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(6089) 株式会社ウィルグループ

プライム

ブリッジレポート:(6089)ウィルグループ 2023年3月期第2四半期決算

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投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

大原 茂 代表取締役社長

株式会社ウィルグループ(6089)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

サービス業

代表者

大原 茂

所在地

東京都中野区本町1-32-2

決算月

3月

HP

https://willgroup.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,268円

22,595,250株

28,651百万円

33.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

44.00円

3.5%

147.47円

8.6倍

505.08円

2.5倍

*株価は12/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEとBPSは前期実績。
*DPS、EPSは今期の会社予想。

 

連結業績推移(IFRSを任意適用)

決算期

売上収益

営業利益

経常・税前益

親会社所有者利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

103,300

2,957

2,876

1,539

69.46

18.00

2020年3月(実)

121,916

4,145

4,057

2,380

107.07

23.00

2021年3月(実)

118,249

4,030

3,788

2,363

106.35

24.00

2022年3月(実)

131,080

5,472

5,293

3,286

147.03

34.00

2023年3月(予)

140,000

5,600

5,490

3,330

147.47

44.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

(株)ウィルグループの2023年3月期第2四半期決算概要、2023年3月期業績予想などについてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期第2四半期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.中期経営計画「WILL-being 2023」の進捗
5.今後の注目点
<参考1:中期経営計画「WILL-being 2023」の基本方針>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

 

今回のポイント

  • 23年3月期第2四半期の売上収益は前年同期比13.2%増の723億58百万円。営業利益は同9.3%増の29億34百万円。国内WORK事業は感染症再拡大で伸び悩む中、海外WORK事業で為替の影響を含め堅調に推移したことが増収増益に寄与した。Perm SHIFTの推進により、国内WORK、海外WORKともに売上総利益率は、前年同期と比較し上昇した。

     

  • 上期が終了し、23年3月期の会社計画は、売上収益が前期比6.8%増の1,400億円、営業利益が同2.3%増の56億円の期初予想から修正なし。売上収益、営業利益とも中期経営計画の経営目標を上回り、過去最高の更新を目指す。配当も前期比10円/株増配の44円/株の予定を据え置き。予想配当性向は29.5%。予想総還元性向は30.2%。

     

  • 今期は中期経営計画の最終年度である。財務目標については、ROICを除いて中期経営計画の目標が達成できる見込みとなった。一方で、同社は、現在強力に推進している重点戦略において、スタートアップ人材支援、建設技術者、介護領域の拡大、国内WORK事業の収益性の改善、デジタルシフトの進展、在日外国人向けサービスの拡大などの項目において達成状況に満足していないようである。これら項目の進捗の遅れを取り戻し、重点戦略の全項目を達成できるのか期待を込めて注目したい。

     

1.会社概要

販売支援スタッフ、コールセンターオペレーター、食品業界を中心とした製造ラインスタッフ、介護施設スタッフ、建設技術者等の人材派遣、人材紹介等、カテゴリ特化型の人材サービスを手掛ける持ち株会社。フィールドサポーターと呼ばれる社員が現場に常駐する「ハイブリッド派遣」が特徴。現場第一主義を掲げ、他社との差別化を図っており、新規事業の創出にも注力している。
グループ会社は、セールス、コールセンター及び介護等のアウトソーシングを手掛ける(株)ウィルオブ・ワーク、スタートアップ人材支援を手掛けるフォースタートアップス(株)、建設技術者人材サービスを手掛ける(株)ウィルオブ・コンストラクション及びアジア・オセアニアを中心に人材サービスを展開する海外子会社等。

 

(1)ビジョン・経営理念

「4つの事業領域で、期待価値の高いブランディングカンパニーを創出し、各領域においてNo.1の存在になる」を「WILLビジョン」として掲げている。

 

Working

「働く」を支援する事業領域

Interesting

「遊ぶ」を支援する事業領域

Learning

「学ぶ」を支援する事業領域

Living

「暮らす」を支援する事業領域

 

2006年に持株会社制に移行したウィルグループは、”個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ”をミッションに掲げて、人材派遣・人材紹介、業務請負などのサービスを国内外で展開している。連結従業員数は、3,000名を超え、50社を超えるブランディングカンパニーが集結。グループの構成は、持株会社である株式会社ウィルグループを中心に、「働く」「遊ぶ」「学ぶ」「暮らす」の事業領域において、グループのシナジーを発揮しながら、各領域においてNo.1の存在を目指している。

 

(2)事業内容

事業セグメントは、国内WORK事業、海外WORK事業、その他の3セグメント。

 

 

【国内WORK事業】
国内において、セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護・保育領域、建設技術者領域等、カテゴリに特化した派遣・紹介や業務請負を行っている他、スタートアップ企業への人材支援等も手掛けている。

 

◎セールスアウトソーシング領域 : (株)ウィルオブ・ワーク、(株)クリエイティブバンク
家電量販店等における販売業務を通して、顧客の商品・サービス拡大の支援、大手IT関連企業の各種キャンペーンの企画・運営を中心に行っている。家電量販店等における販売支援では、スマートフォンなどの販売業務や販売スタッフのマネジメント、販売情報の収集・報告等の業務に従事するスタッフの派遣、チーム型派遣(ハイブリッド派遣)、販売業務の業務請負、人材紹介を行っている。また、アパレル業界での人材派遣、当社の採用力を活かし、直接雇用のニーズが高い企業様にはアルバイト・正社員の採用代行業務などのサービス提供も行っている。

 

◎コールセンターアウトソーシング領域 : (株)ウィルオブ・ワーク
コールセンターを運営する企業やテレマーケティングサービスを展開する企業において、当該業務を通じ、顧客とエンドユーザー間との信頼関係の構築を支援するサービスを提供している。コールセンターの中でも、通信会社、BPO(業務プロセスの一部を継続的に外部企業に委託すること)向けを中心としており、アフターサービス、相談、苦情の受付等の業務に従事するスタッフの派遣、チーム型派遣(ハイブリッド派遣)、人材紹介を行っている。また、自社でコールセンターを保有しており、顧客のテレマーケティング業務の請負を行っている。

 

◎ファクトリーアウトソーシング領域 : (株)ウィルオブ・ワーク
製造業の生産工程において、技術や人材管理ノウハウを提供し、顧客の生産性向上を実現するサービスを提供している。製造業の中でも、比較的景気に左右されない食品製造業を中心としており、製造、検査、品質管理、仕分け、梱包等の軽作業に従事するスタッフの派遣、チーム型派遣(ハイブリッド派遣)、生産工程業務の業務請負、人材紹介を行っている。

