ブリッジレポート
(1433) ベステラ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(1433)ベステラ 2023年1月期第2四半期決算

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吉野 炳樹 社長

ベステラ株式会社(1433)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

建設業

代表者

吉野 炳樹

所在地

東京都江東区平野三丁目2番6号 木場パークビル

決算月

1月

HP

https://www.besterra.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,005円

8,990,200株

9,035百万円

42.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

20.00円

2.0%

54.40円

18.5倍

502.81円

2.0倍

*株価は9/21終値。発行済株式数、DPS、EPSは2023年1月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2019年1月

4,927

497

495

621

75.25

15.00

2020年1月

3,436

93

97

59

7.29

16.00

2021年1月

3,682

124

212

142

17.33

16.00

2022年1月

5,966

607

840

1,467

174.54

16.00

2023年1月(予)

6,700

620

666

469

54.40

20.00

* 予想は会社予想。単位:百万円。

 

 

ベステラ(株)の2023年1月期第2四半期決算概要などについてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年1月期第2四半期決算概要
3.2023年1月期業績予想
4.今後の注目点
<参考1:中期経営計画 2025>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23年1月期第2四半期の売上高は前年同期比8.5%増の25億33百万円。前期から施工を開始した大型の解体工事が順調に進捗し、グループ化した株式会社矢澤の再開発物件等における環境対策工事の受注・着工も好調だった。営業利益は同53.4%減の75百万円。増収も一部工事で低利益率の受注があり売上総利益は前年同期水準となった一方で、継続的な人材採用・研究開発・広告宣伝等の投資による販管費の増加を吸収できなかった。四半期ベースでは2四半期連続の前四半期比減収減益。

     

  • 業績予想に変更は無い。23年1月期の売上高は前期比12.3%増の67億円、営業利益は同2.0%増の6億20百万円の予想。引き続き堅調な受注状況を見込んでいる。前期計上した持分法による投資利益及び企業結合における交換利益がなくなり、経常利益、当期純利益は減益を見込んでいる。配当は、中間配当を4円/株増配の10円/株、期末配当は前期と同じく10円/株の計20円/株を予定している。予想配当性向は36.8%。

     

  • 23年1月期第2四半期は増収減益で、完成工事高も前期第4四半期(11-1月)をピークに、第1四半期(2-4月)、第2四半期(5-7月)と減少しているが、例年、下期に完成工事高が増加する傾向があり、同社では今期も下期の増加を予定している。また、営業戦略によりストック型工事の受注(安定的かつ継続的な工事受注)が増えているため、利益率も低くなる傾向にある。第2四半期(5-7月)において、売上には未計上であるものの、元請案件の受注状況は良好とのことで、通期予想達成に向け、第3四半期の結果に注目したい。

     

1.会社概要

プラント解体のスペシャリストとして、製鉄、電力、ガス、石油等、プラント(金属構造物)の解体工事をマネジメントしている。“プラント解体の工法・技術”をコア・コンピタンスとし、国際特許も含めた特許工法を多数有する。エンジニアリング(提案・設計・施工計画)とマネジメント(監督・施工管理)に経営資源を集中しており、実際の解体工事は協力会社に外注するため、工事用重機や工事部隊を保有せず(資産保有リスクを回避)、材料等の仕入・生産取引も発生しない(在庫リスクを回避)。
グループは、同社の他、設計業務等の人材サービスを手掛ける(株)ヒロ・エンジニアリングと3Dスキャン・モデリングや設計業務の3Dビジュアル(株)、高度なアスベスト除去技術を有する(株)矢澤の連結子会社3社。
社名の「べステラ(BESTERRA)」は英語の「Best(goodの最上級)」とラテン語の「Terra(地球)」を合わせたもので、「最高の地球の創造」という思いを込めた。解体からリサイクルの一貫体制を構築する事で高度循環型社会を実現し地球環境に貢献していく考え。

 

【企業理念】

「柔軟な発想と創造性、それを活かした技術力により地球環境に貢献します」という企業理念の下、下記の行動規範を掲げている。
また、持続可能な社会の実現に貢献すべく「サステナビリティ基本方針」を制定している。

 

◎サステナビリティ基本方針
私たちベステラは、「柔軟な発想と創造性、それを活かした技術力により地球環境に貢献します」という企業理念のもと、「高度な循環型社会の実現」と「持続的な企業成長」の両立に取り組んでまいります。

 

【長期ビジョン(目指す姿)】

・ 日本のプラント解体リーダー
・ 世界へのプラント解体技術提案書

 

1-1 事業の特徴

プラント解体事業の単一セグメントであり、その他として人材サービス事業や3Dスキャン・モデリング・設計事業を手掛けている。22/1期はプラント解体事業が売上全体の96.1%を占めた。

 

プラント解体事業
プラント解体事業では、製鉄・電力・ガス・石油等あらゆるプラントの解体工事を展開している。工法の提案、設計、施工計画、外注・資機材手配、施工管理、安全管理、原価管理、資金管理及び行政対応等のエンジニアリング全般を提供している。同社自身は、独自の解体技術の設計、施工計画に基づいた工事の管理監督に専念し、施工は専門の外注先を利用している。プラント解体工事は、製鉄・電力・ガス・石油等のプラントを有する大手企業が施主であり、多くの場合、施主系列のエンジニアリング子会社あるいは大手ゼネコンが工事を元請けし、同社が一次下請け、二次下請けとなっている。

