ブリッジレポート
(1909) 日本ドライケミカル株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(1909)日本ドライケミカル 2021年3月期決算

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投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

 

 

遠山 榮一社長

日本ドライケミカル株式会社(1909)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

機械(製造業)

代表取締役社長

遠山 榮一

所在地

東京都北区田端6-1-1 田端ASUKAタワー 18階

決算月

3月末日

HP

https://www.ndc-group.co.jp/

 

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,765円

7,001,188株

12,357百万円

15.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

30.00円

1.7%

249.96円

7.1倍

2,307.85円

0.8倍

※株価は6/30の終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。各数値は2021年3月期決算短信より。

 

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月期(実)

32,622

1,109

1,160

1,104

311.87

60.00

2019年3月期(実)

36,304

1,702

1,739

1,116

157.61

30.00

2020年3月期(実)

39,846

2,974

2,784

1,584

224.12

30.00

2021年3月期(実)

43,073

3,396

3,177

2,312

330.25

33.00

2022年3月期(予)

45,000

2,500

2,500

1,750

249.96

30.00

(単位:百万円、円)
2022年3月期は会社予想。
2018年10月1日付で1:2の株式分割を実施。2019年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定してEPS、DPSを算出。
当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。

 

 

日本ドライケミカル(株)の2021年3月期決算概要などについてご紹介致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期決算概要
3.2022年3月期業績見通し
4.成長戦略
5.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21/3期は前期比8.1%増収、14.2%営業増益。防災設備事業が大幅増収、売上総利益率も向上させて牽引した。8月に開示した会社予想を売上・各利益とも大幅に上回った。防災設備事業において採算性の良い案件受注に努めてきた結果に加え、プラント施設の工事案件増加及び消火設備用機器・製品の販売が増加したことによるもの。

     

  • 22/3期は前期比4.5%増収、26.4%営業減益を見込む。新型コロナの経済に与える影響は懸念されるものの、大規模再開発案件、さらには社会全般における防災意識の高まり等、需要喚起の要因がみられる。ビジネスの裾野は広がっており、顧客の防災にかかわるすべてのニーズにワンストップで応えることができる総合防災企業として、世の中に安心・安全を提供するとともに、環境に配慮した、より質の高い社会インフラの構築に貢献していく方針。

     

  • コロナ禍の中、21/3期は増収、各利益は2桁増益を確保、当初の会社予想も大幅に上回り過去最高益となった。特に防災設備事業において採算性重視の戦略が功を奏した。同事業では18/3期との比較で売上が73%伸びる中、売上総利益率は19.3%から21/3期には23.9%へ大幅に改善している。22/3期予想が減益となったのは、急速な採算性改善に会社側の予算が追い付いていない印象。21/3期実績が会社予想を大幅に上回ったのもこのためであろう。新たな製品も輩出しており、今後の収益貢献にも期待。株価は比較的堅調に推移しているものの、PER、PBRとも低位、同業他社との比較においてもかなり割安といわざるを得ない。株価の見直し余地は大きいと考える。

     

1.会社概要

「防災のプロフェッショナル」として高い評価を受けている国内最大級の総合防災企業であり防災エンジニアリング企業。同社グループは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消火設備、消防自動車、自動火災報知設備の製造・販売、防災関連用品の仕入・販売等、幅広く防災にかかわる事業を行なっている。
長年にわたって培われた経験と実績、高いエンジニアリング能力、独自の製品開発力などが強み。
2000年12月上場廃止となったが、2011年6月に再度東京証券取引所市場第2部へ上場。2013年12月には市場第1部に銘柄指定された。積極的なアライアンス戦略で顧客に新たな付加価値を提供する。

 

