ブリッジレポート
(2317) 株式会社システナ

プライム

ブリッジレポート:(2317)システナ 2027年3月期第1四半期決算

ブリッジレポートPDF

株式会社システナ(2317)

 

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役会長

逸見 愛親

取締役社長

逸見 真吾

所在地

東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階・16階

決算月

3月

HP

https://www.systena.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

417円

425,880,000株

177,591百万円

31.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

18.00円

4.3%

29.74円

14.0倍

110.26円

3.8倍

*株価は8/6終値。27/3期第1四半期決算短信より。ROEは前期実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS(円)

DPS(円)

2023年3月

74,526

9,844

9,955

7,317

18.89

8.00

2024年3月

76,940

9,713

9,942

7,232

18.67

10.00

2025年3月

83,621

12,067

11,855

8,480

23.17

12.00

2026年3月

94,400

15,367

16,145

11,312

31.65

14.00

2027年3月(予)

98,000

15,960

15,960

10,630

29.74

18.00

*予想は会社予想。単位:百万円。

 

 

(株)システナの2027年3月期第1四半期決算概要などをご紹介いたします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2027年3月期第1四半期決算概要
3.2027年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考1:中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 27/3期第1四半期の売上高は前年同期比5.5%増の237億99百万円。次世代モビリティ事業が依然好調を持続している他、デジタルインテグレーション事業も2桁増収。プロジェクトマネジメントデザイン事業、DX&ストック型ビジネス事業が減収。EBITDA+S、営業利益はそれぞれ同14.2%増の41億31百万円、同9.0%増の38億34百万円。増収に伴い売上総利益が同10.9%増加し、売上総利益率も1.3ポイント上昇。販管費も人件費中心に同13.5%増加したが、これを吸収した。プロジェクトマネジメントデザイン事業以外は全て増益。四半期ベースでは、前四半期比は減収・増益。

     

  • 業績予想に変更は無い。27/3期の売上高は前期比3.8%増の980億円、営業利益は同3.9%増の159億60百万円を予想している。企業のDX投資の継続やAI活用の本格化、モビリティ分野におけるSDV化の進展などを背景に、事業機会は引き続き拡大するものと見込んでいる。一方で、業界全体における技術者不足の深刻化や人件費の上昇、顧客ニーズの高度化により、競争環境は一層厳しさを増している。こうした環境変化を持続的成長に向けた好機と捉え、「技術者の採用・定着強化」「各事業の競争力の強化」「ストック型ビジネスの拡充」ならびに「AI等の成長領域への展開」を重点施策として推進する。これらの取り組みを通じて、収益基盤の安定化と事業ポートフォリオの進化を図り、中長期的な企業価値の向上に取り組む。配当は前期比4円/株増の18.00円/株を見込む。予想配当性向は60.5%。
  • 2024年から推進してきた大胆な構造改革の成果が結実し、同社の収益性は着実に向上している。四半期ベースの売上高営業利益率を見ると、20/3期以降23/3期までは期中に大きく上下しながらほぼ横這いであったが、24/3期第1四半期を底に、右肩上がりで上昇。ここ数四半期は15-17%台での推移となっている。注力中の「次世代モビリティ事業」は27/3期第1四半期も2桁の増収増益で、セグメント利益率は40%を超えた。「第3の創業期」と位置づけたこの3カ年で収益性がどこまで上昇するのか注目していきたい。

     

1.会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社であったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識および基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。

 

【1-1 経営目標・経営指標】

経営目標として「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える!」を掲げている。
経営目標実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」という、相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。
目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指していく考え。

 

【1-2 事業内容】

27/3期第1四半期より、「次世代モビリティ事業」「プロジェクトマネジメントデザイン事業」「デジタルインテグレーション事業」「IT&DXサービス事業」「ビジネスソリューション事業」「DX&ストック型ビジネス事業」「オンラインソリューション事業」の7セグメントとなった。

 

