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(2593) 株式会社伊藤園

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ブリッジレポート:(2593)伊藤園 2022年4月期決算

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投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

株式会社 伊藤園

(普通株2593、優先株25935)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

食料品(製造業)

代表者

本庄 大介

所在地

東京都渋谷区本町3-47-10

決算月

4月

HP

https://www.itoen.co.jp/

 

株式情報

<普通株式>

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

5,190円

89,212,380株

463,012百万円

8.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

40.00円

0.8%

103.92円

49.9倍

1,334.88円

3.9倍

*株価は6/16終値。各数値は2022年4月期決算短信より。

 

<優先株式>

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,851円

34,246,962株

63,391百万円

8.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

50.00円

2.7%

106.20円

17.4倍

1,339.88円

1.4倍

*株価は6/16終値。各数値は2022年4月期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2018年4月(実)

494,793

22,043

21,441

12,553

99.79

40.00

2019年4月(実)

504,153

22,819

23,211

14,462

116.02

40.00

2020年4月(実)

483,360

19,940

19,432

7,793

61.53

40.00

2021年4月(実)

446,281

16,675

17,029

7,011

55.10

40.00

2022年4月(実)

400,769

18,794

19,971

12,928

103.92

40.00

2023年4月(予)

418,000

20,000

19,500

12,000

96.28

40.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。2022年4月期から「収益認識基準」を適用。

 

(株)伊藤園の2022年4月期決算概要、2023年4月期業績予想について、ご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年4月期決算概要
3.2023年4月期業績予想
4.マーケティング・事業戦略
5.新・中期経営計画
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22年4月期の売上高は前期比3.4%増の4,613億円。伊藤園(単独)は同1.6%増。大都市圏の出店ロケーションにより前期はコロナ禍の影響を強く受けたタリーズコーヒージャパンが大きく回復したほか、米国事業も好調だった。営業利益は同12.0%増の186億円。タリーズコーヒージャパンが黒字転換した一方、伊藤園(単独)微減益、米国事業も減益。第2四半期決算発表時の予想に対しては、売上高は米国事業の健闘でほぼ予想通り、営業利益は未達。※収益認識基準の旧基準による。

     

  • 23年4月期の売上高は前期比4.3%増の4,180億円、営業利益は同6.4%増の200億円の予想。伊藤園(単体)を始めグループ会社とも増収。伊藤園(単体)が増益予想のほか、前期黒字転換したタリーズコーヒージャパンは大幅な増益を見込む。一方、米国事業は減益の予想。配当は普通株式、優先株式とも前期と変わらず、それぞれ40円/株、50円/株の予定。予想配当性向は普通株式41.5%、優先株式47.1%。

     

  • 2023年4月期~2027年4月期を対象とする5か年の新・中長期経営計画を策定した。「国内既存事業の盤石化」「『お~いお茶』のグローバル化」「新たな事業の創出」「経営基盤の強化」「サステナビリティ経営の推進」を重点戦略とし、「27年4月期 営業利益率 7%、ROE 10%以上、総還元性向 40%維持、海外売上比率 12%以上」「連結売上高の5ヵ年平均伸長率3%以上」を目標としている。

     

  • コロナ禍の影響も和らぎ、今期は伊藤園単体、タリーズコーヒージャパンを始め全ての事業主体が増収予想で、営業利益も前期の米国が減益となるが、タリーズコーヒージャパンの大幅増益などで200億円回復を見込んでいる。新・中期経営計画では今後5年間の着実なトップラインの伸長と収益性の改善を計画している。この5年間で売上高はコロナ禍前水準の回復は難しいものの、27年4月期、売上高4,700億円程度とすると、営業利益率7%で営業利益は300億円を超え、過去最高を更新する見込み。原材料高と価格改定、人手不足に伴う自動販売機事業の持続性など、不透明材料も存在する中で、強みとする商品開発力やブランド力を武器に、新・中長期経営計画をどのように進捗させていくのかを注目していきたい。

     

1.会社概要

緑茶などの茶系飲料、コーヒー飲料、野菜飲料等の飲料(ドリンク)や茶葉(リーフ)の製造・販売を中心に、子会社を通してタリーズコーヒー等の飲食店経営及びフランチャイズ(FC)展開やサプリメントの製造・販売等も手掛ける。国内では、「お~いお茶」等の緑茶飲料市場で34%(2021年実績)のトップ・シェアを有する。この他にも、ノンカフェイン茶系飲料No.1の「健康ミネラルむぎ茶」、野菜100%飲料No.1の「1日分の野菜」、及びタリーズコーヒージャパン(株)との連携によるボトル缶ブラックコーヒーNo.1の「TULLY'S COFFEE」といった人気ブランドを有し、いずれも年間販売数量が1,000万ケースを超える(「お~いお茶」は約8,000万ケース)。
タリーズコーヒージャパン(株)やチチヤス(株)等の連結子会社31社、持分法適用関連会社3社等とグループを形成。「世界のティーカンパニー」を目指し、ニューヨークを中心に米国、中国、オーストラリア、東南アジア地域で、「お~いお茶」ブランドの確立と新しい緑茶市場の開拓に取り組んでいる。

 

【1-1 経営理念「お客様第一主義」】

 

“すべてのお客様を大切にすることが経営の基本である”とする「お客様第一主義」を経営理念としている。

 

お客様とは、同社とかかわる、消費者、株主、販売先、仕入先、金融機関、更には地域社会等のステークホルダー。ステークホルダー全てをお客様と位置付け、それぞれの意見や要望に真摯に向き合い、常にお客様の立場に立った対応を図る事を経営の根幹としている。

 

 

この経営理念の下、以下のミッション、ビジョンを掲げている。

 

ミッション

健康創造企業

お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会を実現する

ビジョン

世界のティーカンパニー

茶スペシャリストとして世界の茶文化とつながり、おいしさと価値を広く伝える

 

*グローバル

世界中で飲まれている茶を進化させ、世界中の人々の心身ともに健やかな生活を支える。

 

*価値創造

茶で培った知見を活かし、健康と持続可能な社会に貢献する価値を創出する。

 

*ユニーク

農業から資源循環まで、伝統と先端技術を融合させる独自性のある唯一無二の企業に

 

【1-2 創業以来変わらない五つの製品開発コンセプト】

 

製品開発のコンセプトは、「自然」、「健康」、「安全」へのこだわりと、マーケティング施策の徹底、そしておいしさの追求。主力製品の「お~いお茶」では、前身の「缶入り煎茶」(1985年発売)から、原料と製法にこだわり、無香料・無調味の自然のままのおいしさを引き出している。

 

 

(同社Webサイトより)

 

