ブリッジレポート
(4709) 株式会社IDホールディングス

プライム

ブリッジレポート:(4709)IDホールディングス 2022年3月期決算

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投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

舩越 真樹 社長

株式会社 IDホールディングス(4709)

 

 

会社情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

舩越 真樹

所在地

東京都千代田区五番町12-1 番町会館

決算月

3月末日

HP

https://www.idnet-hd.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

827円

16,589,991株

13,719百万円

11.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

40.00円

4.8%

66.31円

12.5倍

566.65円

1.5倍

*株価は7/6終値。各数値は2022年3月期決算短信より。発行済株式数は前期期末の発行済株式数から自己株式を控除。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

26,515

1,667

1,724

1,028

62.10

26.67

2020年3月(実)

26,377

2,073

2,111

1,297

77.81

33.33

2021年3月(実)

25,766

1,372

1,553

747

44.37

33.33

2022年3月(実)

27,805

1,869

1,922

1,046

61.61

40.00

2023年3月(予)

29,000

1,950

2,000

1,100

66.31

40.00

*単位:百万円、円。
*予想は会社予想。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。
*2021年7月1日付で1:1.5の株式分割を実施。DPSとEPSは2019年3月期まで遡及して再計算。

 

 

IDホールディングスの2022年3月期決算概要と2023年3月期業績予想等についてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画
3.2022年3月期決算概要
4.2023年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/3期の売上高は278億5百万円。売上高面では、買収した子会社3社の寄与やシステム運営管理が堅調に推移したことが寄与した。営業利益は18億69百万円。利益面では、前期に子会社3社を取得したことによるのれん償却費95百万円、ニューノーマル適応プロジェクトに係る費用の計上等があったものの、売上高の増加にともなう利益の増加や前期に計上したM&A関連費用の反動減等が寄与した。

     

  • 23/3期の会社計画は売上高が前期比4.3%増の290億、営業利益が同4.3%増の19億50百万円。前中期経営計画で構築した事業基盤のもと、DX分野において顧客ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業と連携して顧客企業のDX推進支援を強化し、それを支える高度技術者や企画提案型人財を育成するとともに、今後の成長分野であるクラウドやサイバーセキュリティの領域における同社独自のソリューション開発に努める。1株当たり配当予想は前期と同額の年40円の予定。

     

  • 新中期経営計画がスタートした。同社は、ITサービス戦略において、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援と成長分野を対象とした自社ソリューション開発を実施する。自動化ツール、クラウド、リモートを活用したSmart運用とAI、ローコード、クラウド等を活用したDX開発と自社ソリューション開発のID-CrossとID-Ashuraが成功の鍵を握る。これらの取り組みによりDX関連売上高の成長ペースが加速してくるのか注目される。

     

1.会社概要

金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントを中核とする持株会社。システム運営管理とソフトウェア開発・保守を二本柱とし、一つの顧客に対し、コンサルティングからソフトウェア開発、システム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing(BOO)戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。尚、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更。2014年9月8日、東証1部に上場。2022年4月、市場再編に伴い東証プライム市場に移行。
2019年4月1日、持株会社体制に移行した。

 

【IDグループの強み】

IDグループの強みの一つがシステム運用管理による安定した収益構造である。
システム運用管理は顧客のシステムを24時間365日運用・監視し、社会の重要なインフラを支える業務で、信頼や実績が不可欠であり、同社は強固な参入障壁を構築している。

 

同業務の売上高構成は4割強と高く、ストックビジネスとして業績を下支えしている。今後はAIの活用などSmart運用による高付加価値化を目指している。
また、同社グループの技術者数は約1,000名で、ビジネスパートナーも約1,000名を有している。加えて、運用・ITインフラに関し約700件の資格を保有しており、質・量とも国内最大級のシステム運用技術者集団を形成している。
今後は、技術者のレベル高度化に注力し、ServiceNow、OpenShiftといった中上級資格取得を更に強化する。3年間で新たに470件の資格を取得するという目標を掲げている。

 

【IDグループのサービスの特徴】

◎50年の経験、大手優良企業を中心に実績は1,000社以上
同社は、1969年の会社設立以来、大手金融機関や社会インフラ企業を中心に1,000社以上の企業との取引実績がある。コンサルティングからシステム基盤、ソフトウェア開発、システム運営管理、クラウド、サイバーセキュリティまでワンストップで提供し、顧客の様々な要望に最適な提案で対応することで、顧客より高い評価を得ている。

 

◎国内最大級の運営管理プロフェッショナル集団
同社は、顧客の業務に精通した1,600名以上ものシステム運営管理エンジニアを有し、ソフトウェア開発やシステム基盤との連携を図り、トータルサービスの提供によって、安定したシステム運営と業務効率化を実現している。また、マルチクラウドソリューションサービスを提供し、近年需要の高い顧客のクラウドシフトを強力にバックアップしている。

 

◎ユーザ視点でシステム開発
同社は、長年蓄積した顧客のシステムに関する業務知識やノウハウを持ち、金融機関やエネルギーなど幅広い分野への開発実績がある。また、顧客のニーズに柔軟かつスピーディーに対応できるアジャイル開発も行っており、従来型の手法と使い分けることで、コスト効率の高い、安定したシステムを構築している。

 

◎DXへの対応
RPA・AIなどのデジタル技術を活用した既存ビジネスの変革(DX)に対するニーズが高まっている。同社はこうした先端技術の調査・研究を行う部門や、DXを推進する専門組織を設置し、顧客の業務変革に貢献する付加価値の高いサービスを提供している。

