ブリッジレポート
(4709) 株式会社IDホールディングス

プライム

ブリッジレポート:(4709)IDホールディングス 2024年3月期第1四半期決算

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舩越 真樹 社長

株式会社 IDホールディングス(4709)

 

 

会社情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

舩越 真樹

所在地

東京都千代田区五番町12-1 番町会館

決算月

3月末日

HP

https://www.idnet-hd.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,362円

16,602,464株

22,612百万円

14.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

50.00円

3.7%

91.55円

14.9倍

625.64円

2.2倍

*株価は8/24終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROEとBPSは23年3月期決算短信、DPSとEPSは24年3月期第1四半期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2021年3月(実)

25,766

1,372

1,553

747

44.37

33.33

2022年3月(実)

27,805

1,869

1,922

1,046

61.61

40.00

2023年3月(実)

31,101

2,424

2,504

1,402

84.54

45.00

2024年3月(予)

32,800

2,630

2,650

1,520

91.55

50.00

*単位:百万円、円。
*予想は会社予想。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。
*2021年7月1日付で1:1.5の株式分割を実施。DPSとEPSは2021年3月期まで遡及して再計算。

 

 

IDホールディングスの2024年3月期第1四半期決算概要と2024年3月期業績予想等についてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画
3.2024年3月期第1四半期決算概要
4.2024年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 24/3期第1四半期の売上高は前年同期比7.2%の増収、同30.7%の営業増益。売上面では、システムマネジメント、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育およびITインフラが堅調に推移した。利益面では、増収にともなう増益や、利益率の高いDX関連ビジネスの拡大などが寄与した。なお、当24/3期第1四半期四半期より、従来のサービス名「システム運営管理」を「システムマネジメント」に変更した。サービス名の変更は事業内容の変更をともなうものではない。

     

  • 第1四半期が終わり、24/3期の会社計画は売上高が前期比5.5%増の328億、営業利益が同8.5%増の26億30百万円から修正なし。引き続き中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」のもと、顧客企業におけるDX推進支援を強化するとともに、自社ソリューションの充実による新規ビジネスの拡大に取り組み、さらなる収益性向上を目指す。配当予想も、1株当たり前期比5円増配の50円を据え置き。予想配当性向は54.6%。

     

  • 同社は時間と場所にとらわれない運用サービスの実現を目指し、バーチャル空間を活用したオペレーションセンター(VROP)の開発を進行中である。このVROPは、物理的に離れた拠点からアクセス可能で、年間サブスクリプション契約のSaaS型サービスとして、2024年1月にサービス開始を予定している。2023年8月22日に、開発を進めていたバーチャルオペレーションセンターのパイロット版をローンチした。また、2023年8月1日には米Microsoft社のAzure OpenAI Serviceを利用した企業専用の対話型AIチャットボットサービスID AI コンシェルジュの販売を開始した。VROPやID AI コンシェルジュなど先端技術を活用した新サービスの導入状況が注目される。

     

1.会社概要

金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントを中核とする持株会社。システムマネジメントとソフトウェア開発・保守を二本柱とし、一つの顧客に対し、コンサルティングからソフトウェア開発、システムマネジメント等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing(BOO)戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。尚、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更。2014年9月8日、東証1部に上場。2022年4月、市場再編に伴い東証プライム市場に移行。
2019年4月1日、持株会社体制に移行した。

 

【IDグループの強み】

IDグループの強みの一つがシステム運用管理による安定した収益構造である。
システム運用管理は顧客のシステムを24時間365日運用・監視し、社会の重要なインフラを支える業務で、信頼や実績が不可欠であり、同社は強固な参入障壁を構築している。
同業務の売上高構成は4割強と高く、ストックビジネスとして業績を下支えしている。今後は従来型運用に加え、先端技術を活用したSaaS型サービス「Smart運用」による高付加価値化を目指していく。

【IDグループのサービスの特徴】

◎50年の経験、大手優良企業を中心に実績は1,000社以上
同社は、1969年の会社設立以来、大手金融機関や社会インフラ企業を中心に1,000社以上の企業との取引実績がある。コンサルティングからシステム基盤、ソフトウェア開発、システムマネジメント、クラウド、サイバーセキュリティまでワンストップで提供し、顧客の様々な要望に最適な提案で対応することで、顧客より高い評価を得ている。

 

◎国内最大級の運営管理プロフェッショナル集団
同社は、顧客の業務に精通した1,600名以上ものシステムマネジメントエンジニアを有し、ソフトウェア開発やシステム基盤との連携を図り、トータルサービスの提供によって、安定したシステム運営と業務効率化を実現している。また、マルチクラウドソリューションサービスを提供し、近年需要の高い顧客のクラウドシフトを強力にバックアップしている。

 

◎ユーザ視点でシステム開発
同社は、長年蓄積した顧客のシステムに関する業務知識やノウハウを持ち、金融機関やエネルギーなど幅広い分野への開発実績がある。また、顧客のニーズに柔軟かつスピーディーに対応できるアジャイル開発も行っており、従来型の手法と使い分けることで、コスト効率の高い、安定したシステムを構築している。

 

◎DXへの対応
RPA・AIなどのデジタル技術を活用した既存ビジネスの変革(DX)に対するニーズが高まっている。同社はこうした先端技術の調査・研究を行う部門や、DXを推進する専門組織を設置し、顧客の業務変革に貢献する付加価値の高いサービスを提供している。

 

◎世界各国でグローバルな事業をサポート
2004年に中国武漢市に現地法人を設立して以来、東南アジア、北米、欧州に拠点を設立。海外ネットワークを通じ、時差を利用した24時間/365日体制で、グローバルなサービスをスピーディーに提供している。

