ブリッジレポート
(9344) アクシスコンサルティング株式会社

グロース

ブリッジレポート:(9344)アクシスコンサルティング 2026年6月期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

 

伊藤 文隆 社長 COO

アクシスコンサルティング株式会社(9344)

 

 

企業情報

市場

東証グロース市場

業種

サービス業

代表取締役社長COO

伊藤 文隆

所在地

東京都千代田区麹町4-8 麹町クリスタルシティ6F

決算月

6月

HP

https://axc-g.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

ROA(実)

1,320円

5,062,050株

6,681百万円

8.6%

8.8%

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

41.00円

3.1%

100.51円

13.1倍

677.22円

1.9倍

*株価は8/28終値。2026年6月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

23年6月

4,342

673

644

418

99.15

0.00

24年6月

4,665

833

831

502

101.26

0.00

25年6月

5,271

210

219

321

64.12

35.00

26年6月

8,289

492

497

288

57.92

35.00

27年6月(予)

9,600

800

780

500

100.51

41.00

*単位:百万円。予想は会社側予想。24年6月期まで連結、25年6月期は非連結。26年6月期以降は連結。

 

 

アクシスコンサルティング株式会社の2026年6月期決算概要、2027年6月期業績予想などをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画
3.2026年6月期決算概要
4.2027年6月期業績予想
5.伊藤社長のメッセージ
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 28年6月期を最終年度とする3か年の中期経営計画を推進中。現在の主力領域であるコンサルファーム向け人材紹介に加え、成長ポテンシャルの高い事業会社向け人材紹介およびスキルシェアを新たな収益の柱として育成する。数値目標としては、2028年6月期「売上高100億円、時価総額100億円」を掲げている。

     

  • 2026年6月期の売上高は前期比57.3%増の82億89百万円。事業会社からの案件獲得が順調に進展しスキルシェアが大幅な伸長。人材紹介も2桁の増収。営業利益は同134.3%増の4億92百万円。増収に伴い売上総利益は同58.7%増。成長戦略に沿い計画通り人的投資や広告宣伝投資を積極的に行い販管費も増加したが、これを吸収し大幅な増益。AIの浸透でハイエンド人材需要が拡大する中、人的投資によるフロント人材の確保や広告宣伝投資による認知度向上等の効果が売上・利益の拡大に繋がった。単体でも前期比52.2%増収、同147.5%営業増益となった。四半期ベースでは営業利益は2四半期連続で過去最高を更新した(26年6月期第3四半期より連結決算に移行。前期比はインベストメントブリッジが計算した参考値)。

     

  • 2027年6月期の売上高は前期比15.8%増の96億円、営業利益は同62.4%増の8億円の予想。拡大するハイエンド人材需要を確実に取り込むため、人的資本投資を継続する。入社決定人数、稼働人数は堅調な増加を予想。人材紹介の平均売上単価は前期の大型案件の反動を勘案し、巡航速度への回帰を見込んでいる。2027年6月期より配当方針を「純資産配当率(DOE)5%を下限」から、「純資産配当率(DOE)5%または配当性向40%のうち高い方を基準」に変更した。配当は前期比6.00円/株増加の41.00円/株を予定。予想配当性向は40.8%。

     

  • 伊藤 文隆 社長 COOに、株主・投資家へのメッセージを伺った。「26年6月期は大幅な増収増益で修正計画も上回ることができました。日本ではDXが未だ十分には進んでいない中でAIが急速に浸透してきたことで、多くの企業がDXにもAIにも対応していかなければならない状況にあり、十分な知識や実績を持つハイエンド人材への需要は今後もますます増大すると思われます。27年6月期も戦略的投資を効率的に実行し、こうした需要を確実に取り込むことで、大幅な増収増益を計画しています。成長力の高い事業会社向け人材紹介及びスキルシェアに注力するとともに、M&Aや業務提携を通じてソリューション領域を拡張し、人材ビジネスの枠を超えて経営アジェンダ解決を総合支援するプラットフォームへの進化を目指してまいりますので、是非引き続き当社を応援していただきたいと思います」とのことだ。

     

  • 戦略投資が確実に収益に結びつき始めている。26年6月期、第1四半期のTVCM放映で認知度を高めた上で、第2四半期以降はデジタルマーケティングを中心とした面談機会の創出へ投資を集中したところ、認知向上から集客への連動がスムーズに機能し、人材紹介面談数は大きく増加。並行して即戦力人材を中心としたフロント部門の強化に注力した結果、入社決定人数もV字回復を遂げた。加えて、AIを活用して有効な面談を優先的に実施するなどの施策も、入社決定人数の増加に寄与しているということで、広告宣伝、人的資本、DX・IT投資という戦略投資全てが奏功したことは高く評価されよう。AIがコンサルティング業界に及ぼす影響については様々な見方があるようだが、同社が今後注力する事業会社向け人材紹介及びスキルシェアは、需要は確実に増大していくものと見込まれる。もちろん競争も激しくはなるだろうが、「業界トップクラスのスキルデータベース」という競争優位性を活かしてどの程度のスピード感で需要を取り込んでいくのか大いに注目していきたい。

     

     

1.会社概要

MISSIONに「人が活きる、人を活かす。 ~人的資本の最大化・最適化・再配置~」を掲げ、複雑な経営課題の解決が必要な企業に対し、豊富なデータベースから選定した経営課題の解決に資する最適な戦略実現人材(※)を、人材紹介とスキルシェアの両面から提供し企業の成長を支援している。「業界トップクラスのスキルデータベース」「経営アジェンダにワンストップで対応可能なサービス展開」「戦略実現人材との中長期的な連携」を競争優位性とする。

 

※戦略実現人材
戦略の構想にとどまらず、現場を動かし、成果に導く力を持つ、戦略的思考と実行力を兼ね備えたプロフェッショナル人材。同社に情報登録されているハイエンド人材について、コンサルファームや事業会社に紹介・情報提供する際、経営課題解決のための「戦略実現人材」と同社では定義している。

 

※ハイエンド人材
同社ではコンサルファームや事業会社から求められるスキルのうち「コンサル」「DX・IT」「CxO」について、それぞれに「豊富な経験」の定義を定め、いずれかひとつ以上に当てはまる人材を「ハイエンド人材」としている。

