ブリッジレポート
(4709) 株式会社IDホールディングス

プライム

ブリッジレポート:(4709)IDホールディングス 2024年3月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

舩越 真樹 社長

株式会社 IDホールディングス(4709)

 

 

会社情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

舩越 真樹

所在地

東京都千代田区五番町12-1 番町会館

決算月

3月末日

HP

https://www.idnet-hd.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,514円

16,747,458株

25,355百万円

14.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

50.00円

3.3%

91.07円

16.6倍

625.64円

2.4倍

*株価は11/22終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROEとBPSは23年3月期決算短信、DPSとEPSは24年3月期第2四半期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2021年3月(実)

25,766

1,372

1,553

747

44.37

33.33

2022年3月(実)

27,805

1,869

1,922

1,046

61.61

40.00

2023年3月(実)

31,101

2,424

2,504

1,402

84.54

45.00

2024年3月(予)

32,800

2,630

2,650

1,520

91.07

50.00

*単位:百万円、円。
*予想は会社予想。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。
*2021年7月1日付で1:1.5の株式分割を実施。DPSとEPSは2021年3月期まで遡及して再計算。

 

 

IDホールディングスの2024年3月期第2四半期決算概要と2024年3月期業績予想等についてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画
3.2024年3月期第2四半期決算概要
4.2024年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 24/3期第2四半期の売上高は前年同期比7.2%の増収、同23.0%の営業増益。売上面では、システムマネジメント、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育およびITインフラが堅調に推移した。利益面では、従業員への還元などを進めたものの、増収にともなう増益や、利益率の高いDX関連ビジネスの拡大などが寄与した。なお、当24/3期第1四半期より、従来のサービス名「システム運営管理」を「システムマネジメント」に変更した。サービス名の変更は事業内容の変更をともなうものではない。

     

  • 第2四半期が終わり、24/3期の会社計画は売上高が前期比5.5%増の328億円、営業利益が同8.5%増の26億30百万円から修正なし。引き続き中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」のもと、顧客企業におけるDX推進支援を強化するとともに、自社ソリューションの充実による新規ビジネスの拡大に取り組み、さらなる収益性向上を目指す。配当予想も、1株当たり前期比5円増配の50円を据え置き。予想配当性向は54.9%。

     

  • DX関連ビジネスの売上総利益率は、非DX関連ビジネスよりも約6ポイント高く、DX関連売上高の増加は同社の収益性の向上に結び付く。しかし、同社の上期の売上総利益率は22.5%と、前年同期比で0.1ポイントの上昇にとどまった。これは、公共関連顧客における一部案件の終了によりソフトウェア開発において、売上総利益率が前年同期比で3.2ポイント低下したことが影響した。ソフトウェア開発の挽回とDX関連売上高の構成比の上昇により、今下期の売上総利益率をどれ位高めることができるのか注目される。

     

1.会社概要

金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントを中核とする持株会社。システムマネジメントとソフトウェア開発・保守を二本柱とし、コンサルティングからソフトウェア開発、システムマネジメント等トータルのサービスを提供しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。尚、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更。2014年9月8日、東証1部に上場。2022年4月、市場再編に伴い東証プライム市場に移行。

 

 

【IDグループの強み】

IDグループの強みの一つがシステムマネジメントによる安定した収益構造である。システムマネジメントでは、国内最大級のシステムマネジメント技術者集団を抱え、長年に渡り高品質で安定的なサービスを実現し、高い参入障壁を構築している。同業務の売上高構成は4割強と高く、ストックビジネスとして業績を下支えしている。今後は従来型運用に加え、先端技術を活用したSaaS型サービス「Smart運用」による高付加価値化を目指していく。また、システムマネジメントにセキュリティ、プラットフォームなどを加えた比率は、23/3期に売上高の60%強であったが、今後同社では高付加価値化を進め、売上高の75%までの引き上げを目指している。

 

【IDグループのサービスの特徴】

◎50年の経験、大手優良企業を中心に実績は1,000社以上
同社は、1969年の会社設立以来、大手金融機関や社会インフラ企業を中心に1,000社以上の企業との取引実績がある。コンサルティングからシステム基盤、ソフトウェア開発、システムマネジメント、クラウド、サイバーセキュリティまでワンストップで提供し、顧客の様々な要望に最適な提案で対応することで、顧客より高い評価を得ている。

 

◎国内最大級の運営管理プロフェッショナル集団
同社は、顧客の業務に精通した1,600名以上ものシステムマネジメントエンジニアを有し、ソフトウェア開発やシステム基盤との連携を図り、トータルサービスの提供によって、安定したシステム運営と業務効率化を実現している。また、マルチクラウドソリューションサービスを提供し、近年需要の高い顧客のクラウドシフトを強力にバックアップしている。

 

◎ユーザ視点でシステム開発
同社は、長年蓄積した顧客のシステムに関する業務知識やノウハウを持ち、金融機関やエネルギーなど幅広い分野への開発実績がある。また、顧客のニーズに柔軟かつスピーディーに対応できるアジャイル開発も行っており、従来型の手法と使い分けることで、コスト効率の高い、安定したシステムを構築している。

 

◎DXへの対応
RPA・AIなどのデジタル技術を活用した既存ビジネスの変革(DX)に対するニーズが高まっている。同社はこうした先端技術の調査・研究を行う部門や、DXを推進する専門組織を設置し、顧客の業務変革に貢献する付加価値の高いサービスを提供している。

 

◎世界各国でグローバルな事業をサポート
2004年に中国武漢市に現地法人を設立して以来、東南アジア、北米、欧州に拠点を設立。海外ネットワークを通じ、時差を利用した24時間/365日体制で、グローバルなサービスをスピーディーに提供している。

 

