ブリッジレポート
(4290) 株式会社プレステージ・インターナショナル

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ブリッジレポート:(4290)プレステージ・インターナショナル vol.9

(4290:東証2部) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.9】2013年3月期業績レポート
取材概要「今後、ダイレクト通販系損保のロードサービスのシェア拡大に伴い認知度が向上したロードサービス(同社の事業セグメントではロードアシスト事業)の・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年7月9日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町1-4
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(6/20現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,280円 14,904,700株 19,078百万円 13.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
18.00円 1.4% 120.10円 10.7倍 762.30円 1.7倍
※株価は6/20終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
プレステージ・インターナショナルの2013年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
 
会社概要
 
連結子会社20社、持分法適用関連会社1社と共にグループを形成し、国内外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している。サービスの主なものは、損害保険会社、自動車関連会社、クレジットカード会社、不動産管理会社等を主な取引先とし、自動車保険加入者向けのロードアシスタンスサービス、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンターサービス、物件の管理会社等と契約しマンション等の入居者に対するホームアシストサービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)、駐車場管理会社向けのパークアシストサービス等。
01年7月の大証ナスダック・ジャパン(その後、ヘラクレス市場に名前を改称し、現在JASDAQ)上場を経て、12年12月に東証2部に上場した。
 
 
同社の成長を支えてきたのが、秋田BPOキャンパスだ(緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンター)。「長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になる」との考えから03年10月に開設した秋田BPOキャンパス(WEST棟550席)は、その後、07年EAST棟(650席)開設、12年サテライト棟(300席)開設と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割も担っている。
 
秋田BPOキャンパス
03年10月 WEST棟(650席)開設
07年 4月 EAST棟(550席)開設
12年 4月 サテライト棟(300席)開設
 
【事業内容】
事業は、ロードアシスト事業、インシュアランス事業、CRM事業、カード事業、プロパティアシスト事業のBPO事業と、BPO事業の補完的な役割を担うIT事業、派遣・その他事業に分かれる。
 
ロードアシスト事業 13/3期売上構成比38%
損害保険会社及び自動車メーカー等との契約に基づき、その顧客であるエンド・ユーザーに対してロードアシスタンスサービスを提供している。同社が秋田BPOキャンパス(コンタクトセンター)において緊急要請を24時間年中無休で受け付け、実際のサービスは、関係会社である(株)プレミアアシスト東日本・西日本、(株)プレミアロータス・ネットワーク、及び自動車整備会社やレッカー業者等の協力会社に委託。関連するシステムの開発については、(株)プレミアネットワークがその役割を担っている。
 
インシュアランス事業 同32%
損害保険会社向けの海外日本語アシスタンス及び海外旅行保険クレームエージェント、海外進出企業向けヘルスケア・プログラム(海外駐在員の傷害・病気への対処)、自動車メーカー及び中古車販売会社向け延長保証・メンテナンスプログラム、少額短期保険事務代行サービス、及び(株)イントラスト、(株)オールアシストによる家賃保証サービス等を手掛けている。海外は、米国、英国、香港、中国(上海)、シンガポール、タイ、オーストラリア、ブラジルに現地法人を展開。
 
CRM事業 同12%
通信販売会社、海外ブランド、ポータルサイト運営会社等に対して、国内・海外のコンタクトセンターのアウトソーシングサービスや損害保険会社向け24時間事故受付業務全般のアウトソーシングサービスを提供。日本及びアジアにフォーカスしている。
 
カード事業 同7%
日系航空会社、海外金融機関との提携により、米国、香港及び上海において主に日本人駐在員向けに海外通貨建てクレジットカード(グループ独自のクレジットカード「プレミオカード」)の発行・運営を行っている。
 
プロパティアシスト事業 同8%
不動産向けサービス「ホームアシスト」及び駐車場管理会社向けサービス「パークアシスト」を提供しており、前者では分譲マンション等の入居者に対して一次修繕サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)を、後者では無人駐車場及びカーシェアリング車両のステーションにおけるトラブル(機器保守、補修、緊急・点検出動等)対応を行っている(実際のサービスは関係会社の(株)プレミア・プロパティサービス、(株)プレミアパークアシスト及び協力会社が提供)。
 