 

◎コンプライアンスの徹底
同社は、個人情報保護や品質管理、情報セキュリティに関するマネジメント体制を確立するとともに、コンプライアンスハンドブックを全グループ社員の行動規範として活用。経営理念のIDentityにも掲げている通り、つねに「私たちは損か得かで判断するのではなく、正しいか正しくないかで行動する」ことを徹底している。

 

【サービス別の業績動向】

売上高は、システムマネジメント、ソフトウェア開発、ITインフラ、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育、その他に分かれ、サービス別の概要と売上構成比は次のとおり。なお、当24/3期第1四半期より、従来のサービス名「システム運営管理」を「システムマネジメント」に変更した。サービス名の変更は事業内容の変更をともなうものではない。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

システムマネジメント(24/3期第1四半期売上構成比45.6%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客のシステムを24時間365日運用・監視し、社会の重要インフラを支える業務である。また、オフショアを活用した高品質・廉価な一括受託にも対応している。参入障壁が高く、ストックビジネスとして確実に収益を確保できる事業であり、今後データセンター市場の規模拡大により同事業の需要が増加する見込みである。23/3期のシステムマネジメント、セキュリティ、プラットフォームからなる従来型運用の売上高は全社の売上の61.7%を占めているが、今後75.0%までの引き上げを目指している。従来型運用からSmart運用への移行を進め、新たなシステムマネジメントを創出し、高付加価値化を推進する。

 

ソフトウェア開発(24/3期第1四半期売上構成比35.6%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ総合システムビルダーとして多くのソフトウェア開発実績を築いている。グループ内にコンサルティング、オフショア(海外子会社に委託開発)、ニアショア(地方事業所での開発)体制を構築しており、多数の高度な専門技術者が高品質なサービスを実現。国内外の有力先進企業と提携し、顧客の既存ビジネスの強化・拡大、新たな領域への挑戦を支援しており、「Ruby」認定や「ISO9001」認証(受託開発部門)取得など、常に技術・品質の向上に努めている。

 

ITインフラ(24/3期第1四半期売上構成比8.9%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へシステム運用部門・ソフトウェア開発部門・セキュリティ部門と連携し、高品質なシステム基盤を提供。メーカーソフトやシェルスクリプトなどを駆使し、環境の自動起動からバックアップ取得、更に障害時自動切替などの設計・構築を行うことで、システムの安定稼働やコスト削減・省力化を実現している。また、同社は独立系として、特定のハードやOS・開発言語にとらわれることなく、顧客目線での最適なシステム基盤を構築している。

 

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育(24/3期第1四半期売上構成比9.1%)
海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供。同社は、様々なベンダーの製品を取り扱っており、特定ベンダーにこだわることなく、顧客の環境、要望、状況に応じて、最適な製品を柔軟に組み合わせ、提案している。

 

その他(24/3期第1四半期売上構成比0.7%)
システムマネジメント、ソフトウェア開発、サイバーセキュリティ環境の構築などに付随した製品販売などがある。

 

24/3期第1四半期の売上高は78億19百万円であった。大手ITベンダーへの営業強化による新規案件の受注や既存取引の拡大などにより、システムマネジメントの売上高が前年同期比で増加した。また、大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大や、運輸および金融関連顧客における受注拡大などが寄与したソフトウェア開発や、金融関連顧客における大型案件の受注や製造関連顧客における取引の拡大があったITインフラで売上高が前年同期比で増加した。更に、コンサルティングおよびサイバーセキュリティにおける受注拡大があったサイバーセキュリティ・コンサルティング教育においても売上高が前年同期比で大幅に増加した。
 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

同社のDX関連ビジネスは、既存のITサービスに、クラウドやAI、IoTなどの先端技術を組み合わせ、顧客のDXを推進するビジネスであり、セキュリティ・ITインンフラ、遠隔支援・高度開発・高度運用、クラウド、コンサル・研修、自動化・効率化などからなる。24/3期第1四半期のDX関連売上高は、高度開発・高度運用、ITインフラ、コンサルを中心に拡大し40億71百万円となり、連結売上高の約52.1%(前年同期は売上高32億92百万円で売上高構成比約45.1%)を占める規模となった。また、24/3期第1四半期のDX関連の売上総利益率は、26.6%となり前年同期比で1.4ポイント上昇した。なお、DX関連の売上総利益率は、非DX関連ビジネスよりも約6ポイント高い。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*24/3期より、「高度運用」区分が追加された。

 

24/3期第1四半期において、戦略グループ別では、新規案件の受注や既存取引の拡大が寄与したIBMグループ、ITインフラにおける大型案件の受注が寄与した主要顧客(金融)、製造、運輸、放送関連顧客における取引の拡大が寄与した主要顧客(金融以外)などの売上高が前年同期比で増加した。なお、IBMグループが売上高の15.9%を占めるが、IBMグループの内訳は、キンドリルジャパンが売上高の8.4%、MIデジタルサービスが同5.2%、日本IBMが同2.3%となった。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

大手優良企業を中心に1,000社以上の実績があり、エンドユーザー業種別では特に金融や公共向けの売上高が6割以上を占めている。24/3期第1四半期のエンドユーザー業種別売上高は、公益が前年同期比22.3%増、製造が同11.3%増、運輸が同32.0%増と伸びが大きくなった。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*その他は、「メディア」、「ヘルスケア」、「建設・不動産」、「卸売・小売・飲食店」 等

 

