ブリッジレポート
(4709) 株式会社IDホールディングス

プライム

ブリッジレポート:(4709)IDホールディングス 2027年3月期第1四半期決算

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舩越 真樹 社長

株式会社IDホールディングス(4709)

 

 

会社情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

舩越 真樹

所在地

東京都千代田区五番町12-1 番町会館

決算月

3月末日

HP

https://www.idnet-hd.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,084円

33,980,084株

36,834百万円

20.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

50.00円

4.6%

88.29円

12.3倍

446.89円

2.4倍

*株価は8/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROEとBPSは26/3期実績、DPSとEPSは27/3期第1四半期決算発表時の会社計画。
*2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2023年3月(実)

31,101

2,424

2,504

1,402

42.27

22.50

2024年3月(実)

32,680

2,769

2,860

1,777

53.21

25.00

2025年3月(実)

36,274

3,780

3,862

2,389

71.27

35.00

2026年3月(実)

39,371

4,128

4,212

2,907

85.93

40.00

2027年3月(予)

42,000

4,500

4,550

3,000

88.29

50.00

*単位:百万円、円。
*予想は会社予想。
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。
*2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施。DPSとEPSは23/3期まで遡及して再計算。

 

 

IDホールディングスの2027年3月期第1四半期決算概要と2027年3月期業績予想等についてご報告いたします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ “JUMP!!!”」(2026年3月期~2028年3月期)
3.2027年3月期第1四半期決算概要
4.2027年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 27/3期第1四半期の売上高は前年同期比0.2%の減収、同19.5%の営業減益。売上面では、システムマネジメントにおける一部案件の終了があったものの、注力事業領域であるITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育が堅調に推移した。利益面では、従業員への還元(ベースアップ)や、第1四半期に実施した人材育成・確保のための戦略的投資の増加などが影響した。

     

  • 第1四半期が終わり、27/3期の会社計画は、売上高が前期比6.7%増の420億円、営業利益が同9.0%増の45億円の予想から変更なし。引き続き中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ “JUMP!!!”」のもと、戦略テーマである「高収益モデルへのシフト」と「カルチャーの革新」の2つを軸に、サービスポートフォリオ戦略、顧客接点の確立、人的資本投資戦略をはじめとした6つの重点戦略を推進する。

     

  • 同社は、2026年4月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施した。27/3期の1株当たり年間配当予想も、中間配当25円、期末配当25円の年間配当50円の予定を据え置き。これは株式分割前の水準に換算すると、実質的に中間配当は15円、期末配当は5円の合計20円の増配となる。予想配当性向は56.6%となる。

     

  • AX(AIトランスフォーメーション)の進行はIT業界の案件を減少させるのではなく、AI活用を前提とした新たな需要を生み出し、案件数の拡大と既存案件の高付加価値化を促進すると期待される。こうした変化をチャンスと捉え、同社は今後人材育成を加速する。データセンター人材では、コンテナ型、モジュール型等、今後の優位性が注目されているデータセンターに精通する人材の育成を強化する。また、AI技術人材では、コンテナ技術、自動化ソリューション、AIプラットフォーム(OpenShift、ServiceNow、IBM Bobなど)に精通した人材や顧客における「AI監査」、「AIを利用した業務設計」等に対応できる人材の育成を強化する。更に、非AI化業務人材では、AIに代替されず、人に残る業務を担う人材の育成に注力する。これら人材育成の成果が注目される。

     

1.会社概要

金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントを中核とする持株会社。システムマネジメントとアプリケーション開発・保守を二本柱とし、コンサルティングからアプリケーション開発、システムマネジメント等の顧客の実作業に近い領域までをトータルのサービスを提供しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。なお、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更。2014年9月8日、東証1部に上場。2022年4月、市場再編に伴い東証プライム市場に移行。

 

【経営理念】-IDentity

◎誇り/Pride
私たちは、損か得かで判断するのではなく、正しいか正しくないかで行動します。
◎ミッション/Mission
私たちはWaku-Wakuする未来創りに参加します。
◎三命/Attributes
卓越した技術(High Technology)はIDグループの生命
高品質のサービス(High Quality)はIDグループの使命
未知への挑戦(Challenge)はIDグループの命題
◎3つの組織/Organization
「前向きな姿勢」を怠らない組織
「明日の組織造り」を怠らない組織
「人間力作り」を怠らない組織

 

【IDグループのビジネスドメイン】

同社グループは、金融機関、公共(エネルギー)、製造、運輸/交通、情報通信、医療など、日々の暮らしに欠かせない機関・サービスの裏側にあるITをつくり、まもっている。

 

【IDグループの立ち位置と強み】

IDグループの強みは、国内最大級のシステムマネジメント技術者集団1,600名以上を抱えることである。また、金融向けの売上高が4割超を占め、金融を中心とした多分野にわたる顧客と業界ノウハウを有することである。更に、AI、クラウド、メタバースを活用した高度運用サービスを提供できることである。加えて、直接契約(6割超)と大手SIer経由の案件のバランスにより、安定した収益基盤を確保している。

 

【IDグループのサービスの特徴】

◎50年の経験、大手優良企業を中心に実績は1,000社以上
同社は、1969年の会社設立以来、大手金融機関や社会インフラ企業を中心に1,000社以上の企業との取引実績がある。コンサルティングからITインフラ、アプリケーション開発、システムマネジメント、クラウド、サイバーセキュリティまでワンストップで提供し、顧客の様々な要望に最適な提案で対応することで、顧客より高い評価を得ている

 

◎国内最大級のシステムマネジメントプロフェッショナル集団
同社は、顧客の業務に精通した1,600名以上ものシステムマネジメントエンジニアを有し、アプリケーション開発やITインフラとの連携を図り、トータルサービスの提供によって、安定したシステム運用と業務効率化を実現している。また、マルチクラウドソリューションサービスを提供し、近年需要の高い顧客のクラウドシフトを強力にバックアップしている。

 