【沿革】

1955年

4月

粉末消火器、粉末消火設備および自動火災報知設備の製造・販売を主業として設立

1995年

6月

東証1部へ上場

2000年

12月

米国の総合セキュリティ・防災メーカーであるタイコインターナショナル社のTOBにより100%子会社となり、上場廃止

2010年

3月

株式上場を視野に取引先を中心に資本政策を実施

2011年

6月

東証2部へ再上場

2012年

5月

(株)初田製作所(非上場)と基本業務提携契約を締結

8月

(株)イナートガスセンターを設立

10月

沖電気防災(株)を子会社化

2013年

2月

新日本空調(株)と資本業務提携契約を締結

12月

東証1部へ上場

2014年

8月

OKIと資本業務提携契約を締結

福島市と立地基本協定を締結

10月

沖電気防災(株)を完全子会社化

2015年

1月

沖電気防災(株)を(株)ヒューセックへ商号変更

2016年

2月

ALSOKと資本業務提携契約を締結

2016年

5月

福島市福島工業団地内に福島工場を新設、稼働

2016年

7月

(株)総合防災を子会社化

2016年

10月

(株)ヒューセックを吸収合併

2017年

11月

(株)始興金属(19年3月よりNDC Korea(株)に商号変更)を子会社化

2018年

11月

広伸プラント工業(株)を子会社化

2020年

2月

本社を東京都北区に移転

 

【社長プロフィール】

遠山 榮一社長は、1950年生まれの71歳。
1972年に三菱商事に入社後、経理・財務部門、海外子会社などを歴任後、2004年1月同社入社。2005年8月に代表取締役就任。認知度・信用力の拡大を通じた企業価値の向上と企業体質の強化を図るとともに、従来の発想にとらわれない「防災市場」の創造・開拓を目指す。

 

【社是】

一、もの作り 
われわれは、社会のニーズを先取りした高品質な防災機器を製造、販売し、より安心・安全な社会インフラの構
築に貢献する。
一、顧客満足
   われわれは、社員一人ひとりの質的向上を目指し、火災の報知から消火までをカバーする最強の防災プロ集
団であり続ける。
一、コンプライアンス
   われわれは、コンプライアンス精神を尊び、自己規律を育む職場環境を醸成する。

 

【市場環境】

同社のメイン事業である防災設備事業の対象は主にオフィスビル、高層マンション、大型ショッピングセンターなど。
建設経済研究所の調査によれば、民間非住宅分野の建築着工床面積は企業に設備投資が増加基調の中、今後も底堅く推移すると見込まれるということだ。

(建設経済研究所「建設経済モデルによる建設投資の見通し(2021年4月)」よりインベストメントブリッジ作成

 

一方で、「リニューアル需要」も同社にとって重要なターゲットとなる。
国土交通省の調べによると、非住宅を対象としたリニューアル市場の市場規模は、2015年度が約7.8兆円、2016年度が約8.6兆円と大きく増加している。17年度、18年度は反動で減少したが、19年度には約9.2兆円へ大幅増。20年度については建築業の大型案件を中心に低迷、前年度比19.5%減となった。

(国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告書より、インベストメントブリッジ作成)

 

◎上場の同業他社としては以下の3社を挙げることができる。

 

 

売上高

増収率

営業利益

増益率

営業利益率

ROE(実)

時価総額

PER(予)

PBR(実)

1909

日本ドライケミカル

43,073

+8.1

3,396

+14.2

7.9%

15.4

12,357

7.1

0.76

6455

モリタHD

84,677

-2.6

8,855

+0.0

10.5%

8.4

72,651

13.2

0.93

6744

能美防災

107,897

-8.0

11,053

-27.0

10.2%

7.7

126,386

13.6

1.23

6745

ホーチキ

76,567

-4.9

5,180

-1.0

6.8%

10.5

29,398

10.5

0.76

(単位:百万円、%、倍)
売上高、営業利益は前期実績。時価総額等は2021年6月30日終値ベース。

 

従来の防災業界には例のない積極的な活動で、新市場の創造・開拓にチャレンジしている。日本ドライケミカルは21/3期の営業増益率、ROEが4社中トップ。こうしたこともあり、前年まで劣っていたバリューションは一定のレベルで見直された。それでも、PER、PBRとも低水準。企業規模の拡大、収益性の向上とともに、更なる認知度の向上が必要だろう。