 

◎介護・保育領域 : (株)ウィルオブ・ワーク
介護施設を運営する企業に対して介護スタッフを派遣し、介護施設の安定運営を実現するサービスを提供している。介護業務に従事するスタッフ、チーム型派遣(ハイブリッド派遣)、施設業務の業務請負、人材紹介を行っており、直接雇用のニーズが高い施設様にはスタッフの採用代行業務などのサービス提供を行っている。

 

◎スターアップ人材支援 : フォースタートアップス(株)
HR(Human Resources)を中核とした成長産業(ベンチャー/スタートアップ企業等)支援事業や、国内最大級の成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」の運営を行っている。

 

◎建設技術者領域::(株)ウィルオブ・コンストラクション
国内の建設業界、主にゼネコン、サブコン企業に対して、施工管理技士の派遣、人材紹介を行っている。

 

◎その他領域 :(株)ボーダーリンク等
オフィスなどへの人材派遣、建設技術者派遣・人材紹介、ALT(外国語指導助手)派遣、エンジニア派遣、保育士派遣・紹介、ITエンジニアなどTECH人材向けにコミュニティの場を提供するコンセプト賃貸「TECH RESIDENCE(テックレジデンス)」の運営、外国人労務管理クラウドシステムである「ビザマネ」等のHRTech分野でのプラットフォーム構築を行っている。

 

【海外WORK事業】
ASEAN及びオセアニア地域において、政府系、エンジニア、ファイナンス、リーガル等の人材派遣や人材紹介を行っている。WILL GROUP Asia Pacific Pte. Ltd.、 Good Job Creations (Singapore) Pte. Ltd.、 Scientec Consulting Pte. Ltd.、
The Chapman Consulting Group Pte. Ltd.、 Oriental Aviation International Pte. Ltd.、 Ethos BeathChapman、
Quay Appointments Pty Ltd.、 u&u Holdings Pty Ltd.、 DFP Recruitment Holdings Pty Ltd、
Asia Recruit Holdings Sdn.Bhd.、

 

【その他】
システムエンジニア等にコミュニティの場を提供するコンセプト賃貸運営や、労働集約型ビジネス以外の拡大に向け、外国人サポートサービス「エンポート」等、新たなプラットフォームの開発強化に向けて、HRTech分野の拡大に取り組んでいる。
(株)ウィルグループ等。

 

(3)強みと特徴

【ハイブリッド派遣】
一般派遣から、収益性の高い業務請負へとステップアップさせるために、同社グループは「ハイブリッド派遣」という独自のサービスを戦略的に導入している。ハイブリッド派遣は、同社の社員(フィールドサポーター)と派遣スタッフがチームとなって派遣先で共に働くことで、迅速かつ的確に顧客ニーズに対応できるサービスである。販売・コールセンター・工場等軽作業の主力3事業で収益力を高め、シェア拡大を推進している。

 

(同社HPより)

 

【カテゴリ特化型人材派遣】
同社グループでは、通信、コールセンター、工場等の軽作業、介護など人材サービスにおける業種ごとに事業を展開している。カテゴリ特化型にすることで、スペシャリストとして質の高いサービスを提供することができる。各カテゴリの業務ニーズを把握し、柔軟に対応できるシステムを作り出すことで、クライアント、スタッフの双方から強い信頼を勝ち取っている。

 

(同社HPより)

 

(4)業績推移

*18/3期までは日本基準、19/3期以降はIFRS。

 

1997年に大阪で創業した同社は、人材サービスからスタートし段階的に事業領域を拡大してきた。2006年には持株会社制に移行。2008年後半のリーマンショックで一時減収に転じたものの、国内での積極的な営業活動を展開し、2011年にV字回復を果たした。その2年後の2013年に株式上場し、わずか1年で東証1部に指定。創業以来、業績は成長トレンドを維持している。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、10期連続増収増益は途絶えたものの、成長トレンドへ回帰している。

 

2.2023年3月期第2四半期決算概要

(1)連結業績(IFRS)

 

22/3期

第2四半期

構成比

23/3期

第2四半期

構成比

前年同期比

期初予想

予想比

売上収益

63,913

100.0%

72,358

100.0%

+13.2%

67,000

+8.0%

売上総利益

14,035

22.0%

16,215

22.4%

+15.5%

14,930

+8.6%

販管費

11,473

18.0%

13,428

18.6%

17.0%

12,680

+5.9%

営業利益

2,685

4.2%

2,934

4.1%

+9.3%

2,250

+30.4%

税引前利益

2,716

4.2%

2,947

4.1%

+8.5%

2,190

+34.6%

親会社の所有者に帰属する四半期利益

1,698

2.7%

1,743

2.4%

+2.7%

1,250

+39.5%

*単位:百万円。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*費用項目の▲は費用の増加を示す。

 

前年同期比13.2%増収、同9.3%営業増益
売上収益は前年同期比13.2%増の723億58百万円、営業利益は同9.3%増の29億34百万円。
同社グループは、2023年3月期を最終年度とした中期経営計画「WILL-being 2023」の達成に向け、ポートフォリオシフト、デジタルシフトにより営業利益率を高める「WORK SHIFT戦略」に取り組んだ。
売上収益は、感染症再拡大による影響を受け国内は伸び悩む一方、海外は、人材紹介、人材派遣とも堅調に推移したことに加え、為替もプラスへ寄与した。売上収益は、前年同期比で84.4億円増加する中、為替のプラス影響が34.0億円あった。また、売上収益は、期初予想に対しても53.5億円増加する中、為替のプラス影響が50.0億円あった。
営業利益は、戦略投資領域において4.7億円の先行投資を実施したものの、海外の売上収益が増加し売上総利益が伸長したことが寄与し増益となった。営業利益は、前年同期比で2.4億円増加する中、為替のプラス影響が2.3億円あった。また、営業利益は、期初予想に対しても6.8億円増加する中、為替のプラス影響が3.0億円あった。
売上総利益は増収率を上回る同8.6%増の162億15百万円。Perm SHIFTによって、売上総利益率は前年同期比0.4ポイント改善し、期初予想に対しても0.1ポイント改善した。四半期ベースの売上総利益は第1四半期(4-6月)の22.7%から第2四半期(7-9月)に22.2%と0.5ポイント低下したものの高水準を維持した。一方、売上高販管費率は前年同期比0.6ポイント上昇した。以上により、売上高営業利益率は4.1%と同0.1ポイント低下した。
その他、戦略投資領域(建設、スタートアップ、介護)への第2四半期(4-9月)の先行投資は、4.7億円と計画を2億円下回ったものの、未消化分の一部は第3四半期以降に繰り越す予定である。