◎ユーザー視点でシステム開発
同社は、長年蓄積した顧客のシステムに関する業務知識やノウハウを持ち、金融機関やエネルギーなど幅広い分野への開発実績がある。また、顧客のニーズに柔軟かつスピーディーに対応できるアジャイル開発も行っており、従来型の手法と使い分けることで、コスト効率の高い、安定したシステムを構築している。

 

◎DX・AXへの対応
RPA・AIなどのデジタル技術を活用した既存ビジネスの変革する、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAIトランスフォーメーション(AX)に対するニーズが高まっている。同社はこうした先端技術の調査・研究を行う部門や、DX・AXを推進する専門組織を設置し、顧客の業務変革に貢献する付加価値の高いサービスを提供している。加えて同社ではAXの進行はIT業界の案件を減少させるのではなく、AI活用を前提とした新たな需要を生み出し、案件数の拡大と既存案件の高付加価値化を促進すると考えており、技術力・人間力・組織力を強化して需要を取り込んでいく考えだ。

 

◎世界各国でグローバルな事業をサポート
2004年に中国武漢市に現地法人を設立して以来、東南アジア、北米、欧州に拠点を設立。海外ネットワークを通じ、時差を利用した24時間/365日体制で、グローバルなサービスをスピーディーに提供している。

 

◎コンプライアンスの徹底
同社は、個人情報保護や品質管理、情報セキュリティに関するマネジメント体制を確立するとともに、コンプライアンス・ハンドブックを全グループ社員の行動規範として活用。経営理念のIDentityにも掲げているとおり、つねに「私たちは、損か得かで判断するのではなく、正しいか正しくないかで行動」することを徹底している。

 

【サービス別の業績動向】

売上高は、システムマネジメント、アプリケーション開発、ITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育、その他に分かれ、サービス別の概要と売上構成比は次のとおり。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

システムマネジメント(27/3期第1四半期売上構成比39.4%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客のシステムを24時間/365日運用・監視し、社会の重要インフラを支える業務である。また、オフショアを活用した高品質・廉価な一括受託にも対応している。他社にとって参入障壁が高く、ストックビジネスとして確実に収益を確保できる事業であり、今後データセンター市場の規模拡大により同事業の需要が増加する見込みである。従来型運用から高度運用への移行を進め、新たなシステムマネジメントを創出し、高付加価値化を推進する。

 

アプリケーション開発(27/3期第1四半期売上構成比35.5%)
金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野の顧客へ総合システムビルダーとして多くのアプリケーション開発実績を築いている。グループ内にコンサルティング、オフショア(海外子会社に委託開発)、ニアショア(地方事業所での開発)体制を構築しており、多数の高度な専門技術者が高品質なサービスを実現。国内外の有力先進企業と提携し、顧客の既存ビジネスの強化・拡大、新たな領域への挑戦を支援しており、常に技術・品質の向上に努めている。

 

ITインフラ(27/3期第1四半期売上構成比12.6%)
豊富な運用経験を活かし、運用しやすいITプラットフォームを構築し、顧客の業務に必要なITインフラを提供している。AWSやAzureなどの大手ITプラットフォームを活用し、クラウド環境の構築や移行を支援しているほか、システム運用部門をはじめ、アプリケーション開発部門やサイバーセキュリティ部門と連携することで、低コストで信頼性の高いシステム稼働環境の設計・構築をしている。

 

サイバーセキュリティ(27/3期第1四半期売上構成比7.1%)
海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からセキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供。同社は、様々なベンダーの製品を取り扱っており、特定ベンダーにこだわることなく、顧客の環境、要望、状況に応じて、最適な製品を柔軟に組み合わせ、提案している。

 

コンサルティング・教育(27/3期第1四半期売上構成比3.8%)
上記の業務に付随した各種のコンサルティングや教育・研修を実施している。

 

その他(27/3期第1四半期売上構成比1.6%)
システムマネジメント、アプリケーション開発、サイバーセキュリティ環境の構築などに付随した製品販売などがある。

 

【サービス別売上高】

27/3期第1四半期の売上高は96億52百万円であった。システムマネジメントにおける一部案件の終了があったものの、注力事業領域であるITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育が堅調に推移した。システムマネジメントは、既存顧客における案件拡大したものの、大手ITベンダーにおける案件の終了が影響した。アプリケーション開発は、大手ITベンダーとの連携による受注が拡大したものの、製造関連顧客における案件の縮小が影響した。ITインフラは、製造、エネルギー、運輸関連顧客における新規案件の獲得が寄与した。サイバーセキュリティは、高収益案件が終了したものの、大手ITベンダーとの連携による新規案件の獲得や取引の拡大が寄与した。コンサルティング・教育は、高収益案件が終了したものの、複数顧客におけるコンサルティングの受注拡大が寄与した。
また、システムマネジメントとアプリケーション開発からなる岩盤領域の売上高は72億円となり前年同期比1.6%減少し、ITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育からなる注力領域の売上高は22億円となり同5.6%増加した。

 

(同社資料より)

 

【サービス別売上総利益】

27/3期第1四半期の売上総利益率は、27.0%となり前年同期と比べ0.3ポイントの上昇となった。サイバーセキュリティとコンサルティング・教育の売上総利益率が前年同期比で低下したものの、システムマネジメント、アプリケーション開発、ITインフラなどの売上総利益率が前年同期比で上昇した。

(同社資料より)

 