 

【事業内容】

総合防災企業として「防災設備事業」、「メンテナンス事業」、「商品事業」、「車輌事業」の4事業部門から構成されている。各事業において「防災」というニーズ全てに対応し、顧客満足度の最大化を図っている。また、新たな顧客ニーズを開拓し、新しいビジネスの開発に結び付けていくという方針を掲げている。

 

<防災設備事業>
売上高の約半分を占める同社の主力事業。建築防災設備、プラント防災設備、特殊防災設備の3分野がある。
どの分野においても顧客の防災ニーズは多様化、大型化、高度化、複雑化している。同社は、長年培ってきた豊富な実績・ノウハウと高い技術力によって、顧客に対し最適な防災システムを提供している。

 

 

「建築防災設備」
60年以上の歴史を持つ同社において最も実績のある分野。
対象建築物は、オフィスビル、高層マンション、大型ショッピングセンター、駐車場、トンネルなど。

 

 

(横浜ランドマークタワー)

 

最近でも都内の大型再開発において数多くの施工実績をあげている。

 

同社はこれら建築物の建築主もしくは建築に携わる大手建設会社や設備工事会社から各種防災設備の設置を受注している。

 

一般建築物の防災設備は、消防法によってその設置が義務付けられており、設置基準も詳細に定められている。
また、設置後の点検に関しても厳格な基準が設けられている。
消防法の歴史は常に強化の歴史であるが、同社はその強化に迅速且つ適切に対応し、大切な人命と貴重な財産を守るという社会的使命を担い、責任を持って遂行。顧客からの高い信頼を獲得してきた。

 

「プラント防災設備」
原子力、火力、ガス、石油、石炭などさまざまなエネルギープラントから、石油化学、医薬、鉄鋼など広範な産業分野の製造工場および倉庫などが対象。

 

 

(東京電力 品川火力発電所)

 

顧客は電力会社や重電メーカーなど。

 

エネルギープラントでは、火災が発生し初期消火に失敗すると油流出を伴う大規模火災に発展する恐れがある。
そこで、このような火災には大量の消火薬剤を散布できる泡やガスといった消火設備が最適である。
同社は、このように、対象物の危険性、特殊性、形状に最も適した防災設備をデザインし、構築している。

 

 

「特殊防災設備」
50年の歴史と実績を持つ。
船舶用の防災設備は船舶安全法、海上人命安全条約、船級協会などの規定により設置・点検が義務付けられている。

 

 

 

(同社HPより)

 

自船消火設備として機関室や貨物艙には二酸化炭素消火設備、ガス運搬船甲板部には粉末消火設備、他船消火設備としてタグボートや消防艇には泡水消火設備や粉末消火設備などがある。
対象船舶は大型タンカー、旅客船・フェリー、消防艇など多岐にわたる。

 

<メンテナンス事業>
設置した防災設備もいざというとき確実に作動しなくては何の意味もない。
防災設備の点検は消防関係法令に規定され、一般的に年間2回の点検が義務付けられている。
同社は消防設備士の資格を持つスタッフによる各種防災設備の保守点検業務およびそこから派生する修繕及び改修工事を行っている。主要顧客は施主及びビル管理会社など。
同事業については、社会的な要請やコンプライアンス意識の高まりを背景に成長が見込まれること、また収益性の観点から今後も収益の柱として強化していきたいと考えている。そのためには、幅広く防災の知識を有し、顧客に信頼される人財の育成・強化が必要と認識している。

 

<商品事業>
同社は日本初の粉末消火器を開発したパイオニアであり、以来、研究・開発を重ね、独自の技術で幅広いニーズに応えるさまざまな消火器や防災関連商品を企画・開発している。

 

(同社資料より)

 