【グローバル展開】

同社グループは2004年に中国(武漢市)に現地法人を設立して以来、シンガポール、アメリカ、ミャンマーに子会社を設立。
これらの拠点及び海外アライアンスパートナーとの協業により、中国(武漢、無錫、上海)、シンガポール、ミャンマー、アメリカ、イギリス、オランダにおいて、海外でも高品質のデータセンターの運用・保守サービスを受けたい、システム開発を高品質かつ短納期で行いたい、サイバー攻撃に備えるセキュリティ対策を万全にしたいという顧客のニーズに対して、グローバルなIT高品質サービスをスピーディーに提供することを目指している。今後も世界各国の地域に根差したセールス・生産ネットワークを強化し、グローカルなITサービスモデルの確立を推進する。

(同社決算説明資料より)

 *株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

【情報サービス業の動向】

(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」を基に株式会社インベストメントブリッジ作成)

 

内閣府が8月15日に発表した23年4-6月の国内総生産(GDP、季節調整済み)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.5%増(年率換算で6.0%増)と3四半期連続プラスとなった。外需がけん引した。同社の業績とも関連性が深い民間企業設備(実質)は、同0.03%増と、2四半期連続のプラスとなった。デジタル化の進展などを背景としたソフトウエア投資が底堅く推移した。また、経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(8月18日発表、23年6月分確報値)によると、6月の情報サービス産業売上高は前年同月比9.1増と15ヶ月連続のプラスとなった。また、同社と関連性の高い受託ソフトウェアの売上高は前年同月比9.2%増、システム等管理運営受託の売上高も同1.5%増のプラス成長となった。同社を取り巻く業界環境は引き続き堅調に推移しているものと思われる。

 

2.中期経営計画

【中期経営計画「Next 50 EpisodeⅡ 「Ride on Time」(2023年3月期~2025年3月期)】

1.概要
同社は、2023 年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」を策定し、2022年4月28日に公表した。新中期経営計画では、前中期経営計画で構築した事業基盤のもと、顧客ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業と連携して顧客企業の DX 推進支援を強化し、それを支える高度技術者や企画提案型人財を育成する。また今後の成長分野であるクラウドやサイバーセキュリティの領域における同社独自のソリューション開発に努めるほか、社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化や、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組む。変化の速い IT 業界において、時流を的確にとらえ、「Waku-Waku する未来」を届ける IT エンジニアリングパートナーを目指す。
「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」は、3つの基本方針「同社 DX ポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開」、「高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化」、「管理部門の高度化と事業部門への人財シフト」からなり、4つの基本戦略「IT サービス戦略」、「人財戦略」、「ニューノーマル戦略」、「SDGs 戦略」を推進する。当初の数値目標は、最終年度である25/3期に、売上高320億円、営業利益25億50百万円、営業利益率8.0%であった。しかし、同社は24/3期の目標数値を23/3期に前倒しで達成したことから、数値目標の修正を行った。新しい中期経営計画では、最終年度の25/3期に、売上高350億円、営業利益30億円、営業利益率8.6%の達成を目標としている。

 

【重点数値目標】

 

22/3期

実績

23/3月期

当初目標

23/3期

実績

24/3期

当初目標

24/3期

修正後

25/3期

当初目標

25/3期

修正後

27/3期

当初目標

売上高

278億円

290億円

311億円

304億円

328億円

320億円

350億円

400億円

営業利益

(営業利益率)

18.6億円

(6.7%)

19.5億円

(6.7%)

24.2億円

(7.8%)

22.0億円

(7.2%)

26.3億円

(8.0%)

25.5億円

(8.0%)

30.0億円

(8.6%)

32.0億円

(8.0%)

DX売上高

(DX比率)

126億円

(45.6%)

139億円

(48.0%)

148億円

(47.6%)

161億円

(53.0%)

173億円

(53.0%)

192億円

(60.0%)

210億円

(60.0%)

280億円

(70.0%)

EBITDA

(EBITDA比率)

24.9億円

(9.0%)

25.8億円

(8.9%)

30.3億円

(9.2%)

28.0億円

(9.2%)

32.6億円

(10.0%)

31.0億円

(9.7%)

35.5億円

(10.0%)

40.0億円

(10.0%)

*EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額

 

【新中期経営計画の目指す姿】
同社の新中期経営計画の目指す姿は、「5つのステークホルダーへ Waku-Wakuする未来をお届けするITエンジニアリングパートナーを目指して。ともにRide on Time!」である。5つのステークホルダーとのエンゲージメントを強め数値目標を達成する。

 

ステークホルダー

内容

数値目標

顧客

高付加価値サービスの提供

DX売上高比率60%

ビジネスパートナー

DX分野の協業深化

単価5%UP

社員

Happiness

年収5%UP

社会

事業活動を通じた課題解決

SDGsの推進

株主

持続的な安定配当

時価総額250億

 

(同社中期経営計画より)

 

【3つのテーマ】
①同社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開
②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化
③管理部門の高度化と事業部門への人財シフト

 

 

2.4つの基本方針と戦略

①ITサービス戦略

よりニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長

分野を対象とした自社ソリューション開発に努める。

②人財戦略

DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度をさらに充実し、中上級技術者

および企画提案人財の育成を加速する。

③ニューノーマル戦略

社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理

部門の構築を図り、事業部門への人員の再配置を進める。

④SDGs戦略

事業活動を通じてサステナビリティへの取り組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の

向上」の好循環を目指す。

(同社中期経営計画より)

 

①ITサービス戦略(DXポートフォリオ)
既存のベース事業において、顧客の価値を高める収益を確保するとともに、顧客の価値創出をDX技術の活用により、推進支援する。加えて、自社のDXソリューションのサービス化により新規事業を創出する。

(同社中期経営計画より)

 