【戦略グループ別売上高構成】

戦略グループ別の売上高構成では、直接契約(6割超)と大手SIer経由の案件のバランスにより、安定した収益基盤を確保している。
27/3期第1四半期において、戦略グループ別では、IBMグループ、日立グループ、戦略パートナー、その他の売上高が前年同期比で増加した。IBMグループ(構成比:12.7%)では、運輸関連顧客における大型アプリケーション開発案件の継続が寄与した。キンドリルジャパン(構成比:9.0%)は、システムマネジメントにおける案件の終了等が影響した。日立グループ(構成比:7.5%)は、官公庁関連顧客におけるセキュリティ案件の受注拡大等が寄与した。戦略パートナー(構成比:6.9%)は、新規セキュリティ案件の獲得が寄与した。主要顧客(金融)(構成比:28.5%)は、システムマネジメントにおける公共系案件の拡大が寄与したものの、ITインフラにおける案件の縮小が影響した。主要顧客(金融以外)(構成比:20.1%)は、運輸関連顧客における新規ITインフラ案件を獲得したものの、エネルギー、製造関連顧客におけるアプリケーション開発案件の縮小や放送関連顧客におけるコンサルティング案件の終了が影響した。
なお、IBMグループが売上高の12.7%を占めるが、IBMグループの内訳は、MIデジタルサービス(運用系)が売上高構成比4.5%、日本IBM(開発系)が同8.2%となった。

(同社資料より)

【エンドユーザー業種別売上高構成】

大手優良企業を中心に1,000社以上の実績があり、エンドユーザー業種別では特に金融とエネルギー・官公庁向けの売上高が6割以上を占めている。なかでも金融向けの売上高が4割超を占める。27/3期第1四半期におけるエンドユーザー業種別売上高は、製造が前年同期比7.4%増、情報・通信が同7.3%増、運輸が同52.2%増となったものの、エネルギー・官公庁が同12.8%減、その他が同7.5%減となった。

(同社資料より)
*その他は、「メディア」、「ヘルスケア」、「建設・不動産」、「卸売・小売業・飲食店」等

 

【グローバル展開】

同社グループは2004年に中国(武漢市)に現地法人を設立して以来、シンガポール、アメリカに子会社を設立。また、欧州における業務の拡大を見据え、2024年4月、オランダに子会社を設立した。
これらの拠点および海外アライアンスパートナーとの協業により、中国(武漢、無錫、上海)、シンガポール、アメリカ、イギリス、オランダにおいて、ITサービスを提供している。今後も日系企業の海外拠点向けビジネス獲得を中心として、事業拡大を目指す。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

【情報通信業の動向】

(総務省統計局「サービス産業動態統計調査」を基に株式会社インベストメントブリッジ作成)

 

総務省統計局発表の「サービス産業動態統計調査」(7月24日発表)によると、5月の情報通信業の月間売上高は前年同月比4.5%増となった。50か月連続でプラス成長が継続しており、同社を取り巻く業界環境は引き続き堅調に推移しているものと思われる。

 

2.中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ “JUMP!!!”」(2026年3月期~2028年3月期)

(1)中長期ビジョン Episode Ⅱの延長ではなく、非連続な成長へ

◆収益力/成長性の高いビジネスモデルへJUMP!!!⇒「サービスポートフォリオ」
◆IT業界をサバイブする高プレゼンス組織へJUMP!!!⇒「顧客接点の確立」
◆プロアクティブな「攻め」のカルチャーへJUMP!!!⇒「人的資本投資」

 

中長期ビジョンの実現に向けて、Next 50 Episode Ⅲ “JUMP!!!”では、筋肉質な「高収益モデルへのシフト」と下支えとなる「カルチャーの革新」の2つのテーマを設定した。創立60周年となる30/3期において高収益・高評価(筋肉質なID Group)の実現を目指す。さらに、「高収益モデルへのシフト」と「カルチャーの革新」の2つのテーマの実現に向け、6つの重点戦略を推進する。

 

◎Next 50 Episode Ⅲ JUMP!!!”全体像
「サービスポートフォリオ」、「顧客接点の確立」、「人的資本投資」をはじめとする6つの重点戦略を推進する。

(同社資料より)

 

 

(2)AIによる事業環境の変化と同社の強み

AIの急速な進化とあらゆる領域への浸透が進む中、同社では自社を取り巻く事業環境の変化について以下のように考えている。

 

◎AX(AIトランスフォーメーション)の進行による案件の変化
AX(AIトランスフォーメーション)の進行はIT業界の案件を減少させるのではなく、AI活用を前提とした新たな需要を生み出し、案件数の拡大と既存案件の高付加価値化を促進する。

①AX案件

②コスト・工数により

見送られていた要件の案件化

③金融システムをはじめとした

ミッションクリティカルな案件

業務・システムのAI化

セキュリティの強化、

ガバナンスの整備案件の増加

効率化、案件サイクルの高速化に

より、顧客とITベンダーの双方で

受注/発注工数の確保が進む

24/365で動く社会インフラの

システムはAI化が進まず、

人にしかできない案件として残る

案件の数の増加

案件(技術)の価値向上

 

◎AXによる事業環境の変化
AXの進行により、単純作業はAIが代替する中、顧客実務に近い運用領域の価値向上が見込まれる。

(同社資料より)

 

【ポイント】
①AI導入による効率化やシステム不具合(バグ)の削減により、要件定義~リリース工程が短縮される。
②その結果、顧客の業務を理解し、運用・保守段階から改善提案や要件定義ができるITベンダーの重要性が高まる。

 

◎AI時代におけるIDグループの強み
AIによる市場環境の変化を成長の好機と捉え、人材育成を加速し、IDグループの強みを活かした価値提供を実現する。

IDグループの

強み

顧客の実務に近い

システムマネジメント、ITインフラ、サイバーセキュリティ事業

同社グループのビジネスの

約6割

エンドユーザー顧客との

直接取引(1次請け)案件

 

同社グループのビジネスの

6割超

金融顧客をはじめとする

ミッションクリティカルな

システムの案件実績

創立以来

56年以上

強みを支える

3つの力

技術力

(AI Skills)

人間力

(Liberal Arts)

組織力

(Organizational Skills)

 

【人材育成方針】

データセンター人材

・コンテナ型、モジュール型等、今後の優位性が注目されているデータセンターに精通する人材

AI技術人材

・コンテナ技術、自動化ソリューション、AIプラットフォーム(OpenShift、ServiceNow、IBM Bobなど)に精通した人材

・顧客における「AI監査」、「AIを利用した業務設計」等に対応できる人材

非AI化業務人材

・AIに代替されず、人に残る業務を担う人材

 