 

分野

「豊富な経験」の定義

コンサル

大手ファームにおいて、マネージャー以上の役職経験者(現役含む)

AI・DX・IT

大手ファームや事業会社におけるAIやDX関連プロジェクトの経験者(PMまたは推進経験者)

CxO

一定規模以上の事業会社におけるCxO経験者

 

【1-1上場までの沿革】

2002年4月、山尾幸弘氏(現 アクシスコンサルティング株式会社 代表取締役会長CEO)がハイエンド人材領域における人材紹介の展開を目的に、アクモス株式会社のグループ会社としてアクシスコンサルティング株式会社を設立。ハイエンド人材領域の正社員採用サービスを開始した。2009年9月、MBOにより親会社であるアクモス株式会社より独立。2016年6月にスキルシェアを推進するフリーコンサルサービス「フリーコンサルBiz(現AXIS Solutions)」の提供を開始した。ハイエンド人材に特化した人材紹介と、フリーコンサルタントを活用することで機動的なプロジェクト推進が可能なスキルシェアが企業のニーズを取り込み収益が拡大。2023年3月、東証グロース市場に上場した。

 

【1-2 理念・ビジョン】

以下のMISSION、VISION、VALUE、CORPORATE STATEMENTを掲げている。

MISSION

人が活きる、人を活かす。 ~人的資本の最大化・最適化・再配置~

VISION

事業を通じて、新しい価値を創造し、すべての人が活き活きと働く社会創りをめざします。

VALUE

Professional

プロフェッショナルとして顧客の期待を超えよう

常に自分自身をアップデートしよう

 

Respect

お互いの違いを尊重し、認め合おう

多様な個性を融合し、柔軟に連携しよう

 

Try

失敗を恐れず、挑戦しよう

過去の慣習にとらわれず、積極的に行動しよう

 

Enjoy

何事も前向きに捉えよう

人生を豊かにするために、もっと仕事を楽しもう

CORPORATE STATEMENT

あらゆる課題は、人で解決する。

 

【1-3 事業環境と同社の役割・目指す姿】

(1)同社を取り巻く事業環境
①経営アジェンダ解決に向けた人材の不足
近年、グローバル競争の激化、テクノロジーの進展、人口減少といった環境変化のなかで、企業には社会の課題解決と新しい価値やイノベーションの創出が求められている。しかし、多くの企業において高度化・複雑化する経営アジェンダ(※)を解決するためのAI/DX/IT人材や経営人材(CxO)が不足しているのが現状である。独立行政法人情報処理推進機構の「DX白書2023」によれば約9割の企業においてDX/IT人材が不足しており、独立行政法人労働政策研究・研究機構「人への投資と企業戦略に関するパネル調査」(2023年10月)によれば、約4割の企業において経営人材(CxO)が不足している。
特に生成AIについては、大企業での導入は進んでいるものの、個人利用に留まるケースが多い。また、業務効率化には寄与している一方で、顧客満足度向上や売上・利益に直結する経営アジェンダの解決に向けた効果は限定的であるのが現状で、AI活用を推進できる人材需要は極めて大きい。

 

加えて、近年の経営アジェンダは、従来のIT化やコスト削減といった業務効率中心で個々に解決すべきものから、複数領域にまたがる高度で複雑なものへと変化している。企業にはこうした経営アジェンダに対し、組織を横断して対応する仕組みが求められている。

 

これらの課題を解決するには、人材を資源(Human Resources)ではなく、資本(Human Capital)と捉え、不足、偏在するコンサルタントなど高いレベルの専門性と能力を持った人材の価値を最大限に引き出すとともに、経営課題ごとに人的資本を最適配置し、活用する仕組みが必要である。

 

※経営アジェンダ
「経営課題」の総体を示す上位概念としての用語。現代では経営課題が高度で複雑に絡み合っており、経営アジェンダの解決にはプロフェッショナルな人材の活用が必要である。

 

(2)同社の役割・事業機会・目指す姿
こうした事業環境下、豊富なデータベースから選定した最適な戦略実現人材、ハイエンド人材を、人材紹介とスキルシェアの両面から効果的に配置するソリューションを提供することで、高度化する経営アジェンダを解決に導き、企業の成長を支援することが同社の役割である。
特に直近では、AI活用を推進できる人材需要が急速に高まるなか、同社のスキルデータベースではAI関連人材の登録者数・プロジェクト実施件数がともに増加している。AI活用の高度化は、その導入・運用を支える専門人材へのニーズを押し上げ、コンサルティング需要の拡大につながる。同社では、ハイエンド人材との中長期的な関係を軸に、人材紹介とスキルシェアの両基盤を活かしてこの成長を取り込んでいく考えだ。
また、今後はスキルデータベースを拡充しつつ、M&Aや業務提携を通じてソリューション領域を拡張し、人材紹介・スキルシェアにとどまらず、人材ビジネスの枠を超えて経営アジェンダ解決を総合支援するプラットフォームへの進化を目指している。

(同社資料より)

 

 

 

【1-4事業内容】

(1)サービスラインアップ
ヒューマンキャピタル事業の単一セグメント。主なサービスは、「人材紹介」と「スキルシェア」の2つ。2026年2月に「経営課題解決に資するソリューション領域の拡張」に向けたM&Aの第一弾として、システム開発・運用支援事業を展開する株式会社サン・システムプランニング(SSP社)を子会社化した。スキルシェアに分類している。

 

 

(同社資料より)

 

