ブリッジレポート
(9162) 株式会社ブリーチ

グロース

ブリッジレポート:(9162)ブリーチ 2026年6月期第3四半期決算

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大平 啓介 社長

株式会社ブリーチ(9162)

 

 

企業情報

市場

東証グロース市場

業種

サービス業

代表取締役社長

大平 啓介

所在地

東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー21F

決算月

6月

HP

https://bleach.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

232円

25,731,800株

5,969百万円

3.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

-

未定

-

371.50円

0.6倍

*株価は7/28終値。2026年6月期第3四半期決算短信(連結)より。ROE、BPSは前期実績。2026年6月期業績予想は、合理的な業績予想の算定が困難なため未定。今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

22年6月

14,606

1,027

1,002

621

31.01

0.00

23年6月

16,377

2,173

2,147

1,465

73.07

0.00

24年6月

13,806

-367

-429

-554

-21.85

0.00

25年6月

17,160

436

433

303

11.90

0.00

26年6月(予)

-

-

-

-

-

0.00

*単位:百万円。予想は会社側予想。24年6月期まで非連結、25年6月期から連結。当期純利益は親会社の所有者に帰属する当期純利益、以下同様。2026年6月期業績予想は、合理的な業績予想の算定が困難なため未定。今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する。

 

 

株式会社ブリーチの会社概要、2026年6月期第3四半期決算概要、2026年6月期業績予想などをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2026年6月期第3四半期決算概要
3.2026年6月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • レベニューシェア型の報酬体系で顧客企業のマーケティング支援を行う「シェアリング型統合マーケティング事業」を展開。「豊富な商材パイプライン」「データに基づく高精度の商材選定メカニズム」などの競争優位性と「大量のデータ蓄積」「優秀なマーケター」により、強固な参入障壁を構築している。連結子会社株式会社オーラムテックによる販売インフラ構築支援により、支援可能な企業の範囲を一段と拡大している。

     

  • 2026年6月期第3四半期(累計)は減収、先行投資により損失計上。売上高は前年同期比0.5%減の125億96百万円。商材ポートフォリオ拡大施策により、商材数は第2四半期の57商材から過去最高の66商材に増加したが、収益性を重視した広告運用により短期的に売上高を調整した。営業利益は1億97百万円の損失を計上(前年同期は3億70百万円の利益)。今後の収益機会の創出、安定収益拡大のために組織体制を強化するべく、マーケター・セールス人材を採用したほか、マーケティング支援領域拡大・AI活用も先行的に実施した。主要KPIの広告利益(※)は同15.2%減の21億42百万円。拡大したマーケターリソースを今後収益の柱となる商材の立ち上げに投下した。新規商材・新規ジャンルの拡販を図るため、先行的な広告投資も継続した。第3四半期(1‐3月)のROAS(※)は同8.1ポイント低下の117.1%。広告利益・ROASはともに調整局面にある。(広告利益は、レベニューシェア額から、それを受領するために投資した広告費を差し引いた額で、収益の絶対額を表す。ROAS(Return on Advertising Spend)は投資した広告費に対して得られるレベニューシェア額の比率で、同社の収益性を表す)。

     

  • 2026年6月期の通期業績予想は現時点では未定。主力事業であるレベニューシェア型のマーケティング支援事業は、支援する商材の成長に連動して収益が拡大する一方、商材ごとの成長タイミングや規模により利益が変動しやすい特性を有しており、全体の業績に大きく影響する。こうしたビジネスモデル及び市場環境を踏まえ、現時点で合理的な業績予想を算定することは困難であることが未定の理由。今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する。

     

  • 同社では、競争優位性として「豊富な商材パイプライン」「データに基づく高精度の商材選定メカニズム」「高精度のマーケティング戦略の構築と実行」「売上成長と損失回避を両立する広告投資体制」「売上・利益を向上させる商材ポートフォリオマネジメント」の5つを挙げている。

     