オフィス・工場などに設置される一般的なタイプの消火器のほかに、発電所や石油関連施設などの危険物施設向けの大型消火器、自動車に搭載する消火器、家庭用消火器などさまざまなタイプの消火器の製造・販売を行っている。

 

1999年には日本で初めてアルミニウム製容器を市場で最も流通しているABC粉末消火器10型に採用して販売を開始し、その後もアルミニウム製容器を用いた多くの製品を展開してきている。
アルミニウム製消火器は、
・鉄製に比べ約20%軽いため、操作性が格段に向上する。
・錆びにくい性質から腐食による破裂を起こしにくい。
・リサイクル性が高く環境にやさしいため、ISO14000Sやごみゼロ工場などに適している。
といった特徴がある。

 

同社はアルミニウム製消火器の先駆的メーカーであり、今後は殆どが鉄製である海外市場へ進出していく考えだ。
消火器以外には、火災報知器、避難器具、防災キットなど各種防災用品の仕入・販売を行っている。

 

 

 

 

(同社HPより)

 

同社は全国14ブロック、計260社(2021年6月末現在)の販売代理店で構成されている「エクスチン会」により、全国をカバーする強力な販売体制を構築している。
(「エクスチン」は、消火器の英語「a fire extinguisher」から引用している。)

 

<車輌事業>
消防自動車には、消火栓や河川から水を汲み上げ放水する消防ポンプ自動車、水源のない場所で放水可能な水槽付消防ポンプ自動車、油火災等の消火を行う化学消防ポンプ自動車などさまざまな種類があるが、同社は、消火・防災技術の最先端を結集することで、こうした専門性の高い消防自動車のニーズに対応している。

 

(消防ポンプ自動車)

 

(水槽付消防ポンプ自動車)

 

(化学消防ポンプ自動車)

 

(同社資料より)

 

同社は、消防ポンプ自動車、水槽付消防ポンプ自動車、化学消防ポンプ自動車の他、支援車、指揮車、小型動力消防ポンプ付水槽車など、各種消防自動車を製造・販売している。
主要装置の機能の高度化のみならず、自動揚水モニター装置、泡自動混合装置などの電子化、自動制御化も進めることで、操作性・安全性の向上および省力化に貢献している。
車両メーカーよりトラックシャーシを購入した後、顧客ごとの仕様に合わせた艤装(*室内外の各種装備などを車体に取り付ける工程のこと)を施し消防自動車として納入する。顧客のほとんどは地方自治体で、交換需要が中心となっている。競争は厳しいが長年携わってきた中で同社独自のアイデアや技術も具現化してきており、今後も注力していく考えだ。

 

【ROE分析】

 

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

ROE(%)

13.0

12.3

8.5

10.0

9.2

12.0

15.4

 売上高当期純利益率(%)

3.45

3.36

2.81

3.38

3.07

3.98

5.37

 総資産回転率(回)

1.36

1.40

1.24

1.26

1.31

1.14

1.05

 レバレッジ(倍)

2.74

2.63

2.45

2.35

2.30

2.65

2.73

 

21年3月期のROEは売上高当期純利益率の上昇を主因に15.4%へ上昇した。今後の本質的・継続的な収益性の向上が期待される。

 

【特徴と強み】

同社の事業ドメインである防災業界は、消防法をはじめとする様々な法律があり、工事・保守点検では消防設備士の資格が必要である。また特定の製品においても日本消防検定協会などによる検査の合格が必須であることなどから、参入障壁が高いことが特徴である。
これに加えて同社独自の特徴としては以下の4点があげられる。

 

➀長年にわたって培われた経験と実績
同社の創業は1955年4月。60年以上の歴史を有しており、長年にわたり培ってきた経験と実績に基づく信用力は、大きな財産である。

 

➁高度なエンジニアリング能力
一般建築物、プラント、船舶など幅広い分野における多数の、そして多様な防災設備の施工実績は、同社の高度なエンジニアリング能力に裏付けられている。

 

