ブリッジレポート
(4255) THECOO株式会社

グロース

ブリッジレポート:(4255)THECOO 2026年12月期中間期決算

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平良 真人 CEO

THECOO株式会社(4255)

 

 

企業情報

市場

東証グロース市場

業種

情報・通信業

代表者

平良 真人

所在地

東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル

決算月

12月

HP

https://thecoo.co.jp

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

ROA(実)

3,490円

2,117,521株

7,390百万円

39.0%

7.2%

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.0円

-

289.48円

12.1倍

257.62円

13.5倍

*株価は9/2終値。25年12月期決算短信および26年12月期中間期決算短信より。

 

業績推移(非連結)

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2022年12月

4,279

-212

-210

-488

-

0.0

2023年12月

3,806

-544

-553

-764

-

0.0

2024年12月

4,331

-68

-63

-69

-

0.0

2025年12月

4,831

197

215

174

83.34

0.0

2026年12月(予)

6,140

700

720

610

289.48

0.0

*予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

 

THECOO株式会社の2026年12月期中間期決算概要などをご紹介致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2026年12月期中間期決算概要
3.2026年12月期業績予想
4.平良代表取締役CEOへのインタビュー
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • WEB、Android、iOSで提供するファンビジネスプラットフォーム「Fanicon」を運営する「ファンビジネスプラットフォーム事業」、及びYouTuberやインスタグラマー等を活用したマーケティング支援を行う「インフルエンサーセールス事業」と運用型広告のコンサルティングを行う「デジタル広告事業」などを提供する「デジタルマーケティング事業」を展開している。2014年設立、21年12月に東証マザーズ市場へ新規上場。22年4月に市場区分の見直しに伴い東証グロース市場へ移行。

     

  • 26/12期中間期の売上高は前年同期比28.6%増の28億27百万円。ファンビジネスプラットフォーム事業が27.9%増収、デジタルマーケティング事業は31.3%増収といずれも2桁増収。営業利益は3億7百万円(前年同期は24百万円の利益)となり、前年同期から10倍超の大幅増益。売上総利益率が前年同期44.8%から50.9%へ向上して売上総利益は前年同期比46.0%増。販管費は人件費の増加等はあったものの、17.6%増にとどめた。セグメント別には、ファンビジネスプラットフォーム事業が大幅な増益となり、デジタルマーケティング事業でも損失が縮小した。

     

  • 通期予想は大幅上方修正。26/12期は、売上高が前期比27.1%増の61億40百万円、営業利益は同255.1%増の7億円を予想。ファンビジネスプラットフォーム事業においては、新規アイコンの獲得に伴うファン数の増加による月額利用料金の増加が続く見通し。デジタルマーケティング事業においては、新たに台頭するインフルエンサーとのネットワークを強化する。利益面では、Faniconのファン数増加やトラフィック急増時に備えたインフラ強化のための開発費や人材獲得のための人件費が増加する見込み。また、新規サービスの探索活動および追加販路の開拓に係る投資も行う。

     

  • 平良CEOへ26/12期中間決算や今後の見通しなどについてインタビューした。株主へのメッセージとして「既存事業を伸ばしながらしっかりと新規投資も行って売上・利益とも伸ばし、財務体質も改善させて株主還元にもつなげていきたいと思っております。」とコメント。なお、中期計画については、現在策定の準備段階にあり、2027年度中に公表を視野に入れている模様。

     

  • 23/12期の従業員不正行為に伴う成長鈍化により赤字が続いていた。こうした中にあっても既存事業を粛々と進展させて売上成長を取り戻していた。23/12期下期をボトムに四半期毎に売上が伸び、25/12期は期中2度の上方修正を経ての着地となった。26/12期においてはこの流れをさらに加速、会社の想定も大きく上回って上方修正となった。ファンビジネスプラットフォーム事業の安定成長は当面続くだろう。また、売上成長とともにプライシングを最適化させることにより利益率も一気に伸びている。株価も見直しが進むが、21年の公開価格には遠く及ばない。26/12期には25/12期の過去最高売上高・営業利益を大幅に更新する見通し。こうした急速な成長を見せているにも関わらず、PERは低位にとどまっており評価不足と言わざるを得ない。今後の四半期毎の成長を見ていきたい。

