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(4849) エン・ジャパン株式会社

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ブリッジレポート:(4849)エン・ジャパン vol.22

(4849:大証ヘラクレス) エン・ジャパン 企業HP
越智 通勝 会長
越智 通勝 会長
鈴木 孝二 社長
鈴木 孝二 社長
【ブリッジレポート vol.22】2009年12月期第3四半期業績レポート
取材概要「7-9月の第3四半期も厳しい決算となったが、コスト削減の進展により営業利益率において顕著な改善がみられた。売上の面では、未だ底打ち感がない・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年12月8日掲載
企業基本情報
企業名
エン・ジャパン株式会社
会長
越智 通勝
社長
鈴木 孝二
所在地
東京都新宿区西新宿 6-5-1
決算期
12月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年12月 21,329 5,943 5,906 3,090
2007年12月 22,686 7,564 7,573 4,168
2006年12月 16,919 5,605 5,607 3,105
2005年12月 11,491 3,791 3,826 2,203
2004年12月 6,980 2,245 2,254 1,253
2003年12月 4,372 1,749 1,754 1,038
2002年12月 3,107 1,305 1,283 663
2001年12月 1,876 933 898 464
2000年12月 620 254 249 132
株式情報(12/3現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
89,700円 233,124株 20,911百万円 22.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 1,201.52円 74.7倍 53,615.38円 1.7倍
※株価は12/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
エン・ジャパンの2009年12月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上での[en]ブランドの5つの転職・就職情報サイトの運営、及び人材採用から社員教育、人事評価制度までのコンサルティングサービスを提供している。求人・求職をめぐっては、「実際の業務に就いてみたら、業務内容が事前の説明と違った」と言うトラブルが多いが、同社では、営業担当者が求人企業を取材し、求人企業やその業務内容について、客観的で公正かつ詳細な情報提供を念頭に原稿作成が行われている。こうした取材に基づく公正で詳細な企業情報が求職者から高い評価を受けている事はもちろんだが、求職者は企業や業務内容を十分理解して入社するため、「戦力化が早い一方、離職者が少ない」と求人企業からも高い評価を受けている。尚、売上高の大半を求人企業からの求人広告掲載料収入が占め、求職者に負担は生じない。
 
 
2009年12月期第3四半期決算
 
 
前年同期比52.2%の減収、同89.5%の経常減益
売上高は前年同期比52.2%減の7,510百万円。完全失業率、有効求人倍率共に若干の改善が見られるものの、企業の採用意欲は低迷しており、主力の[en]社会人の転職情報の売上が前年同期比64.1%減少する等、全てのサイトで売上が減少した。営業利益は同88.8%減の459百万円。労務費・人件費(同15.5億円減)や広宣・販促費(同27.7億円)を中心に経費削減が進んだものの、減収の影響をカバーできなかった。四半期純損失となったのは、特別退職金236百万円など特別損失487百万円を計上したため。
 
 
 
7-9月の3ヶ月間では、前年同期比54.2%の減収、同77.6%の経常減益。減収の影響をカバーできず減益となったものの、労務費・人件費や広宣・販促費を中心に経費削減が進み、利益率が回復した。
 
 
(2)3Q(累計)事業セグメント別動向
 
中途採用事業の売上高には、[en]社会人の転職情報、[en]転職コンサルタント、[en]派遣のお仕事情報、[en]本気のアルバイトの各サイト売上高の他、適性テストなど中途関連その他の売上高が含まれている。

[en]社会人の転職情報は、売上高が前年同期比64.1%減の3,069百万円。9月末会員数は前年同期比32万人(14.1%)増の259万人。7-9月の3ヶ月間の売上高も1,040百万円と前年同期比59.6%減少したものの、一部で採用再開の動きが見られ、前四半期比では10.5%増。企業の採用予算縮小により、低価格帯商品の件数比率が高まり、平均単価が前四半期比7.2%減少(前年同期比30.4%減)したものの、平均月間納品件数が前四半期比17.3%増加した。
第4四半期は、人材の入社後の活躍・定着の支援を強化し、顧客満足の向上を図る。また、顧客接点を増やし、潜在ニーズの掘り起こしを強化する事により収益を伸ばし、売上シェア拡大を目指す。

[en]転職コンサルタントは、売上高が前年同期比37.0%減の1,089百万円。9月末会員数は前年同期比7.4万人(16.0%)増の54万人。7-9月の3ヶ月間の売上高は前年同期比46.2%減の302百万円。ハイクラス求人コーナー等のオプション商品の販売が鈍化したため、平均単価が前年同期比21.2%(前四半期比7.1%)減少した。
第4四半期は、会員層に合った案件を扱う人材紹介会社へのアプローチを強化する他、サイトの活用事例を用いた営業活動を強化し、人材紹介会社の案件成約を支援する事で継続掲載率の向上を目指す。

