ブリッジレポート:(2183)リニカル 2026年3月期第2四半期決算
![]() 秦野 和浩 社長 | 株式会社リニカル(2183) |
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会社情報
市場 | 東証スタンダード市場 |
業種 | サービス業 |
代表取締役社長 | 秦野 和浩 |
所在地 | 大阪市淀川区宮原1-6-1 新大阪ブリックビル |
決算月 | 3月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(自己株式を控除) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
295円 | 22,586,431株 | 6,663百万円 | -7.0% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
16.00円 | 5.4% | -75.27円 | -倍 | 267.76円 | 1.1倍 |
*株価は12/18終値。各数値は26年3月期第2四半期決算短信より。発行済株式数は期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROEは25年3月期実績。
連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主帰属利益 | EPS | DPS |
2022年3月(実) | 11,555 | 1,085 | 1,183 | 790 | 35.00 | 14.00 |
2023年3月(実) | 12,516 | 1,256 | 1,283 | 1,004 | 44.47 | 14.00 |
2024年3月(実) | 12,307 | 725 | 790 | 338 | 14.98 | 15.00 |
2025年3月(実) | 10,437 | -583 | -498 | -539 | -23.87 | 16.00 |
2026年3月(予) | 9,350 | -1,350 | -1,400 | -1,700 | -75.27 | 16.00 |
*単位:百万円、円
*予想は会社予想。
リニカルの2026年3月期第2四半期決算概要と2026年3月期業績予想について、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.経営戦略
3.2026年3月期第2四半期決算
4.2026年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 26/3期第四半期累計は前年同期比10.4%の減収、5億11百万円の営業損失(前年同期は1億92百万円の営業損失)。売上面では、日本、欧州、台湾及び中国が増収となったものの、米国及び韓国が減収となったことから連結で減少した。利益面では、台湾、中国が黒字となったものの、日本、米国、欧州及び韓国が営業赤字となり連結でも営業赤字となった。
- 第2四半期が終わり、同社は26/3期の会社計画の下方修正を行った。新しい計画は、前期比10.4%の減収、13億50百万円の営業損失(25/3期は5億83百万円の営業損失)。日本は、新薬開発が減少しドラッグロスが進展する厳しい事業環境の中、前期までに開発中止となった大型案件を補完し上回る新規案件の獲得が進まず今期の計画に届かない見通しとなった。また、欧米においては、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず、当初の計画に届かない見通しとなった。また、韓国においては、既存案件の進捗遅れや新規案件の獲得が計画に比して低迷している。一方、配当は、前期と同額の普通配当16円/株の予定を据え置き。
- 26/3期上期は厳しい決算となったものの明るい材料もあった。アジア地域において、11月14日時点の受注残高が2025年3月期末から大きく増加した。これは、台湾子会社が台湾国内及び米国で実施するグローバル試験を含む複数の新規案件を受託したことが寄与したものである。台湾のバイオテックは当初から米国市場に高い関心があり、米国拠点をもつ同社の強みを活かし更なる新規案件の開拓を進めている。同社は、日本・アジアと欧米の営業チームが連携し、欧米バイオテックを日本・アジアに誘致するとともに、世界最大の米国市場を目指し豪州経由で、もしくは当初から北米で治験を開始する日本・アジアのバイオテックの開発ニーズにも対応することで受注獲得を目指す。今後の同社のアジア戦略から目が離せない。
1.会社概要
同社は、医薬品開発のプロフェッショナルとして、臨床試験の初期段階から製造販売後試験まで一気通貫でサービスを提供する日本発のグローバルCRO(医薬品開発業務受託機関)である。臨床試験(治験)に関わる業務の一部を代行する事で製薬会社の医薬品開発を支援するCRO(Contract Research Organization)事業を中心に、医薬品のマーケティング業務ならびに製造販売後(以下製販後という)臨床研究・調査の受託などを行う育薬事業を手掛ける。また、同社はクライアントの要望に合わせたきめ細かなサービスと、グローバルCROとして最適なソリューションを提供している。中規模だからこそ実現できる、早期・小規模試験の企画立案から後期試験・承認申請までを提案型でフルサポートし、医薬品をはじめとした新たな治療法開発に欠かせないパートナーとして、医療に貢献している。過去5年間に600件を超える臨床試験の実績があり、クライアントの定着率が85%を超え、80%以上の試験で症例登録目標を達成し、30か国程度でサービスを提供している。
更に、同社は創業以来、がん・中枢神経系(CNS)など、世界中の人々がその撲滅を願い、新薬開発への強いニーズが存在する疾病領域を中心にCRO事業を展開してきた。同社は、がん領域臨床試験におけるリーディング企業であり、中枢神経系(CNS)疾患における豊富な実績も持つ。加えて、創業以来、免疫系疾患に注力し、第I相~第IV相まで豊富な実績があり、稀少疾患から一般的な疾患まで豊富な知識をもち、クライアントの臨床試験を成功に導いている。受賞歴のあるCROとして、同社ではさまざまな疾患領域をサポートするための専門知識を有している。
【経営理念】
経営理念は、「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」である。

