ブリッジレポート
(5162) 株式会社朝日ラバー

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ブリッジレポート:(5162)朝日ラバー vol.30

(5162:JASDAQ) 朝日ラバー 企業HP
渡邉 陽一郎 社長
渡邉 陽一郎 社長

【ブリッジレポート vol.30】業績予想および配当予想を修正
取材概要「今回の修正により営業利益予想は下方修正となり、反対に当期純利益予想は前期比で大幅な増加という形となったが、役員退職慰労金および・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年4月14日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社朝日ラバー
社長
渡邉 陽一郎
所在地
埼玉県さいたま市大宮区土手町2-7-2
決算期
3月 末日
業種
ゴム製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 5,677 286 296 160
2013年3月 4,789 135 139 76
2012年3月 5,010 243 211 72
2011年3月 4,806 161 117 21
2010年3月 4,667 125 91 41
2009年3月 4,904 46 14 -80
2008年3月 6,284 414 325 211
2007年3月 5,314 399 375 176
2006年3月 4,578 366 353 209
2005年3月 4,057 251 251 147
2004年3月 3,449 233 211 112
2003年3月 3,154 172 159 75
2002年3月 2,907 98 85 10
2001年3月 3,582 315 336 189
2000年3月 3,140 313 300 141
株式情報(4/13現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,228円 4,547,608株 5,584百万円 5.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
13.00円 1.06% 68.83円 17.8倍 705.77円 1.7倍
※株価は4/13終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期実績。
 
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
小型電球やLEDに被せる事で様々な発色を可能にする被覆用ゴム製品を主力とする。自動車の内装用照明を中心に、携帯用通信機器、電子・電気機器、産業機器、スポーツ用等、幅広い分野で利用されている。シリコーン(ゴム状の合成樹脂)材料の配合技術と調色技術に強みを有し(色と光のコントロール技術)、シリコーンゴムに蛍光体を配合したLED用ゴムキャップは、LEDの光を波長変換して色調や輝度を調節できるため、10,000色以上の光を出す事やLEDの課題である光のばらつきを均一化する事が可能。また、医療・衛生用ゴム製品や硬質ゴムと軟質ゴムの複合製品等も配合技術を活かしてそれぞれの用途にあったゴム質を実現している。

グループは、同社の他、ゴム・プラスチック等の研究開発を行う(株)朝日FR研究所、米国の販売会社ARI INTERNATIONAL CORP.及び工業用ゴム製品の販売を手掛ける朝日橡膠(香港)有限公司、10年7月に設立した工業用ゴム製品の製造・販売を手掛ける東莞朝日精密橡膠制品有限公司、及び12年1月に設立した工業用ゴム製品の開発・設計・販売を手掛ける朝日科技(上海)有限公司の連結子会社5社からなる。
 
 
2015年3月期業績予想:業績予想および配当予想を修正
 
 
通期業績予想を修正も、一時的要因。増配も発表。
2015年4月13日、通期業績予想の修正を発表した。
代表取締役社長(当時)伊藤 潤氏が2015年3月13日に逝去したことに伴い、販管費に役員退職慰労引当金繰入額79百万円を計上したため営業利益、経常利益を下方修正した。

一方、受取保険金197百万円を特別利益に計上したこと、役員退職慰労金に対する繰延税金資産計上に伴い税金費用が減少する見込みであること等から当期純利益は上方修正となった。
故伊藤前社長の功労に報いるため同社は役員退職慰労金102百万円を故伊藤潤氏のご遺族へ贈呈する決定を行った。
 
 
保険金の受け取りにより当期純利益が前回予想よりも増加したため、期末配当予想を5円/株から10円/株へ上方修正した。配当合計は8円/株から13円/株へ。予想配当性向は18.9%。
なお、増配および役員退職慰労金の件はともに同社の第45回定時株主総会(2015年6月開催予定)での承認を得ることを前提としている。
 
 
今後の注目点
今回の修正により営業利益予想は下方修正となり、反対に当期純利益予想は前期比で大幅な増加という形となったが、役員退職慰労金および受取保険金という一時的な要因によるものであり、同社事業の本質的な部分に変化があった訳ではない。逆に、役員退職慰労引当金繰入額として79百万円を計上したが、売上増およびコストコントロールを始めとした収益性改善努力の結果、連結営業利益の今回下方修正額は31百万円にとどまった点も気に留めておきたい。

また、5月発表予定の2016年3月期業績予想も、2015年3月期比では営業利益、当期純利益ともに大幅な変化率となる事が予想されるが、投資家としてはその背景を十分理解し、この変化率のみを見て投資判断することは避けなければならない。

昨年10月、今回と短期間に創業者および代表者が相次いで逝去されたことは同社にとって大変不幸なことであったが、渡邉新社長の下、組織体制および事業の方向性に一切変化は無い。
渡邉社長は1967年生まれの現在48歳。技術者で同社キャリアをスタートさせた後、営業担当取締役を経験し、香港、上海子会社の社長も務める等、幅広い知識と豊富な経験を有している。
次回レポートでは、渡邉社長に今後の展開などを取材してみたい。