 

尚、プラント解体事業では、工事の進行に伴って発生するスクラップ等の有価物を同社が引き取ってスクラップ業者に売却している。このため、受注に際して有価物の価値を、材質、量、価格(鉄、ステンレス、銅等の材質毎の相場)等から総合的に見積り、それを反映した金額で交渉し、請負金額を決めている。会計上、有価物の売却額は解体工事に伴う収益の一部と位置付けられており、完成工事高に含めて計上している。尚、発注者(施主)が独自でスクラップ等の処分(売却)を行う事もある。

 

※2つの収益計上基準と同社収益計上の季節性について
工事契約における収益の計上基準には、工事が完成した時に収益を計上する完成基準と工事の進捗に応じて収益を計上する進行基準がある。同社においては、工事期間3ヶ月超の大型工事について、収益認識基準の適用により23/1期以降、原則として工事進行基準を適用している(上記に該当しない工事は完成基準を適用)。完成基準適用工事の収益計上(完工)時期は顧客(施主)の設備投資計画の影響を受ける事が多く、同社の場合、第1四半期(2-4月)と第4四半期(11-1月) に収益が計上される割合が高い(収益計上の季節性)。しかし、四半期業績の変動が投資家をミスリードする可能性があるため、同社は工事進行基準の適用範囲を段階的に広げており、収益計上の平準化に継続的に取り組んでいる。

 

その他
建設技能労働者の慢性的な人手不足に対応するため、2013年1月より人材サービスを開始し、2018年3月に設計業務等の人材サービスを手掛ける(株)ヒロ・エンジニアリングを子会社化した。また、2015年1月に3D計測サービスを開始した。2019年12月に3Dビジュアル(株)を設立し、2020年2月に(株)インターアクション(証券コード:7725)から3Dスキャン・モデリングや設計事業を譲受した。

 

 

1-2 強み - 優良な顧客基盤、豊富な工事実績に基づく効率的解体マネジメント、特許工法等の知的財産 -

強みは、優良な顧客資産、豊富な工事実績に基づく効率的解体マネジメント、及び特許工法等の知的財産。顧客は、製鉄、電力、ガス、石油等の大手企業のエンジニアリング子会社等や大手ゼネコンであり、いずれも与信に不安のない優良顧客。これら優良企業から、40年以上の実績に裏打ちされたプラント解体のトータルマネジメント(低コスト・高効率)が高く評価されている。また、環境対策工事等で蓄積してきた様々な技術やノウハウも強みであり、発生材の再資源化も含めて、顕在的・潜在的な知的財産となっている。

 

特許工法等
リンゴ皮むき工法と溶断ロボット「りんご☆スター」
「リンゴ皮むき工法」とは、ガスホルダーや石油タンク等の大型球形貯槽の解体において、リンゴの皮をむいていくように、外郭天井部の中心から渦巻状に切断する工法。切断された部分は重力に従って、渦巻きを描きながら徐々に地上に落ちていく。工期、コスト、安全性に優れ、競合優位性の高い工法であり、「より早く、より安く、より安全に」を実現する。また、この工法を自動化する溶断ロボット「りんご☆スター」も提供している(「りんご☆スター」については、新アタッチメント開発による用途拡大にも取り組んでいる)。

 

環境関連工法
火気を使用しない「無火気工法」により、数々の環境関連工事の実績を重ねている。例えば、PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、現在、有害物質として全廃されているが、優れた熱安定性や化学的安定性(電気絶縁特性)から、長年、トランス(変圧器)やコンデンサ(蓄電器)に使われてきた。プラントの解体時にトランスやコンデンサを処理するケースが多いが、PCBを高温で処理するとガス化するため吸引する恐れがあり、解体・撤去に際して火器(ガス溶断等)が使えない。同社はセーバーソー(往復運動する鋸刃により切断する)等による無火気工法・準無火気工法を得意としており、モーター焼きつき対策や刃を再生利用する等の工夫で業界常識を超える厚みを切る事が可能だ。変圧器の解体では、「トランス解体方法並びにトランス解体用冶具、及びトランス解体用切断装置」の特許を(株)日立プラントコンストラクションとの共同で出願している。

 

風車解体工法
発電用風車は世界的に年間20%程度の成長が続いているが、今後、使用期限や経済的陳腐化による解体需要の増加が予想される。同社の資料によると、世界の風力発電量は486,790MWと年率約20%の成長を続けており(陸上約340,000基、洋上約4,000基)、国内でも2017年末で2,225基を数え、毎年約90基のペースで増加している。一方、耐用年数が15~20年程のため初期に設置された発電用風車は使用限界を迎えている。また、落雷・台風等により破損や致命的な故障が起きて解体が必要となっている機体も少なくない。

 

発電用風車の倒し方法(国際出願)
発電用風車の解体は、通常、支柱の外側に足場を組んで行われるが、山岳部や洋上等にも設置されているため、解体の難易度は高い。同社は、足場を必要としない風車解体工法を考案し、「発電用風車の倒し方法」の国内特許を既に取得しており、「基礎部を活用した搭状構造物の倒し方法」及び「塔型風力発電設備の解体方法」の国際特許を出願中である。これらの特許に基づく工法を使う事で、作業員の安全性が飛躍的に向上し、工期も短縮できる。

 

