ブリッジレポート:(4847)インテリジェント ウェイブ 2026年6月期決算
![]() 川上 晃司 社長 | 株式会社インテリジェント ウェイブ(4847) |
![]() |
企業情報
市場 | 東証プライム市場 |
業種 | 情報・通信 |
代表者 | 川上 晃司 |
所在地 | 東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー |
決算月 | 6月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(期末) | 時価総額 | ROE(実) | ROA(実) | |
1,350円 | 26,340,000株 | 35,559百万円 | 15.2% | 11.8% | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
37.00円 | 2.7% | 58.22円 | 23.2倍 | 384.42円 | 3.5倍 |
*株価は8/26終値。各数値は26/6期決算短信より。発行済株式数は自己株式を含む。
非連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | DPS |
2023年6月(実) | 13,374 | 1,556 | 1,603 | 1,165 | 44.34 | 20.00 |
2024年6月(実) | 14,518 | 2,030 | 2,072 | 1,420 | 54.19 | 40.00 |
2025年6月(実) | 15,596 | 1,848 | 1,890 | 1,349 | 51.55 | 35.00 |
2026年6月(実) | 17,247 | 2,076 | 2,129 | 1,487 | 56.79 | 37.00 |
2027年6月(予) | 17,700 | 2,200 | 2,240 | 1,530 | 58.22 | 37.00 |
*予想は会社予想。単位:百万円。
(株)インテリジェント ウェイブの2026年6月期決算概要などについてご報告いたします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2026年6月期決算概要
3.2027年6月期業績予想
4.中期経営計画(25/6期-27/6期)
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 26/6期の売上高は前期比10.6%増の172億47百万円。決済領域はFEP・不正検知分野が大きく伸長した。データ通信・分析基盤領域やセキュリティ領域も増収。製品カテゴリ別では、システム開発は減収ながらも概ね計画通りの水準を確保。クラウドサービスはユーザー数の増加や既存ユーザーの機能追加等により増収。他社製品はFEPシステム更改により大幅な増収。自社製品・サービスも大きく伸びた。営業利益は同12.3%増の20億76百万円。利益面では、クラウドサービスを提供する一部顧客への品質対応やセキュリティ領域の製品構成の影響を受けたことで売上総利益率は前期29.9%から28.7%に低下したが、増収効果により2桁増益を確保した。四半期ベースでは、例年通り低い水準でスタートしたが4Qに大きく伸ばした。期末配当は20.00円/株を実施する。年間では前期から2.00円/株増配の37.00円/株。
- 27/6期は売上高が前期比2.6%増の177億円、営業利益は同6.0%増の22億円の予想。主要顧客向けシステム更改案件を中心としたシステム開発は引き続き堅調に推移する見込み。一方で、前期に大きく売上を伸ばしたハードウェア販売は前期並みの水準を見込み、クラウドサービスは顧客基盤の拡大を背景に安定的な成長となる見通し。利益面では、前期に発生した品質対応の影響は収束しており、品質管理の強化や生産性向上の取り組みを進めることで、収益性の改善を図っていく。配当は前期と同じ37.00円/株(うち2Q末17.00円/株)を予定。予想配当性向は63.6%。
- 25/6期から続く一部案件で品質強化への対応が長期化していたが、4Qにしっかりと巻き返して26/6期は2桁増収増益を確保し、売上高・各利益で過去最高を更新した。これまでに大きく伸ばしてきたストック案件が売上に反映されてきており、引き続き事業基盤は着実に拡大している。27/6期も高水準の受注残を着実に売上計上していくことが考えられる。また、品質対応に伴う利益率低下の反動も考えられる。27/6期は中期経営計画最終年度にあたる中、今後の目標数値にも期待したい。また、受注残高が落ち着いてきた中で期中には再び増加基調に戻したいところでもある。決算発表後に株価は急騰し、ここ数年の高値水準にある。それでも、受注残から今後見込まれる利益水準を考慮しても見直し余地がありそう。新規事業の創出を打ち出しており、今後の収益貢献に期待したい。
