ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

スタンダード

ブリッジレポート:(7590)タカショー 2023年1月期第3四半期決算

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高岡 伸夫 社長

株式会社 タカショー(7590)

 

 

会社情報

市場

プライム

業種

卸売業(商業)

社長

高岡 伸夫

所在地

和歌山県海南市南赤坂20-1

決算

1月20日

HP

https://takasho.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

697円

17,537,536株

12,223百万円

8.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

23.00円

3.3%

41.63円

16.7倍

739.30円

0.9倍

*株価は12/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE、BPSは22/1期実績、DPS、EPSは23/1期予想。数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

配当

2018年1月(実)

17,489

607

571

228

18.59

10.00

2019年1月(実)

17,759

514

333

338

25.04

10.00

2020年1月(実)

17,357

531

469

203

13.93

10.00

2021年1月(実)

18,486

1,156

1,152

952

65.36

20.00

2022年1月(実)

20,781

1,474

1,530

1,001

65.00

23.00

2023年1月(予)

20,880

810

1,320

730

41.63

23.00

*予想は会社予想。単位:百万円。

 

 

タカショーの2023年1月期第3四半期決算などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.事業展開
3.2023年1月期第3四半期決算
4.2023年1月期業績予想
5.中長期計画
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23/1期3Q累計は前年同期比0.5%減収、22.9%経常減益。ブランド価値向上を目的に、テレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX型販売促進並びに自社展示会の開催AR・VR・MRなどを利用した最先端の技術を活かして、販売促進活動を図ってきた。海外事業は、取引先の店舗における在庫調整や、米国では、外出自主規制の緩和によるホームセンター・ガーデンセンターにおける集客の低迷があった。欧州では、エネルギー価格および生活必需品等の物価高騰による買い控えが大きく影響した。利益面では、売上総利益率が低下、先行投資型の費用が増加し、販管費が前年を上回り55.7%営業減益にとどまった。営業外では円安の進行で為替差益が増加、経常減益率は抑制された。

     

  • 23/1期通期予想は前期比0.5%増収、13.8%経常減益。海外の低迷を主因に期初予想からは減額修正となった。今後の展開においては、プロユース事業では、ランドスケープへの営業・提案力の強化を図り、販路を拡大させる考え。ホームユース事業では、e-コマース分野の更なる販売強化と自社工場生産による新商品の開発促進およびグローバル商品の共通販売を推進していく。海外事業においても、米国での大手ホームセンターとの新規取引の推進や欧州では今まで営業展開できていなかった地域への販売強化を図る。また、e-コマースでの販売拡大を図るため、販売アイテムの新規投入と新商品開発を推進し販売強化を図る。配当は修正なく、前期と同じ23.0円/株の期末配当を見込む。

     

  • 海外事業が苦戦し、通期業績予想の下方修正となった。ただし、足元のエネルギー価格は下落、物価上昇率の拡大も落ち着き、物流の停滞も収まりつつあり、最悪期は脱したと思われる。今後、国内では売上の6割を占めるプロユース部門が安定成長を持続させており、引き続き業績の屋台骨となるだろう。海外は、米国では大手ホームセンターとの新規取引を推進するとともに、プロユース事業も展開する。欧州では営業展開する地域の拡大が期待できる。やはり成長の主軸は海外にありそうだ。ただし、ロシア・ウクライナ情勢の継続などを考慮しても、短期的な急回復は見込みにくい状況。来期は静かなスタートとなりそうだ。まずは、中国や景気が比較的好調なインドの回復が期待できる。

     

     

1.会社概要

「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、ガーデンエクステリア商品を手掛けている。戦後、素材から業種型、そして業態産業へと移行、同社はより良い庭くらしのライフスタイルメーカーとして成長してきた。心身の健康と家族の笑顔ある暮らしの提供を目指す。また、常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化に貢献するグローバルなオンリーワン企業を目指している。ミッションとして「より良い庭での暮らしをグローバルに提供する企業」と掲げている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニア、アメリカへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。1998年に9月にジャスダックに上場、2012年、2013年の増資を経て2017年10月19日より東証二部へ、2018年7月9日には東証一部へ市場変更した。2022年4月4日からの東証新市場区分により、現在は東証プライム。

