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(2935) 株式会社ピックルスホールディングス

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ブリッジレポート:(2935)ピックルスホールディングス 2026年2月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

影山 直司 社長

株式会社ピックルスホールディングス(2935)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

食料品(製造業)

代表者

影山 直司

所在地

埼玉県所沢市東住吉7-8

決算月

2月

HP

https://www.pickles-hd.co.jp

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,173円

12,858,430株

15,082百万円

5.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

29.00円

2.5%

115.15円

10.2倍

1,482.42円

0.8倍

*株価は10/9終値。発行済株式数、DPS、EPSは26年2月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2022年2月

45,006

2,942

3,068

2,128

165.59

20.00

2023年2月

41,052

1,538

1,650

1,138

88.80

22.00

2024年2月

43,028

1,668

1,771

1,175

94.29

24.00

2025年2月

41,518

1,279

1,345

958

77.09

26.00

2026年2月(予)

41,700

2,080

2,150

1,440

115.15

29.00

* 2022年2月期までは (株) ピックルスコーポレーションの実績、以降は (株)ピックルスホールディングスの実績及び予想。単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。EPS、DPSは2021年9月1日付で実施した1:2の株式分割を遡及して調整。23年2月期第1四半期から収益認識に関する会計基準(以下、「収益認識会計基準」という。)等を適用。

 

 

(株)ピックルスホールディングスの2026年2月期第2四半期決算概要などをご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2026年2月期第2四半期決算概要
3.2026年2月期業績予想
4:中期経営戦略の進捗
5.今後の注目点
_<参考:コーポレート・ガバナンスについて>_

 

今回のポイント

  • 2026年2月期上期の売上高は前年同期比2.9%増の223億21百万円。引き続き物価上昇に伴う消費者の節約志向の影響を受けているものの、コンビニエンスストアが実施したキャンペーンによる効果などで増収となった。営業利益は同40.5%増の15億69百万円。天候不順や葉物野菜の品薄により引き合いが強まったことなどで原料となる白菜などの野菜の価格が4月頃までは一時高騰したが、その後価格が落ち着いたことに加え、製品価格の改定、製品集約による生産の効率化の効果などで売上総利益は同9.0%増加し売上総利益率も同1.3ポイント改善。販管費は前年同期並みとなったことから2桁の増益となった。主力キムチの値上げによる売上鈍化の影響は当初予想より限定的であったため、売上・利益とも期初予想を上回った(25年9月22日に業績予想の修正を公表)。中間配当も13.00円/株から15.00円/株に増配。

     

  • 業績予想を上方修正した。売上高は前期比0.4%増の417億円と、減収予想から増収予想へ転じた。猛暑による影響で原料見通しには不透明な部分はあるが、コンビニエンスストアの実施したキャンペーンによる効果などにより通期で増収を計画している。営業利益は同62.6%増の20億円、EBITDAは同44.3%増の32億円の予想。下期は原料野菜の仕入価格の上昇を見込んでいるが、通期では野菜の仕入価格安定化による製造経費減や、効率化の取組みによる物流費や人件費など販管費減により大幅な増益を見込んでいる。粗利率上昇、販管費率低下により営業利益率は前期比2.9ポイント上昇の5.0%の予想。配当は中間配当15.00円/株、期末配当14.00円/株の合計29.00円/株(前期比3.00円/株増配)の予定。予想配当性向は25.2%。

     

  • 通期業績について、製品価格の改定、製品の集約による生産効率化の一方、販管費を前年並みにコントロールし、売上総利益は前期比9.3%増(修正前は2.8%増)、営業利益は前期比62.6%増(修正前は17.3%増)と大幅増益を予想している。ただし、下期の売上高・営業利益はともに修正前の水準を下回っている。22年2月期上期以来の水準まで上昇した売上高総利益率、営業利益率が持続的に回復していくのか、中長期経営戦略の柱である、営業利益率の改善に向けた「アイテム数の絞り込み」と「原価上昇と連動した販売価格の見直し」、原価低減に向けた「生産体制の効率化・自動化」と「原材料調達の見直し・効率化」の更なる進捗に期待したい。

1.会社概要

持株会社として、浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行う(株) ピックルスコーポレーションを中心に、(株)ピックルスコーポレーション関西、(株)フードレーベル等のグループ会社により全国的な製造・販売ネットワークを構築している。
「野菜の元気をお届けします。」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約80%が契約栽培)が中心で、保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、5S活動への取り組み、更にはJFS-Bの認証取得等、「安全な食へのこだわり」は強い。

 

【1-1 経営理念とありたい姿】

経営理念は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」。その上で、①安全でおいしい製品を作るための品質管理、②地球環境に配慮した企業経営、③従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり、を経営方針として掲げている。この方針に則り、食品安全の規格であるJFS-Bや環境管理の国際規格であるISO14001に取り組んでいる他、人事制度や教育制度等の充実を図る等で従業員教育にも力を入れ、チャレンジを奨励する姿勢・社風の醸成に努めている。
「SDGs」や「サステナビリティ経営」にも注力しており、ESGに関する取り組み・課題と、企業価値向上に向けたストーリーを伝えるためにESGレポートを作成している。

 

「ESG Bridge Report」
https://www.bridge-salon.jp/report_bridge/archives/2025/03/250311_2935.html

 

こうした経営理念の下、中長期で目指すありたい姿として、新たな価値を創造し続ける「野菜・発酵・健康の総合メーカー」を掲げている。

 

