ブリッジレポート
(2183) 株式会社リニカル

スタンダード

ブリッジレポート:(2183)リニカル 2026年3月期決算

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秦野 和浩 社長

株式会社リニカル(2183)

 

 

会社情報

市場

東証スタンダード市場

業種

サービス業

代表取締役社長

秦野 和浩

所在地

大阪市淀川区宮原1-6-1 新大阪ブリックビル

決算月

3月

HP

https://www.linical.com/ja/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

202円

22,586,431株

4,562百万円

-59.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

8.00円

4.0%

7.97円

25.3倍

176.04円

1.15倍

*株価は6/30終値。各数値は26/3期決算短信より。発行済株式数は期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*BPS、ROEは、26/3期実績、DPS、EPSは、27/3期会社予想。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2023年3月(実)

12,516

1,256

1,283

1,004

44.47

14.00

2024年3月(実)

12,307

725

790

338

14.98

15.00

2025年3月(実)

10,437

-583

-498

-539

-23.87

16.00

2026年3月(実)

8,665

-2,073

-2,023

-3,329

-147.41

8.00

2027年3月(予)

10,680

256

250

180

7.97

8.00

*単位:百万円、円
*予想は会社予想。

 

リニカルの2026年3月期決算概要と2027年3月期業績予想について、ブリッジレポートにてご報告いたします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.経営戦略
3.2026年3月期決算
4.2027年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 26/3期は前期比17.0%の減収、20億73百万円の営業損失(前期は5億83百万円の営業損失)。売上面では、米国及び欧州における大型案件の開始遅延等の影響により、大幅な減収となった。利益面では、米国及び欧州の減収による影響が大きく、営業赤字となった。親会社株主に帰属する当期純損失は、欧州事業ののれん及び日本事業の固定資産に関して、減損損失を計上し、赤字が拡大した。

     

  • 同社の27/3期会社計画は、前期比23.2%の増収、2億56百万円の営業利益(26/3期は20億73百万円の営業損失)の予定。米国と欧州の回復及びアジアの成長により、増収・黒字化を見込む。欧米地域で米国の政府機関閉鎖の影響等で開始が遅れていた複数案件のうち一部で再稼働が始まっており、また、その残りの案件や直近の受注案件についても今後順次稼働が見込まれる。また、配当は、前期と同額の普通配当8円/株の予定。

     

  • 2026年5月22日時点の受注残高は、25/3期末と比較して10.9%増の130億円となった。米国では、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験を受注内諾し、その一部の契約締結に加え、その工数増加となる契約変更が完了したことや主に米国で実施される新規案件の契約が完了したことにより25/3期末対比で増加した。欧州でも、既存案件の契約変更や上述の米国が受注した大型国際共同治験のうち契約が完了した欧州分の計上による増加に加え、主に欧州で実施される複数の新規案件の契約が完了したこと等により25/3期末対比で増加した。下期における業績の本格回復に向け業績の先行指標である受注残高を今後どこまで拡大することができるのか注目したい。

     

1.会社概要

同社は、医薬品開発のプロフェッショナルとして、臨床試験の初期段階から製造販売後試験まで一気通貫でサービスを提供する日本発のグローバルCRO(医薬品開発業務受託機関)である。臨床試験(治験)に関わる業務の一部を代行することで製薬会社の医薬品開発を支援するCRO(Contract Research Organization)事業を中心に、医薬品のマーケティング業務ならびに製造販売後(以下製販後という)臨床研究・調査の受託などを行う育薬事業を手掛ける。また、同社はクライアントの要望に合わせたきめ細かなサービスと、グローバルCROとして最適なソリューションを提供している。中規模だからこそ実現できる、早期・小規模試験の企画立案から後期試験・承認申請までを提案型でフルサポートし、医薬品をはじめとした新たな治療法開発に欠かせないパートナーとして、医療に貢献している。過去5年間に600件を超える臨床試験の実績があり、クライアントの定着率が85%を超え、80%以上の試験で症例登録目標を達成し、30か国程度でサービスを提供している。
更に、同社は創業以来、がん・中枢神経系(CNS)など、世界中の人々がその撲滅を願い、新薬開発への強いニーズが存在する疾病領域を中心にCRO事業を展開してきた。同社は、がん領域臨床試験におけるリーディング企業であり、中枢神経系(CNS)疾患における豊富な実績も持つ。加えて、創業以来、免疫系疾患に注力し、第I相~第IV相まで豊富な実績があり、希少疾患から一般的な疾患まで豊富な知識をもち、クライアントの臨床試験を成功に導いている。受賞歴のあるCROとして、同社ではさまざまな疾患領域をサポートするための専門知識を有している。

【経営理念】

経営理念は、「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」である。

青は「差別することなき、誠実さを」
赤は「消えることなき、情熱を」
黄は「飽くことなき、探求心を」
を意味している。同社のロゴマークには、事業を通して世界中の患者の幸せを追求していきたいという同社の想いが込められており、「新薬に、翼を。」という使命を担っている。

 

【沿革】

2005年6月、藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製薬株式会社)で免疫抑制剤等の開発に携わってきたメンバー9名によって設立された。大阪発理想の医薬品開発受託(CRO)事業を目的として、設立当初から、CNS領域やがん領域の育成に取り組み、会社設立後まもなく大塚製薬からCNS領域の案件を受注。その後、人材を補強し事業部として受注活動を強化した。また、がん領域も外資系製薬会社等でがん領域の医薬品開発を手掛けた人材等に恵まれ、足元、受注が拡大している。
SMO(治験施設支援機関)事業進出を念頭に、2006年1月に同事業を手掛けるアウローラ(株)を子会社化したが、CRO事業への経営資源集中を図るべく2007年5月、全保有株式を売却。2008年7月、国内の製薬会社の米国進出支援を目的として米国カリフォルニア州に全額出資子会社LINICAL USA, INC.を設立。同年10月の東証マザーズ上場を経て、2013年3月に東証1部に市場変更となった。同年5月、台湾と韓国に全額出資子会社LINICAL TAIWAN CO., LTD.とLINICAL KOREA CO., LTD.を設立。2014年4月には、LINICAL KOREA CO., LTD.と買収した韓国のCROであるP-pro. Korea Co., Ltd.との統合を完了した。同年10月29日に欧州でCRO事業を展開しているNuvisan CDD Holding GmbHの全株式を取得し子会社化するための株式譲渡契約を、Nuvisan Pharma Holding GmbHとの間で締結し、12月1日付けで同社の100%子会社となった。更に、グループとしての一体感の醸成と連携強化を図るため、連結子会社となったNuvisan CDD Germany GmbHの名称をLINICAL Europe GmbHに商号変更した。その他、2016年3月にLINICAL U.K. LTD.を、同年10月にLINICAL POLAND Sp.z.o.o.を、2017年9月にLINICAL Czech Republic s.r.o.を設立した。また、2018年4月に米国でAccelovance, Inc.を買収し、Linical Accelovance America, Inc.(LAA)に社名変更。その他、2019年3月にLinical Hungary Kft.を設立、5月にLinical China Co., Ltd.を設立した。更に、同年12月にLINICAL Europe GmbHへLAA社の欧州子会社を統合し欧州地域の強化を図ったことに加え、2020年2月に上海支店を開設し国際共同治験の受託体制が更に強化された。また、同年4月にLinical Benelux B.V.とLinical Accelovance Europe B.V.を合併し、Linical Netherlands B.V.を発足、2023年3月末にはLinical China Co., Ltd.とLinical Accelovance China Ltd.の統合を実施した。海外のM&Aにより着実に成長し、22/3期、23/3期は連続して過去最高の売上高を達成した。24/3期は日本と欧州での売上高の減少が影響して利益が減少し、25/3期も、日本とアジアでの売上高の減少の影響が大きく減収減益となった。また、26/3期は、米国及び欧州における大型案件の開始遅延等の影響により、大幅な減収となり、営業赤字が拡大した。