  • レベニューシェア型でのマーケティング支援を実行するには、こうした競争優位性の構築に加え、「大量のデータ蓄積」「優秀なマーケター育成」が不可欠である。これらは短期間で構築できるものではなく、同社の強みであると同時に、新規参入に対する高い障壁になっていると同社では考えている。

     

  • 2026年6月期は減収で先行投資により損失計上、通期予想も現時点では未定と投資家としては判断が難しいところだが、こうした競争優位性に着目して主要KPIである広告利益、ROAS、コア商材数などの推移を見ていきたい。

     

1.会社概要

レベニューシェア型の報酬体系で顧客企業のマーケティング支援を行う「シェアリング型統合マーケティング事業」を展開。
「豊富な商材パイプライン」「データに基づく高精度の商材選定メカニズム」「高精度のマーケティング戦略の構築と実行」「売上成長と損失回避を両立する広告投資体制」「売上・利益を向上させる商材ポートフォリオマネジメント」という5つの競争優位性と、「大量のデータ蓄積」「優秀なマーケター育成」により、強固な参入障壁を構築している。連結子会社株式会社オーラムテックによる販売インフラ構築支援により、支援可能な企業の範囲を一段と拡大している。

【1-1上場までの沿革】

2010年4月、創業者で現代表取締役社長 大平 啓介氏が、インターネット販売促進支援事業を目的としてジャパンウェブリンク株式会社(現株式会社ブリーチ)を設立。2013年3月に株式会社ブリーチに商号変更。
2016年11月、現在の中心事業であるシェアリング型統合マーケティング事業を開始。
独自のビジネスモデルで企業のニーズを着実に取り込み、業容を拡大。2023年7月、東京証券取引所グロース市場に上場した。

 

【1-2 経営理念】

存在意義・目的、目指す姿を以下のように掲げている。

BLEACHという会社が存在する意義・目的

「世界を照らす。」

 

私たちは、独自の卓越したマーケティング力によって、世の中に普及していない魅力ある商品やサービスに光をあて、輝かせることで、より豊かな社会の創造に貢献していきます。

 

そして、当社の人財が、マーケティングの原理を極め、あらゆる商品を成功に導く、最強のマーケティング集団であり続けるために成長することで、輝きを放ち、社会を、世界を照らしていきます。

 

語源に「輝く」という意味を持つ「Bleach」という社名に、この思いを込めています。

BLEACHが目指す姿

商売を大きく

日本から世界へ、冒険的な成長を

 

BLEACHは、冒険的な成長でビジネスを拡大し、世界へ進出したい

 

社会に対する影響力を持ち、経済を大きく回す中心になりたい

 

そして、多様な価値を創造し、多くの事業の選択肢を持つ企業へと進化したい

 

新しいBLEACHと、新しい世界を、みんなでつくろう

 

 

 

【1-3 事業環境】

(1)インターネット広告市場・国内通販市場
インターネット広告市場は2011年から2024年まで年平均成長率12.6%で成長し、2024年には3.7兆円超にまで拡大している。
国内インターネット通販市場は2023年で約25兆円。そのうち物販系分野BtoC-EC市場は2013年からの10年間、年平均成長率8.3%で成長。今後も拡大が続くものと見込まれる。

(同社資料より)

 

(2)顧客企業:ブルーオーシャンを開拓
政府統計によれば、2023年、日本国内で売上高100億円以上の企業数は4,508社。従来の予算型マーケティング支援会社はこの大企業群への営業に注力しているが、競争の激しいレッド・オーシャンである。
他方で、売上高1億円~100億円未満の企業の数は102,555社。同社は「レベニューシェア型の報酬体系」という独自モデルにより、マーケティング予算を確保しにくい中堅中小企業を中心に幅広く支援が可能。競争の少ないブルーオーシャン市場を開拓し、売上・利益を拡大していく考えだ。

 