1.会社概要
クレジットカード決済等のオンラインシステムに利用される金融フロントシステムで国内シェアNo.1のソフトウェア開発会社。
金融フロントシステムは、店舗の端末や銀行の店外CD/ATM・海外ATM等をクレジットカード会社や銀行等のネットワークに接続して取引データの受渡しを行う。“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“システムを止めないためのノンストップ技術”、および“高度なセキュリティ技術”を技術基盤とし、カード不正利用検知システムや証券関連の情報集配信システムでも豊富な実績を有する。
地銀やノンバンク等向けの金融フロントシステムやカード不正利用検知システムのクラウドサービスも伸びている。営業面では、筆頭株主として議決権の50.73%を保有する大日本印刷(DNP、コード7912)およびそのグループ企業との連携が強みとなっている。
【経営理念】
ミッション Mission | IT基盤の提供により社会の仕組みを支える。 | (同社HPより) ![]() |
ビジョン Vision | 人々の生活に価値をもたらし、 新たな信頼性を創造する。 | |
バリュー Value | 個人は「探究と研鑽」を通じて成長し、チームは「対話と創造」によって新たな価値を生み出し、事業は「大局的な視点」で運営する。これらを「誠実さと価値を追求」に基づいて実践すること。 |
【事業内容】
金融業界を中心とした全業種の企業を主要顧客として、決済を中心に、さまざまなデータの受渡しに必要なシステム(ITインフラ)を開発するほか、保守、クラウドサービスなどの提供、製品およびハードウェアの販売、データの利活用に係る情報セキュリティ対策、サイバーセキュリティ対策製品の開発・販売などを手掛けている。
システム開発は、クレジットカードの決済処理を完遂するために必要なネットワーク接続やカードの使用認証等の機能をもつFEP(Front End Processor)システムの開発業務などが中心。
◎事業変遷
・1980年代に、国内における24時間365日オンラインカード決済の実現に貢献,
決済ネットワーク接続・認証システム「NET+1」を開発し、トップシェアを獲得
・高速・大容量のデータ通信・分析技術をコア技術に、自社プロダクトを開発
・2003年に、内部情報漏洩対策製品「CWAT」を開発し、情報セキュリティ事業に参入
・2019年からは、随時新たな事業領域を拡大させている

(同社資料より)
◎キャッシュレス決済の仕組み
店舗やECサイト等において、キャッシュレス決済を利用すると、いくつかの事業会社のシステムを経由し、決済が完了する。

※一部ネットワークおよびデータの流れ等を省略
(同社資料より)
◎インテリジェント ウェイブの決済事業領域
クレジットカード会社システムの対外接続部分において、シェアが高い。
今後は、アクワイアリング分野や、システム運用サービス等を中心に領域拡大を進めていく方針。

(同社資料より)
◎決済ソリューション
FEP、不正検知、アクワイアリング分野は、自社プロダクト・サービスをベースにシステムを提供している。

※クレジットカード会社主要25社における導入社数(同社調べ、2025年9月時点)
※クラウドサービスの提供も含む
(同社資料より)
オンプレ開発
■導入に必要なシステム一式を顧客が保有、一定期間ごとにシステム更改
■顧客ニーズに応じて柔軟にカスタマイズ可能
■大手カード会社の高いシェアを保持
クラウドサービス
■同社が保有するシステムを顧客に提供、月額料金制(複数年契約)
■初期投資費用が抑えられ、中規模カード会社・新規参入企業などが利用
◎セキュリティソリューション
「組織内部からの情報漏洩」と「組織外部からのサイバー攻撃」の双方に、自社製品「CWAT」と海外のサイバーセキュリティ製品を販売する。販売については親会社DNPグループと協業している。
主な製品と概要
製品 | 概要 |
| 内部情報漏洩対策ソリューション オンプレミス版とクラウド版を提供 |
| 攻撃を「成立させない」エンドポイントセキュリティ |
| 統合型セキュリティプラットフォーム 次世代エンドポイントセキュリティ セキュリティ運用を変える、AIと自動化技術 |