 

(2)四半期業績の推移

 

 

 

23/3期第2四半期(7-9月)は、前四半期(4-6月)増収増益となったものの、前年同期比増収ながら若干の減益となった。
23/3期第2四半期(7-9月)の営業収益は海外が引き続き好調に推移した一方、国内で感染症再拡大の影響により伸び悩んだ。また、23/3期第2四半期(7-9月)の営業収益は第1半期(4-6月)に対し15億円増加したが、為替のプラス影響が2億円あった。

 

(3)セグメント別動向

 

22/3期

第2四半期

構成比

23/3期

第2四半期

構成比

前年同期比

国内WORK事業

39,594

62.0%

41,525

57.4%

+4.9%

海外WORK事業

23,709

37.1%

29,744

41.1%

+25.5%

その他

609

1.0%

1,088

1.5%

+78.7%

売上収益

63,913

100.0%

72,358

100.0%

+13.2%

国内WORK事業

2,160

59.5%

2,277

56.4%

5.4%

海外WORK事業

1,676

46.2%

1,914

47.4%

+14.2%

その他

-205

-5.6%

-156

-3.9%

-

調整額

-946

-

-1,101

-

-

営業利益

2,685

-

2,934

-

+9.3%

 

 

*同社決算説明会資料より

 

【国内WORK事業】
売上収益は前年同期比4.9%増の415億25百万円、セグメント利益は同5.4%増の22億77百万円。
売上収益面では、スタートアップ人材支援領域、建設技術者領域で堅調に推移したものの、それ以外の領域について、2022年7月から9月にかけて新型コロナウイルス感染症が再拡大したことで、伸び悩む結果となった。一方で、各領域ともウィズコロナに対応した、営業代行サービス、在宅型のコンタクトセンターサービスなど新たなサービスの顧客開拓にも注力した。
利益面は、Perm(人材紹介、専門性の高い領域への人材派遣)シフトに向け、建設技術者領域、スタートアップ人材支援領域において、営業人員、コンサルタント人員増員等の先行投資を実施した一方で、売上収益が増加し、売上総利益が伸長したことにより増益となった。
第2四半期の稼働スタッフ数は、感染症再拡大の影響を受け、建設技術者領域を除き減少した。また、建設技術者領域(3億円)、スタートアップ人材支援領域(1億円)の先行投資を実施した。

 

(同社資料より)

 

(同社資料より)

 

【海外WORK事業】
売上収益は前年同期比25.5%増の297億44百万円、セグメント利益は同14.2%増の19億14百万円。
売上収益面では、オーストラリア、シンガポールとも入国が全面的に再開されたこと等により、景気持ち直しの動きがみられており、人材需要においては、オーストラリア、シンガポールとも求人件数は過去最高水準で推移したことから、人材紹介、人材派遣とも堅調に推移した。特に人材派遣は、オーストラリア、シンガポールとも政府・行政が安定的な推移となった。
利益面は、人件費等の増加に加え、前年同期に計上したシンガポールにおける新型コロナウイルス対策としての雇用支援政府補助金収入が減少した一方、人材紹介売上が増加し売上総利益が伸長したこと、為替相場が円安で進行したことにより増益となった。
また、オーストラリアドル、シンガポールドルともに円安に推移したことにより、為替のプラス影響が発生した。為替のプラス影響額は、計画比で売上収益+50億円、営業利益+3.0億円、前年同期比で売上収益+34億円、営業利益+2.3億円となった。

 

(同社資料より)

 

 

*単位:百万円。
(同社資料より)

 

その他
売上収益は前年同期比78.7%増の10億88百万円、セグメント損失は1億56百万円(前年同期はセグメント損失2億5百万円)。
売上収益面では、労働集約型ビジネス以外の拡大に向け、外国人ライフサポートサービス「エンポート」等、新たなプラットフォームの開発強化に引き続き取り組んだ。
利益面は、新たなプラットフォーム開発への投資を継続した一方で、入国制限緩和により外国人労働者等の入国再開に兆しが見えてきたものの、外国人労働者向けサービスを一部縮小したことから、販管費が減少した。

(4)財政状態及びキャッシュ・フロー

◎財務状態

 

22年3月

22年9月

 

22年3月

22年9月

流動資産

27,289

26,402

流動負債

29,361

26,236

 現預金

8,973

7,102

 営業債務・その他債務

15,297

16,293

 営業債権・その他債権

17,458

18,013

 その他流動負債

1,836

1,928

非流動資産

25,061

24,872

非流動負債

9,867

10,368

 有形固定資産

1,223

1,158

 その他金融負債

6,285

5,923

 使用権資産

6,809

6,260

負債合計

39,228

36,605

 のれん

6,514

6,796

資本合計

13,121

14,669

 その他無形資産

6,154

6,182

 親会社所有者帰属持分

11,398

13,431

 その他の金融資産

1,208

1,274

負債純資産合計

52,350

51,275

資産合計

52,350

51,275

借入金合計

7,988

8,529

*単位:百万円。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

22年9月末の総資産は前期末10億74百万円減の512億75百万円。資産サイドでは、営業債権及びその他の債権、その他の流動資産、円安による為替換算の影響を受けたのれんなどが主な増加要因となり、現預金、使用権資産などが主な減少要因となった。負債・純資産サイドでは、営業債務及びその他の債務、未払法人所得税、借入金、利益剰余金、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額などが主な増加要因となり、流動負債と非流動負債のその他の金融負債、非支配持分などが主な減少要因となった。
親会社所有者帰属持分比率は前期末比4.4%上昇し26.2%となり、中期経営計画の目標である20%を上回って進捗している。その他、EBITDA調整後有利子負債倍率は同0.1ポイント上昇し0.8倍、のれん調整後親会社所有者帰属持分倍率は同0.1ポイント上昇し0.5倍、調整後ネットDEレシオは同0.2ポイント上昇の0.1倍となった。

 

◎キャッシュ・フロー(CF)

 