 

◎世界各国でグローバルな事業をサポート
2004年に中国武漢市に現地法人を設立して以来、東南アジア、北米、欧州に拠点を設立。海外ネットワークを通じ、時差を利用した24時間/365日体制で、グローバルなサービスをスピーディーに提供している。

 

◎コンプライアンスの徹底
同社は、個人情報保護や品質管理、情報セキュリティに関するマネジメント体制を確立するとともに、コンプライアンスハンドブックを全グループ社員の行動規範として活用。経営理念のIDentityにも掲げている通り、つねに「私たちは損か得かで判断するのではなく、正しいか正しくないかで行動する」ことを徹底している。

 

【サービス別の業績動向】

売上高は、システム運営管理、ソフトウェア開発、ITインフラ、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育、その他に分かれ、サービス別の概要と売上構成比は次のとおり。なお、22/3月期より、サービス区分名を「システム基盤」から「ITインフラ」へ変更した。

 

システム運営管理(22/3期売上構成比43.9%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ安定した業務運営に貢献。顧客目線での最適なシステム基盤の構築 「24時間365日システムを動かす」安定したシステム運営管理サービスを提供している。また、オフショアを活用した高品質・廉価な一括受託にも対応している。

 

ソフトウェア開発(22/3期売上構成比37.9%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ総合システムビルダーとして多くのソフトウェア開発実績を築いている。グループ内にコンサルティング、オフショア(海外子会社に委託開発)、ニアショア(地方事業所での開発)体制を構築しており、多数の高度な専門技術者が高品質なサービスを実現。国内外の有力先進企業と提携し、顧客の既存ビジネスの強化・拡大、新たな領域への挑戦を支援しており、「Ruby」認定や「ISO9001」認証(受託開発部門)取得など、常に技術・品質の向上に努めている。

 

ITインフラ(22/3期売上構成比9.4%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へシステム運用部門・ソフトウェア開発部門・セキュリティ部門と連携し、高品質なシステム基盤を提供。メーカーソフトやシェルスクリプトなどを駆使し、環境の自動起動からバックアップ取得、更に障害時自動切替などの設計・構築を行うことで、システムの安定稼働やコスト削減・省力化を実現している。また、同社は独立系として、特定のハードやOS・開発言語にとらわれることなく、顧客目線での最適なシステム基盤を構築している。

 

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育(22/3期売上構成比7.5%)
海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供。同社は、様々なベンダーの製品を取り扱っており、特定ベンダーにこだわることなく、顧客の環境、要望、状況に応じて、最適な製品を柔軟に組み合わせ、提案している。

 

その他(22/3期売上構成比1.3%)
システム運営管理、ソフトウェア開発、サイバーセキュリティ環境の構築などに付随した製品販売などがある。

 

22/3期の売上高は278億5百万円であった、収益認識基準適用前の売上高は286億77百万円であり、収益認識基準適用による売上高への影響額は、8億71百万円の減少となった。M&Aした子会社の寄与によりシステム運営管理の比率が低下しソフトウエア開発の比率が上昇した。

 

 

同社のDX関連ビジネスは、セキュリティ・ITインンフラ、遠隔支援・高度開発、クラウド、コンサル・研修、自動化・効率化からなる。21/3期のDX関連売上高は66億88百万円であったが、22/3期のDX関連売上高は126億71百万円まで拡大し、連結売上高の約45.6%(21/3期は約26.0%)を占める規模となった。

 

 

また、顧客別の22/3期の売上構成比は、SIer、情報通信機器ベンダー、或いは通信キャリア系情報サービス大手等の情報・通信・サービスが48.9%、メガバンク、有力地銀、生損保、農林系等の金融機関が28.5%、公共が16.1%、製造、建設、不動産、流通、小売り等のその他が6.5%。M&Aした子会社の寄与やみずほフィナンシャル・グループの再編により、みずほフィナンシャル・グループ向けの一部売上高がIBMとの合弁会社へ変更となった影響により、金融機関の顧客別売上構成比が低下し、情報・通信・サービスの顧客別売上構成比が上昇した。

 

 

戦略グループ別でも、M&Aした子会社の寄与により戦略パートナーとその他の比率が上昇した一方、みずほフィナンシャル・グループのシステム統合の一巡や再編によりみずほフィナンシャル・グループ向けの一部売上高がIBMとの合弁会社へ変更となった影響により、みずほフィナンシャル・グループの比率が低下した。その他、前期大型案件の反動減によりIBMグループの比率も若干低下した。

 

 

【グローバル展開】

同社グループは2004年に中国(武漢市)に現地法人を設立して以来、シンガポール、アメリカ、ミャンマーに子会社を設立。
これらの拠点及び海外アライアンスパートナーとの協業により、中国(武漢、無錫、上海)、シンガポール、ミャンマー、アメリカ、イギリス、オランダにおいて、海外でも高品質のデータセンターの運用・保守サービスを受けたい、システム開発を高品質かつ短納期で行いたい、サイバー攻撃に備えるセキュリティ対策を万全にしたいという顧客のニーズに対して、グローバルなIT高品質サービスをスピーディーに提供することを目指している。

 

【業績推移】

同社は、2021年5月末現在でこれまで9回のM&Aを実施したが、未来を見据えたビジネスモデルのアップグレードとM&A戦略により業容を拡大してきた。

 

 

【情報サービス業の動向】

(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」を基に(株)インベストメントブリッジ作成)

 