【DX推進支援サービス】
Smart運用とDX開発など、先端技術を活用した次世代型システムマネジメントとソフトウェア開発を推進する。
◆Smart運用
従来型運用に加え、先端技術を活用したSaaS型サービス「Smart運用」に注力する。手作業、オンプレ、オンサイトが一般的な従来型運用を、自動化ツール、クラウド、リモートを活用したシステム運用へ進化させ、大手銀行・地方銀行へ展開する。同社は、コスト削減だけでなく生産性向上と品質改善を同時に実現することが可能となる。

 

(同社決算説明資料より)

 

◆DX開発
ウォーターフォール、オンサイトによる従来型開発を、アジャイル、ローコード、パブリッククラウドなどの先端技術の活用に加え、国内外拠点によるリモートと分散開発を通じたDX開発へ進化させる。同社は、こうしたDX開発の積極的な推進により、効率的な開発が実現可能となる。

 

【自社ソリューション】
マルチクラウドとサイバーセキュリティの自社ソリューションを重要インフラ領域へ展開する。
◆ID-Cross
導入・マネージドサービス、脆弱性判別・情報提供、PC管理、RPAリモート保守などをマルチクラウドで提供する自社ソリューションの「ID-Cross」を医療、エネルギー、公共分野の顧客へ提供する。
◆ID Ashura
セキュリティ(アドバイザリー&スコアリング)、サイバー脅威遡及分析、EDR(エンドポイントの監視を強化し、サイバー攻撃を検出して対応すること)、サイバー防御演習などを、製造、建設、物流、医療、公益分野の顧客へ提供する。

 

②人財戦略(育成)
更なる成長に向けて中上級DX技術者および企画提案人財の育成を強化する。
具体的な人財育成施策として、①日本型ジョブディスクリプション制度の構築と運用、②人財マネジメントシステム活用と戦略的人事運営、③各層の連続的な次世代育成(リスキリング)、④メタバース、NFT(非代替性トークン)などWEB3.0世代の技術者育成を実施する。これらを通じて、22/3期末で1,063人のDX技術者を、25/3期に1,600人まで育成する。更に、新たな発想でソリューションを提案できる人財を22/3期の70人から25/3期に200人まで育成する。中計期間の3年間に6億円(22/3期は1.8億円)の育成予算を投下する方針である。
なお、23/3期末時点で、DX技術者数は1,097人となり、連結従業員数の46.7%まで拡大した。

 

 

2022年3月期

(実績)

2023年3月期

(中計)

2024年3月期

(中計)

2025年3月期

(中計)

DX技術者数

1,063人

1,240人

1,420人

1,600人

企画提案人財

70人

110人

150人

200人

 

 

③ニューノーマル戦略(管理部門の高度化)
業務効率化により管理部員を事業部門へシフトし、収益寄与分を社員に還元する。業務の効率化・簡素化のため、情報共有基盤の導入によるデータの一元化とプロセスの削除、業務のデジタル化を推進する。また、本社機能の分散化のため、山陰・海外拠点へ本社機能の一部を移管する。また、ヘッドオフィスとシェアードオフィスの機能の整理を行う。更に、経営管理・企画機能の強化のため、基幹システムの刷新によるデータの集約と利活用を推進する。これらを通じて、22/3期の管理部門190名を25/3期に140名へ削減するとともに、22/3期の販管費率17.3%を25/3期に13.9%へ引き下げる。

 

④SDGs戦略
事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値を向上させる。

(同社中期経営計画より)

 

【取り組むSDGs(抜粋)】
同社は、事業活動を通じて、さまざまな社会課題の解決に向けた取組みを行っている。代表的な事例は下記の通り。

事業活動

SDGs17の目標

◆障がい者雇用による植物栽培

◆子供食堂の支援

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.全ての人に健康と福祉を

◆DXソリューションサービスの提供

ID-Cross、ID Ashura、ID-VROP

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

12.つくる責任 つかう責任

◆ジェンダーフリーの実現

◆グローバル人材の採用・活用

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

10.人や国の不平等をなくそう

 

文化芸術活動支援

◆メセナ活動を通じ、多くの芸術家を支援

外部からの評価

◆「健康経営優良法人 ~ホワイト500~」に4年連続で認定

◆NIKEI Smart Work 2023  3つ半   「人材活用力」がA++

◆NIKEI SDGs 経営調査   星3つ   「社会価値」がS

 

 

【新中期経営計画の主要KPI】

 

主要KPI

23/3期

(実績)

24/3期

(目標)

25/3期

(目標)

ITサービス戦略

DX売上高

148億円

173億円※

210億円※

DX売上高比率

47.6%

53%

60%

人材戦略

DX資格取得件数(年間)

315件

1,000件

1,000件

DX技術者数

1,097人

1,420人

1,600人

女性従業員比率

23.0%

28%

30%

女性管理職比率

16.3%

25%

30%

外国籍社員比率

7.9%

13%

15%

ニューノーマル戦略

販管費率の改善

14.1%

14.6%

13.9%

SDGs戦略

CO2の削減(電力使用由来による)

*2021年3月期比 電力使用量

100%減

18%減

20%減

紙の使用量の削減

*2021年3月期比

30.9%減

20%減

23%減

環境ボランティア活動の参加

(年間延べ人数)

228人

200人

200人

※中期経営計画の数値目標の修正にともない、目標の修正を実施

 

3.2024年3月期第1四半期決算概要

(1)連結業績

 

23/3期 第1四半期

構成比

24/3期 第1四半期

構成比

前年同期比

売上高

7,295

100.0%

7,819

100.0%

+7.2%

売上総利益

1,688

23.1%

1,869

23.9%

+10.7%

販管費

1,058

14.5%

1,045

13.4%

-1.2%

営業利益

630

8.6%

823

10.5%

+30.7%

経常利益

668

9.2%

884

11.3%

+32.3%

四半期純利益

372

5.1%

514

6.6%

+37.8%

*単位:百万円。
*四半期純利益は、親会社株主に帰属する四半期純利益。

 

