ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

東証1部

ブリッジレポート:(7590)タカショー vol.32

(7590:JASDAQ) タカショー 企業HP
高岡 伸夫 社長
高岡 伸夫 社長

【ブリッジレポート vol.32】2016年1月期上期業績レポート
取材概要「1Q(2~4月)は前年同期に消費税率引き上げ前の駆け込み需要があった反動もあり、2.4%減収、41.3%経常減益であった。2Q(5~7月)は天候不順・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年10月6日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社タカショー
社長
高岡 伸夫
所在地
和歌山県海南市南赤坂20-1
決算期
1月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年1月 18,484 603 679 323
2014年1月 18,069 1,006 973 508
2013年1月 16,751 881 956 422
2012年1月 14,969 708 690 315
2011年1月 13,019 687 657 339
2010年1月 12,756 580 584 296
2009年1月 13,118 440 393 246
2008年1月 13,437 597 474 289
2007年1月 12,420 424 414 183
2006年1月 11,112 528 541 305
2005年1月 10,895 528 498 270
2004年1月 10,153 466 346 213
2003年1月 10,057 360 257 162
2002年1月 9,457 -17 -83 -89
2001年1月 9,045 523 467 177
株式情報(9/18現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
501円 12,278,452株 6,152百万円 4.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
17.00円 3.4% 50.82円 9.9倍 621.62円 0.8倍
※株価は9/18値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
タカショーの2016年1月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材等の庭園資材を製造・販売。LED(発光ダイオード)ライト等の照明機器、池・滝・噴水等のウォーターガーデンや坪庭等も手掛けている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニアへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。グループは、15年7月末現在で連結子会社18社、関連会社3社。
 
 
【販売ルート】
営業部門は、販売ルート別に設計・施工が必要なハウスメーカーや工務店向け「プロユース」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース」、「e-コマース・通信販売」、「輸出」に分かれる。個別ベースの売上構成比は、それぞれ54.4%、36.6%、2.0%、7.0%(15/1期実績)。
「プロユース」では、プロユーザー向けのカタログ「PROEX(プロエクス)」を業界最大の約25万冊印刷し、造園業者、設計士、エクステリア施工店、商業施設等にダイレクトメールで配布している。カタログには商品を使った庭園イメージの写真が掲載されており、この写真を見ながら実際に施工する場所と庭園の簡単な図面を書いてファックスもしくはWebで発注すると、CAD(コンピュータによる設計支援システム)、CG(コンピュータ映像)を駆使した完成予想図と共に見積書を当日中に返送し、正式な注文があれば商品を短納期する仕組み作りが確立している。
 
 
 
事業戦略
 
基本コンセプトは「やすらぎのある空間づくり」。庭での暮らし方を提案するライフスタイルメーカーとして業容を拡大させていく考え。常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化に貢献するグローバルなオンリーワン企業を目指している。ビジョンとして「幸せな家族のくらしをつくり笑顔で健康的な空間をつくる」と掲げている。
 
 
長期的な数値目標として、25/1期に売上高500億円、営業利益50億円を掲げており、この目標達成に向け、企画からサービスまで一貫して手掛ける垂直ビジネス、中国での製造とワールドワイドでの販売を展開するグローバルビジネス、ハウスメーカーとの取組みや非住宅市場向け建材・外装等のトータル化ビジネス、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、ローボルトライト等の近代化ビジネスの4つの取り組みを進めている。事業はプロユース、ホームユース、国際事業に分類される。
 
 
【グローバルビジネス】
文化性のあるものを海外から日本に取り入れる一方、中国の九江工場で製造した、木製品、ソーラーライト、ワイヤー製品等を、世界に輸出している。このうち、ガーデニング市場が4兆円規模と言われている英国(日本は6,000億円程度)向けは日本から輸出しており、米国においては、本年2月3日に当社100%子会社である英国の販売会社(ベジトラグ社)が100%出資し「ベジトラグUSA」を設立し、米国への販売の強化に進めている。
この他、ドイツ、オーストラリア、韓国に展開している。ワールドワイドに展開するためには、英国のような大きなマーケットに販社を置く必要があると言う。
 
 
【トータル化ビジネス】
エクステリア(新築外構)、ガーデン(庭での暮らしの提案)、コントラクト(非住宅市場向け建材、外装)に力を入れている。「ガーデンとは、囲われた楽園。囲うものが無ければガーデンは成り立たない」という独自の発想の下、この囲うものをエクステリアと捉え、タカショーらしい独自性を重視した製品開発を進めている。
 