上記のBPO事業を補完するべく子会社がIT事業(同2.0%)、派遣・その他事業(同1.0%)を手掛けている。
 
【富山BPOキャンパス及び山形BPOガーデン建設計画】
現在、同社は秋田県秋田市に1,500席規模の秋田BPOキャンパス(WEST棟:550席、EAST棟:650席、サテライト棟:300席)を展開しているが、ほぼフル稼働の状態。加えて、東日本大震災の発生を契機にしたBCP(事業継続計画)に対する意識の高まりから、秋田BPOキャンパスと一定距離を置いた地点へのオペレーションの分散(2拠点化)を求める声が増えていた事もあり、富山BPOキャンパス(約1,500席)を富山県射水市に開設する事とした。総投資額は建物・付属設備で約35億円(土地64,000㎡は地元自治体から貸与を受ける)、15年2月のサービス開始を予定している(建設期間は14年4月~15年1月を予定)。
 
ただ、富山BPOキャンパスの業務開始までのキャパシティ不足に対応するべく、山形県酒田市に山形BPOガーデン(約500席)を建設中。富山BPOキャンパスと同様、土地(30,000㎡)は地元自治体から貸与を受けるため、同社は建物・付属設備に対する投資だけで済む(投資額:11.8億円、建設期間:13年5月~同年11月)。年内のサービス開始を予定しており(100名~150名でスタート)、これに先立つ13年2月上旬に山形県酒田市内に仮センターを開設した。
 
尚、富山BPOキャンパス、山形BPOガーデンは、共に託児所、カフェテリア、研修施設等を備え、従業員の約70%に女性を採用する計画。同社は、女性が長く働ける職場をつくり、女性の社会進出に最大限の貢献をしていく考えで、特に山形BPOガーデンについては、当初、“山形BPOセンター”と言う名称を予定していたが、「光・水・緑が織り成すリラクゼーション空間など女性が安心して長期的に働ける環境づくりをしていきたい」との思いを込めて名称が変更された。
 
 
2013年3月期決算
 
 
売上高が過去最高を更新し、13期連続の増収
売上高は前期比3.6%増の242億25百万円。NKSJホールディングス(株)との合弁会社で持分法適用会社(株)プライムアシスタンスにNKSJグループ向けサービスを移管した影響でロードアシスト事業の売上が減少したものの、インシュアランス事業やプロパティアシスト事業等の売上が順調に伸び吸収した。尚、(株)プライムアシスタンスは12年4月に設立され、同年10月から本格的にNKSJグループ向けのサービスを開始した。
 
営業利益は同9.2%減の23億80百万円。インシュアランス事業における延長保証・メンテナンスプログラムの売上増に伴う原価の増加やプロパティアシスト事業におけるフィールドワーク子会社の先行投資で、売上原価が同4.4%増加し原価率が0.6ポイント上昇。事業拡大に伴うオフィス拡張と人員の拡充に加え、山形BPOガーデン開設に向けた費用の発生もあり、販管費も21億91百万円と同12.5%増加した。(円高修正による押し上げ効果が、売上高で4億32百万円、営業利益で1億24百万円あった。)
(株)プライムアシスタンスにかかる持分法投資損失72百万円及びグループ間の資金取引にかかる為替差損1億49百万円(12/3期は為替差益56百万円を計上)を計上したため営業外損益が悪化したものの、特別損益の改善と税効果会計系の影響で当期純利益は8.7%の減少にとどまった。特別損益については、秋田BPOキャンパスの設備にかかる補助金収入2億89百万円など特別利益4億31百万円を計上する一方、同キャンパスの設備にかかる固定資産圧縮損2億89百万円など特別損失3億14百万円を計上した(前期は特別損益が42百万円の損失)。
 
尚、売上高及び営業利益が期初予想を上回る中で経常利益及び当期純利益が期初予想を下回ったのは、上記の営業外損益悪化の要因等による。また、円高修正が売上高で3億86百万円、営業利益で1億12百万円の上振れ要因となった。 >
 