[en]派遣のお仕事情報は、売上高が前年同期比31.3%減の1,849百万円。9月末会員数は前年同期比11.0万人(21.6%)増の62万人。7-9月の3ヶ月間の売上高は前年同期比44.5%減の497百万円。契約更新時の企画縮小の動きが加速したため、平均単価が前年同期比28.9%(前四半期比11.6%)減少した。
第4四半期は、顧客の状況と要望に応じた商品の提案により継続掲載に向けた営業活動を強化する他、新規顧客開拓の推進により掲載事業所数維持を図る。

[en]本気のアルバイトは、売上高が前年同期比38.1%減の553百万円。9月末会員数は前年同期比12.5万人(47.0%)増の39万人。7-9月の3ヶ月間の売上高は前年同期比37.1%減の182百万円。ただ、人材需要が底堅い業界への営業が奏功し、前四半期比では6.9%増。4月入社の新卒社員が戦力化し、収益に寄与し始めている。
第4四半期は、従来よりも掲載効果が高くなっている正社員登用専門サイトの営業活動を強化する他、顧客の業種や業態に対応した商品の提案強化による確実なニーズの取り込みで掲載件数拡大を目指す。
 
 
新卒採用事業の売上高には、[en]学生の就職情報のサイト売上高の他、適性テストなど新卒関連その他の売上高が含まれている。
[en]学生の就職情報は、売上高が前年同期比54.5%減の674百万円。10月1日時点の会員数は前年同期比12.9万人(41.2%)減の18.4万人。7-9月の3ヶ月間の売上高は前年同期比66.0%減の178百万円。9月末時点の未納品残高を含めた年内納品売上高の予算進捗率は76.2%。第4四半期は、掲載社数拡大に向け、新規顧客開拓を強化する他、学生の属性別に小規模なイベントを開催し、企業と学生のマッチングを高め、他社との差別化を図る。尚、業種別の求人動向は、「流通・小売」、「サービス」の採用意欲が高い一方、「金融」が総じて慎重であると言う。
 
 
 
2009年12月期業績予想
 
 
通期の業績予想に変更は無く、前期比48.9%の減収、同83.1%の経常減益予想
第4四半期(10-12月)は、中途採用事業、新卒採用事業、教育・評価事業の3事業において、減収率が縮小し、損益が改善する見込み。
現時点では配当は未定。同社は、内部留保を成長のための投資に活用し、企業価値の最大化を図りつつ、配当性向30%程度を目処にして各期の業績に応じた利益還元を適宜行う事を基本方針としている。09/12期の期末配当については、経営環境の急速な悪化に伴い業績予想を修正した事から、現時点では「未定」とし、通期実績等を総合的に勘案した上で決定する考え。
 
 
 
新規事業・新サービスへの取組み
 
安定的な収益基盤の確立を目指して、SaaS型人事アウトソーシング事業及び企業向け会員制ビジネス教育講座を立ち上げる。SaaS型人事アウトソーシング事業の立ち上げに当たって、9月に、人事システム及び人事アウトソーシングサービスを提供するラクラス(株)と資本・業務提携を結んだ。
 
(1)SaaS型人事アウトソーシング事業
①ビジネスモデル
ラクラス(株)から人事システム及び人事アウトソーシングサービスのOEM供給を受け、エン・ジャパン独自の戦略人事支援サービスを付加して、エン・ジャパンブランドの商品として提供する。
 
 
②市場規模
市場規模は約2,000億円(従業員300~1,000名規模で400~500億円)。潜在市場は6,000億円と推定されている。
 
 
③サービスの特徴と期待される効果
従来の人事システムやBPOを超えた“フルアウトソーシング”に、戦略人事支援を組み合わせた業界初のサービスであり、導入後の解約リスクが少なく、景気の影響を受け難い事から、安定収益が期待できる。
 
 
(2)企業向け会員制ビジネス教育講座『[en]カレッジ』
ビジネスモデル
入会金と月会費の支払いのみで企業が希望する講座を好きなだけ受講する事ができる。対象顧客は従業員数300名以下の企業を想定している。尚、この事業は、会員社数の増加による収益向上と共に、既存顧客との関係強化への寄与も期待できる。
 
 
 
取材を終えて
7-9月の第3四半期も厳しい決算となったが、コスト削減の進展により営業利益率において顕著な改善がみられた。売上の面では、未だ底打ち感がないため、必ずしも楽観は出来ないが、第4四半期(10-12月)に予想通りの売上を確保する事が出来れば、底打ち感が出てくる。また、新規事業への期待と相まって、来期の展望も開けてくるし、配当も実施されるものと思われる。第4四半期の売上に注目したい。