(4)サービスポートフォリオ戦略

<全体像>

注力領域における事業規模と、岩盤領域における収益性の両軸で“JUMP!!!”を目指す。

(同社資料より)

 

(5)数値目標

 

25/3期実績

26/3期目標

26/3期実績

28/3期目標

連結売上高

362

385

393

440

注力領域売上高

82

87

95

157

岩盤領域売上高

275

298

292

283

連結売上総利益率

23.9%

26.2%

25.7%

28.0%

注力領域売上総利益率

29.7%

28.5%

28.9%

30.6%

岩盤領域売上総利益率

22.2%

25.1%

25.2%

26.5%

岩盤領域から注力領域への人材シフト

-

-

54名

26/3期~28/3期の

3年間で225名

アプリケーション開発

からの人材シフト

-

100名

システムマネジメント

からの人材シフト

-

125名

*単位:億円

 

人材シフト

教育研修費

ビジネスパートナー戦略強化

岩盤領域から注力領域への人材シフトを推進

26/3期実績:54名(累計)

(年間目標:+4名)

アップスキルを含む教育研修の拡充

 

26/3期実績:3.8億円(累計)

(年間目標に対する進捗率:88.7%)

コアパートナー認定強化と相助型の

人材育成で高付加価値人材を確保

(コアパートナー数)

・25/3期500名、26/3期972名、

28/3期目標2,000名

 

(6)各戦略

①R&D戦略
既存ビジネスの進化や新規サービスの創出に向けた研究開発・実用化に注力することにより、競争力の向上を図る。

AI

VR

特許

お客さまの業務領域でのAI活用推進

・コンサルティングにおけるAI活用推進

・AIを前提とした開発プロセスの整備

ID-VROPの展開拡大

・次世代システム運用の浸透

・顧客環境でのPoCが完了、

本格商用化やAI機能の実装(Ver5)に向けた取組みを進行

特許技術の活用拡大に向けた研究

・特にブロックチェーン、AIに関する

特許を6件取得(ブロックチェーンを利用した診療情報の共有管理ソリューションに関する特許等)

・産学連携で技術研究推進

 

②人的資本投資戦略
社員への還元や教育研修費、求人費等を含む、人的資本投資を戦略的に強化し、3年間で60億円を投資。
顧客から選ばれ、リスペクトされる企業を目指して、IDグループの歴史から哲学(IDentity)を学ぶ。

キャリア啓発

企業文化

健康経営

社員の「なりたい」「やりたい」を

かなえる会社

・社員の長期キャリアビジョンに沿った機会付与

・キャリアビジョンを実現する創造力と

変革力強化の支援

・実力主義に基づいた人事評価制度とアップスキルにリンクする処遇

自律思考の社員集団

・「期待以上」の成果を発揮するために繰り返し考え続ける文化

・多様性や人権を尊重する「心理的

安全性」の高い組織

・仕事へのプライドを持ち、互いへの

リスペクトがあふれる組織

・イノベーションマネジメントの強化(ISO56001の取得)

社員のウェルビーイングを重視

・時間外労働の削減、有給休暇の取得率向上

・職場を問わず、活き活きと働くための健康サポート

・個々のライフイベントに応じて柔軟に働ける選択肢を拡充

 

 

③M&A戦略
「人材」、「技術/ライセンス」、「顧客」の拡充を目的としたM&Aおよび資本業務提携によるJUMP!!!
M&Aと資本業務提携のターゲットは人材、技術・ライセンス、顧客基盤が補完できる案件とする。人材面では、コンサルタントやプロジェクトマネージャーなど上流工程人材が確保できる企業をターゲットとする。技術・ライセンスでは、サイバーセキュリティ、ITインフラ領域など注力領域に関する技術を確保できる企業をターゲットとする。加えて、顧客面では、既存業界の新規顧客や新規の業界顧客など優良顧客が開拓できる企業をターゲットとする。

 

④グローバル戦略
日本品質のITサービスをもって顧客を国内外で支える真のIT戦略パートナーを目指す。
日系企業の海外拠点向けビジネス獲得を中心とし、25/3期に14.5億円の海外売上高を、28/3期に20億円まで拡大する。

Vision

日系企業の海外拠点向けビジネス獲得を中心として、事業拡大を目指す

Target

マーケティング

デリバリー

金融機関をはじめとした主要顧客の海外展開をサポート

海外の現地案件を国内グループ会社で受託

グローバルデリバリーセンターの確立

Plan

技術・リソースの共有

逆オフショア体制の構築

市場動向や先進ソリューションの情報収集による、営業およびカスタマー・マネジメント

 

(7)資本コストと株価を意識した経営

①キャッシュフロー・アロケーション
収益力の向上および財務レバレッジの活用により、原資を確保し、戦略的な配分を実行することで、企業価値の向上を図る。

キャッシュイン

調整営業CF

〔営業CF+成長投資(費用計上分)〕

160億円

◆持続的な収益力の向上

注力事業へのシフト、EBITDA150億円

借入金+10億円~

◆財務健全性維持範囲でのレバレッジの活用

 

キャッシュアウト

成長投資

130億円~

◆人的資本投資(60億円)

人材の採用、教育研修、アップスキル、平均年収の向上など

◆経営改革投資(10億円)

生産性の向上、収益力の可視化のための社内ITシステム投資

◆研究開発投資(10億円)

AI、VR、ブロックチェーンなど先端技術研究への注力

◆M&A/アライアンス投資

ITインフラ、サイバーセキュリティなど注力領域とシナジーのある会社の買収

株主還元

40億円~

■配当

安定した継続的な配当を基本、総還元性向50%~60%以上を目標

■自己株式の取得

機動的に実施

 