(3)商品・サービス:巨大な潜在市場規模
現在の取扱い商材の主要ジャンルである化粧品・日用品・機能性表示食品の国内EC市場規模は合計で2兆2,000億円。同社グループのレベニューシェア単価はLTV(顧客生涯価値)の30~50%を目安に設定されることが多く、直接的にターゲットとする市場規模は上記国内EC市場2兆2,000億円の約4割、約8,800億円と同社では推定している。
連結子会社株式会社オーラムテックによる上流からの支援や、不動産、通信、人材、士業等の新規ジャンルへの展開などで、一段と大きな需要の取り込みを図っていく。

 

 

(同社資料より)

 

【1-4 事業内容】

レベニューシェア型の報酬体系で顧客企業のマーケティング支援を行う「シェアリング型統合マーケティング事業」を展開している。2025年3月に設立した連結子会社株式会社オーラムテックによる販売設計・販路構築・物流・受発注管理など「売る仕組み」の販売インフラ構築支援により、支援可能な企業の範囲は一段と拡大している。

 

(1)ビジネスモデル:シェアリング型統合マーケティング事業
①シェアリング型統合マーケティングとは?
マーケティング支援の一般的な報酬体系である予算型は、顧客企業があらかじめ確保した予算の範囲内で支援を行う体系であり、支援の規模を管理しやすい。一方で、事前に効果を見通しにくく、期待した効果が出ない場合には顧客企業のユーザー獲得コストが上昇することもある。
同社グループは、こうした予算型も手掛けつつ、注力事業として「レベニューシェア型の報酬体系」を採用している。これは、顧客企業から初期費用やコンサルティング料を受領せず、新規ユーザー獲得など実際に実現したマーケティング効果に応じて報酬を受領する仕組みである。
このため、予算が限られた中小・中堅企業を含めて幅広い顧客企業を支援することが可能である。顧客企業は、事前にユーザー獲得コストを確定することができるため、収益の見通しを立てやすい。さらに、同社グループのマーケティング支援に基づき、顧客企業が新規ユーザー獲得等のマーケティング効果を発揮すればするほど同社グループの売上高も増えていくため、同社グループは効果のある施策を次々に実施することができ、顧客企業の売上拡大に貢献することとなる。

(同社資料より)

 

②サービスの流れと報酬体系・KPI
同社グループが独自に蓄積しているマーケティング関連データ等に基づき、商材に関するマーケティング戦略を検討し、同戦略に基づき広告を制作する。その後、同社グループの費用負担でLINEやYahoo!などのウェブメディア(広告媒体)に広告を出稿。出稿した広告により新規ユーザーを獲得した後に、獲得数と、予め顧客企業と合意した新規ユーザー獲得当たりの報酬単価(レベニューシェア単価)を乗じて計算されるレベニューシェア額を顧客企業から受領する。
広告媒体への広告投資額(広告宣伝費)に対して、顧客企業から受領したレベニューシェア額(売上高)の比率として算出される「ROAS」(※)、及び売上高から広告宣伝費を控除して算出される「広告利益」(※)を収益指標として管理している。

 

 

(同社資料より)

 

※ROAS(Return on Advertising Spend)
投資した広告費に対して得られるレベニューシェア額の比率であり、同社の収益性を表す。レベニューシェア額(売上高)÷広告投資額
※広告利益
レベニューシェア額から、それを受領するために投資した広告費を差し引いた額で、収益の絶対額を表す。レベニューシェア額(売上高)-広告投資額

 

③主な顧客対象企業とターゲット市場
レベニューシェア型の報酬体系を注力事業として採用しているため、潤沢なマーケティング予算を確保しにくい中小・中堅企業を含め、企業規模を問わずマーケティングDX支援が可能である。特に、魅力的な商品やサービスを持ちながらもCMO(Chief Marketing Officer)が不在である等、デジタル・マーケティングのノウハウを持たない企業を支援し、その商品やサービスのポテンシャルを最大限引き出すことを強みとしている。顧客は化粧品、日用品、機能性表示食品等の定期通販、並びにクリニックや金融サービス等が中心である。
独自のビジネスモデルを軸に、マーケティングDX支援を必要とするニーズを取り込んでいるほか、従来のマーケティング支援会社のビジネスモデルでは捉えきれなかった潜在的なニーズを掘り起こし、EC化率向上や国内消費者市場の拡大にも貢献している。

