ブリッジレポート
(6537) WASHハウス株式会社

グロース

ブリッジレポート:(6537)WASHハウス 2025年12月期決算

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児玉 康孝 社長

WASHハウス株式会社(6537)

 

 

企業情報

市場

東証グロース、福証Q-Board

業種

サービス業

代表取締役社長

児玉 康孝

所在地

宮崎県宮崎市新栄町86番地1

決算月

12月末日

HP

https://www.wash-house.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

357円

6,925,400株

2,4472万円

0.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

-

12.47円

28.6倍

251.53円

1.4倍

*株価は3/30終値。時価総額は3/30終値×発行済株式数(四捨五入)。ROE・BPS・PBRは25/12期実績、DPS・EPS・PERは26/12期予想。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2022年12月(実)

1,921

-54

61

11

1.70

0.00

2023年12月(実)

1,914

13

26

-33

-4.83

0.00

2024年12月(実)

2,083

22

24

31

4.53

0.00

2025年12月(実)

2,529

19

63

10

1.55

0.00

2026年12月(予)

3,439

195

181

86

12.47

0.00

*単位:百万円。

 

WASHハウス株式会社の2025年12月期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2025年12月期決算概要
3.2026年12月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 25/12期の売上高は天候要因(好天による需要減少)という外部環境の影響を受けたものの、売上高は前期比21.4%増の25億29百万円と大幅増収を達成。セルフランドリー事業を取り巻く環境としては、健康志向の高まりから、衣料はもとより毛布や布団など自宅では洗えない大物洗いの需要が増加している。しかし、全国的な雨不足と記録的な日照時間の長さにより、ランドリー運営には非常に厳しい気象条件となった。既存店売上は7%減となり店舗売上は90%水準を確保して一定の成果を上げることができた。営業利益は前期比13.9%減の19百万円。利益面では、売上総利益率が前期38.5%から31.6%に低下、販管費が前期並みに抑えたものの営業利益は前期から減少した。

     

  • 26/12期は売上高が前期比36.0%増の34億39百万円、営業利益は同918.6%増の1億95百万円と大幅な増収増益を計画。「プラットフォームとしてのセルフランドリー事業」の成長加速により、収益構造の変化と利益成長が期待される。FC部門では、国内において九州・四国・関西を中心に30店舗の出店を計画し、期末にはFC529店舗体制へ拡大する見通し。また、中国では多店舗展開に向けた事業基盤の構築を進める。店舗運営部門では、直営店舗は72店舗体制をベースに運営しつつ、ランドリーサービスに加え、アプリや関連サービスを通じた付加価値提供を強化するほか、中国店舗においても段階的なサービス拡充を図る。加えて、コンテナ事業では作業員向け宿舎やリゾート型ホテルを中心に展開し、再生可能エネルギー設備の導入などを進めることで、新たな収益源の確立を目指す。

     

  • 25/12期は晴れの日が多かったことなど逆風はあったものの、大幅な増収を確保した。自社開発のオリジナル洗濯機・乾燥機を設置した店舗の展開は始まったばかりで、26/12期は増収率がさらに拡大し大幅な増益を見込んでいる。また、WASHハウスアプリのダウンロード数は着実に伸びており、顧客基盤の強化も進めている。国内でこの流れが今後数年にわたって見込まれることに加えて、26/12期は海外への本格進出の足掛かりとなりそうだ。出店攻勢に期待したい。株価は長く低迷し、上場時の公開価格(遡及修正後で1,150円)から大きく下落した水準。しかし、今後は大幅増収に加えて利益率の改善も見込まれる。海外展開やコンテナ事業での取り組みにも注目。実績を積み上げていくとともに株式市場での評価も大きく変わることになると見ている。

     

1.会社概要

セルフランドリー業界のグローバルスタンダードの創造を目指し、FCを中心にセルフランドリー店舗を展開。全店舗一括管理運営方式によるクオリティ統一化という今までにない新たなFCビジネスの仕組みを創り出し、FC本部と加盟店の共栄を実現。ストック型の安定した収益構造なども大きな強みである。また、セルフランドリー事業を基盤とした「プラットフォームとしてのセルフランドリー事業」を推進しており、店舗網をメディアとして活用し、アプリを通じた広告配信やキャッシュレス決済、予約機能などを組み合わせることで、ランドリーサービスにとどまらない付加価値の提供を進めている。さらに、自社開発の洗濯機・乾燥機の導入やアプリ会員基盤の拡大により、メーカー機能や広告収益などの新たな収益機会の創出にも取り組んでいる。
大阪、東京への進出を契機に全国展開を本格化し、海外においても中国を中心に事業展開を進めている。
2025年12月現在、1都1府25県に571店舗(FC499店舗、直営72店舗)を出店。
また、25/12期よりコンテナハウスを利用した宿泊施設や長期滞在型施設の開発・運営を行うコンテナ事業も展開しており、セルフランドリー事業とのシナジー創出や新たな事業領域の拡大を図っている。

