年3月期は自社内で対応できない大型案件で外注費が大幅に増加したため、収益性は低下した。固定費と変動費のバランスは考慮すべき課題ながら、エンジニアの効率的なアサインを図るとともに、大型案件推進体制を整備し、エンジニアのスキルアップを図ることで、27年3月以降の内製化率の向上を目指す考えだ。

 

【4-4 数値目標】

「27年3月期 売上高192億17百万円、営業利益10億1百万円、経常利益10億8百万円、当期純利益6億84百万円、営業利益率5.2%」を計画していたが、26年3月期、計画を大きく上回ったため、27年3月期は、「売上高215億58百万円、営業利益10億31百万円、経常利益10億30百万円、当期純利益6億82百万円、営業利益率4.8%」とした。
ただ、前述の通り、大型案件対応で想定以上に外注費が発生したため、利益率は当初目標数値を下回る計画である。

 

(業績計画)

 

24/3期

構成比

25/3期

構成比

26/3期

構成比

27/3期

(予想)

構成比

CAGR

売上高

16,145

100.0%

16,904

100.0%

19,383

100.0%

21,558

100.0%

+12.9%

営業利益

627

3.9%

687

4.1%

913

4.7%

1,031

4.8%

+22.5%

経常利益

634

3.9%

691

4.1%

926

4.8%

1,030

4.8%

+22.1%

当期純利益

410

2.5%

512

3.0%

675

3.5%

682

3.2%

+15.4%

*単位:百万円、利益の構成比は売上高利益率。CAGRは25/3期から27/3期への伸長率で売上高以外はインベストメントブリッジが計算。

 

 

 

5.村上社長に聞く

村上芳仁新社長に、ご自身のミッション、株主・投資家へのメッセージを伺った。
村上社長は1965年1月生まれ。1986年4月にエンジニアとして同社入社。技術者として全国各支店でのネットワークや金融機関のATMの保守、本社における支店のリューション事業の営業推進などに従事した後、水戸支店への赴任(水戸支店長)を皮切りに、名古屋支店、札幌支店で支店の運営・経営を学び、2023年6月には取締役執行役員経営企画室長に就任。技術者として現場を経験しながら、財務経理を含めた会社経営を学び、東京証券取引所への上場も主導。常務取締役執行役員を経て、2026年4月、代表取締役社長に就任した。

 

Q:株式会社SHINKOの2代目社長としてのご自身のミッションは何であるとお考えですか
まず立場としては、会長がCEO、私はCOOとして業務執行の責任を果たし、今後の経営計画をしっかり遂行していくことがミッションであると考えています。
その中でも最も大事にしたいのが「品質」です。当社の事業は全て品質が基本であるということはこれまでも当社が重視してきた点ですが、改めて徹底したいと思っています。
当社が手掛けていた案件が、価格面などでいったん他社に移行しても、暫くすると「やはり品質はSHINKOが一番」ということで、再び当社に戻ってくるというケースも多く、品質には大変自信を持っています。
ただ、まだまだ向上させていく余地があります。社内に報告制度があるので、細かいミスも把握できるのですが、大多数は不注意によるうっかりミスなので、これは徹底的に直していく必要がある。そこで、品質管理本部を立ち上げ、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業すべての事業における品質向上に注力していきます。

 

Q:AIへの対応、活用についてはどのように取り組んでおられますか。
生成AIによって当社業務が侵食される部分は現時点ではないと見ています。保守サービスにおけるオンサイト需要は根強く、企業によっては情報システム部が無い企業も多く、そうしたお客様には「人」による保守が不可欠です。
一方、社内においては例えばスタッフのスキルを基にした迅速かつ正確なアサインの実行なども含め、様々な場面でAIの活用ができないかをDX推進部を立ち上げて、検討中です。

 

 