②ROEとROIC
過去10年間にわたりROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)が改善傾向にある。また、ROEは、株主資本コスト(7.2%~7.7%)を上回る水準にあり、ROICは、WACC(7.0%~7.4%)を上回る水準にある。今後のM&Aは、ROICの向上に資するものを目指す。今後も持続的に株主資本コストを上回るROE、WACC(資本コスト)を上回るROICの実現を目指す。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*投下資本利益率(ROIC)=(営業利益-法人税等)÷(純資産+有利子負債)×100
*株主資本コスト、WACC(資本コスト)参考値(みずほ証券(株)、みずほ信託銀行(株)算出)
・株主資本コスト(7.2~7.7%)=リスクフリーレート(2.49~2.52%程度)+β(0.61~0.88)×市場リスクプレミアム(6.0~7.62%)
・WACC=有利子負債÷(時価総額+有利子負債)×(1-実効税率)×負債コスト+時価総額÷(時価総額+有利子負債)×株主資本コスト
時価総額:317億円(2026年3月31日時点、自己株式控除後)、負債コスト:0.88%~1.0%、実効税率:30%~31.1%

 

3.2027年3月期第1四半期決算概要

(1)連結業績

 

26/3期 第1四半期

構成比

27/3期 第1四半期

構成比

前年同期比

売上高

9,672

100.0%

9,652

100.0%

-0.2%

売上総利益

2,585

26.7%

2,604

27.0%

+0.7%

販管費

1,576

16.3%

1,792

18.6%

+13.7%

営業利益

1,009

10.4%

812

8.4%

-19.5%

経常利益

1,012

10.5%

852

8.8%

-15.8%

四半期純利益

622

6.4%

505

5.2%

-18.8%

*単位:百万円。四半期純利益は、親会社株主に帰属する四半期純利益。

 

前年同期比0.2%の減収、同19.5%の営業減益
27/3期第1四半期の売上高は前年同期比0.2%減の96億52百万円、営業利益は同19.5%減の8億12百万円。
同社グループが属する情報サービス業界では、社会全体のデジタル化にともないIT投資ニーズが引き続き堅調に推移している。特に、企業の生産性向上や経営課題の解決を目指したAI技術やクラウドソリューションの需要から、社内IT環境の整備やコンサルティングのニーズも拡大している。また、企業を狙ったサイバー攻撃が増加しており、事業継続を目的としたセキュリティ対策やITガバナンスに関する投資意欲も高まっている。
こうした中、売上面では、システムマネジメントにおける一部案件の終了があったものの、注力事業領域であるITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育が堅調に推移した。
利益面では、従業員への還元(ベースアップ)や、第1四半期に実施した人材育成・確保のための戦略的投資の増加などが影響した。売上総利益率は27.0%と前年同期比0.3ポイント上昇した。販管費比率は、従業員への還元や、人材育成・確保のための戦略的投資の増加が影響し18.6%と同2.3ポイント上昇し、営業利益率は8.4%と同2.0ポイント低下した。また、経常利益は同15.8%減の8億52百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同18.8%減の5億5百万円となった。営業外損益は、営業外収益における受取配当金51百万円(前年同期42百万円)や営業外費用における持分法による投資損失18百万円(同43百万円)などが増減額の大きなものとなった。特別損益は、固定資産売却益2百万円が大きなものとなった。EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、前年同期比18.0%減の9億5百万円となった。

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

サービスごとの業績動向

 

26/3期

第1四半期

27/3期

第1四半期

前年同期比

増減額

増減率

システムマネジメント

売上高

3,876

3,801

-75

-2.0%

売上総利益

940

957

+16

+1.7%

売上総利益率

24.3%

25.2%

+0.9P

-

アプリケーション

開発

売上高

3,465

3,427

-38

-1.1%

売上総利益

1,002

1,002

-0

-0.0%

売上総利益率

28.9%

29.2%

+0.3P

-

ITインフラ

売上高

1,161

1,214

+53

+4.6%

売上総利益

299

319

+20

+6.7%

売上総利益率

25.8%

26.3%

+0.5P

-

サイバーセキュリティ

売上高

655

689

+34

+5.2%

売上総利益

197

181

-16

-8.4%

売上総利益率

30.2%

26.3%

-3.9P

-

コンサルティング・教育

売上高

333

365

+32

+9.7%

売上総利益

131

110

-20

-15.9%

売上総利益率

39.5%

30.3%

-9.2P

-

その他

売上高

179

153

-25

-14.2%

売上総利益

13

33

+20

+150.5%

売上総利益率

7.6%

22.1%

+14.5P

-

合計

売上高

9,672

9,652

-19

-0.2%

売上総利益

2,585

2,604

+19

+0.7%

売上総利益率

26.7%

27.0%

+0.3P

-

*単位:百万円

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

システムマネジメントの売上高は、前年同期比2.0%減の38億1百万円となった。大手ITベンダーにおける案件の終了などがあったものの、既存顧客における案件拡大などが寄与した。売上総利益は、同1.7%増の9億57百万円、売上総利益率は同0.9ポイント上昇の25.2%となった。

 

アプリケーション開発の売上高は、前年同期比1.1%減の34億27百万円となった。大手ITベンダーとの連携による受注拡大などがあったものの、製造関連顧客を中心に案件の縮小などが影響した。売上総利益は、同0.0%減の10億2百万円、売上総利益率は同0.3ポイント上昇の29.2%となった。

 

ITインフラの売上高は、前年同期比4.6%増の12億14百万円となった。製造、エネルギー、運輸関連顧客における新規案件の獲得などが寄与した。売上総利益は、同6.7%増の3億19百万円、売上総利益率は同0.5ポイント上昇の26.3%となった。

 

サイバーセキュリティの売上高は、前年同期比5.2%増の6億89百万円となった。大手ITベンダーとの連携による新規案件の獲得や取引の拡大などがあったものの、高収益案件の終了などが影響した。売上総利益は、同8.4%減の1億81百万円、売上総利益率は同3.9ポイント低下の26.3%となった。

 

コンサルティング・教育の売上高は、前年同期比9.7%増の3億65百万円となった。複数顧客におけるコンサルティングの受注拡大があったものの、高収益案件の終了などが影響した。売上総利益は、同15.9%減の1億10百万円、売上総利益率は同9.2ポイント低下の30.3%となった。

 