 

④商材パイプラインと商材選定
前述のように、支援実績のある主な商材は、化粧品、ヘアケア・日用品、機能性表示食品などの定期通販、クリニック等の店舗事業、金融サービスなど多岐に亘る。
これら多数のパイプラインの中から、これまでに蓄積してきた過去のマーケティング関連データ等に基づく独自の選定メカニズムにより、売上拡大余地が大きい商材を選定する。商材選定にあたっては、実際にマーケティング施策を実行するテストマーケティングがプロセスに含まれている。テストマーケティングでは数十万円~100万円程度の広告宣伝費を投下するが、これにより本番運用前に商材の売上拡大余地とマーケティング戦略における仮説を高精度で検証することが可能である。

 

商材ポートフォリオの拡大に注力し、コア商材数の増加を図っている。月間平均レベニューシェア金額を基に商材を「A」「B」「C」「D」にランク分けしている。
B~Dランク商材をAランク商材へ成長させることで事業成長を加速させていく。

ランク

月間平均レベニューシェア金額

100百万円以上の商材

50百万円以上100百万円未満の商材

25百万円以上50百万円未満の商材

10百万円以上25百万円未満の商材

 

⑤マーケティング戦略構築と施策の実施
これまでに蓄積したマーケティング関連データや最新の消費トレンド、市場調査等を踏まえ、商材における消費者への訴求ポイントを明確にし、利用する広告媒体や配信面の選択を含むウェブにおける広告戦略を検討する。顧客企業に対し、ユーザーの動線や訴求ポイントを含めて顧客ランディングページについても改善提案を行っている。
その上で、構築した戦略に基づく広告を制作し、同社グループの費用負担でウェブメディア(広告媒体)に広告を出稿する。
同社グループは、社内に多数のマーケターやクリエイターを有しており、マーケティング支援機能のほとんどを内製化している。
そのため、マーケティング施策における高速PDCAが可能で、一定の獲得コストの中でより多くの新規ユーザーを獲得できるよう、マーケティング効果を最大化させている。さらに、それぞれのマーケターが、設定した目標から逆算して課題を徹底的に洗い出し、その解決に向けて全力で行動する等の行動指針を浸透させている。

 

⑥主に利用する広告媒体、マーケティング手法
顧客企業の商品やサービスなど、商材の特性に応じて、LINE、Yahoo!、Pangle、Google、Facebook等のウェブメディア(広告媒体)の中から適切な配信面やターゲットを選択し、ディスプレイ広告、リスティング広告(検索連動型広告)等のインターネット広告を利用している。
中でも、ディスプレイ広告の活用に強みを有している。ディスプレイ広告は、まだ課題に気づいていない、或いは具体的な行動には至っていない潜在層のユーザーに訴求し、ニーズを掘り起こすことが可能な広告。リスティング広告と比較すると、コンバージョン率は低いものの、インプレッション数が多く、広告のクリック単価が安いこと、画像や動画等で視覚的に訴求できること等から、適切に運用すれば低いコストで多くの新規ユーザーを獲得することが可能である。
ディスプレイ広告で、ユーザーの興味を適切に誘引し、同社グループ制作の広告ページ上で、支援対象となる商材の魅力をストーリー仕立てで伝え、顧客LPでユーザーに購買や申し込み等を促すことで、顧客企業の新規ユーザーを獲得している。Cookieを利用した広告のリターゲティング機能には頼らず、知名度の低い商品やサービスであっても、その場で魅力を訴求して購買に至るダイレクトマーケティングに強みを有している。