◎コンプライアンスの徹底
同社は、個人情報保護や品質管理、情報セキュリティに関するマネジメント体制を確立するとともに、コンプライアンスハンドブックを全グループ社員の行動規範として活用。経営理念のIDentityにも掲げている通り、つねに「私たちは損か得かで判断するのではなく、正しいか正しくないかで行動する」ことを徹底している。

 

【サービス別の業績動向】

売上高は、システムマネジメント、ソフトウェア開発、ITインフラ、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育、その他に分かれ、サービス別の概要と売上構成比は次のとおり。なお、当24/3期第1四半期より、従来のサービス名「システム運営管理」を「システムマネジメント」に変更した。サービス名の変更は事業内容の変更をともなうものではない。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

システムマネジメント(24/3期第2四半期売上構成比45.3%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客のシステムを24時間365日運用・監視し、社会の重要インフラを支える業務である。また、オフショアを活用した高品質・廉価な一括受託にも対応している。参入障壁が高く、ストックビジネスとして確実に収益を確保できる事業であり、今後データセンター市場の規模拡大により同事業の需要が増加する見込みである。23/3期のシステムマネジメント、セキュリティ、プラットフォームからなる従来型運用の売上高は全社の売上の61.7%を占めているが、今後75.0%までの引き上げを目指している。従来型運用からSmart運用への移行を進め、新たなシステムマネジメントを創出し、高付加価値化を推進する。

 

ソフトウェア開発(24/3期第2四半期売上構成比35.5%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ総合システムビルダーとして多くのソフトウェア開発実績を築いている。グループ内にコンサルティング、オフショア(海外子会社に委託開発)、ニアショア(地方事業所での開発)体制を構築しており、多数の高度な専門技術者が高品質なサービスを実現。国内外の有力先進企業と提携し、顧客の既存ビジネスの強化・拡大、新たな領域への挑戦を支援しており、常に技術・品質の向上に努めている。

 

ITインフラ(24/3期第2四半期売上構成比8.8%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へシステム運用部門・ソフトウェア開発部門・セキュリティ部門と連携し、高品質なシステム基盤を提供。メーカーソフトやシェルスクリプトなどを駆使し、環境の自動起動からバックアップ取得、更に障害時自動切替などの設計・構築を行うことで、システムの安定稼働やコスト削減・省力化を実現している。また、同社は独立系として、特定のハードやOS・開発言語にとらわれることなく、顧客目線での最適なシステム基盤を構築している。

 

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育(24/3期第2四半期売上構成比9.4%)
海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供。同社は、様々なベンダーの製品を取り扱っており、特定ベンダーにこだわることなく、顧客の環境、要望、状況に応じて、最適な製品を柔軟に組み合わせ、提案している。

 

その他(24/3期第2四半期売上構成比1.0%)
システムマネジメント、ソフトウェア開発、サイバーセキュリティ環境の構築などに付随した製品販売などがある。

 

24/3期第2四半期累計の売上高は159億38百万円であった。大手ITベンダーへの営業強化による新規案件の受注や既存取引の拡大などにより、システムマネジメントの売上高が前年同期比で増加した。また、大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大や、金融関連顧客における受注拡大などが寄与したソフトウェア開発や、金融関連顧客における大型案件の受注や大手ITベンダー及び製造関連顧客における取引の拡大があったITインフラでも売上高が前年同期比で増加した。更に、コンサルティングおよびサイバーセキュリティにおける受注拡大があったサイバーセキュリティ・コンサルティング教育においても売上高が前年同期比で大幅に増加した。
 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

同社のDX関連ビジネスは、既存のITサービスに、クラウドやAI、IoTなどの先端技術を組み合わせ、顧客のDXを推進するビジネスであり、セキュリティ・ITインンフラ、遠隔支援・高度開発・高度運用、クラウド、コンサル・研修、自動化・効率化などからなる。24/3期第2四半期累計のDX関連売上高は、高度開発・高度運用、ITインフラ、コンサルを中心に拡大し84億38百万円となり、連結売上高の約52.9%(前年同期は売上高69億51百万円で売上高構成比約46.8%)を占める規模となった。また、24/3期第2四半期のDX関連の売上総利益率は25.7%となり、前年同期比で0.6ポイント上昇した。なお、DX関連の売上総利益率は、非DX関連ビジネスよりも約6ポイント高い。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*24/3期より、「高度運用」区分が追加された。

 

24/3期第2四半期累計期間において、戦略グループ別では、新規案件の受注や既存取引の拡大が寄与したIBMグループ、ITインフラにおける大型案件の受注やソフトウェア開発における受注拡大が寄与した主要顧客(金融)、製造、公共、運輸、放送関連顧客における取引の拡大が寄与した主要顧客(金融以外)などの売上高が前年同期比で増加した。なお、IBMグループが売上高の16.9%を占めるが、IBMグループの内訳は、キンドリルジャパンが売上高の8.3%、MIデジタルサービスが同5.8%、日本IBMが同2.9%となった。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

大手優良企業を中心に1,000社以上の実績があり、エンドユーザー業種別では特に金融や公共向けの売上高が6割以上を占めている。24/3期第2四半期累計期間のエンドユーザー業種別売上高は、情報・通信が前年同期比9.9%増、製造が同12.7%増、運輸が同16.9%増と伸びが大きくなった。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*その他は、「メディア」、「ヘルスケア」、「建設・不動産」、「卸売・小売・飲食店」 等

 

【グローバル展開】

同社グループは2004年に中国(武漢市)に現地法人を設立して以来、シンガポール、アメリカ、ミャンマーに子会社を設立。
これらの拠点及び海外アライアンスパートナーとの協業により、中国(武漢、無錫、上海)、シンガポール、ミャンマー、アメリカ、イギリス、オランダにおいて、海外でも高品質のデータセンターの運用・保守サービスを受けたい、システム開発を高品質かつ短納期で行いたい、サイバー攻撃に備えるセキュリティ対策を万全にしたいという顧客のニーズに対して、グローバルなIT高品質サービスをスピーディーに提供することを目指している。今後も世界各国の地域に根差したセールス・生産ネットワークを強化し、グローカルなITサービスモデルの確立を推進する。