その他の売上高は、前年同期比14.2%減の1億53百万円となった。複数顧客における案件の終了などが影響した。売上総利益は、同150.5%増の33百万円、売上総利益率は同14.5ポイント上昇の22.1%となった。

 

営業利益の増減要因

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。費用項目の▲は費用の増加を示す。

 

(2)サービス別受注残高の状況

 

2025年6月末

2026年6月末

増減額

増減率

システムマネジメント

4,596

4,656

60

+1.3%

アプリケーション開発

1,902

1,711

-191

-10.0%

ITインフラ

1,165

1,210

45

+3.9%

サイバーセキュリティ

2,365

1,821

-544

-23.0%

コンサルティング・教育

182

541

359

+197.3%

その他

131

67

-64

-48.9%

合計

10,344

10,008

-336

-3.2%

※単位:百万円

 

2026年6月末の受注残高は、前年6月末比で3.2%の減少となった。システムマネジメントやITインフラで受注残高が増加したものの、アプリケーション開発やサイバーセキュリティで受注残高が減少した。受注残高は、前年6月末比で減少となったものの高水準を維持している。

 

(3)経営施策の取組み状況

同社グループは、26/3期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ “JUMP!!!”」を策定し、戦略テーマとして「高収益モデルへのシフト」と「カルチャーの革新」の2つを軸に、サービスポートフォリオ戦略、顧客接点の確立、人的資本投資戦略をはじめとした6つの重点戦略を推進している。

 

サービスポートフォリオ戦略について、岩盤事業領域(注1)の収益性改善と、注力事業領域(注2)の事業規模拡大という二軸での飛躍的成長を掲げている。1年目である昨年度においては、岩盤事業領域におけるアプリケーション開発を中心とした収益性改善、および注力事業領域におけるサイバーセキュリティ事業の躍進による売上拡大を達成した。計画の進捗が順調に推移していることから、今後の市場動向も踏まえて、2027年3月期の計画目標を一部上方修正した。
また、人的資本投資戦略について、3年間で60億円の投資を目標に掲げている。なかでも、社員の「なりたい」「やりたい」をかなえる会社を目指すべく、昨年度から進めている人材のアップスキル施策の次ステップとして、今年度は社員のキャリアパスを支援する「社内公募制度」を開始している。更に、今年度は新入社員118名に対し、鳥取県米子市において9日間にわたる合宿形式での研修を実施した。フィールドワークにて自治体の課題を解決する経験をするとともに、地域共創による社会貢献を実現した。ほかにも顧客接点の確立やグローバル戦略など、当初策定した項目についても引き続き推進していく。
(注1)岩盤事業領域:システムマネジメント、アプリケーション開発
(注2)注力事業領域:ITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育

 

(4)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における同社グループ全体の研究開発活動の金額は25百万円。同社グループでは、最先端技術を活用した新たなビジネス展開を目的とし、積極的に研究開発に取り組んでいる。
おもな取組みとして、AI技術の研究を推進している。その一環として、AIの活用を前提とした開発標準の検討を完了し、実案件での活用に向けた準備を進めている。また、今年度より、事業部門および管理部門のメンバーで構成されるAI推進委員会を設置し、業務フローの整理やAIエージェントの活用促進をつうじて、業務効率化および品質向上に取り組んでいる。そのほか、AIモデルの設計・開発・評価に技術協力した鳥取大学医学部附属病院との共同研究開発の成果が、2026年5月開催の第99回日本整形外科学会学術総会において発表された。加えて、これらの取組みを背景に、2026年7月にはAIマネジメントシステムの国際規格であるISO42001認証を取得した。
さらに、同社の主力事業であるシステムマネジメントと先端技術を組み合わせた、次世代システム運用の構築を目指している。なかでも、同社グループが開発した「バーチャルオペレーションセンター(ID-VROP)」について、顧客環境でのPoCを完了し、サービス化に向けた取組みを進めている。また、AIおよび取得済みのブロックチェーン関連特許技術を活用し、さらなる機能強化を図っている。このほかにも同社は、「次世代システム運用」の実現に向けて40社以上の企業が参画するコンソーシアムに参加している。今後も、同社グループの技術力を強化し、さらなるイノベーションの創出を促進する。

 

(5)財政状態

財政状態

 

2026年3月末

2026年6月末

 

2026年3月末

2026年6月末

現預金

6,520

5,692

仕入債務

2,411

2,366

売上債権

9,098

7,981

短期有利子負債

1,000

600

未収入金

28

60

賞与・役員賞与引当金

2,080

714

流動資産

16,410

14,672

長期有利子負債

-

-

有形固定資産

1,440

1,429

負債

8,739

6,916

無形固定資産

338

288

純資産

15,253

15,020

投資その他

5,803

5,546

負債・純資産合計

23,992

21,937

固定資産

7,582

7,265

有利子負債合計

1,000

600

*単位:百万円
売上債権=売掛金+契約資産、仕入債務=買掛金+契約負債。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

2026年6月末の総資産は前期末比20億55百万円減少の219億37百万円。資産面では、契約資産、流動資産のその他などが主な増加要因となり、現預金、売掛金、繰延税金資産などが主な減少要因となった。負債・純資産面では、流動負債のその他、繰延税金負債などが主な増加要因となり、短期借入金、未払法人税等、賞与引当金などが主な減少要因となった。有利子負債は、前期末比4億円の減少となった。自己資本比率は68.2%と前期末比4.9ポイント上昇した。

 

(6)トピックス

①株式分割を実施
同社は、2026年1月30日開催の取締役会の決議に基づき、2026年4月1日付で株式分割を実施した。

 

◎株式分割の目的
同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、投資家がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としている。

 

◎株式分割の概要
①分割の方法
2026年3月31日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載または記録された株主が所有する当社普通株式1株につき2株の割合をもって分割した。
②分割により増加する株式数
株式分割前の発行済株式総数:17,229,712株
株式分割により増加する株式数:17,229,712株
株式分割後の発行済株式総数:34,459,424株
株式分割後の発行可能株式総数:108,000,000株
③分割の日程
基準日公告日:2026年3月6日
基準日:2026年3月31日
効力発生日:2026年4月1日