 

【1-1 上場までの沿革】

児玉社長が起業するにあたり、少子高齢化や人口減少が確実な時代に永続的に売上・利益を伸ばしていくためにはどうしたらよいか、社会的意義がある事業か、先行事業者がいるか、競争に勝てるか、容易に真似されないか、ストック型の事業にできるかなど様々な観点から事業を検討した結果たどり着いたのがセルフランドリー事業だった。

 

事業規模拡大のためにはFC展開が適しているが、FC本部と加盟店との対立というFCビジネスの問題点解決のために24時間365日受付のコールセンター、管理カメラと遠隔コントロールによる即時サポートなどからなる「全店舗一括管理運営方式」をいち早く導入しFC加盟店の負担を大きく低減。働く女性の増加に伴うニーズの拡大も追い風となり、ビジネスは順調に成長していった。
創業の地、宮崎県を含む九州地区中心から、出店エリアを順次拡大し、2015年12月大阪、16年7月には東京へも進出。
16年11月、東証マザーズ、福証Q-Boardに同時上場した。22年4月に東証グロース市場に移行。

 

【1-2 経営理念など】

経営理念として、「全ての発想をお客様の立場で考えることを基準とし、真に社会から必要とされる存在であり続ける。」を掲げている。
この経営理念の下、技術革新や商品開発が自己満足にならないようにすることが重要。従来の考え方や商慣習にとらわれることなく、グローバルスタンダードの構築を目指す。

 

【1-3 市場環境】

◎セルフランドリーが必要とされる社会的背景
アレルギー疾患の増加や、共働き世帯の増加による家事労働時間の節約志向の高まりから、健康・衛生に寄与し、時間を有効活用できるセルフランドリーは、利用者層の拡大と需要の伸張が期待されている。
また、マンションで洗濯機・乾燥機を設置できない、布団などの大物を洗う機器がない、ベランダに干せないといった物理的な理由や、共働きで時間を効率的に使いたい、子どもがいて大量の洗濯物を処理しなければならないといった背景から、セルフランドリーの重要性は日増しに高まっている。さらに、業務用機器による大容量・短時間での洗濯乾燥や、熱風による殺菌効果など家庭用にはない付加価値も評価されており、衛生意識の高まりと相まって利用機会は拡大している。加えて、日本におけるセルフランドリーの利用率は依然として低水準にとどまっており、今後の利用者拡大余地は大きいと考えられる。

 

◎期待されるセルフランドリーの将来性
厚生労働省の調査では、日本のセルフランドリーの店舗数は毎年5%前後の伸び率で増えており、28,000店舗前後存在していると同社では推測している。こうした成長の背景としては共働きの増加による「洗濯時間を減らしたい」という働く女性のニーズ、花粉症などアレルギー対策、良品廉価の衣料品の増加によるクリーニング利用の減少、清潔意識の向上などがあげられる。
また、セルフランドリーは生活インフラとしての性質を持つことから、国内にとどまらず海外においても展開余地が大きく、同社にとってはグローバル市場の開拓も中長期的な成長ドライバーとなることが期待される。

 

(同社資料より)

 

日本におけるセルフランドリーの利用率(2~3カ月に一回以上利用)は9%程度であり、今後膨大な利用者の開拓余地を残している市場である。
業務用セルフランドリー機器には、①布団や毛布を丸洗い・乾燥できる、②家庭用の洗濯機や乾燥機より、スピーディーに仕上がる時短効果、③熱風による殺菌効果、④ホコリをバキュームで吸い取るダスター効果、といった優位性がある。同社が業界の中心的な役割を果たすことで利用率を高め、さらに出店を拡大させていく。

 