◆次世代モビリティ事業
完成車メーカーやサプライヤー向けを中心に、自動車業界へのエンジニアリングおよびMaaSなどの自社サービスの提供を主な業務とする。同社が携帯電話/スマートフォン開発においてAndroid/iOSなどのオープンプラットフォーム開発で長年積み上げた実績、つまりモバイル開発で進めてきたアジャイル手法やアプリケーションフレームワークを採用した開発は、SDV(※)開発に必要なものとなっており、ソフトウェアTier1として様々な完成車メーカーやメガサプライヤーに技術力を提供している。
後述のように、「IoM(IoT/M2M)5Gゲートウェイ、LTEルーター、DCM端末およびIoM向けアンテナ、5G・LTEフェムト基地局の開発と製造、販売」を担う株式会社IDYおよび「自動車メーカーの車載コクピットにおける情報表示関連のソフトウェア開発、スタートアップ活用の事業コンセプトPoC開発、ノーコードツールCanbus.による企業のDX推進」を展開するSystena America Inc.を「次世代モビリティ事業」に変更した。
※SDV:Software Defined Vehicle。ソフトウェア定義型車両。ハードウェアではなくソフトウェアによって機能や性能が決定・制御される次世代の自動車

 

◆プロジェクトマネジメントデザイン事業
各種プロダクト製品、通信事業者サービスの企画・設計・開発・検証支援の他、ネットビジネス、業務用アプリ、Webサービス、社会インフラ関連システム、IoT、人工知能、ロボット関連サービスの企画・設計・開発・検証支援を手掛ける。通信キャリア、通信機器メーカー、インターネットビジネス企業を主要顧客とし、長年にわたるモバイル端末の開発で培った豊富なノウハウと実績を基に、電力・防災・航空・交通などの社会インフラ、情報家電やホームセキュリティ、スマートデバイスやWebサービスなど、様々な分野で成長中である。あらゆる分野で企画から開発・検証、ITコンサルティングやITサービスまで提供できるトータルソリューションが強み。

 

◆デジタルインテグレーション事業
金融系(損保・生保・銀行)、産業系、公共系、その他の基幹システムの開発の他、DXソリューションの導入、インフラ構築、システム運用、インフラコンサルティングサービスを手掛ける。高い信頼性を求められる金融系システム開発において、半世紀以上にわたり蓄積してきたノウハウ・経験と実績を武器に、金融以外の業種においてもソリューションを提供する。昨今では、基幹系システムの開発から、顧客のビジネス変革を支えるDX推進へ業務範囲を広げている。中央省庁案件の継続的な獲得も強み。

 

◆IT&DXサービス事業
ITプロジェクト推進・PMO、DX支援、システム構築から運用、データ入力、大量出力、ソフトウェアテスト・DX検証などのITアウトソーシングサービスの提供を行う。リソースをコア業務へ集中する企業の動きが活発化するなか、個々のサービスを提供するだけではなく、ALLシステナによるトータル・ソリューション・サービスの提供で、IT戦略の実現サポートが可能な点が強み。

 

◆ビジネスソリューション事業
サーバー、パソコン、周辺機器、ソフトウェアなどIT関連商品の企業向け販売。基盤構築、仮想化などIT機器に関わるサービスの提供やRPAソリューションの提供を行う。

 

◆DX&ストック型ビジネス事業
自社サービス「Canbus.」、「Cloudstep」、「Web Shelter」の提供。さらに「Google Workspace」、「Microsoft 365」等クラウド型サービスの提供、導入支援。DX推進を支援するPMOおよびディレクションサービスとしての「Canbus.Lab」の提供を行う。

 

◆オンラインソリューション事業
26/3期までの「その他事業」のうち、27/3期第1四半期より、「スマホ/PC向けソーシャルゲームの企画・開発・運営、アプリ/システム開発受託」を行う株式会社GaYaおよび「PC・スマートフォン向けオンラインゲーム開発、組み込みソフトウェア開発、オープン系ソフトウェア開発」の株式会社シンクロジックの重要性が増したことから新たに「オンラインソリューション事業」として独立させた。
同時に、「IoM(IoT/M2M)5Gゲートウェイ、LTEルーター、DCM端末およびIoM向けアンテナ、5G・LTEフェムト基地局の開発と製造、販売」を担う株式会社IDYおよび「自動車メーカーの車載コクピットにおける情報表示関連のソフトウェア開発、スタートアップ活用の事業コンセプトPoC開発、ノーコードツールCanbus.による企業のDX推進」を展開するSystena America Inc.を「次世代モビリティ事業」へ変更した。

 

【1-3 グループ会社】

同社、連結子会社9社、持分法適用関連会社3社の合計13社でグループを形成している。

(同社資料より)

2.2027年3月期第1四半期決算概要

【2-1 連結業績】

 