青は「差別することなき、誠実さを」
赤は「消えることなき、情熱を」
黄は「飽くことなき、探求心を」
を意味しており、同社のロゴマークには、事業を通して世界中の患者様の幸せを追求していきたいという同社の想いが込められており、「新薬に翼を」という使命を担っている。
【沿革】
2005年6月、藤沢薬品工業株式会社(現 アステラス製薬株式会社)で免疫抑制剤等の開発に携わってきたメンバー9名によって設立された。大阪発理想の医薬品開発受託(CRO)事業を目的として、設立当初から、CNS領域やがん領域の育成に取り組み、会社設立後まもなく大塚製薬からCNS領域の案件を受注。その後、人材を補強し事業部として受注活動を強化した。また、がん領域も外資系製薬会社等でがん領域の医薬品開発を手掛けた人材等に恵まれ、足元、受注が拡大している。
SMO(治験施設支援機関)事業進出を念頭に、06年1月に同事業を手掛けるアウローラ(株)を子会社化したが、CRO事業への経営資源集中を図るべく07年5月に全保有株式を売却。08年7月に、国内の製薬会社の米国進出支援を目的に米国カリフォルニア州に全額出資子会社LINICAL USA, INC.を設立。同年10月の東証マザーズ上場を経て、13年3月に東証1部に市場変更となった。13年5月に、台湾と韓国に全額出資子会社LINICAL TAIWAN CO., LTD.とLINICAL KOREA CO., LTD.を設立。14年4月には、LINICAL KOREA CO., LTD.と買収した韓国のCROであるP-pro. Korea Co., Ltd.との統合を完了した。14年10月29日には欧州でCRO事業を展開しているNuvisan CDD Holding GmbHの全株式を取得し子会社化するための株式譲渡契約を、Nuvisan Pharma Holding GmbH との間で締結し、12月1日付けで同社の100%子会社となった。更に、グループとしての一体感の醸成と連携強化を図るため、連結子会社となったNuvisan CDD Germany GmbHの名称をLINICAL Europe GmbHに商号変更した。その他、16年3月にLINICAL U.K. LTD.を、同年10月にLINICAL POLAND Sp.z.o.o.を、17年9月にLINICAL Czech Republic s.r.o.を設立した。また、2018年4月に米国でAccelovance, Inc.を買収し、Linical Accelovance America, Inc.(LAA)に社名変更。その他、19年3月にLinical Hungary Kft.を設立、19年5月にLinical China Co., Ltd.を設立した。更に、2019年12月にLINICAL Europe GmbHへLAA社の欧州子会社を統合し欧州地域の強化を図ったことに加え、20年2月に上海支店を開設し国際共同治験の受託体制が更に強化された。また、20年4月にLinical Benelux B.V. と Linical Accelovance Europe B.V. を合併し、Linical Netherlands B.V.を発足、23年3月末にはLinical China Co., Ltd. とLinical Accelovance China Ltd.の統合を実施した。海外のM&Aにより着実に成長し、22/3期、23/3期は連続して過去最高の売上高を達成した。24/3期は日本と欧州での売上高の減少が影響し利益が減少し、25/3期も、日本とアジアでの売上高の減少の影響が大きく減収減益となった。
【国際認証】
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格ISO/IEC 27001認証をグループ全拠点で取得した。

(同社決算説明会資料より)

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
韓国、欧州、米国での海外M&Aを経て、海外事業を中心に成長している。
【強み】
グローバル規模でワンストップ、フルサービス |
国際開発体制を整備し、日本を中心としたアジア、欧州、米国でサービスを提供。医薬品開発のプランニングから、 モニタリング、薬事、データマネジメントなどのフルサービスをワンストップで提供している。 |
創薬から臨床開発、育薬までを一気通貫 |
医薬品開発のプロフェッショナルとして、新薬開発から承認後のライフサイクルマネジメントまで一気通貫で提供している。 |
高難度の試験実績 |
アンメット・メディカル・ニーズが高く、治験難易度の高いがん、中枢神経系、免疫疾患などに注力し、豊富な実績を有している。現在は再生医療や眼科・皮膚科等へ拡大を進めている。 |
【業務内容】
同社は、日本発のグローバルCRO(医薬品開発業務受託機関)として、日本を中心にアジア、欧州、米国に事業を展開し、創薬段階から臨床開発、製造販売後の育薬まで一気通貫でサービスを提供している。医薬品開発のトレンドである、がん、中枢神経系、免疫領域を中心に豊富な経験と実績を有している。
CROとは、製薬会社等から依頼を受け、医薬品の開発段階で行われる臨床試験(治験)に係る業務を代行、支援する機関。治験に関して高い専門性を持つ、医薬品開発のプロフェッショナルである。治験が法規制や治験実施計画書を遵守して行われているかどうかを監視するモニタリング業務をはじめとして、データマネジメント業務、メディカルライティング業務など、業務内容は多岐に亘る。
同社は、主にCRO事業(臨床開発事業)、製造販売後の臨床試験や臨床研究とマーケティング活動支援を担当する育薬事業、創薬支援事業を展開している。非臨床試験段階から臨床開発、製造販売後の育薬まで一気通貫で対応出来る体制をとることで、効率的な新薬開発による上市までの期間の短縮や製品ライフサイクルの延長を可能とし、製薬会社の真のパートナーとして医薬品の価値最大化に貢献している。更に、同社は、製薬会社のみならずバイオベンチャーに対して、ライセンス等の出口戦略まで多面的に支援している。