 
ハウスメーカーとの取組みでは、「エバーアートウッド」等が高い評価を受けており、大手メーカーのエクステリア&ガーデンカタログに掲載される商品が増えている。「5th ROOM」(庭は、リビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームに続く5番目の部屋であり、家と庭の持つ良い部分を重ね合わせた空間である)や「スマートリビングガーデン」(後述)と言ったコンセプトも共感を呼んでいる。
 
 
コントラクト(非住宅市場向け建材、外装)分野では、景観建材事業を展開している。「エバーアートウッド」や「エバーバンブー」等の提案を強化していく考え(「エバーアートウッド」は国土交通省から不燃材料として認定されており、外装だけではなく、内装にも対応可能)。豊富な商品の組み合わせにより、各施設にふさわしい庭空間、建物外観や内装をトータルに提案、全国で数多くの納品事例を誇る。
 
 
この他、庭のプロフェショッナル集団を目指す「リフォームガーデンクラブ」を通じて問屋や施工店とのコミュニケーションを図る。更に10年2月に「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」や「ウォーターガーデンマイスター制度」と言った制度を、14年5月には「エクステリア&ガーデンマイスター制度」を設立した。業界の活性化に向けた取り組みも盛況だ。7月に行われたタカショーガーデン&エクステリアフェア2015では前年比10%増の3,573名の来場者となった。また、リフォームガーデンクラブ全国交流会では全国の施工店約700名が参加した。
 
【近代化ビジネス】
「スマートリビングガーデン」の一環として、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、ローボルトライト等、自然エネルギーの利用や省エネタイプの商品開発や販売を通してガーデンから出来る省エネ・節電をテーマに庭からのエコを提案している。「スマートリビングガーデン」とは、スマートハウスの発想と庭から始まるエネルギーマネジメントシステムGEMSを融合させ、家と庭で「省エネ」、「創エネ」、「畜エネ」の実現する庭であり、こうした庭づくりを目指す同社の提案活動の事。尚、昨年10月には屋外照明の100%LED化を実現した。「タカショーローボルトライトシステム」は一般社団法人HEAD研究会主催の「第4回ベストセレクション賞」を受賞し評価を受け、市場への知名度も上がっている。
 
 
【ライフサポートビジネス】
12年4月に日本初の本格的なガーデンセンター「GARDENER'S JAPAN(ガーデナーズジャパン)」を本社隣接地にオープンした。「GARDENER'S JAPAN」は施設の半分が緑に包まれ、オープンガーデンのような長時間滞在したくなる楽しい空間造りに特徴がある。通販サイト「青山ガーデン(http://www.aoyama-g.co.jp/)」や同社発行のガーデニング専門誌「BISES」との連動を強化していく考え。
 
Gardeners Japan:和歌山県海南市南赤坂3-3
TEL:073-482-3333 FAX:073-482-3332
 
 
 
2016年1月期上期決算
 
 
前年期比2.5%の減収、同11.7%の経常増益
売上高は前期比2.3%増の184億84百万円。過去最高となった。
売上高は前年同期比2.5%減の96億75百万円。
プロユース部門の売上高は前年同期比2%減の44億65百万円となった。アルミ製人工木「エバーアートウッド」を用いた「アートフェンス」シリーズの販売が好調に推移した。また、これらを構成する部材である「エバーアートウッド」がガーデンエクステリアとして使用されることから順調な販売となった。さらに、木、石、塗り壁、和風など様々な天然素材を再現したアルミ複合板「エバーアートボード」の販売も順調に推移した。また、夜の庭を演出する「光」について、同社認定制度「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」の認定者の拡大を図り、ローボルト(12ボルト)LEDライト等の照明機器の販売が好調に推移した。一方で人工強化竹垣等の和風関連商品の販売が減少したことにより減収となった。尚、同部門では1Q(2~4月)は低迷したものの、2Q(3~5月)は増収に転じている。
ホームユース部門の売上高は前年同期比10%減の28億56百万円。前年に比べ商品投入率は増加しているもののホームセンター業界全体の売上が伸び悩む中、天候不順の影響により日除け商品等の販売が低下したため減収となった。
海外展開では中国製造子会社において品質基準の強化や在庫管理機能とデリバリー体制のさらなる整備が進み、新規得意先の取引開始および新商品の投入等により販売子会社の売上が増加した。為替変動も追い風となった。海外販売は11億98百万円で前年同期比26百万円の増加。海外売上比率は前年同期11%から12%に伸びた。
利益面においては、売上総利益率が0.4ポイント上昇した。海外は為替変動の影響で低下したが、タカショー単体では販売価格引き上げ等により改善した。販管費も抑えた結果、営業利益は前年同期比3.8%増の5億25百万円。営業外では前年同期は為替差損から為替差益に転じ、経常利益は同11.7%増の5億46百万円、四半期純利益は同12.7%増の3億26百万円となった。
売上高、利益とも期初の予想を下回った。新設住宅着工戸数の鈍化やおよびエクステリア市場の売上低迷の影響を受けたほか、ホームセンター市場の低迷や天候不順と気温低下による量販店向け販売の大幅減少が主因。
子会社では、タカショーデジテックはコントラクト事業が好調もライティング事業がプロユース販売不振の影響で低迷、開発人員の強化もあり、減収減益となった。徳島ガーデンクリエイト(GC)では先行投資による償却費の増加などにより固定製造原価率が上昇しタカショーヨーロッパは自社ブランド商品の販売を展開し増収とったものの、為替変動の影響で売上原価が増加した。ベジトラグUKは得意先の移行や販売時期の遅れにより苦戦した。
 