26/3期第1四半期

構成比

27/3期第1四半期

構成比

前年同期比

売上高

22,553

100.0%

23,799

100.0%

+5.5%

売上総利益

5,951

26.4%

6,598

27.7%

+10.9%

販管費

2,435

10.8%

2,764

11.6%

+13.5%

EBITDA+S

3,617

16.0%

4,131

17.4%

+14.2%

営業利益

3,516

15.6%

3,834

16.1%

+9.0%

経常利益

3,747

16.6%

3,984

16.7%

+6.3%

四半期純利益

2,589

11.5%

2,668

11.2%

+3.1%

*単位:百万円。EBITDA+Sは営業利益に減価償却費および株式報酬費用(新株予約権)を加えたもの。四半期純利益は、親会社株主に帰属する四半期純利益。

 

増収増益
売上高は前年同期比5.5%増の237億99百万円。次世代モビリティ事業が依然好調を持続している他、デジタルインテグレーション事業も2桁増収。プロジェクトマネジメントデザイン事業、DX&ストック型ビジネス事業が減収。
EBITDA+S、営業利益はそれぞれ同14.2%増の41億31百万円、同9.0%増の38億34百万円。増収に伴い売上総利益が同10.9%増加し、売上総利益率も1.3ポイント上昇。販管費も人件費中心に同13.5%増加したが、これを吸収した。プロジェクトマネジメントデザイン事業以外は全て増益。
四半期ベースでは、前四半期比は減収・増益。

【2-2 セグメント別動向】

 

26/3期1Q

構成比・利益率

27/3期1Q

構成比・利益率

前年同期比

次世代モビリティ事業

1,856

8.2%

2,176

9.1%

+17.2%

プロジェクトマネジメントデザイン事業

3,656

16.2%

3,340

14.0%

-8.6%

デジタルインテグレーション事業

2,580

11.4%

3,235

13.6%

+25.4%

IT&DXサービス事業

5,429

24.1%

5,727

24.1%

+5.5%

ビジネスソリューション事業

8,453

37.5%

8,579

36.0%

+1.5%

DX&ストック型ビジネス事業

622

2.8%

613

2.6%

-1.4%

オンラインソリューション事業

34

0.2%

251

1.1%

+617.5%

調整額

-80

-

-125

-

-

連結売上高

22,553

100.0%

23,799

100.0%

+5.5%

次世代モビリティ事業

706

38.0%

872

40.1%

+23.5%

プロジェクトマネジメントデザイン事業

788

21.6%

774

23.2%

-1.8%

デジタルインテグレーション事業

574

22.2%

786

24.3%

+36.9%

IT&DXサービス事業

700

12.9%

793

13.8%

+13.3%

ビジネスソリューション事業

707

8.4%

732

8.5%

+3.4%

DX&ストック型ビジネス事業

30

4.8%

93

15.2%

+208.7%

オンラインソリューション事業

8

23.5%

30

12.0%

+245.8%

調整額

-

-

-247

-

-

連結営業利益

3,516

15.6%

3,834

16.1%

+9.0%

*単位:百万円。27/3期第1四半期より、26/3期に「その他事業」に区分されていた連結子会社4社のうち、株式会社GaYaおよび株式会社シンクロジックの重要性が増したことから新たに「オンラインソリューション事業」として独立させた他、株式会社IDYおよびSystena America Inc.を「次世代モビリティ事業」へ変更した。また、事業ポートフォリオの最適化に伴って「プロジェクトマネジメントデザイン事業」の一部プロジェクトを「デジタルインテグレーション事業」および「IT&DXサービス事業」へ移管した。26/3期第1四半期の数値はこれらの変更および組替えを反映している。

 

次世代モビリティ事業
売上高21億76百万円(前年同期比17.2%増)、営業利益8億72百万円(同23.5%増)
27/3期第1四半期より、経営資源の最適配置と事業シナジーの最大化を目的とした報告セグメントの組替えを行い、従来のモビリティ開発領域に、海外事業および連結子会社である株式会社IDYの事業を包含する体制へ移行した。自動車業界におけるSDV(Software Defined Vehicle)化の加速に伴う車載コクピット、コネクテッド、HMI領域の大型案件獲得が進む他、IoT・5Gを活用したエッジゲートウェイおよびM2M等のワイヤレス通信ソリューション需要など、活発な動きが続いている。このような状況のもと、国内主要完成車メーカーやTier1メーカーとの直接取引における最上流工程からのインサイド体制を堅持しつつ、北米市場でのテスト・案件創出、およびIDY社の通信エッジ端末技術と強みを融合させたクロスインテグレーション提案を積極的に推進した。AIを活用した開発生産性の向上やAIネイティブなSDV開発への進化も推進している。