 

【国際認証】

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格ISO/IEC 27001認証をグループ全拠点で取得した。

(同社決算説明会資料より)


*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

韓国、欧州、米国での海外M&Aを経て、海外事業を中心に成長している。

 

【強み】

グローバル規模でワンストップ、フルサービス

国際開発体制を整備し、日本を中心としたアジア、欧州、米国でサービスを提供。医薬品開発のプランニングから、

モニタリング、薬事、データマネジメントなどのフルサービスをワンストップで提供している。

創薬から臨床開発、育薬までを一気通貫

医薬品開発のプロフェッショナルとして、新薬開発から承認後のライフサイクルマネジメントまで一気通貫で提供している。

高難度の試験実績

アンメット・メディカル・ニーズが高く、治験難易度の高いがん、中枢神経系、免疫疾患などに注力し、豊富な実績を有している。現在は再生医療や眼科・皮膚科等へ拡大を進めている。

 

【業務内容】

同社は、日本発のグローバルCRO(医薬品開発業務受託機関)として、日本を中心にアジア、欧州、米国に事業を展開し、創薬段階から臨床開発、製造販売後の育薬まで一気通貫のサービスを提供している。医薬品開発のトレンドである、がん、中枢神経系、免疫領域を中心に豊富な経験と実績を有している。
CROとは、製薬会社等から依頼を受け、医薬品の開発段階で行われる臨床試験(治験)に係る業務を代行、支援する機関。治験に関して高い専門性を持つ、医薬品開発のプロフェッショナルである。治験が法規制や治験実施計画書を遵守して行われているかどうかを監視するモニタリング業務をはじめとして、データマネジメント業務、メディカルライティング業務など、業務内容は多岐に亘る。
同社は、主にCRO事業(臨床開発事業)、製造販売後の臨床試験や臨床研究とマーケティング活動支援を担当する育薬事業、創薬支援事業を展開している。非臨床試験段階から臨床開発、製造販売後の育薬まで一気通貫で対応できる体制をとることで、効率的な新薬開発による上市までの期間短縮や製品ライフサイクルの延長を可能とし、製薬会社の真のパートナーとして医薬品の価値最大化に貢献している。更に、同社は製薬会社のみならずバイオベンチャーに対して、ライセンス等の出口戦略まで多面的に支援している。

 

(同社決算説明会資料より)

 

CRO事業(臨床開発事業)
治験とは、新薬候補物質についてヒトに対する有効性及び安全性を確認し、厚生労働省などの各国の規制当局から医薬品としての認可を受けることを目的として実施する臨床試験であり、医薬品開発に不可欠なプロセスである。医療機関において健常成人や患者を対象者として実施される。治験依頼者(製薬会社等)は、医療機関において「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)及びGCP(注1)等の法令に則り倫理的・科学的に治験が行われているかどうかを確認(モニタリング)することが法令で義務付けられている。
治験の業務内容は、主要業務であるモニタリング業務及びそれに付随する品質管理業務のほか、治験薬が投与された症例の有効性・安全性データを入力する症例報告書(注2)のデータベース設計や入力データのクリーニングを行うデータマネジメント業務、治験薬の有効性・安全性を統計科学的に検証する統計解析業務、治験実施計画書(注3)や監督官庁に提出する届出や申請にかかる書類などの作成を行うメディカルライティング業務、及び治験の実施状況を調査して治験データの信頼性の保証を目的とする監査業務、副作用等の安全性情報を収集・評価・分析・報告するファーマコビジランス業務等、多岐に亘る。治験依頼者は自社の人材等のリソースの状況を鑑み、これらの業務の一部または全部をCROに委託することができる。
中でもモニタリング業務は、治験の主要業務であり、モニタリング担当者であるCRA(注4)が、医療機関の治験実施可能性の調査、医療機関への治験の依頼、法令に基づく治験実施に関する契約(製薬会社等の治験依頼者、医療機関及びCROとの3者契約)の締結手続き、治験責任医師等に対する治験薬概要書(注5)及び治験実施計画書の説明、医療機関への治験薬の搬入、治験実施時の法令及び治験実施計画書の遵守状況の確認、治験の進捗管理・促進、治験データの確認及び症例報告書の回収、治験薬の回収などを行う業務をいう。同社グループは、臨床試験におけるモニタリング業務を中心に、それに付随する品質管理業務、データマネジメント、統計解析、メディカルライティング、ファーマコビジランスなどの業務を受託している。

 

育薬事業
CRO事業が医薬品の開発業務を受託するのに対して、育薬事業では医薬品の発売(製造販売)後の支援業務を受託している。医薬品は発売後も安全性・有効性に関するデータが収集され、適正使用情報・エビデンスとして医療現場に提供されることで、その利用が浸透していく。2018年4月1日には、臨床研究の信頼の確保を図り実施を推進することで保健衛生の向上に寄与することを目的として、その手続き等を定めた臨床研究法が施行され、法規制に沿った適切な対応が求められることになった。
同社グループの育薬事業は、CRO事業で得たノウハウを活かし、より専門性の求められる企業・医師主導臨床研究の組織体制構築業務、発売後の企画業務、モニタリング業務、監査業務を受託することで、同業他社との差別化を図っている。

 

 

創薬支援事業
近年は国内外のバイオベンチャー企業が起点となり開発品目の多くを創出する状況が進んでおり、こうした企業の創薬を支援する創薬支援事業を行っている。同グループでは、国内大手製薬会社でライセンス、事業開発、臨床開発、開発薬事、マーケティングといった業務に携わり、開発品の目利きから、導入・導出交渉、臨床開発などで数々の実績と豊富な経験をしている者が中心となり、主に、開発品の市場分析・調査、開発・薬事戦略立案、薬事対応、パートナリング・ライセンス支援等のコンサルティングサービスを提供している。

 