 
 
上期末の総資産は前期末比15億29万円増加し、182億66百万円となった。
流動資産は前期末比14億29百万円増加し、125億92百万円。ガーデニングシーズン立ち上がりの売上増加に伴い受取手形及び売掛金(売上債権)が同9億12百万円増の40億74百万円となり、販売に向けた在庫保管によりたな卸資産)が同54百万円増の43億93百万円となった。
固定資産は前期末比99百万円増の56億73百万円。建設中の建物及び構築物により建設仮勘定が同1億42百万円増の1億55百万円となった。
流動負債は前期末比16億63百万円増加し、91億9百万円。販売に向けての商品調達が先行して行われることから支払手形及び買掛金(仕入債務)が同11億46百万円増の39億61百万円となり、上期に商品調達が集中することにより短期借入金が同2億55百万円増の26億54百万円となった。
固定負債は前期末比2億18百万円減少し、13億54百万円。運転資金を長期借入金から短期借入金に移行させたことにより長期借入金が同2億50百万円減の11億16百万円となった。
純資産は前期末比84百万円増加し、78億2百万円。利益剰余金が増加した。
有利子負債については海外を含むコミットメントラインの見直し、債権流動化スキーム運用などにより資金の流動性を高め、効率化を図っている。
上期末の自己資本比率は前期末比3.4ポイント減少し42.2%となった。
 
 
上期末の現金及び現金同等物の残高は前年同期比2百万円減少し、27億93百万円となった。
営業CFは、前年同期比4億35百万円増加し7億79百万円の収入となった。主な要因は、売上債権増加額の減少やたな卸資産増加額の減少によるもの。投資CFは、2億50百万円の支出(前年同期は1億36百万円の支出)となった。有形固定資産の取得による支出が増加した。これらによりフリーCFは、収入が前年同期比155.6%増加し5億29百万円となった。財務CFは、1億44百万円の支出(前年同期は8億19百万円の収入)となった。短期借り入れの返済による支出が増加した。
 
 
2016年1月期業績予想
 
 
5.0%の増収、同66.0%の経常増益予想
通期予想に修正はなく、売上高が前期比5.0%増の194億4百万円、経常利益は同66.0%増の11億29百万円を計画する。エクステリア市場は4月以降回復基調にある。非住宅分野では大型物件が控えている。ホームセンター向け販売活動も強化する。利益面では値上げ効果による粗利率の改善、機械化による生産効率の向上に伴う原価低減、販管費の削減により利益率の向上を目指す。
配当は、1株当たり17円の期末配当を予定している。
 
 
今後の注目点
1Q(2~4月)は前年同期に消費税率引き上げ前の駆け込み需要があった反動もあり、2.4%減収、41.3%経常減益であった。2Q(5~7月)は天候不順という逆風にさらされたものの、特に利益面においては2Qに回復が顕著に現れた。会社予想は未達となったが、特にプロユース市場は足元回復基調にあり、巻き返しに期待したい。高成長が続いていた海外事業だが、今上期は足踏みの印象がある。しかし、先行投資は積極的に行っており、今後の成果が待たれるところ。
PERは10倍、PBRは1倍を割り込んでいる。配当利回りも高水準。上期の業績予想未達も重石になっていると思われるが、今後の回復や中期計画の利益水準を考慮すると、株価には見直し余地がありそうだ。