 

プロジェクトマネジメントデザイン事業
売上高33億40百万円(前年同期比8.6%減)、営業利益7億74百万円(同1.8%減)
「AIクロスドメイン戦略」の推進役として、企業のシステム開発・DX推進プロジェクトの高度化・複雑化が進むなか、戦略立案や要件定義といった「上流の戦略フェーズ」と「開発フェーズ」のギャップを埋める独自の「実行型PMO支援」に対する需要を的確に取り込んだ。これまでの強みである次世代通信分野の移行支援に加え、SDV開発の大規模化や金融システムの更改、AI領域の上流工程や大規模システム開発へのリソース再配置を機敏に推進した。業務そのものにAIをどう実装するかを設計する立場へと役割を進化させ、戦略策定やITアセスメントから開発・運用保守までを一気通貫で支援するプロジェクト推進体制が高い評価を受け、減収減益ながらも、案件単価および高水準の収益性を維持している。

 

デジタルインテグレーション事業
売上高32億35百万円(前年同期比25.4%増)、営業利益7億86百万円(同36.9%増)
「AI人材教育戦略」を実務のなかで体現する事業として、長年培ってきた業界ドメイン知見と技術的優位性を活かし、金融機関のミッションクリティカルな基幹システムのモダナイズ(最新鋭化)案件や、行政デジタル化をはじめとする新規DX関連開発案件を確実に取り込んだ。また、高品質開発の実績を土台に、SaaSソリューションやクラウド利活用におけるテクニカルコンサルティングといった高付加価値領域へのリソースシフトや、開発プロセスにおけるAI駆動開発の実践経験を蓄積することで、次世代の技術者を育成するとともにグループ全体のAI駆動開発力の底上げを図っている。

 

IT&DXサービス事業
売上高57億27百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益7億93百万円(同13.3%増)
顧客企業の現場に入り込みデジタル変革を包括的に支援する「伴走型PMOサービス」やセキュリティ領域の支援拡大、DX検証サービスのエンタープライズ領域への展開を進めた。特例子会社を含むグループ3社が有機的に連携した受託体制により、BPO領域における品質向上と業務の最適化を通じて、さらなる受注拡大と安定的な運営基盤の構築を推進した。

 

ビジネスソリューション事業
売上高85億79百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益7億32百万円(同3.4%増)
Windows 10特需が一巡したものの、クラウド移行、セキュリティ、ネットワーク領域の需要が継続するなか、マルチクラウド環境への移行支援やゼロトラスト・セキュリティ関連の受注を獲得した。プロダクト物販依存からのシフトを加速させ、AI導入基盤やAI PCの本格展開までを一気通貫で提供する高付加価値なSIビジネスへのシフトを進めている。

 

DX&ストック型ビジネス事業
売上高6億13百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益93百万円(同208.7%増)
主力商品である自社ノーコードDXプラットフォーム「Canbus.」を中心としたサブスクリプション基盤の拡充に加え、導入時のカスタマイズや伴走型のDX定着支援サービスが堅調に伸長した。AIデータセンター領域への取り組みや、他事業(モビリティ、PMデザイン等)へのAI導入支援など、グループ横断のAI駆動型ソリューションの深化も進めている。

 

オンラインソリューション事業
売上高2億51百万円(前年同期比617.5%増)、営業利益30百万円(同245.8%増)
多様なデバイスに対応するオンラインゲーム開発やニアショア開発への旺盛な技術引き合いに対応するとともに、完全連結子会社化したシンクロジック社とのグループシナジーにより開発ラインの拡充を進めている。エンタープライズ領域におけるユーザー体験の重要性の高まりに対応し、ゲーム開発で培った3D技術やUI/UX、ゲーミフィケーションの知見を、モビリティのSDV開発をはじめとする各事業のアプリケーションへと展開している。

 

【2-3 財政状態】

◎BS

 

2026年3月末

2026年6月末

増減

 