【1-3 事業概要】

事業は、飲料(ドリンク)や茶葉(リーフ)の製造販売を行うリーフ・ドリンク関連事業、タリーズコーヒージャパン(株)によるスペシャルティコーヒーの飲食店経営とFC展開の飲食関連事業、及びMason Distributors,Inc.(米国フロリダ州)が手掛けるサプリメントの製造・販売等のその他の事業に分かれる。

 

 

同社を代表する年間販売数量1,000万ケース超のブランド

 

 

 

 

 

 

茶系飲料No.1   

機能性表示食品(飲料)No.1

ノンカフェイン茶系飲料No.1

野菜100%飲料No.1

ボトル缶ブラックコーヒーNo.1

(同社資料より)

 

【1-4 世界のティーカンパニー】

世界のティーカンパニーとして、『世界中のお客様の“健康”に貢献し、一人ひとりの豊かな生活を支える企業グループ「伊藤園」』を目指しており、目標達成に向け、コーポレート・サステナビリティと豊かな生活を支える健康創造企業としての取り組みを進めると共に、ROE経営を強化している。

 

コーポレート・サステナビリティ
伊藤園グループ中長期環境目標を策定し、容器包装の取組みと気候変動への対応を進めると共に、製品を通して、カテキンやテアニンなど“お茶”が持つ価値の訴求に取り組んでいる。また、同社独自の持続可能な農業モデルである茶産地育成事業や茶系飲料等の製造過程で排出する「茶殻のリサイクル」にも力を入れている。

 

容器包装の取組み
「3R(リサイクル、リデュース、リプレイス&リユース)+Clean」を基本方針とし、2025年度までに「お~いお茶」ブランドに使用するペットボトルの全てを、2030年までに全ペットボトル製品をリサイクル素材等(生物由来素材を含む)に切り替えることを目指している。

 

(同社資料より)

 

伊藤園グループプラスチックに関する方針

リサイクル(資源循環)

・2030年までにペットボトルに使用するリサイクル素材等*の割合を100%にすることを目指します。

・ペットボトル以外の用途においても、リサイクル素材の利用を推進します。

・行政機関、業界団体、取引先等と連携し、リサイクル率向上に向けた活動を推進します。

*生物由来素材を含む

リデュース(省資源化)

・さらなる容器包装の軽量化・使用量削減に向けて容器設計、生産方法の改良を行います。

リプレイス&リユース

・生物由来素材、生分解性素材の使用を推進します。

・飲食事業において、再利用可能な容器への代替も推進します。

クリーン(環境保全)

・プラスチック資源有効活用のための、分別収集の促進、清掃活動等の社会貢献活動への参加とともに、各地の環境保全活動を継続的に支援します。

(同社資料を基に作成、

 

気候変動への対応
削減目標を設定してのCO2排出量の削減や茶葉に関する気候変動分析に取り組んでいる。

 

CO2の削減では、2022年4月に新たな数値目標を設定した。2030年度までに2018年度比で、Scope1(直接排出量)とScope2(エネルギー起源間接排出量)のCO2排出量を総量で50%削減、Scope3(その他間接排出量)については総量20%削減するとした。また2050年度までに、Scope1、Scope2、Scope3でカーボンニュートラルの目標を掲げている。これまで、飲料製造工場における環境配慮型充填システムの導入や、モーダルシフト、営業車両のエコドライブ推進、ヒートポンプ式自動販売機の積極導入などに取り組んできた。同社は飲料製造工場を自社で保有せず、外部に委託するファブレス方式を採用しているため、全国5ブロック約50の製造委託工場と連携し、2030年度の削減の目標達成に向けてこれまで以上に協働の取り組みを進めていく。また、「伊藤園グループプラスチックに関する方針」に基づき、2030年までに、ペットボトルに使用するリサイクル素材等の割合を100%にすることを目指している。リサイクル素材等を使用することにより、バージン樹脂より大幅なCO2排出量削減効果が期待でき、Scope3の目標達成に寄与する。

 

CO2排出量の削減目標

 

 

従来

今後

2030年度

Scope1-2

総量26%削減

総量50%削減

Scope3

原単位26%削減

総量20%削減

2050年度

Scope1-2

総量26%削減

カーボンニュートラル

Scope3

原単位26%削減

**いずれも2018年度が基準年。原単位は売上百万円あたりの排出量。2030年度の総量20%削減目標は、足元の原料価格高騰などの影響を踏まえ、現時点での目標をパリ協定の「2℃より十分低い」目標に合わせて設定。

 

茶葉に関する気候変動分析では、独自の分析とシナリオ分析を継続的に行い、その結果を踏まえて、新たな産地開発や栽培管理手法、技術開発等に茶農家と協働して取り組んでいる。

 

伊藤園独自の持続可能な農業モデル
◎「茶産地育成事業」(1976年~)
国内茶園面積は近年減少傾向にあり、緑茶(荒茶)生産量も10年前と比較して22%減少し、7万トンを下回った。農業従事者数も減少傾向にあるとともに、農業従事者の平均年齢も67.8歳と高齢化が進んでいる。
こうした状況に対し、同社は高品質な茶葉の安定調達を目的に、個々の茶農家との契約栽培または産地の育成(新産地事業)を行う「茶産地育成事業」を1976年より展開しており、大規模茶園をはじめ、茶生産農家と連携して茶原料の持続的な調達に取り組んでいる。茶産地育成事業(新産地事業)に取り組む従事者の平均年齢は45歳、乗用型摘採機の導入も100%と、省力化や効率化の取り組みは他に例を見ない成果を生み出している。

 

地域活性化や持続的な農業経営など社会・事業者への価値が高い「新産地事業」は、2001年より宮崎県から始まり、2020年には静岡県へと事業エリアが広がり、現在7県9地区に拡大している。
2021年4月末までの中長期目標としていた「展開面積2,000 ha」も達成。2030年の目標を2,800haとしている。

 

(同社資料より)

 

このほか、AIによる画像診断を基に茶葉の摘採時期判断や荒茶の成分評価などを行うことで、経験にとらわれない農業を可能にし、後継者不足の解消、新規参入ハードルの低減を図っている。

 