(同社決算説明会資料より)
CRO事業(臨床開発事業)
CRO事業は、製薬会社が行う治験業務の一部を代行する事業で、モニタリング、データマネジメント、メディカルライティング、ファーマコビジランス、統計解析、品質管理などの業務を行っている。同社では、新薬の迅速な市場投入につながる高品質で高効率な治験の支援を目指して、高い技術と豊富な経験をもつスタッフが担当にあたっている。今後も拡大するグローバルスタディに対応していくため、アジア(韓国、台湾、シンガポール、中国など)と欧州、米国に拠点を開設。臨床開発計画立案から、モニタリング、データマネージメント、統計解析、ファーマコビジランス、薬事申請支援までワンストップで対応。10年から20年近くに及ぶ新薬開発プロジェクトの中でも、3年から7年を要するといわれる治験で特に重要とされる「第Ⅱ相(フェーズⅡ試験)」「第Ⅲ相(フェーズⅢ試験)」のプロセスに注力し、治験の核となる「モニタリング」を「品質管理」「コンサルティング」とともに提供。信頼性の高いデータの収集を行い、迅速、確実な新薬開発の実現を支援している。
また、同社は、スケジュール管理、治験標準業務手順書・GCP遵守、データ・症例報告書の信頼性などの分野におけるサービスクオリティの高さに強みを持っている。更に、同社は、設立当初から、難易度が高く、多くの患者が新薬の誕生を待つアンメット・メディカル・ニーズの多い領域の治験を手掛け、がん・免疫・中枢神経へ注力している。
*国際共同治験
「国際共同治験」とは、新規の医薬品開発に世界規模で取り組み、早期上市を目指すため、臨床試験を複数の国または地域において同時並行的に行うことをいう。
*GCP(Good Clinical Practice)
「GCP」とは治験を実施する際に守るべきルールで、日本で正しく治験を実施できるように厚生労働省により省令(法律を補う規則)として定められているもの。
育薬事業
育薬事業は、企業・医師主導臨床研究の組織体制構築業務、製造販売後の臨床試験・調査の企画業務・モニタリング業務・監査業務をサポートする事業であり、同社は臨床研究のサポートを実施している。臨床研究法が施行され臨床研究を取り巻く環境は大きく変化している中、情報をタイムリーにキャッチアップし、製薬会社のメディカルアフェアーズ部にとって最良のパートナーとなれるよう、臨床研究のモニタリング・研究事務局業務を中心にデータマネジメント・統計解析などを含めたフルサービスの支援を行っている。開発で培ったノウハウをベースに、最新のレギュレーションに対応し、難易度の高い領域でエビデンス創造に貢献する方針である。
創薬支援事業
既存の臨床開発事業と育薬事業に続く、第3の事業である創薬支援事業 (Innovative Drug Development Business) を展開中。創薬支援事業では、日本市場参入を支援するコンサルティングなどの業務を行っている。国内大手製薬会社でライセンス、事業開発、臨床開発、開発薬事、マーケティングといった業務に携わり、開発品の目利きから、導入・導出交渉、臨床開発などで数々の実績と豊富な経験を有している担当者が中心となり、主に①開発品の市場分析・調査、②開発・薬事戦略、規制当局相談のコンサルティング、③戦略パートナー/ライセンスのサポートの3種のサービスを提供している。これらの経験を武器に、現在、国内または国外の製薬会社、バイオテクノロジーカンパニーを、幅広い疾患領域において支援している。
【サービス】
医薬品開発戦略
プロトコル作成と 試験デザイン | 同社はプロトコル作成と試験デザインにおいてこれまで多くの臨床開発を成功に導いた実績がある。プロジェクトのニーズに合わせた計画を立案し、リスクを軽減しながら高品質で効率的に試験を行うためのロードマップを策定する。 |
薬事コンサルティング | 同社は、グローバルな医薬品開発に精通し、ワールドクラスの薬事コンサルティングサービスを提供している。最適な戦略を提案し、最も費用対効果が高く、最も迅速に薬事プロセスに対応できるよう支援する。 |
薬事申請 | 同社の薬事チームは豊富な専門知識と経験を有し、初期から後期フェーズの臨床開発をサポートしている。また、薬事と臨床業務の双方を理解し、薬事申請戦略、規制当局との面談支援、さらに治験開始時のコーディネートなど、包括的に医薬品および医療機器の開発をサポートしている。同社は、米国、ヨーロッパおよびアジアの顧客との豊富な取引実績がある。 |
品質保証 | 同社は、品質を最も重視している。SOPの作成からQAコンサルティング、監査まで、世界中でサービスを提供している。 |
メディカルライティング | メディカルライティングは、治験関連文書の作成にあたり、明確なコミュニケーションと一貫性の保持、更には被験者の安全性の確保や規制当局の審査に対応するために必要不可欠である。同社は、高い専門性を活かし、顧客の要求レベルを満たす高品質のメディカルライティングによる、付加価値の提供を目指す。 |
臨床試験
フィジビリティ調査と 試験の立ち上げ | フィジビリティ調査と医療施設の選定を行い、臨床試験をより迅速に立ち上げる。同社は、豊富な現場経験に基づく実践的かつ戦略的アプローチにより、顧客と緊密に連携して目標を理解し、革新的なソリューションを提案し、早期に組み入れが完了するよう臨床試験の立ち上げを行う。 |
プロジェクトマネジメント | 同社の経験豊富なプロジェクトチームは、顧客のパートナーとして、試験が予定通りに予算内で、期待する品質のデータを得るよう完了まで支援する。また、これまでの経験を活かしながら顧客の要望に素早く対応し、ニーズを確実に満たせるよう、プロジェクトに伴走している。 |
ファーマコビジランス | 同社のファーマコビジランスは、専門家からなるグローバルチームである。顧客の安全性情報対応を迅速かつ的確にサポートする。 |
モニタリング | モニタリングは、被験者の人権と安全を保護し、規制遵守、データ品質、および臨床試験結果の完全性を確保するために不可欠である。同社は、創業以来、モニタリングに特に注力し、その品質を顧客に評価されている。 |
データマネジメント・ 統計解析 | 同社のデータマネジメント・統計解析は、あらゆる段階で、深い考察と効率性の双方の提供を目指している。コンサルティングからフルサービスのデータ管理・統計デザインまで同社のプロフェッショナルが担当する。 |
被験者募集 | 臨床試験に適した被験者を見つけることは容易ではなく、症例の組入が臨床試験の成否を分ける最大のポイントであり、試験が大幅に遅れ、大きな損失が生じる可能性にもつながる。臨床試験を成功させるには、被験者募集計画を十分に検討することが不可欠である。 |
トレーニング | 同社のCRAトレーニングは、熟練した専門家や実務に携わっている臨床現場のClinical Trial Manager(CTM)が講義を行うことで、より実践的なトレーニングを提供しており、受講生は優れたモニタリングスキルを持つ優秀な臨床開発モニターになることが可能となる。 |
【疾患領域における専門性】
がん領域 |
同社は、がん領域に強みを持つCROとして、多くの新薬の開発に貢献している。がん領域は重篤な症例が対象となることが一般的で、安全性情報報告を中心に、慎重かつ迅速な対応が求められる。同社はグローバルで第I~IV相まで数多くのがん領域の臨床試験を手がけており、固形がんや血液がんを始め希少がんなど幅広い実績がある。経験豊富なマネージャーと臨床開発モニター(CRA)を安定的に配置し、質の高い業務遂行により、リピート受託につながっている。 |
中枢神経系領域 |
同社は、臨床開発の困難度が高い中枢神経系(CNS)領域の治験を専門に取扱う部門を有し、豊富な実績を持つCROである。同社の中枢神経領域事業部では、認知症やパーキンソン病をはじめとする神経変性疾患、運動機能障害を伴う様々な神経筋疾患、うつ病、睡眠障害、統合失調症など多様な精神疾患などの中枢神経系領域の治験を実行するための、神経・精神疾患に対する広い知識と深い理解を有するリーダー及び臨床開発モニター(CRA)を育成している。 |
免疫領域・ワクチン |
同社は、創業以来、免疫領域・ワクチン試験において幅広い経験と専門知識を蓄積している。免疫領域の臨床試験について第I相~第IV相での豊富な経験がある。顧客の新薬をいち早く患者様に届けるため、治験のスケジュールと予算管理を徹底し、効率的かつ高い品質のサービスを常に提供している。主に次のような様々な疾患での実績がある。 (自己免疫疾患、呼吸器および肺疾患、アレルギー疾患、予防ワクチン、治療用ワクチン、アウトブレイクおよび伝染病) |
内分泌・代謝領域 |
代謝性疾患は臨床試験における成長分野であり、新しい治療法の開発が強く求められているものの、患者の募集や効率性などに多くの課題がある。これに対応するため、この領域の試験においては薬事戦略や安全性管理に精通したきめ細やかな対応力のあるCROパートナーが必要となる。同社は、グローバルな薬事に関する専門知識と試験の運営能力を持ち、協力的なプロジェクトチームが提供可能である。試験の立ち上げを加速し、リスクを軽減し、高品質のデータを提供するためのカスタマイズされたソリューションを提供している。また同社は「患者中心」を最優先とし取り組んでいる。 |
その他の疾患領域 |
同社は、希少疾患、小児領域、バイオシミラーなどの他の様々な疾患領域を支援している。同社は、小児領域の臨床開発における複雑な課題に対しソリューションを提供できる専門的知識を備えている。また、世界中の希少疾患や希少疾病に対する有望な治療法の進歩に貢献している。更に、同社は、これまで培った臨床開発の専門知識と経験をフルに活用し、バイオシミラー開発を支援している。 |
【グローバル展開】
同社は日本発のグローバルCROとして、日本を中心にアジア、欧州、米国など世界各地に拠点を展開している。約20か国/地域で従業員を雇用。提携パートナーを含めると30か国程度でサービス提供している。現地の規制や習慣を熟知した各機能のエキスパートが、グローバルに連携し、一つ一つのプロジェクトに合わせたきめ細かなサービスを提供している。