![]() | 拡張クラウドファイアウォール オールインワン・クラウドセキュリティ |
2.2026年6月期決算概要
2-1 業績概要(非連結)
| 25/6期 | 構成比 | 26/6期 | 構成比 | 前期比 | 会社予想 | 予想比 |
売上高 | 15,596 | 100.0% | 17,247 | 100.0% | +10.6% | 17,200 | +0.3% |
売上総利益 | 4,666 | 29.9% | 4,948 | 28.7% | +6.0% | - | - |
販管費 | 2,818 | 18.1% | 2,872 | 16.7% | +1.9% | - | - |
営業利益 | 1,848 | 11.9% | 2,076 | 12.0% | +12.3% | 2,000 | +3.8% |
経常利益 | 1,890 | 12.1% | 2,129 | 12.3% | +12.6% | 2,050 | +3.9% |
当期純利益 | 1,349 | 8.7% | 1,487 | 8.6% | +10.2% | 1,420 | +4.7% |
*単位:百万円
営業利益増減要因

*単位:百万円
(同社資料より)
2桁増収増益
売上高は前期比10.6%増の172億47百万円。決済領域はFEP・不正検知分野が大きく伸長した。データ通信・分析基盤領域やセキュリティ領域も増収。製品カテゴリ別では、システム開発は減収ながらも概ね計画通りの水準を確保。クラウドサービスはユーザー数の増加や既存ユーザーの機能追加等により増収。他社製品はFEPシステム更改により大幅な増収。自社製品・サービスも大きく伸びた。ストック・フロー別ではいずれも売上が伸びている。
営業利益は同12.3%増の20億76百万円。利益面では、クラウドサービスを提供する一部顧客への品質対応やセキュリティ領域の製品構成の影響を受けたことで粗利面で苦戦して、売上総利益率は前期29.9%から28.7%に低下した。販管費は1.9%増加し、営業利益率は前期並みとなり、増収効果により2桁増益を確保した。
四半期ベースでは、例年通り1Q(7-9月)は低い水準でスタート、3Q(1-3月)も減速したが4Q(4-6月)に大きく伸ばした。
期末配当は20.00円/株を実施する。年間では前期から2.00円/株増配の37.00円/株。

◎事業領域別売上高
| 25/6期 | 構成比 | 26/6期 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 15,596 | 100.0% | 17,247 | 100.0% | +10.6% |
決済 | 12,755 | 81.8% | 14,285 | 82.8% | +12.0% |
FEP | 5,525 | 35.4% | 6,315 | 36.6% | +14.3% |
不正検知 | 2,604 | 16.7% | 3,467 | 20.1% | +33.1% |
アクワイアリング | 2,851 | 18.3% | 2,693 | 15.6% | -5.6% |
その他 | 1,772 | 11.4% | 1,809 | 10.5% | +2.0% |
セキュリティ | 2,022 | 13.0% | 2,067 | 12.0% | +2.2% |
データ通信・分析基盤 | 817 | 5.2% | 894 | 5.2% | +9.4% |
*単位:百万円
決済領域では、主力のFEP・不正検知分野において主要顧客のシステム更改等が進捗したことにより、ハードウェア販売に加えて下期にはシステム開発売上も増加した。カード会社における基幹システムのモダナイズやカード不正利用対策をはじめとするシステム投資需要は堅調に推移している。データ通信・分析基盤領域については、証券会社向けのシステム開発が増加した。
◎製品カテゴリ別売上高
| 25/6期 | 構成比 | 26/6期 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 15,596 | 100.0% | 17,247 | 100.0% | +10.6% |
システム開発 | 6,838 | 43.8% | 6,187 | 35.9% | -9.5% |
保守 | 1,619 | 10.4% | 1,677 | 9.7% | +3.6% |
自社製品・サービス | 548 | 3.5% | 807 | 4.7% | +47.3% |
他社製品(ハードウェア等) | 1,087 | 7.0% | 2,214 | 12.8% | +103.7% |