◎持続可能な農業への取り組み
国と地方自治体、生産者、JAや協力企業と協力して、将来を見据えた農業の取組みにも注力している。
JAが推進する「ニッポンエールプロジェクト」においては、共同で製品開発を行っており、製品を通じて国内農業産地を応援。季節ごとに全国各地の果実を飲料にし、すべてのチャネルで販売している。
同社では、リーフもドリンクも、ともに畑から採れる原料を使って製造・販売が可能な食品メーカーは、自社のみであると認識しており、茶農業の技術開発や普及に向けたロードマップを策定し、ITの活用などによる各種技術の確立や複合経営の実施を通じて持続可能な農業の推進に貢献していく考えだ。
茶農業の技術開発を通じた循環型農業の確立にも取り組んでいる。
現在、茶殻に含まれる窒素成分を活かした循環型肥料による肥料コスト削減と環境負荷低減や、蒸気防除機の普及による
化学農薬の低減・減農薬を目指した技術開発を進めている。
これらの技術を確立したのちは契約産地での検証を行い課題の抽出と解決やコストダウンを図り、契約産地での普及を図る。
原材料から製品まで「安心・安全・環境配慮」のブランドを確立し、海外への輸出拡大にもつなげていく。

(同社資料より)

 

茶系飲料などの製造過程で排出する茶殻を、日用品などにリサイクル(2001年~)
茶殻リサイクルシステムでは、含水のまま常温保存して輸送する技術、含水茶殻を使用した製品開発技術、及びCO2を吸収した茶葉(茶殻)の製品中への固定技術を活用し、茶殻(緑茶)の抗菌効果や消臭効果等の特性を活かした高付加価値製品を創出している。

 

健康創造企業としての取り組みとSDGs
コロナ禍において意識されるのは、自らの「健康」と家族の「健康」。同社は、「健康」に資する製品を中心に事業を展開しており、この取り組みを更に強めていく。具体的には、日本人が日常的に飲用する「お茶」のチカラで、健康で豊かに生きる暮らしをサポートし、1200年続くお茶の歴史を新たに創造し、社会課題の解決に取組んでいる。この一環として、認知機能に関する知識向上教育及び健康増進プログラムを開始した。具体的には、認知症サポーターの養成活動に協力し、全国186拠点(2022年4月末現在)で認知症サポーター養成講座を受講すると共に、加齢に伴う認知機能(注意力・判断力)の低下が起こるとされる50歳以上の社員(約280名)を対象に、「軽度認知障害スクリーニング検査」を実施した(検査結果によって、飲食習慣等の改善の取組みも行っている)。
また、グループ経営理念である「お客様第一主義」に基づき、健康創造企業として持続的な成長を目指し、消費者課題、コミュニティ・社会、地球環境など7つの重要課題を設定。SDGsの目標に即した企業活動も行っていく。
(同社資料を基に作成)

 

◎7つのマテリアリティ
伊藤園グループが新たに策定した中長期経営計画に合わせ、外部環境の変化に対応するためマテリアリティの見直しを行った。その結果、「食生活と健康への貢献」「持続可能な国内農業への貢献」「環境」「地域社会・コミュニティとのつながりの深化」「持続可能なサプライチェーンへの貢献」「多様な人財と全員活躍の推進」「コーポレート・ガバナンス」の7つのマテリアリティを新たに特定した。新・中長期経営計画と相互に連動させながら、取組みを進めていく。

 

 

・食生活と健康への貢献
人生100年時代を見据えた研究開発、各世代の健康に資する製品・サービスを通じて、健康的で豊かな生活を提供。
・持続可能な国内農業への貢献
茶産地育成事業を通じて、高付加価値原料の開発や環境配慮型農業の推進により国内農業の活性化に貢献。
・環境
茶をはじめとした自然由来の製品を主とする事業モデルを鑑み、人類共有の地球環境を守る課題へ積極的に関与。
・地域社会・コミュニティとのつながりの深化
対話を通じた地域社会の課題解決と、お茶を介したコミュニケーションによる心身の健康への貢献。
・持続可能なサプライチェーンへの貢献
持続的なパートナーシップにより、社会・環境課題の解決と双方の持続的な収益の両立を実現する。
・多様な人財と全員活躍の推進
バリューチェーンにおける全ての人々の人権を尊重。全社員が健康でいきいきと活躍する組織づくり。
・コーポレート・ガバナンス
サステナビリティ経営の推進と実践で、環境・社会課題への対応とリスク管理を強化し、企業価値を向上する。

 

(同社資料を基に作成)

 

ROE経営の強化
ROE10%以上を目標に、収益性(売上高当期純利益率)、効率性(総資産回転率)、財務体質(財務レバレッジ)を重視した経営を進めている。

 

(同社資料より)

 

 

17/4期

18/4期

19/4期

20/4期

21/4期

22/4期

ROE(%)

10.5

9.0

9.9

5.2

4.7

8.2

 売上高当期純利益率(%)

2.88

2.54

2.87

1.61

1.57

3.23

 総資産回転率(回)

1.61

1.64

1.67

1.63

1.43

1.21

 レバレッジ(倍)

2.25

2.17

2.07

2.00

2.08

2.11

*インベストメントブリッジが計算

 

2.2022年4月期決算概要

【2-1 国内飲料市場の動向】

 

2020年

2021年

前年比

2022年 見通し

前年比

2020年比

茶系飲料

8,770

8,900

+1.5%

9,120

+2.5%

+4.0%

 緑茶飲料

4,180

4,260

+1.9%

4,350

+2.1%

+4.1%

 その他茶系飲料

4,590

4,640

+1.1%

4,770

+2.8%

+3.9%

コーヒー飲料

8,050

8,050

0.0%

8,050

0.0%

0.0%

炭酸飲料

7,350

7,470

+1.6%

7,540

+0.9%

+2.6%

ミネラルウォーター

2,560

2,610

+2.0%

2,840

+8.8%

+10.9%

果実飲料

2,240

2,210

-1.3%

2,210

0.0%

-1.3%

スポーツドリンク

1,930

1,850

-4.1%

1,990

+7.6%

+3.1%

野菜飲料

1,570

1,520

-3.2%

1,530

+0.7%

-2.5%

機能性・その他

1,780

1,780

0.0%

1,790

+0.6%

+0.6%

国内飲料市場

34,250

34,390

+0.4%

35,070

+2.0%

+2.4%

*単位:億円。同社資料を基に作成。

 

2022年の国内飲料市場の規模は、2021年比で2%増と回復が続く見通し。
一方で同社が無糖茶飲料「缶入りウーロン茶」を発売した1980年は1%であった国内飲料における無糖飲料比率は、2021年には54%まで上昇。今後も、消費者の健康志向の更なる高まりとともに、無糖飲料の比率も上昇すると同社では考えている。

 

(同社資料を基に作成)

 

21年7月は、全国規模で早い梅雨明けで大きく伸長したが、8月以降は異例の長雨で記録的な雨量、緊急事態宣言期間の延長などで販売数量は大きく減少。
10月は緊急事態宣言解除により家庭外での需要が増加し、飲料市場・同社とも販売数量は伸長したが、22年に入り1月に、一度解除されたまん延防止等重点措置が再び適用され、2月は東・西日本を中心に気温が平年を下回った。
リーフ、ドリンクともに前年比1%増と微増にとどまった。