 

⑦広告審査体制
同社グループでは、独自の広告審査体制を設けている。社内担当者のチェックに加えて、外部の弁護士や専門機関のレビューも受けている。これにより、不当景品類及び不当表示防止法や医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の広告関連法令の遵守はもちろん、一般の消費者から見て誤認を招くことがないか等を広告配信前に確認する体制を構築している。

 

(2)ビジネスモデル:販売インフラの構築支援
2025年3月に設立した連結子会社株式会社オーラムテックが、販売設計・販路構築・物流・受発注管理など「売る仕組み」の
販売インフラの構築を支援している。商品の本質的な魅力を見極め、価値の最大化から販路設計・物流運用までを包括的に支援する。ブリーチとの連携により、魅力のある商品はあるが「売り方」に課題がある企業のみでなく、魅力のある商品はあるが「売る仕組み」が整っていない企業も支援する体制を構築した。
集客・販路・物流・運用までを一貫提供することで、単なる販売代行ではなく、ブランド価値をともに育てる事業パートナーとして顧客を支援する。

 

 

(同社資料より)

 

【1-5 特長・強み・競争優位性】

(1)競争優位性
以下の5つの競争優位性を有している。

 

①豊富な商材パイプライン
独自のレベニューシェア型の報酬体系を中心的なモデルとして採用し、多数の実績を有しているため、自社商品の販売拡大を図る企業からの問い合わせや紹介も多く、豊富な商材パイプラインを有している。

 

②データに基づく高精度の商材選定メカニズム
レベニューシェア報酬最大化のため、豊富なパイプラインの中から、将来的な成長が期待できる商材に絞り込んで支援を実施している。消費トレンドや市場調査等に加え、過去データや独自のノウハウに基づく高精度の商材選定メカニズムがこれを可能にしている。

(同社資料より)

 

③高精度のマーケティング戦略の構築と実行
顧客の売上成長に全力でコミットする体制を構築している。
マーケティング戦略の構築、広告制作、広告運用などの一連のマーケティング支援機能のほぼ全てを内製化しており、マーケティング戦略から施策実行までを一貫させるとともに、大量のA/Bテストを行い、仮説構築・実行・検証・改善を高速で行うことが可能で、マーケティング効果を最大化している。また、大量のデータやノウハウを全て社内に蓄積することで、マーケティング力を継続的に進化させている。
支援機能を内製化しているため一気通貫でマーケティング支援を提供できる点も大きな特徴である。

 

④売上成長と損失回避を両立する広告投資体制
一定水準以上のROASを維持するよう、商品や広告媒体、広告キャンペーン毎にタイムリーにモニタリングを行い、広告投資額の調整等を行っている。広告投資額を増やすと、メインターゲットからやや外れたユーザーにも広告が配信されるため、基本的にコンバージョン率は下落し、ROASは低下する傾向がある。ROASが低下した局面では、同社グループ独自の判断で広告投資額を縮小し利益率の低下を防いでいる。一方、高いROASを維持できる場合には、広告投資額を増やし広告のインプレッション数を増やすことにより多くのユーザーを獲得し、広告利益の拡大を図っている。
独自の判断で広告投資額を大幅に増やすことが可能であることが、高い売上成長力に繋がっている。
加えて、様々なデータによりマーケティング効果を測定・分析しながら、商材の訴求ポイントや広告に使用するコピーライトや画像等のクリエイティブ、広告の配信方法等について高速PDCAを繰り返し、マーケティング施策を継続的に更新・改善することで、ROASの維持・向上、及び広告利益の最大化を図っている。

(同社資料より)

 

⑤売上・利益を向上させる商材ポートフォリオマネジメント
支援の成果や市場の反応を見極めながら、成長余地のある商材へとリソースを段階的にシフトすることが可能なため、売上拡大の可能性が高い商材に注力して支援を行うことで、同社の収益性も高めるモデルを構築している。
広告に関しても、ある広告媒体で売れている商材と効果の高い施策の組み合わせ(“勝ちパターン”)を他の広告媒体や配信面にも展開し、売れるものをより大きく売る戦略を採用している。