①人材紹介
ハイエンド人材領域における転職に伴う正社員採用サービス「AXIS Agent」を提供している。
転職希望者の獲得は、自社運営の登録サイトや外部の転職サイト運営企業の求職者情報を利用したスカウトのほか、自社の人材データベース登録人材とのコミュニケーションを通じて行っている。
顧客を「コンサルファーム」と「事業会社」に区分している。2026年6月期の人材紹介売上4,247百万円(単体売上高構成52.9%)のうち、コンサルファーム向けが39.2%、事業会社向けが13.7%。
コンサルファーム向けにおいては、マネージャー以上の転職紹介に強みを有している。支援した転職者からフリーコンサルの発注も多数受注しており、人材紹介とスキルシェアのシナジーも創出している。
事業会社向けでは、事業会社に経営層、デジタル・DX領域等のハイエンド人材などを紹介している。コンサルの登録人材の約半数は事業会社へ転職している。
いずれの顧客の場合も、同社のキャリアアドバイザーが転職希望者とコンサルファーム及び事業会社との橋渡しを担っている。蓄積されたナレッジやノウハウをベースに、コンサルファームや事業会社への転職において、その後のコンサルタントのキャリアパスについて適切な提案を行っている。
特に事業会社では、経営アジェンダの高度化・複雑化によりハイエンド人材の需要が増加している。ハイエンド人材も事業会社で自身の経験を活かしたい意向が強い。今後の案件増加に向けては、事業会社における認知度向上が必要と考えている。
②スキルシェア
フリーコンサルサービス「AXIS Solutions」とスポットコンサル「AXIS Advisors」を提供している。
2026年6月期のスキルシェア売上3,774百万円(単体売上高構成47.1%)のうち、コンサルファーム向けが28.7%、事業会社向けが18.4%。

 

◎フリーコンサルサービス「AXIS Solutions」
コンサルファームの案件や事業会社の戦略・DX課題に、実績のあるコンサルファーム出身で独立してフリーランスとなったコンサルタント(フリーコンサルタント)を紹介する。コンサルファーム、事業会社とも最適なハイエンド人材を活用することができる。
顧客はフリーコンサルタントを活用することで機動的なプロジェクト推進が可能になり、フリーコンサルタントは同社ネットワークによる継続的な案件受注及び独自性や自由度の高い案件への参画が可能となっている。
役務提供を受ける顧客企業(コンサルファーム、事業会社)と同社間で業務委託に関する基本契約及び案件ごとの個別契約を締結し、同社とフリーコンサルタントとの間で個別案件に係る業務委託契約を締結して、フリーコンサルタントが顧客企業の案件に参画する。
一部プロジェクトでは、コンサル経験のある同社社員がプロジェクト・マネジメントを行い、複数のフリーランス人材の活用や他社連携をすることで、柔軟にプロジェクトチームを運用し、大規模かつ複雑な案件も受注が可能な体制を構築している。

 

◎スポットコンサル「AXIS Advisors」
事業会社の経営課題や事業課題等について、短期間かつ手軽にコンサルタントに相談できるサービス。
コンサルファームに在籍している現役コンサルタントもしくはコンサルタント経験者とのマッチングを提供する。 企業側は、市場調査等のスポット案件に活用可能なほか、経営課題や事業課題を解決したいが外部コンサルティングを利用したことがないスタートアップなどが、試しに活用したいと考えた際に、1回30分からの依頼が可能であるため手軽に利用できる。副業を志向するコンサルタントは、スキマ時間に自身の知見やスキルを副業に活用することができる。
企業の経営者や担当者は、同社が提供するデジタルプラットフォームに相談内容を登録した後、コンサルタントをデジタルプラットフォーム上で募集又は指名し、マッチングしたコンサルタントと事業内容や課題等を事前にすり合わせたうえでミーティングを実施する。コンサルタントが同サービスを利用する場合は、デジタルプラットフォームに登録のうえ、依頼者の相談内容を確認して個別の相談案件にエントリーし、依頼者からのオファーを受諾してミーティングを実施する。

 

③子会社:株式会社サン・システムプランニング
前述したように、同社では、今後、スキルデータベースを拡充しつつ、M&Aや業務提携を通じてソリューション領域を拡張し、人材ビジネスの枠を超えて経営アジェンダ解決を総合支援するプラットフォームへ進化することを目指している。
「経営課題解決に資するソリューション領域の拡張」に向けたM&Aでは、DXコンサル企業、Sier・SESを対象としているが、その第一弾が、2026年2月に子会社化したシステム開発・運用支援事業を展開するSSP社だ。
SSP社の有する技術力および顧客基盤と、アクシスコンサルティングが強みとするハイエンド人材の調達力、案件創出力および営業力を組み合わせることにより、既存事業領域における付加価値向上および収益機会の拡大が可能と考えている。

 

(2)ビジネスモデル・収益構造
人材紹介は、コンサルファームや事業会社からの紹介手数料が売上となり、外部求人サイトの利用料のみが売上原価に計上される。売上総利益率は約9割。紹介した人材が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合は、紹介手数料の一部を返金する契約となっている。紹介手数料は基本的に入社が決定した人材の年収の35%だが、案件によってはそれ以上の契約となる場合もある。主要KPIは平均売上単価と入社決定人数(※)。

 

スキルシェアは同社が受注したプロジェクトに、フリーランス人材をアサインした際のコンサルファームや事業会社からの業務委託料が売上となり、フリーランス人材へ支払う業務委託料が売上原価に計上される。売上総利益率は約1~3割。主要KPIは平均受注単価と稼働人数。

(同社資料より)

 

※入社決定人数
人材紹介におけるKPIのひとつ。量と質でいう量の指標。入社が確定した人数のことを指し、これにより売上が立つ。
※稼働人数
同社が受託している案件すべてに対して、何人がアサインしているかを示している。

 

(3)ポジショニング
人材紹介とスキルシェアの両輪により、経営アジェンダに即した人的資本配置の最適化を実現する唯一無二のポジションを確立している。
ブティック系や中小の人材紹介会社は中堅・中小コンサルや事業会社向けが顧客の中心で、求職者層は若手コンサルタントまたは第二新卒で案件単価が相対的に低いが、同社の場合は、BIG4在籍者の3割が登録する業界随一のデータベースと取引基盤を構築しているため、求職者はマネージャーからエグゼクティブ層が中心で高単価であり、顧客基盤のクオリティーは極めて高い。
また、一般的な人材紹介社は人材紹介モデルに依存しているため紹介した人材を顧客企業が採用した時点で終点となる。これに対し同社では、人材紹介で蓄積したハイエンド人材約11万人分のスキルデータベースをスキルシェアで活用できる。加えて、人材紹介とスキルシェアの両領域を横断的に展開し、経営アジェンダに対して最適な人材を、顧客企業のリソースに応じて最適に配置することができるため、顧客ニーズに応じた人的資本配置の柔軟性が高く、顧客満足度向上に繋がっている。マネタイズポイントが「採用」にとどまらない点も独自のポジショニングが産み出す優位性となっている。