 

(同社決算説明資料より)

 *株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

【情報サービス業の動向】

(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」を基に株式会社インベストメントブリッジ作成)

 

内閣府が11月15日に発表した23年7-9月の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%減(年率換算で2.1%減)と3四半期ぶりのマイナス成長となった。賃金の伸びが物価上昇に追いついていないことが消費を圧迫するなど、内需が力強さを欠いた。同社の業績とも関連性が深い民間企業設備(実質)も、同0.6%減と、2四半期連続のマイナスとなった。半導体製造装置などへの支出が減少した。一方、経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(11月17日発表、23年9月分確報値)によると、9月の情報サービス産業売上高は前年同月比6.6%増と18ヶ月連続のプラスとなった。また、同社と関連性の高い受託ソフトウェアの売上高は前年同月比8.5%増、システム等管理運営受託の売上高も同4.3%増のプラス成長となった。同社を取り巻く業界環境は引き続き堅調に推移しているものと思われる。

 

2.中期経営計画

【中期経営計画「Next 50 EpisodeⅡ 「Ride on Time」(2023年3月期~2025年3月期)】

1.概要
同社は、2023 年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」を策定し、2022年4月28日に公表した。新中期経営計画では、前中期経営計画で構築した事業基盤のもと、顧客ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業と連携して顧客企業の DX 推進支援を強化し、それを支える高度技術者や企画提案型人材を育成する。また今後の成長分野であるクラウドやサイバーセキュリティの領域における同社独自のソリューション開発に努めるほか、社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化や、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組む。変化の速い IT 業界において、時流を的確にとらえ、「Waku-Waku する未来」を届ける IT エンジニアリングパートナーを目指す。
「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」は、3つの基本方針「同社 DX ポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開」、「高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化」、「管理部門の高度化と事業部門への人材シフト」からなり、4つの基本戦略「IT サービス戦略」、「人材戦略」、「ニューノーマル戦略」、「SDGs 戦略」を推進する。当初の数値目標は、最終年度である25/3期に、売上高320億円、営業利益25億50百万円、営業利益率8.0%であった。しかし、同社は24/3期の目標数値を23/3期に前倒しで達成したことから、数値目標の修正を行った。新しい中期経営計画では、最終年度の25/3期に、売上高350億円、営業利益30億円、営業利益率8.6%の達成を目標としている。

 

【重点数値目標】

 

22/3期

実績

23/3月期

当初目標

23/3期

実績

24/3期

当初目標

24/3期

修正後

25/3期

当初目標

25/3期

修正後

27/3期

当初目標

売上高

278億円

290億円

311億円

304億円

328億円

320億円

350億円

400億円

営業利益

(営業利益率)

18.6億円

(6.7%)

19.5億円

(6.7%)

24.2億円

(7.8%)

22.0億円

(7.2%)

26.3億円

(8.0%)

25.5億円

(8.0%)

30.0億円

(8.6%)

32.0億円

(8.0%)

DX売上高

(DX比率)

126億円

(45.6%)

139億円

(48.0%)

148億円

(47.6%)

161億円

(53.0%)

173億円

(53.0%)

192億円

(60.0%)

210億円

(60.0%)

280億円

(70.0%)

EBITDA

(EBITDA比率)

24.9億円

(9.0%)

25.8億円

(8.9%)

30.3億円

(9.8%)

28.0億円

(9.2%)

32.6億円

(10.0%)

31.0億円

(9.7%)

35.5億円

(10.1%)

40.0億円

(10.0%)

*EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額

 

【新中期経営計画の目指す姿】
同社の新中期経営計画の目指す姿は、「5つのステークホルダーへ Waku-Wakuする未来をお届けするITエンジニアリングパートナーを目指して。ともにRide on Time!」である。5つのステークホルダーとのエンゲージメントを強め数値目標を達成する。

 

ステークホルダー

内容

数値目標

顧客

高付加価値サービスの提供

DX売上高比率60%

ビジネスパートナー

DX分野の協業深化

単価5%UP

社員

Happiness

年収5%UP

社会

事業活動を通じた課題解決

SDGsの推進

株主

持続的な安定配当

時価総額250億

 

(同社中期経営計画より)

 

【3つのテーマ】
①同社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開
②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化
③管理部門の高度化と事業部門への人材シフト

 

 

2.4つの基本方針と戦略

①ITサービス戦略

よりニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長

分野を対象とした自社ソリューション開発に努める。

②人材戦略

DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度をさらに充実し、中上級技術者

および企画提案人材の育成を加速する。

③ニューノーマル戦略

社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理

部門の構築を図り、事業部門への人員の再配置を進める。

④SDGs戦略

事業活動を通じてサステナビリティへの取り組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の

向上」の好循環を目指す。

(同社中期経営計画より)

 

①ITサービス戦略(DXポートフォリオ)
既存のベース事業において、顧客の価値を高め収益を確保するとともに、顧客の価値創出をDX技術の活用により、推進支援する。加えて、自社のDXソリューションのサービス化により新規事業を創出する。更に、顧客とともに持続的に価値を創出する。

 

(同社中期経営計画より)

 

【ベース事業】
従来型の運用・開発で成長の基盤を確保し、顧客の価値を高める。

 

【DX推進支援】
Smart運用とDX開発など、AI、ローコード等の先端技術を活用するとともに、国内外拠点でリモートと分散開発を推進し、顧客の価値創出を支援する。

 