 

【2-2 連結業績】

(22/4期 新基準)

 

21/4期 

構成比

22/4期 

構成比

前期比

予想比

売上高

446,281

100.0%

400,769

100.0%

-

-0.6%

売上総利益

215,003

48.2%

159,581

39.8%

-

-1.7%

販管費

198,327

44.4%

140,787

35.1%

-29.0%

-1.1%

営業利益

16,675

3.7%

18,794

4.7%

+12.7%

-6.0%

経常利益

17,029

3.8%

19,971

5.0%

+17.3%

+0.9%

当期純利益

7,011

1.6%

12,928

3.2%

+84.4%

+1.0%

*単位:百万円、当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。2022年4月期より収益認識基準を適用。これにより大きな影響が生じる項目は増減率を記載していない。予想比は、第2四半期決算発表時の予想に対する増減。

 

(22/4期 旧基準)

 

21/4期 

構成比

22/4期 

構成比

前期比

予想比

売上高

446,281

100.0%

461,316

100.0%

+3.4%

-0.7%

売上総利益

215,003

48.2%

220,205

47.7%

+2.4%

-1.5%

販管費

198,327

44.4%

201,532

43.7%

+1.6%

-1.0%

営業利益

16,675

3.7%

18,672

4.0%

+12.0%

-6.6%

経常利益

17,029

3.8%

19,849

4.3%

+16.6%

+0.2%

当期純利益

7,011

1.6%

12,848

2.8%

+83.2%

+0.4%

*単位:百万円、当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。予想比は、第2四半期決算発表時の予想に対する増減。

 

増収増益、売上高はほぼ予想通り
(以下、旧基準で記述)
売上高は前期比3.4%増の4,613億円。伊藤園(単独)は同1.6%増。大都市圏の出店ロケーションにより前期はコロナ禍の影響を強く受けたタリーズコーヒージャパンが大きく回復したほか、米国事業も好調だった。
営業利益は同12.0%増の186億円。タリーズコーヒージャパンが黒字転換した一方、伊藤園(単独)微減益、米国事業も減益。
第2四半期決算発表時の予想に対しては、売上高は米国事業の健闘でほぼ予想通り、営業利益は未達。

 

会社別売上高・利益
(22/4期 新基準)

 

21/4期 

対売上比

22/4期 

対売上比

前期比

予想比

伊藤園(単独)

352,732

79.0%

300,319

74.9%

-

-1.3%

タリーズコーヒー

26,215

5.9%

30,060

7.5%

-

-4.6%

チチヤス

13,897

3.1%

11,844

3.0%

-

-0.7%

その他国内

51,620

11.6%

48,486

12.1%

-

-7.0%

米国事業

30,068

6.7%

36,771

9.2%

+22.3%

+14.7%

その他海外

5,286

1.2%

5,155

1.3%

-2.5%

-5.2%

連結消去

-33,538

-

-31,867

-

-

-

連結売上高

446,281

100.0%

400,769

100.0%

-

-0.6%

伊藤園(単独)

15,759

4.5%

15,685

5.2%

-0.5%

-7.7%

タリーズコーヒー

-1,374

-

860

2.9%

-

-14.0%

チチヤス

702

5.1%

734

6.2%

+4.5%

+7.9%

その他国内

685

1.3%

655

1.4%

-4.4%

-20.2%

米国事業

717

2.4%

555

1.5%

-22.6%

-24.4%

その他海外

1,146

21.7%

917

17.8%

-20.0%

-21.0%

連結消去

-962

-

-613

-

-

-

連結営業利益(営業利益率)

16,675

3.7%

18,794

4.7%

+12.7%

-6.0%

*単位:百万円。為替レート(米ドル期中平均):21/4期106.20円、22/4期113.79円。2022年4月期より収益認識基準を適用。これにより大きな影響が生じる項目は増減率を記載していない。予想比は、第2四半期決算発表時の予想に対する増減。

 

会社別売上高・利益
(22/4期 旧基準)

 

21/4期 

対売上比

22/4期 

対売上比

前期比

予想比

伊藤園(単独)

352,732

79.0%

358,435

77.7%

+1.6%

-1.1%

タリーズコーヒー

26,215

5.9%

29,938

6.5%

+14.2%

-5.0%

チチヤス

13,897

3.1%

13,424

2.9%

-3.4%

-1.4%

その他国内

51,620

11.6%

50,372

10.9%

-2.4%

-6.4%

米国事業

30,068

6.7%

36,771

8.0%

+22.3%

+14.7%

その他海外

5,286

1.2%

5,155

1.1%

-2.5%

-5.2%

連結消去

-33,538

-

-32,781

-

-

-

連結売上高

446,281

100.0%

461,316

100.0%

+3.4%

-0.7%

伊藤園(単独)

15,759

4.5%

15,685

4.4%

-0.5%

-7.7%

タリーズコーヒー

-1,374

-

739

2.5%

-

-26.1%

チチヤス

702

5.1%

734

5.5%

+4.5%

+7.9%

その他国内

685

1.3%

654

1.3%

-4.5%

-20.3%

米国事業

717

2.4%

555

1.5%

-22.6%

-24.4%

その他海外

1,146

21.7%

917

17.8%

-20.0%

-21.0%

連結消去

-962

-

-613

-

-

-

連結営業利益(営業利益率)

16,675

3.7%

18,672

4.0%

+12.0%

-6.6%

*単位:百万円。為替レート(米ドル期中平均):21/4期106.20円、22/4期113.79円。

 

【2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

21年4月

22年4月

増減

 

21年4月

22年4月

増減

流動資産

223,880

223,278

-602

流動負債

93,548

76,796

-16,752

 現預金

109,430

96,571

-12,859

 仕入債務

29,999

30,365

+366

 売上債権

53,136

58,015

+4,879

 短期借入金

25,004

2,897

-22,107

 たな卸資産

45,432

54,317

+8,885

固定負債

86,459

88,549

+2,090

固定資産

109,184

105,081

-4,103

 長期借入金

65,858

68,917

+3,059

 有形固定資産

78,099

74,490

-3,609

負債合計

180,007

165,346

-14,661

 無形固定資産

8,335

8,249

-86

純資産

153,057

163,012

+9,955

 投資その他の資産

22,749

22,340

-409

 利益剰余金

123,679

131,105

+7,426

資産合計

333,065

328,359

-4,706

負債純資産合計

333,065

328,359

-4,706

*単位:百万円。

 