 

(同社資料より)

 

【1-5 競争優位性】

「1.業界トップクラスのスキルデータベース」「2.経営アジェンダにワンストップで対応可能なサービス展開」「3.戦略実現人材との中長期的な連携」が同社の競争優位性である。

 

(1)業界トップクラスの「スキルデータベース」
ハイエンド人材に特化した人材紹介プラットフォームとして、業界トップクラスとなるハイエンド人材11万人分のスキルデータベースを蓄積している。「属性」「成長性」「質の高さ」が大きな強みである。
属性としては、AI・DX・IT人材が25%、戦略・CxO人材が22%など、高度なスキルを有する人材が多数登録。
同社の主要顧客23社における登録者数の増加率は業界平均10%を上回る20%と高成長を続けており、2031年6月期には4万人を目標としている。2026年6月時点で、デロイトトーマツコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティング及びPwCコンサルティングのBIG4コンサルファームに在籍するコンサルタントの33%、約5,800人が同社に登録しており、これは業界トップシェア。2031年6月期末には2人に1人となる約14,000人を目標としている。

 

(2)経営アジェンダにワンストップで対応可能なサービス展開
外部の知見を成果が出る仕組みに落とし込み、標準化・役割移管までを設計する。課題の抽出、課題の解決、内製化・定着化までをスポットや常駐含めて最適な体制で伴走し、ワンストップで支援する。最終的に顧客が自社で運用・管理できる状態へ移行させることが可能である。

(同社資料より)

 

(3)戦略実現人材との中長期的な連携
戦略実現人材のキャリアのあらゆる段階で伴走し、一度の転職や案件紹介で終わらない中長期的な関係を構築している。キャリアを重ね、採用権限を持つに至った戦略実現人材が、発注者として人材にかかる課題解決を同社へ依頼するケースが増加しており、安定的かつ収益性の高い収益基盤の構築が進んでいる。

(同社資料より)

 

【1-6 株主還元】

株主に対する利益還元を経営の重要課題の1つとして認識しており、各事業年度の業績とともに、企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保の充実等を総合的に勘案しつつ、安定的な配当を行うことを基本方針としている。
利益成長を株主還元へより適切に反映するとともに、安定的かつ継続的な株主還元を実現するため、2027年6月期より配当方針をそれまでの、「純資産配当率(DOE)5%を下限」から、「純資産配当率(DOE)5%または配当性向40%のうち高い方を基準」に変更した。
認知度及び投資魅力を高めるため、株主優待制度も実施している。基準日を毎年12月末日(中間期末)とし、100株以上保有の株主にデジタルギフト1,000円分を贈呈する。

 

【1-7 ROE分析】

 

23/6期

24/6期

25/6期

26/6期

ROE (%)

23.8

17.3

10.2

8.6

 売上高当期純利益率(%)

9.64

10.77

6.09

3.47

 総資産回転率(回)

1.550

1.226

1.222

1.629

 レバレッジ(倍)

1.593

1.307

1.330

1.521

23/6期~24/6期は連結、25/6期は非連結、26/6期は連結。

 

日本企業の一般的な目標と言われている8%は超過しているものの、売上高当期純利益率の低下を主要因にROEも低下傾向にある。27年6月期の売上高当期純利益率は5.2%の予想。先行投資を回収して28年6月期に向けた一段の収益性向上に期待したい。

 

2.中期経営計画

28年6月期を最終年度とする3か年の中期経営計画を推進中。次の3ヵ年、最終31年6月期への飛躍に備えた構造改革期間と位置付けるとともに、更にその先の長期成長イメージも示している。
※以下、売上及び利益目標などは、一部2026年第3四半期からの連結決算への移行を反映していない非連結の数値。

 

(1)成長戦略
現在の主力領域であるコンサルファーム向け人材紹介に加え、成長ポテンシャルの高い事業会社向け人材紹介およびスキル
シェアを次の成長の柱として育成し、中長期的な企業価値の飛躍に向けた構造的転換を本格化させる。
そのために、広告投資10~15億円、DX・IT投資5億円、人的資本投資(採用)10~15億円の合計約30億円の先行投資で競争優位性を高める。

 

(同社資料より)

 

より巨大な市場を背景に持つ事業会社向け人材紹介・スキルシェアを、注力領域として拡充していく。事業会社向け人材紹介およびスキルシェアの売上高及び売上総利益構成比は大きく上昇し、売上規模拡大・収益性向上に繋げる考えである。

 

*事業会社向け人材紹介およびスキルシェアの構成比

 

25/6期

28/6期(計画)

31/6期(計画)

売上高構成比

60%

約65%

約77%

売上総利益構成比

33%

約44%

約63%

 

一方、コンサルファーム市場も引き続き魅力的な市場であり、登録者数の更なる拡大を目指す。

 

戦略①人材紹介
◎事業会社向け人材紹介
事業会社への転職を希望するハイエンド人材が多く集まる同社には、AI・DX化等を背景に多くの事業会社からの相談件数が増加している。現在の主要顧客である国内主要コンサルファームの対象市場規模は約4万人。これに対し、事業会社の年収1,000万円以上の給与所得者数は推定334 万人と、潜在的な市場規模は極めて大きく、各種施策により市場開拓を推進する。
比較的手軽に利用しやすいスキルシェアを事業会社との接点とし、その後、人材紹介を含む幅広いサービスを提供できるのも同社の強みである。

 

◎コンサルファーム向け人材紹介
年率10%程度の高い成長が見込まれ、31年6月期には対象市場規模は8万人と予想している。引き続きデータベースの「属性」「成長性」「質の高さ」という強みを磨き上げ、BIG4コンサルの登録者数を26年6月期末の約5,800人(3人にひとり)から、2030年には14,000人(2人にひとり)まで3.5倍増加させ、更なるシェア向上を図る。

 

(同社資料より)

 