前年同期比7.2%の増収、同30.7%の営業増益
売上高は前年同期比7.2%増の78億19百万円、営業利益は同30.7%増の8億23百万円。
同社は、当24/3期第1四半期より、従来のサービス名「システム運営管理」を「システムマネジメント」に変更した。サービス名の変更は事業内容の変更をともなうものではない。
売上面では、システムマネジメント、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育およびITインフラが堅調に推移した。
利益面では、増収にともなう増益や、利益率の高いDX関連ビジネスの拡大などが寄与した。売上総利益率は23.9%と前年同期比0.8ポイント上昇し、販管費比率は13.4%と同1.1ポイント低下した。以上により、営業利益率は10.5%と同1.9ポイント上昇した。また、経常利益は同32.3%増の8億84百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同37.8%増の5億14百万円となった。営業外収益における為替差益30百万円(前年同期は1百万円の為替差損)が前年同期からの損益変動要因の大きなものとなった。その他、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、前年同期比24.8%増の9億73百万円となった。

 

サービスごとの業績動向

 

23/3期

第1四半期

24/3期

第1四半期

前年同期比

増減額

増減率

システムマネジメント

売上高

3,297

3,568

+271

+8.2%

売上総利益

758

805

+47

+6.2%

売上総利益率

23.0%

22.6%

-0.4P

-

ソフトウェア開発

売上高

2,746

2,784

+38

+1.4%

売上総利益

611

583

-28

-4.6%

売上総利益率

22.3%

20.9%

-1.4P

-

ITインフラ

売上高

593

694

+100

+16.9%

売上総利益

151

241

+90

+59.5%

売上総利益率

25.5%

34.8%

+9.3P

-

サイバーセキュリティ・

コンサルティング・教育

売上高

542

712

+170

+31.4%

売上総利益

150

235

+85

+57.2%

売上総利益率

27.7%

33.1%

+5.4P

-

その他

売上高

114

58

-56

-49.5%

売上総利益

17

2

-14

-84.4%

売上総利益率

15.0%

4.6%

-10.4P

-

合計

売上高

7,295

7,819

+523

+7.2%

売上総利益

1,688

1,869

+180

+10.7%

売上総利益率

23.1%

23.9%

+0.8P

-

*単位:百万円

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

システムマネジメントの売上高は、前年同期比8.2%増の35億68百万円となった。大手ITベンダーへの営業強化による新規案件の受注や既存取引の拡大などが寄与した。売上総利益は、同6.2%増の8億5百万円、売上総利益率は同0.4ポイント低下の22.6%となった。

 

ソフトウェア開発の売上高は、前年同期比1.4%増の27億84百万円となった。公共関連顧客における一部案件の終了があったものの、大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大や、運輸および金融関連顧客における受注の拡大などが寄与した。売上総利益は、同4.6%減の5億83百万円、売上総利益率は同1.4ポイント低下の20.9%となった。

 

ITインフラの売上高は、前年同期比16.9%増の6億94百万円となった。金融関連顧客における大型案件の受注や、製造関連顧客における取引の拡大などが寄与した。売上総利益は、同59.5%増の2億41百万円、売上総利益率は同9.3ポイント上昇の34.8%となった。

 

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の売上高は、前年同期比31.4%増の7億12百万円となった。コンサルティングおよびサイバーセキュリティにおける受注拡大などが寄与した。売上総利益は、同57.2%増の2億35百万円、売上総利益率は同5.4ポイント上昇の33.1%となった。

 

その他の売上高は、前年同期比49.5%減の58百万円となった。製品販売における受注拡大があったものの、一部案件のサービス区分変更などが影響した。売上総利益は、同84.4%減の2百万円、売上総利益率は同10.4ポイント低下の4.6%となった。

 

営業利益の増減要因

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

第1四半期(4-6月)の業績推移

 

24/3期第1四半期(4-6月)は、前年同期比増収増益となり、売上高、営業利益ともに高水準となった。

 

(2)サービス別受注残高の状況

 

2022年6月末

2023年6月末

増減額

増減率

システムマネジメント

2,562

2,511

-51

-2.0%

ソフトウエア開発

1,730

1,303

-427

-24.7%

ITインンフラ

441

409

-32

-7.3%

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育

784

1,591

807

+102.9%

その他

174

73

-101

-58.0%

合計

5,693

5,889

196

+3.4%

※単位:百万円

 

2023年6月末の受注残高は、前年同月末比で3.4%の増加となった。ソフトウエア開発の受注残高が減少したものの、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の受注残高が大幅に増加した。

 

(3)経営施策の取組み状況

同社は現中期経営計画において推進する、①「顧客のDX推進支援の強化」と「自社のソリューション開発」という同社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開、②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化、③管理部門の高度化と事業部門への人財シフトからなる3つの基本テーマの実現に向けて、「ITサービス戦略」「人財戦略」「ニューノーマル戦略」「SDGs戦略」の4つの基本戦略を掲げている。

 