内閣府が5月18日に発表した22年1-3月の国内総生産(GDP、季節調整済み)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減(年率換算で1.0%減)と2四半期ぶりにマイナスとなった。まん延防止等重点措置の影響で、外食、宿泊などの対面型サービスを中心に民間消費が前期比-0.0%と小幅な減少となる中、外需寄与度が前期比-0.4%(年率-1.7%)と成長率を大きく押し下げた。全体の産業との関連性が深い民間企業設備(実質)は前期比0.5%増と、2四半期連続の増加となった。また、経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(5月20日発表、22年3月分確報値)によると、3月の情報サービス産業売上高は前年同月比5.4%減と2ヶ月ぶりマイナスとなった。また、同社と関連性の高い受託ソフトウェアとシステム等管理運営受託の売上高も2ヶ月ぶりのマイナス成長となった。

 

2.中期経営計画

【中期経営計画「Next 50 EpisodeⅡ 「Ride on Time」(2023年3月期~2025年3月期)】

1.概要
同社は、2023 年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」を策定し、2022年4月28日に公表した。新中期経営計画では、前中期経営計画で構築した事業基盤のもと、顧客ニーズの高い技術領域を定め、パ
ートナー企業と連携して顧客企業の DX 推進支援を強化し、それを支える高度技術者や企画提案型人財を育成する。また今後の成長分野であるクラウドやサイバーセキュリティの領域における同社独自のソリューション開発に努めるほか、社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化や、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組む。変化の速い IT 業界において、時流を的確にとらえ、「Waku-Waku する未来」を届ける IT エンジニアリングパートナーを目指す。
「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」は、3つの基本方針「同社 DX ポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開」、「高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化」、「管理部門の高度化と事業部門への人財シフト」からなり、4つの基本戦略「IT サービス戦略」、「人財戦略」、「ニューノーマル戦略」、「SDGs 戦略」を推進する。最終年度である2025年3月期に重点数値目標である、売上高320億円、営業利益25億50百万円、営業利益率8.0%の達成を目指す。

 

【重点数値目標】

 

2022年3月期

(実績)

2023年3月期

(中計)

2024年3月期

(中計)

2025年3月期

(中計)

2027年3月期

(5年後の目標)

売上高

278億円

290億円

304億円

320億円

400億円

営業利益

(営業利益率)

18.6億円

(6.7%)

19.5億円

(6.7%)

22億円

(7.2%)

25.5億円

(8.0%)

32億円

(8.0%)

DX売上高

(DX比率)

126億円

(45.6%)

139億円

(48%)

161億円

(53%)

192億円

(60%)

280億円

(70%)

EBITDA

(EBITDA比率)

24.9億円

(9.0%)

25.8億円

(8.9%)

28億円

(9.2%)

31億円

(9.7%)

40億円

(10.0%)

*EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額

 

【新中期経営計画の目指す姿】
同社の新中期経営計画の目指す姿は、「5つのステークホルダーへ Waku-Wakuする未来をお届けするITエンジニアリングパートナーを目指して。ともにRide on Time!」である。5つのステークホルダーとのエンゲージメントを強め数値目標を達成する。

 

ステークホルダー

内容

数値目標

顧客

高付加価値サービスの提供

DX売上高比率60%

ビジネスパートナー

DX分野の協業深化

単価5%UP

社員

Happiness

年収5%UP

社会

事業活動を通じた課題解決

SDGsの推進

株主

持続的な安定配当

時価総額250億

 

 

(同社資料より)

 

【3つのテーマ】
①同社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開
②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化
③管理部門の高度化と事業部門への人財シフト

 

2.4つの基本方針と戦略

①ITサービス戦略

よりニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長分野を対象とした自社ソリューション開発に努める。

②人財戦略

DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度をさらに充実し、中上級技術者および企画提案人財の育成を加速する。

③ニューノーマル戦略

社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理部門の構築を図り、事業部門への人員の再配置を進める。

④SDGs戦略

事業活動を通じてサステナビリティへの取り組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の

向上」の好循環を目指す。

(同社中期経営計画より)

 

①ITサービス戦略(DXポートフォリオ)
既存のベース事業において、顧客の価値を高める収益を確保するとともに、顧客の価値創出をDX技術の活用により、推進支援する。加えて、自社のDXソリューションのサービス化により新規事業を創出する。

 

 

(同社中期経営計画より)

 

②人財戦略(育成)
更なる成長に向けて中上級DX技術者および企画提案人財の育成を強化する。
具体的な人財育成施策として、①日本型ジョブディスクリプション制度の構築と運用、②人財マネジメントシステム活用と戦略的人事運営、③各層の連続的な次世代育成(リスキリング)、④メタバース、NFT(非代替性トークン)などWEB3.0世代の技術者育成を実施する。これらを通じて、22/3期末で1,063人のDX技術者を、25/3期に1,600人まで育成する。また、DX技術者の内、クラウド・AI・コンテナ・ローコード、セキュリティなどの設計と構築を担う中上級人財の比率を、22/3期の54.9%から62.5%まで高める。更に、新たな発想でソリューションを提案できる人財を22/3期の70人から5/3期に200人まで育成する。中計期間の3年間に6億円(22/3期は1.8億円)の育成予算を投下する方針である。

 

 

2022年3月期

(実績)

2023年3月期

(中計)

2024年3月期

(中計)

2025年3月期

(中計)

DX技術者数

1,063人

1,240人

1,420人

1,600人

(中上級DX技術者比率)