22/3期 第2四半期

22/3期 第2四半期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー

2,115

2,657

542

+25.6%

投資キャッシュ・フロー

147

-218

-365

-

フリー・キャッシュ・フロー

2,262

2,439

177

+7.8%

財務キャッシュ・フロー

-3,661

-4,701

-1,040

-

現金及び現金同等物の四半期末残高

5,995

7,102

1,107

+18.5%

*単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

CFの面から見ると、税引前四半期利益や営業債務の増加などにより営業CFのプラスが拡大した。投資活動その他による支出などにより投資CFがマイナスへ転じたものの、フリーCFのプラスも拡大した。一方、短期借入金の減少や連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出の増加などにより財務CFのマイナスが拡大した。以上により、期末のキャッシュ・ポジションは前年同期比18.5%増加した。

3.2023年3月期業績予想

(1)連結業績

 

22/3期

構成比

23/3期

構成比

前期比

売上収益

131,080

100.0%

140,000

100.0%

+6.8%

売上総利益

28,765

21.9%

31,580

22.6%

+9.8%

営業利益

5,472

4.2%

5,600

4.0%

+2.3%

税引前利益

5,293

4.0%

5,490

3.9%

+3.7%

親会社の所有者に

帰属する当期利益

3,286

2.5%

3,330

2.4%

+1.3%

*単位:百万円

 

前期比6.8%の増収、同2.3%の営業増益
上期が終了し、23/3期3月期の会社計画は、売上収益が前期比6.8%増の1,400億円、営業利益が同2.3%増の56億円の期初予想から修正なし。売上収益、営業利益とも中期経営計画の経営目標を上回り、過去最高の更新を目指す。
また、配当も前期比10円/株増配の44円/株の予定を据え置き。予想配当性向は29.5%、予想総還元性向は30.2%となる。
上期業績が通期会社計画に対し上振れしているものの、以下の通り国内WORK事業における下振れを考慮している。
売上収益面では、国内WORK事業において、期初計画の段階では第3四半期以降の拡大を見込んでいたものの、7月から9月の感染症再拡大によって、新規案件の獲得が遅れ、稼働スタッフ数を積み上げできなかったことにより、期初の会社予想を下回る見通しとなった。一方、海外WORK事業においては、第3四半期以降も人材需要は堅調に推移する見通しであることに加え、プラスの為替影響により期初の会社予想を上回る見込みである。
営業利益面でも、国内WORK事業において、売上収益の減少に加え、戦略投資領域における先行投資予算を第3四半期以降に繰越(約2億円)していることから、期初の会社予想を下回る見通しとなった。一方、海外WORK事業においては、為替影響を含め期初の会社予想を上回る見込みである。

 

 

 

23/3期 上期実績

23/3期 会社計画

進捗率

売上収益

72,358

140,000

51.7%

営業利益

2,934

5,600

52.4%

親会社の所有者に

帰属する当期利益

1,743

3,330

52.3%

*単位:百万円

 

(2)セグメント別見通し

 

22/3期

23/3期

会社予想

前年同期比

23/3期

期初会社予想

期初会社予想

増減

期初会社予想

増減率

国内WORK事業

80,726

84,850

+5.1%

88,980

-4,130

-4.6%

海外WORK事業

48,746

52,780

+8.3%

49,030

+3,750

+7.7%

その他

1,607

2,350

+46.2%

1,980

+370

+19.1%

売上収益

131,080

140,000

6.8%

140,000

0

0.0%

国内WORK事業

4,448

4,440

-0.2%

5,690

-1,250

-22.0%

海外WORK事業

3,348

3,630

+8.4%

2,580

+1,040

+40.4%

その他

-342

-190

-44.4%

-190

0

-

調整額

-1,981

-2,270

+14.6%

-2,480

+210

-

営業利益

5,472

5,600

+2.3%

5,600

0

0.0%

*単位:百万円

 

【国内WORK事業】
売上収益は前期比5.1%増の845億50百万円、営業利益は同0.2%減の44億40百万円を計画。

領域

業績予想と見通しの差異

セールスアウトソーシング領域

既存大型案件の契約終了等による影響はあったものの、概ね計画通りに進捗している。

コールセンターアウトソーシング領域

感染症再拡大影響に加え、既存顧客の採用計画見直しにより稼働スタッフ数が減少。オーダー獲得強化に取り組む。

ファクトリーアウトソーシング領域

顧客の生産調整の継続、外国人労働者の入国者数が想定を下回ったことで、人材紹介及び外国人雇用管理委託サービスが減少。コストの見直しに取り組む。

介護ビジネス領域

感染症再拡大影響に加え、紹介予定派遣の方針変更で人材紹介売上が減少。

コストの見直しに取り組む。

スタートアップ人材支援領域

好調に推移。引き続き、コンサルタントを含む採用を強化。

建設技術者領域

未経験の採用人数が計画に対し遅れ。採用チャネルの拡大に取り組む。

 

【海外WORK事業】
売上収益は前期比8.3%増の527億80百万円、営業利益は同8.4%増の36億30百万円を計画。
為替の影響に加え、第3四半期以降も人材紹介の需要は、引き続き堅調に推移する見込みである。

 

 

23/3期

上期

23/3期

期初会社予想

23/3期

会社予想

前期比

国内WORK事業の売上高

415.2

889.8

848.5

-4.6%

 セールスアウトソーシング領域

100.9

206.6

203.2

-1.6%

 コールセンターアウトソーシング領域

82.8

184.2

166.8

-9.5%

 ファクトリーアウトソーシング領域

88.7

191.1

182.6

-4.5%

 介護ビジネス支援領域

69.3

147.6

135.9

-7.9%

 スタートアップ人材支援領域

14.3

28.0

28.0

0.0%

 建築技術者領域

35.1

83.0

76.8

-7.4%

海外WORK事業の売上高

297.4

490.3

527.8

+7.7%

国内WORK事業の営業利益

22.7

56.9

44.4

-22.0%

 セールスアウトソーシング領域

9.0

18.7

17.8

-4.9%

 コールセンターアウトソーシング領域

4.8

13.0

8.6

-34.0%

 ファクトリーアウトソーシング領域

5.4

14.5

11.0

-24.4%

 介護ビジネス支援領域

2.1

7.1

4.0

-43.7%

 スタートアップ人材支援領域

3.8

5.7

5.7

0.0

 建築技術者領域

-4.2

-4.3

-5.8

-

海外WORK事業の営業利益

19.1

25.8

36.3

+40.4%

*単位:億円。

4.中期経営計画「WILL-being 2023」の進捗

(1)数値目標

22年3月期は売上収益、売上総利益率、営業利益、ROIC、自己資本比率など、ほぼすべての指標を上回った。
23年3月期は、中期経営計画の通り13億円の先行投資を実施する予定。財務目標については、現時点でROICを除いて、中期経営計画目標を達成する見通しである。ROICは、投下資本の見直し等により達成を目指す。