◎ITサービス戦略
ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長分野を対象とした自社ソリューション開発に努める。3月に鳥取大学と締結した共同研究契約をもとに、整形外科におけるX線画像診断AIシステムに関する研究を進めている。また、「ChatGPT」のAPIを利用した自社専用の対話型AIチャットボットサービス「IDコンシェルジュ」を開発、社内利用を進めることで業務効率化とグループ全社員のAIリテラシー強化を図るとともに、AIを活用した新規ビジネスの創出を目指す。
◎人財戦略
DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度のさらなる充実を図り、中上級技術者および企画提案型人材の育成を加速さる。具体的な取組みとして、経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が策定した「デジタルスキル標準」をベースに、DXを推進する人材の役割(ロール)ごとの育成ロードマップを整理し社内に展開している。また、ますます需要の高まるサイバーセキュリティ人材の育成を加速させるべく、技術者および営業職の社員約200名について、サイバー空間における実践的なセキュリティ演習が可能な外部講座の受講を開始する。
◎ニューノーマル戦略
社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理部門の構築を図る。グループ全体の生産性を向上させるための施策として、管理部門業務のデジタル化および部署間・業務間の連携自動化、情報の一元化などを継続的に進めている。各種取組みを通じて業務フローの最適化を実現し、管理部門の抜本的な改革に繋げる。

 

◎SDGs戦略
事業活動を通じてサステナビリティへの取組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の向上」の好循環を目指す。人的資本経営にかかる取組みの可視化を目的として、グループ全体の人的資本情報や取組みをコーポレートサイトのサステナビリティ「人的資本経営に向けて」のページに公開した。また、同社はサステナビリティにおけるマテリアリティのひとつに「人権尊重」を掲げており、さまざまな人が利用可能な「誰でもトイレ」を本社ビルに設置した。さらに、社会貢献活動や文化芸術活動支援として、昨年度に引き続き「IDグループ献血DAY」、クラシックコンサートを開催した。

(4)財政状態

 

 

23年3月

23年6月

 

23年3月

23年6月

現預金

5,069

5,034

仕入債務

1,147

1,106

売上債権

5,906

4,200

短期有利子負債

1,775

1,016

未収入金

153

436

賞与・役員賞与引当金

1,165

498

流動資産

11,649

10,726

長期有利子負債

350

300

有形固定資産

1,327

1,331

負債

7,087

5,807

無形固定資産

1,457

1,340

純資産

10,432

10,783

投資その他

3,085

3,191

負債・純資産合計

17,519

16,590

固定資産

5,870

5,863

有利子負債合計

2,125

1,316

*単位:百万円

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2023年6月末の総資産は前期末比9億29百万円減少の165億90百万円。資産面では契約資産、未収入金などが主な増加要因となり、売上債権、のれん等が主な減少要因となった。負債・純資産面では流動負債のその他、親会社株主に帰属する四半期純利益による利益剰余金、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定などが主な増加要因となり、短期と長期の有利子負債、賞与引当金、未払法人税等などが主な減少要因となった。有利子負債は、前期末比8億8百万円の減少となった。自己資本比率は64.7%と前期末比5.4ポイント上昇した。

 

(5)先端技術の活用

◎バーチャル空間を活用したオペレーションセンターの開発を進行中
同社の連結子会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントとINFORMATION DEVELOPMENT AMERICA INC.(本社:米国マサチューセッツ州)は 2023年3月、システム運用のあり方を変革し、新たな価値を創出する取組みとして、デジタルツインを活用したバーチャルオペレーションセンター(以下 VROP)の開発に着手した。
VROP は、インターネット上の仮想空間であるメタバースに構築したバーチャルなシステムオペレーションセンターのこと。物理的に離れた複数の拠点から VROP にアクセスし、リアルとバーチャルの融合した新たなコミュニケーション手法を用いることで、メタバースでのシステム監視やオペレーション等のシステム運用業務を実現する。2023年8月22日に、開発を進めていたバーチャルオペレーションセンターのパイロット版をローンチした。2024年1月に予定しているサービス開始に向けて顧客へのデモを進め、機能やユーザビリティの改善など、今後の開発に反映していく。

 

(同社決算説明資料より)

 

◎米国サイバーレンジのリーディングカンパニーSimSpace Corporation との戦略的提携
同社は、2022年10月、米国商用サイバーレンジNo.1カンパニー SimSpace Corporationと戦略的提携を締結し、SimSpace Corporationの日本市場参入を開始した。SimSpaceサイバーレンジを活用したサイバーセキュリティ強化を目指す顧客への、セキュリティ技術者の養成を支援する。サイバーレンジは、セキュリティ人材育成、組織としての対応プロセスの評価、そしてサイバー攻撃に対する対応の実演習を行う基盤。また、セキュリティ製品の選定や評価も行うことができる。この演習基盤を活用することにより、高度化するサイバー攻撃に対して適切に対応・判断できるセキュリティ人材の育成と、未知の攻撃に対応できるスキル修得が可能となる。

 

◎鳥取大学との医療AIシステムに関する共同研究を開始
同社は2023年3月、国立大学法人鳥取大学と、整形外科におけるX線画像診断AIシステムの設計・開発・評価の検討に関する共同研究契約を締結し、研究を開始した。本共同研究では、整形外科におけるX線画像診断AIシステムを研究開発する。鳥取大学医学部付属病院整形外科の持つ医学的見地と同社の持つ最先端技術を組み合わせ、地域医療における課題を解決する方法を研究・開発する。この取組みを通じ、新たな医療の在り方を模索し社会実装を進めることで、同社の目指す地域社会との共存共栄をはかり、持続可能な社会の実現に貢献する。

 