会社概要

設立日

1980年8月

上場日

1998年9月(ジャスダック)

2017年10月より東証二部

2018年7月より東証一部

2022年4月より東証プライム

資本金

30億4,362万円

従業員数

822名(連結)

グループ

国内6社、海外13社

 

企業理念

私たちタカショーグループは常に変化を先取りして新たな価値を創造し、

広く都市環境庭文化づくりに貢献するグローバルな

オンリーワングループを目指します。

 

1.ガーデンを中心とした豊かで安らぎのある庭生活文化を創造します。
2.さまざまな提案を通じ、お客様の期待以上の満足を追求します。
3.たゆまぬ研究開発により質の高い商品とサービスを追求します。
4.すべての命を尊重し自然との共生をテーマに地球環境を守ります。
5.人が成長することにより会社が成長する人材型企業としての職場を実現します。
6.企業の社会的責任を自覚し、法令及び公正な商習慣に則り、透明な企業活動を推進します。

 

- 自然にこだわる - 

5つのこだわりで、庭空間をトータルプロデュース。

 

 

 

風。それは木々や草花を揺らし、季節を運び、自然と人を包みます。

 

 

 

光。それは世界を彩り、夢を織りなし、人と自然を照らします。

 

 

 

水。それは生命を吹き込み、季節を充たし、人と自然を潤します。

 

 

 

緑。それは大地に根ざし、大地を被い、人と自然を癒します。

 

 

 

心。五つのこだわりに真心込めて、心がなごむ庭づくり。

 

事業セグメント

同社が主軸とする国内PRO市場とDIY市場の市場規模はそれぞれ7,000億円。国内コントラクト分野や、現在急速に伸ばしている海外市場は14兆円と非常に大規模であり、ポテンシャルは大きい。

 

 

 

(同社資料より)

 

グロース経営へ本格的に取り組む

(同社資料より)

2.事業展開

プロユースの特徴

ガーデンライフスタイルメーカーとして、庭空間をトータルで演出するアイテムを提案

(同社資料より)

 

『ファサードエクステリア』快適さや建物と調和した、デザイン性を持った住まいの顔

(同社資料より)

 

さまざまな非住宅・施設の空間に機能性とデザイン性を演出

(同社資料より)

 

ビジネス展開

2030年売上500億円に向けた、ライフスタイル&ハイブリッド経営の拡大

(同社資料より)

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の展開

(同社資料より)

 

 

ホームユースの特徴

(同社資料より)

 

ホームユースの取り組み

趣味趣向に合わせたライフスタイルを提案

(同社資料より)

 

ヨーロッパへの今後の展開

未開拓地域への進出
● ヨーロッパ全土・・・Amazon EU/Wayfair EUなど、ネット販売を使いドイツ倉庫からドロップシップでヨーロッパ全土に展開。
● ドイツ・・・EU支店と連携、ガーデンセンターを中心に店舗導入の商談の開始。
● フランス・・・Manomano社(ネット販売)へアプローチを開始。
● デンマーク・・・Danks社(小売グループ)へコンタクト中。
● オランダ・ベルギー・フランス・・・販売代理店の開拓。

 

 

 

商品戦略

現状:家庭菜園を楽しめるプランターを中心とした商品構成

(同社資料より)

 

今後の展開:庭全体で楽しめる商品構成へ

 

 

(同社資料より)

 

 

プロユース商品のアメリカ市場への展開

(同社資料より)

 

タカショーが提供するバリュー

(同社資料より)

 

SDGsの取り組み

タカショーとJPホールディングスが協同で食農・食育プログラム『VegTrug® Kids(ベジトラグキッズ)』を開始

(同社資料より)