 

②自己株式の取得
2026年4月、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率の向上および株主還元の充実を図るため自己株式の取得を発表した。中期経営計画期間(26/3期~28/3期)においては、総還元性向の目標を50~60%としており、今回の自社株買いはこれに沿うものである。
※総還元性向=(配当総額+自己株式取得額)÷親会社株主に帰属する当期純利益×100

 

取得株式総数(上限):15万株(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は0.44%)
取得価額(上限):1億円
取得期間:2026年5月1日~2026年10月30日

 

③ISO/IEC 42001およびISO56001の両認証を取得
2026年8月、同社および子会社株式会社インフォメーション・ディベロプメントは、2026年7月に認証を取得したAIマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 42001」について、審査機関である英国規格協会(BSI)により登録証を授与された。
この認証取得は、同社グループが構築・運用するAIマネジメントシステムが、認証機関による国際規格に基づく審査を経て、その適合性を認められたことを示すもの。2026年3月の「ISO56001」に基づくBSI Kitemark™認証の取得に続き、「ISO/IEC 42001」の認証を取得したことにより、同社グループはISO/IEC 42001およびISO 56001の両認証を取得した日本初の企業となった。

 

④事業会社制への移行を予定
同社は、戦略と事業執行の一体化を目的に、2027年4月に完全子会社であるインフォメーション・ディベロプメントを吸収合併し、純粋持株会社制から事業会社制への移行を予定している。

(同社資料より)

 

4.2027年3月期業績予想

(1)連結業績

 

26/3期 実績

構成比

27/3期 会社計画

構成比

前期比

売上高

39,371

100.0%

42,000

100.0%

+6.7%

営業利益

4,128

10.5%

4,500

10.7%

+9.0%

経常利益

4,212

10.7%

4,550

10.8%

+8.0%

当期純利益

2,907

7.4%

3,000

7.1%

+3.2%

*単位:百万円
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益

 

売上高420億円、営業利益45億円の計画
第1四半期が終わり、27/3期の会社計画は、売上高が前期比6.7%増の420億円、営業利益が同9.0%増の45億円の予想から変更なし。
同社グループが属する情報サービス業界は、社会全体のデジタル化が進むなかで、IT投資ニーズが引き続き堅調に推移している。特に、企業の生産性向上や経営課題の解決において、AI技術やクラウドソリューションの活用が定着しつつあり、これに伴い、社内IT環境の整備やAI導入に関するコンサルティングのニーズもますます増加している。また、企業のサプライチェーンを狙ったサイバー攻撃が増加しており、事業継続を目的としたセキュリティ対策やITガバナンスに関する投資意欲も高まっている。こうした状況下、同社グループは、引き続き中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ “JUMP!!!”」のもと、戦略テーマである「高収益モデルへのシフト」と「カルチャーの革新」の2つを軸に、サービスポートフォリオ戦略、顧客接点の確立、人的資本投資戦略をはじめとした6つの重点戦略を推進する。同社の事業を担う「人材」の価値をこれまで以上に高めるとともに、社会に急速に浸透してきているAI技術を取り入れ、収益力・成長性の高いビジネスモデルへの変革を図る。激動のIT業界をサバイブすべく、「筋肉質なIDグループ」の実現に向けて邁進する。
EBITDAは、前期比7.3%増の48億50百万円を予定している。売上高営業利益率は、前期比0.2ポイント上昇の10.7%の計画。
同社は、2026年4月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施した。2027年3月期の1株当たり年間配当予想も、中間配当25円、期末配当25円の年間配当50円の予定を据え置き。これは株式分割前の水準に換算すると、実質的に中間配当は15円、期末配当は5円の合計20円の増配となる。予想配当性向は56.6%となる。

 

5.今後の注目点

同社の27/3期第1四半期決算は、前年同期比0.2%の減収、同19.5%の営業減益となった。売上面では、システムマネジメントにおける一部案件の終了があったものの、注力事業領域であるITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育が堅調に推移した。一方、利益面では、従業員への還元(ベースアップ)や、第1四半期に実施した人材育成・確保のための戦略的投資の増加などが影響した。久々の減益という少し残念な結果となったものの、将来の成長に向けた戦略的投資の拡大は避けては通ることができず、致し方ない減益と言えよう。第1四半期に育成・確保した人材がいつの時期から戦力となり同社の業績拡大に貢献するのか注目される。また、2026年6月末の受注契約残高は、前年6月末に比べ僅かではあるが減少となった。受注契約残高は、同社の業績拡大の先行指標であり、重要なKPIである。第2四半期末において受注契約残高をどれくらい積み上げることができるのか注目される。
更に、同社では、AX(AIトランスフォーメーション)の進行がIT業界の案件を減少させるのではなく、AI活用を前提とした新たな需要を生み出し、案件数の拡大と既存案件の高付加価値化を促進すると捉えている。AXの進行により、単純作業はAIが代替する中、顧客実務に近い運用領域の価値向上が見込まれる。更に、同社では、AI導入による効率化やシステム不具合(バグ)の削減により、要件定義~リリース工程が短縮され、その結果、顧客の業務を理解し、運用・保守段階から改善提案や要件定義ができるITベンダーの重要性が高まると考えている。こうした環境下、同社はAIによる市場環境の変化を成長の好機と捉え、IDグループの強みを活かした価値提供を実現するために人材育成を加速する。データセンター人材では、コンテナ型、モジュール型等、今後の優位性が注目されているデータセンターに精通する人材の育成を強化する。また、AI技術人材では、コンテナ技術、自動化ソリューション、AIプラットフォーム(OpenShift、ServiceNow、IBM Bobなど)に精通した人材や顧客における「AI監査」、「AIを利用した業務設計」等に対応できる人材の育成を強化する。更に、非AI化業務人材では、AIに代替されず、人に残る業務を担う人材の育成に注力する。これら積極的な人材育成の取組みが同社にどのような変化をもたらすのか期待を込めて注目したい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