(注1)GCP(Good Clinical Practice)とは直訳では「適正な治験の実施」を指す包括概念。本邦においては、これを定めた厚生労働省令である「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」及び「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」(1997年3月27日付)並びにこれらの運用通知をいう。
(注2)症例報告書とは、治験実施計画書に規定されているすべての情報を記録するために、被験者ごとに作成される報告書(電子記録のものも含
む)をいう。
(注3)治験実施計画書とは、プロトコルともいい、治験を実施するにあたって、治験を実施する医療機関、治験を依頼する製薬会社その他、その治験にかかわる関係者が遵守しなければならない事項を網羅的に記載した計画書を指し、治験依頼者(製薬会社)により作成される。
(注4)CRA(Clinical Research Associate)とは、臨床開発モニターと訳される。医薬品開発段階での治験が、薬機法、その他の関連法令及び治験実施計画書を遵守して行われているかどうかを監視(モニタリング)する担当者のことをいう。
(注5)治験薬概要書とは、治験実施期間中の被験者の管理に必要な知識を提供するために作成される書類で、その内容は治験薬に関する非臨床試験及び治験の結果を編集したものとなっている。

 

【サービス】

医薬品開発戦略

プロトコル作成と

試験デザイン

同社はプロトコル作成と試験デザインにおいてこれまで多くの臨床開発を成功に導いた実績がある。プロジェクトのニーズに合わせた計画を立案し、リスクを軽減しながら高品質で効率的に試験を行うためのロードマップを策定する。

薬事コンサルティング

同社は、グローバルな医薬品開発に精通し、ワールドクラスの薬事コンサルティングサービスを提供している。最適な戦略を提案し、最も費用対効果が高く、最も迅速に薬事プロセスに対応できるよう支援する。

薬事申請

同社の薬事チームは豊富な専門知識と経験を有し、初期から後期フェーズの臨床開発をサポートしている。また、薬事と臨床業務の双方を理解し、薬事申請戦略、規制当局との面談支援、更に治験開始時のコーディネートなど、包括的に医薬品及び医療機器の開発をサポートしている。同社は、米国、ヨーロッパ及びアジアの顧客との豊富な取引実績がある。

品質保証

同社は、品質を最も重視している。SOPの作成からQAコンサルティング、監査まで、世界中でサービスを提供している。

メディカルライティング

メディカルライティングは、治験関連文書の作成にあたり、明確なコミュニケーションと一貫性の保持、更には被験者の安全性の確保や規制当局の審査に対応するために必要不可欠である。同社は、高い専門性を活かし、顧客の要求レベルを満たす高品質のメディカルライティングによる、付加価値の提供を目指す。

 

臨床試験

フィジビリティ調査と

試験の立ち上げ

フィジビリティ調査と医療施設の選定を行い、臨床試験をより迅速に立ち上げる。同社は、豊富な現場経験に基づく実践的かつ戦略的アプローチにより、顧客と緊密に連携して目標を理解し、革新的なソリューションを提案し、早期に組み入れが完了するよう臨床試験の立ち上げを行う。

プロジェクトマネジメント

同社の経験豊富なプロジェクトチームは、顧客のパートナーとして、試験が予定通りに予算内で、期待する品質のデータを得るよう完了まで支援する。また、これまでの経験を活かしながら顧客の要望に素早く対応し、ニーズを確実に満たせるよう、プロジェクトに伴走している。

ファーマコビジランス

同社のファーマコビジランスは、専門家からなるグローバルチームである。顧客の安全性情報対応を迅速かつ的確にサポートする。

モニタリング

モニタリングは、被験者の人権と安全を保護し、規制遵守、データ品質及び臨床試験結果の完全性を確保するために不可欠である。同社は、創業以来、モニタリングに特に注力し、その品質を顧客に評価されている。

データマネジメント・

統計解析

同社のデータマネジメント・統計解析は、あらゆる段階で、深い考察と効率性の双方の提供を目指している。コンサルティングからフルサービスのデータ管理・統計デザインまで同社のプロフェッショナルが担当する。

被験者募集

臨床試験に適した被験者を見つけることは容易ではなく、症例の組み入れが臨床試験の成否を分ける最大のポイントであり、試験が大幅に遅れ、大きな損失が生じる可能性にもつながる。臨床試験を成功させるには、被験者募集計画を十分に検討することが不可欠である。

トレーニング

同社のCRAトレーニングは、熟練した専門家や実務に携わっている臨床現場のClinical Trial Manager(CTM)が講義を行うことで、より実践的なトレーニングを提供しており、受講生は優れたモニタリングスキルを持つ優秀な臨床開発モニターになることが可能となる。

 

 

【疾患領域における専門性】

がん領域

同社は、がん領域に強みを持つCROとして、多くの新薬の開発に貢献している。がん領域は重篤な症例が対象となることが一般的で、安全性情報報告を中心に、慎重かつ迅速な対応が求められる。同社はグローバルで第I~IV相まで数多くのがん領域の臨床試験を手がけており、固形がんや血液がんを始め希少がんなど幅広い実績がある。経験豊富なマネージャーと臨床開発モニター(CRA)を安定的に配置し、質の高い業務遂行により、リピート受託につながっている。

中枢神経系領域

同社は、臨床開発の困難度が高い中枢神経系(CNS)領域の治験を専門に取扱う部門を有し、豊富な実績を持つCROである。同社の中枢神経領域事業部では、認知症やパーキンソン病をはじめとする神経変性疾患、運動機能障害を伴う様々な神経筋疾患、うつ病、睡眠障害、統合失調症を含む多様な精神疾患などの中枢神経系領域の治験を実行するため、神経・精神疾患に対する広い知識と深い理解を有するリーダー及び臨床開発モニター(CRA)を育成している。

免疫領域・ワクチン

同社は、創業以来、免疫領域・ワクチン試験において幅広い経験と専門知識を蓄積している。免疫領域の臨床試験について第I相~第IV相での豊富な経験がある。顧客の新薬をいち早く患者に届けるため、治験のスケジュールと予算管理を徹底し、効率的かつ高品質のサービスを常に提供している。主に次のような様々な疾患での実績がある。

(自己免疫疾患、呼吸器及び肺疾患、アレルギー疾患、予防ワクチン、治療用ワクチン、アウトブレイク及び伝染病)

内分泌・代謝領域

代謝性疾患は臨床試験における成長分野であり、新しい治療法の開発が強く求められているものの、患者の募集や効率性などに多くの課題がある。これに対応するため、この領域の試験においては薬事戦略や安全性管理に精通したきめ細やかな対応力のあるCROパートナーが必要となる。同社は、グローバルな薬事に関する専門知識と試験の運営能力を持ち、協力的なプロジェクトチームが提供可能である。試験の立ち上げを加速し、リスクを軽減し、高品質のデータを提供するためにカスタマイズされたソリューションを提供している。また同社は「患者中心」を最優先として取り組んでいる。

その他の疾患領域

同社は、希少疾患、小児領域、バイオシミラーなど他の様々な疾患領域を支援している。同社は、小児領域の臨床開発における複雑な課題に対しソリューションを提供できる専門的知識を備えている。また、世界中の希少疾患や希少疾病に対する有望な治療法の進歩に貢献している。更に、同社は、これまで培った臨床開発の専門知識と経験をフルに活用し、バイオシミラー開発を支援している。