 
ロードアシスト事業
売上高92億09百万円(前期比14.2%減)、セグメント利益8億67百万円(同32.3%減)。国内で損害保険会社と自動車メーカーにサービスを提供しているが、当期は10月にNKSJグループ向けサービスを(株)プライムアシスタンスに移管した影響で売上が減少。利益面では、売上の減少による売上総利益の減少に加え、山形BPOガーデン開設のための準備オフィスの設置や人材採用のコストが負担となった。
 
 
インシュアランス事業
売上高77億70百万円(前期比22.3%増)、セグメント利益4億90百万円(同44.3%増)。国内で延長保証・メンテナンスプログラム、家賃保証プログラム、及び小額短期保険事務代行全般、海外で海外旅行傷害保険クレームエージェント・サービス及びヘルスケア・プログラム等のサービスを提供している。当期は延長保証・メンテナンスプログラムが増収をけん引し、収益性の高いクレームエージェントやヘルスケアも企業の海外進出を背景に堅調に推移した。前期に事業基盤を再構築(回収強化、商品改定)した効果で子会社(株)イントラストが手掛ける家賃保証プログラムも黒字化。加えて、円安が売上高を1億98百万円、利益を70百万円押し上げた(通期予想に対しては、売上高1億74百万円、利益63百万円の上振れ要因)。
 
 
CRM事業
売上高28億09百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益3億16百万円(同21.8%減)。国内及び海外でのコンタクトセンターアウトソーシング及び国内での損害保険会社向け24時間事故受付サービスの収益が計上されている。国内において期中に開始した案件が堅調に推移し増収に寄与したが、利益面では、国内外で既存受託業務の一部が終了した影響をカバーできず前期比減益。ただ、既存受託業務のコスト管理を徹底した事で予想を上回る着地。円高修正が売上高を21百万円押し上げたが、利益への影響はほとんどなかった(予想に対しても、売上高が19百万円上振れする要因になったが、利益への影響は無かった)。
 
 
カード事業
売上高16億88百万円(前期比20.2%増)、セグメント利益4億82百万円(同30.2%増)。海外の日本人駐在員向けに海外通貨建てクレジットカードサービスを提供しており、13/3期はクレジットカード会員数が、米国で5.8%、中国で5.9%、それぞれ増加。円高修正も増収・増益に寄与し、売上高を2億12百万円、利益を55百万円押し上げた(予想に対しては、売上高で1億93百万円、利益で50百万円の上振れ要因)。
 
 
プロパティアシスト事業
売上高20億09百万円(前期比25.3%増)、セグメント利益1億21百万円(同1.0%減)。事業は、水廻りやガラスなど住宅にまつわるトラブル対応サービスを不動産関連会社に提供するホームアシストと機器保守、補修、緊急、点検出動等のサービスを駐車場管理会社に提供するパークアシストに分かれる。ホームアシストは、既存受託業務が拡大し売上が増加。パークアシストも、主力業務の拡大する中、新規案件の獲得が進み増収。ただ、ホームアシストでフィールドワークを手掛ける子会社(株)プレミア・プロパティサービスが実施した先行投資(拠点拡充や管理体制強化)が負担となり、セグメント利益が減少した。
 
 
 
期末総資産は前期末比11億38百万円増の158億54百万円。自己資本比率は70.7%と同9.1ポイント改善した。CFの面では、事業拡大に伴う運転資金の増加と税金費用の増加(8億05百万円→12億09百万円)で営業CFが減少したものの、4億74百万円のフリーCFを確保した。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
前期比7.9%の減収、同22.8%の経常増益予想
売上高は前期比7.9%減の223億円。インシュアランス事業におけるヘルスケア・プログラムでの大口案件の開始やプロパティアシスト事業での既存受託案件での業務拡大に加え、ロードアシスト事業における既存クライアントの深耕や(株)プライムアシスタンス向け人材派遣の好調等もあり、実質的には33億円程度の増収。ただ、ロードアシスト事業における合弁会社(株)プライムアシスタンスへの業務移管(前期は下期分のみの移管だったが、今期は通期分が移管される)や延長保証・メンテナンスプログラム(インシュアランス事業)における契約内容変更の影響(保険会社への再保険料が売上高から除外される)で52億円の減収要因が発生する。
 