3D事業による価値の追求
レイアウトシミュレーション、歪み・曲がり・ねじれ計測、Before/After形状比較、ウォークスルー動画等のサービスにより、建設時(30年以上前)の紙データを最新鋭の3Dデータに変換し、工程を「視える化」した解体工事を提供していく。また、2次元への図面化、モデリングBIM/CIM対応、パーフェクト3D、3Dプリント等、最高水準の計測技術とシミュレーションシステムによる、解体工事に伴う独自の3D計測サービスも提供していく。

 

解体工事の工程を「視える化」

レイアウトシミュレーション

3D CADで作成した機器のモデルを3Dデータ上に配置し、入替シミュレーションが可能。機器のモデルを動かしながら、動的な干渉・衝突チェックができる。

歪み・曲がり・ねじれ計測

形状変化の計測が可能。地震や経年劣化等で建物に歪みが発生していないか等、躯体の一時的診断に役立つ。

Before/After形状比較

配管・コンベア・炉等、熱や振動の影響を受けて変化する設備の設置時と稼動後の形状を比較する。3Dデータにより全体の変化を直感的に把握できる。

ウォークスルー動画

合成した点群データを利用して、ウィークスルー動画を作成する。施工計画や物件情報に関するプレゼンテーションや広報用動画として活用できる。

 

独自の3D計測サービス

2次元への図面化

点群データを基にモデリングした3D CADモデルを図面化する。簡易的に点群データを直接、図面化する事もできる。

モデリングBIM/CIM対応

点群データを基に3D CADで対象をモデリングする。施工・改修に必要な部分をBIMデータ(Building information modeling)として作成する事もできる。

パーフェクト3D

自動車によるMMS(Mobile Mapping System)や航空レーザー計測、水域計測等を組み合わせた大規模3次元データ計測サービス。

3Dプリント

点群データからのモデリングを経て、3Dプリンターで造形できるようにデータを加工・デフォルメする。積層ピッチ15μmという微細な出力を実現する。

 

1-3 ROE分析

 

18/1期

19/1期

20/1期

21/1期

22/1期

ROE(%)

11.7

23.8

2.3

5.6

42.4

売上高当期純利益率(%)

5.87

12.62

1.75

3.87

24.60

総資産回転率(回)

1.11

1.08

0.72

0.67

0.79

レバレッジ(倍)

1.80

1.75

1.85

2.14

2.17

 

22/1期の42.4%は、企業結合における交換利益12億円の計上があったため。「中期経営計画 2025」(後述)では「2026年1月期 ROE13%」を目標としている。

 

 

2.2023年1月期第2四半期決算概要

2-1 連結決算

 

22/1期2Q 

構成比

23/1期2Q 

構成比

前年同期比

売上高

2,335

100.0%

2,533

100.0%

+8.5%

売上総利益

505

21.7%

512

20.2%

+1.4%

販管費

344

14.7%

437

17.3%

+27.0%

営業利益

161

6.9%

75

3.0%

-53.4%

経常利益

273

11.7%

144

5.7%

-47.1%

四半期純利益

220

9.4%

67

2.7%

-69.3%

* 単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。

 

増収減益
売上高は前年同期比8.5%増の25億33百万円。前期から施工を開始した大型の解体工事が順調に進捗し、グループ化した株式会社矢澤の再開発物件等における環境対策工事の受注・着工も好調だった。
営業利益は同53.4%減の75百万円。増収も一部工事で低利益率の受注があり売上総利益は前年同期水準となった一方で、継続的な人材採用・研究開発・広告宣伝等の投資による販管費の増加を吸収できなかった。
四半期ベースでは2四半期連続の前四半期比減収減益。

 

 

完成工事高(概算値)

 

22/1期2Q 

構成比

23/1期2Q

構成比

前年同期比

電力

421

19%

291

12%

-31%

製鉄

488

22%

703

29%

+44%

石油・石化

909

41%

703

29%

-23%

ガス

67

3%

73

3%

+9%

3D

67

3%

48

2%

-28%

環境

222

10%

388

16%

+75%

その他

44

2%

218

9%

+395%

完成工事高

2,217

100%

2,423

100%

+9%

* 単位:百万円。同社資料もとにインベストメントブリッジ作成。

 

アスベスト除去等の環境対策工事の需要拡大、(株)矢澤のグループ化により、環境カテゴリの完成工事高に占める比率が増加している。

 

 

例年、下期に完成工事高が増加する傾向があり今期も下期の増加を予定している。
また、営業戦略によりストック型工事の受注(安定的かつ継続的な工事受注)が増えているため、利益率が低くなる傾向にある。第2四半期(5-7月)において、売上には未計上であるものの、元請案件の受注状況は良好。

 

販管費の内訳

 

22/1期2Q 

対売上比

23/1期2Q 

対売上比

前年同期比

主な増減要因

人件費

215

9.2%

235

9.3%

+9.1%

人員増

研究開発費

8

0.3%

9

0.4%

+12.3%

ロボット開発

支払手数料・報酬

29

1.2%

38

1.5%

+30.0%

営業協力、システム改良

採用費

8

0.3%

9

0.4%

+4.1%

広告媒体、紹介手数料

広告宣伝費

1

0.0%

17

0.7%

+1151.3%

ブランディング、展示会

その他

79

3.4%

126

5.0%

+58.4%

-

販管費合計

344

14.7%

437

17.3%

+27.0%

-

* 単位:百万円

 