 

【グローバル展開】

同社は日本発のグローバルCROとして、日本を中心にアジア、欧州、米国など世界各地に拠点を展開している。約20か国/地域で従業員を雇用。提携パートナーを含めると30か国程度でサービスを提供している。現地の規制や習慣を熟知した各機能のエキスパートが、グローバルに連携し、一つ一つのプロジェクトに合わせたきめ細かなサービスを提供している。

(同社決算説明会資料より)

 

(同社決算説明会資料より)

 

26/3期において、海外比率は売上高で59%、従業員数で53%となっている。

 

 

【地域別受注残高】

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

同社グループのCRO事業において受託する治験業務や新薬発売後の臨床研究では、1年から3年程度の治験実施期間において、症例数や対象疾患に起因する治験の難易度などにより受託総額が決定する。この実施期間についてクライアントと委受託契約を締結し、契約に従い売上が発生する。受注残高は、既に契約を締結済みの受託業務の受注金額の残高である。これは、今後1年から5年程度の期間で発生する売上高を示しており、同社グループの今後の業績予想の根拠となる指標である。

 

2026年5月22日時点の受注残高は、25/3期末と比較して10.9%増の130億円となった。
日本・アジアは、25/3期末対比で日本は受注残高が減少、複数の新規受注獲得によりアジアは増加した。欧米バイオテックの日本・アジアを含む国際共同治験案件と、豪州経由もしくは北米市場への直接進出を目指す日本・アジアの製薬・バイオテック案件の獲得が増加傾向にある。
米国は、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験を受注内諾し、その一部の契約締結に加え、その工数増加となる契約変更が完了したことや主に米国で実施される新規案件の契約が完了したことにより25/3期末対比で増加した。
グローバル案件を含む新規案件の引き合いは多く、受注獲得に向け営業・提案を強化継続する。
欧州は、既存案件の契約変更や上述の米国が受注した大型国際共同治験のうち契約が完了した欧州分の計上による増加に加え、主に欧州で実施される複数の新規案件の契約が完了したこと等により25/3期末対比で増加した。米国との連携により米国企業からの欧州を含む案件獲得を拡大するとともに欧州営業も強化する。

 

2.経営戦略

【2028年の世界の医薬品市場規模(予測)】

(同社決算説明会資料より)

 

2028年まで、世界の医薬品市場は年平均6~9%で成長し、全世界の市場規模は、2.2兆ドルを超える見込みである。
こうした中、最大市場の米国での事業拡大が必須となっている。

 

【バイオ医薬品企業への戦略】

CROに対するバイオ医薬品企業のニーズ

リニカルのソリューション

豊富な経験やノウハウがあるCROに支援を求めたいが、自分たちの規模やニーズに合わせて柔軟に対応してほしい。

グローバルワンストップのCROサービスと、ニーズにあわせたきめ細かいソリューション提案を組み合わせ、大手グローバルCROと差別化。

日本の医薬品市場に参入し、自社製品を流通・販売したい。

・日本の市場や薬事の知識が十分でない

・十分な開発・販売機能を備えていない

・あるいは、戦略的パートナー/ライセンシーを必要として

いる

創薬支援事業を入口としたパッケージ展開。

 

【バイオ医薬モダリティの進展】

2005年以降

2010年以降

2015年以降

2020年以降

ヒト型モノクローナル

抗体

免疫チェック

ポイント

抗体薬物複合体・

二重特異性抗体

遺伝子治療

ベクター

哺乳類の細胞から作られ、単一の標的にのみ結合する配列及び全体としてヒトイムノグロブリンと相同なアミノ酸配列をもつ均一な抗体

がん細胞が自身への免疫細胞の攻撃にブレーキをかける分子機構に関与する免疫チェックポイント分子を特異的に阻害することにより、

がん細胞への免疫攻撃

を再活性化する治療法。

抗体に薬剤を結合させ、

標的細胞へピンポイントで薬を届ける抗体医薬。

1つの抗体が2つの分子を

同時かつ特異的に結合できるよう抗体エンジニアリング技術によって改変された

抗体。

遺伝性疾患の根治やがん

ワクチン療法を可能にするためには、治療用遺伝子を患部の細胞内へ送達し、

目的とするタンパク質が

発現する必要がある。

ウイルスベクターはそれらを効率化するキャリアーとして用いられる遺伝子治療の

中核技術。

適用例:関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、C型肝炎など

適用例:肺がん、皮膚がん、腎臓がんなど

適用例:アルツハイマー

適用例:表皮水疱症(ヘル

ペスベクター)、糖尿病

 

【遺伝子治療ベクターとは】

外来遺伝物質を別の細胞に運ぶために利用される核酸(おもにDNA)分子。

仕組み・作用機序

分類

・無害化したウイルス等の「運び屋(ベクター)」に治療用遺伝

子を載せ、患者の細胞内に届ける。

・細胞内で遺伝子が働き、不足するタンパク質を補ったり、変異を修復したりする。

・ウイルスベクター:ウイルスが細胞に感染する機構を利用

した遺伝子導入法

・非ウイルスベクター:プラスミドDNAなど環状DNAを用い

て遺伝子を導入する方法

(同社決算説明会資料より)

 

分類

ベクター

特徴

主な対象疾患

非ウイルス

プラスミド(環状DNA)

・構造が単純で安全性が高い

・低コスト

・DNAワクチン

・がん免疫療法

ウイルス

HSV(単純ヘルペスウイルス)

・大きな遺伝子も搭載可能

・広い細胞感染性(皮膚・神経など)

・皮膚疾患

・眼科疾患

ウイルス

AdV(アデノウイルス)

・高い遺伝子導入効率

・搭載できる遺伝子サイズには上限あり

・がん(腫瘍溶解ウイルス)

ウイルス

AAV(アデノ随伴ウイルス)

・ヒトに感染するが病原性が低く、安全性が高い

・セロタイプ(カプシド構造)により臓器特異性や長期発現(神経・筋肉など)が期待できる

・臨床実績も集積している

・遺伝性疾患・神経疾患(パーキンソン病)等

 

事例1:プラスミドを用いたがんワクチン
<Technology:がんに対するDNAを用いた個別化免疫療法>

(同社決算説明会資料より)

 

事例2:遺伝子送達医薬品
<遺伝子送達プラットフォームとしてウイルスベクターシステムを使い、HSVベースのベクター*を設計・製造>

(同社決算説明会資料より)

3.2026年3月期決算

(1)連結業績

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

前期比

売上高

10,437

100.0%

8,665

100.0%

-17.0%

売上総利益

2,375

22.8%

1,123

13.0%

-52.7%

販管費

2,959

28.4%

3,197

36.9%

+8.0%

営業利益

-583

-5.6%

-2,073

-23.9%

-

経常利益

-498

-4.8%

-2,023

-23.3%

-

親会社株主に帰属する当期純利益

-539

-5.2%

-3,329

-38.4%

-

※単位:百万円
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります。(以下同じ)