【自社ソリューション】
自社のDXソリューションをサービス化し、新規事業を創出する。
◆ID-Cross
導入・マネージドサービス、脆弱性判別・情報提供、PC管理、RPAリモート保守などをマルチクラウドで提供する自社ソリューションの「ID-Cross」を医療、エネルギー、公共分野の顧客へ提供する。
◆ID Ashura
セキュリティ(アドバイザリー&スコアリング)、サイバー脅威遡及分析、EDR(エンドポイントの監視を強化し、サイバー攻撃を検出して対応すること)、サイバー防御演習などを、製造、建設、物流、医療、公益分野の顧客へ提供する。損保ジャパン株式会社と提携を行った。

 

【共創DX】
自動化ツール、AI、クラウド等を活用した、次世代型運用であるSmart運用の提供を通じて、顧客とともに持続的に価値を創出する。また、ブロックチェーン関連のベンチャーであるSCALARに出資した。

 

◆Smart運用
従来型運用に加え、先端技術を活用したSaaS型サービス「Smart運用」に注力する。手作業、オンプレ、オンサイトが一般的な従来型運用を、自動化ツール、クラウド、リモートを活用したシステム運用へ進化させ、大手銀行・地方銀行へ展開する。同社は、コスト削減だけでなく生産性向上と品質改善を同時に実現することが可能となる。

(同社決算説明資料より)

 

◆次世代システム運用コンソーシアムの設立
同社は、日本のITシステム運用の課題解決とプレゼンス向上を目指す「次世代システム運用コンソーシアム(NGSM)」をキンドリルジャパン株式会社とユーザー企業、IT企業の7社で設立した。

(同社決算説明資料より)

 

②人材戦略(育成)
更なる成長に向けてDX関連技術者の育成を強化する。
具体的な人材育成施策として、①日本型ジョブディスクリプション制度の構築と運用、②人材マネジメントシステム活用と戦略的人事運営、③各層の連続的な次世代育成(リスキリング)、④メタバース、NFT(非代替性トークン)などWEB3.0世代の技術者育成を実施する。これらを通じて、23/3期末で1,567人のDX関連技術者(連結従業員の66.7%)を、24/3期に1,700人、25/3期に1,800人まで育成する。
なお、2023年9月末時点で、DX技術者数は1,659人まで増加した。

 

 

23/3期 (実績)

24/3期 (目標)

25/3期 (目標)

DX関連技術者数

1,567人

1,700人

1,800人

*2023年7月より経済産業省&IPAが策定のDX推進スキル標準に基づき、「DX関連技術者」の定義、目標人数の見直しを実施。

 

③ニューノーマル戦略(管理部門の高度化)
業務効率化により管理部員を事業部門へシフトし、収益寄与分を社員に還元する。業務の効率化・簡素化のため、情報共有基盤の導入によるデータの一元化とプロセスの削除、業務のデジタル化を推進する。また、本社機能の分散化のため、山陰・海外拠点へ本社機能の一部を移管する。また、ヘッドオフィスとシェアードオフィスの機能の整理を行う。更に、経営管理・企画機能の強化のため、基幹システムの刷新によるデータの集約と利活用を推進する。これらを通じて、22/3期の管理部門190名を25/3期に140名へ削減するとともに、22/3期の販管費率17.3%を25/3期に13.9%へ引き下げる。

 

④SDGs戦略
事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値を向上させる。

(同社中期経営計画より)

 

【取り組むSDGs(抜粋)】
同社は、事業活動を通じて、さまざまな社会課題の解決に向けた取組みを行っている。代表的な事例は下記の通り。

事業活動

SDGs17の目標

◆障がい者雇用による植物栽培

◆子供食堂の支援

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.全ての人に健康と福祉を

◆DXソリューションサービスの提供

ID-Cross、ID Ashura、ID-VROP

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

12.つくる責任 つかう責任

◆ジェンダーフリーの実現

◆グローバル人材の採用・活用

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

10.人や国の不平等をなくそう

 

文化芸術活動支援

◆メセナ活動を通じ、多くの芸術家を支援

外部からの評価

◆「健康経営優良法人 ~ホワイト500~」に4年連続で認定

◆NIKEI Smart Work 2024  3つ星半   「人材活用力」がS評価

◆NIKEI SDGs 経営調査   星3つ   「社会価値」がS評価

 

【中期経営計画の主要KPI】

 

主要KPI

23/3期

(実績)

24/3期

(目標)

25/3期

(目標)

ITサービス戦略

DX売上高

148億円

173億円※

210億円※1

DX売上高比率

47.6%

53%

60%

人材戦略

DX資格取得件数(年間)

315件

1,000件

1,000件

DX技術者数※2

1,567人

1,700人

1,800人

女性従業員比率

23.0%

28%

30%

女性管理職比率

16.3%

25%

30%

外国籍社員比率

7.9%

13%

15%

ニューノーマル戦略

販管費率の改善

14.1%

14.6%

13.9%

SDGs戦略

CO2の削減(電力使用由来による)

*2021年3月期比 電力使用量

100%減

18%減

20%減

紙の使用量の削減

*2021年3月期比

30.9%減

20%減

23%減

環境ボランティア活動の参加

(年間延べ人数)

228人

200人

200人

※1中期経営計画の数値目標の修正にともない、目標の修正を実施
※22023年7月より経済産業省&IPAが策定のDX推進スキル標準に基づき、「DX関連技術者」の定義、目標人数の見直しを実施

 

3.2024年3月期第2四半期決算概要

(1)連結業績

 