Q:中期経営計画は順調に進捗しています。その先のイメージも含め、コメント頂けますか
2年目となる26年3月期は計画を大幅に達成し、売上高については3年目の計画を超過いたしました。ソリューション事業と保守事業のシナジーを始め、各事業セグメントにおいて、新規案件獲得、アップセル・クロスセルの取り組み強化が進んでおり、中計の目標である事業基盤拡大は着実に進展しています。
オーガニックな成長は今後も十分に可能と考えていますが、株主の皆様含めた更なるご期待にお応えする非連続成長を実現するには、M&Aも含め、新規事業を立ち上げるための投資が必要で、次の中計ではそう言った点も検討していきたいと現時点では考えています。

 

Q:ありがとうございました。最後に株主投資家へのメッセージをお願いします。
株主の皆様が、「SHINKOの株を保有していること」を自慢できるような会社にしていきたいと思っています。またお客様からは「何かあればSHINKOに聞けばいい」と思ってもらえる会社にもしたいと思います。そうすることで、当社の業績は向上し、企業価値も拡大して株価にも反映されることとなるでしょう。
IR含めた認知度の向上も重要な課題です。昨年から主要駅においてサイネージ広告を始めたのですが、社外へのアピールのみでなく社員からも好評で、モチベーションアップに繋がっているという嬉しい社内アンケート結果も届いています。
最高業務執行責任者として業績の着実な拡大を続け、配当についても利益を株主の皆様に適切に還元してまいります。
是非引き続き当社の成長を応援していただきたいと思います。

 

 

6.今後の注目点

村上社長は新卒で新興サービス(現SHINKO)入社後、取引先にCE(カスタマーエンジニア)として派遣され、就業していた際、派遣社員であるにもかかわらず派遣期間中、派遣先企業の社内コンテストにおいて優勝。さらに多くの企業が参加する全国規模のコンテストにも、その派遣先企業の社員として参加し、上位入賞を果たした経験を持つ。そのため当時業界では「伝説のCE」と呼ばれたという。そんな村上社長は社長インタビューにあるように、「品質」に今後も徹底的にこだわっていく考えだ。
既存事業の安定した成長基盤の上で、さらなる成長を追求する村上新社長率いる同社の今後に注目していきたい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

7名、うち社外4名(うち独立役員4名)

監査役

3名、うち社外2名(うち独立役員2名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2026年7月3日)
基本的な考え方
当社は、「わたしたちはお客様を念(おも)い、仲間を想(おも)い、社会を憶(おも)い、高度情報通信ネットワーク社会のラストワンマイルである人と人との接点に新たな価値を創造していきます。」を企業理念として掲げております。この企業理念のもと、当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、コーポレート・ガバナンスが重要な経営上の課題であると位置付け、その強化に努めております。「経営の透明性、公正性及び効率性の確保、適切な情報開示による説明責任の遂行」を基本とし、全社を挙げコンプライアンスへの取組みを積極的に推進しております。同時に、内部統制システムの整備・強化を全社的課題に掲げ、その促進を図っております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
【補充原則1-2④ 株主総会における権利行使】
当社は、株主が議決権行使を行いやすい環境の整備が必要と認識しております。議決権電子行使プラットフォームの利用や招集通知の英訳については、機関投資家・海外投資家の比率等を勘案しながら検討してまいります。

 

【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保に関する開示】
当社は、性別、中途採用、国籍等に囚われず、個人の能力・成果に基づいた人事評価をもとに管理職に登用することを基本方針としております。当社事業は国内に限られることから、現時点で外国人の管理職登用については実績がありませんが、女性・中途採用者については管理職に登用しております。従来当社は、ジェンダーや勤続年数で採用や管理職登用において差をつけることはしておりません。女性管理職の割合及び目標値については有価証券報告書にて開示をしております。多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針については今後検討してまいります。
【補充原則4-1③ 最高経営責任者(CEO)等の後継者の計画】
当社は、企業が将来にわたって継続的に成長していくためには、経営を司る後継者の育成が重要な要素であると認識しており、最高経営責任者(CEO)等の後継者の計画については、会社の重要事項と位置付けております。今後、後継者育成の計画、選任のプロセスについて十分に審議を行い、任意の諮問機関「指名・報酬委員会」(以下、指名・報酬委員会)及び取締役会において検討していく予定です。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、政策保有株式を保有しておりません。株式の保有を通じた保有先との連携が当社の経営戦略に沿ったもので、中長期的な企業価値の向上に寄与する合理性があることが判断される場合に限り、取締役会に諮ったうえで、政策的に株式を保有することを検討いたします。