 

前期比17.0%の減収、20億73百万円の営業損失
26/3期の売上高は、前期比17.0%減の86億65百万円、20億73百万円の営業損失(前期は5億83百万円の営業損失)。売上面では、米国及び欧州における大型案件の開始遅延等の影響により、大幅な減収となった。利益面では、米国及び欧州の減収による影響が大きく、営業赤字となった。
日本は、増収となり営業赤字が縮小した。国内外の製薬会社から複数の案件を受託し増収となった。ドラッグ・ロスの状態が継続する厳しい市場環境にあるものの、欧米及びアジア子会社と連携した営業活動により受注を獲得し、今期の売上に寄与した。米国は、減収となり営業赤字となった。大型国際共同治験を受託したものの、米国政府機関閉鎖等の影響により開始が遅れ売上への貢献がなかった。また、費用管理による原価削減があったものの、売上減少の影響が大きく赤字となった。欧州は、減収となり営業赤字が拡大した。米国で受託した国際共同治験の遅れにより減収となり、売上減に加え、他拠点への外注費の増加もあり営業赤字が拡大した。
売上総利益率は13.0%と前期比9.8ポイント低下した。販管費は前期比8.0%の増加となった。その他、為替差損が42百万円発生したものの、投資有価証券評価益を69百万円計上したことなどにより、経常損失は20億23百万円と営業損失よりも損失が縮小した。また、減損損失として欧州事業に係るのれんの減損や日本事業に係る固定資産の減損を認識したことに加え、繰延税金資産の取り崩しを行ったことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は33億29百万円(前期は5億39百万円の当期純損失)となった。

 

報告セグメントの変更
同社グループは、従来CRO事業と育薬事業の2つを報告セグメントとしていたものの、今第1四半期よりCRO事業の単一セグメントに変更した。この変更は、2025年4月に実施した組織変更を機に、取締役会による経営資源配分の決定や業績評価の観点から報告セグメントについて再検討した結果、CRO事業の単一セグメントとすることが同社グループの意思決定プロセスをより適切に反映するものと判断したことによるものである。

 

 

(2)地域別業績動向

 

25/3期

26/3期

売上高

営業利益

売上高

増減額

営業利益

増減額

日本

3,676

-585

3,921

+244

-455

+130

米国

4,789

625

2,726

-2,063

-632

-1,257

欧州

3,089

-37

3,062

-26

-604

-566

韓国

751

-79

721

-29

-57

+22

台湾

84

-39

201

+116

23

+62

中国

188

-22

257

+68

52

+74

連結調整

-2,142

-445

-2,223

-81

-401

+44

合計

10,437

-583

8,665

-1,771

-2,073

-1,489

※単位:百万円
※のれんの償却費用は連結調整に含めている。売上高は内部取引控除前の数値。

 

【日本】
日本は、複数の大型既存案件の中止や期間短縮の契約変更が発生した影響により前期は大幅な減収となったものの、今期は国内外の製薬会社から日本での案件を複数受託し、前期比で増収となり、利益面でも営業損失が縮小した。日本ではドラッグ・ロスが深刻な社会課題となっており厳しい市場環境が続いているものの、欧米及びアジア事業と連携し国内外の営業活動を継続することで受注を獲得する。引き続き人員稼働率向上のための施策の遂行と経費の厳密な管理により業績改善に努める。

 

【韓国】
韓国は、複数の既存案件で顧客都合による中断が発生したことにより、前期比で減収となったものの、原価発生を抑制したことにより営業損失は縮小した。引き続き日本・アジア地域等他拠点と連携し、国内外企業からの受注獲得に向け営業活動を推進する。

 

【中国】
中国は、前期比で増収となり、営業黒字となった。足元では現地での営業体制強化の効果もあり、現地製薬会社・バイオテックからの引き合いも増加している。日系企業への中国での治験ニーズの開拓に加え、現地企業の日本を含むグローバル開発ニーズを深耕すべく引き続き営業活動を継続する。

 

【台湾】
台湾は、新規案件の獲得等により前期比で増収となり、利益面でも営業黒字となった。国内外で開発を進める台湾バイオテック等から複数の新規案件の打診を受けており、引き続き積極的な営業活動を継続している。

 

【米国】
米国は、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験の受注内諾を得て契約締結手続きを進めており、契約が完了した一部は受注残高に計上され売上高に寄与しているものの、米国での政府機関閉鎖等の影響で治験の開始時期が遅れたこと等により、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず、前期比で大幅な減収となり、営業赤字となった。開始が遅延した複数案件については本格稼働に向けて進捗しており、引き続き、有望な米国市場において既存顧客との取引拡大と有望なバイオテックからの新規案件獲得に注力し、持続的な成長を図る。

 

【欧州】
欧州は、前期比で減収となり、また、他拠点への外注費の増加もあり営業損失が拡大した。引き続き米国等他拠点と連携し欧州内の案件獲得に向けて営業活動に注力し、稼働率を高め収益改善に努める。

 

【のれん残高と残存償却期間(26/3期末)】

 

のれん

のれん以外の関連する無形固定資産※3

期末残高

残存償却期間

年間償却額※4

期末残高

残存償却期間

年間償却額※4

韓国

19/3期で償却終了

19/3期で償却終了

欧州※1

※2

329

7-8年

45

3

53

1年

4.7年

3

11

米国※1

1,846

8年

230

12

1年

12

合計

2,176

-

276

68

-

26

*単位:百万円
※1 Linical Accelovance America, Inc.買収により発生したのれんについて、その欧州子会社分を欧州に按分。
※2 欧州について26/3期に829百万円の減損損失を計上しており、上表の期末残高は減損後の帳簿価額を記載。
※3 のれん以外にPurchase Price Allocationにより認識された無形固定資産。
※4 26/3期末の為替レートで換算。

 

(3)受注残高の推移

 

25/3期末

(A)

26/3期末

2026年5月15日時点

(B)

前期末比

(B-A)/A

日本

4,350

3,942

3,747

-13.9%

米国

2,756

2,748

2,684

-2.6%

欧州

3,192

3,022

3,064

-4.0%

アジア

1,437

1,959

1,801

+25.4%

受注残高合計

11,737

11,673

11,298

-3.7%

※単位:百万円

 