54.9%

56.5%

59.2%

62.5%

企画提案人財

70人

110人

150人

200人

 

【DX推進支援サービス】
Smart運用とDX開発など、先端技術を活用した次世代型システム運営管理とソフトウェア開発を推進する。
◆Smart運用
手作業、オンプレ、オンサイトが一般的な従来型運用を、自動化ツール、クラウド、リモートを活用したシステム運用へ進化させ、
大手銀行・地方銀行へ展開する。同社は、コスト削減だけでなく生産性向上と品質改善を同時に実現することが可能となる。
◆DX開発
ウォーターフォール、オンサイトによる従来型開発を、アジャイル、ローコード、パブリッククラウドなどの先端技術の活用に加え、国内外拠点によるリモートと分散開発を通じたDX開発へ進化させる。同社は、こうしたDX開発の積極的な推進により、効率的な開発が実現可能となる。

 

【自社ソリューション】
マルチクラウドとサイバーセキュリティの自社ソリューションを重要インフラ領域へ展開する。
◆ID-Cross
導入・マネージドサービス、脆弱性判別・情報提供、PC管理、RPAリモート保守などをマルチクラウドで提供する自社ソリューションの「ID-Cross」を医療、エネルギー、公共分野の顧客へ提供する。
◆ID Ashura
セキュリティ(アドバイザリー&スコアリング)、サイバー脅威遡及分析、EDR(エンドポイントの監視を強化し、サイバー攻撃を検出して対応すること)、サイバー防御演習などを提供する自社ソリューションの「ID Ashura」を、製造、建設、物流、医療、公益分野野の顧客へ提供する。

 

③ニューノーマル戦略(管理部門の高度化)
業務効率化により管理部員を事業部門へシフトし、収益寄与分を社員に還元する。業務の効率化・簡素化のため、情報共有基盤の導入によるデータの一元化とプロセスの削除、業務のデジタル化を推進する。また、本社機能の分散化ため、山陰・海外拠点への本社機能の一部を移管する。また、ヘッドオフィスとシェアードオフィスの機能の整理を行う。更に、経営管理・企画機能の強化のため、基幹システムの刷新によるデータの集約と利活用を推進する。これらを通じて、22/3期の管理部門190名を25/3期に140名へ削減するとともに、22/3期の販管費率17.3%を25/3期に13.9%へ引き下げる。

 

④SDGs戦略
事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値を向上させる。

 

(同社中期経営計画より)

 

【サステナビリティへの取り組み】
サステナビリティ課題に積極的に取り組み、3つの価値を創出する。

IDグループが目指す価値の創出

内容

SDGs17の目標

環境価値の創出

<地球に優しい社会の実現>

◆環境負荷の低減

◆循環型社会の実現

7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに

11. 住み続けられるまちづくりを

13. 気候変動に具体的な対策を

14. 海の豊かさを守ろう

15. 陸の豊かさも守ろう

17. パートナーシップで目標を達成しよう

社会価値尾創出

<安全安心な社会基盤作り>

◆働きやすい職場環境

◆地域社会との共存共栄

◆人権とダイバーシティ

◆社会基盤の安定化

1. 貧困をなくそう

2. 飢餓をゼロ

3. すべての人に健康と福祉を

4. 質の高い教育をみんなに

5. ジェンダー平等を実現しよう

8. 働きがいも経済成長も

9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

10. 人や国の不平等をなくそう

11. 住み続けられるまちづくりを

経済価値の創出

<ステークホルダーとの良好な

関係を構築・維持>

◆SXソリューションによる価値の提供

7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに

8. 働きがいも経済成長も

9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

* SX ソリューションとは、SDGsに関連する同社グループのソリューション

 

【新中期経営計画の主要KPI】

 

主要KPI

22/3期

(実績)

23/3期

(目標)

24/3期

(目標)

25/3期

(目標)

ITサービス戦略

DX売上高

126億円

139億円

161億円

192億円

DX売上高比率

45.6%

48%

53%

60%

人財戦略

DX中上級資格取得件数(年間)

264件

300件

300件

300件

DX中上級技術者数

584人

700人

840人

1,000人

女性従業員比率

24.1%

26%

28%

30%

女性管理職比率

16.9%

22%

25%

30%

外国籍社員比率

7.7%

10%

13%

15%

ニューノーマル戦略

販管費率の改善

17.3%

15.3%

14.6%

13.9%

SDGs戦略

CO2の削減(電力使用由来による)

*2021年3月期比 電力使用量

3.7%減

15%減

18%減

20%減

紙の使用量の削減

*2021年3月期比

17%減

17%減

20%減

23%減

環境ボランティア活動の参加(年間延べ人数)

173人

200人

200人

200人

 

3.2022年3月期決算概要

(1)連結業績

 

21/3期

構成比

22/3期

構成比

前期比

売上高

25,766

100.0%

27,805

100.0%

-

売上総利益

6,380

24.8%

6,668

24.0%

-

販管費

5,007

19.4%

4,799

17.3%

-

営業利益

1,372

5.3%

1,869

6.7%

-

経常利益

1,553

6.0%

1,922

6.9%

-

当期純利益

747

2.9%

1,046

3.8%

-

*単位:百万円。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。
*「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を今第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、今期に係る上記の連結経営成績は当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、前期比については記載していない。

 