【1-2 市場環境】

(1)浅漬・キムチ
食品新聞記事を基に同社が作成した漬物業界における売上ランキングをみると、連結売上高415億円の同社がトップで、以下、東海漬物245億円、備後漬物140億円、秋本食品130億円、山本食品工業113億円、美山102億円となり、売上高が100億円を超えるのは、この6社のみである。
食生活の変化や米飯の需要減の影響により、漬物市場全体は2000年の4,800億円から2023年では3,200億円まで縮小。企業数も減少が続き集約が進んでいるが、市場全体としては下げ止まりの傾向にある。そうした環境下、浅漬とキムチの漬物市場における構成比は約50%を占めており、市場規模は安定している。
また、同社のシェアは12.9%と2位以下を大きく引き離しており、以前から掲げている15%達成を目指している。
POSデータでは、漬物の買上単価は前年を上回って推移しているが、物価上昇に伴う消費者の買い上げ点数減少などの影響を受け、買上数量は減少している。同社の主力商品である浅漬・キムチの市場動向も同じ傾向にある。
引き続き商品開発を強化し、シェアアップを図る。

 

(2)惣菜
同社資料(日本チェーンストア協会調べ)によると、2024年の惣菜市場(和・洋・中華惣菜、弁当、サンドウィッチ等の惣菜類)の市場規模は1兆2,326億円と前年よりは減少したものの、2015年からはCAGR2.5%で着実に成長している。
単身世帯増加、高齢化、女性の社会進出、健康や栄養バランス等の食への関心の高まり、更には家事の簡便化や時間短縮ニーズなどが成長の背景にあると思われる。
この分野では、フジッコ(前期実績、以下同様。売上高570億円、純利益9.5億円)、ケンコーマヨネーズ(売上高917億円、純利益35.0億円)、エバラ食品(売上高479億円、純利益13.9億円)といった上場企業や、デリア食品(キユーピーグループ)、イニシオフーズ(日清製粉グループ)といった上場企業の子会社等と競合している。

 

 

(同社資料を基に(株)インベストメントブリッジが作成)

 

【1-3 事業内容】

2025年2月期の品目別売上構成は、製品(自社工場で生産)売上が69.1%(浅漬・キムチ40.4%、惣菜27.8%、ふる漬0.9%)、グループ会社(株)フードレーベル商品や他社仕入商品(自社工場以外での生産)売上が30.9%。

(同社資料を基に㈱インベストメントブリッジが作成)

 

(1)製品・商品概要
◎浅漬・キムチ
サラダ感覚で食べられる浅漬を野菜の旬の時期に合わせたラインナップで提供している。近年は、消費者の健康志向の高まりにより、従来製品より低塩な「減塩浅漬」なども販売。
「安全・安心」な食品の提供を重視する同社グループとして、主要原料の白菜、胡瓜は国産を使用。保存料・合成着色料は一切使用していない。

 

2009年10月に販売を開始し、現在までの累計売上は主力定番3製品で約5億パックを超え、世代を超えてロングセラーとなった主力商品「ご飯がススムキムチ」は、キムチは辛いという従来の基本概念を捨てて、「家族みんなで食べられる辛くないキムチ」という若手社員のアイデアを同社のチャレンジ精神をもとに具現化したもの。
日本人の嗜好に合わせて、甘みやうま味を際立たせるオリジナルの味として開発したほか、冷蔵庫内に収まりやすいスリムな形状とするとともに、赤やオレンジ色のデザインが多かったキムチ売場で、黒をメインカラーとしたパッケージデザインを採用した。この結果、当初の狙い通り女性や子供を中心に支持を集めている。
キャラクターや食品メーカーとのコラボレーション商品を開発するほか、惣菜・調味料、冷凍食品など「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力を活用し、製品領域を拡大させている。
浅漬・キムチは野菜を主原料としており、食物繊維が豊富な低カロリー食品として見直され、今後の需要の伸びが期待されている。

 

 

 

 

ご飯がススムキムチ

叙々苑ポギキムチ

4種のぬか野菜

(同社資料より)

 

◎惣菜
2002年8月から惣菜の取扱いを開始し、着実に売上高を拡大している。近年は、消費者が節約志向を強めて外食を控え、惣菜を買って家庭内で食事をする中食の傾向が強まっている他、高齢者・単身者世帯や共働き世帯の増加により食事のスタイルが変化しており、惣菜の需要は今後も拡大が見込まれている。
同社グループでは強みである「野菜」をキーワードに開発を行っており、ナムルやサラダ、ぬか漬などが好調。また、野菜の品種にこだわった製品を展開したり、サラダのドレッシングを自社開発したりするなど、惣菜にオリジナリティ・付加価値をつけ開発している。この他、製品のpHコントロールによる緑色野菜の変色防止などの技術を活用している。

 

 

 

 

4種ナムルセット

たんぱく質が摂れる棒棒鶏サラダ

ぬか漬盛合せ

(同社資料より)

 

(販売先)
全国の量販店、小売店、卸などが販売先であり、販路別構成(2025年2月期)は、量販店・問屋等76.5%、コンビニ15.5%、外食・その他8.0%となっている。

 

 

(同社資料を基に㈱インベストメントブリッジが作成)

 

 

【1-4 特長・強み・競争優位性】

同社は、以下のような特長・強み・競争優位性を有している。

 

(1)漬物業界でトップシェア
食品新聞記事を基に同社が作成した売上ランキングでは、同社は連結売上高415億円で、2位以下を大きく引き離し、シェア12.9%のトップである。以前から掲げている15%達成を目指しており、M&Aを含めてシェアアップを図っていく考えだ。

(同社資料より)

 