クラウドサービス | 3,479 | 22.3% | 4,293 | 24.9% | +23.4% |
セキュリティ | 2,022 | 13.0% | 2,067 | 12.0% | +2.2% |
*単位:百万円
システム開発は、上期は大型案件収束の影響を受けたが、下期から主要顧客向けシステム更改案件等が進捗した。クラウドサービスは、ユーザー数増加や既存ユーザーの機能追加等により増収。他社製品は、主要顧客向けFEPシステム更改に伴うハードウェア販売により大幅な増収。
2-2 受注動向
| 25/6期 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 26/6期 1Q | 2Q | 3Q | 4Q |
受注残高 | 18,636 | 21,795 | 21,187 | 20,311 | 20,238 | 19,024 | 18,790 | 18,429 |
うち、クラウド | 10,326 | 11,449 | 10,935 | 10,850 | 9,995 | 9,750 | 9,036 | 9,407 |
受注高 | 5,594 | 7,156 | 3,382 | 3,189 | 3,673 | 3,392 | 3,911 | 4,388 |
*単位:百万円
受注高・・・前年にクラウドサービス・セキュリティ領域等で大型の複数年契約案件を獲得した反動で減少しているが、ここ1年は四半期に30~40億円台で安定して推移している。
■システム開発は、主要顧客の更改案件等を複数受注して増加した
■クラウドサービスでは、27/6期初に大型案件の受注を見込んでいる
製品カテゴリ別受注高

(同社資料より)
受注残高・・・連続で減少しているが、25/6期2Qに急増した受注をこなしている状況といえそう。
■システム開発は、主要顧客の更改案件等により増加した
■前期比では減少しているものの、24/6期と比較すると受注残高の規模は拡大している
製品カテゴリ別受注残高

(同社資料より)
参考:ストック/フロー別売上高・受注残高

(同社資料より)
ストック:契約の形態や業務の実態等から判断して、定常的に一定規模の売上高を計上できる案件(クラウドサービスやセキュリティ製品の利用料、自社サービス、システム運用保守、自社製品や他社製品の保守等)
フロー:契約の規模や成立時期が定常的ではない案件(システム開発、自社製品や他社製品の販売等)
2-3 財政状態およびキャッシュ・フロー
◎要約BS
| 25年6月 | 26年6月 | 増減 |
| 25年6月 | 26年6月 | 増減 |
流動資産 | 10,460 | 9,880 | -579 | 流動負債 | 8,417 | 6,436 | -1,980 |
現預金 | 6,431 | 4,643 | -1,788 | 買入債務 | 417 | 636 | +219 |
売上債権 | 1,685 | 2,853 | +1,168 | 前受金 | 5,734 | 4,870 | -863 |
固定資産 | 8,229 | 7,452 | -777 | 固定負債 | 797 | 831 | +33 |
有形固定資産 | 1,336 | 1,447 | +111 | 退職給付引当金 | 614 | 636 | +22 |
無形固定資産 | 4,154 | 3,453 | -700 | 負債合計 | 9,215 | 7,267 | -1,947 |
ソフトウェア | 3,843 | 3,038 | -805 | 純資産 | 9,475 | 10,065 | +590 |
投資その他の資産 | 2,739 | 2,551 | -187 | 利益剰余金 | 7,717 | 8,232 | +514 |
資産合計 | 18,690 | 17,333 | -1,357 | 負債・純資産合計 | 18,690 | 17,333 | -1,357 |
*単位:百万円
現預金の減少等により、総資産は前期末比13億57百万円減少。
前受金の減少等により、負債合計は同19億47百万円減少。
利益剰余金の増加等で純資産は同5億90百万円増加。
自己資本比率は前期末より7.4ポイント上昇し、58.1%となった。
◎CF
| 25/6期 | 26/6期 | 増減 |
営業CF | 4,263 | 313 | -3,950 |
投資CF | -1,599 | -1,730 | -131 |
フリーCF | 2,664 | -1,416 | -4,081 |
財務CF | -1,052 | -975 | +77 |