売上高は278億5百万円、営業利益は18億69百万円
売上高は278億5百万円。買収した子会社3社の寄与やシステム運営管理が堅調に推移したことが寄与した。
営業利益は18億69百万円。前期に子会社3社を取得したことによるのれん償却費95百万円、ニューノーマル適応プロジェクトに係る費用の計上等があったものの、売上高の増加にともなう利益の増加や前期に計上したM&A関連費用の反動減等が寄与した。
売上高総利益率は24.0%、売上高販管費比率は17.3%となった。また、経常利益は19億22百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億46百万円となった。その他、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、24億91百万円となった。
なお、収益認識基準適用により、売上高で8億71百万円、営業利益で18百万円減少した。収益認識基準の適用がなければ、売上高は前期比11.3%増、EBITDAは同33.7%増、営業利益は同37.5%増であった。

 

収益認識基準適用による影響

 

22/3期

(収益認識基準適用前)

構成比

22/3期

(短信開示数字)

構成比

収益認識基準適用

による影響

増減率

売上高

28,677

100.0%

27,805

100.0%

-871

-3.0%

売上総利益

6,687

23.3%

6,668

24.0%

-18

-0.3%

販管費

4,799

16.7%

4,799

17.3%

0

+0.0%

EBITDA

2,510

8.8%

2,491

9.0%

-18

-0.7%

営業利益

1,887

6.6%

1,869

6.7%

-18

-1.0%

経常利益

1,941

6.8%

1,922

6.9%

-18

-1.0%

当期純利益

1,058

3.7%

1,046

3.8%

-12

-1.2%

*単位:百万円
*当期純利益は、親会社株主に帰属する四半期純利益
*EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

 

収益認識基準適用前の損益状況

 

21/3期

構成比

22/3期 

構成比

増減額

増減率

売上高

25,766

100.0%

28,677

100.0%

+2,910

+11.3%

売上総利益

6,380

24.8%

6,687

23.3%

+306

+4.8%

販管費

5,007

19.4%

4,799

16.7%

-208

-4.2%

EBITDA

1,877

7.3%

2,510

8.8%

+632

+33.7%

営業利益

1,372

5.3%

1,887

6.6%

+514

+37.5%

経常利益

1,553

6.0%

1,941

6.8%

+387

+25.0%

当期純利益

747

2.9%

1,058

3.7%

+311

+41.6%

*単位:百万円
*当期純利益は、親会社株主に帰属する四半期純利益
*EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

 

サービス別売上の収益認識基準適用による影響

 

22/3期

適用後

影響額

22/3期 

適用前

21/3期

適用前

前期比

適用前

システム運営管理

12,201

-3

12,205

12,071

+1.1%

ソフトウェア開発

10,542

-44

10,586

8,404

+26.0%

ITインフラ

2,624

-4

2,628

2,534

+3.7%

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育

2,081

-575

2,656

2,275

+16.7%

その他

355

-243

599

481

+24.7%

合計

27,805

-871

28,677

25,766

+11.3%

*単位:百万円
*22/3月期より、サービス区分名を「システム基盤」から「ITインフラ」へ変更

 

サービス別売上では、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育において収益認識基準適用の影響額が大きくなったものの、収益認識基準適用の前のサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の売上は順調に増加している。

 

サービスごとの業績動向(22/3期第3四半期)

 

22/3期

システム運営管理

売上高

12,201

売上総利益

2,941

売上総利益率

24.1%

ソフトウェア開発

売上高

10,542

売上総利益

2,325

売上総利益率

22.1%

ITインフラ

売上高

2,624

売上総利益

715

売上総利益率

27.3%

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育

売上高

2,081

売上総利益

563

売上総利益率

27.1%

その他

売上高

355

売上総利益

121

売上総利益率

34.2%

合計

売上高

27,805

売上総利益

6,668

売上総利益率

24.0%

*単位:百万円

 

システム運営管理の売上高は、122億1百万円となった。金融関連既存顧客における前期の体制強化の終了などがあったものの、前期に買収した子会社の寄与や、大手ITベンダーへの営業強化による受注拡大、また、官公庁、医療ならびに卸売関連既存顧客における受注拡大などが寄与した。売上総利益は、29億41百万円、売上総利益率は24.1%となった。

 

ソフトウェア開発の売上高は、105億42百万円となった。公共関連既存顧客における前期大型プロジェクトの完了にともなう反動減や、運輸関連既存顧客におけるシステム投資の縮小があったものの、前期に買収した子会社の寄与や、大手ITベンダー
への営業強化による受注拡大、金融および製造関連既存顧客における取引の拡大ななどが寄与した。売上総利益は、23億25百万円、売上総利益率は22.1%となった。

 

ITインフラの売上高は、26億24百万円となった。運輸関連既存顧客におけるシステム投資の縮小や、公共関連既存顧客における人員の削減があったものの、金融関連既存顧客における新規案件の獲得や受注拡大、前期に買収した子会社の寄与があった。売上総利益は、7億15百万円、売上総利益率は27.3%となった。

 

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の売上高は、20億81百万円となった。コンサルティングにおける大型案件の獲得、サイバーセキュリティにおけるオペレーターの増員や製品販売の増加があったものの、収益認識会計基準の適用による5億75百万円のマイナスの影響があった。売上総利益は、5億63百万円、売上総利益率は27.1%となった。

 

その他売上高は、3億55百万円となった。製品販売において受注が増加したものの、収益認識会計基準の適用による2億43百万円のマイナスの影響があった。売上総利益は、1億21百万円、売上総利益率は34.2%となった。

 

営業利益の増減要因
 

*単位:百万円。 
*22/3月期第1四半期から「収益認識に関する会計基準」を適用しているが、前期比は同基準適用前の21/3月期実績との比較。

 