(同社決算説明会資料より)

(同社決算説明会資料より)
25/3期において、海外比率は売上高で67%、従業員数で55%となっている。
【地域別受注残高】

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
同社グループのCRO事業において受託する治験業務や新薬発売後の臨床研究では、1年から3年程度の治験実施期間において、症例数や対象疾患に起因する治験の難易度などにより受託総額が決定する。この実施期間についてクライアントと委受託契約を締結し、契約に従い売上が発生する。受注残高は、既に契約を締結済みの受託業務の受注金額の残高である。これは、今後1年から5年程度の期間で発生する売上高を示しており、同社グループの今後の業績予想の根拠となる指標である。
2025年11月14日時点の受注残高は、2025年3月期末と比較して1.4%増の119億円となった。
【米国でBest CROとして選出】

(同社決算説明会資料より)
2.経営戦略
【中長期目標】
①日本500人、アジア400人、欧州400人、米国400人、合計1,500人を超える体制の構築
②各極で成長投資(M&Aを含む)を行いつつ黒字を維持し、利益率を向上させる
③世界60ヵ国程度の国へ進出する。

(同社決算説明会資料より)
【成長戦略】
将来のさらなる海外事業拡大に向け、高品質なサービス提供及び財務基盤を強化する。
①ガバナンス
サービスを拡大しながら収益性を向上させるため、組織体制を変革及び強化する。
拠点間のコミュニケーションの強化 |
◆各拠点の進捗状況や課題を迅速に共有し、協力できる体制を強化 |
人材の確保/育成 |
◆専門性の高いサービスを提供できるよう優秀な人材を採用/育成するとともに、人材リテンションのための取り組みを強化 |
サービス間での協業 |
◆モニタリング業務に加え、創薬支援事業やデータマネジメント業務など、異なるサービス間の連携を強化し、迅速・柔軟なサービスを提供 |
②営業
クライアントへのきめ細やかな提案力を強化し、大手グローバルCROとの差別化を図る。
営業組織の改革 |
◆グローバルでの組織的な営業活動を行えるよう、手順の標準化を進めると共にノウハウを蓄積 |
顧客ごとの営業戦略の充実 |
◆欧米の新興バイオ医薬品企業を重点ターゲットとしつつ、大手製薬企業や日系製薬企業など顧客ごとに異なるニーズに合致する営業戦略を充実 |
グローバル営業人材の育成 |
◆グローバルで連携しての営業活動を担える人材を確保 |
③IT投資
デジタル技術を活用し、臨床試験の効率化ニーズへの対応及び経営の効率化を推進する。
AIの治験業務への活用 |
◆治験業務におけるAIの活用に向け、システムの導入検討を図るとともにテクノロジーと臨床開発の双方に精通した人材を育成 |
各ファンクションにおけるDXの推進 |
◆グループ全体で統一したデジタルツールやシステム環境を整備し、DX化による生産性向上を図る |
協業関係の強化 |
◆分散型臨床試験(DCT)やAI活用のために必要となるシステム系パートナー網の強化 |
◎臨床試験におけるAIの活用
臨床試験の各フェーズでのAI活用に向け、ツールの導入検討を推進する。
試験デザイン策定 |
◆AIモデルが試験文書から情報を抽出 ◆プロトコルの各要素が結果にどのように影響するかを評価 |
症例登録 |
◆AIが医療記録を検索し、臨床試験の基準を満たす潜在的な患者を特定 ◆試験組入の迅速化と精度向上が可能 |
データアナリシス |
◆AIが膨大な試験データを分析 ◆患者の記録をマイニングしてパターンを見つけたり、反応を個別に予測することが可能 |
リスクモニタリング |
◆AIがリアルタイムに臨床試験データをモニタリング ◆安全性の懸念が生じるとアラートを発出 |
レギュラトリー |
◆AIがデータ間の不整合やエラーをチェックし、規制の遵守をサポート |
3.2026年3月期第2四半期累計決算
(1)連結業績
| 25/3期 上期 | 構成比 | 26/3期 上期 | 構成比 | 前年同期比 | |
売上高 | 5,426 | 100.0% | 4,859 | 100.0% | -10.4% | |
売上総利益 | 1,314 | 24.2% | 1,071 | 22.1% | -18.4% | |
販管費 | 1,507 | 27.8% | 1,583 | 32.6% | +5.0% | |
営業利益 | -192 | -3.6% | -511 | -10.5% | - | |
経常利益 | -239 | -4.4% | -543 | -11.2% | - | |
親会社株主に帰属する中間純利益 | -280 | -5.2% | -927 | -19.1% | - | |
※単位:百万円
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります。(以下同じ)
前年同期比10.4%の減収、5億11万円の営業損失
26/3期第2四半期累計の売上高は、前年同期比10.4%減の48億59百万円、5億11百万円の営業損失(前年同期は1億92百万円の営業損失)。売上面では、日本、欧州、台湾及び中国が増収となったものの、米国及び韓国が減収となったことから連結で減少した。利益面では、台湾、中国が黒字となったものの、日本、米国、欧州及び韓国が営業赤字となり連結でも営業赤字となった。
日本は、国内外の製薬会社からの複数の新規案件を受託、売上計上したことで増収、営業赤字は縮小した。米国は、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず減収、営業赤字となった。複数の大型国際共同治験を受注内諾したものの、米国食品医薬品局(FDA)による試験計画審査の遅れにより試験開始が遅延し、売上に影響した。欧州は、既存案件の期間延長や工数追加の契約変更により増収となったものの、外注費等の費用が増加したことで、営業赤字が拡大した。
売上総利益率は22.1%と前年同期比2.1ポイント低下した。販管費は前年同期比5.0%の増加となった。その他、為替差損が68百万円発生したことなどにより、経常損失は5億43百万円と営業損失よりも損失が拡大した。また、現在の事業環境及び今後の業績動向等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、今上期において繰延税金資産を4億8百万円取り崩し、法人税等調整額の区分に計上したため、親会社株主に帰属する中間純損失は9億27百万円(前年同期は2億80百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となった。
報告セグメントの変更
同社グループは、従来CRO事業と育薬事業の2つを報告セグメントとしていたものの、今第1四半期よりCRO事業の単一セグメントに変更した。この変更は、2025年4月に実施した組織変更を機に、取締役会による経営資源配分の決定や業績評価の観点から報告セグメントについて再検討した結果、CRO事業の単一セグメントとすることが同社グループの意思決定プロセスをより適切に反映するものと判断したことによるものである。


