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ブリッジレポート:(4709)インフォメーション・ディベロプメント vol.28

(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.28】2009年3月期業績レポート
取材概要「今期は、前期比1.0%の増収、同0.1%の経常増益予想。大口顧客の案件終了によりBPO事業の売上が減少するものの、主力のITO事業が堅調に推移する・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年5月19日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
会長
尾﨑 眞民
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区二番町 7-5
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 18,458 1,057 1,109 563
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
2002年3月 11,081 548 546 272
2001年3月 9,738 756 735 242
2000年3月 8,468 640 586 320
株式情報(5/11現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
524円 7,427,869株 3,892百万円 10.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
19.00円 3.6% 76.74円 6.8倍 768.16円 0.7倍
※株価は5/11終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2009年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
事業は、システムインテグレーション事業(SI)、ITアウトソーシング事業(ITO)、ビジネスプロセスアウトソーシング事業(BPO)、その他事業に分かれる。
 
ITアウトソーシング(ITO)事業
1,000名規模の技術者を擁する専門部隊が、導入後のシステム運営管理をサポート。ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。顧客は金融機関が全体の65.5%、情報・通信・サービスが31.2%、その他が3.3%
 
システムインテグレーション(SI)事業
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。顧客は金融機関が全体の39.8%、情報・通信・サービスが34.2%、その他が26.0%。
 
ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業
金融機関等へ「データ入力」、「バックオフィス」、「電話」、「ヘルプデスク」、「要員派遣」、「デジタルソリューション」などのサービスを提供している。
 
その他事業
コンサルティング&セキュリティ事業を中心に展開している。「セキュリティ・マネジメント」、「外部からの攻撃対策」、「内部不正への対策」の3つの側面から企業をサポート。世界の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
<IDグループ>
同社の他、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント(SD)、情報システム設計・開発の方法論の保有・販売及びコンサルティング等を手掛ける(株)プライド、中国のソフトウェア生産拠点として、04年4月に設立した艾迪系統開発有限公司(ID武漢)、06年12月に業容の拡大及び営業拠点の拡充を目的に子会社化した(株)日本カルチャソフトサービス(以下、CS)、及び08年8月に子会社化した紙データの電子化技術を有する(株)シィ・エイ・ティ(CAT)の連結子会社5社で企業グループを形成。優良顧客との継続的な取引が同社グループの特徴であり、ITアウトソーシング事業を安定収益源に、成長が続いている。
 
2009年3月期決算
 
 
前期比2.4%の増収、同6.9%の経常減益。

主力のITアウトソーシング事業が堅調に推移した他、08年8月に連結子会社化した(株)シィ・エイ・ティの寄与でビジネスプロセスアウトソーシング事業の売上も大きく伸びたが、SI事業を手掛ける子会社の苦戦等が響き、連結売上高は同2.4%の増加にとどまった。利益面では、グループ経営資源の共有による管理コストの削減、人員の有効活用による生産性の向上等、収益性の改善に取り組んだものの、売上の伸び悩みで人員の稼働率が低下したため売上総利益率が0.2ポイント悪化。のれん償却費の増加(36百万円増)や人材(基盤系技術者)育成費用の増加(49百万円)等による販管費の増加を吸収できず営業利益は同12.0%減少した。ただ、受取配当金の増加で営業外損益が改善したため、経常利益は同6.9%の減少にとどまった。
尚、基盤系技術者とは、データセンターのプラットフォーム開発技術者であり、09/3期は3ヵ年育成計画の2年目に当たる。
 
 
ITO事業   売上高:9,650百万円(前期比4.9%増)
契約期間中にもかかわらず既存サービスに対する値下げ要求が強まる等、事業環境は厳しさを増したものの、潜在ニーズの掘り起こしに努めた結果、新規案件が増加した。
 
SI事業   売上高:6,674百万円(前期比3.1%減)
主要顧客である金融・保険向けが堅調に推移したものの、昨秋以降の急激な景気の悪化により一部連結子会社で開発停止の案件の影響で減少。
 
BPO事業   売上高:1,492百万円(前期比18.1%増)
株券電子化関連で既存顧客向けの売上が増加した事に加え、(株)シィ・エイ・ティの連結効果もあり、大幅な増収となった。
 
その他事業   売上高:639百万円(前期比5.5%減)
セキュリティ業務及びコンサルティング業務の売上が減少した。
 
 
通期では金融機関及びその他向けの売上高が増加したものの、下期から、顧客の予算削減の傾向が強まり、一部において減少した。
 
 
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー
(株)シィ・エイ・ティの買収を行なったものの、営業キャッシュ・フローでカバーされている。借入金の増加もわずかで、良好な財政状態を維持している。
 
