ブリッジレポート:(6050)イー・ガーディアン 2026年9月期上期決算
![]() 高谷 康久 社長 | イー・ガーディアン株式会社(6050) |
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企業情報
市場 | 東証プライム市場 |
業種 | サービス業 |
代表者 | 高谷 康久 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー8F |
決算月 | 9月 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(自己株式を控除) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
1,697円 | 11,595,845株 | 19,661百万円 | 8.0% | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
38.00 | 2.2% | 89.36円 | 19.0倍 | 1,039.62円 | 1.6倍 |
*株価は7/2終値。各数値は2026年9月期中間期決算短信より。
連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主帰属利益 | EPS | DPS |
2022年9月(実) | 11,752 | 2,272 | 2,314 | 1,689 | 168.38 | 24.00 |
2023年9月(実) | 11,909 | 1,778 | 1,806 | 1,229 | 122.74 | 26.00 |
2024年9月(実) | 11,391 | 1,705 | 1,708 | 1,057 | 92.08 | 31.00 |
2025年9月(実) | 11,321 | 1,504 | 1,530 | 943 | 81.52 | 35.00 |
2026年9月(予) | 12,009 | 1,604 | 1,629 | 1,033 | 89.36 | 38.00 |
* 予想は会社予想。単位:百万円、円。
イー・ガーディアン(株)の2026年9月期上期決算の概要と2026年9月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2026年9月期上期決算概要
3.2026年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 26/9期上期の売上高は前年同期比6.9%減の54億64百万円。EC・フリマサイト向けのカスタマーサポート、本人確認業務が伸長した。また、サイバーセキュリティ事業は、WAFの売上高が増加した。一方で、ソーシャルサポート業務の監視業務における既存顧客の売上高減少やゲームサポート業務の大型案件の終了等により減収となった。営業利益は同39.0%減の5億67百万円。減収の影響や、高度人材の採用を実施したことにより減益となった。
- 通期予想に修正はなく、26/9期は売上高が前期比6.1%増の120億9百万円、営業利益は同6.7%増の16億4百万円を計画する。上期は売上高・各利益とも予想を下回ったが、下期以降の既存顧客の大型案件の受注及び新領域に属する顧客の売上高増、新規案件数の増加も見込む。また、各センターの採算性強化、既存顧客を中心としたサービスのAI実装に伴う案件ごとの売上総利益率の改善も見込む。配当は、前期比3円増額となる年間38円の期末配当を計画する。
- 25年12月に26/9期から28/9期の3カ年を対象とした中期経営計画を発表しており、現在進行中。「システム・プロダクトの開発」「セキュリティ領域の成長」「M&Aによる基盤拡大」を戦略テーマとし、28/9期には売上高200億円、EBITDA25億円を目指す。これまでに培ってきた自社ノウハウや教師データをシステム・プロダクト化し、人手不足やセキュリティリスクに直面している国や地方自治体、企業、組織、個人などに幅広く提供していく考えだ。また、「AI×人」をさらに強化し、開発するシステム・プロダクトの高度化かつ教師データの収集やAIのチューニング、サービス開発を行う「人」の専門性の向上に取り組み、「AI×人」のプロ集団を形成する。