現金・同等物残高 | 6,422 | 4,034 | -2,388 |
*単位:百万円
営業CFのプラス幅は減少、投資CFのマイナス幅は増加し、フリーCFはマイナスに転じた。財務CFのマイナス幅は横ばい。
キャッシュ・ポジションは大きく減少した。
3.2027年6月期業績予想
3-1 業績予想
| 26/6期 | 構成比 | 27/6期(予) | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 17,247 | 100.0% | 17,700 | 100.0% | +2.6% |
営業利益 | 2,076 | 12.0% | 2,200 | 12.4% | +6.0% |
経常利益 | 2,129 | 12.3% | 2,240 | 12.7% | +5.2% |
当期純利益 | 1,487 | 8.6% | 1,530 | 8.6% | +2.9% |
*単位:百万円
27/6期は増収増益を見込む
27/6期は売上高が前期比2.6%増の177億円、営業利益は同6.0%増の22億円の予想。
売上高は前期と比較して緩やかな伸びとなる見通し。主要顧客向けシステム更改案件を中心としたシステム開発は引き続き堅調に推移する見込み。一方で、前期に大きく売上を伸ばしたハードウェア販売は前期並みの水準を見込み、クラウドサービスは顧客基盤の拡大を背景に安定的な成長となる見通し。利益面では、前期に発生した品質対応の影響は収束しており、品質管理の強化や生産性向上の取り組みを進めることで、収益性の改善を図っていく。
3-2 27/6期の重点施策
それぞれの事業領域で以下の重点施策に取り組む。

また、全社で共通する施策として①AI活用、②人材戦略(強化人財像と重点ロールの明確化、AI前提業務への転換と人財マネジメント変革)を掲げている。
3-3 AIを活用した経営基盤強化
開発や品質保証にAIを組み込み、開発生産性と品質向上を強化し、既存サービスの高度化や新規事業創出にも取り組む。
①で創出したリソース・実践知を②、③へ再投資。
全社基盤としてAIガバナンスの整備とAI活用中核人材の育成・配置を掲げる。
①社内変革(守り・効率)・・・自社の開発・品質保証にAIを実装し生産性と品質を高める
・AI駆動開発:CWAT製品開発で先行し、設計・実装・テストの全工程へ適用
・AIによる品質保証の高度化:QCD(品質・コスト・納期)のAI監視/AI駆動開発の品質統治
・AI駆動開発ツールの利用促進・活用深化:AI活用中核人材が牽引
②既存事業の高度化
既存事業にAIを組み込み提供価値を高める
・決済×AI:不正検知の高度化
・セキュリティ×AI:「CWAT」等へのAI適用
・運用×AI:監視・運用サービスの高度化
③新規事業の創出
既存の強みを起点に、AI時代の成長市場で新たな収益源を育てる
・AI組込み型サービスの創出
・次世代決済への接続・不正検知・監視
・AIエージェント統制:CWATの知見をAI時代の脅威へ拡張

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
配当は前期と同じ37.00円/株(うち2Q末17.00円/株)を予定。予想配当性向は63.6%。
4.中期経営計画(25/6期-27/6期)
4-1 全社戦略
決済、セキュリティ、テクノロジー領域を中心とした、さまざまな分野で積極的に事業展開することで、人々の生活に価値をもたらし、新たな信頼性を創造していく。
「Transformation for the Future」
(1)決済領域は、独自のプロダクトや決済業界におけるポジションを活かし、事業領域を拡大することで持続的な成長を図る
(2)セキュリティ領域を第二の柱へと成長させる
(3)コア技術を活用したデータ通信・分析基盤領域を成長市場へ展開し、決済やセキュリティに続く第三の柱を創出する
(4)DNPグループとの連携をより進め、それぞれの顧客基盤を活用しながら事業競争力を強化、グループ・シナジーを創出する
4-2 基本方針
2030年代の市場環境に向け、新たな信頼性を創造する製品・サービスを開発し続けていくため、「事業」「技術」「人財」の3つの“変革”に注力していく考え。
01 事業の変革
①既存事業と新規事業の価値最大化、保有ソリューションの価値最大化
②決済領域から新領域への事業拡大
③収益構造見直しによる収益性向上。プロダクト指向への回帰
02 技術の変革
①コア技術と最先端技術・DXとの掛け合わせによる優位性の確保、価値の最大化、価値の創出
②開発、保守、運用の合理化