2026年3月末

2026年6月末

増減

流動資産

54,118

51,620

-2,498

流動負債

20,591

17,563

-3,028

現預金

27,377

26,584

-793

仕入債務

8,730

8,821

+91

売上債権

19,051

17,163

-1,888

短期借入金

1,572

1,572

0

商品

1,194

1,324

+130

未払金・未払費用

2,799

2,980

+181

固定資産

6,961

6,492

-469

未払法人税

3,584

930

-2,654

有形固定資産

1,327

1,324

-3

負債

20,858

17,837

-3,021

無形固定資産

176

162

-14

純資産

40,221

40,276

+55

投資その他

5,457

5,005

-452

利益剰余金

46,822

46,618

-204

資産合計

61,079

58,113

-2,966

負債・純資産合計

61,079

58,113

-2,966

*単位:百万円。売上債権は受取手形と売掛金、契約資産の合計。短期借入金には1年内返済予定の長期借入金を含む。

 

現預金、売上債権の減少等で2026年6月末の総資産は前期末比29億66百万円減の581億13百万円。負債は同30億21百万円減の178億37百万円。純資産は前期末と同水準の402億76百万円。自己資本比率は前期末比2.9ポイント上昇の67.8%となった。

 

 

【2-4 トピックス】

◎富士スピードウェイとネーミングライツ契約を締結
2026年7月、富士スピードウェイ株式会社とネーミングライツスポンサーとして契約を締結した。
この契約により、2026年8月1日から富士スピードウェイ内のゴールブリッジは「システナゴールブリッジ」、第13コーナーは「2317コーナー」として呼称される。

 

(契約締結の背景)
自動車産業では、車両の機能や価値をソフトウェアによって継続的に進化させるSDV(Software Defined Vehicle)への移行が進んでいる。同社は、車載ソフトウェア開発、開発基盤、通信技術、クラウドなどの知見を集結し、モビリティ領域における事業を推進している。通信・金融など様々な基幹産業で最も大切にされてきた「可用性」と「安全性」を、ソフトウェア開発の現場で担ってきたが、この経験を、安心・安全なモビリティ社会にも活かしていく考えだ。
ソフトウェアの真価は、最終的に車両が実際に動く環境で問われる。富士スピードウェイは、日本のモータースポーツを長年にわたり支えるとともに、車両と技術が実走環境で評価され、多くの自動車メーカー、関連企業、技術者、そしてモータースポーツファンが集う日本有数の場であり、長期にわたりこの場に関わることは、モビリティに関わる人々との接点を継続的に築いていく重要な機会となると、同社では考えている。

 

(富士スピードウェイ株式会社 代表取締役社長 酒井 良氏のコメント)
富士スピードウェイは、健全なモータースポーツ活動の振興を使命とし、自動車文化の発展に貢献してまいりました。この度、自動車の価値がソフトウェアによって進化していく時代に挑戦されている株式会社システナ様を、ゴールブリッジ、第13コーナーという、当サーキットにおいて象徴的な2つの場所のネーミングライツパートナーとしてお迎えできることを歓迎いたします。

 

 

 

 

 

(同社リリースより)

 

3.2027年3月期業績予想

【連結業績】

 

26/3期 実績

構成比

27/3期 予想

構成比

前期比

進捗率

売上高

94,400

100.0%

98,000

100.0%

+3.8%

24.3%

EBITDA+S

15,819

16.8%

17,250

17.6%

+9.0%

23.9%

営業利益

15,367

16.3%

15,960

16.3%

+3.9%

24.0%

経常利益

16,145

17.1%

15,960

16.3%

-1.1%

25.0%

当期純利益

11,312

12.0%

10,630

10.8%

-6.0%

25.1%

*単位:百万円。EBITDA+Sは営業利益に減価償却費および株式報酬費用(新株予約権)を加えたもの。当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益

 

業績予想に変更なし、増収、営業増益を予想
売上高は前期比3.8%増の980億円、営業利益は同3.9%増の159億60百万円を予想している。
企業のDX投資の継続やAI活用の本格化、モビリティ分野におけるSDV化の進展などを背景に、事業機会は引き続き拡大するものと見込んでいる。一方で、業界全体における技術者不足の深刻化や人件費の上昇、顧客ニーズの高度化により、競争環境は一層厳しさを増している。
こうした環境変化を持続的成長に向けた好機と捉え、「技術者の採用・定着強化」「各事業の競争力の強化」「ストック型ビジネスの拡充」ならびに「AI等の成長領域への展開」を重点施策として推進する。これらの取り組みを通じて、収益基盤の安定化と事業ポートフォリオの進化を図り、中長期的な企業価値の向上に取り組む。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益には、取締役および従業員を対象とした新株予約権にかかる株式報酬費用8億40百万円を含んでいる。
配当は前期比4円/株増の18.00円/株を見込む。予想配当性向は60.5%。