(2)独自性の高い商品開発力
年間約400アイテムに上る製品開発を迅速かつ柔軟に実現するため、コンビニエンスストア、量販店、外食産業など、取引先ごとに開発担当と営業担当によるチーム体制を構築し、顧客の意見を反映することで他社とは差別化された商品を開発。野菜、調味料などの素材選びから、加工方法、味、パッケージなど、多面的に開発を推進している。
全国の事業所に開発人材を配置しており、エリアごとのニーズの吸い上げにも対応している。
基礎研究を担う研究開発室では、独自に開発した植物由来の乳酸菌Pne-12(ピーネ乳酸菌)をはじめとした乳酸菌に関する研究など、将来を見据えた取り組みを行っている。

 

(3)全国をカバーする生産・物流体制
製造拠点は約20か所で、1日当たり約60万パックの生産能力を有する。(株)ピックルスコーポレーションを中心としたグループ会社で全国を網羅し、365日生産出荷が可能である。漬物業界で唯一、製造、物流、開発、営業機能の全国ネットワークを構築しており、全国展開している顧客の各店舗に同一の浅漬・キムチや惣菜の提供が可能で、営業上の大きな訴求ポイントにもなっている。
製造においては、食品安全の規格であるJFS-Bを導入しているほか、漬物や惣菜製造における工場ごとのHACCPプランを作成しており、より安全・安心な製品を供給する体制を整えている。

 

(同社資料より、2024年12月に茨城工場が稼働)

 

(4)販売先に密着した提案型営業
顧客は大手全国チェーンから地場の小規模小売まで幅広い。全国に展開する販売拠点では、2025年3月時点で約60名の営業スタッフが、長年築き上げた販売先との信頼関係や販売ネットワークをベースに、それぞれの地域・販売先に密着した提案型営業を実施し、直接取引を行っている。
主力の浅漬、キムチをはじめ、惣菜売場向けの商品ラインナップの充実を進め、営業担当が販売方法を提案し、売場づくり・漬物フェアの開催など、消費者への様々なアプローチを販売先とともに考えている。加えて販売先とのコミュニケーションから得た情報を社内にフィードバックし、消費者動向を商品開発等に役立てている。

 

(5)販売先のニーズに対応するベンダー機能
浅漬、キムチ、惣菜等を自社で製造するメーカーとしての機能と、自社工場で製造できない梅干等の商品を全国各地の漬物メーカーから仕入れて販売する卸売機能の二つの機能を有している。自社製品、他社商品を同時に提供することができるベンダー機能を活かし、販売先のニーズに合わせたトータルな売場づくりを提案することが可能である。

 

【1-5 ROE分析】

 

18/2期

19/2期

20/2期

21/2期

22/2期

23/2期

24/2期

25/2期

ROE(%)

8.6

8.0

10.4

13.3

13.7

6.8

6.7

5.3

 売上高当期純利益率(%)

2.32

2.26

3.11

3.98

4.73

2.77

2.73

2.31

 総資産回転率(回)

1.90

1.88

1.79

1.83

1.73

1.57

1.59

1.43

 レバレッジ(倍)

1.95

1.89

1.88

1.83

1.67

1.55

1.54

1.60

 

*(株)インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2022年2月期まで3期連続で10%を超えていたが、2025年2月期にかけ低下し、日本企業が一般的に目標とすべきとされている8%を下回っている。収益性及び資産効率の改善が必要である。

2.2026年2月期上期決算概要

【2-1 連結業績】

 

25/2期上期

構成比

26/2期上期

構成比

前年同期比

期初予想比

売上高

21,694

100.0%

22,321

100.0%

+2.9%

+4.5%

売上総利益

4,620

21.3%

5,037

22.6%

+9.0%

-

販管費

3,502

16.1%

3,467

15.5%

-1.0%

-

営業利益

1,117

5.2%

1,569

7.1%

+40.5%

+68.8%

経常利益

1,171

5.4%

1,623

7.3%

+38.5%

+70.0%

中間純利益

798

3.7%

1,102

4.9%

+38.1%

+74.9%

EBITDA

1,557

7.2%

2,139

9.6%

+37.4%

-

* 単位:百万円。EBITDAは、営業利益 + 減価償却費。

 

増収増益
売上高は前年同期比2.9%増の223億21百万円。引き続き物価上昇に伴う消費者の節約志向の影響を受けているものの、コンビニエンスストアの実施したキャンペーンによる効果などで増収となった。営業利益は同40.5%増の15億69百万円。天候不順や葉物野菜の品薄により引き合いが強まったことなどで原料となる白菜や胡瓜などの野菜の価格が一時高騰したが、その後価格が落ち着いたことに加え、製品価格の改定、製品の集約による生産の効率化の効果などで売上総利益は同9.0%増加し売上総利益率も同1.3ポイント改善。販管費は前年同期並みとなったことから2桁の増益となった。主力キムチの値上げによる売上鈍化の影響は当初予想より限定的であったため、売上・利益とも期初予想を上回った(25年9月22日に業績予想の修正を公表)。中間配当も13.00円/株から15.00円/株に増配。

 

四半期ベースでは、第2四半期(6-8月)は、前年同期比、前四半期比とも増収増益となった。

 

①品目別・販路別動向
◎品目別売上高

 

24/2期上期

構成比

25/2期上期

構成比

26/2期上期

構成比

前年同期比

製品

15,721

68.0%

14,819

68.3%

15,808

70.8%

+6.7%

浅漬・キムチ

8,852

38.3%

8,354

38.5%

8,682

38.9%

+3.9%

惣菜

6,608

28.6%

6,254

28.8%

6,947

31.1%

+11.1%

ふる漬

260

1.1%

210

1.0%

179

0.8%

-14.8%

商品

7,390

32.0%

6,874

31.7%

6,513

29.2%

-5.3%

売上高合計

23,111

100.0%

21,694

100.0%

22,321

100.0%

+2.9%

* 単位:百万円

 