 

 

(同社資料より)

 

(2)参入障壁の高さ
レベニューシェア型でのマーケティング支援は、自社の費用負担で施策を行うため、事前に蓄積したマーケティング関連データと、それを使いこなす優秀なマーケターが不可欠となる。同社は、長年の運用を通じて大量のデータ蓄積と独自のマーケター育成体制を構築しており、これらは短期間で模倣できるものではない。この「大量のデータ蓄積」と「優秀なマーケター育成」が同社の競争優位の源泉であると同時に、新規参入に対する事実上の高い障壁になっていると同社では考えている。

(同社資料より)

 

【1-6 株主還元】

財務体質の強化並びに将来の事業展開に備えるため、配当可能利益を全額内部留保とし、配当を実施していないが、株主に対する利益還元については経営の最重要課題の一つと位置付けている。事業規模や収益の安定性等も鑑み、経営成績・財政状態を勘案しながら、株主への利益配当を検討していく方針である。内部留保資金は、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、財務体質の強化及び将来の事業展開のための財源として利用していく予定。

 

 

2.2026年6月期第3四半期決算概要

【2-1業績概要】

 

25/6期3Q

(累計)

構成比

26/6期3Q

(累計)

構成比

前年同期比

売上高

12,660

100.0%

12,596

100.0%

-0.5%

売上総利益

1,739

13.7%

1,260

10.0%

-27.5%

販管費

1,368

10.8%

1,457

11.6%

+6.5%

営業利益

370

2.9%

-197

-

-

経常利益

375

3.0%

-185

-

-

四半期純利益

252

2.0%

-149

-

-

*単位:百万円。

 

減収、先行投資により損失計上
売上高は前年同期比0.5%減の125億96百万円。商材ポートフォリオ拡大施策により、商材数は第2四半期の57商材から過去最高の66商材に増加したが、収益性を重視した広告運用により短期的に売上高を調整した。
営業利益は1億97百万円の損失を計上(前年同期は3億70百万円の利益)。今後の収益機会の創出、安定収益拡大のために、組織体制を強化するべく、マーケター・セールス人材を採用したほか、マーケティング支援領域拡大・AI活用も先行的に実施した。
広告利益は同15.2%減の21億42百万円。拡大したマーケターリソースを今後収益の柱となる商材の立ち上げに投下した。新規商材・新規ジャンルの拡販を図るため、先行的な広告投資も継続した。第3四半期(1‐3月)のROASは前年同四半期比8.1ポイント低下の117.1%。広告利益・ROASはともに調整局面にある。

 

【2-2 主要KPI動向】

(1)商材数
商材ポートフォリオ拡大施策として新規ジャンル・商材の開拓に先行投資した結果、商材数は合計66商材と過去最高となった。取扱商材の拡充を通じたパイプライン構築が着実に進行している。

 

(2)商材ランク別売上高
例年1〜3月はインターネット広告の出稿単価が上昇し、第3四半期は季節的に業績成長が鈍化しやすい。加えて収益性(ROAS)を重視した広告運用を行ったため、第3四半期の売上高は前年同期比・前四半期比とも減収となった。

 

 

 

(同社資料より)

 

(3)広告利益、ROAS
先行的・積極的な広告投資に加え、各広告媒体における広告出稿単価が上昇する中、ROASを重視した広告運用を実施したため、広告利益は調整局面にある。

 

(4)マーケター人員数、マーケター1人当たり売上高
中長期の事業拡大を見据えたマーケティング人材の採用を先行的に進めており、第3四半期末のマーケター人員数は前年同期比32名増の114名となった。さらに2026年4月には新卒40名(前期26名)の採用を予定している。採用を先行しているため1人当たり売上高は低下しているが、育成・戦力化を進める先行投資フェーズにあると会社側は考えている。