戦略②スキルシェア
フリーコンサルサービス「AXIS Solutions」は、機動的なプロジェクト推進が可能なことから評価が高く、着実にニーズを取り込んでいる。加えて、これまでは、プロジェクトごとに個々のフリーコンサルタントに依頼し、同社営業社員が品質管理も担う体制であったが、プロジェクト・マネジメントに強みを持つ自社コンサルを採用し、フリーコンサルと組み合わせたハイブリッド体制を導入する。案件の専門性に適した人材を複数アサインすることで大規模プロジェクトへの対応が可能になるほか、 大手ファーム等においてプロジェクト・マネジメント経験豊富なコンサル人材による品質管理の向上を図る。システム導入・データサイエンス・AIなど、より専門性を有するSESやAIエンジニアリング会社とのアライアンスを積極的に推進する。

 

(2)直近の取り組み・施策
①登録者獲得に向けた施策
圧倒的なシェアをさらに拡大する。
コンサルファーム向け人材紹介における圧倒的なシェアのさらなる拡大のためには、引き続き登録者数の獲得が必要であり、デジタル広告、Web集客、CxO-Pass、AXIS Advisorsなどの各種施策を推進している。

 

②人員の拡充・育成
事業会社向け売上高の拡大及びコンサルファーム向けの圧倒的なシェアをさらに拡大する。
フロント部門の増員に向けリファラルの強化や認知度の向上に取り組んでいる。
採用と並行して、キャリアアドバイザー育成支援システムを導入し、育成支援にも注力している。人材紹介においては、登録人材数の拡大とともに、いかに多くの紹介案件を成立させることができるかがカギとなる。登録人材の経験、資質を把握したうえで、今後のキャリアの方向性をアドバイスしたり、適切な案件を提供したりするには、キャリアアドバイザーのカウンセリング能力が極めて重要であり、優秀なキャリアアドバイザーの育成は同社成長のためには不可欠である。同システムは、育成対象者に対して部門責任者が指導するのに加え、経験豊富なテクニカルコーチが伴走するというもの。
部門責任者はラインマネジメントとしてパーパスの浸透、労務管理、目標設定・KPI管理など組織としての拡張性と再現性を向上させる。テクニカルコーチは求人セレクトや提案に関する業務アドバイスを実施することでナレッジを共有し、属人性を解消する。
このほか、オンボーディング研修や職種別研修をはじめとする教育研修制度の充実、学習を促進する各種補助制度の整備、知識や意欲をともに高める土壌となる学習コミュニティの開設なども実施している。
定着に向けては、柔軟なキャリアパスや働き方(副業・兼業等)を支援するキャリアオーナーシップ制度を導入しているほか、フルフレックス制度など働きやすい環境づくり、1on1ミーティングによるコミュニケーションの拡充にも注力している。

 

③マーケティング施策
ハイエンド人材における同社認知度のさらなる向上を図るため、積極的なプロモーション発信を進める。
オウンドメディアでは、ハイエンドを含む全層に向けて、日々の情報収集に役立つ最新ビジネストレンドやキャリアノウハウなどの厳選したコンテンツを発信しているほか、若手から中堅の現役コンサルタントに向けて、スキル深化やキャリア構築ノウハウのTIPSを提供するウェビナーを開催している。YouTubeでは、若手から中堅の現役コンサルに向け、CxO・独立・副業・フリーランスといったキャリア体験談を中心に情報を発信している。

 

④AI readyの状態を作る組織変革
AIを使いこなす組織文化の醸成にも取り組んでいる。
共通基盤の上に4段階の育成モデルを設計し、まず全コンサルタントを対象に基礎リテラシーの習得と実践トレーニングの機会を提供するための研修を実施。Rank2までを全社員必達ラインとしている。
その上で、Rank3「自動化できる」、Rank4「展開できる」達成者に対しては、AI活用度を評価基準に組み込む。Rank4は会社側が指名した社員のみが対象となる。
AI活用度をKPI化し、積極的に取り組む社員をより高く評価することにより、全社員がAIを利用することが当たり前の環境を構築する。

 

(3)M&A戦略
2031年6月期「売上高200億円、営業利益37億円」を掲げている同社は、M&Aも選択肢の1つとして活用しながら持続的な成長投資を実行していく考えだ。

 

①成長に向けたM&Aの目的
既存事業の強みである人材供給力と需要創出力を起点に、M&Aを活用することで、DX推進プロセスの上流(コンサルティング)から下流(開発工程の支援)までを担う体制を強化する。これにより人材の最適配置に留まらず、顧客のDX課題解決を実行する支援領域へと事業を拡張し、企業価値向上の実現を図る。

(同社資料より)

 

②M&Aのターゲット
「既存事業の規模拡大」と「経営課題解決に資するソリューション領域の拡張」の2軸で検討している。同社の人材供給力・営業基盤とのシナジー効果を重視しながら、ロールアップ型のM&Aによる成長を志向している。

 

「既存事業の規模拡大」においては、人材紹介業者やフリーランス仲介業者等、人材関連企業をターゲットとする。優秀なフロント部門人員を獲得するほか、同社及び買収先双方のデータベースや紹介先の共有による販路拡大を図る。また、買収先は同社のノウハウを共有することによる仕組化で効率を向上させることができる。
「経営課題解決に資するソリューション領域の拡張」においては、DXコンサル企業、Sier・SESを対象とする。人材の最適配置による支援モデルを基盤に、DXコンサル等の実行型ソリューションを取り込むことで、経営課題に対する支援領域を段階的に拡張する。買収先は、同社のデータベース活用により人的リソースを確保することができるほか、案件の安定的な獲得を見込むことができる。

 

③同社ならではのPMIによるバリューアップ
一般的にロールアップに際しては、「稼働率が安定しない」「単価が上がらない」「人材が集まらない」といった点がボトルネックとなりがちだが、同社の場合、ハイエンド人材紹介で培ってきた人材供給力と案件創出力により、M&A対象となるDXコンサルやSier・SESの抱えるこうした成長制約を構造的に解消し、ロールアップ後の成長戦略を設計から実行まで一貫して推進することができる。

 

④ロールアップ型M&A第1号案件をリリース
2026年2月にM&Aの第一弾として、株式会社サン・システムプランニング(SSP社)を子会社化した。

 

SSP社は1981年の設立。長年にわたり大手企業を中心とした安定した顧客取引基盤を有し、主にサーバーインフラ領域を中心としたシステム開発・運用支援事業を展開している。コア技術を持つ人材を多く抱えており、希少性の高いNon Stop Server(※)領域に強みを有している。多くの取引が長期にわたり継続しており、堅牢な事業基盤を背景に、直近においても堅調な業績推移を示している。
※Non Stop Server
ハードウェアやソフトウェアの故障時でもシステムを停止させない高性能サーバー。24時間365日稼働が必須の金融・決済システムやミッションクリティカルな環境で、極めて高い可用性とデータ整合性を確保する。