9名、うち社外4名

監査役

4名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2026年6月22日

 

<基本的な考え方>
当社では、「継続的に企業価値を高める」ことを経営における最重要項目と位置づけ、(1)経営と執行の分離による透明性と健全性の確保、(2)スピーディーな意思決定と事業遂行の実現、(3)アカウンタビリティー(説明責任)の明確化および(4)迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針として、コーポレートガバナンスの強化および監視機能の充実に取り組んでいます。
なお、当社のコーポレートガバナンスに関する考え方を「コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)として取りまとめ、当社ウェブサイトにおいて公開しています。(https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/policy.html

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コ―ドの各原則を実施しています。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】

多様性を重視する企業文化のもと、さまざまな考え方を積極的に融合し結集することによって、グループ全体の力を最大限に発揮し、Waku-Wakuする未来創りを実現します。そのため、国籍、経験、専門性、価値観、ライフスタイル、障がい、LGBTQ+など、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用と登用を積極的に進め、そうした個性が活きるよう、ワークライフバランスの推進や異文化コミュニケーション研修の実施、社内文書の多言語対応の充実など、人材育成と社内環境整備を進めています。

測定可能な数値目標に関しては、管理職に占める女性比率に関する目標値を定め、女性がキャリアを継続しやすい環境や制度の整備を行っています。2026年3月末時点における管理職に占める女性比率は16.3%です。中期的には20%達成を目指して取り組みます。

管理職に占める外国籍ならびにキャリア採用者の比率については、昇進や管理職への登用にあたり、国籍や入社年度による、その他の社員との差異は生じておりませんので、特段の目標は設定しておりません。

その他、人材の多様性確保や育成方針、社内環境に関する整備方針、管理職に占める外国籍比率ならびにキャリア採用比率の状況について は、当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ(数字で見るIDグループ)>https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/numbers.html

<サステナビリティ(人的資本経営に向けて)>https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/human.html

【原則3-1(i)会社の目指すところ(経営理念等)】 

当社グループは、経営理念IDentityのもと、お客さまのニーズにあった付加価値の高い情報サービスを提供し、情報化社会に貢献することを経営の基本方針とし、ミッションである「私たちはWaku-Wakuする未来創りに参加します」の実現に努めています。

経営理念や中期経営計画については当社ウェブサイトに掲載しています。また、機関投資家および個人投資家向けの説明会を定期的に開催し、積極的に情報を開示します。

<経営理念>

https://www.idnet-hd.co.jp/corporate/vision.html

<中期経営計画>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/strategy.html

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み等】  

(1)自社のサステナビリティについての取組み 

IDグループは、持続可能な社会の実現とWaku-Wakuする未来創りに向けて、サステナビリティ基本方針を定め、重要課題(マテリアリティ)を特定し、情報サービスの提供を通じた社会課題の解決に積極的に取り組みます。

サステナビリティの取組みについては、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つのフレーム毎に情報開示を行っています。

また、環境への取組みとして、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに沿って「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」毎に、情報開示を行っています。

サステナビリティについての方針と取組み、および環境への取組みについては当社ウェブサイトに掲載しています。

<サステナビリティ>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability

<環境への取組み>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/environment.html

 

(2)人的資本や知的財産への投資等 

人的資本への投資については、中期経営計画の6つの重点戦略のひとつに「人的資本投資戦略」を定め、社員のエンゲージメント向上を実現すべく、個々人の長期的なキャリアビジョンに沿った機会提供や、ビジョン実現に向けた創造力と変革力強化の支援、自律思考を促進する企業文化の育成などに取り組みます。

また、知的財産への投資については、同じく中期経営計画においてR&D戦略を定め、当社サービスのプロセス効率化を実現するAI活用研究や、メタバースを活用した次世代システム運用の実現、ブロックチェーンをはじめとした特許技術の活用拡大に向けた研究開発に取り組んでいます。

人的資本等については当社ウェブサイトに掲載しています。       

<人的資本経営に向けて>

https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/human.html

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は以下の方針を定め、実践しています。

①株主・投資家等からの対話(面談)の申込みに対しては、株主・投資家等の希望と面談のおもな関心事を踏まえたうえで、合理的な範囲で社外取締役を含む取締役または監査役、経営陣幹部、IR担当者が臨むことを基本とする。

②IR担当部門は関係各部署と協力し、建設的な対話の実現に努力する。

③個別面談のほか、決算説明会等を開催し、IR活動の充実を図る。

④対話において把握した株主・投資家等からの意見・要望について、取締役会および関連する経営陣幹部へ適時適切にフィードバックするよう努める。

⑤未公表の重要な内部情報(インサイダー情報)が外部に漏洩することを防止するため、当社の情報セキュリティスタンダードに基づき、情報管理を徹底する。

⑥対話における実効性の確保の観点から、株主名簿に基づき、定期的に株主構造の把握を行い、取締役会に報告する。

また、株主との対話の実施状況の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しています。

<IR基本方針>

https://www.idnet-hd.co.jp/ir/disclaimer.html

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

中期経営計画の確実な実行により、5期連続で増収増益を達成し、過去最高の業績を更新しました。株主資本利益率(ROE)が

直近4期において増加傾向にあり、当社が計算した資本コストを上回る資本収益性を達成し、株価純資産倍率(PBR)も堅調に推移しており、1倍割れの懸念はありません。

2025年4月に発表した中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ ”JUMP!!!”」で、「高収益モデルへのシフト」と「カルチャーの

革新」を戦略テーマに掲げ、6つの重点戦略を推進しています。そのひとつの「資本コストと株価を意識した経営」においては、

戦略的な人的資本投資を推進します。

上記計画の実行と株主還元施策を通じて、企業価値の向上に努めます。

詳細については、下記をご参照ください。

<中期経営計画>

日本語:https://www.idnet-hd.co.jp/ir/strategy.html

英語: https://www.idnet-hd.co.jp/english/ir/strategy.html

 

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