 

 

 

(同社資料より)

 

【2-3 オーラムテック社の動向】

連結子会社オーラムテック社は国内外メーカーなどの支援クライアントを着実に拡大し、収益獲得機会を創出している。クライアントの製品を仕入れ、販売チャネルの1次商流をグリップして、安定的な利益獲得を図っている。美容・ヘルスケア・ライフスタイル領域を中心に、製品企画から販売体制構築までを一貫して支援している。

 

 

 

(同社資料より)

 

代表的な取扱い商材「JOVS」は、光美容技術を用いたスマート美容機器を展開するグローバルブランドで、ブランド製品のグローバル年間販売総額は約300億円に達する。オーラムテック社の支援体制が評価され、日本市場における同ブランドの光美容器の独占販売権及び総販売代理店の権利を取得した。JOVSの売上高は、卸販売からオンライン直販への切り替えに伴うモールアカウントの譲渡により第2四半期に一時的に減少したが、直販体制の整備が進み第3四半期は回復した。今後は新商品「Dora Scroll」の販売も本格化する見込みである。また、製品調達から販売・物流までを一気通貫で担う体制を構築していく考えだ。

 

 

(同社資料より)

 

【2-4 財務状態】

◎主要BS

 

25年6月末

26年3月末

増減

 

25年6月末

26年3月末

増減

流動資産

12,516

11,600

-916

流動負債

2,613

2,333

-279

現預金

8,899

7,098

-1,800

仕入債務

973

918

-54

売上債権

1,654

1,658

+4

短期借入金

720

720

0

前渡金

1,333

1,604

+270

固定負債

1,086

543

-543

固定資産

716

662

-54

長期借入金

1,080

540

-540

有形固定資産

191

173

-18

負債合計

3,699

2,876

-822

無形固定資産

102

95

-6

純資産

9,534

9,386

-147

投資その他の資産

422

393

-29

利益剰余金

2,835

2,686

-149

資産合計

13,234

12,263

-970

負債純資産合計

13,234

12,263

-970

*単位:百万円

 

現預金の減少などで資産合計は前期末比9億円減少の122億円。長期借入金の減少などで負債合計は同8億円減少の28億円。利益剰余金の減少等で純資産は同1億円減少の93億円。
自己資本比率は前期末から4.5ポイント上昇し76.5%。

 

【2-5 トピックス】

◎事業ポートフォリオの拡大と新たな収益基盤の確立のため子会社を設立
2026年6月、事業ポートフォリオの拡大と新たな収益基盤の確立を目的として「株式会社みのり自然食品」を設立した。

 

(子会社設立の目的)
近年、健康志向の高まりや健康寿命延伸への関心の増大に加え、美容およびインナーケア市場への需要拡大を背景に、ヘルスケア分野は中長期的な成長が見込まれている一方で、優れた素材や研究成果が存在しながらも、消費者ニーズに適合した商品として十分に市場展開されていないケースも多く存在している。
このような市場環境を踏まえ、これまで培ってきたマーケティング力および商品企画ノウハウを活かし、自社ブランド商品の開発・販売を推進することが、中長期的な成長に資するものと判断した。

 

(株式会社みのり自然食品概要)
2026年6月1日設立。代表取締役社長 大平 啓介。株式会社ブリーチの100%子会社。
健康食品、機能性表示食品等を含むヘルスケア分野において商品の企画・販売を行い、消費者の健康増進および生活の質の向上に寄与するとともに、同社グループの事業領域拡大および収益源の多様化を図る。

 

3.2026年6月期業績予想

【3-1 業績予想】

2026年6月期の業績予想については未定としている。同社グループの主力事業であるレベニューシェア型のマーケティング支援事業は、支援する商材の成長に連動して収益が拡大する一方、商材ごとの成長タイミングや規模により利益が変動しやすい特性を有しており、全体の業績に大きく影響する。こうした同社のビジネスモデル及び市場環境を踏まえ、現時点で合理的な業績予想を算定することは困難であることがその理由。今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する。

