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(4709) 株式会社IDホールディングス

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ブリッジレポート:(4709)インフォメーション・ディベロプメント vol.40

(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.40】2013年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「13/3期は必ずしも順調なスタートとは言えなかったが、悪材料の大方は予想に織り込まれていた。一方、事業環境は力強さに欠けるものの最悪期を・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年8月21日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区二番町 7-5
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 16,137 629 659 365
2011年3月 16,450 839 892 447
2010年3月 17,263 850 864 155
2009年3月 18,458 1,057 1,109 563
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
2002年3月 11,081 548 546 272
2001年3月 9,738 756 735 242
2000年3月 8,468 640 586 320
株式情報(8/6現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
507円 7,427,473株 3,766百万円 6.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
21.00円 4.1% 61.93円 8.2倍 839.95円 0.6倍
※株価は8/6終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2013年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社。一つの顧客に対し、ソフトウエア開発からシステム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。
 
【事業内容】
事業は、システム運営管理、ソフトウエア開発・保守、及びセキュリティ&コンサルティングを中心とするその他に分かれる。
 
システム運営管理     (12/3期売上構成比61.8%)
1,300名規模の技術者を擁する専門部隊が、ミドルウェアのカスタマイズからハードウエアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。
ソフトウエア開発・保守  (12/3期売上構成比32.5%)
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。
その他          (12/3期売上構成比5.7%)
セキュリティ&コンサルティングを中心に展開している。海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
【IDグループ】
グループは、同社の他、システム運営管理を手掛ける(株)日本カルチャソフトサービス(出資比率100%。以下、CS)、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント(同80%、SD)、情報システム・コンサルティング等の(株)プライド(同54.4%)、中国でソフトウエア開発、システム運営管理等を手掛ける艾迪系統開発(武漢)有限公司(同100%、ID武漢)、シンガポールでソフトウエア開発、システム運営管理等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT SINGAPORE PTE. LTD.(同100%、IDシンガポール)、及びアメリカで人材採用・育成、現地市場調査、情報収集等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT AMERICA INC. (同100%、IDアメリカ)の連結子会社6社。
 
 
 
2013年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比0.1%の増収、61百万円の経常損失
売上高は前年同期比0.1%増の3,838百万円。データ入力事業からの撤退及び関連子会社の連結除外等の減収要因があったものの、既存顧客との取引拡大でソフトウエア開発事業が伸びた他、大手ITベンダーとのパートナーシップの強化と積極的な提案活動によりシステム運営管理事業も前年同期並みの売上を確保した。
ただ、損益の面では、新規案件獲得に向けた低採算案件の戦略的受注や不採算案件の発生に加え、外注費の増加もあり、売上総利益率が悪化。賞与引当金の増加やクラウド事業の営業部隊の増強などもあり、59百万円の営業損失となった。
 
 
主力のシステム運営管理事業の売上高は前年同期比1.0%増の2,474百万円。企業の経費節減傾向が続く中、大手ITベンダーとのパートナーシップの強化及び積極的な提案活動により受注が堅調に推移した。
ソフトウエア開発事業の売上高は前年同期比8.6%増の1,250百万円。オフショアを活用した一括受託サービスの提供等、提案営業の強化が奏功し既存顧客からの受注が拡大した。
その他の売上高は前年同期比51.6%減の112百万円。データ入力事業からの撤退及び同事業を主力とした子会社の連結除外の影響等で売上が減少した。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末比850百万円減の8,995百万円。年度末を越え売上債権の回収が進んだため、余剰資金を有利子負債の返済に充てた。バランスシートのスリム化が進んだ結果、第1四半期末の自己資本比率は67.2%と3.8ポイント改善した。
 
(4)国内外での営業・サービス拠点の開設
山陰支店の開設
12年4月に鳥取県、島根県(中国地方全体がカバーエリアに入る見込み)におけるITサービス事業の拡充を目的として、鳥取県米子市に山陰支店を開設した。現地に拠点を有する戦略パートナーとの連携強化が主な目的だが、官公庁等の需要の取り込みにも力を入れていく考え。
 