     

     

1.会社概要

WEB、Android、iOSで提供しているファンビジネスプラットフォーム「Fanicon」を運営する「ファンビジネスプラットフォーム事業」、及びYouTuberやインスタグラマー等を活用したマーケティング支援を行う「インフルエンサーセールス事業」と運用型広告のコンサルティングを行う「デジタル広告事業」などを提供する「デジタルマーケティング事業」を展開している。
「Fanicon」は17年12月の提供開始以降、インフルエンサーだけでなく、アーティストや著名人が幅広く利用し、ファンコミュニティだけでなく、ECやチケットなどを統合して扱えるファンビジネスプラットフォーム事業へと拡大してきた。

 

社名「THECOO」の由来は、般若心経の中の文句「色即是空(しきそくぜくう)」。
この世の万物は形をもつが、その形は仮のもので、本質は空(くう)であり、不変のものではないという意味である。
人の人生は、儚く脆くあっという間に過ぎ去る。ならば、『人生を思いっきり楽しみましょう』。
平良社長のこのような思いが込められている。

 

【1-1 沿革】

平良代表取締役CEOが一橋大学卒業後に伊藤忠商事、SONY、Googleなどを経てデジタル広告事業を行う企業として2014年に設立。15年にインフルエンサーセールス事業を開始し17年にはファンビジネスプラットフォーム事業を立ち上げた。21年12月に東証マザーズ市場へ新規上場。22年4月に市場区分の見直しに伴い東証グロース市場へ移行。

 

年 月

概要

14年 1月

東京都品川区大崎にデジタル広告事業を行うルビー・マーケティング株式会社設立

3月

東京都港区南麻布二丁目に本社を移転

9月

東京都港区芝二丁目に本社を移転

15年 1月

インフルエンサーセールス事業を開始

1月

YouTubeクリエイターと広告主企業のマッチングサービス「iCON CAST」の提供開始

16年 2月

THECOO株式会社に社名変更

2月

マーケティングとインフルエンサーについて考えるオウンドメディア「RIPPLY」の運用開始

7月

東京都目黒区目黒二丁目に本社を移転

12月

美容ファッション・ライフスタイルに焦点をあてたインフルエンサーマネジメント事業を行うため、

子会社HUITMORE株式会社(所有持分51%)を設立

17年 3月

インフルエンサーマネジメント事業として社内にゲーム実況者に特化した事務所「Studio Coup」を立ち上げ

12月

ファンビジネスプラットフォーム事業を開始

ファンコミュニティプラットフォームであるアプリ「Fanicon」をリリース

18年 3月

東京都渋谷区神宮前三丁目に本社を移転

19年 3月

HUITMORE株式会社の全株式を取得

5月

HUITMORE株式会社を吸収合併

20年 3月

チケット制ライブ配信サービス「Fanistream」の提供開始

21年 4月

チケット制ライブ配信サービス「Fanistream」をリニューアルし、「CaSsette」の提供開始

4月

新宿御苑にスタジオ「BLACKBOX³」をオープン

5月

NTTドコモとライブ配信事業に関する業務提携契約を締結

12月

東証マザーズに新規上場

22年 4月

東証市場区分見直しに伴いマザーズ市場からグロース市場に移行

8月

東京都渋谷区神宮前二丁目に本社を移転

23年 6月

Faniconプラットフォームにおけるオンデマンド製造サービスを新たにリリース

 