- 26/9期は中期経営計画初年度となるが、減収減益、会社予想も下回りやや渋めのスタートとなった。監視業務における既存大口先の売上減少などが背景にあった模様。下期以降は既存顧客の大型案件の受注やAI実装に伴う利益率の改善を目指しており、その成果に期待したい。成長戦略においてはAIを前面に打ち出している。AI戦略統括部を急拡大させており、こうした中「フロー型」から業務した分だけAI能力が積み上がる「ストック型」へ事業モデルを転換しており、今後の利益率改善を伴った売上成長が考えられる。また、その他事業に含まれるテスト事業において手応えを得ている模様だ。今後、Webアクセシビリティ診断への需要が高まる見通しであり、成長が期待できる。
1.会社概要
経営理念として「We Guard All」を掲げ、グループでサイバーセキュリティからデバッグ、運用まで、上流から下流までの、ネットセキュリティのワンストップサービスを提供している。20年以上にわたる運用実績を誇り、国内外に拠点を展開。顧客数は1,000社を超える。グループは、投稿監視・カスタマーサポート・広告審査等を手掛ける同社の他、連結子会社5社。サイバーセキュリティ分野においてWAF・脆弱性診断等を提供するEGセキュアソリューションズ(株)、Webシステム・IoTのデバッグ(第三者検証)を手掛けるEGテスティングサービス(株)、グローバル展開の拠点であるE-Guardian Philippines Inc. E-Guardian Vietnam Co., Ltd.、及び2026年6月よりアウトバウンド領域に強みをもつコンタクトセンター事業を展開する株式会社アウトソーシングコミュニケーションズを子会社化した。
ソーシャルサポート等は主にSNSの投稿監視やカスタマーサポートを提供
サイバーセキュリティは主に脆弱性診断やWAFの開発販売を行う

(同社資料より)
1-1 事業区分と成長戦略
事業は、ソーシャルサポート、ゲームサポート、アド・プロセス、サイバーセキュリティ、その他の5業務に区分され、いずれも件数に応じた課金体系を採用しており(一部サービスを除く)、高品質なサービスをリーズナブルな価格で提供している。
ソーシャルサポート
ソーシャルネットワークサービス(SNS)やECメディア等のソーシャルメディアへの投稿を監視する投稿監視や問い合わせ対応を24時間365日体制で提供しており、多様なニーズを取り込むべく、風評調査、多言語対応、サイト運用、分析等にサービスの幅を広げている。人による目視監視(ヒューマンリソース)に加え、投稿監視システム「kotonashi」や人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」の活用で対応している。また、2024年5月にはインターネット上の著名人が使用された画像や不適切画像を検知するための画像認識モデルを自由に構築し運用できるヒューマン・イン・ザ・ループAIシステム「ROKA Custom」も開発しサービスへ導入した。生成AIを活用した翻訳システム「EG Trans Works」の開発、メールテンプレートツール「hinagata」への生成AI実装などAI・システム開発、活用に積極的に取り組んでいる。低単価案件等には、ローコストオペレーションを強みとするイー・ガーディアン東北(株)が対応している。決済事業者の加盟店審査を代行する「加盟店審査・登録申請サポートサービス」やリアルタイムAI動画監視フィルタの開発等も行っている。
足元では、3月にAI戦略統括部を新設し、AIを全ての前提として、経営と事業を再設計する方針を打ち出し、各案件へのAI実装による効率化や現場のオペレーションへのAI導入など、「AI×人」の強化に注力している。
また、教育機関向けにSNSリスク即時検知サービスの提供を開始した。
ゲームサポート
ゲームの開発から運用までをワンストップでサポートしている。デバッグを手掛けるEGテスティングサービス(株)と連携したサービス、プロモーション、ソーシャルアプリやオンラインゲーム等のカスタマーサポート、更にはフィリピン現地法人E-Guardian Philippines Inc.やベトナム現地法人のE-Guardian Vietnam Co., Ltd.が海外企業の日本進出支援(ローカライズ、運用等)と日本企業の第3国への進出支援を行っている。カスタマーサポートでは、バグ(苦情)、機能の使い方(質問)、更にはゲーム内での不正行為の通報等について、チャットボット(「チャット」と「ロボット」を組み合わせた自動会話プログラム)、メール、電話で対応している。
アド・プロセス
広告審査業務に加え、広告枠管理、入稿管理、広告ライティング及び広告運用代行等の業務受託を行っており、顧客のもとに常駐して業務を実施する常駐型のサービスも提供している。また、画像内物体検知システム「Kiducoo AI(キヅコウエーアイ)」を活用し、マーケティング支援及び著作権侵害のパトロール等のサービスも提供している。