 

【原則3-1情報開示の充実】
当社は、法令に基づく開示を適時、適切に行うことに加え、下記事項における方針を掲載しております。
(i)会社の目指すところ(企業理念等)や経営戦略、経営計画 当社の企業理念等は、当社のウェブサイトに掲載しております。
https://www.kk-shinko.com/company/philosophy/
また、経営方針等を当社ウェブサイト及び決算説明資料等に掲載いたします。

 

(ii)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
本報告書の「Ⅰ.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その他の基本情報」の「1.基本的な考え方」に記載しております。

 

(iii)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針と手続
本報告書「Ⅱ.経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況」「1.機関構成・組織運営等に係る事項」「【取締役報酬関係】報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容」に記載のとおりであります。

 

(ⅳ)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
取締役の選任・解任のいずれにおいても、当社は指名・報酬委員会での諮問を経て、取締役会で決議することとしております。取締役候補者については、指名・報酬委員会で定める取締役基準及びスキルに基づき選任しています。取締役は経営者としての人格に加え、経営者としての経験、実績、管掌部門の課題を的確に把握し、他の役職員と協力し課題を解決する能力があること、法令及び企業倫理の遵守に徹する見識を有すること等を総合的に判断し、候補者の選定及び指名を行うこととしております。また、社外取締役候補者の選任に関しては、会社法上の社外性要件に加え東京証券取引所の定める独立性の要件を満たし、当社との間に特別な人的関係、資本関係その他利害関係がないと判断される基準に基づいています。
監査役候補者については、人格・見識、監査役に相応しい豊かな経験及び十分な専門知識、コンプライアンスに対する十分な理解等を考慮し、当社の持続的な成長と企業価値の向上に貢献する資質を備えていること等を総合的に判断して選定及び指名することとしており、独立社外取締役が出席する取締役会において選定しております。

 

(ⅴ)取締役会においては、上記(ⅳ)の方針を踏まえ、経営陣幹部の選解任および取締役・監査役候補者の指名を行っております。これらの個々の選解任・指名に関する理由、ならびに取締役候補者および監査役候補者の選任に係る判断の参考となる略歴、スキルマトリックス等の情報につきましては、株主総会招集通知に記載するとともに、当社ウェブサイトにおいても開示しております。

 

【補充原則3-1② 海外投資家等の比率等を踏まえた英語での情報の開示・提供の推進】
当社は、現在決算短信については英訳での情報の開示・提供を実施しております。引き続き、株主構成等の情報収集・分析に努め、開示範囲の拡大の検討を行ってまいります。
【補充原則3-1③ 自社のサステナビリティについて】
当社は、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を実現するため、サステナビリティに関する取組みを重要な経営課題と位置付け、経営戦略と一体的に推進しております。
サステナビリティに関する重要課題については、社内体制において審議・検討を行い、その内容を経営に反映する体制としております。環境面では、気候変動への対応を重要課題と認識し、温室効果ガス排出量について、Scope1およびScope2に加え、Scope3を含めた排出量の把握・管理を行い、削減に向けた取組みを推進しております。また、当社は温室効果ガス排出削減に向け、SBT(Science Based Targets)認証の取得を視野に入れ、排出量の算定体制の整備および削減目標の設定に向けた取組みを推進しております。加えて、当社はサステナビリティに関する取組みの評価としてEcoVadisを受審し、バッジを取得しております。今後は、同評価におけるスコアの向上を目指し、環境・労働・倫理・持続可能な調達の各分野における取組みの一層の強化を図ってまいります。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、経営企画室 IR・広報チームがIR業務を担当しております。会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう決算説明会の開催や機関投資家との個別面談、個人株主からの問い合わせへの応対、IRフェアへの出展など、幅広い株主との対話の機会を設けております。

 

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