【1-2 経営方針】

方針
“できっこない”に挑み続ける
個人が失敗を恐れず、自由に表現し、活躍できる社会に。

挑戦はイノベーションを生み出しますが、残念ながら、全ての挑戦がすぐに報われるわけではありません。

努力が実らないことも、続ける意義を見失ってしまうこともあります。

挑戦に失敗はつきもの。「失敗しても諦めず、成功するまで続ければ、いつかは必ず成功する」

とTHECOOは信じています。

私たちは全てのユーザー、クライアント、そして社員のさまざまな領域における挑戦を、全力でサポートします。

 

インフルエンサーやデジタル広告、ファンコミュニティビジネスに限定することなく、テクノロジーの力を最大限に活かして、公序良俗に反することなく“できっこない”に立ち向かい、挑戦し続ける企業・組織・人を目指す。

 

【1-3 事業内容】

BtoCであるファンビジネスプラットフォーム事業およびBtoBであるデジタルマーケティング事業の2セグメント。ファンビジネスプラットフォーム事業は成長事業、デジタルマーケティング事業はコア事業と位置付けている。相互にデータ・顧客基盤・ノウハウ等を共有している。
  ファンビジネスプラットフォーム事業               デジタルマーケティング事業

(同社資料より)

 

アイコン・・・コミュニティのオーナー且つ運営主体
ファン・・・月額料金を支払い、コミュニティに加入するユーザー
レポーティング・・・広告運用についての定期報告、内容は出稿金額、獲得コスト、広告運用方法等
ファンから受け取る収益は、月額利用料金とポイント購入、ECでの物販などで構成される。
「Fanicon」=「Fan」+「Icon」

 

(1)ファンビジネスプラットフォーム事業
ファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供及び運営管理を行う。
「Fanicon」はアーティスト、インフルエンサー、タレント等(ファンコミュニティのオーナーであり、ファンの熱量の対象となるもの、以下「アイコン」という)とそのファンが集い、アイコンとしての「価値」を提供したいアイコン側のニーズと、アイコンや共通の目的を持ったファンと「つながりたい」というファン側のニーズをマッチングさせるプラットフォーム。従来のアイコン側(事務所を含む)からの一方通行のコミュニケーションがメインのファンクラブと異なる。ファンコミュニティのオーナーであるアイコンと、そのファンコミュニティに属するファンが一緒になってコミュニティを盛り上げ、ファンコミュニティを通じて共感したファン同士も繋がり、アイコンとファン、ファンとファンが双方向でコミュニケーションを可能にしたアイコンとファンのためのサービス。
「Fanicon」はセルフサインアップ型のサービス。アイコンやアイコンの所属事務所がコミュニティの運営やコンテンツの提供などを独自に行う。同社はカスタマーサクセスチームを設置し、アイコンにファンの熱量を維持するために有効な機能の使用方法や、ファンに喜んでもらえるコミュニティ作りをコンサルティングサポートしている。現在、国内においてはインフルエンサーやタレントだけでなく、アーティストや俳優、スポーツ選手といった幅広いジャンルのファンコミュニティが存在しており、韓国でもいくつかのアイコンがコミュニティを開設している。
Faniconの会員(ファン)はすべて有料会員となっている。同事業の売上高は、会員より受領するサブスクリプションフィーを売上高として計上するストック型のビジネスモデル。また、昨今はポイント課金型の売上高も伸びており、安定的、継続的な収入が見込まれている。会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施している。一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ており、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けている。また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により低水準で推移している。
オープンで無料であることが「一般的なサービス」である中、あえて会員制を選択しているのは、完全有料制・完全会員制にすることが、ロイヤリティを高め、持続可能な活動につながるため。ファンを維持したうえで安定した収益基盤を確保できる。また、安心して交流ができ、ファンの熱意も高まる。
アイドル、アーティスト、俳優、ミュージシャン、タレント、YouTuber、スポーツチーム、Kpopアイドルなど、幅広いカテゴリーのアイコンが開設している。
同社の推測では、ファンビジネスプラットフォーム事業のSAM(ファンコミュニティ市場規模)は1.6兆円、TAM(エンタメやコンテンツを含めた市場規模)は13.5兆円。今後も事業の拡大が期待できる広大なマーケットポテンシャルがある。