サイバーセキュリティ
EGセキュアソリューションズ(株)が提供する、ウェブアプリケーション等の脆弱性診断(脆弱性検査)や各種サイバーセキュリティに関するコンサル・支援、クラウドセキュリティやサイバー攻撃対策に関するソリューション、WAF「SiteGuard(サイトガード)シリーズ」によるWebサイトの脆弱性を悪用した攻撃を防御するソリューション等の収益が計上されており、多くの企業にサービス提供を行っている。
その他
EGテスティングサービス(株)によるWebシステム・IoTのデバッグ(第三者検証)等の収益が計上されている。
1-2 強み ― 人とAI&システムによる低コスト・高品質の実現、リスク高度化とサービス多様化への対応力 ―
TVゲーム・携帯ゲームがソーシャルゲーム・クラウドゲームに、電話問い合わせがメール・チャットに、現金決済・クレジットカード決済が電子決済・仮想通貨・Fintechにそれぞれ代わり、SNSやブログ等のソーシャルWebサービスが、CtoC、シェアリングサービス、VR、ARと多様化している。これに伴い、標的型攻撃、ランサムウェアによる被害、脆弱性対策情報の悪用、インターネットバンキングの不正利用、スマートフォンへの攻撃、個人情報の窃取、更にはサービスの妨害を目的とした攻撃等、リスクも高度化しており、セキュリティ侵害は年々深刻化している。
こうした中、同社は、セキュリティのワンストップサービスを構築し、ネットの安心・安全に必要なものを全て提供している。強みは、「①人とAI&システムによる低コスト・高品質の実現」と「②リスク高度化とサービス多様化への対応力」にある。
「①人とAI&システムによる低コスト・高品質の実現」では、人による目視監視(ヒューマンリソース)と、人工知能型テキスト監視システム、人工知能型画像認識システム、画像内物体検知システム、及びRPAによる低コスト・高品質なサービスを24時間・365日提供している。
「②リスク高度化とサービス多様化への対応力」では、2017年以降M&Aによりサイバーセキュリティ領域へ進出。既存の投稿監視やカスタマーサポートだけでなく、脆弱性診断やWAF、セキュリティコンサル等、ニーズが高まるサイバーセキュリティ領域のサービスを拡充し、一気通貫したサービス提供を可能にしている。
1-3 ESGの取り組み
Environment(環境)の観点からは、自社開発AIによる事業効率化(「kotonashi」による投稿監視の自動判定、「hinagata」によるメールの工数削減等)により、環境負荷の低減や書類の電子化(ペーパーレス化)、資源の有効活用などに取り組んでいる。
Social(社会)の観点からは、インターネットセキュリティ事業を通じて貢献する他、働く環境づくりにも注力。具体的には、短時間勤務制度、時差出勤、在宅勤務など様々な働き方を取り入れる他、残業削減や誕生日休暇などの制度を導入することで労働環境の整備やワークライフバランスに取り組んでいる。希望受講者の社外研修も約5.5回/年と充実している。また、女性社員や若手社員の抜擢人事などにも積極的。その結果、女性管理職比率は30.8%(※2025年9月末時点)となっている。
Governance(企業統治)については、任意の指名・報酬委員会、特別委員会を設置している他、取締役会における社外取締役数は6名中3名と客観性・透明性の確保に努めている。
1-4 株主還元
2024年5月7日開催の取締役会において、配当方針の変更を決議した。従来は長期的な企業価値拡大のために事業投資に優先配分するとともに株主への利益還元と内部留保充実のバランスを総合的に判断してきたが、株主への利益還元を強化することを目的に以下の通り配当性向を高める決定をした。
■新たな配当方針
利益配分は、持続的な成長と企業価値向上のための投資や、様々なリスクに備えるための財務健全性とのバランス、経営成績の見通しなどを考慮したうえで、業績に応じた利益配分を行うことを基本方針とし、連結配当性向30%程度を目安に配当する。また、株式への投資の魅力を高め、より多くの方々に、中長期的に株式を保有してもらうことを通じて、事業理解を深めてもらうことを目的として、株主優待制度を新設している(※同社では株主総会において議決権を有効に行使した株主に、株主名義1件につき、QUOカード500円分を贈呈していたが、優待制度の新設に伴い終了)。毎年9月30日現在の同社株主名簿に記載された100株(1単元)以上を保有している株主を対象として、継続保有年数に応じて、デジタルギフトを贈呈する。