 

 

22/3期

23/3期

 

計画

実績

計画

業績予想

売上収益

1,210

1,310

1,335

1,400

売上総利益率

21.2%

21.9%

22.6%

22.6%

販管費

222

235

248

259

営業利益

34.0

54.7

53.5

56.0

営業利益率

2.8%

4.2%

4.0%

4.0%

ROIC

12.0%

17.9%

20.0%

18.6%

自己資本比率

19.0%

21.8%

22.0%

24.8%

総還元性向

30.6%

23.6%

30.0%

30.2%

*単位:億円。

 

(2)重点戦略の進捗

4つの重点戦略は概ね計画通りに進捗しているが、戦略投資領域の「介護」では、派遣で戦略変更が必要となっている他、デジタルシフトによる生産性の改善、在日外国人向けサービスも満足のいく進捗とはなっていない。進捗が遅れている部分については、早急に取り戻し、重点戦略の全項目達成を目指す。

 

◎戦略Ⅰ:ポートフォリオシフトによる収益性の改善 (国内WORK事業・海外WORK事業)-利益最大化領域、戦略投資領域

内容

◆Perm(人材紹介、専門性の高い領域への人材派遣)領域を拡大。特に、介護、建設技術者、スタートアップ人材支援領域にフォーカス。

(指標)

・戦略投資領域 = 売上成長率

・利益最大化領域= 営業利益率

23/3期第2四半期の進捗

 

<戦略投資領域>

◆建設:〇(新卒・未経験中途の採用数増加)

◆介護:△(感染症再拡大の影響で、受注数が伸び悩む。紹介予定派遣は1Qで戦略変更。)

◆スタートアップ人材支援:〇(好調に推移)

<利益最大化領域>

◆国内W:△(感染症再拡大の影響で売上が伸び悩んだことで、営業利益率改善ペースが鈍化。

3Q以降コスト見直し。)

◆海外W:〇(為替影響を除いても、ベースは着実にUP)

 

◎戦略Ⅱ:デジタルシフトによる生産性の改善 (国内WORK事業・海外WORK事業)-利益最大化領域

内容

◆デジタルシフトにより、1人当たり生産性を高める。

 

◆WILLOFスマホアプリの機能の強化(申請のオンライン化等)を継続実施。

2022年4月「有人チャットサポート」を開始。

◆建設技術者領域の基幹システム(派遣管理)を既存システムに統合。

 

◎戦略Ⅲ:次なる戦略投資領域の検索 探索領域

内容

◆在日外国人向けサービスの拡大。 ・IT人材サービスの拡大。

◆HRTechは、主軸事業周辺領域での展開を探索。

 

◆2022年5月に技能実習生、特定技能外国人が来日したが、在日外国人向けサービスは、当初の想定を下回る。

◆IT人材サービスは、派遣・紹介とも着実に増加。

◆建設技術者領域でのサービス等、プロダクト開発中。

 

◎戦略Ⅳ:財務戦略 グループ全体

内容

◆親会社所有者帰属持分比率:20%以上

◆ROIC:20%以上(資本コストは10%程度)

◆総還元性向:30%以上

 

◆親会社所有者帰属持分比率は、2023年3月期2Q時点で26.2%。

◆ROICは、営業利益の上積みにより達成を目指す。

◆23.3期の総還元性向見通し:30.2%

 

(3)事業ポートフォリオシフトの進捗

同社では、「利益最大化領域」「戦略投資領域」「探索領域」「見極め領域」「撤退領域」の5領域に、個別の事業を分類・運営し、基本方針である「WORK SHIFT戦略による高収益体質化」を目指している。進捗遅れが一部あるものの、概ね順調に進捗している。

 

(同社資料より)

 

◎国内WORK事業の進捗
国内WORK事業は、計画通り進捗している。23/3期第2四半期(7-9月)の売上総利益額は会社計画を下回ったものの、Perm領域の構成比の向上により売上総利益率が会社計画を上回った。

 

*セグメント内の連結調整は含んでいない。売上総利益、売上総利益率は、海外の補助金収入の影響等を除いた調整後の数値。

 

◎海外WORK事業の進捗
海外WORK事業は、Temp(人材派遣)の増加により、 23/3期第2四半期(7-9月)の売上総利益率が22/3期第4四半期(1-3月)に23/3期第1四半期(4-6月)よりも低下したものの、23/3期第2四半期(7-9月)の売上総利益額は計画を大きく上回って推移している。

 

 

◎建設技術者領域の進捗
◆売上高
新卒・未経験中途の稼働人数増加により、稼働人数が増加し、四半期売上高は着実に増加している。
◆採用人数
中途未経験者採用数は堅調に増加している。2022年4月には新卒が236名入社(前期は131名)した。
◆稼働人数、稼働率、定着率
稼働人数は順調に増加している。また、稼働率は高水準で推移している。引き続き定着率の向上に取り組む。
◆平均契約単価、平均残業時間(月間)
新卒・未経験の平均契約単価は、顧客とのチャージアップ交渉等により3%-5%/年上昇した。一方、月間の残業時間は減少傾向にある。

 

年度

21/3期

22/3期

23/3期

四半期

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

売上高(億円)

13.0

13.0

13.1

13.7

13.4

14.0

14.8

15.7

16.5

18.6

採用人数(人)

61

62

92

95

204

97

146

154

399

239

稼働率

99.4%

98.2%

98.7%

99.7%

97.5%

99.6%

99.7%

99.0%

97.6%

98.9%

定着率

76.6%

72.9%

72.3%

71.7%

72.4%

71.2%

72.4%

70.9%

74.6%

74.9%

稼働人数

550

546

576

613

690

729

775

854

1088

1211

平均契約単価(千円)

-

-

-

-

651

650

643

644

650

655

平均残業時間(時間)

-

-

-

-

29

26

27

29

26

25

*22/3期1Q、23/3期1Qの稼働率は、新卒研修期間の影響を除外した6月単月の稼働率。累計期間の稼働率は、22/3期1Q:90.4%、23/3期 1Q:89.6%となる。

 