現預金、有形固定資産が減少し資産合計は前期末比47億円減少し3,283億円。短期有利子負債の減少で負債合計は同146億円減少の1,653億円。利益剰余金の増加など純資産は同99億円増加し、1,630億円。
自己資本比率は前期末から3.6%上昇し49.2%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

21/4期

22/4期 

増減

営業キャッシュ・フロー(A)

25,351

22,226

-3,125

投資キャッシュ・フロー(B)

-7,514

-7,397

+117

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

17,837

14,829

-3,008

財務キャッシュ・フロー

25,813

-29,930

-55,743

現金及び現金同等物期末残高

107,763

94,471

-13,292

*単位:百万円。

 

たな卸資産の増加などで営業CF、フリーCFのプラス幅は縮小。
長期借入れによる収入の減少および返済による支出の拡大で財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュ・ポジションは低下した。

3.2023年4月期業績予想

【3-1 連結業績】

 

22/4期 

構成比

23/4期(予) 

構成比

前期比

売上高

400,769

100.0%

418,000

100.0%

+4.3%

売上総利益

159,581

39.8%

162,300

38.8%

+1.7%

販管費

140,787

35.1%

142,300

34.0%

+1.1%

営業利益

18,794

4.7%

20,000

4.8%

+6.4%

経常利益

19,971

5.0%

19,500

4.7%

-2.4%

当期純利益

12,928

3.2%

12,000

2.9%

-7.2%

*単位:百万円。

 

増収増益の予想
売上高は前期比4.3%増の4,180億円、営業利益は同6.4%増の200億円の予想。
伊藤園(単体)を始めグループ会社とも増収。伊藤園(単体)が増益予想のほか、前期黒字転換したタリーズコーヒージャパンは大幅な増益を見込む。一方、米国事業は減益の予想。
配当は普通株式、優先株式とも前期と変わらず、それぞれ40円/株、50円/株の予定。予想配当性向は普通株式41.5%、優先株式47.1%。

 

販管費の内訳

 

22/4期

対売上比

23/4期

(予)

対売上比

前期比

販売手数料

252

0.1%

258

0.1%

+2.2%

広告宣伝費

9,980

2.5%

11,015

2.6%

+10.4%

運送費

13,751

3.4%

14,291

3.4%

+3.9%

減価償却費

9,153

2.3%

8,310

2.0%

-9.2%

その他

107,651

26.9%

108,426

25.9%

+0.7%

合計

140,787

35.1%

142,300

34.0%

+1.1%

*単位:百万円。

 

会社別売上高・利益

 

22/4期 

対売上比

23/4期(予) 

対売上比

前期比

伊藤園(単独)

300,319

74.9%

312,500

74.8%

+4.1%

タリーズコーヒー

30,060

7.5%

33,000

7.9%

+9.8%

チチヤス

11,844

3.0%

12,560

3.0%

+6.0%

その他国内

48,486

12.1%

50,754

12.1%

+4.7%

米国事業

36,771

9.2%

40,412

9.7%

+9.9%

その他海外

5,155

1.3%

6,102

1.5%

+18.4%

連結消去

-31,867

-

-37,329

-

-

連結売上高

400,769

100.0%

418,000

100.0%

+4.3%

伊藤園(単独)

15,685

5.2%

16,500

5.3%

+5.2%

タリーズコーヒー

860

2.9%

1,200

3.6%

+39.5%

チチヤス

734

6.2%

735

5.9%

+0.1%

その他国内

655

1.4%

593

1.2%

-9.5%

米国事業

555

1.5%

377

0.9%

-32.1%

その他海外

917

17.8%

1,234

20.2%

+34.6%

連結消去

-613

-

-640

-

-

連結営業利益(営業利益率)

18,794

4.7%

20,000

4.8%

+6.4%

*単位:百万円。為替レート(米ドル期中平均):22/4期113.79円、23/4期120.00円。

 

4.マーケティング・事業戦略

【4-1 お~いお茶】

2022年の緑茶飲料市場は前年比2%伸長し、4,350億円規模を見込んでいる。同社の販売金額シェアは同1ポイント上昇し、35%の計画。シェア向上には「お~いお茶 濃い茶」が大きく貢献している。
同社独自の電子レンジ対応製品をはじめ、「急須でいれたときの香り立ちやおいしさ」が支持された結果と同社では考えている。
今後も、品質・味に注力し、「おいしさで選ばれてNo.1」の継続を目指す。

 

(同社資料より)

 

「お~いお茶 濃い茶」は、天候や季節に関わらず、安定して販売することができる「嗜好飲料」として位置づけられている。
2021年度の販売数量は3,000万ケースを突破した。2019年9月にガレート型カテキンを関与成分として機能性表示食品としてリニューアルしてから伸長が続いており、機能性表示食品の飲料部門で販売数量No.1である。
ニーズの多様化により小型ペットボトルが増加傾向にあるのに対応し、飲みきりサイズも投入した。
機能性飲料市場は急拡大が予想され、同社では市場を上回るペースで販売を拡大させていく考えだ。

 

(同社資料より)

 

【4-2 コミュニケーション】

多くのステークホルダーとの協働、地域社会との連携、消費者との様々なコミュニケーションなどが「お〜いお茶」の販売拡大を支えている。

 

(同社資料より)

 

【4-3 むぎ茶】

無糖で健康に良い飲料として麦茶の販売は堅調である。定番の「健康ミネラルむぎ茶」に加え、「健康ミネラル麦茶 オーツ麦ブレンド」を投入した。『「やわらかな香りと甘み」さっぱり飲めるおいしさ』が特長である。

 

 

(同社資料より)

 

【4-4 野菜飲料】

「1日分の野菜」ブランドを強化したほか、無糖、糖質・カロリーゼロで過去5年で5倍に成長した「青汁」の育成・認知強化にも注力している。
同社では管理栄養士の資格を持つ社員が、「野菜」や「野菜飲料」をテーマにした食育活動に取り組んでるが、新たに「野菜食育資格制度」を発足させた。

 

 

(同社資料より)

 

【4-5 タリーズコーヒージャパン】

タリーズコーヒージャパンは、都市型の店舗ロケーションに強みを持つため、コロナ禍においては苦戦を強いられてきたが、22年4月期の販売状況は都心店舗で前年比21%増、郊外店同22%増と大きく回復した。コーヒー豆も同7%増と好調。
タリーズコーヒーとして都立公園での初出店となる「TULLY’S COFFEE 日比谷公園店」ではアルコールなどの限定メニューも提供している。
宅配・物販の強化、環境対応(シルバースキン配合紙ストロー、ホット・コールド兼用紙カップの全国展開)、生産性向上推進などにも取り組んでいる。

 

(同社資料より)

 