中期経営計画に基づき、元請獲得のための広告宣伝費用を積極的に使用したほか、クレーンレール検査ロボット開発等の投資を推進した。

 

 

中期経営計画の人員計画に基づき積極的に採用活動に取り組んだ結果、22年7月末で工事監督数は期首から4名増の48名となった。

 

2-2 受注高・受注残高

 

22/1期2Q

23/1期2Q 

前年同期比

期首受注残高

2,545

1,594

-37.4%

受注工事高

2,128

2,691

+26.4%

完成工事高

2,217

2,423

+9.3%

期末受注残高

2,456

1,862

-24.2%

* 単位:百万円

 

地方事務所の拡充等の戦略により、ストック型工事の受注(安定的かつ継続的な工事受注)が増え、受注工事高は前年同期比26.4%増加した。第3四半期以降の受注見込案件の引き合い状況は良好。

 

受注残高(概算値)

 

22/1期2Q

構成比

23/1期2Q

構成比

前年同期比

電力

688

28%

410

22%

-40%

製鉄

516

21%

261

14%

-49%

石油・石化

860

35%

521

28%

-39%

ガス

-

0%

242

13%

-

環境

221

9%

242

13%

+10%

その他

172

7%

186

10%

+8%

受注残高

2,456

100%

1,862

100%

-24%

* 単位:百万円

 

ストック型工事の継続的受注増、積極的な営業活動により、電力および化学業界で大型工事の受注があった。
特定の業界に偏ることのない構成比となっている。

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

22年1月

22年7月

 

22年1月

22年7月

現預金

2,122

2,096

仕入債務

1,199

376

売上債権

2,212

1,329

借入金

2,389

2,256

流動資産

4,561

3,602

負債

4,665

3,447

投資その他

3,905

4,207

純資産

4,354

4,894

固定資産

4,458

4,739

負債・純資産合計

9,020

8,341

* 単位:百万円。売上債権は、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産等。

 

売上債権の減少などで総資産は前期末比6億78百万円減少し83億41百万円。
仕入債務の減少などから、負債合計は同12億18百万円減少の34億47百万円。
新株予約権の行使による資本金・資本剰余金の増加などで純資産は同5億39百万円増加の48億94百万円。
自己資本比率は前期末から10.4ポイント上昇し58.5%となった。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

22/1期2Q 

23/1期2Q 

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

365

-41

-406

投資キャッシュ・フロー(B)

-12

-8

+3

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

353

-50

-403

財務キャッシュ・フロー

60

24

-35

現金及び現金同等物期末残高

1,780

2,096

+315

* 単位:百万円

 

仕入債務の減少などで営業CF及びフリーCFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは上昇した。

 

2-4 トピックス

(1)株式会社日立パワーソリューションズと国内陸上風力発電設備の解体特許技術に関する実施許諾契約を締結
22年7月、国内陸上風力発電設備の解体工事において、ベステラが保有する特許技術「解体工法」の実施許諾契約を日立パワーソリューションズと締結した。
風力発電設備の解体工事事業における協力体制を強化するとともに、ベステラが有する設備解体技術と日立パワーソリューションズが有する風力発電設備の建設や保守に関するさまざまなノウハウを組み合わせ、風力発電設備の円滑なリプレースに対して、安全かつ適切で効率的な解体工事を提供する。

 

工期短縮、CO2排出量削減、高い安全性などを優位性として、脱炭素解体の実現、風力発電設備解体市場の取り込みを図る。

 

(2)株式会社クラッソーネと解体 DX 技術に関する資本業務提携を締結
22年9月、クラッソーネとの間で、解体 DX(デジタルトランスフォーメーション)技術に関する資本業務提携基本契約を締結した。

 

(株式会社クラッソーネ概要)
2011年4月設立。解体工事領域で、全国約 1,600 社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もり WEB サービス「クラッソーネ」を運営している。

 

同社が対象とする民間住宅解体市場においては、高度経済成長期に建てられた民間住宅が老朽化しその空き家が放置される、いわゆる「空き家問題」が顕在化している。その発生数は加速度的に増加しており、今後ますます社会問題として深刻化する事が予測されている。
一方、日本の住宅産業では建設にのみ焦点がおかれ、解体の際にはどこに依頼すればよいかわからないという、情報の非対称性が起こっている。クラッソーネは、「豊かな暮らしで人々を笑顔に」をミッションに掲げ、深刻化が予測される空き家問題等の社会問題に対して、「街の循環再生文化を育む」をビジョンとして「住宅解体市場の DX化による情報の非対称性解消」や「デジタル化が進んでいないという建設業界特有の課題を解消する」ためのデジタルプラットフォーム運営事業を展開している。
具体的には、空き家問題等の社会問題に対して「クラッソーネ」に代表されるデジタルを利用したマッチングプラットフォームの提供を通じて、施主と工事会社を直接つなぐとともに、施主が安心して住宅解体を行うことができるようサポートし、空き家問題の解消と、ビジョンに掲げる「街の循環再生」への貢献を目指している。その事業内容が高く評価され、2022 年9月9日現在全国 34 自治体と空き家除去促進の連携協定を結んでいる。

 