◎介護領域の進捗
◆売上高
人材派遣の売上高は、稼働人数の減少が影響している一方、人材紹介の売上高は、堅調に推移している。
◆人材紹介売上と人材紹介成約単価人材紹介成約単価は、経験者にターゲットを絞ったことから、上昇傾向にある。また、人材紹介売上も23/3期第2四半期は前四半期(4-6月)比で減少したものの増加基調にある。
◆派遣稼働人員数
7月-9月の感染症再拡大による新規案件減少の影響により、23/3期第2四半期の派遣稼働人員数は前四半期(4-6月)比で減少した。
◆人材紹介部門社員数
人材紹介部門社員数は、今期については現状の人員体制を維持する予定である。

 

年度

21/3期

22/3期

23/3期

四半期

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

売上高(億円)

33.2

33.2

33.0

32.8

33.2

34.0

35.4

34.2

35.3

34.1

人材紹介成約単価(千円)

-

-

-

-

464

444

493

532

545

541

人材紹介売上高(億円)

-

-

-

-

1.6

1.4

1.3

1.4

1.8

1.7

派遣稼働人員数(人)

5,226

5,188

5,169

5,226

5,112

5,152

5,319

5,341

5,241

5,195

人材紹介部門社員数(人)

42

38

36

40

53

46

43

37

37

33

 

5.今後の注目点

同社の23/3期上期決算は、期初の会社計画を売上収益で約8%、営業利益で約30%超過する好調な推移となった。感染症再拡大による影響を受け国内WORK事業が伸び悩む一方、海外WORK事業において、人材紹介と人材派遣がともに堅調に推移したことが寄与したものである。円安という支援材料があったものの、同社の事業ポートフォリオのバランスの良さが証明された上期決算となった。順調な上期決算を受け、通期の会社計画に対する進捗率は、売上収益及び各段階利益で50%を超える状況となっている。こうした中、同社は通期業績の上方修正を見送った。これは、売上面において、7月から9月の感染症再拡大によって、新規案件の獲得が遅れ、稼働スタッフ数を積み上げることができなかったことにより、国内WORK事業の売上収益が期初の会社予想を下回る見込みとなったことが影響するものである。加えて、利益面でも上期に未消化となった先行投資予算を下期に予定通り実施するためである。感染症再拡大というリスク要因はあるものの、Perm領域のへのシフトと海外WORK事業の拡大は今後も継続するものと期待される。今期の会社計画の達成に向けてどこまで貯金を作れるのか続く第3四半期の業績動向が注目される。
また、今期は中期経営計画の最終年度である。財務目標については、ROICを除いて中期経営計画の目標が達成できる見込みとなった。一方で、同社は、現在強力に推進している重点戦略において、介護領域の拡大、国内WORK事業の収益性の改善、デジタルシフトの進展、在日外国人向けサービスの拡大などの項目において達成状況に満足していないようである。これら項目の進捗の遅れを取り戻し、重点戦略の全項目を達成できるのか注目される。
加えて、来期より新中期経営計画がスタートするものと予想される。どのような次期中期経営計画が策定されるのか今から楽しみである。今下期より次期中期経営計画のヒントとなる施策が徐々にスタートすることが予想される。今後のニュースフローにも期待を込めて注目したい。

 

<参考1:中期経営計画「WILL-being 2023」の基本方針>

同社では2023年3月期をターゲットとする中期経営計画「WILL-being 2023」を遂行中である。

 

(1)中期経営計画のアップデート

昨年発表した基本方針に変更は無いものの、新型コロナウイルス感染拡大の社会に対する様々な影響・変化を踏まえ、計画のアップデートを行った。

 

【アップデートのポイント】
①外部環境の変化
「社会」、「企業」、「求職者」においてこれまでも予測されていた変化が、コロナ禍によって一気に加速し、働き方の未来が数年前倒しされたと考えている。
「社会」
世界の人口増加および先進国における高齢化の進展、不安定な政治情勢、持続可能な社会の実現に向けた動き(SDGs)の進展
「企業」
アウトソーシング需要の高まり、テクノロジーの進化による個人の働き方の大きな変化、持続的成長に向けた人材投資増加
「求職者」
テレワークの浸透による場所や時間に縛られないライフスタイル重視の働き方を望む声の拡大、人生100年時代を迎えての生涯労働期間増加に向けたシニアワーカーの増加

 

【中長期シナリオ】
収益性を高めるとともに成長分野への投資を積極的に行うことで、将来の飛躍的な成長を実現する。
現在の営業利益率は3%程度だが、将来的には2ケタの利益率を目指す。

 

【事業ポートフォリオの明確化】
高収益企業への変革に向け、以下の5領域で事業ポートフォリオを構築する。

領域

位置づけ

経営指標

利益最大化領域

売上成長・シェア拡大よりも、売上総利益率、生産性の向上を優先し、営業利益率を高める事業群

営業利益率

戦略投資領域

中長期のグループの柱となることを目指し、集中的に投資して成長を実現する事業群

売上成長率

探索領域

将来グループの柱となれる事業(一定規模以上の営業利益額または営業利益率が見込める事業)で、投資を実行するか見極める事業群

個別に設定

見極め領域

探索領域では、KPIを達成できず、事業の継続可否を判断すべき事業群。

個別に設定

撤退領域

一定規模以上の営業利益、営業CFの創出が将来的にも困難であり、速やかに撤退準備に入るべき事業群

-

 

(2)【基本方針】「WORK SHIFT戦略による高収益体質化」を掲げている。

WORK SHIFT戦略とは、ポートフォリオシフトとデジタルシフトにより、営業利益率を高める戦略。

ポートフォリオシフト

人材紹介や専門性の高い領域への人材派遣など「無期雇用:Perm領域(permanent)」を拡大し、成長機会の最大化・最適化を目指す。Perm SHIFTと呼ぶ。

Perm領域の21年3月期の粗利率は35%。

デジタルシフト

人材派遣や業務請負など「有期雇用:Temp領域(temporary)」のデジタル化推進による生産性向上や事業安定性を軸とした雇用機会の最大化・最適化を目指す。

Temp領域の21年3月期の粗率は14%。

 

これまでの同社は、複数カテゴリでの事業展開、未経験、未資格のカジュアル派遣を中心としてきたが、今後は利益率が高いPerm領域のポートフォリオを拡大するとともに、Temp領域の生産性を高め、利益率を向上させることで、高収益体質に変革する考えだ。

 