➂独自の製品開発力
クイックスプラッシャー、高性能型消火器、差動式分布型感知器(熱電対式)、NEOスプリンクラーシリーズなど同社オンリーの製品が多数。今後も研究開発に注力し、独自製品の開発を進めていく。

 

➃積極的なアライアンス戦略
防災業界は、専門領域が分化され、また他社と共同で事業を展開するといったことは極めて例がない業界。
そうした中で、同社はアウトサイダーであった遠山社長のリーダーシップの下、従来の発想に囚われることなく新たな防災マーケットを創造しようという経営戦略により、積極的なアライアンスを展開している。

 

【株主優待を拡充】

株主が選べる防災用品(優待品目)をより充実させるため、毎年品目を一部入れ替えている。
入れ替え後の内容は以下の通り。

 

No.

品目

内容

救急セット巾着タイプ

巾着付きの救急セット

内容:ガーゼ、絆創膏、はさみ、伸縮包帯、綿棒、ピンセット等

保存食5年サポートセットⅡ

1日分の食料品の備蓄セット(5年保存)

内容:1,500ml保存水、ビスコ、アルファ米(五目)、きなこ餅

オリジナル缶deボローニャ

食料備蓄品(3年6ヶ月保存)、

デニッシュパン(プレーン味)2缶セット

LEDパームラジオライト

LEDライト(1灯)、AM/FM2バンド仕様※単4形電池3本が別途必要

マルチツール 14

14の機能が隠されているマルチツール

機能:ナイフ、はさみ、缶切り、縫い針、ノコギリ、栓抜き、ドライバー等

マイレット mini-10

非常用のトイレセット(10回分)

内容:トイレ袋、凝固剤、持運び袋(各10個)、ティッシュ(2個)

サラヤ ドライシャンプー水を使わず拭き取るだけで髪や頭皮の汚れを落とす泡状のシャンプー
スペースエアーマットストローで空気を吹き込むだけ5~10分で膨らませられる
当社オリジナルQUOカード (1,000円分) コンビニエンスストア、書店、ドラッグストア、ガソリンスタンド等で使用可能。
国内災害義援金(1,000円分) 日本赤十字社を通じて、被災者の手元に届けられる。

 

 

2.2021年3月期決算概要

(1)連結業績

 

20/3期

構成比

21/3期

構成比

前期比

8月予想

予想比

売上高

39,846

100.0%

43,073

100.0%

+8.1%

41,000

+5.1%

売上総利益

9,430

23.7%

10,302

23.9%

+9.2%

販管費

6,455

16.2%

6,905

16.0%

+7.0%

営業利益

2,974

7.5%

3,396

7.9%

+14.2%

2,000

+69.8%

経常利益

2,784

7.0%

3,177

7.4%

+14.1%

2,000

+58.9%

親会社株主に帰属する当期純利益

1,584

4.0%

2,312

5.4%

+45.9%

1,320

+75.2%

(単位:百万円)

 

8.1%増収、14.2%営業増益
売上高は前期比8.1%増の430億73百万円。防災設備事業が大幅増収で牽引した。商品事業も増収。メンテナンス事業、車輌事業は新型コロナの影響もあり減収となった。引き続き自動火災報知設備から消火設備、消火器そして消防自動車までを広くカバーする総合防災企業としての立ち位置を更に強化しつつ、製品ラインナップの拡充を図り積極的な営業活動を推進してきた。また、各種防災設備の設計・施工、消火器及び消防自動車等の製造そしてそれらのメンテナンスを通じて、世の中に高度な安心・安全を提供し、より良質な社会インフラを構築するという社会的使命を果たすべく、グループ一丸となって注力している。防災業界においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業績への影響が懸念される状況にはあるが、防災・減災を目的とした公共事業や都市部の大規模再開発等による需要拡大への期待感は尚、継続している。
営業利益は前期比14.2%増の33億96百万円。利益面では大幅増収の防災設備事業が売上総利益率も向上させ、メンテナンス事業や車輌事業の利益率低下をカバーし前期を上回る売上総利益率を確保した。販管費率も低下したことにより営業利益率は前期7.5%から7.9%に改善し2桁増益を確保した。営業外では前期2億37百万円の為替差損が1億79百万円の為替差益となったが、支払利息の増加や新株予約権評価差損もあり経常利益は前期比14.1%増の31億77百万円となった。前期に特別損失に計上した投資有価証券評価損や段階取得による差損の反動により親会社株主に帰属する当期純利益は同45.9%増の23億12百万円となった。
8月に開示した会社予想を売上・各利益とも大幅に上回った。防災設備事業において採算性の良い案件受注に努めてきた結果に加え、プラント施設の工事案件増加及び消火設備用機器・製品の販売が増加したことによるもの。
期末配当は20.50円/株を実施、年間では前期比3.00円増配の33.00円/株。