2026年5月15日時点の受注残高は、25/3期末と比較して3.7%減の112億98百万円となった。
日本は、複数の新規案件の獲得や契約変更があったものの、ドラッグ・ロス等による厳しい事業環境が続いており、25/3期末から受注残高は減少した。日系製薬会社から、同社日本拠点がプロジェクト管理する豪州・アジア試験を受注するなど、豪州拠点設立による効果が発現し始めており、引き続き積極的な営業を進める。
アジア地域は、台湾子会社が台湾国内及び米国で実施するグローバル試験を含む複数の新規案件を受託し、25/3期末から大きく受注残高が増加した。台湾のバイオテックは当初から米国市場に高い関心があり、米国拠点をもつ同社の強みを活かし更なる新規案件の開拓を進めている。韓国では韓国国内での新規の受注獲得があったことや、グループ会社を経由したデータマネジメント・統計解析業務等を含む複数の新規案件の契約を締結した結果、25/3期末から受注残高が増加した。日本・アジアと欧米の営業チームが連携し、欧米バイオテックを日本・アジアに誘致するとともに、世界最大の米国市場を目指し豪州経由で、もしくは当初から北米で治験を開始する日本・アジアのバイオテックの開発ニーズにも対応することで受注獲得を目指す。
米国は、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験を受注し、その一部の契約締結が完了したものの、米国の政府機関の閉鎖等による影響で、本格稼働に向けた契約締結が未だ完了していないこと等もあり、25/3期末から受注残高が減少した。なお、上述のとおり、受注案件のうち契約締結前の複数案件は上記の受注残高には含まれておらず、今後契約が完了した時点で受注残高に追加される予定である。また、バイオテックを中心にグローバル案件を含む多数の案件の打診を受けており、受注残高を積み上げるべく営業活動に注力している。
欧州は、既存案件の期間延長や工数追加の契約変更、主に欧州で実施される新規案件の獲得等があったものの、上述の米国が受注した大型国際共同治験のうち試験開始の遅延により本格稼働に向けた契約締結が完了していないことや、直近で受託が内定し契約直前の案件が集計時点で契約締結とならなかったこと等により、25/3期末から受注残高が減少した。米国事業を中心にグローバル・シナジーを更に強化することで、欧州を含む新規案件の受注獲得を目指す。
なお、2026年5月22日時点の受注残高は、25/3期末と比較して10.9%増の130億15百万円となった。

 

(4)第4四半期(1-3月)の業績推移

 

26/3期の第4四半期(1-3月)は、残念ながら減収減益トレンドが継続した。

 

5)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

2025年3月末

2026年3月末

 

2025年3月末

2026年3月末

現預金

7,039

5,204

短期有利子負債

1,000

1,350

売上債権・契約資産

2,774

1,738

前受金

2,420

1,913

立替金

841

559

預り金

2,755

2,047

流動資産

11,627

8,335

長期有利子負債

1,327

900

有形固定資産

395

319

負債

9,521

8,023

無形固定資産

3,239

2,246

純資産

7,253

3,976

投資その他

1,512

1,098

負債・純資産合計

16,775

11,999

固定資産

5,148

3,664

有利子負債合計

2,327

2,250

*単位:百万円
*有利子負債=借入金+リース債務

※株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2026年3月末の総資産は前期末比47億75百万円減の119億99百万円。資産サイドは主に前払費用などが増加要因となり、現預金、売上債権、のれん、繰延税金資産などが減少要因となった。負債純資産サイドは、主に短期借入金、退職給付に係る負債、為替換算調整勘定などが増加要因となり、前受金、預り金、長期借入金、利益剰余金などが減少要因となった。また、2026年3月末の自己資本比率は33.1%と前期末比で10.1ポイント低下した。

 

キャッシュ・フロー

 

 

 

 

25/3期

26/3期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

595

-1,611

-2,206

-

投資キャッシュ・フロー(B)

-45

87

132

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

550

-1,523

-2,073

-

財務キャッシュ・フロー

-939

-513

425

-

現金及び現金同等物当期末残高

7,039

5,204

-1,835

-26.1%

※単位:百万円

 

 

CF面では、税金等調整前当期純損失の拡大や前受金と預り金の減少などにより、営業CFがマイナスへ転じた。また、長期前払費用の取得による支出や差入保証金の差入による支出の減少などにより投資CFがプラスへ転じたものの、フリーCFもマイナスへ転じた。その他、財務CFは短期借入金の増加などによりマイナス幅が縮小した。以上により、26/3期末のキャッシュ・ポジションは、前期比26.1%減少した。

 

(6)減損損失の計上

26/3期において、同社グループは以下の資産グループについて減損損失を計上した。
①減損損失を認識した資産の概要

場所

用途

種類

減損損失

日本

事業用資産

建物附属設備等

1億59百万円

欧州

その他

のれん

8億29百万円

②減損損失を認識するに至った経緯
上記資産を含む資産グループについては、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっていることから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。
③資産のグルーピングの方法
同社グループは、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を基礎として資産のグルーピングを行っている。
④回収可能価額の算定方法
日本の事業用資産の回収可能価額については使用価値により測定しているが、将来キャッシュ・フローが見込まれないため、備忘価額をもって評価している。欧州ののれんの回収可能価額については使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを13.0%の割引率で割り引いて算定している。

 

4.2027年3月期業績予想

(1)連結業

 

26/3期 実績

構成比

27/3期 会社計画

構成比

前期比

売上高

8,665

100.0%

10,680

100.0%

+23.2%

営業利益

-2,073

-23.9%

256

2.4%

-

経常利益

-2,023

-23.3%

250

2.3%

-

親会社株主に帰属する当期純利益

-3,329

-38.4%

180

1.7%

-

※単位:百万円

 

前期比23.2%の増収、2億56百万円の営業利益(前期は20億73百万円の営業損失)
売上高は前期比23.2%増の106億80百万円、営業利益は2億56百万円(26/3期は20億73百万円の営業損失)の予定。
米国と欧州の回復及びアジアの成長により、増収・黒字化を見込む。同社グループでは、欧米地域で米国の政府機関閉鎖の影響等により開始が遅れていた複数案件のうち一部で再稼働が始まっており、また、その残りの案件や直近の受注案件についても今後順次稼働を見込んでいる。また、米国を中心に交渉中の複数の大型案件があり、これらを受注し順調に進捗すれば下半期には売上・利益とも大幅に改善する見通しである。一方で、上半期は複数の新規案件の始動時期にあたり、受注残高や売上への寄与は限定的であるため、これらに続く本格稼働時期の契約が締結され受注残高や売上に本格的に寄与するまで
の間は、引き続き厳しい業績が予想される。特に、第1四半期は直前四半期と同程度の営業損失が発生することを見込んでいる。なお、前期末には稼働率改善の見通しが立たない地域の人員整理を進めるなど損益分岐点の引き下げを図ったものの、引き続き人員稼働率向上のための施策の遂行と経費の厳密な管理により業績改善に努める。
また、配当は、前期と同額の普通配当8円/株の予定。

 

 

(2)配当政策

同社は財務基盤の強化にも積極的に取り組む。海外事業拡充への成長投資の原資を確保するため、成長戦略による増収と、高稼働率の維持とコスト管理を徹底し、一株当たり利益の持続的成長を確保する。同時に当座比率、自己資本比率を高め、機動的な資金調達を可能にする他、株主還元と成長資金の確保の両立に努める方針である。

 