(3)事業ポートフォリオマネジメント

前述の5領域の「位置づけ」を基に、個別の事業を以下のように分類・運営し、基本方針である「WORK SHIFT戦略による高収益体質化」を目指す。

 

(同社資料より)

 

(4)【重点戦略】以下4つの戦略を推進する。

戦略

該当領域

戦略① ポートフォリオシフトによる収益性の改善

利益最大化領域

戦略投資領域

戦略② デジタルシフトによる生産性の改善

戦略③ 次なる戦略投資領域の探索

探索領域

戦略④ 財務戦略

グループ全体

 

戦略① ポートフォリオシフトによる収益性の改善
◎Perm SHIFTによる売上総利益率の改善
国内、海外とも、人材紹介、専門性の高い領域への人材派遣を拡大する(Perm SHIFT)。
その中でも特に、介護、建設技術者の領域にフォーカスする。
2023年3月期には国内外ともPerm領域が5割を超す計画。同時に売上総利益率を21年3月期の19.0%から21.8%まで引き上げる。

 

(同社資料より)

 

(同社資料より)

 

◎建設技術者派遣領域
従来の経験者採用中心から未経験者採用に注力する。高い離職率を改善し、建設技術者派遣領域においてトップを目指す。
◆21年3月期売上52億円を、23年3月期100億円まで倍増させる。
◆また未経験者採用を90名から、1,000名へと大幅に拡大する。
そのために、「顧客開拓」においては経験者での強みである土木領域に加え、未経験者を受入れやすい民間住宅、プラント、サブコン領域を強化する。強化に向けて営業人員も増加する。
「採用」においては、年間400名の新卒・未経験中途採用が可能な体制を構築する。2021年4月新卒入社は、131名であった。
また「定着率」については、入社前研修期間を延長し、入社後のギャップを解消するほか、稼働スタッフのフォローアップ体制を強化する。これまで同社が蓄積してきた定着率向上のノウハウが効果を発揮すると会社側は考えている。
人員増強および採用など、22年3月期、23年3月期それぞれ6億円、合計12億円の先行投資を計画している。

 

◎介護領域
人材紹介の売上比率を、21年3期の3%から23年3月期には16%まで引き上げ利益率を高める。
◆21年3月期売上132億円を、23年3月期183億円まで拡大させる。
◆うち、人材紹介売上は4億円から30億円へ。紹介人数は700名から2,700名へ拡大する。
「人材紹介」においては、エージェントを21年3月期の38名から23年3月期までに93名まで増員するほか、人材派遣の顧客基盤を活かしたオーダーを開拓する。紹介予定派遣を強化する。
「人材派遣」においては23年3月期までに4拠点を新規出店するほか、技能実習生や特定技能者など外国人労働者を積極採用する。また「定着率改善」に向けてスタッフのフォローアップ、マッチング精度を高めていく
人員増強および採用など、22年3月期、23年3月期それぞれ2億円、合計4億円の先行投資を計画している。

 

◎介護、建設以外の領域
利益最大化領域においては、トップライン成長は緩やかなものの、より収益性の高い案件へシフトすることで売上総利益率の上昇を目指す。

 

セールスアウトソーシング領域

Perm領域

◆5G端末の普及の機会を捉え、安定した通信分野を継続的に拡大

◆売上総利益率の高い営業代行等の拡大に向け、現場正社員の採用を強化

コールセンターアウトソーシング領域

Temp領域

◆売上総利益率の高い金融系案件を引き続き拡大

◆案件当たりのシェア率を高め、派遣から業務委託に切替え、売上総利益率を改善

◆コロナ関連の入札案件については、収益性・終了後の人員シフトが可能な場合には、積極的に取り組む。

ファクトリーアウトソーシング領域

Temp領域

◆コロナ収束後の入国規制緩和に備え、引き続き外国人労働者採用を強化し、安定した食品分野のシェアアップによる収益性改善を目指す。

◆食品以外の分野では、同じ軽作業でも物流、消費財よりも売上総利益率の高い電機・電子分野、自動車部品等の受注拡大に

シフト。

海外WORK事業

Perm領域

Temp領域

◆豪州、シンガポール拠点の各社で多国籍展開している顧客の共有により、顧客内のグループシェアを拡大

◆人材派遣、人材紹介とは異なる新しいHR事業を探索

 

戦略② デジタルシフトによる生産性の改善
「業務のオンライン化・自動化による効率化」「データの一元管理による効率化」「テレワーク・面談のオンライン化による効率化」「連結子会社の統合に伴う効率化」を中心としたデジタルシフトにより、生産性を高める。

 

戦略③ 次なる戦略投資領域の探索
◎HRTech
次なる戦略投資事業をトライ&エラーを繰り返しながら、探索していく。
営業利益率の高いビジネスを探索することで、将来的な連結営業利益率向上を図る。
現在、AIを活用したエンジニア人材紹介「LAPRAS」、外国人就労管理ツール「アワマネ」「ビザマネ」、インバウンドサービス「ENPORT」などを手掛けており、課題を解決しながら先行投資を行って成長事業へ育成するべきかを検討していく。
このうち、インバウンドサービスであるビザマネ、ENPORTについてはミャンマー子会社、ベトナムの子会社及び提携先、インドネシアの提携先を通じたサービス利用者を、21年3月期の15,000名から23年3月期には80,000名まで拡大させる計画だ。

 

戦略④ 財務戦略
以下、3つの指標について目標を設定している。

財務項目

指標

目標

概要

財務健全性

親会社所有者帰属持分比率

20%以上

将来の成長投資や財務体質強化。21年3月期18%。

資本効率

ROIC

20%以上

収益率の改善と資本効率の向上。21年3月期14%。

WACCは11%程度と認識している。

株主還元

総還元性向

30%以上

成長投資を確保しつつ、利益還元の充実を図る。

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

7名、うち社外3名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2022年6月21日)
基本的な考え方
当社は、経営の透明性とコンプライアンスを徹底するため、コーポレート・ガバナンスの充実を図りながら、当社グループ全体の経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる体制を構築します。また、企業倫理、経営理念等を当社グループ全体に浸透させるため、様々な施策を通じて全社的な活動を展開します。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則3-1-3 情報開示の充実】
(1)サステナビリティ等の取組み 当社グループは、「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションに掲げ、世の中にポジティブな変化を生み出す企業として、社会と共に持続的に成長したいと考えています。環境、社会、ガバナンス等あらゆるサステナビリティを巡る課題への対応は、リスク減少・収益機会にもつながる重要な経営課題であるとの認識のもと、当社取締役会は、重要課題(マテリアリティ)とKPIを定めるとともに、経営理念「MISSION・VISION・VALUE」に基づく企業活動を通じてこれらに対する取り組みを進めています。 また、2022年4月にサステナビリティ活動の審議機関として、代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置しました。当社社内取締役及び国内主要子会社の取締役が委員として構成しており、サステナビリティに関する活動方針や実行計画の協議・検討・策定、重要課題(マテリアリティ)のKPI推進状況のモニタリング等を行い、委員会で議論された内容等は、取締役会へ報告を行います。 サステナビリティに関する取り組みの詳細については、2021年12月に統合報告書を開示したほか、当社ホームページに開示しています。 また、今後は持続的な企業価値の向上に向けて人的資本および知的財産の投資等についても開示情報の充実を進めていきます。