◎Azure OpenAI Serviceを利用した対話型AI「ID AI コンシェルジュ」を販売開始
同社は、米Microsoft社のAzure OpenAI Serviceを利用した企業専用の対話型AIチャットボットサービス「ID AI コンシェルジュ」を、2023年8月1日に販売開始した。「ID AI コンシェルジュ」は、どこでも利用可能な企業専用の対話型AIチャットボットサービスである。入力した情報はAIの学習データとして二次利用されないため、情報漏洩を心配する必要はない。企画、翻訳、議事録作成など豊富なテンプレート機能により、AIへの指示(プロンプト)を容易にし、誰でも簡単にすばやく効果的な回答を得る事が出来る。また、Pro版では、社内の規定や情報に基づいた回答を行う事が出来るようになり、社内の問合せ対応業務の効率化やアイデアの創造、情報収集やデータ分析などに活用できる。プランはLite、Proの2つあり、企業規模を問わず中小企業から手軽に目的や予算に沿って活用できる。また、コンサルティングサービスとして「導入コンサルティング」や「運用コンサルティング」、研修サービスとして「AIリテラシー研修」を用意し、AIの導入や業務利用に不安を感じている顧客を強力にサポートする。

 

4.2024年3月期業績予想

(1)連結業績

 

23/3期

構成比

24/3期

構成比

前期比

売上高

31,101

100.0%

32,800

100.0%

+5.5%

営業利益

2,424

7.8%

2,630

8.0%

+8.5%

経常利益

2,504

8.1%

2,650

8.1%

+5.8%

当期純利益

1,402

4.5%

1,520

4.6%

+8.4%

*単位:百万円。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。

 

売上高328億円、営業利益26億30百万円の計画
第1四半期が終了し、24/3期の会社計画は売上高が前期比5.5%増の328億、営業利益が同8.5%増の26億30百万円から修正なし。
同社グループが属する情報サービス業界では、新たなビジネスモデルの創出や変革に向けたDX関連のIT投資ニーズが底堅く、引き続き堅調に推移するものと予想される。また、新型コロナウイルスの影響で抑制傾向にあった顧客企業のIT投資の回復基調が続いている。こうした中、同社グループは、引き続き中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」のもと、顧客企業におけるDX推進支援を強化するとともに、自社ソリューションの充実による新規ビジネスの拡大に取り組み、さらなる収益性向上を目指す。また、EBITDAは、前期比7.8%増の32億69百万円を予定している。売上高営業利益率は、前期比0.2ポイント上昇の8.0%の計画。
配当も、1株当たり前期比5円増配の50円の予定を据え置き。予想配当性向は54.6%となる。同社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして認識し、強固な経営基盤の確保、安定収益、および自己資本利益率の向上に努め、業績に裏付けられた適正な利益配分を継続することを基本方針としている。この方針のもと、今中期経営計画期間(23/3月期~25/3月期)においては、配当に加ええて自己株式取得を含めた総還元性向 50~60%を株主還元の目途とする。
※総還元性向 =(配当総額 + 自己株式取得額)÷ 親会社株主に帰属する当期純利益

 

(2)通期業績予想に対する進捗率

 

24/3期

会社計画

24/3期

第1四半期 実績

進捗率

売上高

32,800

7,819

23.8%

営業利益

2,630

823

31.3%

経常利益

2,650

884

33.4%

親会社株主に帰属

する当期(四半期)純利益

1,520

514

33.8%

*単位:百万円

 

好調な第1四半期決算を受け、通期会社計画の達成に向け、売上高と各段階利益は高水準の進捗率となっている。

 

5.今後の注目点

同社の24/3期第1四半期は、前年同期比7.2%の増収、同30.7%の営業増益の好決算となった。これは、システムマネジメント、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育をはじめとする主要事業が好調に推移したものである。システムマネジメントでは、大手ITベンダーへの営業強化による新規案件の受注や既存取引の拡大などが寄与した。また、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育では、コンサルティングおよびサイバーセキュリティにおける受注の拡大が寄与したものである。中でもサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育は、24/3期第1四半期に前年同期比で売上高が31.4%増加し、売上総利益も同57.2%増加した。更に、2023年6月末のサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の受注残高は、前年6月末に対して、2倍以上の拡大となった。これらサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の好調が一過性の要因なのか、成長が加速してきたのか、第2四半期決算にて確認が必要である。顧客におけるIT投資とDX投資は、旺盛な需要が継続しており、第2四半期においても好調な事業環境が継続するものと期待される。続く第2四半期のシステムマネジメントとサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の業績動向が注目される。
また、現在積極的に推進しているDX関連ビジネスにおいても、順調な事業の拡大が確認された。24/3期第1四半期のDX関連売上高は、前年同期比で23%以上増加し、全社の売上高に占めるDX関連売上高の比率が52%まで高まった。DX関連ビジネスの売上総利益率は、非DX関連ビジネスよりも約6ポイント高い。DX関連ビジネスの売上高構成比の上昇は同社の収益性の向上に直結する。第2四半期において、DX関連売上高をどこまで伸ばすことができるのか、またどれ位収益性を向上することができるのか注目される。
更に、現在同社が推進しているITサービス戦略の取り組み状況からも目が離せない。時間と場所にとらわれない運用サービスの実現を目指し、バーチャル空間を活用したオペレーションセンター(VROP)の開発を進行中である。このVROPは、物理的に離れた拠点からアクセス可能で、年間サブスクリプション契約のSaaS型サービスとして、2024年1月にサービス開始を予定している。2023年8月22日に、開発を進めていたバーチャルオペレーションセンターのパイロット版をローンチした。2024年1月のサービス開始に向けて顧客へのデモを進め、機能やユーザビリティの改善など、今後の開発に反映していく予定である。加えて、同社は米Microsoft社のAzure OpenAI Serviceを利用した企業専用の対話型AIチャットボットサービスID AI コンシェルジュを、2023年8月1日に販売開始した。企画、翻訳、議事録作成など豊富なテンプレート機能により、AIへの指示(プロンプト)を容易にし、誰でも簡単にすばやく効果的な回答を得る事が出来る。また、Pro版では、社内の規定や情報に基づいた回答を行う事が出来るようになり、社内の問合せ対応業務の効率化やアイデアの創造、情報収集やデータ分析などに活用できる。VROPやID AI コンシェルジュなど先端技術を活用した新サービスの導入状況が注目される。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外3名