5.今後の注目点

同社の26/3期決算は、売上高が前期比17.0%減の86億65百万円、営業損失が20億73百万円(前期は5億83百万円の損失)の非常に厳しい結果となった。売上面では、米国及び欧州における大型案件の開始遅延等の影響が大きく出た。利益面でも、米国及び欧州における減収が影響した。第4四半期(1-3月)をみても前年同期比で減収減益となり残念ながら業績の底打ちが確認できなかった。一方、27/3期は、売上高が前期比23.2%増の106億80百万円、営業利益が2億56百万円(26/3期は20億73百万円の営業損失)を予想している。同社グループでは、欧米地域で米国の政府機関閉鎖の影響等で開始が遅れていた複数案件のうち一部で再稼働が始まっており、また、その残りの案件や直近の受注案件についても今後順次稼働を見込んでいる。また、米国を中心に交渉中の複数の大型案件があり、これらを受注し順調に進捗できれば下期には売上・利益とも大幅に改善する見通しである。一方で、上期は複数の新規案件の始動時期にあたり、受注残高や売上への寄与は限定的であるため、これらに続く本格稼働時期の契約が締結され受注残高や売上に本格的に寄与するまでの間は、引き続き厳しい業績を想定するとともに、特に、第1四半期において直前四半期と同程度の営業損失が発生することを同社では予想している。第1四半期の業績の落ち込みをどこまで食い止められるか注目される。
こうした厳しい業績の一方で、業績の先行指標である受注残高には、反転の兆しが見られる。2026年5月22日時点の受注残高は、25/3期末と比較して10.9%増の130億円となった。米国では、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験を受注内諾し、その一部の契約締結に加え、その工数増加となる契約変更が完了したことや主に米国で実施される新規案件の契約が完了したことにより25/3期末対比で増加した。グローバル案件を含む新規案件の引き合いは多く、受注獲得に向け営業・提案を強化継続している。また、欧州でも、既存案件の契約変更や上述の米国が受注した大型国際共同治験のうち契約が完了した欧州分の計上による増加に加え、主に欧州で実施される複数の新規案件の契約が完了したこと等により25/3期末対比で増加した。今後は、米国との連携により米国企業からの欧州を含む案件獲得を拡大するとともに欧州営業も強化する方針である。下期における業績の本格回復に向け業績の先行指標である受注残高を今後どこまで拡大できるのか注目される。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

監査等委員でない取締役

3名、うち社外2名

監査等委員である取締役

3名、全員社外取締役

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2026年6月30日
<基本的な考え方>
(1)経営理念
当社は、「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」を経営理念として掲げています。役員・従業員の有する知識・経験、
組織としてのノウハウ・システムを持続的に発展・維持し、製薬会社など世界中のヘルスケアカンパニーに提供することで、
新薬を含む新しい治療技術の開発やその発展・浸透、ひいては人類の健康的な生活に貢献することを目指しています。
(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
上記経営理念に基づき、当社は、医薬品開発のノウハウ・技術をもって新薬を含む新しい疾患予防・治療技術の誕生・成長に貢献し、国内外のバイオベンチャー、製薬企業、医療機器メーカーなどのヘルスケアカンパニー、医療機関のパートナーとして医療の発展に貢献し、患者様ならびに社会全体の期待に応えてまいります。
当社は、人命に関わる事業活動を行うため、当社の役員ならびに従業員には専門性のみならず高い倫理観が求められることから、コンプライアンスの徹底をはじめとした企業行動規範の遵守を徹底しております。また、内部統制の充実を図り、経営の健全性・透明性を確保することで、事業の発展とあわせて企業価値の向上に努めております。

 

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
実施をしないコードのおもな原則と理由

原則

実施しない理由

【補充原則4-1② 中期経営計画

当社では、経営会議において中期計画を検討し、各会議において進捗状況の確認・分析を行い、必要に応じて適宜、中期目標や方針の見直しを行うこととしています。取締役会は、中期計画を審議・決議するとともに、進捗状況や分析結果について報告を受け、監視・監督することとしています。現在、中期経営計画の改訂を進めており、株主・投資家の皆様との共有認識を醸成できるよう説明方法を含め検討してまいります。

 

<開示している主な原則>

原則

開示内容

【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み等】

当社グループは、経営理念のもと「サステナビリティ方針」を策定し、この方針に沿ってサステナビリティ経営を推進しています。サステナビリティに関する取組及び人材の多様性の確保を含む人材育成・社内環境整備の方針等については有価証券報告書「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に開示しております。

中核人材の多様性推進に関する状況については以下のとおりです。なお、各比率の算定にあたっては、グループ間での出向者については原則として出向先の人員として取り扱っております。

①女性

2026年3月末時点の女性管理職比率はグループ全体で54.0%、日本単体で37.3%となっております。また、本社女性管理職が海外グループ会社へ出向しており、グローバルでの活躍の場も広がっております。今後は、女性の採用及び管理職への登用を一層推進し、女性管理職比率50%以上(日本単体)を目標として、性別にかかわらず能力、経験、専門性及び適性を重視した採用・登用を継続するとともに、キャリア形成支援や環境整備に加え、グループ会社を含む多様な活躍機会の提供を通じて、女性人材の育成及び活躍推進に取り組んでまいります。

②外国人

外国人の採用及び管理職への登用については、当社グループが多数の海外子会社を有し、各国・各地域において多様な国籍の人材が勤務している事業実態を踏まえ、現時点では定量的な目標は設定しておりませんが、国籍にかかわらず本人の能力、経験、専門性及び強みを重視して採用及び登用を行っております。

③中途採用者

当社は、全社員に占める中途採用者の割合が約5割、管理職においては中途採用者の割合は6割以上を占める等、すでに社内において異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在しているものと考えていることから、中途採用者に関する目標値は定めておりませんが、既存事業の継続的な成長や、成長戦略に関わる実行人材の確保について、引き続き推進してまいります

【原則3-1 情報開示の充実】

(i)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画

当社は、「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」を経営理念として掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。

経営戦略等につきましては、有価証券報告書などの資料にて開示しています。

(ii)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方については、本報告書の「1.基本的な考え方」に記載しています。またこれを含めた当社コーポレート・ガバナンスの概要については当社WEBサイトにて開示しています。

(iii)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続

当社の取締役の報酬等は、株主総会で決議された報酬総額の範囲内で支給いたします。また、取締役の個人別の報酬等の決定方針は取締役

会で決議します。当該方針の決定・手続きに関し、取締役会からの諮問を受け、社外取締役が過半数を占める3名以上の委員で構成される報酬委員会にて協議・答申を行うことで、客観性、透明性、公正性を確保します。

※2026年3月期において報酬委員会は計4回開催され、委員の全員が各回に出席しました。その主な議題としては、代表取締役から諮問を受けた取締役等の業績連動報酬支給額の審議、役員報酬・賞与関連規程の改訂ならびに取締役等の個別の報酬額の審議等がありました。

なお、役員の報酬等に関する内容の詳細については有価証券報告書「4.コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等」にて開示しています。