ブランド価値向上、多様なニーズ取り込みのために、ドリンク製品や「おうちカフェ」のラインアップの拡充を進めている。

 

(同社資料より)

 

【4-6 海外戦略】

日本の緑茶で世界中の人々に健康的な生活を提案する「世界のティーカンパニー」となることを目指している。
海外で「お〜いお茶」は2021年、2017年比で26%増加した。
2027年には、海外売上比率12%以上を目指している。
そのために、「北米・中国の基盤強化」を重点テーマとし、地域に合わせたマーケティング、世界で活躍できる人材育成、現地基準に沿う原料開発、有機栽培・減農薬栽培への着手などに取り組んでいく。

 

【4-7 コーポレート・サステナビリティ】

環境負荷低減への取組みとして、2019年より「100%リサイクルペットボトル」を採用している。21年8月には姫路市と協定を結び、市民が分別・排出した使用済みペットボトルを新しいペットボトルへと水平リサイクルする取組みを推進している。
こうした資源循環の取組みを通して、2025年までに「お~いお茶」ブランドの全製品、2030年までに全飲料製品の容器を「100%リサイクルペットボトル」に切り替える。廃棄物の減量および資源の有効利用を促進するとともに、環境・社会・経済の持続可能性の向上を目指す。

 

5.新・中長期経営計画

前述の経営理念、ミッション、ビジョンの下、2023年4月期~2027年4月期を対象とする5か年の新・中長期経営計画を策定した。

 

【5-1 重点戦略】

以下、5つの重点戦略を展開する。

国内既存事業の盤石化

・国内で圧倒的No.1ティーカンパニーの地位を確立

・健康訴求を中心としたブランド価値の向上、お客様との接点強化

「お~いお茶」のグローバル化

「お~いお茶」を米国や中国をはじめとする各国の食文化との融合により日常生活へ浸透

新たな事業の創出

・食や生活への新しい価値の提供

・茶の機能性、茶事業で培った技術や繋がりの活用

経営基盤の強化

・伊藤園グループのシナジー強化

・人材育成、研究開発、DXの強化推進

サステナビリティ経営の推進

・伊藤園らしい事業活動を通じた、消費者、地域社会、農業、地球環境の課題解決への貢献

・100年企業に向けた持続的な成長

 

【5-2 定量目標】

成長に対しては、「収益性重視」「シェア向上のための持続的成長」「資本利益率の向上」重視している。
連結売上高の5か年平均伸長率3%以上、総還元性向40%維持を掲げている。

 

 

【5-3 事業投資】

5年間累計営業キャッシュ・フロー1,500億円以上を原資に、事業投資700億円、有利子負債削減400億円、株主還元350億円以上を計画している。

【5-4 マテリアリティ】

健康創造企業として7つのマテリアリティを特定している。

 

・食生活と健康への貢献
人生100年時代を見据えた研究開発、各世代の健康に資する製品・サービスを通じて、健康的で豊かな生活を提供。
・持続可能な国内農業への貢献
茶産地育成事業を通じて、高付加価値原料の開発や環境配慮型農業の推進により国内農業の活性化に貢献。
・環境
茶をはじめとした自然由来の製品を主とする事業モデルを鑑み、人類共有の地球環境を守る課題へ積極的に関与。
・地域社会・コミュニティとのつながりの深化
対話を通じた地域社会の課題解決と、お茶を介したコミュニケーションによる心身の健康への貢献。
・持続可能なサプライチェーンへの貢献
持続的なパートナーシップにより、社会・環境課題の解決と双方の持続的な収益の両立を実現する。
・多様な人財と全員活躍の推進
バリューチェーンにおける全ての人々の人権を尊重。全社員が健康でいきいきと活躍する組織づくり。
・コーポレート・ガバナンス
サステナビリティ経営の推進と実践で、環境・社会課題への対応とリスク管理を強化し、企業価値を向上する。

 

6.今後の注目点

コロナ禍の影響も和らぎ、今期は伊藤園単体、タリーズコーヒージャパンを始め全ての事業主体が増収予想で、営業利益も前期の米国が減益となるが、タリーズコーヒージャパンの大幅増益などで200億円回復を見込んでいる。
新・中長期経営計画では今後5年間の着実なトップラインの伸長と収益性の改善を計画している。この5年間で売上高はコロナ禍前水準の回復は難しいものの、27年4月期、売上高4,700億円程度とすると、営業利益率7%で営業利益は300億円を超え、過去最高を更新する見込み。
原材料高と価格改定、人手不足に伴う自動販売機事業の持続性など、不透明材料も存在する中で、強みとする商品開発力やブランド力を武器に、新・中長期経営計画をどのように進捗させていくのかを注目していきたい。


 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

14名、うち社外4名

監査役

4名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年12月1日)
基本的な考え方
伊藤園グループ(以下「当社グループ」)の経営理念は、「お客様第一主義」です。伊藤園グループ基本綱領の中で、当社グループは、そこに働くすべての人とその家族、そして広く社会全体のために存在し、国・地域社会・消費者・株主・販売先・仕入先・金融機関等のステークホルダーと協調して、企業の社会的責任を果たすことを経営の根幹としています。
このグループ経営理念が当社グループの企業倫理の基本的な考え方であり、コーポレート・ガバナンスを支える不変の真理です。当社グループは、すべてのステークホルダーの信頼に応え、持続可能な社会の実現に向けた経営を全役員及び全従業員一丸となって積極的に推し進めます。
当社グループは、この理念に基づき、「健康創造企業」として中長期ビジョン「世界のティーカンパニー」を目指します。また、世界中のお客様の健康に貢献することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上につなげ、より一層のコーポレート・ガバナンス強化に取り組みます。

 

監査役会設置会社である当社は、適切なコーポレート・ガバナンスを実現するために、監査役が当社グループ会社の代表取締役あるいは担当取締役、執行役員または従業員に対し、営業の状況、意思決定のプロセス等の確認を行い、監査を実施しています。
監査役は、取締役会に毎回出席し、監査の状況につき会社全般または、個別案件ごとに客観的、且つ公平に意見を述べると共に監査役会での監査方針に従い取締役の業務執行を監査しています。

 

<実施しない原則とその理由>
2021年6月の改訂後のコードに基づき記載しています。

 

【原則4-11 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件】
当社の取締役会の構成は、経営戦略等に照らして知識・経験・能力を考慮し、全体としてバランス良く備え、取締役会における実効性ある意思決定及び実質的な議論を確保するために必要かつ適切な人数で構成することを基本とし、ジェンダ-や国際性、職歴、年齢の面を含む多様性の確保の観点にも十分配慮して決定します。
 現在、女性の取締役は不在ですが、ジェンダーの面での多様性の確保については、引き続き検討を重ねていきます。
(当社コーポレート・ガバナンス・ガイドライン第6条(取締役会の構成))