アイコンの一例

(同社資料より)

 

(2)デジタルマーケティング事業
インフルエンサーを用いたマーケティング施策の実施支援及びデジタルマーケティングに関する支援を行う。
インフルエンサーを用いたマーケティング施策とは、顧客企業の製品やサービスをインフルエンサーが制作する動画等を通じてプロモーションする手法。インフルエンサーの持つ属性によってフォロワーにターゲティングしやすく、クライアント企業の商品のブランディングや認知度向上、購買意欲の向上を効率的に行うことが期待できる。インフルエンサーを常時3,000名以上ネットワーキングし、柔軟な提案が可能となっている。
デジタルマーケティングは、ウェブ上で行われる広告活動やマーケティング。自社のブランド、製品・サービス等に関するメッセージを潜在的な顧客に広めることを目的としている。
同事業では顧客企業や広告代理店からプロモーションの依頼を受けて、最適なインフルエンサーの提案・選定及び施策内容の企画立案を行い、インフルエンサーが作成する制作物の進捗や内容確認を実施して、インフルエンサー自身のSNSへの投稿を支援している。特に同社が強みとしているのがデータを活用した提案。特定のメディア・プラットフォームに依存せず、あらゆる分野をカバーする膨大なインフルエンサーネットワークを用いることで顧客の課題に寄り添った最適なソリューションを提供している。
同事業の収益は、主にクライアント企業並びに広告代理店より、契約に基づき収受する手数料等。
同社によると、25年の日本のソーシャル広告の媒体費は18.7%増と高成長。また、デジタルマーケティング事業のSAM(日本のソーシャル広告市場規模)は1.1兆円、TAM(日本のインターネット広告媒体費)は3.3兆円。また、サイバー・バズ/デジタルインファクト調べによる「国内インフルエンサーマーケティングの市場規模推計・予測 2022年-2029年」によると、26年の国内インフルエンサーマーケティング市場は前年から15.6%拡大して1,150億円が推計されており、ここ数年で大幅に市場規模が拡大している。

 

 

2.2026年12月期中間期決算概要

【2-1 業績概要(非連結)】

 

25/12期 中間期

構成比

26/12期 中間期

構成比

前年同期比

売上高

2,199

100.0%

2,827

100.0%

+28.6%

売上総利益

985

44.8%

1,438

50.9%

+46.0%

販管費

961

43.7%

1,130

40.0%

+17.6%

営業利益

24

1.1%

307

10.9%

-

経常利益

31

1.4%

319

11.3%

+922.7%

中間純利益

25

1.2%

269

9.5%

+939.2%

*単位:百万円。

 

28.6%増収、大幅な営業増益
売上高は前年同期比28.6%増の28億27百万円。ファンビジネスプラットフォーム事業が27.9%増収、デジタルマーケティング事業は31.3%増収といずれも2桁増収。営業利益は3億7百万円(前年同期は24百万円の利益)となり、前年同期から10倍超の大幅増益。売上総利益率が前年同期44.8%から50.9%へ向上して売上総利益は前年同期比46.0%増。販管費は人件費の増加等はあったものの、コントロールして17.6%増にとどめた。売上拡大に向けた投資を実行しているものの、増収効果が大きく出た。セグメント別には、ファンビジネスプラットフォーム事業が大幅な増益となり、デジタルマーケティング事業でも損失が縮小した。

 

【2-2 セグメント別売上高・営業利益】

 

25/12期 中間期

構成比

26/12期 中間期

構成比

前年同期比

売上高

 

 

 

 

 

ファンビジネスプラットフォーム事業

1,760

80.0%

2,250

79.6%

+27.9%

デジタルマーケティング事業

439

20.0%

576

20.4%

+31.3%

合計

2,199

100.0%

2,827

100.0%

+28.6%

セグメント利益

 