(提携の背景)
ベステラが長年の解体事業で培った実際の工事や廃材処理の循環再生等に関するノウハウと、クラッソーネがマッチングプラットフォーム事業で蓄積した IT や Web の知見等、互いに異なる得意分野を相互提供する体制を整えることで、日本の産業構造において老朽化が進み解体更新時期を迎えるプラント解体市場並びに民間住宅解体市場に対して、安全かつ適切で効率的なサービスを協力して提供することが可能となる。
また、ベステラの社名の由来でもあるBEST(最高の)TERRA(地球)を目指し、プラント解体事業によって持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する経営方針と、クラッソーネの「『街』の循環再生文化を育む」という経営ビジョンを共に推進することにより、サステナブルな事業展開ができ、両社の事業拡大に資すると判断した。

 

(業務提携の内容)
① デジタルトランスフォーメーションの推進
プラント並びに民間住宅解体市場に、データとデジタル技術を活用したビジネスモデルを構築し、事業に変革を起こすことで、情報の非対称性解消やデジタル化が進んでいないという建設業界特有の課題を解消し、競争優位性の確立を目指す。

 

② 解体工事での連携効果
今後、マーケットの拡大が予想されているプラント並びに民間住宅解体市場に、安全かつ適切で効率的な質の高い解体工事技術を提供することで、顧客提供価値の最大化を目指す。

 

③ 建物や資源の循環再生を業界の標準に
ベステラの脱炭素解体にクラッソーネの IT 技術を組み合わせることにより、廃材等を最大限リサイクル(循環)し、CO2 排出量を極限まで下げた、環境貢献の高い解体工事を追求し、建物や資源の循環再生を業界の標準とすることを目指す。

 

(資本提携の内容)
ベステラはクラッソーネの第三者割当増資を引き受け、同社のC種優先株式約67万株(発行済株式総数に対する所有割合 12.50%、取得価額 約5億円)を取得する。
クラッソーネの議決権保有比率 10%以上を保有することからベステラはクラッソーネの主要株主に該当する予定。

 

(3)調達資金を活用した成長投資
第9回新株予約権は、8月5日をもって行使期間が満了となった。調達した資金約8.5億円は、(株)矢澤の株式取得や風力発電設備解体工法の研究開発費等に使用した。
行使期間満了が2026年2月6日の第10回新株予約権は約10億円の調達を想定している。
中期経営計画の達成に向けて、成長資金の確保と財務基盤の強化を推進していく。

 

(4)株主優待制度を変更
2023年1月期より株主優待内容を変更(拡充)し、「ベステラ・プレミアム優待倶楽部」を新設した。
「ベステラ・プレミアム優待倶楽部」サイトにおいて、食品、銘酒、電化製品、雑貨など約5,000種類の優待商品から好きな商品や、他のプレミアム優待倶楽部導入企業の優待ポイントと合算できる共通株主優待コインと交換が可能である。
対象は、毎年1月31日現在の株主名簿に記載された5単元(500株)以上を所有の株主。

 

3.2023年1月期業績予想

3-1 通期連結業績予想

 

22/1期 実績

構成比

23/1期 予想

構成比

前期比

売上高

5,966

100.0%

6,700

100.0%

+12.3%

営業利益

607

10.2%

620

9.3%

+2.0%

経常利益

840

14.1%

666

9.9%

-20.8%

当期純利益

1,467

24.6%

469

7.0%

-68.1%

* 単位:百万円

 

業績予想に変更なし。増収、営業増益を予想
業績予想に変更は無い。売上高は前期比12.3%増の67億円、営業利益は同2.0%増の6億20百万円の予想。
堅調な受注状況を見込んでいる。前期計上した持分法による投資利益及び企業結合における交換利益がなくなり、経常利益、当期純利益は減益を見込んでいる。
配当は、中間配当を4円/株増配の10円/株、期末配当は前期と同じく10円/株の計20円/株を予定している。予想配当性向は36.8%。

 

4.今後の注目点

23年1月期第2四半期は増収減益で、完成工事高も前期第4四半期(11-1月)をピークに、第1四半期(2-4月)、第2四半期(5-7月)と減少しているが、例年、下期に完成工事高が増加する傾向があり、同社では今期も下期の増加を予定している。また、営業戦略によりストック型工事の受注(安定的かつ継続的な工事受注)が増えているため、利益率も低くなる傾向にある。第2四半期(5-7月)において、売上には未計上であるものの、元請案件の受注状況は良好とのことで、通期予想達成に向け、第3四半期の結果に注目したい。

 

<参考1:中期経営計画 2025>

①目指す姿・長期ビジョン
同社は「日本のプラント解体リーダー」とともに、その技術やノウハウをベースに「世界へのプラント解体技術提案者」としてグローバル市場での活躍を目指している。

 

この目標達成のための経営基盤が「ベステラESG経営」であり、具体的には「技術特許戦略」「販売戦略」「施工管理体制の強化」「DXの推進」「マネジメント戦略」という5つの戦略を推進していく。

 

②ベステラESG経営とSDGs
◎ベステラESG経営
「柔軟な発想と創造性、それを活かした技術力により地球環境に貢献します」という企業理念の下で、社会的サステナビリティへの貢献と利益ある成長の両立を実現するのが「ベステラESG経営」であり、競争優位性を実現する同社独自のビジネスモデルでもある。

 