一方、利益面では、クレームエージェントやヘルスケアを中心にしたインシュアランス事業の寄与等で営業利益が26億円と同9.2%増加。為替差損を見込んでいないため営業外損益も改善する見込み。為替の前提は、1ドル=94円。配当は1株当たり3円増配の18円を予定(上期末9円、期末9円)。
 
 
ロードアシスト事業は売上高75億21百万円(前期比18.3%減)、セグメント利益8億68百万円(同0.0%増)を見込む。(株)プライムアシスタンスへの業務移管が通期で24億円の減収要因となるが、既存クライアントの深耕による新規受託と既存受託業務拡大で、実質10%~15%の増収が見込まれる。
 
インシュアランス事業は売上高65億21百万円(前期比16.1%減)、セグメント利益7億79百万円(同58.9%増)を見込む。延長保証・メンテナンスプログラムにおいて、契約内容変更に伴い保証リスクの保険化売上が預り金となる事で28億円の減収要因が発生する。一方、今期より大手家電メーカー社数との新規取引が始まるヘルスケア・プログラムの売上が増える他、景気回復による消費マインドの改善から海外旅行者数及び駐在員数の増加が予想され、クレームエージェントの売上増につながると見ている。また、家賃保証は、回収体制の更なる強化や優良な管理会社との関係構築により一段の利益体質強化を図る。
 
CRM事業は売上高27億82百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益2億14百万円(同32.3%減)。国内では、ソーシャルゲーム系及び金融系市場を戦略的注力分野とし、ノウハウの蓄積と積極的な営業活動を行う。一方、海外では、アジアにフォーカスして既存クライアントにおける品質向上と業務効率化を推進する(小規模の英国法人、米国法人の事業拠点は更なる選択と集中を進める)。
 
カード事業は売上高17億30百万円(前期比2.4%増)、セグメント利益4億65百万円(同3.5%減)。日系企業の駐在員の増加で米国でのカード会員増が見込まれる。また、パートナーの航空会社と連携したプロモーション活動による新規会員獲得を目指すと共に、付帯サービスの拡充にも取組む。
 
プロパティアシスト事業は売上高25億09百万円(前期比24.9%増)、セグメント利益1億34百万円(同10.7%増)。ホームアシストでは分譲マンション市場を最重要マーケットとし既存クライアントの深耕に取組む。一方、パークアシストでは関西地区における既存クライアントからの受託の拡大と新規クライアントの開拓を見込んでいる。
 
上記の他、(株)プライムアシスタンス向けの人材派遣も引き続き堅調に推移する見込み。
 
(3)14/3期重点課題 山形BPOガーデン開設
12年10月より採用を本格的に開始しており(13年4月末時点で約80名を採用)、13年2月には酒田市庁舎内に仮センター(中町BPOセンター)を開設した。本センター開設時までに100~150名体制にする計画(5年間で500名規模に拡大させる計画)。今期に入り、仮センターでロードアシストにおける一部業務の受電を開始しており、今後はインシュアランス(クレームエージェント、ヘルスケア)やプロパティアシスト等の受電の準備も進めている。
 
 
 
今後の注目点
今後、ダイレクト通販系損保のロードサービスのシェア拡大に伴い認知度が向上したロードサービス(同社の事業セグメントではロードアシスト事業)の保険特約化の流れが進む見込みであり、ロードアシスト事業の中期的な見通しは明るい。加えて、インシュアランス事業において、消費地ニーズに応じた生産を目的とする生産拠点の海外シフトや景気回復による海外旅行者の増加を追い風にクレームエージェント・サービスやヘルスケア・プログラムの拡大が見込まれ、プロパティアシスト事業においても、住環境サービスの利便性に対する認知度が高まりつつある中、新築分譲マンションの着工戸数が3年連続で増加する等、ホームアシストの事業環境が良好。コインパーキングのメンテナンスなどを手掛けるパークアシストについても、引き続き安定した収益が期待できる。
13/3期は売上が伸び悩み、利益が減少したが、今後の見通しは総じて明るい。14/3期は最高益更新を視野に入れた展開が予想され、成長軌道への回帰が確認できよう。