(iv)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役候補の指名を行うに当たっての方針と手続

(1)選解任の方針と手続き

当社では、社内取締役及び執行役員候補の選任、指名については、経営幹部にふさわしい見識や高潔な人格を有すること、的確かつ迅速な意思決定が行えること、そのほか個人の知識・経験・能力等に基づき、社外取締役を含めた取締役会、経営陣全体のバランスを総合的に考慮した上で、下記①②の基準のもと、取締役会決議にて選任・指名することとしています。また、再任については期待される業績・成果を恒常的に上げているかどうかを判断し、取締役会決議にて再任(非再任)することとしています。

①監査等委員でない社外取締役候補の選任、再任については、原則4-9に示した基準及び資質に基づき、取締役会決議にて選任、再任することとしています。

②監査等委員である取締役候補の選任、再任については、原則4-9に示した基準及び資質に加えて、最低1名は財務・会計に関する十分な知

見を有したものを加え、経営の監査機能が適切に行えるよう監査等委員会としてのバランスを考慮し、監査等委員会の同意を得た上で、取締役会決議にて選任、再任することとしています。

なお、選任・再任プロセスの客観性、透明性、公正性を高めるため、社外取締役が過半数を占める3名以上の委員で構成される指名委員会が、候補者への面談等を通じて候補者の業績・成果を検証・審議したうえで答申を取締役会に提出しており、取締役会はその答申を踏まえて決議することとしております。

※2026年3月期において指名委員会は計3回開催され、委員の全員が各回に出席しました。主な議題としては、業務執行取締役、社外取締役及び執行役員(CXO含む)ならびに子会社役員の選任・再任、社外取締役の独立性基準の検討がありました。

(2)社長(CEO)の選解任の基準等

取締役会は、代表取締役社長執行役員CEOの選解任について、最も重要な意思決定の一つであることを前提に、経営環境全般の変化への対

応、積極的な経営戦略の立案・推進や、継続的な業績の向上に貢献できているか等を総合的に勘案し、指名委員会での協議、答申のプロセスを

経て実施いたします。なお、代表取締役社長執行役員CEOの後継候補者育成についても、知識教育や計画的なジョブローテーション、海外出向などを通じて、実施しております。

(v)取締役会が上記(iv)を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役候補の指名を行う際の、個々の選解任・指名についての説明

①取締役候補(監査等委員である取締役候補を含む)の選任につきましては、株主総会招集通知に個人別の経歴、候補者とした理由を記載して

おります。また、解任が行われる場合には、適時適切に開示いたします。

②執行役員CXOについては、解任等の重要な変更があった場合に、当社WEBサイト等にて公表いたします。

【原則5−1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、株主(潜在株主としての機関投資家や個人投資家を含む)との建設的な対話を通じて、企業と株主との共通目的である企業価値の持続的成長を目指しています。アカウンタビリティの強化に向け、情報開示の充実を継続的に推進し、国内外の投資家との対話の促進に取り組んでいます。具体的には、業績、経営戦略、資本政策、リスク、コーポレート・ガバナンス体制などについて以下の方法により継続的・建設的で透明・公正な対話を実施しています。

①株主との対話は執行役員CFOが統括を行い、面談の目的と効果、株主属性を勘案し、代表取締役社長執行役員CEO、執行役員CFOを中心とした経営幹部により対話者と対話方法を検討のうえ実施しています。②IRは財務部ならびに広報室が中心となり社内関連部署から必要情報を収集し、分かり易い資料作成や説明により株主との対話を充実させています。

③定時株主総会、決算説明会、個人投資家向け説明会に加え、国内外機関投資家との個別ミーティング、英文を含めたWEBサイトでのIR情報開示、個人投資家様からの電話・メール等による個別対応などを通じて対話の機会を持ち、質問や要望、説明会での参加者情報やアンケート結果などをIR活動へ反映しています。

④株主との対話を通じて把握した株主の関心や懸念は執行役員CFOに集約し、経営分析や情報開示の在り方などの検討に活かしています。

⑤IR活動や株主との対話においては、社内規程の定めるところに従い、適切にインサイダー情報を管理しております。なお、当社では決算情報に関する対話を控える沈黙期間を四半期決算期日の翌日から決算短信発表日までとしております

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】

当社では受注案件のキャンセル・遅延等により2025年3月期、2026年3月期で連結営業損失を計上しましたが、2027年3月期は遅れていた欧米の案件の本格化を中心に連結増収・黒字化を予想しています。また、以下の方策により資本回転率・営業利益率を改善し、2028年3月期以降には株主資本コスト(*1)を上回る自己資本利益率(ROE)、加重平均資本コスト(*2)を上回る投下資本利益率(ROIC)を確保し向上を目指します。これらを通じて企業価値の持続的成長を図るとともに、その結果として当社の経営指標である一株当たり当期純利益(EPS)の着実な成長を実現し、株主還元の強化につなげてまいります。

資本回転率向上

①収益力の向上:欧米を中心としたグローバル営業の強化により欧米を中心に取引先を拡大するとともに、革新的な技術を基盤とした有望な開発品を有する複数のバイオファーマと良好な関係を構築し、継続的な取引拡大を実現します。また、現在の人的資本を有効活用し安定収益を得るために、薬事コンサルティング、リアルワールドエビデンス活用、ライセンシングサポート等を顧客に積極提案します。

②資本の効率化:大手製薬会社の後期開発案件では売掛金、立替金は早期に回収できる一方、当社顧客における欧米等のバイオファーマの比

率が高まっているため、与信管理を徹底する必要があります。これに加え、立替費用に対する預り金の設定や、受託費用に対する前受金の適切な管理、請求書の発行頻度及び支払期限の適正化を実施し、運転資本の効率的な管理を図ります。

営業利益率向上

①高付加価値化:提案内容・サービスの高品質・高付加価値化(コンサルティング・治験国内管理人能力、高品質な実施計画書作成、短期での治

験届承認、迅速な症例集積を実現する施設選定・症例組入促進提案、短期データ固定、ライセンス提携先紹介等)を、教育・手順・マネジメント体

制の改善、外部リソース活用等により実現し、候補案件数増加・獲得率向上・リピート率向上を実現することで、価格競争を回避し営業効率を高めます。

②労働生産性向上:GCPリノベーションへの対応、RBM・DCT対応の高度化、AI活用による作業効率改善、高付加価値業務の内製化と稼働率向上等により、 原価従業員1人あたりの担当案件数(プロトコール数/担当施設数/症例数等)を向上し、原価従業員あたりの粗利率を向上させます。

③効率的な組織運営: 地域・業務別の稼働率・収益性を分析し、契約変更交渉や要員配置見直し等を徹底します。営業・管理業務については、言語・時差・費用対効果等を勘案し複数国をカバーすることで効率化します。

*1:株主資本コスト6.65%(月次5年β値0.704×マーケットリスクプレミアム6.0%+10年国債利回り2.429%、2026年3月末時点)

*2:加重平均コストWACC:4.94%(上記の株主資本コストと負債コストより算出、2026年3月末時点)

 

 

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