製品において、浅漬は苦戦したが、キムチは堅調。惣菜は好調に推移した。商品は、利益率改善の施策を優先するなかで、売上高は減少した。

 

◎販路別売上高

 

24/2期上期

構成比

25/2期上期

構成比

26/2期上期

構成比

前年同期比

量販店・問屋等

17,265

74.7%

16,664

76.8%

16,136

72.3%

-3.2%

コンビニ

3,691

16.0%

3,240

14.9%

4,161

18.6%

+28.4%

外食・その他

2,154

9.3%

1,789

8.3%

2,023

9.1%

+13.1%

売上高合計

23,111

100.0%

21,694

100.0%

22,321

100.0%

+2.9%

* 単位:百万円

 

量販店は、浅漬・キムチの実績低下とともに減少。コンビニは販売促進により好調だった。業務用販路では新規の冷凍惣菜などが寄与した。

 

②売上総利益率と野菜価格の状況
(白菜価格)
1-3月は高騰も、4月以降は前年を下回る水準で安定した。

 

(胡瓜価格)
6月に突発的な高騰を見せたが、全般に安定して推移した。

 

 

引き続き契約農家の拡大や関係強化などにより、持続的な粗利率改善を図っている。

 

【2-2 財政状態】

◎財政状態

 

25年2月末

25年8月末

増減

 

25年2月末

25年8月末

増減

流動資産

10,888

12,644

+1,756

流動負債

8,019

7,822

-197

現預金

4,974

6,083

+1,109

仕入債務

2,974

4,001

+1,027

売上債権

4,083

5,707

+1,624

短期有利子負債

2,672

973

-1,699

たな卸資産

725

796

+71

固定負債

3,339

3,969

+630

固定資産

19,353

19,007

-346

長期有利子負債

2,176

2,795

+619

有形固定資産

17,788

17,447

-341

負債合計

11,358

11,792

+434

無形固定資産

186

134

-52

純資産

18,884

19,859

+975

投資その他

1,378

1,425

+47

負債・純資産合計

30,242

31,651

+1,409

資産合計

30,242

31,651

+1,409

自己資本比率

61.0%

61.5%

+0.5pt

* 単位:百万円。有利子負債にはリース債務を含む。

 

現預金、売上債権の増加等で総資産は前期末比14億円増の316億円。仕入債務の増加等で負債合計は同4億円増加し117億円。利益剰余金の増加等で純資産は同9億円増加し198億円。
自己資本比率は前期末より0.5ポイント上昇し61.5%。

 

3.2026年2月期業績予想

【3-1 連結業績予想】

主要損益計算書

 

25/2期 

構成比

26/2期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

売上高

41,518

100.0%

41,700

100.0%

+0.4%

+1.7%

53.5%

売上総利益

8,193

19.7%

8,953

21.5%

+9.3%

+6.3%

56.3%

販管費

6,913

16.6%

6,873

16.5%

-0.6%

-0.7%

50.4%

営業利益

1,279

3.1%

2,080

5.0%

+62.6%

+38.7%

75.4%

経常利益

1,345

3.2%

2,150

5.2%

+59.8%

+40.3%

75.5%

当期純利益

958

2.3%

1,440

3.5%

+50.2%

+45.5%

76.5%

EBITDA

2,284

5.5%

3,296

7.9%

+44.3%

+21.4%

64.9%

* 単位:百万円。EBITDAは、営業利益 + 減価償却費で算出。

 

業績予想を上方修正、大幅増益を予想
業績予想を上方修正した。売上高は前期比0.4%増の417億円と、減収予想から増収予想へ転じた。猛暑による影響で原料見通しには不透明な部分はあるが、コンビニエンスストアの実施したキャンペーンによる効果などにより通期で増収を計画している。
営業利益は同62.6%増の20億円、EBITDAは同44.3%増の32億円の予想。下期は原料野菜の仕入価格の上昇を見込んでいるが、通期では野菜の仕入価格安定化による製造経費減や、効率化の取組みによる物流費や人件費など販管費減により大幅な増益を見込んでいる。粗利率上昇、販管費率低下により営業利益率は前期比2.9ポイント上昇の5.0%の予想。
配当は中間配当15.00円/株、期末配当14.00円/株で、前期から3.00円/株増の29.00円/株の予定。予想配当性向は25.2%。

 

 

【3-2 取り組み】

◎品目別売上高計画

 

25/2期 

構成比

26/2期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

製品

28,703

69.1%

29,082

69.7%

+1.3%

+1.9%

54.4%

浅漬・キムチ

16,769

40.4%

16,702

40.1%

-0.4%

-0.5%

52.0%

惣菜

11,541

27.8%

11,996

28.8%

+3.9%

+5.8%

57.9%

ふる漬

393

0.9%

384

0.9%

-2.1%

-7.2%

46.6%

商品

12,815

30.9%

12,616

30.3%

-1.5%

+1.3%

51.6%

売上高合計

41,518

100.0%

41,700

100.0%

+0.4%

+1.7%

53.5%

* 単位:百万円

 

各品目において売上水準は維持しつつ、収益性向上のためアイテム数の絞り込みによる製品ポートフォリオの見直しを実施する。
浅漬は市場トレンドと同様に厳しい状況にあるが、キムチはご飯がススムキムチを中心に売上水準の維持を見込む。
惣菜はアイテム数を集約しつつ、上期の好調を受け通期でも増収を計画。
商品は物流費や人件費などのコスト上昇による価格改定の実施を踏まえ、減収を見込む。