監査役

4名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2023年6月26日

 

<基本的な考え方>
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、(1)経営と執行の分離による透明性と健全性の確保、(2)スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、(3)アカウンタビリティー(説明責任)の明確化および(4)迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレートガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。
なお、当社のコーポレートガバナンスに関する考え方を「コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)として取りまとめ、当社ウェブサイトにおいて公開しています。(https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>

原則

開示内容

【補充原則4-11① 取締役会の多様性に関する考え方】

取締役会は、専門知識や経験等のバックグラウンドが異なる多様な取締役で構成するとともに、その機能がもっとも効果的、効率的に発揮できる員数としています。また、役員の選考については、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性と適正規模の両立にも十分配慮します。社外役員は、他社での企業経営経験者、学識教育経験者、技術経験者、会計士等をおもな対象とします。現在の社外取締役の3名は、他社での経営経験はありませんが、全員が独立社外取締役であり、かつ上記に示したような豊富な経験と幅広い見識を有しています。今後、指名報酬委員会等で次回の取締役選任時期に向けて討議を進め、多様性と適正規模を両立させる構成となるよう努めていきます。

なお、当社の取締役および監査役の個人別のスキル、多様性については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<取締役会のスキルマトリックス、多様性>

https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.htm

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】  

多様性を重視する企業文化のもと、さまざまな考え方を積極的に融合し結集することによって、グループ全体の力を最大限に発揮し、Waku-Wakuする未来創りを実現します。そのため、国籍、経験、専門性、価値観、ライフスタイル、障がい、LGBTなど、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用と登用を積極的に進め、そうした個性が活きるよう、ワークライフバランスの推進や異文化コミュニケーション研修の実施、社内文書の多言語対応の充実など、人材育成と社内環境整備を進めています。測定可能な数値目標に関しては、外国籍比率や管理職に占める女性比率に関する目標値を定め、運用しています。2023年3月末時点における

管理職に占める女性比率は16.3%です。中期的には30%達成を目指して取り組みます。管理職に占める外国籍ならびにキャリア採用者の比率については、昇進や管理職への登用にあたり、国籍や入社年度による、その他の社員との差異は生じておりませんので、特段の目標は設定しておりません。その他、人材の多様性確保や育成方針、社内環境に関する整備方針、管理職に占める外国籍比率ならびにキャリア採用比率の状況については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ(数字で見るIDグループ)>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/numbers.html

<サステナビリティ(人的資本経営に向けて)>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/human.htm

【原則3-1(i)会社の目指すところ(経営理念等)】 

当社グループは、経営理念IDentityのもと、お客さまのニーズにあった付加価値の高い情報サービスを提供し、情報化社会に貢献することを経営の基本方針とし、ミッションである「私たちはWaku-Wakuする未来創りに参加します」の実現に努めています。

経営理念や中期経営計画については当社ウェブサイトに掲載しています。また、機関投資家および個人投資家向けの説明会を定期的に開催し、積極的に情報を開示します。

<経営理念>

https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/vision.html

<中期経営計画>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/strategy.html

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み等】  

(1)自社のサステナビリティについての取組みIDグループは、持続可能な社会の実現とWaku-Wakuする未来創りに向けて、サステナビリティ基本方針に基づき、中期経営計画の基本戦略のひとつに「SDGs戦略」を掲げ、情報サービスの提供を通じた社会課題の解決に積極的に取り組みます。サステナビリティの取組みについては、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つのフレーム毎に情報開示を行っています。また、気候変動への取組みとして、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに沿って「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」毎に、情報開示を行っています。

サステナビリティについての方針と取組み、および気候変動への取組みについては当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability

<気候変動への取組み>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/environment.html

 

(2)人的資本や知的財産への投資等 

人的資本への投資については、中期経営計画の4つの基本戦略のひとつに「人材戦略」を定め、当社のDXビジネスのさらなる拡大に向けて、クラウドやサイバーセキュリティ、AI関連分野における中上級技術者の育成や、新たな発想でソリューション提案ができる企画提案型人材の育成を強化します。また、知的財産への投資については、米国ベンチャーファンドへの出資を通じて先端技術の情報収集を行うほか、AI技術を活用した画像分析システムやブロックチェーン技術を活用した改ざん検知システムの研究開発、メタバース・NFT(Non-Fungible Token)の調査研究に取り組んでいます。

人的資本等については当社ウェブサイトに掲載しています。         

<人的資本経営に向けて>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/human.html

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は以下の方針を定め、実践しています。

①株主・投資家等からの対話(面談)の申込みに対しては、株主の希望と面談のおもな関心事を踏まえたうえで、合理的な範囲で社外取締役を含む取締役または監査役、経営陣幹部、IR担当者が臨むことを基本とする。

②IR担当部門は関係各部署と協力し、建設的な対話の実現に努力する。

③個別面談のほか、決算説明会等を開催し、IR活動の充実を図る。

④対話において把握した株主・投資家等からの意見・要望について、取締役会および関連する経営陣幹部へ適時適切にフィードバックするよう努める。

⑤未公表の重要な内部情報(インサイダー情報)が外部に漏洩することを防止するため、当社の情報セキュリティースタンダードに基づき、情報管理を徹底する。

⑥対話における実効性の確保の観点から、株主名簿に基づき、定期的に株主構造の把握を行い、取締役会に報告する。

 

また、株主との対話の実施状況の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<IR基本方針>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/disclaimer.html

 

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ>

https://www.idnet-hd.co.jp/news/4110

 

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