 

保育園をはじめ、学童クラブや児童館の運営を手掛ける子育て支援事業の最大手である株式会社JPホールディングスと協同で、こどもたちが「野菜を育てる楽しさ」と「野菜のおいしさ」を学べる食農・食育プログラム『VegTrug®Kids(ベジトラグキッズ)』を21年10月より開始した。まずは、JPホールディングスの日本保育サービス・アメニティライフが運営する「アスク」「GENKIDS」保育園173園で導入し、順次導入園を増やしていく予定。

 

 

3.2023年1月期第3四半期決算

(1)連結業績

 

22/1期 3Q累計

構成比

23/1期 3Q累計

構成比

前年同期比

売上高

15,965

100.0%

15,884

100.0%

-0.5%

売上総利益

7,232

45.3%

6,865

43.2%

-5.1%

販管費

5,833

36.5%

6,245

39.3%

+7.1%

営業利益

1,399

8.8%

619

3.9%

-55.7%

経常利益

1,476

9.2%

1,138

7.2%

-22.9%

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,012

6.3%

629

4.0%

-37.8%

*単位:百万円。
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前年同期比0.5%の減収、22.9%の経常増益
売上高は前年同期比0.5%減の158億84百万円。
ブランド価値向上を目的に、テレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX型販売促進並びに自社展示会TGEF2022(タカショーガーデン&エクステリアフェア 2022)の開催、AR・VR・MRなどを利用したXR・メタバースといった最先端の技術を活かして、住宅事業者やリフォーム事業者を対象とした外構提案をサポートする「GLD-LABデザインネットワークサービス」など販売促進活動を図ってきた。また、海外事業においては、取引先の店舗における在庫過多による在庫調整や、米国では、外出自主規制の緩和によるホームセンター・ガーデンセンターにおける集客の低迷があった。欧州では、エネルギー価格および生活必需品等の物価高騰による買い控えが大きく影響した。
経常利益は同22.9%減の11億38百万円。
利益面では、売上高が微減に留まるなか、主に海外子会社の仕入原価の高騰から、安価な船会社への切り替えや取引先の物流網を活用するなどのコンテナ費用低減に努めた。しかし、売上総利益率が前年同期45.3%から43.2%へ低下した。展示会の開催を主とした販売促進活動の活発化による広告宣伝費や販売促進費、また、売上拡大に向けた設備投資費用、人材確保など、先行投資型の費用が増加し、販管費が前年を上回ったことから営業利益は前年同期比55.7%減の6億19百万円となった。営業外収支においては、円安の進行により、為替差益が増加したことにより、経常減益率は抑制された。

 

事業別販売状況

 

22/1期 3Q累計

構成比

23/1期 3Q累計

構成比

前年同期比

プロユース事業

9,191

57.5%

9,859

62.1%

+7.3%

ホームユース事業

4,750

29.6%

4,673

29.4%

-1.6%

海外事業

2,011

12.8%

1,334

8.4%

-33.7%

連結売上高

15,965

100.0%

15,884

100.0%

-0.5%

*単位:百万円。
*上記三事業以外の販売が少額あるため、各事業の合計額は売上高と一致しない。

 

*開示資料を基に株式会社インベストメントブリッジが作成。

 

プロユース事業
売上高は前年同期比7.3%増の98億59百万円。別注対応を可能とする国内自社工場生産と豊富なカラー展開により「ファザードエクステリア&リビングガーデン」における様々な趣味趣向に沿った庭暮らしをライフスタイルで一括提案し、WEBショールームやVRパークなどのDXによる提案と、実際に商品を体験できる全国各地にあるガーデン&エクステリアの自社ショールームでクロージングするビジネスモデルの推進を図った。さらに、「5th ROOM」(五番目の部屋)のコンセプトに基づく基軸商品である「ホームヤードルーフ」などリビングガーデン関連商品が、テレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX型販売促進により、取引先からのブランド指定による受注が増加した。また、夜の庭を演出する屋外照明「ローボルトライト」関連商品の売上も伸長した。
また、タカショーデジテックが景観建材グループとの連携により、非住宅分野での取組みが進み引き続き成長しており、売上高は前年同期比24.8%増となった。