第4四半期(1-3月)の業績推移

*22/3月期第1四半期から「収益認識に関する会計基準」を適用しているが、前期以前は同基準適用前の実績。

 

22/3期第4四半期(1-3月)は、過去と比較して高水準の売上高と営業利益となった。

 

(2)財政状態とキャッシュ・フロー

財政状態

 

21年3月

22年3月

 

21年3月

22年3月

現預金

5,016

4,908

仕入債務

904

945

売上債権

4,823

4,506

短期有利子負債

3,013

1,992

未収入金

389

297

賞与・役員賞与引当金

814

841

流動資産

10,487

10,341

長期有利子負債

434

725

有形固定資産

1,437

1,398

負債

7,388

6,792

無形固定資産

2,308

1,860

純資産

9,408

9,446

投資その他

2,563

2,638

負債・純資産合計

16,796

16,238

固定資産

6,309

5,897

有利子負債合計

3,447

2,718

*単位:百万円

 

2022年3月末の総資産は前期末比5億57百万円減少の162億38百万円。資産面では現預金、売上債権、未収入金、のれん等が主な減少要因となった。負債・純資産面では短期有利子負債、役員退職慰労引当金、退職給付に係る負債等が主な減少要因となった。有利子負債は、前期末比7億29百万円の減少となった。自己資本比率は57.9%と前期末比2.2ポイント上昇した。

 

キャッシュ・フロー

 

21/3期

22/3期

前期比

営業キャッシュ・フロー

-607

1,842

2,450

-

投資キャッシュ・フロー

-612

-9

602

-

フリー・キャッシュ・フロー

-1,219

1,833

3,052

-

財務キャッシュ・フロー

1,490

-1,889

-3,379

-

現金及び現金同等物の期末残高

4,671

4,713

42

+0.9%

*単位:百万円

 

CFの面から見ると、税金等調整前当期純利益の増加、未払消費税等の減少額の縮小、法人税等の支払額の減少などにより営業CFがプラスへ転じた。加えて、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が発生しなかったことなどにより投資CFのマイナス幅が縮小し、フリーCFも大幅にプラスへ改善した。一方、短期借入金の減少、自己株式の取得による支出の増加などにより財務CFがマイナスへ転じた。以上により、期末のキャッシュ・ポジションは前期比0.9%増加した。

 

(3)21/3期にグループ入りした3社の概要

買収企業

アクティブ・ティ株式会社

株式会社GIテクノス

株式会社システムデザイン

売上高と従業員数

・売上高 347百万円

(2019年9月期)

・従業員数 43名

(2021年3月31日時点)

・売上高 1,918百万円

(2019年7月期)

・従業員数 202名

(2021年3月31日時点)

・売上高 2,797百万円

(2019年12月期)

・従業員数 171名

(2021年3月31日時点)

狙い

◆大手自動車、官公庁向けソフトウェア開発技術者の獲得

◆中部エリアを中心としたサービス力の向上

◆モバイルアプリケーション開発事業への領域拡大

◆通信キャリア、官公庁を中心とした顧客基盤の強化

◆業界最大手の戦略パートナー(大手製造企業)の獲得

◆グループシナジーを活用した大型案件の獲得、およびITインフラ・運用ビジネスへの展開

 

(4)最近のトピックス

◎ISO14001認証取得
同社グループは、2022年1月、本社にて、ISO14001の認証を取得した。認証の対象会社は、株式会社IDホールディングス、株式会社インフォメーション・ディベロプメント、株式会社IDデータセンターマネジメント、株式会社DXコンサルティング、株式会社プライド、株式会社GIテクノス、ID武漢東京支店、IDミャンマー東京支店。

 

◎3年連続「健康経営優良法人 2022 (大規模法人部門)~ホワイト500~」に認定
同社グループは、2022年3月9日、優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人 2022 (大規模法人部門)~ホワイト500~」に3年連続で認定された。健康経営優良法人認定制度は、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」を顕彰する制度であり、健康経営度調査結果の上位500法人が通称「ホワイト500」として認定される。

 

◎クラウドソース・セキュリティのSynackとの協業開始
株式会社インフォメーション・ディベロプメント(以下、ID)は2021年3月23日、クラウドソース・セキュリティプラットフォームを提供するSynack(本社:カリフォルニア州レッドウッドシティ) とのパートナーシップ契約の締結を発表した。Synack はクラウドソースにより、世界中の優れたエシカルハッカーの多様な発想や経験を活かした攻撃者視点のセキュリティテストサービスを提供している。バグ・バウンティの仕組みを活用しつつ高い安全性を両立しており、米国国防総省を始め多くの国際的金融機関などが利用している。IDは、今後Synackと協業し、更なるセキュリティの国内市場開拓を推進する方針である。

 

◎業界初のセキュリティソリューション「VSP (Virsec Security Platform)」販売開始
IDは、米国Virsec(バーセック) Systems, Inc.(本社:米国カリフォルニア)が提供するセキュリティソリューション「VSP (Virsec Security Platform)」の販売を開始した。 「VSP」は未知の高度なサイバー攻撃において主なターゲットとなるウェブインターフェイス、またそのメモリ上のプロセスやホストへの攻撃をリアルタイムに防御する業界初のセキュリティソリューションである。

 