 

(2)気候変動の取組み 当社グループは、「2031年3月期までに2020年3月期比でCO2の排出量を総量20%削減」する目標を定めています。CO2算定の対象領域として、オフィスからのCO2排出だけでなく、従業員の事業活動や、サービスのライフサイクル全体もCO2算定の対象範囲としています。クライアント、取引先、従業員と協働しながら、広範囲での地球温暖化防止活動に取り組んでいきます。また、気候変動に係るリスク及び当社の事業等への影響については、TCFDフレームワークに基づき、複数シナリオ(2.0°C、4.0°C)を用いて「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指針と目標」の4項目について分析を行い、取締役会で審議しました。その詳細につきましては当社ホームページに開示しています。 今後も段階的に情報開示を進め、全体的な開示内容の質と量についても、充実させていきます。(サステナビリティへの取り組み:https://willgroup.co.jp/sustainability/index.html)(環境への取り組み:https://willgroup.co.jp/sustainability/environment/)

 

<開示している主な原則>
【補充原則2-4-1 女性の活躍推進を含む社内の多様性の確保】
変化の激しい市場環境、未来の予測が難しい時代において、現状の事業領域にとらわれず新たな事業機会を創出していくためには、多様な視点や価値観を企業経営に活かすことが重要であると認識しています。そのため当社グループにおいては女性、外国人、様々な職歴をもつ中途採用者など、多様な人材の採用・登用を積極的かつ継続的に行いつつ、個人の特性や能力を活かせる職場環境の整備やマネジメント層の教育などの取り組みを進めています。2030年までにそれぞれの社員比率と同程度の中核人材比率となるようこれからも取り組んでいきます。(1)女性の中核人材登用 近年、女性活躍推進を積極的に進めており、若年層のキャリア形成研修、管理職層へのマネジメント研修などを実施しています。正規社員のうち女性社員比率が41.6%であるのに対し、女性管理職比率は31.9%と同水準には達していません。2030年に女性管理職40%を目指し、職場環境の整備、キャリア意識醸成等に継続的に取り組み、将来的に経営の意思決定に関わる女性社員を増やしていきます。

 

【原則3-1 情報開示の充実】
(1)経営理念、経営戦略、中期経営計画を当社ホームページで開示しています。
(経営理念:https://willgroup.co.jp/profile/policy.html
(中期経営計画:https://willgroup.co.jp/ir/strategy.html
(2)本報告書I-1.基本的な考え方に記載の通りです。これに基づく具体的な方針や取り組みについては、本報告書の各項目をご参照ください。
(3)当社取締役の報酬の決定に関する方針は、本報告書II-1.機関構成・組織運営等に係る事項【取締役報酬関係】に記載しています。
(4)経営陣幹部の選任と取締役候補の指名については、社内規程に基づき、的確かつ迅速な意思決定、適切なリスク管理、業務執行の監視及び会社の各機能とグループ会社各事業部門をカバーできるバランスを考慮し、適材適所の観点より総合的に検討しています。また、監査役候補の指名については、財務・会計に関する知見、当社事業分野に関する知識及び企業経営に関する多様な視点のバランスを確保しながら、適材適所の観点により総合的に検討しています。これらの方針に基づき、独立社外取締役を含む「指名委員会(旧選考委員会)」において事前に審議し、取締役会で決議します。また、経営陣幹部の解任ついても同様に、社内規程に基づき、独立社外取締役を含む「指名委員会(旧選考委員会)」において事前に審議し、取締役会で決議します。
(5)取締役・監査役の各候補者及び選任理由ならびに経歴等は、その都度株主総会参考書類に記載しています。株主総会参考書類については、当社ホームページに掲載している株主総会招集通知をご参照ください。解任を行う場合は、方針と手続に則り、適宜適切に開示します。(株主総会招集通知:https://willgroup.co.jp/ir/library/report.html)

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社では、「情報開示の基本方針」「情報開示の基準」「情報開示の方法」「将来の見通しに関して」及び「沈黙期間について」からなるディスクロージャー・ポリシーを策定し、当社ホームページで公表しています。(ディスクロージャー・ポリシー:https://willgroup.co.jp/ir/disclosure.html) また、株主との建設的な対話を促進するための方針を次の通りとしています。
(1)当社のIR活動は、代表取締役、管理本部担当執行役員が積極的に対話に臨み、経営戦略・事業戦略・財務情報等について、公平性・正確性・継続性を重視し、双方向の良好なコミュニケーションを図るIR活動を展開します。
(2)管理本部を中心とし、経営企画、総務、財務、経理、法務部門、各事業責任者等が有機的に連携し、適時かつ公正、適正に情報開示を行います。
(3)対話の手段として、個人向け会社説明会、機関投資家向け決算説明会を開催しています。また、説明会動画、質疑応答の内容等をホームページに掲載する等、IR活動の充実に引き続き取り組みます。
(4)株主との個別面談については、財務部IRチームを窓口として、株主の希望及び面談の目的等を踏まえて、経営人幹部、社外取締役を含む取締役または監査役が面談を行い、合理的な範囲で適切に対応を行います。
(5)対話において把握された株主の意見・懸念等は、代表取締役または管理本部担当執行役員を通じて、四半期単位で、当社各会議体へ適切かつ効果的なフィードバックを行います。
(6)ディスクロージャー・ポリシーに基づく沈黙期間の設定の他、インサイダー情報の管理に関する規程を運用し、徹底します。※上記にかかる開示書類につきましては、当社ホームページ(https://willgroup.co.jp/ir/index.html)から閲覧いただけます。

 

 

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