 

ホームユース事業
売上高は前年同期比1.6%減の46億73百万円。新型コロナウイルス感染症の影響により需要が減少するなか、e-コマース分野で20%増と伸張した。しかし、秋の需要期において例年よりも多く台風が発生するなど天候不順の影響もありガーデニング関連商品の販売が低下した。

 

海外事業
売上高は前年同期比33.7%減の13億34百万円。海上運賃が落ち着いてきた。しかし、米国では外出自主規制の緩和により海外旅行やアウトドアへの関心が高まり一時的にホームセンター・ガーデンセンターにおける集客が低迷した。欧州では、エネルギー価格および生活必需品等の物価高騰による買い控えの影響を受け、店舗の在庫過多による在庫調整から取引先との納期調整が発生し、急激な消費減少となった。

 

 

報告セグメント別売上高・利益

 

 

 

 

22/1期 3Q累計

構成比

23/1期 3Q累計

構成比

前年同期比

日本

12,899

80.8%

13,484

84.9%

+4.5%

欧州

824

5.2%

457

2.9%

-44.5%

中国

1,125

7.0%

1,129

7.1%

+0.4%

韓国

179

1.1%

141

0.9%

-21.4%

米国

745

4.7%

430

2.7%

-42.2%

その他

190

1.2%

240

1.5%

+26.0%

連結売上高

15,965

100.0%

15,884

100.0%

-0.5%

日本

911

64.5%

704

118.9%

-22.7%

欧州

-68

-

-195

-

-

中国

431

30.5%

317

53.6%

-26.4%

韓国

14

1.0%

-9

-

-

米国

135

9.6%

-209

-

-

その他

-10

-

-15

-

-

連結調整

-13

-

27

-

-

連結営業利益

1,399

100.0%

619

100.0%

-55.7%

*単位:百万円
*営業利益の構成比は連結調整前ベース

 

*開示資料を基に株式会社インベストメントブリッジが作成。

 

日本
売上高は前年同期比4.5%増の134億84百万円、セグメント利益は同22.7%減の7億4百万円。TVCMとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX販売施策促進により、得意先からのブランド指定による受注が増加したことや「ローボルトライト」関連商品の売上が増加した。利益面では、販路拡大に向けた人材確保やリアル展示会の増加等、先行投資型の販促費用の増加等により減益となった。

 

欧州
売上高は前年同期比44.5%減の4億57百万円、セグメント損失1億95百万円(前年同期は68百万円の損失)。ロシアウクライナ紛争によるエネルギー料金の高騰や生活必需品の高騰など物価高騰により買い控えが継続している。

 

中国
売上高は前年同期比0.4%増の11億29百万円、セグメント利益は同26.4%減の3億17百万円。昨年はコロナ禍の影響で売上を大きく伸ばしたものの、今年は反動もあり微増収。利益面では、原材料や海上運賃の高騰等の影響を受けた。

 

韓国
売上高は前年同期比21.4%減の1億41百万円、セグメント損失9百万円(前年同期は14百万円の利益)。ガーデニング用品のネット販売は順調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による商品の入荷遅延による機会損失により減収減益となった。

 

米国
売上高は前年同期比42.2%減の4億30百万円、セグメント損失2億9百万円(前年同期は1億35百万円の利益)。外出自主規制の緩和に伴い一時的にユーザーが旅行やアウトドアといったレジャーへの消費に動いたことから減収減益となった。

 

その他
売上高は前年同期比26.0%増の2億40百万円、セグメント損失15百万円(前年同期は10百万円の損失)。新型コロナウイルス感染症の影響でインド市場において売上が伸び悩むなか、オーストラリアにおいてネット販売およびガーデンセンター向け販売が順調に推移した。
 