※株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
(2)地域別業績動向
| 25/3期 第2四半期累計 | 26/3期 第2四半期累計 | ||||
売上高 | 営業利益 | 売上高 | 増減率 | 営業利益 | 増減率 | |
日本 | 1,892 | -215 | 1,975 | +4.4% | -114 | - |
米国 | 2,513 | 410 | 1,923 | -23.5% | -76 | - |
欧州 | 1,565 | -54 | 1,709 | +9.2% | -142 | - |
韓国 | 375 | -73 | 327 | -12.8% | -58 | - |
台湾 | 42 | -28 | 98 | +130.9% | 14 | - |
中国 | 115 | -7 | 143 | +24.7% | 50 | - |
連結調整 | -1,077 | -223 | -1,318 | - | -184 | - |
合計 | 5,426 | -192 | 4,859 | -10.4% | -511 | - |
※単位:百万円
※のれんの償却費用は連結調整に含めている。売上高は内部取引控除前の数値。
【日本】
日本は、複数の大型既存案件の中止や期間短縮の契約変更が発生した影響により前期は大幅な減収となったが、現況は国内外の製薬会社から日本での大型案件を複数受託し受注状況は回復傾向にあり、前年同期比で増収となり、利益面でも営業損失が縮小した。日本ではドラッグ・ロスが深刻な社会課題となっており厳しい市場環境が続いているものの、欧米及びアジア事業と連携し国内外の営業活動を継続することで受注を獲得している。引き続き人員稼働率向上のための施策の遂行と経費の厳密な管理により業績改善に努める。
【韓国】
韓国は、前期に発生した医療ストライキが既存試験の進捗や新規案件の獲得に影響を残すとともに、複数の既存案件で顧客都合による中断が発生したことで、前年同期比で減収となったものの、原価発生を抑制したことにより営業損失が縮小した。引き続き日本・アジア地域事業と連携し、国内外企業からの受注獲得に向け営業活動を進める。
【中国】
中国は、前年同期比で増収となり、営業黒字化した。足元では日系中堅製薬企業の中国市場への関心が高まっており、引き続き営業活動を継続する。
【台湾】
台湾は、新規案件の獲得等により前年同期比で増収となり、利益面でも営業黒字化した。国内外で開発を進める台湾バイオテック等から複数の新規案件を獲得しており、さらなる売上貢献を見込んでいる。
【米国】
米国は、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験の受注内諾を得て契約締結手続きを進めており、契約が完了した一部は受注残高に計上され売上高に寄与しているものの、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず、前年同期比で大幅な減収減益となった。引き続き、有望な米国市場において既存顧客との取引拡大と有望なバイオテックからの新規案件獲得に注力し、持続的な成長を図る。
【欧州】
欧州は、前年同期比で増収となったものの、外注費の増加もあり営業損失が拡大した。引き続き受注拡大に向け米国等他拠点と連携し営業活動に注力するとともに、稼働率を高め収益改善に努める。
【のれんの残高と残存償却期間(2025/3期末)】
| のれん | のれん以外の関連する無形固定資産※2 | ||||
期末残高 | 残存償却期間 | 年間償却額※3 | 期末残高 | 残存償却期間 | 年間償却額※3 | |
韓国 | 19/3期で償却終了 | 19/3期で償却終了 | ||||
欧州※1 | 1,195 | 8-9年 | 147 | 6 57 | 2年 5.7年 | 3 10 |
米国※1 | 1,949 | 9年 | 220 | 22 | 2年 | 11 |
合計 | 3,144 | - | 368 | 85 | - | 24 |
*単位:百万円
※1 Linical Accelovance America, Inc.買収により発生したのれんについて、その欧州子会社分を欧州に按分
※2 のれん以外にPurchase Price Allocationにより認識された無形固定資産
※3 2025年3月期末の為替レートで換算
(3)受注残高の推移
| 25/3期 期末 (A) | 26/3期 中間期末 | 25年11月14日時点 (B) | 前期末比 (B-A)/A |
日本 | 4,350 | 4,765 | 4,703 | +8.1% |
米国 | 2,756 | 2,578 | 2,613 | -5.2% |
欧州 | 3,192 | 2,422 | 2,490 | -22.0% |
アジア | 1,437 | 2,031 | 2,093 | +45.7% |
受注残高合計 | 11,737 | 11,797 | 11,900 | +1.4% |
※単位:百万円
2025年11月14日時点の受注残高は、2025年3月期末と比較して1.4%増の119億円となった。
日本は、ドラッグ・ロス等による厳しい事業環境が続いているものの、複数の新規案件の獲得や契約変更により、2025年3月期末から受注残高が増加した。また、日系製薬会社から、同社日本拠点がプロジェクト管理する豪州・アジア試験を受注するなど、豪州拠点設立による効果が発現し始めている。
アジア地域は、台湾子会社が台湾国内及び米国で実施するグローバル試験を含む複数の新規案件を受託し、2025年3月
期末から大きく受注残高が増加した。台湾のバイオテックは当初から米国市場に高い関心があり、米国拠点をもつ同社の強みを活かし更なる新規案件の開拓を進めている。韓国では韓国国内での新規の受注獲得があったことや、グループ会社を経由したデータマネジメント・統計解析業務等を含む複数の新規案件の契約を締結した結果、2025年3月期末から受注残高が増加した。日本・アジアと欧米の営業チームが連携し、欧米バイオテックを日本・アジアに誘致するとともに、世界最大の米国市場を目指し豪州経由で、もしくは当初から北米で治験を開始する日本・アジアのバイオテックの開発ニーズにも対応することで受注獲得を目指す。
米国は、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験を受注内諾し、その一部の契約締結が完了したものの、その他の部分について試験開始時期の遅延から契約完了には至っていないことや、受注内諾を得ていた試験の実施が見送りとなったこと等により2025年3月期末から受注残高が減少した。なお、上述のとおり、受注案件のうち契約締結前の複数案件は上記の受注残高には含まれておらず、今後契約が完了した時点で受注残高に追加される予定である。また、バイオテックを中心にグローバル案件を含む多数の案件の打診を受けており、受注残高を積み上げるべく営業活動に注力している。
欧州は、既存案件の期間延長や工数追加の契約変更に加え、上述の米国が受注した大型国際共同治験のうち契約が完了した欧州分の計上による受注残高の増加があったものの、既存案件が順調に進捗し売上を計上したことに加え、受注内諾を得ていた試験の実施が見送りとなるなど新規案件の積み上げが進まなかった結果、2025年3月期末から受注残高が減少した。一方で、上述の大型国際共同治験のうち契約締結手続き中のものなど、上記の受注残高には含まれない契約締結前の案件がある。米国事業を中心にグローバル・シナジーをさらに強化することで、欧州を含む新規案件の受注獲得拡大を目指す。
(4)第2半期(7-9月)の業績推移