 

 

 

 

ファンビジネスプラットフォーム事業

95

5.4%

342

15.2%

+259.3%

デジタルマーケティング事業

-71

-

-34

-

-

合計

24

1.1%

307

10.9%

+1,182.1%

*単位:百万円、セグメント利益の構成比は売上高利益率。

 

*ファンビジネスプラットフォーム事業
売上高は前年同期比27.9%増の22億50百万円、営業利益は同259.3%増の3億42百万円。
会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施しているが、一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ている。その結果、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けている。また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により、前期に引き続き低水準で推移している。
2Q末のアイコン数は約4.3千で前年同期比26.5%増、ファン数は同54.4%増の約55.9万人。2Qの流通総額は前年同期比49.9%増の22.7億円と大幅な拡大。ARPUについては同12.1%減の735円、全ファン数に占める個別アプリのファン数の増加によって、下降傾向にある。

 

*デジタルマーケティング事業
売上高は前年同期比31.3%増の5億76百万円、営業損失は34百万円(前年同期は71百万円の損失)。
人材育成およびサービス品質の向上に注力することで、既存顧客からの継続発注を安定的に確保している。さらに、マーケティングとインサイドセールス機能の強化を通じて国内外での顧客基盤の拡大を推進するとともに、採算性の改善も進めている。2Qの取扱件数は前年同期比15.3%減の111件、案件単価は同26.7%増の1.9百万円。採算性を重視して大型案件に注力しており収益性は改善傾向にある。

 

【2-3 第2四半期の動向】

四半期毎の推移は以下の通り。
売上の拡大とともに、23/12期4Qをボトムとした改善傾向が継続している。26/12期に入って利益水準が一段上昇した。ストック型ビジネスであることが売上・利益に着実に結びついている。

 

*ファンビジネスプラットフォーム事業
2Qの売上高は前年同期比30.4%増の11億85百万円、営業利益は同266.4%増の1億98百万円。

【アイコン数、ファン数の推移】
2Qのアイコン数が前年同期比26.5%増の約4.3千、ファン数は同54.4%増の約55.9万人。26/12期に入りファン数の伸びが顕著、アイコン数も2Qは大きく伸びている。

(同社資料より)                             *個別アプリ:「Fanicon」同等の機能を持つ別のアプリをOEM提供しているもの。

 

【流通総額、ARPUの推移】
2Qの流通総額は前年同期比49.9%増の22.7億円、サブスク・サブスク外とも好調で大幅に拡大した。ARPUは同12.1%減の735円。全ファン数に占める個別アプリ(手数料のみ売上計上)のファン数増加により下降傾向にある。

(同社資料より)
*Faniconは総売上を計上。個別アプリは手数料のみを売上として計上
*個別アプリ:「Fanicon」同等の機能を持つ別のアプリをOEM提供しているもの

 

*デジタルマーケティング事業
2Qの売上高は前年同期比7.8%増の2億31百万円。営業損失は40百万円(前年同期は32百万円の損失)。売上は伸びたものの販管費が増加して営業損失は増加した。

【取扱件数、案件単価の推移】
2Qの取扱件数は前年同期比15.3%減の111件となったものの、大型案件に注力し単価は同26.7%増の1.9百万円となった。
(同社資料より)

 

【2-4 財政状態】

◎財政状態

 

25年12月

26年6月

増減

 

25年12月

26年6月

増減

流動資産

2,917

3,600

+682

流動負債

2,728

3,117

+388

現預金

2,044

2,687

+642

仕入債務

1,024

1,186

+161

売上債権

817

811

-5

前受金

1,345

1,568

+222

固定資産

432

434

+1

固定負債

80

80

+0

有形固定資産

132

127

-4

負債合計

2,808

3,197

+388

無形固定資産

128

122

-6

純資産

540

836

+296

投資その他の資産

171

184

+12

利益剰余金合計

174

443

+269

資産合計

3,349

4,034

+684

負債・純資産合計

3,349

4,034

+684

*単位:百万円。

 