 

【3-2 2026年6月期の成長戦略】

重点的に取り組むテーマは以下の5つ。継続的かつ安定的な事業成長を図る。

(1)

商材ポートフォリオの拡大

(2)

マーケティング手法の拡大

(3)

人材採用・育成の強化

(4)

IT投資・AI活用

(5)

メーカー支援機能の拡充

 

(1)商材ポートフォリオの拡大
既存ジャンルの深堀りに加え、通販以外のリード案件を含む金融・オンライン診療・人材紹介など新ジャンルを拡大する。
また、社内データベースに蓄積したマーケティングデータの活用により、商品企画等バリューチェーン上流のコンサルティング力を強化し、グロースの早期化と支援領域拡大により顧客基盤を強化する。2025年6月期の日用品における成功事例を横展開し、引き続き対象商材を拡大する。

 

 

(同社資料より)

 

(2)マーケティング手法の拡大
SNS広告・動画広告・ECモール運用など新たな広告媒体を開拓してリーチできる消費者層を拡大するとともに、ディスプレイ広告以外の動画広告、リスティング広告、ECモール、インフルエンサー等、マーケティング手法も拡大する。

(同社資料より)

 

(3)人材採用・育成の強化
優秀な人材を獲得できる強い採用力と未経験者を早期に戦力化する育成プログラムをブラッシュアップし、継続的に優れたマーケターを創出する。

 

(4)IT投資・AI活用
様々な広告媒体で計測したマーケティング関連データを収集して一元管理し、独自システムで自動解析することにより、広告投資の意思決定を迅速化・効率化する。

 

 

 

(同社資料より)

 

(5)メーカー支援機能の拡充
これまではマーケティング支援が中心であったが、商品コンセプト設計から販売インフラ構築まで、上流から下流まで一貫した支援機能の拡充を図っている。支援領域を拡張し、グループ全体としての収益機会の多層化・拡大を目指している。
商品の本質的な魅力を見極め、価値の最大化から販路設計・物流運用までを包括的に支援する。連結子会社オーラムテック社とブリーチの連携により、集客から運用まで「売れる仕組み」を一気通貫で提供し、ブランド価値をともに育てる事業パートナーを目指す。

 

 

 

(同社資料より)

 

4.今後の注目点

同社では、競争優位性として「豊富な商材パイプライン」「データに基づく高精度の商材選定メカニズム」「高精度のマーケティング戦略の構築と実行」「売上成長と損失回避を両立する広告投資体制」「売上・利益を向上させる商材ポートフォリオマネジメント」の5つを挙げている。レベニューシェア型でのマーケティング支援を実行するには、こうした競争優位性の構築に加え、「大量のデータ蓄積」と「優秀なマーケター育成」が不可欠である。特にこの2つは短期間で構築できるものではなく、同社の強みであると同時に、新規参入に対する高い障壁になっていると同社では考えている。2026年6月期は減収で先行投資により損失計上、通期予想も現時点では未定と投資家としては判断が難しいところだが、こうした競争優位性に着目して主要KPIである広告利益、ROAS、コア商材数などの推移を見ていきたい。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

4名、うち社外取締役2名(うち独立役員2名)

監査役

3名、うち社外監査役3名(うち独立役員3名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2026年4月22日

 

<基本的な考え方>
当社は、継続的に企業価値を向上させながら、ステークホルダーと良好な関係を築いていくために、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。
具体的には、当社の経営を負託された取締役が職責に基づいて適切な経営判断を行うこと、実効性ある内部統制システムを構築すること、監査役会による経営の監査機能を発揮すること、並びに説明責任を果たすべく適時適切な情報開示を行うことが重要であると考えております。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
コーポレート・ガバナンス・コードの「基本原則」については、その全てを実施しております。

 

 

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