 

(子会社化の背景、期待するシナジー)
SSP社の有する技術力および顧客基盤と、アクシスコンサルティングが強みとするハイエンド人材の調達力、案件創出力および営業力を組み合わせることにより、既存事業領域における付加価値向上および収益機会の拡大が可能と考えている。ロールアップ型M&Aの第1号案件として位置付け、今後のM&Aのモデルケースとしていく。

 

⑤M&Aによる事業領域の拡張
SSP社のM&Aは、M&A基本方針のうち、「事業領域の拡張」に位置付けられる取り組みである。開発・実装領域のリソースを内製化することで、DX推進における提案可能なソリューションの拡張に繋げる。
人材紹介・スキルシェアにとどまらず、人材ビジネスの枠を超えて経営アジェンダ解決を総合支援するプラットフォームへの進化を目指す同社にとって、M&Aは極めて重要な戦略である。

(同社資料より)

 

(4)中期経営計画の進捗(2026年6月期末時点)
中期経営計画初年度となる26年6月期は、戦略投資の効果発現とAI社会の進展によるハイエンド人材需要の拡大を追い風に、計画値を大きく上回って着地した。27年6月期も、良好な事業環境を踏まえ、中期経営計画の目標値を上方修正した。

(同社資料より)

 

27年6月期以降の課題としては、以下のようなポイントを挙げている。
*成長基盤の拡大
決定人数・稼働人数の積み上げを継続し、SSP社を起点とした今後のM&Aによる連携拡大も検討する。
*構造改革投資の位置づけ
人的資本投資は最優先で継続する。広告宣伝はデジタルマーケティング中心の集客施策を実施。DXは26年6月期に整えた基盤の活用フェーズへ移行する。
*28年6月期に向けた収益化論点(営業利益成長への転換)
26年6月期は戦略投資先行により営業利益率は未だ改善途上である。売上総利益の拡大、生産性の向上、業務基盤の効率化を通じて投資効果を営業利益成長へつなげる。

 

(5)資本・財務戦略
①安定した財務基盤
26年6月末、現預金33億円、有利子負債3億円で30億円のネットキャッシュを保有する。自己資本比率は59.5%。この安定した財務基盤を活用して成長投資を実行する。
規律ある投資実行のために、手元の必要流動性、資本構成、返済余力などを継続的に確認し、財務健全性を管理する。

 

②キャッシュアロケーションとEPS及びDPSの成長
安定した財務基盤をベースに、中長期的な収益拡大に資する投資を実行。創出したキャッシュを再投資と株主還元に振り向ける。収益力向上に伴うEPSの増大と合わせ、新たに配当性向も加味した配当方針により、DPSの増加にも繋げていく。

 

(6)成長ロードマップと数値目標
28年6月期までの3年間をフェーズ1、31年6月期までの3年間をフェーズ2としている。
フェーズ1では、既存事業の拡大と利益率改善に向け、事業会社向け人材紹介・スキルシェアを第2成長曲線の柱として育成し、戦略投資の効果をトップライン成長と収益化へつなげる。
フェーズ2では、提供価値の拡張と利益成長を目指す。既存事業である人材紹介とスキルシェアを成長曲線の柱としながら、M&Aや提携により解決可能な機能の補完・拡充を継続し、経営アジェンダの解決領域を広げていく。

(同社資料より)

 

2028年6月期は「売上高100億円、時価総額100億円」を必達目標としている。
2031年6月期は「売上高200億円、営業利益37億円、当期純利益24億円、ROE28.7%」を掲げている。

 

24/6期

25/6期

26/6期

(予)

26/6期

(実)

27/6期

(計画1)

27/6期

(計画2)

28/6期

(計画)

31/6期

(計画)

CAGR

売上高

4,665

5,271

6,920

8,289

9,060

9,600

11,290

20,000

+23.1%

人材紹介

3,161

2,768

3,790

4,247

4,760

4,760

5,770

-

-

スキルシェア

1,504

2,502

3,130

3,774

4,300

4,300

5,520

-

-

SSP

-

-

-

267

-

540

-

-

-

営業利益

833

210

350

492

750

800

1,400

3,700

+24.0%

営業利益率

17.9%

4.0%

5.1%

5.9%

8.3%

8.3%

12.4%

18.5%

-

*単位:百万円、24/6期は連結、25/6期は非連結、26/6期以降は連結。CAGRは24/6期から31/6期への成長率、同社資料を基にインベストメントブリッジが計算。27/6期(計画2)は修正計画。

 

 

3.2026年6月期決算概要

【3-1業績概要】

 

25/6期

構成比

26/6期

構成比

前期比

予想比

売上高

5,271

100.0%

8,289

100.0%

+57.3%

+3.6%

売上総利益

2,857

54.2%

4,534

54.7%

+58.7%

-

販管費

2,646

50.2%

4,041

48.8%

+52.7%

-

営業利益

210

4.0%

492

5.9%

+134.3%

+7.1%

経常利益

219

4.2%

497

6.0%

+126.9%

+8.2%

当期純利益

321

6.1%

288

3.5%

-10.3%

+20.2%

*単位:百万円。25/6期は非連結、26/6期は連結。前期比はインベストメントブリッジが計算した参考値。

 

*26/6期3Qから連結決算に移行。以下の前期比は非連結決算の25/6期との比較をインベストメントブリッジが計算して記述。

 

大幅な増収増益、修正予想も上回る
売上高は前期比57.3%増の82億89百万円。事業会社からの案件獲得が順調に進展しスキルシェアが大幅な伸長。人材紹介も2桁の増収。営業利益は同134.3%増の4億92百万円。増収に伴い売上総利益は同58.7%増。成長戦略に沿い計画通り人的投資や広告宣伝投資を積極的に行い販管費も増加したが、これを吸収し大幅な増益。
AIの浸透でハイエンド人材需要が拡大する中、人的投資によるフロント人材の確保や広告宣伝投資による認知度向上等の効果が売上・利益の拡大に繋がった。単体でも前期比52.2%増収、同147.5%営業増益となった。
四半期ベースでは営業利益は2四半期連続で過去最高を更新した。