 

◎販路別売上高計画

 

25/2期 

構成比

26/2期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

量販店・問屋等

31,749

76.5%

30,912

74.1%

-2.6%

-0.3%

52.2%

コンビニ

6,461

15.6%

7,349

17.6%

+13.7%

+12.1%

56.6%

外食・その他

3,308

8.0%

3,438

8.3%

+3.9%

+0.2%

58.8%

売上高合計

41,518

100.0%

41,700

100.0%

+0.4%

+1.7%

53.5%

* 単位:百万円

 

量販店は、アイテム集約や販売価格の見直しなどの施策により減収の見込み。
コンビニは、得意先の商品政策に合致した施策により上方修正、2桁の増収を計画。
外食・その他は、冷凍食品の業務用を含めた販路開拓により増収を計画している。

 

◎販管費計画

 

25/2期 

構成比

26/2期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

販管費合計

6,913

16.6%

6,873

16.5%

-0.6%

-0.7%

50.4%

物流費

2,279

5.5%

2,333

5.6%

+2.4%

-1.1%

50.3%

人件費

3,029

7.3%

2,991

7.2%

-1.3%

-1.6%

49.1%

広告宣伝費

40

0.1%

42

0.1%

+5.0%

-4.5%

47.6%

その他

1,564

3.7%

1,506

3.6%

-3.7%

+2.3%

53.3%

売上高

41,518

100.0%

41,700

100.0%

+0.4%

+1.7%

53.5%

* 単位:百万円

 

物流費は前期比2.4%増を計画。物流の2024年問題への対応として、店舗別仕分から総数納品への納品方法変更に伴う積載効率の向上や、配送便の集約、新規配送業者への切り替え、茨城工場稼働に伴うグループ内の物流網再構築など、効率性を高める取り組みだけでなく、配送費比率が高くなっている販売先に対して販売価格の見直しを依頼するなどして対応。
人件費は同1.3%減を計画しているが、今後も上昇することを想定している。
広告宣伝についてはコストをかけた販促ではなく増量等の消費者還元型プロモーションを検討している。

 

4.中長期経営戦略の進捗

【4-1 全体像】

「原材料価格や人件費の上昇を踏まえた収益性の改善」「PBRの改善」「新たな成長ドライバーの創出によるグループ全体の事業規模拡大」といった経営課題を踏まえ、重点戦略である「収益性の向上」「資本効率を意識した経営」「新商品・新領域への挑戦」を推進している。現時点での進捗は以下の通り。

 

【4-2 重点戦略の進捗状況】

(1)収益性の向上
「営業利益率の改善」と「原価低減」に取り組んでいる。
営業利益率の改善に向けた施策は、「アイテム数の絞り込み」と「原価上昇と連動した販売価格の見直し」。
原価低減のための施策は「生産体制の効率化・自動化」と「原材料調達の見直し・効率化」。

 

①営業利益率の改善
<アイテム数の絞り込み>
基幹工場である所沢工場では、2025年2月期にアイテム数を前期から約10%削減。今期も10%程度の削減を目標に以下のような生産効率化を進めている。
*得意先ごとに商品コードが異なり、多品種小ロット生産で製造効率が悪化した惣菜製品を中心に、アイテム集約を実施
*アイテム削減を依頼する販売先には、代替商品の提案などを行いながら1店1店丁寧にコミュニケーションを図り、信頼関係維持。
*所沢工場ではアイテム数削減に伴い労務費も改善した一方、工場単体の売上高は前年比を上回った。

 

所沢工場以外の工場においても、生産キャパシティを考慮しながら、アイテム数の基準を導入し削減を図り、グループ全体で削減を推進している。
全国の漬物・惣菜の製造工場において、26年2月期上期時点で、前年同期比8%程度の削減を実施した。
工場与件があるため単純なアイテム削減では減収となることを踏まえ、エリア特性や販売先与件、アイテム別の収益性等を踏まえ対応している。

 

<原価上昇と連動した販売価格の見直し>
同社製品の場合、原材料価格の動きと比較して販売価格の変動は小さい。一方で、消費者の節約志向が高まっていることから、価格を上げると売上が下がる可能性があるため、値上げには慎重な姿勢であったが、昨今の原材料費、人件費、物流費の上昇の影響は大きいため、これまで値上げをしてこなかった主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズで、販売価格の見直しと量目変更を本格的に実施した。
2024年9月から問屋・一部の販売先を対象に「ご飯がススムキムチ」シリーズの定番3商品について値上げを実施。2025年5月からは量販店やコンビニエンスストアなどすべての販売先を対象に、主力商品である「ご飯がススムキムチ」シリーズの定番3商品について値上げを行い、量目変更も実施している。
今後は、売上への影響と収益改善のバランス、販売先の反応を見ながら浅漬など他の製品の販売価格の見直しも実施する。

 

②原価低減
<生産体制の効率化・自動化>
投資金額約50億円で、2024年12月に本格稼働を開始した茨城工場では、関東全域の「ご飯がススムキムチ」シリーズを生産している。生産能力は時間当たり最大1万パック超であるが、時間当たりの生産性は第1四半期時点の約8割から9割程度へと向上している。原料白菜の入庫から検品、加工、包装、荷造り、出庫まで、自動化機械を活用して工程を機械化しており、稼働後の時間あたり生産効率は、従来工場比で約2倍に向上している。

 