1年未満・・・5,000円相当のデジタルギフト
1年以上・・・8,000円相当のデジタルギフト
※1年以上継続して保有する株主とは、毎年9月末日時点を基準として、同一株主番号で3月末日及び前年9月末日の株主名簿に、3回以上連続で記載または記録された株主。
※対象となるデジタルギフトの交換先は次の通り(※変更となる可能性もある)
Amazon ギフトカード / QUO カード Pay / PayPay マネーライト / d ポイント / au PAYギフトカード /Visa e ギフト vanilla / 図書カード NEXT / Uber Taxi ギフトカード /Uber Eats ギフトカード /Google Play ギフトコード / PlayStation®Store チケット / すかいらーくご優待券
2.2026年9月期上期決算概要
2-1 連結業績
| 25/9期 上期 | 構成比 | 26/9期 上期 | 構成比 | 前年同期比 | 期初計画 |
売上高 | 5,868 | 100.0% | 5,464 | 100.0% | -6.9% | 5,738 |
売上総利益 | 1,827 | 31.1% | 1,529 | 28.0% | -16.3% | - |
販管費 | 898 | 15.3% | 962 | 17.6% | +7.2% | - |
営業利益 | 929 | 15.8% | 567 | 10.4% | -39.0% | 667 |
経常利益 | 933 | 15.9% | 590 | 10.8% | -36.7% | 680 |
親会社株主帰属利益 | 607 | 10.4% | 373 | 6.8% | -38.5% | 434 |
* 単位:百万円
前年同期比6.9%の減収、同39.0%の営業減益
売上高は前年同期比6.9%減の54億64百万円。EC・フリマサイト向けのカスタマーサポート、本人確認業務が伸長した。また、サイバーセキュリティ事業は、クラウド型、ソフトウェア型ともにWAFの売上高が増加した。さらには、営業組織をサービスカテゴリー別に再編成し、新規顧客の開拓や不動産、教育関連などの新領域への営業活動に取り組んだことにより、全ての業務区分において新規顧客の売上高が増加した。顧客へサービスを提供する各センターの採算性管理の強化やAI戦略統括部の設立に伴う案件ごとへのAI実装の実施に注力した。一方で、ソーシャルサポート業務の監視業務における既存顧客の売上高減少やゲームサポート業務の大型案件の終了等により減収となった。
営業利益は同39.0%減の5億67百万円。既存顧客への価格適正化交渉が概ね完了するとともに売上の急激な減少に伴う労務費の調整は進んでいる。しかし、売上高の減少を吸収しきれていないことや、AI戦略、営業、マーケティング分野における高度人材の採用を実施したことにより減益となった。
なお、期初計画比では売上・各利益とも下振れて着地している。
2-2 業務別動向
| 25/9期 上期 | 構成比 | 26/9期 上期 | 構成比 | 前年同期比 |
ソーシャルサポート | 3,693 | 62.9% | 3,472 | 63.5% | -6.0% |
ゲームサポート | 744 | 12.7% | 559 | 10.2% | -24.9% |
アド・プロセス | 651 | 11.1% | 613 | 11.2% | -5.8% |
サイバーセキュリティ | 477 | 8.1% | 548 | 10.0% | +15.0% |
その他 | 301 | 5.1% | 270 | 4.9% | -10.2% |
売上高合計 | 5,868 | 100.0% | 5,464 | 100.0% | -6.9% |
* 単位:百万円。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
ソーシャルサポート
売上高34億72百万円(前年同期比6.0%減)。EC・フリマサイト向けのカスタマーサポート、本人確認業務が伸長した。また、不動産や教育関連などの新領域への営業活動に取り組んだことにより、新規顧客の売上高は増加した。一方で、監視業務の売上高の減少はカバーできず、減収となった。
ゲームサポート
売上高5億59百万円(前年同期比24.9%減)。営業組織をサービスカテゴリー別に再編成し、新規顧客への提案活動に注力した結果、新規顧客のカスタマーサポート業務の売上高が増加した。一方で、前上期に受注した大型案件が終了したことや国内のソーシャルゲーム市場が大型のヒットタイトルに恵まれなかったことにより、減収となった。