 

<開示している主な原則>
【コーポレート・ガバナンス・コードの各原則に基づく開示】
当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針を示すものとして、取締役会の決議に基づき、「株式会社伊藤園 コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下「当社ガイドライン」)を定め、当社コーポレートサイトにおいて開示していますので併せてご参照ください。
https://www.itoen.co.jp/csr/governance/

 

【原則1-4 政策保有株式】
当社は、原則として株式を保有しない方針です。ただし、株式を保有することにより、円滑な取引、仕入、または資金調達ができると判断できる場合に政策保有を行っています。また、当社グル-プの中長期的な企業価値向上に資すると認められない場合には、段階的に縮減する方針としています。

 

上記ただし書に基づき保有する上場株式(以下「政策保有株式」)について、毎年の取締役会で、個別銘柄毎に投下資本に対するリタ-ンが資本コストを上回っているかを検証しています。また、中長期的な取引先との関係維持・強化の観点から、保有意義の確認を行い、経済合理性と保有意義が希薄化してきた銘柄については相手先企業と対話の上、売却及び縮減を進めることを取締役会において確認しています。
政策保有株式にかかる議決権の行使については、各議案の内容を精査し、当社及び保有先の企業価値の向上に資するものか否かを総合的に判断した上で適切に行います。
(当社ガイドライン第14条(株式の政策保有に関する方針))

 

【補充原則2-4(1)中核人材の登用等における多様性の確保】
<中核人材の登用等における多様性の確保についての「考え方」>
当社グループは創業以来、「他に類を見ない素晴らしい企業にすること」を目的とした伊藤園グループ基本綱領を定めています。この中で人材の登用については、単なる年功、学歴、門閥等は問わず、真に実力のある者を登用する実力主義を原則としています。この原則のもと、人材の性別・国籍・年齢・中途採用者・障がいの有無等によって与えられる機会が損なわれることはなく、個々の能力や適性に応じて多様な人材が活躍できる環境を整備します。この実力主義の考え方に基づく組織文化を育むことで、「世界のティーカンパニー」の実現を目指します。
(当社ガイドライン第18条(多様性に関する方針))

 

<中核人材の登用等における多様性の確保についての自主的かつ測定可能な「目標」>
(1)女性の管理職登用
当社では、実力主義の考えのもと、性別の区別なく、役員・管理職の登用を行っています。また、多様性の確保の観点から女性活躍推進は経営の重要な課題と認識し、女性社員の定着率向上、家庭と仕事の両立支援強化、管理職の育成に取り組んでいます。2020年度における女性管理職2.3%、次期管理職候補(係長相当)5.0%に対して、2023年度には2020年対比で女性管理職150%、次期管理職候補(係長相当)130%の目標を掲げ、長期目標(2030年)としても更なる育成・登用を目指します。

 

(2)中途採用者の管理職登用
当社の管理職に占める中途採用者の割合は、従業員全体に占める中途採用者の割合と同等(約20%)であり、様々な経験・知識を有する人材が、その実力に応じて管理職として登用されています。現状は自主的かつ測定可能な目標について定めていませんが、今後も実力主義の考えに基づき多様な人材を採用及び育成することで、より活躍できる環境を整備していきます。

 

(3)外国人の管理職登用
当社では、外国人採用者は現在16名在籍しており、うち4名が管理職として活躍しています。グループ全体では、社員の約1割(約800人)が外国人であり、各国・各グループ会社においてそれぞれの実力に応じて登用されています。当社においても、外国人が管理職に登用されている割合は、社員全体に占める管理職の割合と同等以上であり、多様なバックグラウンドを有した社員が活躍しています。現状は自主的かつ測定可能な目標については定めていませんが、「世界のティーカンパニー」を目指す企業として、実力主義の考えに基づきグループ全体での登用を推進していきます。

 

<多様性の確保に向けた「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」、その状況>
(1)人材育成方針
当社は実力主義の考えのもと、チャンスは社員一人ひとりに平等であり、評価は公正に行うことを基本として人材育成に力を入れています。グループ経営理念「お客様第一主義」の実践を根幹に多様な人材の育成や働き方改革等、社員一人ひとりが健康でいきいきと働ける健康経営を推進します。

 

①コンプライアンス教育
「伊藤園グループコンプライアンス行動基準の手引」に基づき、全社員に対して性別、年齢、民族、人種、国籍、宗教、信条、社会的身分、門地、障がいの有無等による差別をせず、人権を尊重し、個人の適性能力により公正に取扱いがなされるよう教育しています。

 

②管理職教育
管理職に対しては、多様性の確保の重要性について理解を深める教育を実施するとともに、多様な人材が活躍できるよう整備された各種制度の目的と内容について教育をしています。

 

③女性活躍推進研修
女性社員が自己の能力を充分に発揮し、更なる活躍ができるようキャリア・ライフプランを再考・形成できる場を設けています。階層別の女性教育を実施することで女性社員のモチベーションや定着率向上、家庭と仕事の両立支援、管理職の育成などの強化に繋げています。

 

④海外人材育成教育
今後の海外事業を支える人材の育成を目的に、異文化の理解とコミュニケーションの促進を主眼とした教育を実施しています。具体的には、近い将来海外勤務を希望する社員を募り事前に教育を行うプレエントリー制度、その後実際に海外に渡航し研修を受ける海外研修生制度により、社員のキャリア支援を行うとともに異文化への理解の促進を図っています。

 

(2)社内環境整備方針
当社では、多様な人材が一人ひとりの状況に応じて柔軟に働き方を選択できるようにすることで、ワークライフバランスを推進し、誰もが働きやすい職場になるよう環境整備を行っています。

 

伊藤園ファミリーサポート制度社員とその家族のライフイベント(結婚・出産・育児・介護等)における支援制度を「伊藤園ファミリーサポート制度」として整備

し総合的な支援を行っています。

 

職場環境改善推進委員会職場環境の総合的な問題および改善策を検討し、より良い職場環境をつくるため、職場環境改善推進委員会(原則年2回実

施)を設置しています。委員会のもとには、各事業所の代表者による地区委員会(2020年度は28回実施)が設置され、労働時間・職場の安全・衛生管理などの課題や今後の働き方の見直しについて意見交換をしています。

 

障がい者支援各職場で働く障がいを持つ社員に対して、人事部門が定期的に訪問し、社員及びその家族との面談、公共の支援団体との

連携を図ることで、障がいを持つ方がいきいきと長く働けるよう支援しています。

 