(同社資料より)

 

【3-2 サービス別動向】

◎売上高(単体)

 

25/6期

構成比

26/6期

構成比

前期比

予想比

人材紹介

2,768

52.5%

4,247

52.9%

+53.4%

+12.1%

スキルシェア

2,502

47.5%

3,774

47.1%

+50.8%

+20.6%

合計

5,271

100.0%

8,021

100.0%

+52.2%

+15.9%

*単位:百万円

 

◎KPI

 

 

25/6期

26/6期

前期比

予想比

人材紹介入社決定人数

コンサルファーム向け

419

507

+21.0%

-18.0%

事業会社向け

161

220

+36.6%

-13.0%

合計

580

727

+25.3%

-16.5%

フリーコンサルタント稼働人数

-

1,568

2,522

+60.8%

+28.9%

*求職者が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合、紹介手数料の一部を返金する契約を締結しているが、当該返金対象となった場合も入社決定人数に含めている。なお、人材紹介(正社員採用サービス)の一部取引について外部提携する場合があるが、当該提携先で決定した場合は、入社決定人数に含めていない。フリーコンサルタントの稼働人数は月次稼働人数の合計。

 

(1)人材紹介
売上高は前期比53.4%増の42億47百万円。
主要顧客である大手コンサルティングファームの採用需要が回復基調となるなか、同社が強みとするマネージャー以上の採用支援案件を安定的に獲得するとともに、パートナークラスや大型案件の成約も寄与した。AIの進展等により企業の経営アジェンダが高度化・複雑化するなか、解決を担うハイエンド人材への需要が構造的に拡大していることを反映したものと考えている。事業会社向けサービスについても営業体制の強化や顧客基盤の拡大が進み、入社決定人数は予想を下回ったものの堅調に推移した。平均年収及び平均手数料率は高水準を維持し、平均売上単価は過去最高水準となった。

(同社資料より)

 

(2)スキルシェア
売上高は前期比50.8%増の37億74百万円。
企業のDX・AI関連需要拡大を背景に、営業体制の強化及び新規顧客の開拓が奏功し、稼働人数は継続的に増加した。高い受注単価を維持しながら既存顧客との取引拡大も進み、四半期売上高は10四半期連続で過去最高を更新した。 
26年2月に子会社化したSSP社を連結業績に取り込んだ。同社が有するシステム開発・保守・運用に関する技術力を加えることで、ハイエンド人材サービスとの連携を進め、開発・実装領域まで含めた経営アジェンダ解決を支えるサービス提供体制の強化を推進している。

(同社資料より)

 

【3-3 財務状態とキャッシュ・フロー】

◎主要BS

 

25年6月末

26年6月末

増減

 

25年6月末

26年6月末

増減

流動資産

3,982

4,592

+610

流動負債

878

1,772

+894

現預金

2,999

3,387

+388

仕入債務

253

430

+177

売上債権

733

1,103

+370

固定負債

311

517

+206

固定資産

532

1,071

+539

負債合計

1,189

2,290

+1,101

有形固定資産

219

222

+3

純資産

3,325

3,374

+49

無形固定資産

144

492

+348

利益剰余金合計

1,800

1,912

+112

投資その他の資産

168

356

+188

負債純資産合計

4,515

5,664

+1,149

資産合計

4,515

5,664

+1,149

借入金

366

317

-49

*単位:百万円。25/6末は非連結、26/6末は連結。増減はインベストメントブリッジが計算。

◎キャッシュ・フロー

 

25/6期

26/6期

増減

営業CF

-183

1,049

1,232

投資CF

-139

-312

-173

フリーCF

-322

737

1,059

財務CF

298

-416

-714

現金同等物残高

2,999

3,319

320

*単位:百万円。25/6期は非連結、26/6期は連結。

 

【3-4 トピックス】

(1)合同会社デロイト トーマツより入社実績を評価され表彰
2026年6月、合同会社デロイト トーマツがパートナー企業への感謝と功績を称えて開催する「感謝の会」において、「Top Partner DIAMOND」「Top Recruiter DIAMOND」「Women’s Empowerment Partner GOLD」「Strategic Partner DIAMOND」を受賞した。
このアワードは、合同会社デロイト トーマツのコンサルティング領域のキャリア採用において、高い成果を残した企業および個人を表彰するもの。
同社はハイエンド人材領域における採用支援を通じて、合同会社デロイト トーマツの人材獲得に貢献してきた実績が評価され、最も多くの入社実績を実現したとして「Top Partner DIAMOND」を受賞。また、個人部門においても、最も多くの入社実績を実現した担当者として同社コンサルタントが「Top Recruiter DIAMOND」に選出された。
そのほかにも、多くの女性入社実績を実現したとして「Women’s Empowerment Partner GOLD」や、戦略的に重要な領域で最も多くの入社実績を実現したとして「Strategic Partner DIAMOND」にも選出され、合計4部門での受賞となった。

 

(2)副業CxOマッチングサービス「CxO-Pass」登録者2,000名を突破
2026年6月、株式会社StartPassと共同で提供する、スタートアップと経営人材をつなぐマッチングサービス「CxO-Pass」において、登録CxO候補者が2,000名を突破したことを受け、「CxO-Pass DB」の正式提供を開始した。
「CxO-Pass DB」の主な実績は以下の通り。
・登録CxO候補者数:2,000名以上
・毎月の登録増加数:約150名
・登録人材属性:約30%がBIG4・外資系コンサルティングファーム出身者またはスタートアップCxO経験者
・面談リクエスト返信率:60%以上(2026年6月時点)
・面談実施までの期間:平均約2週間

 

4.2027年6月期業績予想

【4-1 業績予想(連結)】

 