26/3期の第2四半期(7-9月)は、残念ながら減収減益トレンドが継続した。
(5)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
財政状態
| 25年3月 | 25年9月 |
| 25年3月 | 25年9月 |
現預金 | 7,039 | 5,400 | 短期有利子負債 | 1,000 | 1,000 |
売上債権・契約資産 | 2,774 | 2,525 | 前受金 | 2,420 | 2,203 |
立替金 | 841 | 1,011 | 預り金 | 2,755 | 1,843 |
流動資産 | 11,627 | 9,842 | 長期有利子負債 | 1,327 | 1,107 |
有形固定資産 | 395 | 370 | 負債 | 9,521 | 8,372 |
無形固定資産 | 3,239 | 3,074 | 純資産 | 7,253 | 6,047 |
投資その他 | 1,512 | 1,132 | 負債・純資産合計 | 16,775 | 14,420 |
固定資産 | 5,148 | 4,578 | 有利子負債合計 | 2,327 | 2,107 |
*単位:百万円
*有利子負債=借入金+リース債務

※株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
2025年9月末の総資産は前期末比23億54百万円減の144億20百万円。資産サイドは主に立替金、投資有価証券などが増加要因となり現預金、のれん、繰延税金資産などが減少要因となった。負債純資産サイドは、主に退職給付に係る負債、為替換算調整勘定などが増加要因となり、前受金、預り金、長期借入金、利益剰余金などが減少要因となった。また、2025年9月末の自己資本比率は41.9%と前期末比で1.3ポイント低下した。
キャッシュ・フロー |
|
|
| |
| 25/3期上期 | 26/3期上期 | 前年同期比 | |
営業キャッシュ・フロー(A) | 541 | -1,070 | -1,612 | - |
投資キャッシュ・フロー(B) | -12 | 21 | 33 | - |
フリー・キャッシュ・フロー(A+B) | 528 | -1,049 | -1,578 | - |
財務キャッシュ・フロー | -662 | -610 | 51 | - |
現金及び現金同等物中間期末残高 | 7,213 | 5,400 | -1,813 | -25.1% |
※単位:百万円

※株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
CF面では、税金等調整前中間純損失の拡大や立替金の増加や前受金と預り金の減少などにより、営業CFがマイナスに転じた。一方、投資事業組合からの分配による収入の増加などにより投資CFがプラスに転じたものの、フリーCFもマイナスに転じた。その他、財務CFは長期借入金の返済額が減少したことなどによりマイナス幅が縮小した。以上により、25年9月末のキャッシュ・ポジションは、前年同期比で25.1%減少した。
4.2026年3月期業績予想
(1)連結業績
| 25/3期 実績 | 構成比 | 26/3期 会社計画 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 10,437 | 100.0% | 9,350 | 100.0% | -10.4% |
営業利益 | -583 | - | -1,350 | - | - |
経常利益 | -498 | - | -1,400 | - | - |
親会社に帰属する 当期純利益 | -539 | - | -1,700 | - | - |
※単位:百万円
前期比10.4%の減収、13億50百万円の営業損失
第2四半期が終わり、同社は26/3期の会社計画の下方修正を行った。新しい計画は、前期比10.4%の減収、13億50百万円の営業損失(25/3期は5億83百万円の営業損失)。
主に、日本は、新薬開発が減少しドラッグロスが進展する厳しい事業環境の中、前期までに開発中止となった大型案件を補完し上回る新規案件の獲得が進まず今期の計画に届かない見通しとなった。また、欧米においては、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず、当初の計画に届かない見通しとなった。
一方、配当も、前期と同額の普通配当16円/株の予定が据え置かれた。
業績予想の修正
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
期初会社予想 | 11,200 | 300 | 320 | 150 |
11/14修正会社予想 | 9,350 | -1,350 | -1,400 | -1,700 |
増減額 | -1,850 | -1,650 | -1,720 | -1,850 |
増減率 | -16.5% | - | - | - |
*単位:百万円
日本は、国内外の製薬会社から日本での大型案件を複数受託し受注状況は回復傾向にあり前年同期比で増収となる見込みであるが、新薬開発が減少しドラッグロスが進展する厳しい事業環境の中、前期までに開発中止となった大型案件を補完し上回る新規案件の獲得が進まず今期の計画に届かない見通しとなった。また、欧米は、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験の契約締結手続きを進めており、契約が完了した一部は売上高に寄与しているものの、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず、当初の計画に届かない見通しとなった。また、韓国は、既存案件の進捗遅れや新規案件の獲得が計画に比して低迷している。 欧米、韓国の打診案件数は複数存在し、日本での受注状況も回復傾向にあり、業績改善に向けあらゆる施策を実行する。
また、現在の事業環境及び今後の業績動向等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、今中間期において繰延税金資産を4億8百万円取り崩し、法人税等調整額の区分に計上した。
(2)下期の業績見通し