 

(2)営業種目別動向

 

売上高

売上総利益

 

20/3期

構成比

21/3期

構成比

増減率

20/3期

利益率

21/3期

利益率

増減率

防災設備事業

20,150

50.6%

24,074

55.9%

+19.5%

4,705

23.4%

5,744

23.9%

+22.1%

メンテナンス事業

8,350

21.0%

8,043

18.7%

-3.7%

3,246

38.9%

3,107

38.6%

-4.3%

商品事業

8,787

22.1%

8,928

20.7%

+1.6%

1,203

13.7%

1,281

14.4%

+6.5%

車輌事業

2,558

6.4%

2,027

4.7%

-20.8%

274

10.7%

168

8.3%

-38.7%

(単位:百万円)

 

◎防災設備事業
大幅増収増益。
採算性の良い案件受注に努めてきた結果に加え、プラント施設の大型工事案件増加及び消火設備用機器・製品の販売が増加した。
◎メンテナンス事業
減収減益。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、顧客による改修・補修工事のスケジュール見直し、あるいは設備点検の先送り等が生じた。

 

◎商品事業
増収増益。
小型工事案件の引き合いが好調だった。

 

◎車輌事業
減収減益。
大型車輌及び特殊車輌の納入が前期より減少した。

 

(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

◎財政状態

 

20年3月

21年3月

 

20年3月

21年3月

 現預金

3,650

4,516

 仕入債務

8,784

8,204

 売上債権

17,267

15,064

 短期有利子負債

7,509

4,634

 棚卸資産

5,334

4,891

 長期有利子負債

4,333

2,523

流動資産合計

26,763

24,939

負債合計

25,897

21,053

 有形固定資産

8,844

8,955

純資産合計

15,997

18,971

 無形固定資産

1,456

1,249

 株主資本

13,413

15,515

 投資その他

4,830

4,880

負債純資産合計

41,895

40,025

固定資産合計

15,131

15,085

 有利子負債合計

11,843

7,158

資産合計

41,895

40,025

自己資本比率

33.1%

40.4%

(単位:百万円)

 

21/3期末の資産合計は、400億25百万円(前期末比18億70百万円減)となった。
流動資産は、249億39百万円(同18億24百万円減)となった。主な内容は、現預金45億16百万円(同8億66百万円増)、受取手形、売掛金及び完成工事未収入金125億23百万円(同18億22百万円減)、電子記録債権25億40百万円(同3億80百万円減)、商品及び製品19億79百万円(同59百万円減)、仕掛品13億73百万円(同1億55百万円減)、原材料及び貯蔵品15億38百万円(同2億28百万円減)等であった。
固定資産は、150億85百万円(同45百万円減)となった。主な内容は、有形固定資産89億55百万円(同1億11百万円増)、のれん11億78百万円(同1億75百万円減)等であった。
負債合計は、210億53百万円(同48億44百万円減)となった。
流動負債は、166億19百万円(同30億78百万円減)となった。主な内容は、支払手形、買掛金及び工事未払金62億89百万円(同5億52百万円減)、短期借入金25億65百万円(同36億08百万円減)、未成工事受入金11億29百万円(同1億37百万円増)等であった。
固定負債は、44億33百万円(同17億65百万円減)となった。主な内容は、社債12億円(同6億40百万円減)、長期借入金13億23百万円(同11億69百万円減)、繰延税金負債2億38百万円(同19百万円増)等であった。
純資産合計は、189億71百万円(同29億74百万円増)となった。主な内容は、配当金の支払2億10百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益23億12百万円を計上したことによる利益剰余金が114億51百万円(同21億2百万円増)、非支配株主持分28億14百万円(同6億73百万円増)等であった。
これらの結果、21/3期末における自己資本比率は40.4%(前期末33.1%)となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