◎セキュリティサービスの新ブランド「ID-Ashura」立ち上げ
IDは、サイバーセキュリティにフォーカスしたサービスを統合した新ブランド「ID-Ashura(IDアシュラ)」を立ち上げた。攻撃手法の高度化や働き方の多様化、世界的な政情不安などにより、サイバー空間における脅威はますます深刻化している。一方で、企業・組織を中心にDX化が進み、これまで以上に安定的かつ柔軟なIT環境の確保が急務となっている。「ID-Ashura」は、同社がこれまで蓄積してきたサイバーセキュリティのノウハウや、ビジネスパートナーとの協業体制を生かし、より顧客が利用しやすい形を追求したセキュリティサービスブランドである。クラウドネイティブな昨今のIT環境によりフィットしたサービスラインナップを目指すと同時に、同社のクラウドサービス「ID-Cross」との相乗効果により顧客のDX基盤を強化する。

 

4.2023年3月期業績予想

(1)連結業績

 

22/3期

構成比

23/3期

構成比

前期比

売上高

27,805

100.0%

29,000

100.0%

+4.3%

EBITDA

2,491

9.0%

2,580

8.9%

+3.5%

営業利益

1,869

6.7%

1,950

6.7%

+4.3%

経常利益

1,922

6.9%

2,000

6.9%

+4.0%

当期純利益

1,046

3.8%

1,100

3.8%

+5.1%

*単位:百万円。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。
*EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

 

売上高290億円、営業利益19億50百万円の計画
23/3期の会社計画は、売上高が前期比4.3%増の290億円、営業利益が同4.3%増19億50百万円。
同社グループが属する情報サービス業界では、コロナ禍においてIT投資案件の縮小や延期などの動きが一部に見られたものの、新たなビジネスモデルの創出や変革に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のIT投資ニーズが底堅く、業界全体では回復基調となっている。こうした環境下、新中期経営計画の基本戦略通り、前中期経営計画で構築した事業基盤のもと、DX分野において顧客ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業と連携して顧客企業のDX推進支援を強化し、それを支える高度技術者や企画提案型人財を育成する。また今後の成長分野であるクラウドやサイバーセキュリティの領域における同社独自のソリューション開発を推進する方針である。
売上高営業利益率は、前期と同じ6.7%の計画。なお、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、前期比3.5%増の25億80百万円の予定。
また、1株当たり配当予想は、前期と同額の40円の予定。内部留保資金は、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の高付加価値分野において活躍できる技術者の育成、クラウドやAI、IoTなど新技術を利用したサービスの構築、新規商材の獲得、また中国、シンガポール、ミャンマー、米国、ヨーロッパも含めたグローバル戦略の推進等への投資に充て、今後の事業の拡大と業績の向上を図る方針である。

 

DX関連売上高の目標
ベース事業で収益を確保しつつ、顧客のDX推進支援と自社ソリューションの拡大を通じて、23/3期に連結売上高の48%となる139億円(22/3期は連結売上高の約45.6%の売上高126億)のDX関連売上高を目指す。
また、目標の達成に向けDX技術者の育成を強化し、23/3期に1,240人(22/3期は1,063人)のDX技術者体制とする。加えて、DX技術者の内、クラウド・AI・コンテナ・ローコード、セキュリティなどの設計と構築を担う中上級人財の比率を、22/3期の584人から23/3期は700人まで高める計画である。

 

 

DX関連売上高

DX売上高比率

DX技術者

中上級DX技術者数

2022年3月期(実績)

126億円

45.6%

1,063人

584人

2023年3月期(目標)

139億円

48%

1,240人

700人

 

5.今後の注目点

今期より新たな中期経営計画がスタートした。基本戦略は、①ITサービス戦略、②人財戦略、③ニューノーマル戦略、④SDGs戦略の4つである。ITサービス戦略では、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援と成長分野を対象とした自社ソリューション開発がその中心となる。顧客のDX推進支援では、自動化ツール、クラウド、リモートを活用したSmart運用とAI、ローコード、クラウド等を活用したDX開発が、また、自社ソリューション開発では、ソマルチクラウドのID-CrossとセキュリティのID-Ashuraが成功の鍵を握る。Smart運用では、手作業、オンプレ、オンサイドが主流の従来型運用を自動化、クラウド、リモートのSmart運用へ予定通りシフトしていけるのか注目される。また、先端技術を活用したDX開発は、予定通りDX技術者を育成していけるのか注目される。更に、自社ソリューションサービスの拡大は収益性の大幅な改善につながることから、ID-CrossとID-Ashuraの販売状況にも大いに注目が集まる。過去数年、期初に計画していた以上にDX関連売上高を拡大させてきた同社であるが、これらの取り組みによりDX関連売上高の成長ペースが加速してくるのか期待を込めて注目したい。
また、同社のニューノーマル戦略にも期待が高まる。同社では、業務の効率化・簡素化、本社機能の分散化、経営管理・企画機能の強化を通じて、管理部門の人員削減と販管費率の大幅な引き下げを計画している。中でも、22/3期に17.3%あった販管費率を中計の最終年度である25/3期に13.9%まで引き下げる計画には驚かされた。有言実行で目標とする販管費率の引き下げを達成できるのか、今後のニューノーマル戦略の進捗状況が注目される。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外3名

監査役

4名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2022年6月20日

 

<基本的な考え方>
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、(1)経営と執行の分離による透明性と健全性の確保、(2)スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、(3)アカウンタビリティー(説明責任)の明確化および(4)迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレート・ガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。なお、当社のコーポレート・ガバナンスに関する考え方を「コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)として取りまとめ、当社ウェブサイトにおいて公開しています。(https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html)