23/3期 第2四半期累計

構成比

24/3期 第四半期累計

構成比

前年同期比

売上高

14,861

100.0%

15,938

100.0%

+7.2%

売上総利益

3,324

22.4%

3,583

22.5%

+7.8%

販管費

2,169

14.6%

2,162

13.6%

-0.3%

営業利益

1,155

7.8%

1,421

8.9%

+23.0%

経常利益

1,209

8.1%

1,504

9.4%

+24.5%

四半期純利益

680

4.6%

844

5.3%

+24.0%

*単位:百万円。
*四半期純利益は、親会社株主に帰属する四半期純利益。

 

前年同期比7.2%の増収、同23.0%の営業増益
売上高は前年同期比7.2%増の159億38百万円、営業利益は同23.0%増の14億21百万円。
同社は、当24/3期第1四半期より、従来のサービス名「システム運営管理」を「システムマネジメント」に変更した。サービス名の変更は事業内容の変更をともなうものではない。
売上面では、システムマネジメント、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育およびITインフラが堅調に推移した。
利益面では、従業員への還元などを進めたものの、増収にともなう増益や、利益率の高いDX関連ビジネスの拡大などが寄与した。売上総利益率は22.5%と前年同期比0.1ポイント上昇し、販管費比率は13.6%と同1ポイント低下した。以上により、営業利益率は8.9%と同1.1ポイント上昇した。また、経常利益は同24.5%増の15億4百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同24.0%増の8億44百万円となった。営業外収益における為替差益31百万円(前年同期は5百万円の為替差益)が前年同期からの損益変動要因の大きなものとなった。その他、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、前年同期比18.4%増の17億22百万円となった。

 

サービスごとの業績動向

 

23/3期

第2四半期累計

24/3期

第2四半期累計

前年同期比

増減額

増減率

システムマネジメント

売上高

6,641

7,213

+571

+8.6%

売上総利益

1,476

1,591

+114

+7.8%

売上総利益率

22.2%

22.1%

-0.1P

-

ソフトウェア開発

売上高

5,647

5,659

+11

+0.2%

売上総利益

1,210

1,028

-181

-15.0%

売上総利益率

21.4%

18.2%

-3.2P

-

ITインフラ

売上高

1,228

1,396

+167

+13.6%

売上総利益

310

420

+110

+35.5%

売上総利益率

25.3%

30.1%

+4.8P

-

サイバーセキュリティ・

コンサルティング・教育

売上高

1,130

1,502

+371

+32.9%

売上総利益

315

488

+172

+54.6%

売上総利益率

27.9%

32.5%

+4.6P

-

その他

売上高

212

166

-45

-21.5%

売上総利益

10

54

+43

+398.7%

売上総利益率

5.1%

32.6%

+27.5P

-

合計

売上高

14,861

15,938

+1,076

+7.2%

売上総利益

3,324

3,583

+258

+7.8%

売上総利益率

22.4%

22.5%

+0.1P

-

*単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

システムマネジメントの売上高は、前年同期比8.6%増の72億13百万円となった。大手ITベンダーへの営業強化による新規案件の受注や既存取引の拡大などが寄与した。売上総利益は、同7.8%増の15億91百万円、売上総利益率は同0.1ポイント低下の22.1%となった。

 

ソフトウェア開発の売上高は、前年同期比0.2%増の56億59百万円となった。公共関連顧客における一部案件の終了があったものの、大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大や、金融関連顧客における受注の拡大などが寄与した。売上総利益は、同15.0%減の10億28百万円、売上総利益率は同3.2ポイント低下の18.2%となった。

 

ITインフラの売上高は、前年同期比13.6%増の13億96百万円となった。金融関連顧客における大型案件の受注や、大手ITベンダーおよび製造関連顧客における取引の拡大などが寄与した。売上総利益は、同35.5%増の4億20百万円、売上総利益率は同4.8ポイント上昇の30.1%となった。

 

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育の売上高は、前年同期比32.9%増の15億2百万円となった。コンサルティングおよびサイバーセキュリティにおける受注拡大などが寄与した。売上総利益は、同54.6%増の4億88百万円、売上総利益率は同4..6ポイント上昇の32.5%となった。

 

その他の売上高は、前年同期比21.5%減の1億66百万円となった。製品販売における受注拡大があったものの、一部案件のサービス区分変更などが影響した。売上総利益は、同398.7%増の54百万円、売上総利益率は同27.5ポイント上昇の32.6%となった。

 

営業利益の増減要因

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

上期の業績推移

24/3期上期は、前年同期比で増収増益となり売上営業利益率も上昇した。20/3期上期以降との比較では、売上高、営業利益、売上高営業利益率ともに高水準となった。

 

第2四半期(7-9月)の業績推移

24/3期第2四半期(7-9月)は、前年同期比増収増益となり、売上高、営業利益ともに高水準となった。

 

(2)サービス別受注残高の状況

 

2022年9月末

2023年9月末

増減額

増減率

システムマネジメント

1,804

2,037

233

+12.9%

ソフトウエア開発

1,448

1,048

-400

-27.6%

ITインンフラ

433

442

9

+2.1%

サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育

784

1,522

738

+94.1%

その他

153

82

-71

-46.4%

合計

4,624

5,132

508

+11.0%

※単位:百万円

 

2023年9月末の受注残高は、前年同月末比で11.0%の増加となった。ソフトウエア開発の受注残高が減少したものの、システムマネジメントやサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育などの受注残高が増加した。

 

(3)経営施策の取組み状況

同社は現中期経営計画において推進する、①「顧客のDX推進支援の強化」と「自社のソリューション開発」という同社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開、②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化、③管理部門の高度化と事業部門への人材シフトからなる3つの基本テーマの実現に向けて、「ITサービス戦略」「人材戦略」「ニューノーマル戦略」「SDGs戦略」の4つの基本戦略を掲げている。

 