企業理念に基づいた「ベステラのSDGs」「非財務的な戦略・取り組みの強化」「長期的視点による成長モデルの構築」という施策・方針を土台に、以下5点に注力する。

人材

働き甲斐と個々の成長の追求

安全

独自の技術で安全文化を創造する

研究開発

地球に和した革新的工法の開発

再資源化

静脈産業強化による高度環境循環の構築

ガバナンス

透明性とリスク管理の徹底

 

◎ベステラのSDGs
地球環境への貢献のために、SDGsの全17ゴールを掲げその達成を目指している。

 

1

革新的な解体技術の提供により地球環境に貢献します。

①老朽化した社会インフラに対して革新的な解体技術を提供します。

②低炭素社会に向けて、安心・安全な解体技術を提供し、地球環境に貢献します。

③3D技術の活用により、解体のプロとして高い解体技術を提供します。

 

2

働きがいのある職場環境を整備します。

①社員一人ひとりが未来にやりがいと誇りを持てる会社を目指します。

②多様性を尊重し、公平な環境の充実を図ります。

③能力を最大限発揮できる平等な教育環境の整備を進めます。

 

3-1

高度循環型社会を実現し、持続可能な社会の構築に貢献します。

①有害物、汚染物質の適切な廃棄、無害化技術を提供します。

②高付加価値の循環ビジネスを構築し、高いレベルの生産性向上を目指します。

③地域社会との共存による、未来の地域環境の発展に寄与します。

 

3-2

持続可能(高度循環型)社会構築に向けたパートナーシップを構築します。

①あらゆる垣根を越えた高い目標の未来型パートナーシップ構築を目指します。

②公平、公正な企業間パートナーシップの推進を目指します。

③高度循環型社会に新たな技術、知識、知見を提供し目標達成を目指します。

 

 

③戦略
「技術特許戦略」「販売戦略」「施工管理体制の強化」「DXの推進」「マネジメント戦略」、5つの経営戦略の概要は以下の通り。

 

③-1 技術特許戦略
これまでもタンク、ボイラ、煙突などで数多くの特許を取得してきたが、今後も、風車、風力発電など需要拡大が見込まれる分野で競争力のある特許工法を取得し、独自の解体方法を提案し、実用化に繋げていく。

 

発電用風車需要は世界的に年間20%程度成長している一方で、使用期限や経済的陳腐化により解体需要の増加も見込まれている。
こうした増加する風力発電設備の解体需要に応えるため、他社に先駆けて解体工法「マトリョーシカ工法」「タワークレーン工法」「転倒工法」を特許として開発した。
特許工法の開発は、専門の部署である技術開発室が担当しており、各現場から出たアイデアをもとに工法として形にする体制を整えている。転倒工法については、秋田県および長崎県五島列島で実証実験を行った。

 

参考:特許工法動画
https://www.besterra.co.jp/technology/movie.html

 

(同社資料より)

 

また、各種プラント設備では有害物質を取り扱うため、土壌汚染が課題となっており、土壌汚染対策法の改正により2019年4月以降は900㎡以上(改正前は3,000㎡以上)の土地の形質変更時に土壌調査が必要となった。
こうしたニーズの増加にも対応していく。

 

③-2 販売戦略
具体的には「元請案件の受注拡大.」「コーポレートブランディングの強化」「連携強化」「拠点の拡充」に取り組む。

 

◎元請案件の受注拡大
直接受注を増やし、元請工事、公共工事の比率を高めることで、収益率の向上を目指す。
同社は顧客の工事計画に基づいた計画を提案する立場にあるため、元請工事の施工体制に関する知見を有しているが、更なる体制強化のため、監理技術者資格者などの資格取得制度の推進、営業サポート人員の増員、人事制度改革を実施する。

 

◎コーポレートブランディングの強化
ブランド力向上のため、広告ツールを充実させ、各種メディア等を通じて、各ステークホルダーに統一メッセージを発信して効果的なコーポレートブランディングを図る。

 

◎連携強化
様々な連携強化に取り組む。

 

*グループ企業との連携強化
人材サービス、3D計測サービスを子会社を通じて提供しているが、よりグループ間の連携を強化し、グループ営業としてサービスを提供することで事業シナジーを追求する。

 

*協業先企業との連携強化
原発の廃炉について、連携を強化する。
ベステラがプラットフォームとなり、株式会社日立プラントコンストラクション(2018年7月業務提携)、第一カッター興業株式会社(2018年9月業務提携)、リバーホールディングス株式会社(2019年9月業務提携)を中心とした提携先が互いの強みを活かした提携を進めることで、廃止措置関連ビジネスのための仕組みを構築する。
日本には現在19ヶ所60基の原子炉があるが、内24基はすでに廃炉が決定している。今後も新規制基準適合性の審査が進み、廃炉ビジネスが拡大すると推測している。実績、引き合いは着実に増加しているということだ。

 

*TREHD社との連携強化

 

ベステラは動脈産業「電力・製鉄・石油化学等」と静脈産業「スクラップ・産業廃棄物等」の中間に位置する事業「解体工事業」を主な事業としており、TREホールディングスグループは静脈産業「スクラップ・産業廃棄物等」の中間処理を主な事業としている。
今後、マーケットの拡大が予想される社会インフラの老朽化への対応も含めて、両社は動脈産業と静脈産業を連携させる役割を果たし、高度循環型社会において欠かすことの出来ないポジショニングを新たに構築する。

 