現預金の増加などで流動資産が前期末比6億82百万円増加。資産合計は同6億84百万円増加の40億34百万円。
前受金の増加で流動負債が増加し、負債合計は同3億88百万円増加の31億97百万円。
中間純利益の計上により純資産は同2億96百万円増加の8億36百万円。
自己資本比率は前期末16.1%から20.7%となった。

 

3.2026年12月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

25/12期 

構成比

26/12期(予)

構成比

前期比

期初予想

売上高

4,831

100.0%

6,140

100.0%

+27.1%

5,480

営業利益

197

4.1%

700

11.4%

+255.1%

300

経常利益

215

4.5%

720

11.7%

+233.9%

300

当期純利益

174

3.6%

610

9.9%

+249.6%

250

*単位:百万円。

 

26/12期は2桁増収増益予想
26/12期は、売上高が前期比27.1%増の61億40百万円、営業利益は同255.1%増の7億円を予想。上表の通り、期初予想からは特に利益面について大幅な上方修正となった。ファンビジネスプラットフォーム事業では、ファン数の想定以上の増加に伴い、サブスク売上およびサブスク外売上の双方において収益基盤が大幅に強化されている。加えて、引き続き付加価値向上に伴うプライシングの最適化が計画を上回るペースで進展したことにより上方修正となった。なお、販売管理費については、事業規模拡大に伴う変動費増加に加え、中長期的な更なる成長に向けた追加投資を実施する予定。
ファンビジネスプラットフォーム事業においては、新規アイコンの獲得に伴うファン数の増加による月額利用料金の増加が続く見通し。加えて、季節毎のイベントとアイコンごとに開催するイベントの実施により、ポイント購入の増加を見込む。デジタルマーケティング事業においては、新たに台頭するインフルエンサーとのネットワークを強化する。消費者のSNSの活用方法の変化に即したマーケティング施策の企画・提案に注力して国内外の顧客との新規案件も増加を目指す。利益面では、Faniconのファン数増加やトラフィック急増時に備えたインフラ強化のための開発費等が増加する見通し。成長に向けて必要な人材獲得のための人件費の増加も見込む。また、将来の事業成長に向けた取り組みとして、新規サービスの探索活動および追加販路の開拓に係る投資も見込んでいる。

【3-2 期初に掲げた26/12期の方針】

これまでの改善プロセスを活かし高収益体質への転換を進めていく。事業を通じて創出した利益を、中長期的な企業価値向上に直結する領域へ積極的に投資を行い、持続的な成長に向けた土台作りを推進する。

 

事業

方針

ファンビジネスプラットフォーム事業

・ファン数拡大のドライバーとして新規アイコンの獲得を強化する

・並行して費用構造の見直しによる利益改善を進める

・中長期の成長に向けた新たなプロダクト創出にも取り組む

デジタルマーケティング事業

・利益率を維持しながら利益規模の拡大を実現させる考え

・このため、大口顧客・新規顧客の獲得に向けた組織基盤の構築と営業力の強化に注力する。

 

4.平良代表取締役CEOへのインタビュー

平良真人代表取締役CEOに、26/12期中間期決算の状況や、今後の事業展開、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

平良社長は1973年12月生まれ。一橋大学を卒業後97年に伊藤忠商事株式会社に入社、株式会社ドコモAOLやソニー株式会社、グーグル株式会社を経て2014年にオンライン広告事業を行う企業として同社を設立した。

 

~26/12期中間決算について~
Q:大幅な上方修正をしており、ほぼ完璧な内容のように思っています。ただし、中間期は大幅増収増益ではありますが、1Qと2Qを比較すると売上・営業利益とも横ばいです。この点をご解説いただければと思います。

 