アド・プロセス
売上高6億13百万円(前年同期比5.8%減)。引き続きデジタル広告市場における時流に即した需要を捉え、新規顧客開拓に注力した。しかし、既存顧客の売上高の減少を吸収できず、減収となった。
サイバーセキュリティ
売上高5億48百万円(前年同期比15.0%増)。クラウド型、ソフトウェア型ともにWAFの売上高が増加した。コンサルティングサービスも伸長した。また、同事業の売上高拡大に向けて営業、マーケティング分野における高度人材の採用や体制の刷新を実施した。
その他
売上高2億70百万円(前年同期比10.2%減)。完全子会社であるEGテスティングサービス社が、30年以上の経験とノウハウ、そして信頼と実績に裏打ちされた高品質なサービスを訴求し、深耕営業、新規開拓に取り組んだものの、減収となった。
2-3 財政状態
財政状態
| 25年9月 | 26年3月 |
| 25年9月 | 26年3月 |
現預金 | 10,986 | 10,638 | 未払金・未払費用 | 844 | 769 |
売掛金 | 1,258 | 1,252 | 未払法人税・未払消費税等 | 437 | 347 |
流動資産 | 12,378 | 12,074 | 賞与・役員株式給付引当金 | 203 | 147 |
有形固定資産 | 537 | 534 | 有利子負債 | - | - |
無形固定資産 | 315 | 298 | 負債 | 1,675 | 1,357 |
投資その他 | 497 | 476 | 純資産 | 12,053 | 12,025 |
固定資産 | 1,350 | 1,308 | 負債・純資産合計 | 13,728 | 13,382 |
* 単位:百万円

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
中間期末の流動資産は前期末との比較で3億3百万円減の120億74百万円。現預金が減少したことが背景となっている。なお、のれんの減少等を主な理由として、固定資産全体も減少した。負債は同3億17百万円減の13億57百万円。純資産については剰余金の配当を実施した一方、親会社株主に帰属する中間純利益の計上によって、前期末との比較で27百万円減の120億25百万円になった。なお、自己資本比率は同2.1pt増の89.9%(前期末87.8%)。
3.2026年9月期業績予想
3-1 連結業績
| 25/9期 実績 | 構成比 | 26/9期 予想 | 構成比 | 前期比 |
売上高 | 11,321 | 100.0% | 12,009 | 100.0% | +6.1% |
営業利益 | 1,504 | 13.3% | 1,604 | 13.4% | +6.7% |
経常利益 | 1,530 | 13.5% | 1,629 | 13.6% | +6.5% |
親会社株主帰属利益 | 943 | 8.3% | 1,033 | 8.6% | +9.6% |
* 単位:百万円
前期比6.1%の増収、同6.7%の営業増益予想
通期予想に修正はなく、26/9期は売上高が前期比6.1%増の120億9百万円、営業利益は同6.7%増の16億4百万円を計画する。上期は売上高及び各利益において予想を下回ったが、下期以降の既存顧客の大型案件の受注及び新領域に属する顧客の売上高の増加、新規案件数の増加を見込む。また、各センターの採算性強化、既存顧客を中心としたサービスのAI実装に伴う案件ごとの売上総利益率の改善も見込んでいる。
配当も修正なく、前期比3円増額となる38円の期末配当を計画する。予想配当性向は42.5%。
なお、期初には「売上高の再成長、収益性の改善」を今期の達成目標としている。施策としては、(1)業務執行体制、営業体制の刷新、(2)BPO領域、サイバーセキュリティ領域 新戦略実施、(3)労働集約型ビジネスの脱却に向けたAI開発投資、(4)事業規模拡大に向けたM&Aを掲げている。
下期以降の利益改善に向けて、拠点の再編を実施
センターの効率改善を図るため、拠点及び子会社を統合する。立川センターと郡山センターを閉鎖、イー・ガーディアン東北については、26年4月1日を効力発生日として、イー・ガーディアンへ吸収合併。イー・ガーディアン東北の各センターはイー・ガーディアン本体所属へ変更する。
今期中に再編を完了させる。閉鎖に伴う一時費用を4百万円計上、拠点再編により来期以降の固定費は年間60百万円削減となる見通し。