◎拠点の拡充
ストック型(顧客からの継続的な受注案件、同一構内常駐工事・リンゴ皮むき工法・PCB処理工事等)の受注拡大のため、工事量の多い倉敷、鹿嶋等の工業地帯や仙台などでの新たな事業拠点の設置を検討する。

 

③-3 施工管理体制の強化
*調達システムの強化
従来は、機動的な管理を行うため、各現場で工事の外注等を行っていたが、会社規模の拡大に伴い、新設の本社調達室において原価管理システムを導入。工事の外注等を一括して行うことで調達コストの最適化を図る。

 

*人員計画
解体工事の施工管理に特化しており、全ての工事に監督を配置しなければならない。持続的成長のためには工事監督増員が不可欠であるため、全社を挙げて採用活動に取り組んでいく。

 

*人材育成システムの構築
慢性的な人手不足に対応するために「高度解体技術者育成プログラム」を確立し、成長の根幹となる人員数の増加および早期戦力化を図る。

 

「高度解体技術者育成プログラム」
経験豊富な技術者から経験の浅い技術者への技術継承を図るための制度「育成プログラム」を推進する。
また、工事監督の育成プログラムである「工事専門職コース、マネジメント職コースの導入」「資格取得推進制度の拡充」を行うことで、個人の働き方を重視した人事制度を策定、運用を図る。

 

*協力会社との連携強化
実際の解体工事は、外注先である協力会社が行い、ベステラは主に現場の監督・施工管理を行っている。協力会社はベステラの工事の根幹を担う技術者集団であるため、連携を更に強化することで工事品質の向上を図る。

年間で百数十社の協力会社と取引があり、その内訳は、解体工事会社、重機や備品等のリース・レンタル会社、スクラップや産業廃棄物の処理会社など多岐にわたる。全国の協力会社の中でも、ベステラの工事に欠かせない技術を保有する中核となる会社は30社程度であり、遠方の現場の場合にも工事を発注している。
ベステラの立案した工事計画により、解体プロセスが最適化され、高い利益率を実現しているほか、ベステラの支払いサイトが約35日であるのに対し、顧客の支払いサイトは約105日となっており、資金繰りの面でも協力会社にとってはベステラの工事を請け負うメリットとなっている。

 

*M&A等による重要技術の内製化
「事前調査―工事計画―解体工事―廃材処理―整地」というプロセスの中で、工事の根幹を担う技術を有する企業に対しては、M&A等によるグループへの参画を呼びかけ、高度な技術を内製化していく。

 

③-4 DXの推進
データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する。

 

*クレーンレール検査ロボット、検査手法の変革
プラント・工場設備に設置され重量物や部品の運搬等に用いられる天井クレーンの定期的な検査を効率的に行うため、クレーンレール上を自走し検査を行うロボットを(株)イクシスと共同開発した。
天井クレーンは、経年劣化等により歪みが発生し、放置すれば重大な事故につながるため、労働安全衛生法のクレーン等安全規則は、クレーン設置企業に年1回および1ヶ月に1回の自主検査を義務付けている。

 

従来の人手検査は作業員が天井に上るため、事故の危険があるほか、目視での確認のため、ムラが生じたり、工場の稼働を止めるため機会損失が発生したりといった欠点があった。
これに対し検査ロボットは作業員が事故に遭う危険が少ない、常に正確かつ精密なデータを取得できる、検査は短時間であり空き時間に点検が可能といったメリットを生む。
ベステラでは市場規模約300億円と試算している。

 

*設計・施工業務の変革
建設時(30年以上前)の紙データを最新鋭の3Dデータに変換することにより、工程が「視える化」された解体工事を提供する。

 

*人とロボットの協働による建設現場の効率化
3D計測技術と解体技術をロボットの制御技術と組み合わせ、人とロボットの協働施工を建設現場へ導入する。

 

③-5 マネジメント戦略
*環境
環境経営を実現するとともに、環境負荷の高いプラント設備の再編に解体技術を提供することで、顧客の環境経営にも貢献する。

 

*働き方改革、安心して働ける仕組みづくり
社員が安心して長く働ける環境のための様々な制度を導入している。社員の定着率向上を図るとともに、採用活動にも役立てていく。

 

(具体例)
・所得補償保険:会社全額負担による保険。月額報酬の50%が定年時(60歳)まで補償される。日本最高水準の所得補償保険である。
・退職金制度
・従業員持株会:入会者に対し、積立額の15%を助成している。
・保存年次有給休暇:有給休暇の一般的な最大保有日数は、労働基準法では40日だが、傷病により療養する場合に備え80日までの有給を保有できる。

 

*ガバナンス
利益ある成長および持続可能な社会の実現を両立させる体制を実現させるため、コーポレート・ガバナンス体制の強化を進める。

 

④資金調達
前述のように、この中期経営計画達成に向けた成長資金の確保と財務基盤の強化を目的として、新株予約権発行による資金調達を行った。

 

⑤利益配分、株主還元
最終利益の配分については、① 「将来の成長への投資」、② 「事業基盤強化のための内部留保」、③ 「配当性向40%を目安としての株主への利益還元」を方針としている。
成長投資は、人材投資(採用費用、教育費用)、技術開発投資(工法開発・ロボット開発)、システム投資(3Dシステム、BIM・CIM)、戦略的事業投資(M&A費用)をその時の状況に応じて合理的に配分する。

 