◎ビジネスの特徴とプレーヤー
セルフランドリーは他に類のないユニークなビジネス。利用料金を決済して初めて機器が稼働し、洗剤やガスを使うシステムであるため、在庫やロスが発生しない。そのため、少人数の利用者でも経営が成り立つという特殊性を持っている。また無人店舗であることから事業運営が個人の能力に左右されることがなく、人件費も最低限に抑えることが可能。さらにほとんどが個人経営であり、経営意識も低く法令への対応が遅れた旧態依然とした業界。
セルフランドリー市場のメインプレーヤーは同社を含め4~5社と言われており、同社は最多の同一ブランド管理店舗数を有し、かつ、唯一の上場企業である。
また多くの企業が成長(出店数増)のためにFCビジネスで事業展開しているが、同社は徹底したオペレーションの効率化とクオリティの統一化を追求した「全店舗一括管理運営方式」という他に類を見ない新たなFCビジネスの仕組みを構築している。(詳細は、「1-5 特長と強み」を参照。)

 

【1-4 事業内容】

◎セルフランドリー事業
1.部門構成
FC部門、店舗運営部門の2部門。

*同社資料よりインベストメントブリッジが作成

 

①FC部門
他社にはない独自のオペレーション受託型FCを展開している。
店舗出店を企画し、セルフランドリー機器や店舗装飾など、開店するために必要な全ての内容をセットにした「WASHハウスパッケージ」一式を販売する。このほか、オープン時の広告等開業準備費用、FC加盟金を受領している。

 

出店時のFC部門収益構造

 

※標準例、実際には物件によって異なる。

オーナーの出店時支出例

 

※標準例、実際には建築条件やテナント物件の状況等で異なる。

FC店舗の月間運営収益モデル

 

※1ヶ月あたりの収益構造モデル。

オーナーの月間収支モデル

 

※1ヶ月あたりの収益構造モデル。

(同社資料より)

 

FC加盟店開拓に関してはシミュレーション算出や契約書作成等の作業も営業担当から切り離すことで、「動く作業」に専念できる環境を提供している。加えて、金融機関等とのビジネスマッチング契約を締結することにより、出店場所やオーナー候補の情報を増やし、出店数拡大につなげるという「仕組み」作りに注力している。
長年にわたり蓄積してきた「営業担当者の経験年数とFC店舗開発実績」の相関関係データを基に毎期の新規開店計画を立てている。

 

②店舗運営部門
FC店舗、直営店舗に関わらず全ての店舗で一括管理運営方式を導入することによりクオリティを統一化。24時間365日受付のコールセンター、管理カメラと遠隔コントロールによる即時サポート、毎日の点検・清掃、洗剤の補充、メンテナンス、広告活動などのサービスを加盟店に提供し、係る対価をFCオーナーから受領している。直営店舗については店舗利用者から洗濯機・乾燥機の利用料を受領する。また、「WASHハウスアプリ」による収入等も含まれる。
直営店は、主に新規エリアへの進出時に出店しており、「安心・安全・清潔」なセルフランドリーとしての「WASHハウス」ブランドのローカル認知度を高めるとともに、セルフランドリー潜在ユーザーへの利用喚起、FCオーナーと土地オーナー(不動産の有効利用を検討している個人・法人)への店舗モデルの提供など、アンテナ店としての役割を担っている。

 

FCオーナーは店舗管理業務から解放されるため、初期投資コストさえ負担できれば複数の店舗を保有し、収益拡大と共に地域分散による収益変動リスクを低減することが容易である。

 

2.店舗展開
2025年12月現在、27都府県に571店舗(FC499店舗、直営72店舗)を出店。今後も全国展開を進めていく。


*同社資料よりインベストメントブリッジが作成

 

 

【1-5 特長と強み】

①新たなFCビジネスの仕組みを創造
同社を最も特徴づけているのが、同社独自のFC事業モデルだ。

 

一般的なFC事業では、FC本部と加盟店の間に対立が生じやすいという問題が指摘されている。
加盟店がFC本部に加盟金や売上ロイヤリティを支払う対価として、FC本部はブランド名の使用を許可するほか、加盟店にノウハウを提供したり、商品を卸したりするが、店舗の運営、人材の確保などは加盟店がその責任において行わなければならない。
店舗の運営管理は加盟店にとっては相当の負担であり、事業が好調な際は良いが、売上が上がらなくなると、加盟店は「本部の仕組みが悪い」、FC本部は「加盟店の教育が悪い」などと互いのせいにしがちで、苦情に留まらず訴訟にまで進むケースも多い。

 

