ブリッジレポート
(5162) 株式会社朝日ラバー

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ブリッジレポート:(5162)朝日ラバー vol.4

(5162:JASDAQ) 朝日ラバー 企業HP
横山 林吉 社長
横山 林吉 社長

【ブリッジレポート】朝日ラバー vol.4
(取材概要)2008年3月4日掲載
「通期の業績予想は下方修正となりましたが、修正幅は大きくなく、収益は比較的順調に積み上がっています。今期は、新製品や開発製品、更には生産の・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社朝日ラバー
社長
横山 林吉
所在地
埼玉県さいたま市大宮区土手町2-7-2
決算期
3月 末日
業種
ゴム製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年3月 5,314 399 375 176
2006年3月 4,578 366 353 209
2005年3月 4,057 251 251 147
2004年3月 3,449 233 211 112
2003年3月 3,154 172 159 75
2002年3月 2,907 98 85 10
2001年3月 3,582 315 336 189
2000年3月 3,140 313 300 141
株式情報(2/22現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
465円 4,554,696株 2,118百万円 6.1% 500株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12円 2.6% 47.87円 9.7倍 624.02円 0.7倍
※株価は2/22終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
朝日ラバーの2008年3月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
車載用機器、携帯用通信機器、電子・電気機器、産業機器、文房具用・スポーツ用などに使用される工業用ゴム製品の製造・販売を中心に、医療・衛生用ゴム製品や、硬質ゴムと軟質ゴムの複合製品等も手掛けています。
 
<沿革>
1970年5月、有限会社朝日ラバーとして設立。76年6月、株式会社に改組し、彩色用ゴム製品「アサ・カラー」(現:ASA COLOR LAMPCAP)及び弱電用高精密ゴム製品「ホルダー」の生産を開始しました。89年11月、医療用ゴム製品の生産を開始。98年9月に、株式を店頭登録(ジャスダック上場)しました。
 
<事業内容と主要製品>
事業は、工業用ゴム事業、点滴用ゴム栓や腰部クッション等の医療・衛生用ゴム事業、及び複合製品等のその他事業に分かれます。 2008年3月期中間期の売上構成比は、それぞれ、88.2%、11.7%、0.1%。工業用ゴム事業は、更に彩色用ゴム製品(売上構成比50.4%)、弱電用高精密ゴム製品(同 23.0%)、卓球のラケット用ラバー等のスポーツ用ゴム製品(同 4.8%)、その他工業用ゴム製品(同 10.0%)に分かれます。
 
彩色用ゴム製品
シリコーン材料をベースに独自の配合技術と調色技術を生かした、光デバイスに応用する製品をASA COLORブランドとして提供しています。ASA COLORは、従来製品の「アサ・カラー」及び「LEDホワイトキャップ」、「超透明シリコーンレンズ」などの製品に適合するブランドとして使用し、製品名をそれぞれ、「ASA COLAOR LAMPCAP」「ASA COLOR LED」「ASA COLOR LENS」と変更することで、同社のコア技術のイメージを顧客に浸透させることを目的としています。
 
弱電用高精密ゴム製品
冷陰極蛍光管(CCFL)ホルダー、Oリング、電池用ゴム等があります。
 
医療・衛生用ゴム製品
今後の事業領域として大きな可能性を秘めた医療・介護向けに、ディスポーザブル用ゴム製品など衛生面での配慮と後処理を考えた環境に優しい製品づくりを念頭に事業を進めています。
 
ディスポーザブル用ゴム製品とは、使い捨ての点滴輸液バッグ用ゴム栓や真空採血管用ゴム栓等です。前者は、点滴用の薬液が入ったボトルの口に使用するゴム栓です。後者は、血液検査の際に使用される容器内が真空の採血サンプル保存管のゴム栓です。いずれも針を刺す際の抵抗が少なく、また針を抜いても漏れない再シール性に優れています この他、院内感染など医療事故防止に役立つ医療製品向けの開発製品の量産が一昨年から始まっています。
 