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
2021年6月の改訂後のコードに基づき記載しています。

原則

開示内容

【補充原則4-11① 取締役会の多様性に関する考え方】

取締役会は、専門知識や経験等のバックグラウンドが異なる多様な取締役で構成するとともに、その機能がもっとも効果的、効率的に発揮できる員数としています。また、役員の選考については、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性と適正規模の両立にも十分配慮します。社外役員は、他社での企業経営経験者、学識教育経験者、技術経験者、会計士等をおもな対象とします。

現在の社外取締役の3名は、他社での経営経験はありませんが、全員が独立社外取締役であり、且つ豊富な経験と幅広い見識を有しています。今後も多様性と適正規模を両立させる構成となるよう努めてまいります。

なお、当社の取締役および監査役の個人別のスキル、多様性については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<取締役会のスキルマトリックス、多様性>

https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
2021年6月の改訂後のコードに基づき記載しています。

原則

開示内容

【原則1-4政策保有株式】

(1)上場株式の政策保有に関する方針

事業上の関係を維持・強化し、中長期的な企業価値の向上を図るため、取引先等の株式を保有することがあります。取締役会は、毎年個別の政策保有株式について、保有目的および保有にともなう便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、その結果を開示するとともに、継続保有の合理性が認められない場合は、適切な時期に当該株式の売却を実施します。

(2)政策保有株式の議決権行使に関する基準

投資先企業のコーポレートガバナンス体制の整備状況や中長期的な企業価値の向上に資する議案であるかどうか、また、当社への影響などを総合的に勘案して、判断しています。

【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】  

多様性を重視する企業文化のもと、さまざまな考え方を積極的に融合し結集することによって、グループ全体の力を最大限に発揮し、Waku-Wakuする未来創りを実現します。そのため、国籍、経験、専門性、価値観、ライフスタイル、障がい、LGBTなど、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用と登用を積極的に進め、そうした個性が活きるよう、ワークライフバランスの推進や異文化コミュニケーション研修の実施、社内文書の多言語対応の充実など、人材育成と職場環境整備を進めています。

測定可能な数値目標に関しては、外国籍比率や女性管理職比率に関する目標値を定め、運用しています。本年3月末現在における女性管理職比率は16.9%と増加傾向にありますが、中期的には30%達成を目指して取り組みます。

また、管理職に占める中途採用者の比率は50%近くにまで達しており、既に十分な水準にあると認識し、具体的な目標設定はしておりません。

その他、人材の多様性確保や育成方針、職場環境に関する整備方針、外国籍管理職割合目標、中途採用管理職の状況については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ(社員の働く環境)>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/labor_practices.html

【原則3-1(i)会社の目指すところ(経営理念等)】 

当社グループは、経営理念IDentityのもと、お客さまのニーズにあった付加価値の高い情報サービスを提供し、情報化社会に貢献することを経営の基本方針とし、ミッションである「私たちはWaku-Wakuする未来創りに参加します」の実現に努めています。

経営理念や中期経営計画については当社ウェブサイトに掲載しています。また、機関投資家および個人投資家向けの説明会を定期的に開催し、積極的に情報を開示します。

<経営理念>

https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/vision.html

<中期経営計画>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/strategy.html

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み等】  

(1)自社のサステナビリティについての取組み  

IDグループは、経営理念のミッションにある 「Waku-Wakuする未来創りに参加します」のもと、サステナビリティ基本方針を定め、その方針に基づき、持続可能な社会の実現を目指します。また、中期経営計画では、4つの基本戦略のひとつに「SDGs戦略」を掲げ、当社の主要事業である情報サービスの提供を通じた社会課題の解決に積極的に取り組みます。また、気候変動への取組みとして、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに沿って「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」ごとに、情報開示を行っています。

サステナビリティについての方針および取組みは当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability

<気候変動への取組み>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/environment.html

 

(2)人的資本や知的財産への投資等 

人的資本への投資については、中期経営計画の4つの基本戦略のひとつに「人財戦略」を定め、当社のDXビジネスのさらなる拡大に向けて、クラウドやサイバーセキュリティ、AI関連分野における中上級技術者の育成や、新たな発想でソリューション提案ができる企画提案型人財の育成を強化します。

また、知的財産への投資については、米国ベンチャーファンドへの出資や慶應義塾大学との協業を通じて先端技術の情報収集をするほか、画像分析・動画技術・音声認識の研究、スマートグラス活用、WEB3.0関連分野の調査研究に取り組んでいます。

人的資本等については当社ウェブサイトに掲載しています。         

<中期経営計画>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/strategy.html

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

株主との建設的な対話が、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、株主からの対話(面談)の申込みに対しては、株主の希望と面談のおもな関心事を踏まえたうえで、合理的な範囲で社外取締役を含む取締役または経営陣幹部、監査役が臨むことを基本とします。

また、IR担当役員は、以下の通り行動します。

・当社グループの関係各部署と協力し、建設的な対話の実現に努力する。

・個別面談のほか、経営説明会等を開催し、IR活動の充実を図る。

・対話において把握した株主からの意見・要望について、取締役会および関連する経営陣幹部へ適時適切にフィードバックするよう努める。

・未公表の重要な内部情報(インサイダー情報)が外部に漏洩することを防止するため、当社の情報セキュリティースタンダードに基づき、情報管理統括責任者と連携を図り、情報管理を徹底する。

・株式名簿に基づき、定期的に株主構造の把握を行い、取締役会に報告する。

 

本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

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