※株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
下期は、残念ながら減収減益傾向が続いている。
(3)新分野における取組事例
◎事例1 既存顧客:再生医療(iPS細胞由来)
Heartseedは、福田恵一慶應義塾大学名誉教授が創業したバイオベンチャーである。他家iPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する治療法である「心筋再生医療」を確立し、重症心不全患者様への貢献を目的にHS-001を開発中である。同社は、CROとして国内第I/II相治験を包括的に支援中であり、開発薬事(PMDA• 相談・プロトコール作成含む)、
モニタリング、データマネジメント/統計解析、安全性管理、監査、ベンダーマネジメント(治験製品輸送、外部検査、検査画像)などの職務を担っている。

(同社決算説明会資料より)
◎事例2 潜在顧客:遺伝子送達医薬品
遺伝子送達プラットフォームとしてウイルスベクターシステムを使い、HSVベースのベクターを設計・製造する海外のバイオベンチャーが増加している。ベクター (vector) とは、外来遺伝物質を別の細胞に人為的に運ぶために利用されるDNAまたはRNA分子である。
<HSVベクターの特徴>
◆遺伝子治療用ベクターとして広く応用が進んでおり、様々な疾患を対象とした遺伝子治療用担体として有望視されている。
◆分裂/非分裂細胞の両方の様々な細胞種に対して高い感染能力を持つ。
◆ウイルスゲノムが極めて大きいため(~150 kb),単一ベクターで巨大かつ複数の治療遺伝子を運搬可能
◆神経系への遺伝子導入、腫瘍溶解剤、ガン、HSV、その他感染症に対するワクチンの開発など様々な用途に利用される。

(同社決算説明会資料より)
(4)配当政策
同社は財務基盤の強化にも積極的に取り組む。海外事業拡充への成長投資の原資を確保するため、成長戦略による増収と、高稼働率の維持とコスト管理を徹底し、一株当たり利益の持続的成長を確保する。同時に当座比率、自己資本比率を高め、機動的な資金調達を可能にする他、株主還元と成長資金の確保の両立に努める方針である。