2008年3月期第3四半期業績
 
<連結>
 
 
同社グループでは、自動車・情報通信・医療介護の事業分野において、独自の開発製品の市場供給推進と既存製品でのシェアアップを掲げ、積極的な販売活動、生産性向上に取り組みました。
その結果、当第3四半期の業績は、連結売上高は46 億19百万円(前年同期比16.1%増)となりました。
連結営業利益は2億76百万円(前年同期比3.4%減)、連結経常利益は2億31百万円(前年同期比11.9%減)、連結四半期純利益は1億35百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
 
四半期別の売上高推移
 
 
<セグメント別動向>
 
 
(工業用ゴム事業)
工業用ゴム事業のうち彩色用ゴム製品は、小型電球用彩色ゴムキャップの「ASA COLOR LAMPCAP」の連結売上高が3億83百万円(前年同期比16.3%減)と減少したものの、豊富なカラーバリエーションとLED の光のばらつきを均一化できる「ASA COLOR LED」が、自動車内装照明向けの光源として積極的な拡販活動により受注が好調に推移したことと、LED 仕入を一部無償支給から有償支給に切り替えたことによる売上高増の効果もあり、連結売上高が14 億95百万円(前年同期比75.2%増)と大幅に増加しました。
また、光透過率94%以上の特性を持つ超透明シリコーン製品は、携帯ゲーム機向けの応用製品の受注が減少したものの、高輝度LED と組み合わせた用途向けのレンズ製品「ASA COLOR LENS」の受注が好調に推移した結果、連結売上高が4億87百万円(前年同期比10.7%増)となりました。その結果、彩色用ゴム製品の連結売上高は、23 億71百万円(前年同期比35.2%増)となりました。
 
弱電用高精密ゴム製品では、競合他社並びに主要顧客の海外生産シフトによる厳しい価格競争および受注減少の影響を受けたものの、液晶テレビのバックライト用ホルダー製品の連結売上高が5億91百万円(前年同期比18.4%増)と増加したことなどにより、連結売上高は9億96百万円(前年同期比1.4%増)となりました。
 
スポーツ用ゴム製品は、新機種製品の受注増が寄与したことなどにより、連結売上高が2億30百万円(前年同期比8.7%増)となりました。
 
その他工業用ゴム製品の売上高は、新製品の量産化を進める一方、既存製品の取り組みの見直しを進めた結果、連結売上高は4億60百万円(前年同期比2.7%減)となりました。
 
この結果、工業用ゴム事業の連結売上高は、40 億59百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
 
(医療・衛生用ゴム事業)
医療・衛生用ゴム事業は、医療用ゴム製品では、独自の開発製品の受注が好調に推移したことによる売上高増により、連結売上高は5億11百万円(前年同期比3.9%増)となりました。衛生性、通気性、衝撃吸収性を追及した衛生用ゴム製品では、用途開発、試作品の提供や新規顧客開拓に取り組み、連結売上高は44百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
この結果、医療・衛生用ゴム事業の連結売上高は、5億56百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
 
<財政状態>
 
 
当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末比4億72百万円増加の、79億86百万円となりました。
これは主に、資産では現金及び預金の増加(前期末比1億39百万円増)、彩色用ゴム製品に係る設備投資等による有形固定資産の増加(前期末比1億44百万円増)によるものです。
一方、負債ではLED 仕入を、一部無償支給から有償支給としたことによる支払手形及び買掛金の増加(前期末比3億25百万円増)、短期借入金の増加(前期末比1億円増)などにより負債合計は前期末比3億88百万円増加の50億35百万円となりました。また、純資産は主に利益剰余金の増加により、前期末比84百万円増加の29億50百万円となりました。
その結果、自己資本比率は37.0%となり、1株当たり純資産は647円98銭となりました。
 
2008年3月期業績予想
 
通期の業績予想は前回予想(11月21日公表)を修正しました。
 
 
通期見通しは、独自の開発製品及び既存製品の一部において受注が好調に推移しているものの、開発製品における顧客の生産・販売計画の変更による量産開始と納入時期の遅れや、厳しい価格競争による販売単価の引き下げ、円高傾向を踏まえた為替の影響を考慮し、連結・個別の通期予想を見直しました。
 
取材を終えて
通期の業績予想は下方修正となりましたが、修正幅は大きくなく、収益は比較的順調に積み上がっています。
今期は、新製品や開発製品、更には生産の自動化等への取り組みを強化してきており、来期以降に顕在化するであろう、これら先行投資の成果に期待したいと思います。