これに対し同社では、「全店舗一括管理運営方式」を導入し、前述のように、24時間365日受付のコールセンター、管理カメラと遠隔コントロールによる即時サポート、毎日の点検・清掃、洗剤の補充、メンテナンス巡回、広告活動といった、店舗運営・管理に必要な活動を全て同社が提供しており、加盟店の店舗運営に関する負担を実質ゼロにしている。

 

これに加え、同社は月商100万円以上となる物件を基準としているため、地域の人口、年齢分布、収入状況などについてきめ細かい市場調査を実施し、優良物件を開拓するノウハウが蓄積されている。
店舗の完全管理システムと優良物件開拓力、この2つが相まって、加盟店の満足度は極めて高く、これまで業績不振による撤退がゼロという群を抜いた実績に結び付いている。

 

②明るく清潔な店舗。使いやすさにも配慮。
セルフランドリーというと、「暗い・怖い・汚い」というイメージを持つのが一般的だが、同社が提供するセルフランドリー「WASHハウス」は、女性や小さい子供のいるファミリー層をターゲットとする「安心・安全・清潔」な店舗を統一ブランドで提供している。

 

(同社資料より)

 

以前は「家事の手抜き」の一つにも数えられたセルフランドリーの利用だが、女性就労率の増加や高層マンションの普及、ライフワークの変化などから、自宅の洗濯機よりも一度に大量にかつ洗濯・乾燥の時間を短縮できるセルフランドリーへの関心が高まっており、特に健康志向の高まりのなかで、ダニやアレルギー対策として布団やじゅうたんなどの大物洗いの利用が注目されている。
また、子供のスニーカーを洗濯・乾燥できる機器を備えるセルフランドリーへのニーズが高まりつつある。

 

こうしたなかで同社は、以下のような設備を備え消費者ニーズに対応している。
*布団の丸洗いも可能な最大22㎏までの洗濯機や最大25㎏に対応する乾燥機(標準的店舗)
*スポーツシューズや通学用のスニーカー等が洗えるスニーカーランドリー
*無料で使用できるシミ抜き用の機器(スポットリムーバー)

 

さらに全ての店舗において管理カメラで24時間店舗をモニターで管理しているほか、本社から遠隔操作でランドリー機器をコントロールできるIoT型ランドリー機器を導入するなど、無人店舗でありながら、有人店舗であるようなリアルタイムのサポートを提供しており、ユーザーが安心して利用することのできる仕組みを構築している。

 

(同社HPより)

 

加えて、使用している洗剤の成分表示や乾燥機の温度表示を明示することで、安心して消費者が利用できるよう配慮しているほか、清潔な店舗を維持するため乾燥機のフィルター清掃や洗濯機の消毒など店舗の清掃を毎日行っている。

 

また、20年4月にはセルフランドリー用スマホ決済アプリ「WASHハウスアプリ」をリリースした。
同アプリは、「プラットフォームとしてのセルフランドリー事業」を強化することを目的とし、キャッシュレス決済機能やお得なクーポンなどの情報配信機能を搭載したもので、20年5月末にWASHハウス全店舗への導入を完了した。
他にも多種多様な業種とのコラボレーションを生み出す機能を組み込んでおり、ユーザーに対して、生活に密着した有意義な情報を届けたり、利便性が高いサービスを提供したりすることで今後もユーザーに必要とされる店舗作りに取り組んでいく考えだ。

 

③ストック型の安定した収益構造
店舗運営部門における売上高は、1店舗当たり月額で店舗管理手数料6万円、システムメンテナンス料1万円、広告分担金3万円、清掃費3.9~5.1万円等から成っており、合計約14~15万円/月。

 

(同社資料より)

 

このように、店舗運営部門売上高は、その期以前からの継続店舗からの売上高をベースに、その期中の新規店舗からの売上高がオンされるという形で、期を追うごとに着実にストックが積み上がっていく。
一方、現在まで事業不振による閉店はゼロという実績が示す通り加盟店の満足度は極めて高く、店舗数が減少する可能性は低い。
WASHHOUSEフィナンシャルからの収入もストック型収益であり、同社の安定した収益構造は一段と強固なものとなっている。

 

④業界健全化に向けた取り組み
成長が続くセルフランドリー市場ではあるが、児玉社長によれば課題も山積しているのが現状だという。
その一つが法令順守の問題。

 