 
期末総資産は前期末比435百万円増の10,055百万円。借方では、現預金及びM&Aに伴いのれんが増加。一方、貸方では主に純資産が増加した。
 
 
売上債権の回収が進んだ事等で営業CFの黒字が増加。(株)シィ・エイ・ティの買収で投資CFのマイナスが増加したものの、フリーCFは471百万円の黒字となった。一方、借入金が増加した事等で財務CFのマイナスが縮小し、現金及び現金同等物期末残高は前期末比344百万円増加した。
 
2010年3月期業績予想
 
経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」によると、情報サービス産業全体の売上高は、09年9月に前年同月比減少に転じ、その後も減少傾向が続いている。また、4月に発表された日銀短観によると、今年度の金融機関を含めた企業のソフトウェア投資は、計画段階であるが、4年ぶりに減少する見込みである。
 
 
前期比1.0%の増収、同0.1%の経常増益予想。
大口顧客の案件終了によりビジネスプロセスアウトソーシング事業の売上が減少するものの、主力のITアウトソーシング事業が堅調に推移する他、厳しい事業環境が予想されるシステムインテグレーション事業についても顧客深耕とグループ内の人材資源共有を図り前期並の売上確保を目指す。また、セキュリティ商品の寄与でその他事業も増収が見込まれる。利益面では、増収効果と売上総利益率の改善、及び経費節減により営業利益は同6.9%増加する見込み。経常利益が前期並みにとどまるのは、受取配当金が減少するため。
 
 
中期経営計画
 
昨秋以降の急激な外部環境の悪化を踏まえて、中期経営計画を見直した。売上高200億円の達成を12/3期とし、当面は6%台への営業利益率の改善を優先事項とする。もっとも、早期に売上高200億円を達成するべく、経済情勢及び業界動向いかんでは、再度、計画の見直しを行い成長速度を加速する。
 
 
同社では、「グローバル化と技術進化により今後のIT業界の再編は避けられず、買収や提携が活発化する」と考えており、「この再編の波に乗り一段の飛躍を期するためには、売上高500億円規模の事業規模が不可欠」と言う。
売上高500億円企業を目指して、BOO戦略の展開と基盤業務系の拡大を図ると共に、人材の確保と育成に取り組む。
 
(1)BOO戦略の展開
既存3事業(ITO、SI、BPO)をコア事業とし、高付加価値サービスの提供や新規顧客の開拓、更には先端システム運営管理技術の利用による新サービスの提供等、BOO戦略の展開により既存顧客の深耕を図る。尚、BOOとは、ビジネス・オペレーションズ・アウトソーシングの略称で、川上から川下まで一括サービスを提供する事(一顧客複数取引)。
 
 
(2)基盤業務系の拡大
効率的で信頼性の高いプラットフォームの構築により、基盤業務系ソリューション(開発環境と運用環境の提供)を拡大させる。
 
 
(3)人材の確保と育成
女性比率を意識した人材採用を進めると共に、退職率改善対策を進める事でナレッジの蓄積と品質の維持・向上を図る。尚、同社は、中国現地法人の人材育成が評価され、人材の国際化推進企業として経済産業省の発行する「グッドプラクティス集」に掲載された。
 
 
 
取材を終えて
今期は、前期比1.0%の増収、同0.1%の経常増益予想。大口顧客の案件終了によりBPO事業の売上が減少するものの、主力のITO事業が堅調に推移する他、厳しい事業環境が予想されるSI事業も顧客深耕とグループ内の人材資源共有を図り前期並の売上確保を目指す。
同社は、2009年10月20日に創立40周年を迎える。当初7名からスタートしたが、今では関係会社5社を傘下に収め、社員数2,400名、連結売上高185億円の業容を誇る。また、実利の追求だけでなく、21世紀を担う子供たちの未来のために、J-KIDS大賞(全日本小学校ホームページ大賞)への協賛、国連WFP(世界食糧計画)評議員への加入、更にはユニセフ(国連児童基金)への継続的な募金活動等、社会貢献活動にも積極的に取り組んできた。
創立40周年という節目を迎える今期は、40周年事業として、「児童精神教育学」の岩宮教授の研究を支援すると共に、「山口佳代(東京オペラ) ピアノコンサート(09年8月30日)」、「徳永慶子 バイオリンコンサート(09年9月26日)」と言ったイベントに協賛する(「LYNX フルート4重奏コンサート」及び「鶴賀若狭掾(鶴賀流第11代家元、人間国宝) 新内浄瑠璃公演」は既に終了)。
設立から約40年を経た今も安定成長を続ける同社ではあるが、今後の更なる発展に期待したい。