◎ITサービス戦略
ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長分野を対象とした自社ソリューション開発に努める。3月に鳥取大学と締結した共同研究契約をもとに、整形外科におけるX線画像診断AIシステムに関する研究を進めている。また、「ChatGPT」のAPIを利用した企業専用の対話型AIチャットボットサービスを開発、社内利用を進めるとともに、8月には顧客の用途に合わせてプランの選択が可能な「ID AI コンシェルジュ」の販売を開始した。更に、かねてより開発を進めていたバーチャルオペレーションセンター(VROP)のパイロット版をリリース、2024年1月に予定しているサービス開始に向けて開発を加速させている。

 

◎人材戦略
DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度のさらなる充実を図り、中上級技術者および企画提案型人材の育成を加速させる。具体的な取組みとして、経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が策定した「デジタルスキル標準」をベースに、DXを推進する人材の役割(ロール)ごとの育成ロードマップを整理し社内に展開している。また、グループ全社員のAIリテラシー強化を図るべく、フェローによる社内研修を実施するとともにオンライン学習プランを約300名の社員に提供するなど、AI技術者の育成を進めている。

 

◎ニューノーマル戦略
社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理部門の構築を図る。管理部門業務のデジタル化および部署間・業務間の連携自動化、情報の一元化などを進め、セキュアで柔軟な社内ネットワークへと変革すべく、ゼロトラスト環境を構築した。更に、業務の効率化とシームレスなコミュニケーションを実現し、グループ全体の生産性
を向上させるため社内システムを刷新した。各種取組みを通じて業務フローの最適化を実現し、管理部門をはじめとした社内環境の抜本的な改革に繋げていく。

 

◎SDGs戦略
事業活動を通じてサステナビリティへの取組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の向上」の好循環を目指す。人的資本経営にかかる取組みの可視化を目的として、グループ全体の人的資本情報や取組みをコーポレートサイトのサステナビリティ「人的資本経営に向けて」のページに公開した。また、さまざまな人が利用可能な「誰でもトイレ」を本社ビルに設置したほか、「睡眠」にフォーカスした健康経営セミナーの開催や社員の禁煙をサポートするなど、社員の働きやすい環境作りと健康推進に取り組んでいる。更に、社会貢献活動や文化芸術活動支援として、昨年度に引き続き「IDグループ献血DAY」、クラシックコンサートを開催した。

(4)財政状態とキャッシュ・フロー

財政状態

 

23年3月

23年9月

 

23年3月

23年9月

現預金

5,069

4,913

仕入債務

1,209

1,213

売上債権

5,906

4,994

短期有利子負債

1,775

758

未収入金

153

261

賞与・役員賞与引当金

1,165

1,143

流動資産

11,649

11,434

長期有利子負債

350

250

有形固定資産

1,327

1,351

負債

7,087

6,185

無形固定資産

1,457

1,219

純資産

10,432

11,199

投資その他

3,085

3,379

負債・純資産合計

17,519

17,384

固定資産

5,870

5,950

有利子負債合計

2,125

1,008

*単位:百万円

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2023年9月末の総資産は前期末比1億34百万円減少の173億84百万円。資産面では契約資産、未収入金、投資有価証券などが主な増加要因となり、現預金、売上債権、のれんなどが主な減少要因となった。負債・純資産面では流動負債のその他、繰延税金負債、親会社株主に帰属する四半期純利益による利益剰余金、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定などが主な増加要因となり、短期と長期の有利子負債、退職給付に係る負債などが主な減少要因となった。有利子負債は、前期末比11億16百万円の減少となった。自己資本比率は64.1%と前期末比4.8ポイント上昇した。

 

キャッシュ・フロー

 

23/3期 

第2四半期累計

24/3期

第2四半期累計

前年同期比

営業キャッシュ・フロー

364

1,447

+1,082

+296.8%

投資キャッシュ・フロー

-265

-254

+10

-

フリー・キャッシュ・フロー

99

1,192

+1,092

+1,097.2%

財務キャッシュ・フロー

-1,119

-1,548

-428

-

現金及び現金同等物の期末残高

3,821

4,554

+732

+19.2%

*単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

CFの面から見ると、税金等調整前四半期純利益、未払費用の増加、売上債権の減少などにより営業CFのプラスが拡大した。定期預金の払戻による収入の増加などにより投資CFのマイナスが縮小し、フリーCFのプラスも拡大した。一方、短期借入金の減少や配当金の支払額の増加などにより財務CFのマイナスは拡大。以上により、期末のキャッシュ・ポジションは前期比19.2%増加した。

 

(5)先端技術の活用

◎バーチャル空間を活用したオペレーションセンターの開発を進行中
同社の連結子会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントとINFORMATION DEVELOPMENT AMERICA INC.(本社:米国マサチューセッツ州)は 2023年3月、システム運用のあり方を変革し、新たな価値を創出する取組みとして、デジタルツインを活用したバーチャルオペレーションセンター(以下 VROP)の開発に着手した。
VROP は、インターネット上の仮想空間であるメタバースに構築したバーチャルなシステムオペレーションセンターのこと。物理的に離れた複数の拠点から VROP にアクセスし、リアルとバーチャルの融合した新たなコミュニケーション手法を用いることで、メタバースでのシステム監視やオペレーション等のシステム運用業務を実現する。2023年8月22日に、開発を進めていたバーチャルオペレーションセンターのパイロット版をローンチした。2024年1月に予定しているサービス開始に向けて顧客へのデモを進め、機能やユーザビリティの改善など、今後の開発に反映していく。

 

(同社決算説明資料より)

 

◎仮想空間でサイバー対策のレッスン
サイバーレンジは、日々高度化するサイバー攻撃を再現し、訓練することができる仮想の演習環境である。同社は、米国のサイバーレンジNo.1企業であるSimSpace社と協業し、顧客のセキュリティ人材の育成を支援する。

 