 

4.今後の注目点

2024年から推進してきた大胆な構造改革の成果が結実し、同社の収益性は着実に向上している。四半期ベースの売上高営業利益率を見ると、20/3期以降23/3期までは期中に大きく上下しながらほぼ横這いであったが、24/3期第1四半期を底に、右肩上がりで上昇。ここ数四半期は15-17%台での推移となっている。注力中の「次世代モビリティ事業」はこの第1四半期も2桁の増収増益で、セグメント利益率は40%を超えた。「第3の創業期」と位置づけたこの3カ年で収益性がどこまで上昇するのか注目していきたい。

 

 

<参考1:中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)>

2026年5月、29/3期に向けた中期3カ年計画を公表した。
29/3期に「売上高1,200億円、EBITDA+S 215億10百万円、営業利益201億60百万円、営業利益率16.8%」の達成を目指す。積極的な成長投資を通じて収益性を高め、全てのステークホルダーに対して、長期的かつ持続的に価値を還元できる企業として、新たなステージへと進化していく考えだ。EBITDA+Sは営業利益に減価償却費および株式報酬費用(新株予約権)を加えたもの。

 

【参考1-1 中期経営計画策定の背景や概要】

同社グループは、2025年5月に公表した28/3期を最終年度とする中期経営計画に基づき事業を推進してきた。これまでの戦略が奏功し、目標達成に向けた施策は順調に進捗していることから、中長期的な発展への新たな挑戦として、29/3期を最終年度とする新たな中期3カ年計画を策定した。
足元の環境においては、半導体需給の変動や地政学リスクの高まりなど、事業活動に影響を及ぼし得る社会情勢の不確実性が増しているものの、AI活用の本格化やモビリティ分野のSDV化、顧客課題の高度化といった新たな成長機会が広がっている。
これらの機会を確実に捉えるべく、環境変化を冷静に見据え、特定の事業や市況に左右されない強靭な収益構造を構築し、持続的に成長する基盤を確立していく。
新計画では各事業の競争力強化、新規事業の創造によるさらなる多角化、人的資本経営の進化を軸として、同社グループの強みである多様な事業ポートフォリオを一段と進化させる。

 

【参考1-2 経営方針】

「各事業の競争力の強化と事業ポートフォリオの進化」「AI関連事業の本格展開とストック型ビジネスの拡大による収益構造の進化」「人的資本経営の進化と持続的成長基盤の強化」の3つを基本方針としている。

 

(1)各事業の競争力の強化と事業ポートフォリオの進化
同社グループの強みは、複数の事業が独立して収益を生み出す多角的な事業構造にある。新中期経営計画では、各事業がそれぞれの市場において他社を凌ぐ存在感を確立することを目指し、技術力、提案力、業界別ドメイン専門性をさらに高めていく。特にSDV化が進展するモビリティ事業においては、グローバル市場への展開と国内市場での成長機会の獲得を進める。あわせてそれぞれが高い競争力を備えた事業同士を連携させることで、単独の事業では実現し得ない総合的な提供価値を創出する。

 

(2)AI関連事業の本格展開とストック型ビジネスの拡大による収益構造の進化
AI時代の変化を成長機会へと転換していく。具体的には既存事業のAI駆動化およびAI関連の新たな事業領域への展開、ならびにストック型を含む多様な収益モデルの確立を進め、付加価値の高い収益構造へと進化させることで、収益の継続性と再現性を高めていく。

 

(3)人的資本経営の進化と持続的成長基盤の強化
人材は同社グループの競争力の源泉であり、その質と生産性は収益力に直結する。新中期経営計画では、高度専門人材の獲得力強化、一人当たり付加価値の継続的な向上、ならびに適正な処遇水準の確保を通じて、人的資本を企業価値の創出に結びつけていく。あわせて、ガバナンスの実効性向上、気候変動への対応、多様な人材が活躍できる環境整備を進め、持続的に成長する企業基盤を確立する。

【参考1-3 業績目標】

以下のような目標を掲げている。

 