3-2 成長戦略
次世代型「AI-BPO」 |
「AI」で何ができるかではなく、「人」で何ができるかが起点。
労働集約型から高付加価値型への転換による高収益体制へ、価格競争からの脱却を図る。
●「AI-BPO」を構築する5つの基盤

(同社資料より)
●高収益化を支える4つの根拠
① 粗利率の複利的改善
経験データの蓄積により、AI精度が向上。時間経過と共に 処理コストが低減し、利益率が向上する「ストック型」モデル
② 高いスイッチングコスト
顧客固有のデータを活用した高精度AIは他社への乗り換え障壁を高め、長期的かつ安定的な収益基盤を構築する
③ 役割の最適配分
定形業務や周辺作業をAIが完結させ、人間は「高度な技術」と「複雑な判断」に集中。サービスを高付加価値化する。
④ 現場主導の高速開発
全センター社員へのAI開発環境の提供により、現場のボトルネックを即座にAI化。開発コスト抑制とスピードを両立する。
●「AI-BPO」モデルの横展開領域

(同社資料より)
AI戦略統括部の新設と急速な拡大 |
SNSで影響力の高い若手気鋭のAIエンジニアが集結し、AI戦略統括部は10名規模へ急拡大
AI戦略統括部 統括責任者 山田 喬氏の経歴
株式会社バスキュール入社
株式会社ディー・エヌ・エー社長室にて注力事業の戦略策定や事業開発支援を担う
パーソルイノベーション株式会社にてコーポレート統括本部副本部長に就任、グループ成長戦略における重点施策を担当
JAPAN AI株式会社にてAI BPO事業本部長に就任、大手BPO企業のAI導入を支援
25年12月、同社にて現職
チーム構成

(同社資料より)
他にAIエンジニアが4名
事業モデルの転換 |
「フロー型」BPOから、業務した分だけAI能力が積み上がる「ストック型」へ事業モデルを転換。
揺るぎない価格競争力と粗利率向上を実現する。

(同社資料より)
ストック型のメリット
顧客・・・契約期間が伸びるほど、教師データ増加
→ AIの精度が上がり、コストダウンの実現可能性が拡大する。
イー・ガーディアン・・・AIモデルの精度が上がるほど、粗利率の向上 × 顧客との関係が深化
→スイッチングコストを高め、長期契約構造を強化
AI化は現場主導で全案件へ |
国内BPO企業として初めて、すべてのセンター社員へClaude Code環境の提供を実施。
更なる効率化を実現するツールを、全センターの社員が自走して開発。
①AI化の中身業務効率を上げる・・・Chrome拡張機能の 開発と実運用
既存案件の大半はGoogleChrome上で運用。顧客が提供する管理ツールに対し、GoogleChromeの拡張機能を開発・実運用することが、既存案件のAI化の基本形。
②実行体制・・・Claude Codeをセンター社員へ提供、現場が自主開発へ
国内BPO企業として初めて全センター社員に対してClaude Codeの開発環境を提供実施。
現在はセンター社員たちが自ら拡張機能を開発しており、AI戦略統括部のリソース制約を超えて全センターで全案件へのAI導入が進んでいる。
体制を体現する2つの事例 |
既存案件では顧客と共にAI導入が完了する案件が続々と発生。
新規案件では、戦略の実装と言える想定通りのAI化案件を受注・業務完了し、顧客から好評を得る。

(同社資料より)
3-3 中期経営計画
25年12月に26/9期から28/9期の3カ年を対象とした中期経営計画を発表しており、現在進行中。
「システム・プロダクトの開発」「セキュリティ領域の成長」「M&Aによる基盤拡大」を戦略テーマとし、28/9期には売上高200億円、EBITDA25億円を目指す。
目標数値
| 26/9期 | 27/9期 | 28/9期 |
売上高 | 12,000 | 15,000 | 20,000 |
EBITDA | 1,750 | 2,000 | 2,500 |
単位:百万円
これまでに培ってきた自社ノウハウや教師データをシステム・プロダクト化し、人手不足やセキュリティリスクに直面している国や地方自治体、企業、組織、個人などに幅広く提供していく考えだ。また、「AI×人」をさらに強化し、開発するシステム・プロダクトの高度化かつ教師データの収集やAIのチューニング、サービス開発を行う「人」の専門性の向上に取り組み、「AI×人」のプロ集団を形成する。同計画期間内に売上高に占めるプロダクト/システムの販売比率を30%、5年後には50%を目指す。サイバーセキュリティ戦略では、教育コンテンツの拡大に注力するとともに新事業の創出・収益化に取り組む。M&Aは引き続きあらゆる領域を対象に積極的に行う方針としている。