◎AIがレントゲン画像を読み取り、診断
同社は、鳥取大学医学部付属病院の知見と同社の最先端技術を組み合わせ、X線画像診断を行うAIシステムの共同研究を進めている。AIの活用により、医師の業務支援や地域医療における課題解決を目指す。

 

◎先端技術を利用した特許の取得同社は、ブロックチェーンを利用した診療情報の共有管理ソリューションに関する特許を取得した。この技術は高いセキュリティを実現し、病院間での診療情報の安全な共有と、医療サービスの品質向上に寄与する。今後は電子カルテ等の診療情報システムでの活用を目指す。
※特許番号:特許第7357174号 発明の名称:閲覧手続管理システム、閲覧手続管理方法

 

4.2024年3月期業績予想

(1)連結業績

 

23/3期

構成比

24/3期

構成比

前期比

売上高

31,101

100.0%

32,800

100.0%

+5.5%

営業利益

2,424

7.8%

2,630

8.0%

+8.5%

経常利益

2,504

8.1%

2,650

8.1%

+5.8%

当期純利益

1,402

4.5%

1,520

4.6%

+8.4%

*単位:百万円。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。

 

売上高328億円、営業利益26億30百万円の計画
第2四半期が終了し、24/3期の会社計画は売上高が前期比5.5%増の328億円、営業利益が同8.5%増の26億30百万円から修正なし。
同社グループが属する情報サービス業界では、新たなビジネスモデルの創出や変革に向けたDX関連のIT投資ニーズが底堅く、引き続き堅調に推移するものと予想される。また、新型コロナウイルスの影響で抑制傾向にあった顧客企業のIT投資の回復基調が続いている。こうした中、同社グループは、引き続き中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」のもと、顧客企業におけるDX推進支援を強化するとともに、自社ソリューションの充実による新規ビジネスの拡大に取り組み、さらなる収益性向上を目指す。また、EBITDAは、前期比7.8%増の32億69百万円を予定している。売上高営業利益率は、前期比0.2ポイント上昇の8.0%の計画。
配当も、1株当たり前期比5円増配の50円の予定を据え置き。予想配当性向は54.9%となる。同社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして認識し、強固な経営基盤の確保、安定収益、および自己資本利益率の向上に努め、業績に裏付けられた適正な利益配分を継続することを基本方針としている。この方針のもと、今中期経営計画期間(23/3月期~25/3月期)においては、配当に加ええて自己株式取得を含めた総還元性向 50~60%を株主還元の目途とする。
※総還元性向 =(配当総額 + 自己株式取得額)÷ 親会社株主に帰属する当期純利益

 

DX関連売上高の目標
ベース事業で収益を確保しつつ、顧客のDX推進支援と自社ソリューションの拡大を通じて、24/3期に連結売上高の約53%となる173億円(23/3期は連結売上高の約47.6%の売上高148億)のDX関連売上高を目指す。
また、目標の達成に向けDX関連技術者の育成を強化し、24/3期に1,700人(23/3期は1,567人)のDX技術者体制とし、更なる収益性の向上を図る。

 

DX関連売上高

DX売上高比率

DX関連技術者

2023年3月期(実績)

148億円

47.6%

1,567人

2024年3月期(目標)

173億円

53.0%

1,700人

 

(2)通期業績予想に対する上期決算の進捗率と下期の業績推移

 

24/3期

会社計画

24/3期

上期 実績

進捗率

売上高

32,800

15,938

48.6%

営業利益

2,630

1,421

54.0%

経常利益

2,650

1,504

56.8%

親会社株主に帰属

する当期(四半期)純利益

1,520

844

55.5%

*単位:百万円

 

好調な上期決算を受け、通期会社計画の達成に向け、売上高と各段階利益は高水準の進捗率となっている。

 

24/3期下期は、前年同期比で増収ながら営業減益で、営業利益率も低下する保守的な会社計画となっている。

 

5.今後の注目点

同社の24/3期第2四半期累計決算は、前年同期比7.2%の増収、同23.0%の営業増益の好決算となった。これは、システムマネジメント、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育およびITインフラが堅調に推移したものである。好調な上期決算を受け、通期会社計画の達成に向け、売上高と各段階利益は高水準の進捗率となっている。また、2023年9月末の受注残高は、前年同月末比で11.0%の増加となった。システムマネジメントやサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育などの受注残高の増加が寄与したものである。好調な上期決算と高水準の受注残の消化により、通期会社計画の上振れが期待される。同社では第3四半期の業績動向を踏まえ通期会社計画の修正を判断するものと思われる。中期経営計画の最終年度である25/3期の目標営業利益30億円の達成に向け、今期にどこまで貯金を作れるのか、その鍵を握る第3四半期の業績動向と受注残高の状況が注目される。
また、現在積極的に推進しているDX関連ビジネスにおいても、順調な事業の拡大が確認された。24/3期第上期のDX関連売上高は、前年同期比で21%以上増加し、売上高全体に占めるDX関連売上高の構成比は、前年同期より6.1ポイント上昇し52.9%となった。DX関連ビジネスの売上総利益率は、非DX関連ビジネスよりも約6ポイント高く、DX関連売上高の構成比の上昇は同社の収益性の向上につながる。しかし、同社の上期の売上総利益率は22.5%と、前年同期比で0.1ポイントの上昇にとどまった。これは、公共関連顧客における一部案件の終了によりソフトウェア開発において、売上総利益率が前年同期比で3.2ポイント低下したことが影響した。24/3期のDX関連売上高の構成比の目標は53%である。目標とするDX関連売上高の構成比を達成できるのか、これにより今下期の売上総利益率はどれ位向上するのか注目される。
好調な業績の一方、ソフトウェア開発では上期の売上高が前年同期比で微増にとどまり、上期末時点の受注残高も前上期末に比べ減少したのは残念であった。これは、公共関連顧客における一部案件の終了が影響したものであるが、今後の巻き返しに期待したい。今後いかなる施策によりソフトウェア開発の成長性を高めるのか注目される。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外3名