例えば、セルフランドリーは乾燥機で大量のガスを使用するため安全性の観点から排気ダクトの材質や取り付け方などが消防法や建築基準法などで詳細に規定されているが、実態は違法な設置が多く見られるという。
また、セルフランドリー業者の中には差別化を図り、ユーザーにアピールするために「洗濯代行サービス」を謳っているものもあるが、クリーニング業法に抵触し違法である可能性が極めて高い店舗が多い。

 

1950年に施行されたクリーニング業法は、国民の公衆衛生を保護する観点から下記の様な規定を設けている。

 

(クリーニング業法 抜粋)

条項

条文

意味

第2条 

2

この法律で「営業者」とはクリーニング業を営む者(洗たくをしないで洗たく物の受取及び引渡しをすることを営業とする者を含む。)をいう。

手たたみを行う者もクリーニング業営業者となる。

3

この法律で「クリーニング師」とは、第六条に規定する免許を受けた者をいう。

クリーニング業を行うにはクリーニング師の免許を取らなければならない。

4

この法律で「クリーニング所」とは、洗たく物の処理又は受取及び引渡しのための営業者の施設をいう。

クリーニング所を開設する時は、都道府県知事に届出をしなくてはならない。また、クリーニング所は、都道府県知事の使用前の検査確認を受けなければ使用してはならない。

クリーニング所には、クリーニング師を置かなくてはならない。

 

同法の趣旨や運用を要約すると意味するところは以下の通りとなる。
*セルフランドリー業者がクリーニング師の免許を取得しても、クリーニング所ではないセルフランドリー施設で洗濯物の出し入れ、たたみ仕上げ等のサービスを行うことはできない。
*クリーニング所として届け出た施設内の洗濯・乾燥機はクリーニング業営業者が使用するためのものであり、衛生上の観点から他者(セルフランドリーの場合のユーザー)に利用させることはできない。

 

こうした法律があるにもかかわらず、保健所からの指導を逃れるために、店内にカウンターを設けて、その中に洗濯機を設置し、「この洗濯機で洗濯しています。」と説明しながらも、実際にはその洗濯機を使わず、カウンターから外に出てクリーニング所として届け出ていないセルフランドリー機器でユーザーの洗濯物を預かって洗濯したり、手たたみサービスを行なったりしているケースも見られるという。

 

こうした状況に対し児玉社長は、セルフランドリーの利用を普及促進させるためには、自社においては「安心・安全・清潔」なセルフランドリー作り等に取り組むと共に、業界の健全化を進めることが不可欠と考え、一般社団法人全国コインランドリー管理業協会を2003年12月に設立した。

 

同協会は、法令等に準拠した設備と衛生管理についての運営基準を定め、現時点では同社の直営店及びFCオーナーの加盟店が店舗単位で加入しており、業界の健全化と一般消費者への啓蒙活動(セルフランドリー利用の有用性告知など)を担っている。

 

【1-6 事業展開】

2016年、WASHハウスの上場後、セルフランドリー出店ブーム!
2万店舗だった店舗数が現在2万8千店舗超へ、セルフランドリーを使う習慣は明らかに拡大している。
こうした中、同社は創業以来、『洗濯屋のつもりはない!』と唱えてきた。
将来、「無料」で洗濯・乾燥を提供することを視野に入れていたためである。
そしてついに無料化実験を実施し広告を収益化することができた。
「無料」で洗濯・乾燥ができ、「無料」でコーヒーも飲めて、宮崎牛や鰻も当たる!! しかも家で洗うよりも安い!
更にお得な情報や商品が購入できる!
洗濯の概念を変えていく。
同社では22年前から無料化への準備を進め、洗剤工場、自社洗濯機・乾燥機、自社基幹システムで価格競争になることを想定し、徹底したコストダウンを追求してきた。グローバル展開も見据えたWASHハウス完全オリジナルの洗濯機・乾燥機・システムを研究・開発し洗濯機・乾燥機のサイネージ化を図ってきた。

 

【1-7 新商品】

創業当時より目指してきた「洗濯を無料で提供する」ことを実現するために開発を続けてきた、自社オリジナルの洗濯機・乾燥機が完成した。今回の開発を通じてメーカーとしての機能を構築する。また、この新しいランドリー機械を市場投入していくことは、今後の同社グループの事業展開はもちろんのこと、業界の常識を大きく変えるものになる。
また、自社開発のオリジナル洗濯機・乾燥機を初めて設置したコンテナ型セルフランドリー店舗(WASHハウス宮崎小松店)を24年12月にオープンした。その後は新規出店やリニューアルを通じて投入している。

 