シンガポール子会社の設立
12年5月にシンガポールに100%子会社「INFORMATION DEVELOPMENT SINGAPORE PTE. LTD.(通称、IDシンガポール)」を設立した。IDシンガポールは、データセンターにおけるシステム運営管理、IT基盤の設計・構築、及びソフトウエア開発等のサービスを現地の日系金融機関に提供する。また、現地の業務提携先であるKAWATEC(シンガポール)との協業を進め、シンガポールだけでなく東南アジアの周辺諸国にもサービスを広げていく考え(対象は日系企業)。3年後には東南アジア全域で売上高10億円を目指している。
 
中国子会社における「iD‐CLOUD Operation Center」の開設
中国でシステム運営管理やソフトウエア開発事業等を展開する連結子会社 艾迪系統開発(武漢)有限公司(中国湖北省武漢市。以下、ID 武漢)が、12年6月に中国江蘇省蘇州市に、グローバルITサービスを提供する「iD-CLOUD Operation Center」を開設した。
今後は「iD-CLOUD Operation Center」を拠点として、システム運営管理事業とクラウドサービスとの連携を図り、日本、中国、東南アジア、欧米とグローバルに展開していく考え。15/3期にクラウドサービスを含むシステム運営管理事業の連結売上高として120億円を目指している。
 
 
 
2013年3月期業績予想
 
 
業績予想に変更は無く、通期で前期比2.2%の増収、同25.1%の経常増益を見込む
当初から上期の苦戦を予想しており、上期は前年同期比3.4%の増収ながら、同32.1%の経常減益を見込んでいる。第1四半期の着地は想定を下回った可能性があるが、「i-Bos24(ID's Business Operations-Outsourcing Service 24)」の下での既存顧客へのグループ横断的な営業展開が成果をあげつつあり、事業環境の改善と相まって下期以降、業績に反映されてくる見込み。
通期では、前年同期比2.2%の増収、同25.1%の経常増益予想。配当は1株当たり21円の期末配当を予定。

尚、「i-Bos24(ID's Business Operations-Outsourcing Service 24)」とは、一つの顧客に対して複数のサービスを提供するトータルなITアウトソーシングサービス「Business Operations Outsourcing」の同社ブランド。ソフトウエア開発、システム運営管理、BPO等の同社サービスのクロスセルを展開していく考え。
 
 
(2)グローバル展開に向けた取り組み  北米子会社の設立及びロンドン支店の開設
INFORMATION DEVELOPMENT America Inc.(通称、IDアメリカ)の設立(8月)
近年、企業のグローバル化が進む中、情報システムにもグローバルかつ柔軟な対応が求められている。同社はグローバル化を加速する顧客企業へ高水準のサービスを提供するために不可欠な技術力と語学力を兼ね備えたグローバル人材を確保・育成すべく、8月に100%子会社 INFORMATION DEVELOPMENT America Inc.(本社:デラウェア州。通称、IDアメリカ)を設立し、優秀なIT系大学が集中する米国東海岸ボストンに事業拠点を開設した。
 
ロンドン支店の開設(10月予定)
長引く円高と日本経済の停滞を背景に多くの日系企業が海外展開を進めており、欧州においても日系企業による投資や事業買収等が活発化している。こうした中、欧州経済の中心地である英国ロンドンは、以前より大手金融機関を始めとした日系企業が多く存在している都市であり、同社グループの顧客も含めて、現在も多くの日系企業が欧州の統括拠点あるいは主要な事業拠点として活動している。
同社グループは、これまで日本及び中国において企業の基幹系システムに係る24時間365日のシステム運営管理サービスやソフトウエア開発等を手掛けてきたが、今後はこのノウハウと技術を活かし、ロンドン支店INFORMATION DEVELOPMENT CO.,LTD. LONDON BRANCH(本社:ロンドン。通称、IDロンドン)を中心に、ロンドン及び欧州地域において市場調査、情報収集、ITサービスの提供を展開していく考え。
 
 
今後の注目点
13/3期は必ずしも順調なスタートとは言えなかったが、悪材料の大方は予想に織り込まれていた。一方、事業環境は力強さに欠けるものの最悪期を脱しており、「i-Bos24」の下での営業努力の成果もソフトウエア開発事業を中心に顕在化してきたようだ。第2四半期以降の巻き返しに期待したい。
尚、中期経営計画の最終目標は売上高200億円だが、同社では長期的な観点からコア事業の強化・拡大とグローバル展開により早期に売上高300億円を達成したい考え。売上高が300億円を超えてくると、スケールメリットを享受できる上、利益面での厚みが増し収益の安定性も一段と高まる。