今後は、年間を通じた安定した生産体制を構築し、生産能力の最大化を図るほか、東北エリア分を生産する宮城ファクトリー、中京・北陸エリア分を生産する中京工場での生産分も茨城工場が引き受ける計画だ。
茨城工場以外の工場でも生産効率化・自動化に取り組む。
所沢工場では、専用ラインをグループ会社の手柄食品(兵庫・姫路)に移管し、西日本エリアにおけるご飯がススムキムチの生産能力・製造効率を向上させる。AI選別機や各種検査装置の活用による品質向上を図るほか、省人化・省力化に繋がる各種製造工程の機械化(AIカメラで学習させた白菜の芯取り機など)の導入、コンテナを使用しない生産・物流体制の実現も目指す。

 

茨城工場

 

 

(2)資本効率を意識した経営
東証の要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、同社の現状分析及び今後の取り組みは以下の通り。

 

(現状の分析)
*PBR
PBRは、コロナ禍においては巣ごもり需要などにより、業績が好調に推移し、22年2月期までは1倍以上で推移したが、その後、巣ごもり需要の反動減もあり、1倍割れで推移。

 

*資本コスト
株主資本コストは、CAPMで5.5~7.0%、株式益利回りベースで8.0%程度と同社では推定している。

 

*ROE
22年2月期までは8%を上回って推移していたが、23年2月期、24年2月期、25年2月期と3期連続で8%を下回っている。
目標値は設定していないが、今後は、8%超まで戻していきたいと考えている。

(同社資料より)

 

(全体施策)
現状(2025年2月末時点)では、プライム市場上場維持基準について、流通株式時価総額は83.5億円と基準に適合していない。同社では、基準適合の株価目安である1,200円超を目標に、各種施策を推進していく。
中長期戦略の推進によるROEの改善を軸に、PBR1倍以上への回復を目指す。
PBR改善に向けては、ROEの改善とPERの上昇が必要と考えており、ROE改善のために「利益率の向上」と「財務レバレッジの向上」、PER改善のために「成長期待の醸成」に取り組む。
株主還元を重要な課題と認識しており、配当金と株主優待をセットで充実させていく。配当については、配当方針を安定配当から維持または増配を行う累進配当に変更した。

 

(同社資料より)

 

(キャピタルアロケーション)
「資本コストや株価を意識した経営の実現」に向けては、投資家に対しキャピタルアロケーションを示すことが重要と認識している。
2026年2月期から2028年2月期の3年間に成長投資30億円を実施する。
茨城工場稼働後も、M&A等成長投資を実施する。既存事業とシナジーのある新規領域(マーケット、商品)や、生産能力の向上・販売エリアの拡張につながる案件をターゲットとする。

 

(同社資料より)

 

(3)新商品・新領域への挑戦
以下のような施策により既存領域でテコ入れをしながら、新規領域で10億円超の新たな売上を創出する。

(同社資料より)

 

①主要施策
26年2月期上半期の進捗として、「さつまいも関連商品の開発・拡販」と「冷凍食品関連商品の開発・拡販」を挙げている。

 

◎さつまいも関連商品の開発・拡販
国産さつまいもは、焼き芋の需要増や干し芋などの加工品、スイーツ用としての人気の高まりから、用途や販売方法が多様化している。海外からの引き合いも増加し、輸出が伸長している。
2023年9月に新設した合弁会社、株式会社ベジパルでは大口販売先から安定した受注を確保している。基礎商品のブラッシュアップを図るほか、自社工場での干し芋の生産体制を構築した。

 

今後は、差別化商品の開発や販路開拓を推進するほか、子会社株式会社ピックルスファームによる原料調達能力を拡充し、グループ間で連携を図りながら、拡販を図る。

 

 

◎冷凍食品関連商品の開発・拡販
調理時間が短縮できる、食材のロスを大きく削減できるといったメリットから、冷凍食品需要は伸長が続いている。
消費者向け製品は大手メーカーの力が強く、競争が激しい。業務用については、飲食店等の人手不足等から需要が高く、今後も伸びる可能性が高いと思われる。

 

同社では消費者向けについては、差別化を図り、浅漬製造で培った野菜の食感を残す技術を活用した「ご飯がススムキムチ鍋」を販売したほか、冷凍のご飯がススムキムチ、ゆず白菜、オクラ、冷凍惣菜など一部テストで販売を開始した。
取引を開始した業務用についても、現在集中的に取引している企業の規格をベースに、取引先が拡大している。

 

今後は、消費者向けについては強みを活かしたおかずやおつまみ、スイーツ等を開発する。業務用については既存販売先と取引量を増やしながら、全国の冷凍卸や地場の外食店へ業務用の販路を拡大する。
北米や香港など、海外市場に向けても、「ご飯がススムキムチ」の提案を進めていく。

 

◎「ご飯がススムキムチ」シリーズのブラッシュアップ
現在、「ご飯がススムキムチ」シリーズはキムチのトップブランドである。
ご飯がススムキムチ売上高は2023年2月期にかけ減少傾向にあったが、以前より重点戦略として掲げている「西日本エリアの販売拡大」「新規売場への商品展開強化」により、西日本エリアのドラッグストア等、スーパーマーケット以外の販路での拡販や販促キャンペーンの推進等を実施してきたことで回復基調にあり、収益認識の旧基準の売上ベースでは、コロナ禍の巣ごもり需要が起きた2021年2月期の過去最高水準の売上に戻ってきた。

 