監査役

4名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2023年11月21日

 

<基本的な考え方>
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、(1)経営と執行の分離による透明性と健全性の確保、(2)スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、(3)アカウンタビリティー(説明責任)の明確化および(4)迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレートガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。
なお、当社のコーポレートガバナンスに関する考え方を「コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)として取りまとめ、当社ウェブサイトにおいて公開しています。(https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>

原則

開示内容

【補充原則4-11① 取締役会の多様性に関する考え方】

取締役会は、専門知識や経験等のバックグラウンドが異なる多様な取締役で構成するとともに、その機能がもっとも効果的、効率的に発揮できる員数としています。また、役員の選考については、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性と適正規模の両立にも十分配慮します。社外役員は、他社での企業経営経験者、学識教育経験者、技術経験者、会計士等をおもな対象とします。現在の社外取締役の3名は、他社での経営経験はありませんが、全員が独立社外取締役であり、かつ上記に示したような豊富な経験と幅広い見識を有しています。今後、指名報酬委員会等で次回の取締役選任時期に向けて討議を進め、多様性と適正規模を両立させる構成となるよう努めていきます。

なお、当社の取締役および監査役の個人別のスキル、多様性については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<取締役会のスキルマトリックス、多様性>

https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.htm

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】  

多様性を重視する企業文化のもと、さまざまな考え方を積極的に融合し結集することによって、グループ全体の力を最大限に発揮し、Waku-Wakuする未来創りを実現します。そのため、国籍、経験、専門性、価値観、ライフスタイル、障がい、LGBTなど、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用と登用を積極的に進め、そうした個性が活きるよう、ワークライフバランスの推進や異文化コミュニケーション研修の実施、社内文書の多言語対応の充実など、人材育成と社内環境整備を進めています。

測定可能な数値目標に関しては、外国籍比率や管理職に占める女性比率に関する目標値を定め、運用しています。2023年3月末時点における管理職に占める女性比率は16.3%です。中期的には30%達成を目指して取り組みます。

管理職に占める外国籍ならびにキャリア採用者の比率については、昇進や管理職への登用にあたり、国籍や入社年度による、その他の社員との差異は生じておりませんので、特段の目標は設定しておりません。

その他、人材の多様性確保や育成方針、社内環境に関する整備方針、管理職に占める外国籍比率ならびにキャリア採用比率の状況については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ(数字で見るIDグループ)>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/numbers.html

<サステナビリティ(人的資本経営に向けて)>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/human.html

【原則3-1(i)会社の目指すところ(経営理念等)】 

当社グループは、経営理念IDentityのもと、お客さまのニーズにあった付加価値の高い情報サービスを提供し、情報化社会に貢献することを経営の基本方針とし、ミッションである「私たちはWaku-Wakuする未来創りに参加します」の実現に努めています。

経営理念や中期経営計画については当社ウェブサイトに掲載しています。また、機関投資家および個人投資家向けの説明会を定期的に開催し、積極的に情報を開示します。

<経営理念>

https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/vision.html

<中期経営計画>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/strategy.htm

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み等】  

(1)自社のサステナビリティについての取組み

IDグループは、持続可能な社会の実現とWaku-Wakuする未来創りに向けて、サステナビリティ基本方針に基づき、中期経営計画の基本戦略のひとつに「SDGs戦略」を掲げ、情報サービスの提供を通じた社会課題の解決に積極的に取り組みます。

サステナビリティの取組みについては、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つのフレーム毎に情報開示を行っています。

また、気候変動への取組みとして、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに沿って「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」毎に、情報開示を行っています。

サステナビリティについての方針と取組み、および気候変動への取組みについては当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability

<気候変動への取組み>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/environment.html

 

(2)人的資本や知的財産への投資等 

人的資本への投資については、中期経営計画の4つの基本戦略のひとつに「人材戦略」を定め、当社のDXビジネスのさらなる拡大に向けて、クラウドやサイバーセキュリティ、AI関連分野における中上級技術者の育成や、新たな発想でソリューション提案ができる企画提案型人材の育成を強化します。

また、知的財産への投資については、米国ベンチャーファンドへの出資を通じて先端技術の情報収集を行うほか、AI技術を活用した画像分析システムやブロックチェーン技術を活用した改ざん検知システムの研究開発、メタバース・NFT(Non-Fungible Token)の調査研究に取り組んでいます。

人的資本等については当社ウェブサイトに掲載しています。         

<人的資本経営に向けて>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/human.htm

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は以下の方針を定め、実践しています。

①株主・投資家等からの対話(面談)の申込みに対しては、株主の希望と面談のおもな関心事を踏まえたうえで、合理的な範囲で社外取締役を含む取締役または監査役、経営陣幹部、IR担当者が臨むことを基本とする。

②IR担当部門は関係各部署と協力し、建設的な対話の実現に努力する。

③個別面談のほか、決算説明会等を開催し、IR活動の充実を図る。

④対話において把握した株主・投資家等からの意見・要望について、取締役会および関連する経営陣幹部へ適時適切にフィードバックするよう努める。

⑤未公表の重要な内部情報(インサイダー情報)が外部に漏洩することを防止するため、当社の情報セキュリティースタンダードに基づき、情報管理を徹底する。

⑥対話における実効性の確保の観点から、株主名簿に基づき、定期的に株主構造の把握を行い、取締役会に報告する。

 

また、株主との対話の実施状況の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<IR基本方針>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/disclaimer.html

 

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】【英文開示有り】

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ>

日本語: https://www.idnet-hd.co.jp/news/4110

英語: https://www.idnet-hd.co.jp/english/news/4115

 

本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

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