20/3期

21/3期

増減額

営業キャッシュ・フロー

-731

5,099

+5,831

投資キャッシュ・フロー

-4,218

-505

+3,713

フリー・キャッシュ・フロー

-4,950

4,594

+9,544

財務キャッシュ・フロー

4,658

-3,758

-8,417

現金及び現金同等物期末残高

3,650

4,516

+866

(単位:百万円)

 

21/3期末における現金及び現金同等物は、45億16百万円となり、前期末から8億66百万円増加した。
営業CFは、50億99百万円の収入(前期は7億31百万円の支出)となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益33億22百万円、減価償却費6億76百万円、売上債権の減少22億21百万円等であり、主な支出は、利息の支払額2億21百万円、法人税等の支払額9億65百万円等であった。
投資CFは、5億5百万円の支出(同42億18百万円の支出)となった。主な収入は、有形固定資産の売却による収入33百万円、敷金及び保証金の回収による収入1億19百万円等であり、主な支出は、有形固定資産の取得による支出6億52百万円、保険積立金の積立による支出5百万円等であった。
財務CFは、37億58百万円の支出(同46億58百万円の収入)となった。主な収入は、社債の発行による収入11億82百万円等であり、主な支出は、短期借入金の減少35億90百万円、長期借入金の返済による支出5億77百万円、社債の償還による支出7億39百万円等であった。

 

3.2022年3月期業績見通し

◎連結業績

 

21年3月期 実績

構成比

22年3月期 予想

構成比

前期比

売上高

43,073

100.0%

45,000

100.0%

+4.5%

営業利益

3,396

7.9%

2,500

5.6%

-26.4%

経常利益

3,177

7.4%

2,500

5.6%

-21.3%

当期純利益

2,312

5.4%

1,750

3.9%

-24.3%

(単位:百万円)

 

増収減益予想
22/3期は、売上高が前期比4.5%増の450億円、営業利益は同26.4%減の25億円を見込む。国内では引き続き感染症の動向が内外経済に与えるリスクが懸念されているが、消火・防災業界においても、なお予断を許さない状況が継続するものと想定さる。一方で、大都市圏を中心とした大規模再開発案件、さらには社会全般における防災意識の高まり等、需要喚起の要因もみられる。同社取り巻く事業環境、ビジネスの裾野は広がっており、自動火災報知設備から消火設備、消火器、消防自動車まで、顧客の防災にかかわるすべてのニーズにワンストップで応えることができる総合防災企業として、世の中に安心・安全を提供するとともに、環境に配慮した、より質の高い社会インフラの構築に貢献していく方針。
配当については年間30.00円(うち上期12.50円)を見込んでいる。

 

4.成長戦略

(1)NDC(日本ドライケミカル)の成長戦略

経営課題である「収益基盤の強化」のために、①アライアンスの強化、②研究開発体制の強化の2つを主要な経営施策としている。提携先の技術や製品・システムを活用するとともに自火報と消火にかかる技術の融合を図る。2つの施策により同社にしかない独自の防災製品や防災システムを開発して、製品およびサービスの差別化を進めるとともに、収益基盤を強化していく考え。

 

(2)研究開発体制の強化

従来の消防防災の概念を覆す画期的な製品開発に取り組む。
次世代消防防災のキーワード

 