これまでの労働集約型事業モデルから「AI×人」システム新事業モデルへの転換を目指しており、今後の動向に注目したい。
4.今後の注目点
26/9期は中期経営計画初年度となるが、減収減益、会社予想も下回りやや渋めのスタートとなった。監視業務における既存大口先の売上減少などが背景にあった模様。下期以降は既存顧客の大型案件の受注やAI実装に伴う利益率の改善を目指しており、その成果に期待したい。現実的なところでは、拠点と子会社を統合して固定費を削減しておりその効果もありそうだ。
成長戦略においてはAIを前面に打ち出している。AI戦略統括部を急拡大させており、こうした中「フロー型」から業務した分だけAI能力が積み上がる「ストック型」へ事業モデルを転換することで、今後の利益率改善を伴った売上成長が考えられる。また、その他事業に含まれるテスト事業において手応えを得ている模様だ。今後、Webアクセシビリティ診断への需要が高まる見通しであり、成長が期待できる。
23年にチェンジホールディングスと資本業務提携を締結しており、シナジーも今後じわりと現れるだろう。株価は低調に推移しているが、中期経営計画の進捗がしっかりしていることを確認するようになれば見直しが進むだろう。
次世代型「AI-BPO」 : 成長戦略の全体像 |
「AI」で何ができるかではなく、「人」で何ができるかが起点
労働集約型から高付加価値型へと転換し、高収益モデルで新事業領域へ進出

(同社資料より)
AI活用により、利益率が複利で改善するストック型ビジネスモデル
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査等委員会設置会社 |
取締役 | 6名、うち社外3名(うち独立役員3名) |
監査等委員 | 3名、うち社外3名(うち独立役員3名) |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2025年12月19日)
基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンスの基本的な目的を企業価値の安定的な増大と株主重視の立場に立って経営の健全性の確保と透明性を高めることであると認識しております。そのために、財務の健全性を追求すること、タイムリーディスクロージャーに対応した開示体制を構築すること、取締役及び独立性の高い社外取締役が経営の最高意思決定機関として法令に定める重要事項の決定機能及び各取締役の業務執行に対しての監督責任を果たすことを経営の最重要方針としております。また、コーポレート・ガバナンスの効果を上げるため、内部統制システム及び管理部門の強化を推進し、徹底したコンプライアンス重視の意識の強化とその定着を全社的に推進してまいります。
また、当社は、以下の5点をコーポレート・ガバナンスの基本方針として掲げております。
・全ての株主に対して実質的な平等性を確保するとともに、株主の権利の確保と適切な権利行使に資するための環境整備を行います。
・株主をはじめとする全てのステークホルダーとの適切な協働を実践するため、ステークホルダーの権利・立場や企業倫理を尊重する企業風土の醸成に努めます。
・法令に基づく開示以外にも、株主をはじめとするステークホルダーにとって重要と判断される情報(非財務情報も含む)を、様々な手段により積極的に開示を行います。
・取締役会は、取締役の職務執行に対する独立性の高い監督体制を構築し、経営の健全性の確保と透明性の高い経営の実現に取り組みます。
・総務部を中心とするIR体制を整備し、株主や投資家との対話の場を設けます。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
【対象コード】
プライム市場向けの内容を含めた2021年6月の改訂後のコードに基づき記載しています。
【補充原則4-1-3 最高経営責任者等の後継者の計画】
取締役の選任・選定については、指名・報酬委員会の諮問により、社外取締役からの客観的な意見も踏まえて指名することで、透明性・公平性の高い手続きを行っております。
また、代表取締役は年齢的にも若いため、具体的な後継者の計画は策定しておりませんが、今後、その要否を含めて、指名・報酬委員会による検討及び取締役会における各取締役の行動・発言等の中から、将来の最高経営責任者の候補者を見極めていきたいと考えております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、事業戦略、取引関係などを総合的に勘案し、中長期的な観点から当社グループの企業価値の向上に資することを確認したうえで上場株式を新規保有し、また、継続保有する場合は毎年判断することとしております。