今後は簡便調理商品、調味料、冷凍食品、惣菜などへの展開により、毎日食卓に登場する、ご飯に欠かせない「ご飯のお供」のトップブランドを目指す。
具体的な施策として、2025年2月にファンコミュニティサイト「ピックルス食堂」を開設した。顧客との直接的なコミュニケーションを通じて、ファンづくりやグループで展開するキムチ以外の商品ラインアップの周知を促進し、顧客ロイヤリティの向上を図るほか、潜在ニーズを探り、売上・収益向上につながるナショナルブランドの製品開発にも活かす考えだ。

 

◎惣菜製品の拡販・健康志向商品の開発
消費者の健康意識の高まりを背景に、健康志向食品や機能性表示食品は成長を続けている。一方、各メーカーが新しい商品を次々と開発し、競争は激化している。惣菜市場もコロナ禍以降、成長が続いている。
こうした中、同社では健康志向商品として惣菜カテゴリーで「たんぱく質が摂れる棒棒鶏サラダ」を販売しているほか、特許を保有する植物性乳酸菌「Pne-12(ピーネ12)」を訴求するパッケージングや、製品の開発を進めている。

 

今後は、「Pne-12」の研究開発技術と自社製造の発酵米ぬか調味液を使用し、同社元来の漬け込み技術の掛け合わせで強みを発揮できる「ぬか漬」製品を強化する。
また、外食・小売事業の商業施設である「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」内の「飯能ベーカリー POCO-POCO」で提供している食パンの生地に、ピーネ乳酸菌配合の麹を使用することで、自然な甘さや特有のしっとり感を与えるなど、様々な商品の付加価値化に活用していく。

 

◎「OH!!!」事業の推進
2020年10月に健康や発酵をテーマとした複合商業施設として、埼玉・飯能市に開設した「OH!!! ~発酵、健康、食の魔法!!!~」では、外食事業及び小売事業を展開している。レストラン、ベーカリー、ショッピング、体験教室を通じて同社グループの商品やものづくりの姿勢を多面的に訴求する場になっており、地元客から観光客まで幅広い層から支持され、売上高は年々伸長している。
2024年3月には、カフェ棟を「飯能ベーカリー POCO-POCO」としてリニューアルオープンした。

 

今後は、グループシナジーを活かした「OH!!!」ならではの商品開発やプロモーション、イベントを実施するほか、「OH!!!」内で展開するレストランやベーカリーなど、他地域への店舗展開に向けた準備を進めていく。

 

◎海外市場の開拓
野菜の栽培や収穫がしにくい国は、冷凍食品の需要が見込めるため商機があると見ている。特に食料自給率が低く、高所得者層が多い香港やシンガポールは有望だが、現地生産はハードルが高い。
そこで、国内生産品を輸出する形態で推進する。当面は冷凍食品中心に展開し、ぬか床と冷凍キムチ鍋の輸出が始まった。まずはベトナム・香港などアジア中心に開拓を進め、国内輸出商社との取り組みを推進する。

 

今後は引き続きアジアをターゲットとし、冷凍食品で市場開拓を推進する。北米についてはマーケット調査を実施中である。

 

◎親和性のある領域でM&Aの検討
成長スピード加速に向け、引き続きM&Aを推進する。
ターゲットや対象領域としては、同社の強みである開発力・製造力・販売力の進化や深化につながる先、同社グループが持っていない機能・顧客基盤・製品・人材を有し、早期にシナジー効果が期待できる先を想定している。

 

【4-3 数値目標】

 

25/2期

構成比

26/2期

(計画)

構成比

27/2期

(計画)

構成比

28/2期

(計画)

構成比

CAGR

売上高

41,518

100.0%

41,700

100.0%

42,000

100.0%

43,000

100.0%

+1.2%

売上総利益

8,193

19.7%

8,953

21.5%

8,657

20.6%

8,899

20.7%

+2.8%

販管費

6,913

16.7%

6,873

16.5%

7,057

16.8%

7,199

16.7%

+1.4%

営業利益

1,279

3.1%

2,080

5.0%

1,600

3.8%

1,700

4.0%

+9.9%

経常利益

1,345

3.2%

2,150

5.2%

1,670

4.0%

1,770

4.1%

+9.6%

当期純利益

958

2.3%

1,440

3.5%

1,070

2.5%

1,130

2.6%

+5.7%

* 単位:百万円。CAGRは25/2期を起点とした28/2期までの年平均成長率。(株)インベストメントブリッジが計算。

 

26/2期を修正している。2027年2月期以降の計画はローリングのうえ各期首に見直しを実施する予定だ。

 

 

25/2期

28/2期

(計画)

CAGR

浅漬・キムチ

16,769

17,803

+2.0%

惣菜

11,541

11,810

+0.8%

ふる漬

392

469

+6.2%

商品

12,815

12,917

+0.3%

売上高

41,518

43,000

+1.2%

* 単位:百万円。CAGRは25/2期を起点とした28/2期までの年平均成長率。(株)インベストメントブリッジが計算。

 

 

23/2期

24/2期

25/2期

26/2期

(計画)

27/2期

(計画)

28/2期

(計画)

設備投資

883

951

4,700

1,400

900

700

減価償却

980

940

1,005

1,216

1,106

1,053

* 単位:百万円

 

今後3年間で30億円の設備投資を計画している。主なものは、「26/2期 手柄食品工場改修、設備更新等」。27/2期以降も設備更新を行う。減価償却費は26年2月期がピーク。

 

