ブリッジレポート
(4709) 株式会社IDホールディングス

プライム

ブリッジレポート:(4709)インフォメーション・ディベロプメント vol.6

(4709)インフォメーション・ディベロプメント/尾崎 眞民社長
2002年9月13日(土)

インフォメーション・ディベロプメントをフォローアップしました。 麹町の本社ビルで、小倉常務、IR担当の鰐川課長にお話を伺いました。
 


尾崎社長と舩越副社長

足元の概況

各事業分野ごとに足元の概況を伺いました。

<システム開発>
システム開発の場合、売上は下期に集中する傾向があります。
今期は事業計画を立てるにあたり、その上期・下期のバランスをより綿密に立てました。
その上で、現在までのところ売上、利益ともにほぼ計画どおりで、きているということです。


<運営管理>

第1Qは好調。第2Qもほぼ計画どおりだそうです。利益面も底堅く推移しています。

<データ入力>
企業の合併、統合が増加していることを受け、株券の名義書換などが増加しており、売上、利益ともにやや計画を上回っています。

<子会社の動向>
・SD
営業に力を入れ、特に日本ユニシスに対するきめ細かい営業を行った結果、稼働率を高め売上、利益ともに計画を上回っています。

・IDnet
事業内容を見直し、コールセンター事業への集中を進めていますが、立ち上げに際してやや苦戦の状況だそうです。

・スペースリンク
同社の提供する、企業の情報システム部門向けプロジェクト管理用パッケージソフトは、比較的大きな開発案件でないと導入の効果がないということで、現在の景況下で引き合いは弱く、これも苦戦中のようです。

同社の主要な顧客として金融機関があります。統合に伴う主要なシステム開発・統合は概ね終了しました。まだ積み残し分があるのですが、今年4月のトラブルの影響か、金融機関側は慎重な姿勢を見せており発注の動きは鈍いようです。
大手生命保険の統合が動き出しているのはプラスですが、全体の仕事量という点からは活況とは言い難い状況のようです。

こうした状況下、ID単体で見ると8月までは売上、利益ともにほぼ計画どおりであるが、上期末の9月の動向がポイントになるということです。

 

営業力強化に向けて

前回のレポートでも触れましたが、売上の拡大を目指し、同社の1つのサービスしか利用していない顧客企業に、他のサービスも利用してもらうよう働きかけていきます。
そのために、営業本部を創設し営業体制を整備・強化しました。

営業本部の役割としては、
新規顧客の開拓
営業戦略の構築(BOOアプローチ、営業ツール)
営業チャネルの開拓(IDグループチャネルの有効活用)
新規プロジェクト企画
営業サポート
があげられます。

まだ立ち上げたばかりであり、際立って目立った動きにはなっていないようです。ただ全体のパイの伸びが鈍化し競争が激しくなっている中で、従来のように既存顧客のところを回って仕事をもらってくるのではなく、先端の技術を取り入れた顧客に役立つ提案を行うことによって顧客化することが必要になっており、そうした営業体制を構築していく方針です。


取材を終えて

足元の状況は売上、利益ともほぼ計画どおりに進んでいるようですが、全般的には動きが鈍いようです。
ただトレンドとしては今後も金融機関、生損保の統合の動きが続くこと、アウトソーシング需要の拡大、「e-Japan構想」などもあり、顧客企業側のシステム開発&保守・運用ニーズは引き続き強いと思われます。
そうした中で、同社の課題としては「プロジェクト管理による生産性の向上」、「営業力強化」などがあげられます。
今後も引き続きその点を中心にフォローしていきたいと思います。