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外3名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2022年4月27日)
基本的な考え方
当社では、健全な経営の推進と社会的信頼に十分に応えるべく、コーポレート・ガバナンスを最も重要な経営課題として位置付け、経営の健全性・透明性および公平性を高めることに重点を置き、法令遵守を社内に徹底させることは当然のこととし、役員全員が常に「法令違反は即経営責任に直結する」との危機感を持ち経営に臨んでおります。具体的には、経営の意思決定、職務執行および監督ならびに内部統制等について、適切な体制を整備・構築することにより、法令・規程・社内ルールに則った業務執行を組織全体に周知徹底しております。また、株主重視の経営に徹するべく、「適正な株価形成」・「株価の持続的上昇」のための経営改革を実現し、経営のチェック機能を強化することでグローバルに通用するコーポレート・ガバナンスを確立することも重要であると考えております。その結果が、社会からの信頼の獲得に繋がることとなり、自ずと企業価値も高まり、株主の皆様にも満足して頂けるものと考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
2021年6月の改訂後のコードに基づき記載しています。

 

【補充原則4-3-3】
最高経営責任者の後継者の具体的な計画はございません。取締役会における後継者選定の方針としては、人格・識見・実績を勘案して適当と認められる者の中からその人物を選定することとしております。後継者計画を策定・運用する場合には、取締役会が積極的に関与するとともに、社外取締役が過半を占める取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会が関与することで、決定プロセスの公正性・透明性・客観性を確保し、適切に選定を進めてまいります。

 

【補充原則4-3-3】
当社は社長やCEOを解任するための客観性・適時性・透明性ある手続きを明確に確立しておりませんが、取締役会の実効性評価を毎年実施し、取締役の指名、報酬に関しては、社外取締役が過半を占める指名・報酬委員会が関与することで客観性・適時性・透明性のある手続きを進めてまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、取引先等との長期的・安定的な取引関係の維持・強化及び関係強化による当社事業の拡大等の観点から、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合、取引先等の株式を取得及び保有する場合があります。業務提携を前提とした投資株式については、当社経営陣が相手先代表者と面談し、経営環境、事業戦略および資本提携の目的などの説明を受け、当社取締役会において株価算定書の妥当性などを総合的に検討し取得の是非について判断を行っております。保有する株式(政策保有株式)に関し、継続的に取締役会において、当社の企業価値向上に繋がるかを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性の確認を行っております。株式取得・売却及び議決権行使に関しては、当社の企業価値向上の観点から総合的に判断し、政策保有株式管理規程に基づき適切に意思決定を行っております。

 

【補充原則2-4-1 中核人材の多様性確保及び測定可能な目標】
当社は、性別・国籍・信条・社会的身分等によらない積極的な採用活動を継続し、中途採用者を含め優秀な人材を性別・年齢を問わず積極的に登用することとしております。当社の属する建設業界は慢性的な人手不足と高齢化により、優秀な人材の確保が難しい状態が続いております。人員採用計画、育成方針並びに社内環境整備の状況は、中期経営計画及び当社ホームページにて開示の充実を進めてまいります。

 

【補充原則3-1-2 開示情報の英訳化】
当社は、2022年1月期末の決算短信より英訳化の開示を実施しております。また、株主総会の招集通知については2022年4月下旬開催の第49期定時株主総会より英訳化し当社ホームページで開示しております。なお、その他の開示書類のうち必要とされる情報の英語での開示・提供については、海外投資家の比率を勘案し開示の充実を進めてまいります。

 

【補充原則3-1-3】
当社は、サステナビリティに関する取り組みを中期経営計画、当社ホームページに開示しております。また、サステナビリティに対する取組みを明確化するため、サステナビリティ基本方針を制定するとともに取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置し取組みの統括管理を行ってまいります。また、中長期的な企業価値の向上に向け人材の採用、教育が重要課題と考えており、自律的にキャリアを構築できる仕組みづくりや多様性による自由で活気のある企業風土の構築を進め、人的資本の強化を図って参ります。
気候変動に係るリスク及び収益機会に関しては、TCFD提言への対応を進めるため、TCFD賛同表明及びTCFDコンソーシアムへの参加をし、TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実に積極的に取組み、当社ホームページ等で開示の充実を進めてまいります。

 

【補充原則4-11-1 取締役会のバランス、多様性、規模に関する考え方及びスキルの可視化】
当社の取締役会は、定款で定める取締役9名以内、監査役は3名の員数の範囲内で、各事業に伴う知識、経験、能力等のバランスに配慮しつつ、適切と思われる人員で構成することとしております。全体のバランス、多様性、規模に関する考え方は、経営理念等の方針を推進していくために必要な知識・経験・能力等を鑑みて取締役候補者の人選を行っております。取締役会の実効性のさらなる向上と構成バランスを可視化できるよう、取締役会の実効性評価を毎年実施し取締役会の実効性を高めるとともに、取締役会を構成する人員に必要なスキルを検討するとともに、独立社外取締役を含めたスキルマトリックスを作成し開示いたします。また、独立社外取締役には他社での経営経験を有するものを含め適切に選定を進めてまいります。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主からの対話(面談)の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応すべきと考えております。当社は、株主との建設的な対話を促進するため、企画部をIR担当部署として、金融機関や投資家に対して決算説明会を半期に1回開催し、適宜会社情報をホームページ、㈱東京証券取引所の任意開示を活用し、情報公開を行っております。

 

 

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