(同社資料より)

 

【1-8 WASHハウスアプリ】

広告システム
広告枠への出稿を受付け、WASHハウスアプリにて動画広告・バナー広告を配信する。広告システムから収入を得ることにより、将来は洗濯を無料で提供する考え。セルフランドリー利用者は、終了時間確認時、終了時等でアプリ内の広告を目にする。このため、広告主にとってヒット率の高い広告出稿が可能となる。
酒造メーカー、引越業者、食品メーカー、行政などで実績。

 

キャッシュレス決済システム
アプリでコードを読み取り、洗濯や乾燥などの利用コースや決済サービスを選択することが可能。これにより、硬貨を使用することなくキャッシュレス決済が可能となる。現在11種の決済サービスに対応している。

 

予約システム
WASHハウスアプリの「洗濯予約画面」から利用したい店舗・機械を選択し、利用したい洗濯コースや乾燥時間を選択、空いている日時から利用日時を選択することで予約が完了する。予約時間に店舗の機械に表示のQRコードをスキャンして、WASHハウスアプリで決済し、運転開始。
予約システムを利用することで、「洗濯物をもってきたけど、洗濯機が空いていない」という従来の問題を改善させる。店内の混雑緩和にも大きく寄与する。

 

相互送客システム
WASHハウスで洗濯を開始すると直後に近隣のスーパーマーケットなどで使えるクーポンを獲得する。利用者は洗濯・乾燥の待ち時間に、近隣の店でお得な買い物が可能となる。スーパーマーケットなどにおいては、レシートにWASHハウスの割引クーポンを印刷。アプリでコードを読み取ると、お得に洗濯することができる。
これにより、WASHハウスと店舗が相互の来店を誘導し、双方の利用者増と認知向上を狙う。

 

アプリのダウンロード数は着実に伸びており、2025年5月には100万ダウンロードを達成。月間約3万ダウンロードのペースで増加中、2026年には年内140万ダウンロードを目指す。

 

ランドリーサービス以上の価値を提供
WASHハウスアプリを使った全店舗を対象としたキャンペーンなども行うことによりセルフランドリーサービス以上の価値をもたらしていく考え。
アプリをダウンロードすると抽選で宮崎牛が当たるなどのキャンペーンを実施。

 

WASHハウスアプリのダウンロード数は25年末現在115万DL、会員は100万を突破した。26年2月には117万DLを達成し、12月に140万DLを目標としている。

 

【1-9 海外展開】

昨年完成させたオリジナル洗濯・乾燥機を中国向けにローカライズして展開していく準備を進めている。
昨年12月には100%出資の「WASHハウス青島」を設立した。
電気・水質・通貨も含めて、現地の法律、慣習、環境に合わせて展開していく。

 

(同社資料より)

 

青島市・市南区に初出店。同地域では、①行政の協力が得られやすい、②西洋文化に馴染んでいる、③日本人駐在員が多い、④競合がほとんどいない、といった特性がある。
中国での法律に従い、1年間は自社で出店し1年後以降にFC募集を行っていく予定。
既にプロモーションを行っているが、市南区と連携したイベントも予定している。

 

また、昨年10月には同社のタイ出身の2名が日本での研修を終えてタイに帰国。市場調査して現在は出店に必要な事項を準備中。WASH HOUSEシステムの現地対応も進め、候補地が見つかり次第出店していく見通しである。

 

◎コンテナ事業
25/12期から、本格的に開始した事業。コンテナハウスを利用したホテル等の施設販売や貸付およびその管理運営を受託している。開発したコンテナ施設にセルフランドリーを設置することでセルフランドリー事業との相乗効果を高めることも狙う。
・24年12月1日から石川県輪島市に建設作業員向けの長期滞在型宿舎10室を運営
・25年2月1日に鹿児島県種子島に「ホテルWASHハウス種子島」8室を運営
・25年6月30日に宮崎市青島と日向市金ヶ浜の2拠点に移動可能でサステナブルなトレーラー型ホテル「1NLDK」を同時開業(それぞれ6室、2室)
「1NLDK」とは1LDKとNATUREを合わせた造語であり、自然と滞在空間をランドスケープデザインしたホテル。地域毎の文化に触れながら、宿泊を通して自然と共に過ごす時間を提供する。
1NLDK を展開するエリアは、サーフィンやトレッキングなどのアウトドアライフを楽しむことのできるエリアを選定している。

 

1NLDK AOSHIMA

外観

内装、食事

(同社資料より)