 

福島工場 総合防災研究棟
(同社資料より)

 

(3)クイックスプラッシャー

瞬時に薬剤を広範囲に放射、ガソリン等の蒸発を抑え込み、火災を抑制する火災抑制剤放射器

 

(同社資料より)

 

資本業務提携先のALSOKと共同で営業推進

 

クイックスプラッシャーは瞬時に火災抑制剤を広範囲に放射することにより、ガソリン等の蒸発を抑制させることができる、今までにない新発想の火災抑制剤放射器。万一の「油漏れ対策」にも効果的。

 

 

クイックスプラッシャー噴射

 

着火抑制

(同社HPより)

 

(4)新しい住宅用消火器の開発状況

日本ドライケミカル独自の新しい消火薬剤による業界最軽量の住宅用消火器を開発中

 

(同社資料より)

 

5.今後の注目点

コロナ禍の中、21/3期は増収、各利益は2桁増益を確保、当初の会社予想も大幅に上回り過去最高益となった。特に防災設備事業において採算性重視の戦略が功を奏した。同事業では18/3期との比較で売上が73%伸びる中、売上総利益率は19.3%から21/3期には23.9%へ大幅に改善している。22/3期予想が減益となったのは、急速な採算性改善に会社側の予算が追い付いていない印象。21/3期実績が会社予想を大幅に上回ったのもこのためであろう。新たな製品も輩出しており、今後の収益貢献にも期待。新型コロナの影響で話題が一旦は後退した印象はあるものの、個人・法人を問わず防災への意識は年々高まっている。
株価は比較的堅調に推移しているものの、PER、PBRとも低位、同業他社との比較においてもかなり割安といわざるを得ない。株価の見直し余地は大きいと考える。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

8名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2021年6月28日

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

原則2-4 女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保

当社は、女性社員の活躍が会社の持続的な成長を確保する上での強みとなることを認識しておりますが、事業の特性上、まだ推進できておりません。女性社員の活躍を推進できる職場環境づくりを前向きに検討してまいります。

補充原則3-1-2

外国人投資家株主数比率が約1.5%、株式数比率が約6.4%であるため、英語での情報開示は行っておりません。

補充原則4-1-3

当社は、最高経営責任者後継計画は、最重要課題と考えており、今後取締役会において、検討を行ってまいります。

原則4-8 独立社外取締役の有効な活用

当社は現在、独立社外取締役は1名でありますが、今後、当社の事業環境を理解した社外の適任者を選任できるよう、引き続き努力してまいります。

 

<開示している主な原則>

原則

開示内容

原則1-4.政策保有株式

1.上場株式政策保有に関する方針

持続的な企業価値の向上と資本業務提携先との取引関係の維持、強化のため、株式を保有していく方針です。

なお今後取締役会において、政策保有株式のリターンとリスクなど中長期的な見通しを検証し、保有の継続・売却等、合理的議論を行ってまいります。

2.政策保有株式に係る議決権行使基準

一般の株主と同様に議案内容を精査し、必要に応じ株主として当該会社と対話を行い、議決権を行使いたします。

原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針

当社の株主との建設的な対話を行うための体制整備、取組みは、次のとおりです。

 

1.株主との対話については、管理本部長が統括しております。

2.株主から対話の申し入れがあった場合は、管理本部長が代表取締役、IR担当部門等と対応方法を検討し適切に対応しております。

3.IR担当部門は、管理本部長と協議の上、面談以外の方法として、投資家・アナリスト向け決算説明会を実施するとともに、その内容をホームページで開示しております。また個人投資家に対しても、IRのイベントに参加し、会社説明会等を実施しております。

4.IR活動で得られた株主、アナリストからのご意見等は、管理本部長又はIR担当部門長より、取締役会、経営委員会に報告され、企業価値向上に積極的に活用しております。

5.株主との対話における内部情報の管理については、情報開示、インサイダー取引防止の社内規程等により適切に行っております。

 

 

 

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