26/3期実績

27/3期予想

29/3期計画

CAGR

売上高

94,400

98,000

120,000

+8.3%

EBITDA+S

15,819

17,250

21,510

+10.8%

営業利益

15,367

15,960

20,160

+9.5%

営業利益率

16.3%

16.3%

16.8%

-

*単位:百万円。EBITDA+Sは営業利益に減価償却費および株式報酬費用(新株予約権)を加えたもの。CAGRは26/3期から29/3期への3年間についてインベストメントブリッジが計算。

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

13名、うち社外5名(うち独立役員5名)

監査役

4名、うち社外4名(うち独立役員4名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2026年6月25日)
<基本的な考え方>
当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。
このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。
当社は、2026年7月付で改訂されたコーポレートガバナンス・コードの趣旨を深く理解し、新コードに沿ったガバナンス体制の整備を進めております。本報告書につきましては、新コードに基づく体制構築および開示準備の移行期間であるため、2026年7月改訂前のコーポレート・ガバナンス・コード(2021年6月改訂版)に基づき、当社の取り組み状況を記載・更新しております。新コードに対応した報告書につきましては、今後のガバナンス体制の検討進捗を踏まえ、2027年7月の提出期限までに開示する予定です。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
【原則2-4.女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】
【補充原則2-4①中核人材の登用等における多様性の確保】
当社は、性別・年齢・人種・国籍・新卒中途などの属性に関わらず管理職への登用を行っており、実力に応じた処遇と適材適所を方針としています。詳細は以下のホームページをご覧ください。
 「中核人材の多様性確保の考え方」 https://www.systena.co.jp/sustainability/esg_society/

 

【原則3-1.情報開示の充実】
【補充原則3-1③サステナビリティについての取組み】
当社のサステナビリティに関する取組みは以下のホームページをご覧ください。なお、プライム市場上場会社のみに課されているTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示についての当社の対応をご説明いたします。
 当社はITサービスの提供を社業としており、物品の製造など環境負荷の高い事業は行っておりませんので、現在のところ、気候変動問題が当社事業に重大な影響を及ぼすことは想定されません。しかしながら、地球環境が人類共通の財産であり未来からの大切な預かりものであるという認識に基づき、2004年からISO140001の認証を取得し、資源利用の低減とごみの排出削減に努めております。また、気候変動にかかる企業各社の対応のうちIT化にかかる部分はすべて当社の事業領域であり、当社の収益拡大は、お客様の業務効率化に貢献し、資源利用の低減とごみの排出削減へとつながり、地球環境保全に貢献します。このため、当社の成長が気候変動を抑えることにつながると考えております。また、当社は持続可能な未来に向けて、温室効果ガス(GHG)の削減目標を新たに策定いたしました。当社事業の省エネルギー化を徹底し、サプライチェーン全体で協働しながらカーボンニュートラルの実現に努めてまいります。なお、当社の環境に関する取り組みは、以下のホームページをご覧ください。
「当社のサステナビリティに関する取組み」 
https://www.systena.co.jp/sustainability/
「当社の環境に関する取組み」 
https://www.systena.co.jp/sustainability/esg_environment.html

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、原則、政策保有株式として上場株式を保有しない方針であります。しかし、企業価値向上に向けて戦略上重要な協業および取引関係の維持発展等が認められる場合は、取締役会において個別銘柄ごとに保有目的、保有意義等を検証し、保有の適否を判断しております。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
 「ディスクロージャーポリシー」 
https://www.systena.co.jp/ir/management/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

 

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】
(記載内容:取組みの開示(初回)、英文開示の有無:有り)
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するために、資本収益性を意識した経営が重要であると考えています。人的資本への投資や事業ポートフォリオの変革等の取り組みを推進することで、経営資源の適切な配分を実現していきます。また、成長性・資本収益性・財務健全性の3つのバランスをとり、バランスシートの最適化を実現することで、中長期的な企業価値の向上を目指します。

 

本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

Copyright(C) Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

 

ブリッジレポート(システナ:2317)のバックナンバーおよびブリッジサロン(IRセミナー)の内容は、www.bridge-salon.jp/でご覧になれます。

 

 

同社の適時開示情報の他、レポート発行時にメールでお知らせいたします。

>> ご登録はこちらから

 

ブリッジレポートが掲載されているブリッジサロンに会員登録いただくと、株式投資に役立つ様々な便利機能をご利用いただけます。

>> 詳細はこちらから

 

投資家向けIRセミナー「ブリッジサロン」にお越しいただくと、様々な企業トップに出逢うことができます。

>> 開催一覧はこちらから