03 人財の変革
①事業企画人財の育成、コンサル機能強化
②R&D機能の強化
③事業戦略に即した人財流動化
4-3 数値目標
中期経営計画最終年度である27/6期に売上高190億円、営業利益28億50百万円、ROE17.0%以上を目指す。ただし、27/6期予想は以下の通りで未達となる見通し。
2030年代においては、多角化による事業領域の拡大と、各領域における収益性の向上により、売上高300億円規模、営業利益率18.0%以上を目指す。
| 25/6期 実績 | 26/6期 実績 | 27/6期 予想 | 27/6期 計画 |
売上高 | 15,596 | 17,247 | 17,700 | 19,000 |
営業利益 | 1,848 | 2,076 | 2,200 | 2,850 |
営業利益率 | 11.9% | 12.0% | 12.4% | 15.0% |
ROE | 14.4% | 15.2% | - | 17.0%以上 |
*単位:百万円
5.今後の注目点
25/6期から続く一部案件で品質強化への対応が長期化したことにより、3Q累計では営業減益となっていた。しかし、4Qにしっかりと巻き返して通期では2桁増収増益を確保し、売上高・各利益で過去最高を更新した。増収基調を維持しながら、利益率も改善させている。また、ここ数年で大幅に増加した受注残高は引き続き高水準を維持している。これまでに大きく伸ばしてきたストック案件が売上に反映されてきており、引き続き事業基盤は着実に拡大している。
27/6期も高水準の受注残を着実に売上計上していくことが考えられる。また、品質対応に伴う利益率低下の反動も考えられる。27/6期は中期経営計画最終年度にあたる中、今後の目標数値にも期待したい。また、受注残高が落ち着いてきた中で期中には再び増加基調に戻したいところでもある。
決算発表後に株価は急騰し、ここ数年の高値水準にある。それでも、受注残から今後見込まれる利益水準を考慮しても見直し余地がありそう。新規事業の創出を打ち出しており、今後の収益貢献に期待したい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 8名、うち社外3名 |
監査役 | 5名、うち社外3名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2025年10月1日)
基本的な考え方
当社は、株主をはじめとする様々なステークホルダーに対し、経営の透明性と公正性の確保、迅速・果断な意思決定を行う経営体制を整えていくことが、コーポレート・ガバナンスの基本であると認識しております。企業価値の最大化とステークホルダーとの信頼関係構築に向けて、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しています。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則1-4 政策保有株式】
<政策保有株式の縮減に関する方針・考え方>
当社は、当社の事業の拡大や関係強化を目的に政策保有株式として上場株式を保有していますが、随時に保有の適否を検証し、保有を継続することが当社及び発行会社の価値向上に貢献しないものと判断される株式については、保有を継続せず順次縮減する方針です。
<政策保有株式の保有の適否の検証内容>
保有する株式については、四半期ごとに発行会社の経営状況を把握し、その将来性や当社事業との関連性を評価し、保有による中長期的な経済合理性について総合的に検証します。保有によるリスクとリターンは、資本コスト等の指標も用いてなるべく具体的に検証するよう努めます。また、保有株式を売却した場合、売却に至る検証の内容を可能な限り開示することとします。
<政策保有株式に係る議決権行使の基準>
当社は、長期的に、当社の事業の拡大と双方の関係強化が見込まれることと、双方の企業価値の向上に資することを基本方針にして、保有株式の議決権行使を行います。また、こうした方針によって各議案についての検討を行うこととしています。
今後、政策保有の上場株式の銘柄数が著しく増加する等の事情が生じた場合は、別途議決権行使の基準を整える等の手段によって、行使の方針に沿った適切な対応をとる予定です。
【補充原則2-4① 多様性の確保について】
当社は、性別や国籍、年齢、障がいの有無などの属性の違いを活かし、付加価値を生み出していくため、多様な価値観を有する人材の採用を進めています。こうした多様化する社員に適合する職場環境や制度を構築することは、中長期的な成長のために必要不可欠です。