これはデジタルマーケティング事業における季節的要因が大きくかかわっています。主力のファンビジネスプラットフォーム事業については、2Qは1Qに対して増収増益です。しかし、デジタルマーケティング事業は例年2Qに一時的に売上が縮小する傾向があります。また、今期についていえば、1Qが3月末という季節的要因に加えて大型案件の受注もあり大きく伸びた反動という側面もありました。中期的な成長路線は継続していると思います。

 

Q:アイコン数、ファン数ともこれまでと同様に伸びていますが、特にファン数については加速しています。その背景にはどのようなことが考えられますか。

 

スポーツ選手や芸能人など様々なアイコンが存在しますが、全てのジャンルで伸びております。多ジャンルへのアイコン分散、イベント施策、アイコンのファンベースの拡大等が複合的に効いた結果、ファン数が大きく伸びました。ファン数は外的環境の変化も含め複合的な要因で大きく変動するために、これまでにも予期せぬタイミングで急速に伸びることはありました。ただ、ひとつのアイコンに頼るのではなく、多ジャンルで分散化されたアイコンがあることはファンビジネスプラットフォーム事業における強みではないかと思っております。

 

Q:直近で見られるアイコンやファンの特徴などはありますか、また海外や新規事業展開についてもご紹介いただければと思います。

 

アイコンの特徴に大きな変化はありません。ただし、スポーツチームやスポーツ選手などは我々も強化している側面もあって増えてきている印象はあります。海外展開は、引き続き韓国を中心に強化していこうと思っています。新規事業については、仕込んではいるのですがまだアイデアの段階です。芽が出てきたらそのタイミングでご説明しようかと思っています。

~今後の見通しについて~
Q:通期予想は大幅な上方修正となっています。その要因について詳しくお聞かせください。

 

上方修正はファン数の伸びが想定を大きく上回っていることがまずは要因として挙げられます。加えて、利益率を重視する戦略をとっていましたが、価格設定をしっかりと進めたことにより営業利益率が期初予想の5.5%から11.4%に修正したことで、営業利益については2倍超の修正となりました。

 

Q:今後の中期的な売上・利益の目線についてはいかがでしょうか。

 

これまでと同様の成長率で売上を伸ばしていきたいと思っています。先行投資などもそれなりに行っていこうと思っておりまして、現行の10%程度の営業利益率は維持していこうと考えております。新規事業などに関しても多額の投資を一気に行うのではなく、しっかりと利益を出しながら展開していく考えです。
なお、26年6月末の役職員は127名です。必要な人材投資は行っていく予定ですが、大幅に伸びることはありません。期末に数名の増加を見込んでいます。
中期計画は策定の準備段階にあり、2027年度中にも発表できればと思っております。

 

Q:最後に、株主・投資家へのメッセージをお聞かせください。

 

株価はこの1年半ほどでかなり見直されました。しかし、それでも公開価格や上場時の株価にはほど遠いです。既存事業を伸ばしながらしっかりと新規投資も行って売上・利益とも伸ばし、財務体質も改善させて株主還元にもつなげていきたいと思っております。もちろん、株価に反映できるように考えております。

 