5.今後の注目点
第2四半期が終わり、同社は26/3期の会社計画の下方修正を行った。新しい計画は、前期比10.4%の減収、13億50百万円の営業損失(25/3期は5億83百万円の営業損失)の厳しい内容となった。日本は、国内外の製薬会社から日本での大型案件を複数受託し受注状況は回復傾向にあり前年同期比で増収となる見込みであるものの、新薬開発が減少しドラッグロスが進展する厳しい事業環境の中、前期までに開発中止となった大型案件を補完し上回る新規案件の獲得が進まず今期の計画に届かない見通しとなった。また、欧米は、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験の契約締結手続きを進めており、契約が完了した一部は売上高に寄与しているものの、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず、当初の計画に届かない見通しとなった。また、韓国でも、既存案件の進捗遅れや新規案件の獲得が計画に比べ低迷している。
こうした厳しい環境ではあるものの、アジア地域において、11月14日時点の受注残高が2025年3月期末から大きく増加したことは明るい材料であった。これは、台湾子会社が台湾国内及び米国で実施するグローバル試験を含む複数の新規案件を受託したことが寄与したものである。台湾のバイオテックは当初から米国市場に高い関心があり、米国拠点をもつ同社の強みを活かし更なる新規案件の開拓を進めている。また、韓国では韓国国内での新規の受注獲得があり、加えて、グループ会社を経由したデータマネジメント・統計解析業務等を含む複数の新規案件の契約を締結した。今後同社は、日本・アジアと欧米の営業チームが連携し、欧米バイオテックを日本・アジアに誘致するとともに、世界最大の米国市場を目指し豪州経由で、もしくは当初から北米で治験を開始する日本・アジアのバイオテックの開発ニーズにも対応することで受注獲得を目指す。今後アジア地域において順調に受注を拡大することができるのか注目される。
加えて、同社では今後臨床試験においてAIを積極的に活用することを計画している。試験デザイン策定、症例登録、データアナリシス、リスクモニタリング、レギュラトリーなどの臨床試験の各フェーズでのAI活用に向け、ツールの導入検討を推進する。今後臨床試験におけるAIの活用は不可欠と思われ、その成否が今後の成長性にも大きな影響を与えそうである。少し中長期的な話とはなるものの、臨床試験におけるAIの活用の進捗状況にも期待を込めて注目していきたい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態および取締役・監査役の構成
組織形態 | 監査等委員会設置会社 |
監査等委員でない取締役 | 3名、うち社外2名 |
監査等委員である取締役 | 3名、全員社外取締役 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2025年6月30日
<基本的な考え方>
(1)経営理念
当社は、「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」を経営理念として掲げています。役員・従業員の有する知識・経験、
組織としてのノウハウ・システムを持続的に発展・維持し、製薬会社など世界中のヘルスケアカンパニーに提供することで、
新薬を含む新しい治療技術の開発やその発展・浸透、ひいては人類の健康的な生活に貢献することを目指しています。
(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
上記経営理念に基づき、当社は、医薬品開発のノウハウ・技術をもって新薬を含む新しい疾患予防・治療技術の誕生・成長に貢献し、国内外のバイオベンチャー、製薬企業、医療機器メーカーなどのヘルスケアカンパニー、医療機関のパートナーとして医療の発展に貢献し、患者様ならびに社会全体の期待に応えてまいります。
当社は、人命に関わる事業活動を行うため、当社の役員ならびに従業員には専門性のみならず高い倫理観が求められることから、コンプライアンスの徹底をはじめとした企業行動規範の遵守を徹底しております。また、内部統制の充実を図り、経営の健全性・透明性を確保することで、事業の発展とあわせて企業価値の向上に努めております。
<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
実施をしないコードのおもな原則と理由
原則 | 実施しない理由 |
【補充原則4-1② 中期経営計画 | 当社では、経営会議において中期計画を検討し、各会議において進捗状況の確認・分析を行い、必要に応じて適宜、中期目標や方針の見直しを行うこととしています。取締役会は、中期計画を審議・決議するとともに、進捗状況や分析結果について報告を受け、監視・監督することとしています。現在、中期経営計画の改訂を進めており、株主・投資家の皆様との共有認識を醸成できるよう説明方法を含め検討してまいります。 |
<開示している主な原則>
原則 | 開示内容 |
【原則3-1 情報開示の充実】 | (i)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画当社は、「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」を経営理念として掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。この実現に向け現在、中期経営計画の改訂を進めており、株主・投資家の皆様との共有認識を醸成できるよう説明方法を含め検討してまいります。経営戦略、経営計画につきましては、有価証券報告書などの資料にて開示しています。 (ii)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方については、本報告書の「1.基本的な考え方」に記載しています。またこれを含めた当社コーポレート・ガバナンスの概要については当社WEBサイトにて開示しています。 (iii)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続当社の取締役の報酬等は、株主総会で決議された報酬総額の範囲内で支給いたします。また、取締役の個人別の報酬等の決定方針は取締役会で決議します。当該方針の決定・手続きに関し、取締役会からの諮問を受け、社外取締役が過半数を占める3名以上の委員で構成される報酬委員会にて協議・答申を行うことで、客観性、透明性、公正性を確保します。※2025年3月期において報酬委員会は計4回開催され、委員の全員が各回に出席しました。その主な議題としては、代表取締役から諮問を受けた取締役等の業績連動報酬支給額の審議、報酬水準・報酬構成を含む取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針及び関連規程ならびに取締役等の個別の報酬額の審議等がありました。なお、役員の報酬等に関する内容の詳細については有価証券報告書「4.コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等」にて開示しています。(iv)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役候補の指名を行うに当たっての方針と手続 選解任の方針と手続き当社では、社内取締役及び執行役員候補の選任、指名については、経営幹部にふさわしい見識や高潔な人格を有すること、的確かつ迅速な意思決定が行えること、そのほか個人の知識・経験・能力等に基づき、社外取締役を含めた取締役会、経営陣全体のバランスを総合的に考慮した上で、下記①②の基準のもと、取締役会決議にて選任・指名することとしています。また、再任については期待される業績・成果を恒常的に上げているかどうかを判断し、取締役会決議にて再任(非再任)することとしています。 ①監査等委員でない社外取締役候補の選任、再任については、原則4-9に示した基準及び資質に基づき、取締役会決議にて選任、再任することとしています。 ②監査等委員である取締役候補の選任、再任については、原則4-9に示した基準及び資質に加えて、最低1名は財務・会計に関する十分な知見を有したものを加え、経営の監査機能が適切に行えるよう監査等委員会としてのバランスを考慮し、監査等委員会の同意を得た上で、取締役会決議にて選任、再任することとしています。なお、選任・再任プロセスの客観性、透明性、公正性を高めるため、社外取締役が過半数を占める3名以上の委員で構成される指名委員会が、候補者への面談等を通じて候補者の業績・成果を検証・審議したうえで答申を取締役会に提出しており、取締役会はその答申を踏まえて決議することとしております。※2025年3月期において指名委員会は計3回開催され、委員の全員が各回に出席しました。主な議題としては、業務執行取締役及び執行役員(CXO含む)ならびに子会社役員の再任検討がありました。 社長(CEO)の選解任の基準等取締役会は、代表取締役社長執行役員CEOの選解任について、最も重要な意思決定の一つであることを前提に、経営環境全般の変化への対応、積極的な経営戦略の立案・推進や、継続的な業績の向上に貢献できているか等を総合的に勘案し、指名委員会での協議、答申のプロセスを経て実施いたします。なお、代表取締役社長執行役員CEOの後継候補者育成についても、知識教育や計画的なジョブローテーション、海外出向などを通じて、実施しております。(v)取締役会が上記(iv)を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役候補の指名を行う際の、個々の選解任・指名についての説明 ①取締役候補(監査等委員である取締役候補を含む)の選任につきましては、株主総会招集通知に個人別の経歴、候補者とした理由を記載しております。また、解任が行われる場合には、適宜適切に開示いたします。 ②執行役員CXOについては、解任等の重要な変更があった場合に、当社WEBサイト等にて公表いたします。 |
【原則5−1 株主との建設的な対話に関する方針】 | 当社は、株主(潜在株主としての機関投資家や個人投資家を含む)との建設的な対話を通じて、企業と株主との共通目的である企業価値の持続的成長を目指しています。アカウンタビリティの強化に向け、情報開示の充実を継続的に推進し、国内外の投資家との対話の促進に取り組んでいます。具体的には、業績、経営戦略、資本政策、リスク、コーポレート・ガバナンス体制などについて以下の方法により継続的・建設的で透明・公正な対話を実施しています。 ①株主との対話は執行役員CFOが統括を行い、面談の目的と効果、株主属性を勘案し、代表取締役社長執行役員CEO、執行役員CFOを中心とした経営幹部により対話者と対話方法を検討のうえ実施しています。②IRは財務部ならびに広報室が中心となり社内関連部署から必要情報を収集し、分かり易い資料作成や説明により株主との対話を充実させています。 ③定時株主総会、決算説明会、個人投資家向け説明会に加え、国内外機関投資家との個別ミーティング、英文を含めたWEBサイトでのIR情報開示、個人投資家様からの電話・メール等による個別対応などを通じて対話の機会を持ち、質問や要望、説明会での参加者情報やアンケート結果などをIR活動へ反映しています。 ④株主との対話を通じて把握した株主の関心や懸念は執行役員CFOに集約し、経営分析や情報開示の在り方などの検討に活かしています。 ⑤IR活動や株主との対話においては、社内規程の定めるところに従い、適切にインサイダー情報を管理しております。なお、当社では決算情報に関する対話を控える沈黙期間を四半期決算期日の翌日から決算短信発表日までとしております |
【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(検討中)】 | 当社は1株当たり当期純利益(EPS)を経営指標とし、決算説明会資料及びWEBサイトにて開示しておりますが、方針・目標、取組みについては、現在開示内容を検討しております。 |
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