 

【1-11収益構造を変えながら事業を拡大】

・第1ステージ・・・メディアとして発信するための店舗網の拡大 収益基盤の拡大
・第2ステージ・・・実現するためのソフト・ハード機器等の開発
・第3ステージ・・・広告事業・越境EC事業・物流・貿易事業 コンテナ事業

 

EC事業では取扱商品のブランディング戦略を最終デザイン中。
プロモーションイベントも行っている。昨年8月2日にベイサイドプレイス博多でWASHハウスアプリ100万ダウンロード突破記念として「ミリオンフェスinベイサイド」を開催した。11月29日にはアイランドアイシアターそらとうみにて、「ミリオンフェスinアイランドアイ」を開催。

 

2.2025年12月期決算概要

(1)業績概要

 

24/12期

構成比

25/12期

構成比

前期比

会社予想

予想比

売上高

2,083

100.0%

2,529

100.0%

+21.4%

2,539

-0.4%

売上総利益

801

38.5%

799

31.6%

-0.3%

-

-

販管費

778

37.4%

779

30.8%

+0.1%

-

-

営業利益

22

1.1%

19

0.8%

-13.9%

20

-7.8%

経常利益

24

1.2%

63

2.5%

+155.6%

65

-2.1%

当期純利益

31

1.5%

10

0.4%

-65.8%

20

-49.0%

*単位:百万円。

 

前期比21.4%増収、13.9%営業減益
売上高は前期比21.4%増の25億29百万円。
セルフランドリー事業を取り巻く環境としては、健康志向の高まりから、衣料はもとより毛布や布団など自宅では洗えない大物洗いの需要が増加している。しかし、全国的な雨不足と記録的な日照時間の長さにより、ランドリー運営には非常に厳しい気象条件となった。既存店売上は7%減となり店舗売上は90%水準を確保して一定の成果を上げることができた。
営業利益は前期比13.9%減の19百万円。利益面では、売上総利益率が前期38.5%から31.6%に低下、販管費が前期並みに抑えたものの営業利益は前期から減少した。

 

(2)部門別動向  

 

24/12期

構成比

25/12期

構成比

前期比

売上高

 

 

 

 

 

セルフランドリー事業

FC部門

259

12.4%

359

14.2%

+38.6%

店舗運営部門

1,822

87.5%

1,766

69.8%

-3.1%

コンテナ事業

1

-

402

15.9%

+29,446.8%

合計

2,083

100.0%

2,529

100.0%

+21.4%

売上総利益

 

 

 

 

 

セルフランドリー事業

FC部門

63

24.6%

96

26.9%

+52.4%

店舗運営部門

737

40.4%

674

38.2%

-8.5%

コンテナ事業

-

-

27

6.9%

-

合計

801

38.5%

799

31.6%

-0.3%

*単位:百万円。売上総利益の構成比は売上総利益率。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

 

①セルフランドリー事業
a.FC部門
売上高3億59百万円(前期比38.6%増)、売上総利益96百万円(同52.4%増)。
FC新規出店は7店舗、リニューアルは20店舗を行った。売上総利益率は26.9%で前期比2.3ポイント上昇した。

 

b.店舗運営部門
売上高17億66百万円(前期比3.1%減)、売上総利益6億74百万円(同8.5%減)。
不利な天候による既存店舗の売上高の不調に伴い店舗運営に必要な納品等の収入が減少した。売上総利益率は人員体制の強化を行ったこと等により38.2%で前期比2.2ポイント低下した。

 

②コンテナ事業
売上高4億2百万円、売上総利益27百万円。
25/12期から加わる新たな事業。売上総利益率は6.9%。

 

(3)財務状態及びキャッシュ・フロー(CF)

◎主要BS

 

24年12月末

25年12月末

 

24年12月末

25年12月末

流動資産

2,367

2,589

流動負債

1,214

1,464

現預金

999

1,085

預り金

366

342

売上債権

162

145

固定負債

1,048

1,085

営業貸付金

853

820

預り保証金

750

743

固定資産

1,715

1,801

借入金残高

754

1,004

有形固定資産

1,150

1,254

負債合計

2,263

2,549

無形固定資産

133

105

純資産

1,820

1,840

投資その他の資産

431

440

株主資本

1,686

1,696

資産合計

4,083

4,390

負債純資産合計

4,083

4,390

*単位:百万円。借入金残高=長期借入金+短期借入金+ 1年内返済予定の長期借入金

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

25/12期末の資産合計は、有形固定資産の増加などにより前期末比(以下同)3億7百万円増加の43億90百万円。負債合計は短期借入金の増加などにより2億86百万円増加の25億49百万円。純資産合計は当期純利益の計上などで20百万円増の18億40百万円となった。
自己資本比率は前期末から2.6ポイント低下し39.7%となった。