5.今後の注目点

通期業績について、製品価格の改定、製品の集約による生産効率化の一方、販管費を前年並みにコントロールし、売上総利益は前期比9.3%増(修正前は2.8%増)、営業利益は前期比62.6%増(修正前は17.3%増)と大幅増益を予想している。ただ、下期の売上高・営業利益はともに修正前の水準を下回っている。22年2月期上期以来の水準まで上昇した売上高総利益率、営業利益率が持続的に回復していくのか、中長期経営戦略の柱である、営業利益率の改善に向けた「アイテム数の絞り込み」と「原価上昇と連動した販売価格の見直し」、原価低減に向けた「生産体制の効率化・自動化」と「原材料調達の見直し・効率化」の更なる進捗に期待したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外2名(うち独立役員2名)

監査役

4名、うち社外3名(うち独立役員3名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2025年5月30日)

 

基本的な考え方
当社は、法律と社会倫理に基づいて行動し、経営方針を実現し、継続的な成長をするため、コーポレート・ガバナンスが経営の重要課題であると考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
【原則1-4.政策保有株式】
当社は、上場株式については保有しないことを原則としております。しかしながら、取引関係の維持・強化等経営上の合理的な目的に基づき保有する場合には、その目的に応じた保有であることを定期的に確認しております。
なお、個別の政策保有株式の保有の適否の検証及びその内容の開示方法については、今後、検討してまいります。
政策保有株式に係る議決権行使については個別に判断いたしますが、当社及び投資先企業の中長期的な企業価値向上に資するものか等を総合的に判断し適切に行使しております。

 

【補充原則2-4①】
当社グループは、年齢、国籍、性別等を区別することなく、意欲と能力のある従業員を管理職へ登用しております。管理職の登用について、管理職に占める女性の割合は8.6%であり、今後は、増加させてまいります。なお、上記の管理職に占める女性の割合については、株式会社ピックルスコーポレーション(当社の主要子会社)の数値を基準としております。外国人については、従業員に占める割合が小さいため目標を定めておりません。中途採用者については、経験・能力等を総合的に判断し、管理職に登用しているため、目標を定めておりません。
社員一人ひとりの能力向上を目指し、自ら学ぶ姿勢の醸成に努めており、自己啓発支援制度、資格取得報奨金制度などを導入しております。また、働きやすい職場環境作りを重要な経営課題と認識しており、当社グループにおいて、リフレッシュ休暇、ノー残業デーなどを導入しております。

 

【補充原則3-1③】
当社グループは、サステナビリティについて、環境、安全・安心などを重要課題と認識し、取り組みを行っております。また、人的資本への投資は、教育制度、従業員の働きやすさなどに、知的財産への投資は、乳酸菌の研究などを行っております。これらはホームページのサステナビリティサイトや、ESGレポート、IR資料を通じで公表しております。当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組みに関しては、当社ホームページをご覧ください。
国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示について、今後検討してまいります。 

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則3-1.情報開示の充実】
(1)経営理念や経営方針を当社ホームページ等にて開示しております。
(2)コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方を本報告書に開示しております。
(3)当社の取締役の報酬は、企業業績と企業価値の持続的な向上に資することを基本とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各役位等を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としております。具体的には、業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、賞与及びストックオプションにより構成されております。社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととしております。なお、取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続の詳細については、本報告書にて開示しております。

(4)社内取締役候補者は、担当分野において高度な専門性を有するとともに、経営環境の変化に迅速且つ的確に対応できる人材を、社外取締役候補者は、経営陣や特定の利害関係者の利益に偏ることなく、客観的な立場から独立性をもって経営を監視することが可能な人材を、取締役会において決定しております。監査役候補者は、豊富な経験及び高い見識を有している人材を監査役会が検討し、同意した上で、取締役会において決定しております。取締役の解任については、上述の選任方針を充足しないと認められる場合、法令及び定款に違反する行為又はその恐れのある行為があった場合には、取締役会において解任を検討いたします。
(5)取締役候補者及び監査役候補者の選任理由を株主総会招集通知にて開示しております。

 

【補充原則 4-11①】
当社の取締役は、経営、財務等の各分野において専門的知識と豊富な経験を有した者で構成されており、取締役会としての役割・責務を実効的に果たすための、ジェンダー、職歴及び年齢を含む多様性と適正規模を両立した形で構成していると認識しております。なお、取締役の選任に関する方針・手続きは、【原則3-1】(4)に記載の通りであります。
本報告書にて、各取締役の知識・経験・能力等を一覧化したスキル・マトリックスを開示しております。なお、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含めております。

 

【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主・投資家の皆様が当社を正しく理解できるよう、透明性、公平性、継続性を基本とした迅速な情報開示に努めております。
金融商品取引法などの関係諸法令及び金融商品取引所の定める適時開示規則に基づく情報開示を行うとともに、当社の理解のために有効と思われる情報についても適切な方法により積極的な情報開示に努めております。
具体的には、決算説明会を年2回、個人投資家向け説明会についても適宜実施しており、説明者は代表取締役社長が対応しております。個別取材については広報・IR 室が対応しております。株主との対話に際しては、担当者に対してインサイダー情報の管理を徹底しております。
株主との対話から得られた意見等については、適宜、取締役に共有するとともに、取締役会に報告し経営に活かすよう努めております。

 

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応につきましては、2025年4月18日開催の2025年2月期決算説明会資料に記載しております。当該資料は、当社ホームページ(https://pickles-hd.co.jp/ir/)で開示しております。
当該資料では、「収益性の向上」「株主還元の充実」「新商品・新領域への挑戦」などを中長期の重点戦略として掲げており、当社グループが成長したあるべき姿を示すこと並びにその実践による中期経営目標の達成及び資本効率の向上により、企業価値と株価の向上を目指してまいります。またこれらの取り組みによってPBRの改善を目指します。

 

 

 

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