5.今後の注目点

23/12期の従業員不正行為に伴う成長鈍化により24/12期にかけて赤字が続いていた。こうした中にあっても既存事業を粛々と進展させて売上成長を取り戻していた。23/12期下期をボトムに四半期毎に売上が伸び、コスト改善もあって24/12期4Qには黒字転換、25/12期はその流れを引き継いだ形で四半期ごとに売上・利益とも拡大基調となり、期中2度の上方修正を経ての着地となった。26/12期においてはこの流れをさらに加速、会社の想定も大きく上回って上方修正となった。ファンビジネスプラットフォーム事業の安定成長は当面続くだろう。また、売上成長とともに価格設定も適正化させることにより利益率も一気に伸びている。前回レポートで「課題」として取り上げたデジタルマーケティング事業の伸び悩みについては26/12期1Qに急拡大している。
株価も見直しが進んでいる。それでも、21年の公開価格(7,200円)には遠く及ばない。26/12期には25/12期の過去最高売上高・営業利益を大幅に更新する見通し。こうした急速な成長を見せているにも関わらず、PERは低位にとどまっており評価不足と言わざるを得ない。今後の四半期毎の成長を見ていきたい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2026年3月27日)
基本的な考え方
当社は、「”できっこない”に挑み続ける」というビジョンに基づき、挑戦をしつづけることで継続的に成長し企業価値を最大化するためには、株主、顧客、従業員をはじめとする利害関係者から継続的な信頼を得ることが重要であると認識しております。
そのためには、コーポレート・ガバナンスの充実が極めて重要であり、透明性の確保並びに法令遵守の徹底を進め、同時に、経営環境の変化に対応し、効率的な経営を推進するための組織体制の強化に努めてまいりたいと考えております。

 

業務執行、監査・監督、指名、報酬決定等の機能に係る事項(現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要)
(i)取締役会
当社の取締役会は、代表取締役CEO平良真人が議長を務め、取締役下川弘樹、取締役野澤俊通、取締役滝島知樹、社外取締役である取締役会田容弘、取締役久保田雅也の計6名で構成されております。原則として月1回開催される定時取締役会のほか、効率的かつ迅速な意思決定を行えるよう、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役会は、取締役及び監査役が出席し、法令、定款及び取締役会規程等に定められた事項の審議・決定並びに取締役の業務執行状況を監督・監視しております。また、社外取締役は、社外の第三者の視点で取締役会への助言及び監視を行っております。

 

(ii)監査役会
当社の監査役会は、社外監査役市川昇が議長を務め、社外監査役佐藤大輔及び社外監査役五十嵐沙織の監査役3名で構成され、市川昇が常勤監査役であります。原則として月1回開催し、法令、定款及び監査役会規程等に従い、監査役の監査方針、年間の監査計画等を決定しております。なお、監査内容につきましては、各監査役が毎月、監査役会に報告し、情報の共有化及び監査計画の進捗確認を行っております。

 

(ⅲ)会計監査人
当社は、会計監査人として、PwCJapan有限責任監査法人と監査契約を締結しており、会計監査を受けております。

 

(ⅳ)内部監査室
内部監査室は、内部統制に関する基本方針及び各種規定に基づき内部監査を実施しております。事業の適正性を検証し、業務の有効性及び効率性を担保することを目的として、計画に基づいて内部監査を実施し、監査結果を代表取締役へ報告するとともに、監査対象に対し改善のための指摘等を行い、改善状況について、後日フォローアップすることを確認しております。

 

(ⅴ)CxOミーティング
CxOミーティングは、代表取締役CEO平良真人が議長を務め、常勤取締役4名(代表取締役CEO平良真人、取締役下川弘樹、取締役野澤俊通、取締役滝島知樹)で構成され、常勤監査役である社外監査役市川昇も出席しております。原則として毎週1回開催し、「会議運営規程」及び「職務権限規程」等の社内規程に定められた事項について、議論・決定を行っております。CxOミーティングの構成員は、業務執行状況を報告するとともに、共通の課題などを意見交換し、情報の共有を図っております。また、隔週で顧問榎本和友氏も同席し、特にファンビジネスプラットフォーム事業全般についての助言をいただいております。

 

(ⅵ)リスク管理委員会
当社では、代表取締役CEO平良真人を委員長とし、常勤取締役、常勤監査役及び法務担当者に加え、代表取締役CEOが指名した出席が必要と認められた者により構成しているリスク管理委員会を設置し、原則として四半期に1回開催しております。当社のリスク管理に関する重要事項の審議と方針決定、及び当社役職員のコンプライアンス遵守に係る取り組みの推進、コンプライアンス違反事項の調査等を行っております。

 

 

 

 

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