 

◎キャッシュフロー

 

24/12月期

25/12月期

増減

営業CF

234

-34

-268

投資CF

-167

-116

+51

フリーCF

67

-150

-217

財務CF

-98

229

+327

現金同等物残高

999

1,085

+86

*単位:百万円。

 

営業CFはマイナスに転じ、投資CFとあわせてフリーCFもマイナスとなった。これは事業拡大に伴う先行投資などにより一時的に資金流出が増加したためである。一方、短期借入金の増加により財務CFはプラスとなり、資金調達により成長投資を支える資金を確保した結果、手元資金は増加した。

3.2026年12月期業績予想

連結業績予想

 

25/12期

構成比

26/12期(予)

構成比

前期比

売上高

2,529

100.0%

3,439

100.0%

+36.0%

営業利益

19

0.8%

195

5.7%

+918.6%

経常利益

63

2.5%

181

5.3%

+184.5%

当期純利益

10

0.4%

86

2.5%

+706.5%

*単位:百万円。

 

26/12期は売上高が前期比36.0%増の34億39百万円、営業利益は同918.6%増の1億95百万円を計画する。
「プラットフォームとしてのセルフランドリー事業」の成長をさらに加速させていく。FC部門では、国内では九州・四国・関西中心に店舗網を拡大させる。中国では多店舗展開を可能とする事業基盤の確立に向けた準備を進める。店舗運営部門では、国内では広告主提供の景品が当たるプレゼント企画はもとより、特別価格で宮崎牛を購入できる情報の提供やECサイトでお得に買い物ができる有益な情報配信を行うなど、ランドリーサービス以外の価値も併せて提供し続けていく考え。中国の店舗では、預かり洗濯サービスや物販などのサービスを段階的に追加して運営を進める。将来的な多店舗展開を見据えたサービスの設定、絞り込みを行っていく。セルフランドリー事業の出店はFCで30店舗計画しており、26/12期末は直営72店舗、FC529店舗になる見通し。
コンテナ事業では、作業員向け宿舎及びリゾート型ホテルを中心に手掛け、再生可能エネルギー設備等の導入を推進する。

 

 

4.今後の注目点

25/12期は晴れの日が多かったことなど逆風はあったものの、大幅な増収を確保した。自社開発のオリジナル洗濯機・乾燥機を設置した店舗の展開は始まったばかり、今後はさらに加速するだろう。26/12期はFC30店舗の出店を計画しており、増収率はさらに拡大し大幅な増益を見込んでいる。また、WASHハウスアプリのダウンロード数は着実に伸びており、顧客基盤の強化も進めている。国内でこの流れが今後数年にわたって見込まれることに加えて、26/12期は海外への本格進出の足掛かりとなりそうだ。出店攻勢に期待したい。
16年に新規上場し、17年以降長きにわたり株価は低迷、現在上場時の公開価格(遡及修正後で1,150円)から大きく下落した水準。しかし、収益構造の変革に向けた活動の成果が現れ、24/12期は前期比で増収・増益、25/12期は減益ではあるものの、新規出店効果もあり大幅な増収。今後はオリジナルランドリー機器の店舗導入により増収だけではなく利益率の改善も期待できる。また、今後はコンテナ事業や海外展開も本格化するだろう。実績を積み上げていくとともに株式市場での評価も大きく変わることになると見ている。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

6名、うち社外1名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2026年3月30日
当社は、法令を遵守し、公正かつ透明性のある企業活動を推進し、会社の成長を通じて地域社会に貢献するとともに、企業を取り巻く株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等、全てのステークホルダー(利害関係者)からの信頼が得られる企業であるよう努め、将来に向けグローバルな事業活動を展開していく方針であります。また、経営の透明性と公正性の向上および環境変化への機敏な対応と競争力の強化を目指して、当社の成長に応じたコーポレート・ガバナンス体制の構築に努め、企業価値の最大化を目指してまいります。

 

<基本的な考え方>

 

<実施しない主な原則とその理由>
「基本原則の全てを実施してまいります」と記述している。

 

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