その議決権行使は、中長期的な視点で企業価値向上につながるか、または当社の株式保有の意義が損なわれないかを判断基準として行うこととしております。
なお、現在、当社は政策保有に係る株式は保有しておりません。
【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】
当社は、中核人材の登用等に際し、人種・国籍・性別等による区別を行わず、個々の能力や実績を重視した人物本位の登用を行っております。また、当社は、管理者育成研修の実施や、昇進基準の整備、育児休暇等の社内整備を行うことで、中核人材の多様性の確保に努めております。
女性の中核人材への登用に関しましては、女性活躍推進法に基づく行動計画を作成しており、管理職に占める女性割合を30%以上とすることを目標としております。なお、2025年9月末時点の当該女性割合は30.8%となっております。
中途採用・外国人の中核人材への登用に関しましては、属性ごとに具体的な数値目標を設定しておりませんが、中長期的な企業価値の向上の観点から策定を検討してまいります。
【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取り組み等】
当社は、サステナビリティを巡る課題については、当社が社会的責任を果たしつつ中長期的な企業価値向上を図るうえで極めて重要な経営課題だと認識しております。当社は取締役会における監督のもと、各事業部においてサステナビリティに関する具体的な施策等の推進及びリスク管理を行い、またサステナビリティに関する情報収集及びリスク・機会の評価並びに管理を行っております。具体的な取組みとしては、事業所における電気使用量及び温室効果ガス削減等の各種取り組み、階層別研修の実施や資格取得支援制度、正社員登用制度等の各種取り組みを行っており、その他の取り組み等につきましても有価証券報告書に記載の通りでございます。
【補充原則4-11-1 取締役会の構成】
当社の取締役会は、当社事業に精通した業務執行取締役と、法律、財務・税務等の専門性の素養を有する社外取締役で構成されております。また、「定款」で定める監査等委員である取締役4名以内、監査等委員以外の取締役10名以内の員数の範囲で構成され、実効性ある議論を行うのに適正な規模、また、各事業に伴う知識、経験、能力等のバランスを配慮し多様性を確保した人員で構成することを基本的な考え方としております。現在は、当社事業の各分野に精通した取締役3名に加え、専門的分野で相当程度の知見と経験を有する独立社外取締役3名の計6名で構成しております。当社の取締役の選任は、【原則3-1】(ⅳ)記載のとおりであり、株主総会招集通知参考書類に取締役のスキルマトリックスを開示しております。
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社では、総務部管掌役員が、IR担当部署である総務部を統括し、IR活動を行うこととしております。
株主や投資家に対しては、個別面談に加えて、経営トップによる決算説明の動画配信を半期に1回行っております。加えてこれらの資料公開をWebサイト上にて実施し、積極的に情報開示を行うこととしております。
なお、株主との対話においては、インサイダー情報の漏洩防止に留意しております。
2025年度においては、国内外の機関投資家を中心に個別面談を実施しております。
対話におけるテーマは、業績トレンド、マーケット動向、資本政策等多岐にわたり、これらの内容は適宜、経営会議等で報告するとともに今後の経営の参考にしております。
【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】
英文開示:あり
当社は、資本コストや株価への意識は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために重要であると認識しております。当社の資本収益性(ROE)は8.0%、PBRは1倍を上回っております。各指標の具体的な目標値を設定はしておりませんが、今後も高い収益を安定的に獲得できるよう、各指標については定期的なモニタリングを行い、更なる向上を目指して参ります。
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