Voice制度(社内提案制度)職種にかかわらず全社員が新しい製品や販売促進の提案等ができる「Voice制度」を設けています。この制度を通じて、全

社員が「STILL NOWの精神=今でもなお、お客様は何を不満に思っているか」を常に意識するとともに、優れた提案には社内表彰を行うことで社員のモチベーション向上にも寄与しています。
人事育成・社内環境整備の詳細は、当社コーポレートサイトをご参照ください。
https://www.itoen.co.jp/csr/labour/

 

【補充原則3-1(3)サステナビリティについての取組み等】
<サステナビリティについての取組み>
当社グループは、「お客様第一主義」の経営理念に基づき、中長期ビジョン「世界のティーカンパニー」の実現に向けて、CSV経営の実践およびESGの推進により、環境・社会課題の解決と企業価値向上の両立を目指して取り組んでいます。そのため、「伊藤園グループCSR憲章」に基づき、国際規格ISO26000に則した7つの中核主題、組織統治・人権・労働慣行・環境・公正な事業慣行・消費者課題・コミュニティへの参画及びコミュニティの発展、を推進テーマに設定し、特に「消費者課題」「コミュニティへの参画・発展」「環境」を重要課題と位置付けています。
環境課題については、「伊藤園グループ環境方針」のもと「伊藤園グループ中長期環境目標」を策定し、環境負荷低減に取り組んでいます。その中でも、当社製品の容器包装に関わるプラスチック問題を背景に、2020年9月、「伊藤園グループ プラスチックに関する方針」を策定し、2030年までにペットボトルに使用するリサイクル素材等の割合を100%にすることを目指し、資源循環に取り組んでいます。
当社コーポレートサイトに掲載しています「CSR/ESG (環境・社会・ガバナンス)」をご参照ください。
https://www.itoen.co.jp/csr/

 

<人的資本についての取組み>
当社では、最も大切な財産は「人」であるという考え方に基づき、常に前向きに挑戦できる人材の育成を目指しています。人材を「人財」として捉え、人的資源「コスト(=管理)」から人的資本「投資(=価値創造)」とすることで経営戦略と連動した取組みを実現していきます。

 

(1)社内研修制度「伊藤園大学・伊藤園大学院」
社員の成長を促進し、社員自らの夢を実現するための一つの支援として社内研修制度「伊藤園大学・伊藤園大学院」を毎年開設し、ビジネス・経営等に必要な専門知識を習得できる教育の機会を提供することで、積極的な自己啓発支援を行っています。

 

(2)「伊藤園ティーテイスター制度」
1994年から開始した「ティーテイスター(茶資格)制度」は、お茶に関する高い知識と技術を持つ社員に資格を与え、お茶に関する知識と技術の向上、社内外への茶文化の普及などを目指した伊藤園グループ独自の制度です(2017年3月より、厚生労働省認定の社内検定)。「世界のティーカンパニー」の実現に向けた社員の育成強化のひとつとして、国内外のグループ会社で取り組んでいます。

 

(3)健康経営
当社は、2021年5月に「伊藤園グループいきいき健康宣言」を策定しました。健康経営の実施により、社員一人ひとりが健康でいきいきと働き、明るく前向きに挑戦する姿を通じて社会に貢献できる企業を目指しています。具体的にはバランスの取れた食事、適正体重の維持、適度な運動、良い睡眠という4つの軸を中心に全社員が規則正しい生活習慣を実現することで、社員の活力向上や生産性向上等の組織の活性化を通じて、中長期的な企業価値向上を目指します。

 

(4)定年延長
当社は、これまで60歳の定年後も、最大5年間勤務できる再雇用制度を設けていましたが、社員が安心していきいきと働くことができる環境を整備するため、2022年5月から65歳を定年とする定年延長を決定しています。これまでに培った経験や知識、ノウハウをさまざまな職場で発揮できる環境を整え、70歳まで健康でいきいきと働ける仕組みづくりを推進していきます。

 

<知的財産についての取組み>
(1)知的財産権の活用・保護
当社は、知的財産活動を事業継続・展開していく上で不可欠な活動と位置づけ、経営戦略、当社事業の成長、イノベーションの促進を支援するため、知的財産情報を活用したIPランドスケープを構築し、中長期事業計画の柱となるブランド、既存・新規事業、海外展開等に対して知的財産権の活用を推進していきます。
研究開発部門、マーケティング部門、新規事業部門に対しては知的財産情報を提供し、今後の研究開発戦略・ブランド戦略の支援を行っています。併せて当社事業を支える商品・技術・デザイン・ネーミング等については、知的財産権を確保し、市場における競争優位性を保持しています。特に当社のコア事業であるお茶関連では、サプライチェーンを意識した茶畑から茶製品、茶殻リサイクルまでの知的財産権を確保し、事業を通じて環境・社会課題にも貢献しています。

 

(2)人材の育成への投資
当社は、社内に弁理士、弁護士を擁するとともに、外部の専門家も活用しながら、専門部署としての知的財産部を有しています。研究開発を中心とした知的財産創出に係る部門の人材については、知識・スキルを継続して教育することによって、権利取得を意識した研究設計、権利活用、戦略立案を担える人材の育成に取り組んでいます。

 

(3)他社の知的財産権の調査
他社の知的財産権を尊重し、侵害リスクを回避するために他社特許調査及び情報収集を行っています。特に「世界のティーカンパニー」に向けた海外展開の支援として、各国における知的財産権の取得、リスク回避のため、各国の係争・審査実態の情報を収集しながら適切且つ効果的な権利取得を推進していきます。

 

<TCFD提言への対応>
気候変動対応については、TCFD提言に基づき、IPCC代表的濃度経路シナリオのRCP2.6、RCP4.5、RCP6.0、RCP8.5の4つのシナリオを選択。主力原料である国内茶葉の収量と品質への影響分析を実施し、2020年度統合レポートにおいて開示しました。
また、中長期CO2排出量削減目標およびKPIを設定し、全社部門において認証取得しているISO14001の仕組みを活用し、環境マネジメントを推進しています。
今後も、TCFD等の枠組みに基づき、シナリオ分析を継続し開示の質と量の充実化を進めていきます。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、自社の資本コストを的確に把握した上で、経営幹部等による株主との建設的な対話を通じて、株主の声に耳を傾け、その関心・懸念に正当な関心を払うとともに、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資、人的資本への投資等を含む自らの経営方針を分かりやすい形で明確に説明し、その理解を得る努力を行います。さらに決算発表後の取締役会においては、株主やアナリストから寄せられた意見を共有し、経営戦略のレビューなどに積極的に活かしていきます。
(当社ガイドライン 第16条(株主との建設的な対話に関する方針)
詳細については、本報告書「IRに関する活動状況」をご参照ください。

 

 

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