女性社員の活躍を推進するため、女性管理職、高度専門職の人数を2022年6月期の11名から2025年6月期には23名へ倍増することを目標として、様々な施策の強化に取り組んできました。その結果、2025年6月期には17名まで増加したものの、特に技術職及び営業職における登用については依然としてさらなる推進が求められる状況です。これを踏まえ、2027年6月期までに技術職及び営業職における女性管理職・高度専門職比率を9.0%以上(5名以上増)とすることを新たな目標として設定し、女性社員向けキャリア研修及び管理職候補者に対する育成プログラムの計画・実施を進めていきます。また、外国籍社員も積極的な登用をしています。
なお、管理職登用については、国籍や採用の形態を判断の基準にしていないため、外国人、中途採用者の管理職登用について、測定可能な目標を定めていません。
2025年6月末時点で、全社員519名のうち中途採用者は237名です。
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主や投資家の皆様との双方向の対話を実施しております。株主や投資家との対話においては、代表取締役社長が建設的な対話に向けた統括を行い、IR・サステナビリティ推進室が社内関係部署と連携のうえ、IR活動をサポートしています。対話を通じていただいたご意見は、四半期に1回、取締役会へ報告し、その内容を共有しています。
具体的な活動としては、四半期ごとに、アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催し、決算説明会終了後には決算説明会動画や当日の質疑応答も含めた決算説明会書き起しをコーポレートサイトに掲載しています。また個人投資家の皆様にも、当社や当社事業への理解を深めてもらうため、個人投資家向け説明会をはじめ、各種イベント等を企画し、実施しています。
株主との対話に際しては、IRポリシーに則り適切な情報開示に努めるとともに、「インサイダー取引防止規程」に従い、インサイダー情報の管理、徹底を図り、情報漏洩防止に努めています。
<株主との対話の実施状況等 >
株主や投資家との個別面談については、代表取締役社長や取締役が、可能な限り直接対話をしています。個別面談においては、業績、事業環境や、今後の見通し等についての確認から、中長期的な成長戦略や人的資本を中心としたサステナビリティ活動、親会社との関係性などが話題に挙がります。個別面談でいただいたご意見等は、四半期に1回、取締役会で共有し、経営の参考にしています。
<資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応 >
当社では、継続的な収益力の向上及び事業運営の効率性を示す営業利益率と、単一事業に近く有利子負債もないことからROE(自己資本利益率)を資本効率性の指標とし、それぞれ重要な経営指標として事業推進を行っています。
資本効率については、今中期経営計画より目標を提示し、その実現に向けて事業戦略を中心に市場に伝える努力を重ねてきました。今後、将来の企業価値向上のため、各事業の収益性や主要な投資について、資本コスト等を上回る利益成長を描けるか、検討を進めていきます。
2025年6月期は資本コストを意識した経営について、取締役会でのディスカッションを開始しました。現状把握のため、①時系列の推移、②同業他社との比較、③開示状況と機関投資家の見方の観点で分析し、当社としての課題整理を実施しています。また、資本コストについて改めて算定を行った結果、7~10%と見積られたため(CAPMや株式益利回り等による)、当該資本コストを基に事業ポートフォリオの再編や投資判断を行っていきます。今後も資本収益性の向上を経営の重要課題と位置づけ、ROEと資本コストの差(エクイティスプレッド)をモニタリングしながら、資本コストを上回る収益性を追求します。また、市場との対話については、これまで以上に建設的な対話とするため、資本効率等の課題を含めて向き合っていくことが、当社の企業価値及び株主価値の向上に資すると考えています。市場との対話で重視する経営指標としては、これまでどおり以下項目を定め、決算説明会等を通じて進捗状況を説明しています。
<重視する経営指標・目標値>
今中期経営計画では、2027年6月期に以下の目標を定めています。
・ROE 17%以上
・営業利益率15%
・配当性向 50%を目安とする
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