26/6期

構成比

27/6期

構成比

前期比

売上高

8,289

100.0%

9,600

100.0%

+15.8%

営業利益

492

5.9%

800

8.3%

+62.4%

経常利益

497

6.0%

780

8.1%

+56.7%

当期純利益

288

3.5%

500

5.2%

+73.3%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

2桁の増収増益
売上高は前期比15.8%増の96億円、営業利益は同62.4%増の8億円の予想。
拡大するハイエンド人材需要を確実に取り込むため、人的資本投資を継続する。入社決定人数、稼働人数は堅調な増加を予想。人材紹介の平均売上単価は前期の大型案件の反動を勘案し、巡航速度への回帰を見込んでいる。
2027年6月期より配当方針を「純資産配当率(DOE)5%を下限」から、「純資産配当率(DOE)5%または配当性向40%のうち高い方を基準」に変更した。配当は前期比6.00円/株増加の41.00円/株を予定。予想配当性向は40.8%。

 

 

【4-2 各サービスの見通し】

◎売上高

 

26/6期

構成比

27/6期(予)

構成比

前期比

人材紹介

4,247

52.9%

4,760

52.5%

+12.1%

スキルシェア

3,774

47.1%

4,300

47.5%

+13.9%

*単位:百万円

 

◎KPI

 

 

26/6期

27/6期(予)

前期比

人材紹介入社決定人数

コンサルファーム向け

507

560

+10.5%

事業会社向け

220

270

+22.7%

合計

727

830

+14.2%

フリーコンサルタント稼働人数

-

2,522

2,860

+13.4%

*求職者が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合、紹介手数料の一部を返金する契約を締結しているが、当該返金対象となった場合も入社決定人数に含めている。なお、人材紹介(正社員採用サービス)の一部取引について外部提携する場合があるが、当該提携先で決定した場合は、入社決定人数に含めていない。フリーコンサルタントの稼働人数は月次稼働人数の合計。

 

(1)人材紹介
売上高は前期比12.1%増の47億60百万円の予想。
平均年収及び平均手数料率はハイエンド人材市場における適正な水準を維持。
コンサルティングファーム向けにおいては、コンサルティング業界の良好な事業環境を受け、入社決定人数は成長路線への回帰を見込む。
事業会社向けにおいては広告宣伝投資と営業体制強化を新規顧客開拓に繋げ、入社決定人数を大きく伸ばす計画。
平均売上単価については、コンサルティングファーム向け・事業会社向けともに26年6月期の高単価案件の影響から低下を想定。標準的な平均売上単価を設定している。

 

(2)スキルシェア
売上高は前期比13.9%増の43億円の予想。
1人当たり平均受注単価は前期並みと適正な水準を維持するとともに、DX・AI関連需要の拡大を背景に26年6月期に積極採用したフロント部門人員の通期寄与で、稼働人数は大幅に拡大する見通し。

 

【4-3 戦略的投資計画】

広告宣伝投資約4億円、DX・IT投資約1億円、人的資本投資約5億円の合計10億円を計画している。
拡大する需要を着実に取り込むため、フロント人員を中心とした人的資本への重点投資を継続。広告宣伝は26年6月期に実施した認知度向上のためのTVCMは行わずデジタルマーケティングによる集客施策に注力する。DX・IT投資は生産性向上に向けたAI活用を強化する計画。

(同社資料より)

 

 

5.伊藤社長からのメッセージ

伊藤 文隆 社長 COOに、株主・投資家へのメッセージを伺った。

 

上期には営業損失を計上したことから、株主・投資家の皆様の中には、通期の着地について心配される方もいらっしゃったと思いますが、26年6月期は大幅な増収増益で修正計画も上回ることができました。AIの浸透でハイエンド人材需要が拡大する中、人的投資によるフロント人材の確保や広告宣伝投資による認知度向上等の効果が売上・利益の拡大に繋がりました。日本ではDXが未だ十分には進んでいない中でAIが急速に浸透してきたことで、多くの企業がDXにもAIにも対応していかなければならない状況にあり、十分な知識や実績を持つハイエンド人材への需要は今後もますます増大すると思われます。
27年6月期も戦略的投資を効率的に実行し、こうした需要を確実に取り込むことで、大幅な増収増益を計画しています。
成長力の高い事業会社向け人材紹介及びスキルシェアに注力するとともに、M&Aや業務提携を通じてソリューション領域を拡張し、人材紹介・スキルシェアにとどまらず、人材ビジネスの枠を超えて経営アジェンダ解決を総合支援するプラットフォームへの進化を目指してまいりますので、是非引き続き当社を応援していただきたいと思います。

 

6.今後の注目点

戦略投資が確実に収益に結びつき始めている。26年6月期は第1四半期にTVCM放映で認知度を高めた上で、第2四半期以降はデジタルマーケティングを中心とした面談機会の創出へ投資を集中したところ、認知向上から集客への連動がスムーズに機能し、人材紹介面談数は大きく増加。並行して即戦力人材を中心としたフロント部門の強化に注力した結果、入社決定人数もV字回復を遂げた。加えて、AIを活用して有効な面談を優先的に実施するなどの施策も、入社決定人数の増加に寄与しているということで、広告宣伝、人的資本、DX・IT投資という戦略投資全てが奏功したことは高く評価されよう。
AIがコンサルティング業界に及ぼす影響については様々な見方があるようだが、同社が今後注力する事業会社向け人材紹介及びスキルシェアの需要は確実に増大していくものと見込まれる。もちろん競争も激しくはなるだろうが、「業界トップクラスのスキルデータベース」という競争優位性を活かしてどの程度のスピード感で需要を取り込んでいくのか大いに注目していきたい。

(同社資料より)

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

8名、うち社外取締役3名(うち独立役員3名)

監査等委員

3名、うち社外取締役2名(うち独立役員2名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2025年9月26日

 

<基本的な考え方>
当社は創業以来、理念経営を推進しており、「人が活きる、人を活かす。」を企業理念として掲げ、事業を通じて、新しい価値を創造し、すべての人が活き活きと働く社会創りをめざしております。
企業を取り巻く環境は大きく変化し、社会の課題解決と新しい価値やイノベーションの創出が求められております。当社は、そのような変化に向けて、当社のパーパス(存在意義)をコーポレートステートメント「あらゆる課題は、人で解決する。」に込め、全社一丸となって持続可能な未来に新しい企業価値を提供するべく事業を展開しております。当社は、社会へ貢献できるサービスを提供することで、継続的に収益を拡充し、企業価値を向上させ、株主をはじめとしたステークホルダーの利益を最大化するために、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠であると認識しております。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

Copyright(C) Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.