(2)財政状態

財政状態

 

22年1月

22年10月

 

22年1月

22年10月

現預金

5,600

5,754

仕入債務

4,584

4,302

売上債権

3,683

4,042

短期有利子負債

3,774

5,193

たな卸資産

5,849

7,151

流動負債

9,974

11,278

流動資産

15,920

17,625

長期有利子負債

111

85

有形固定資産

5,799

6,338

固定負債

627

832

無形固定資産

496

531

純資産

13,064

13,971

投資その他

1,448

1,587

負債・純資産合計

23,665

26,082

固定資産

7,745

8,457

有利子負債合計

3,885

5,278

*単位:百万円
*有利子負債は借入金

 

*開示資料を基に株式会社インベストメントブリッジが作成。

 

3Q末の総資産は前期末比(以下同)24億16百万円増加し、260億82百万円となった。
流動資産は17億5百万円増加し、176億25百万円。住宅事業者やリフォーム事業者を対象とした外構提案をサポートする販売活動等により売上債権が増加したことや、世界的な原材料・エネルギー高騰の影響を受け、一部でガーデニング関連商品の買い控え等により需要が減少したことで棚卸資産が増加したことによるもの。固定資産は7億11百万円増加し84億57百万円。有形固定資産が増加したことによるもの。
流動負債は13億3百万円増の112億78百万円。期初の運転資金の増加を短期借入金で賄ったことによるもの。固定負債は2億5百万円増の8億32百万円。長期借入金の減少とその他の固定負債が増加したことによるもの。純資産は9億7百万円増の139億71百万円。その他の包括利益累計額の増加などによるもの。
自己資本比率は53.1%(前期末54.8%)となった。

 

4.2023年1月期業績予想

連結業績

 

22/1期 実績

構成比

23/1期 予想

構成比

前期比

期初予想

売上高

20,781

100.0%

20,880

100.0%

+0.5%

23,204

営業利益

1,474

7.1%

810

3.9%

-45.1%

1,568

経常利益

1,530

7.4%

1,320

6.3%

-13.8%

1,639

親会社株主に帰属する当期純利益

1,001

4.8%

730

3.5%

-27.1%

1,184

*単位:百万円

 

23/1期は前期比0.5%の増収、同13.8%の経常減益予想
23/1期通期予想は売上高が前期比0.5%増の208億80百万円、経常利益は同13.8%減の13億20百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同27.1%減の7億30百万円。上表の通り、期初予想からは減額修正となった。
新型コロナ感染症の影響から、新しい生活スタイル(庭での暮らし方)が生まれこの2年間で定着してきた。当初、同社としてはガーデンニングおよびガーデンエクステリア商品の販売が継続的に伸長していくと見込むなかで、ブランド力の向上、生産設備・人材の強化も必要と考え先行投資型費用を計画していた。そのような中、今期に入り海上運賃が当初予想の1コンテナ5,000ドルから最大20,000ドルへの増加、原材料においてもアルミの高騰や、急激な円安の影響から当初予想から大幅に増加した。また、海外市場ではロシアウクライナ戦争の影響から欧州においてはエネルギー価格および生活必需品等の物価高騰から買い控えなどの影響を受けた。3Q累計期間において、プロユース事業が自社展示会TGEF2022(タカショーガーデン&エクステリアフェア2022)の開催やブランド価値向上を目的に、テレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX型販売促進活動を積極的に行ってきたことから売上高はほぼ当初予想どおり推移した。しかし、海外事業においては、米国では外出自主規制の緩和により海外旅行やアウトドアへの関心が高まり一時的にホームセンター・ガーデンセンターにおける集客が低迷した。欧州においては、ロシアウクライナ戦争の影響からエネルギー価格および生活必需品等の物価高騰から買い控えなどが影響し、店舗の在庫過多による在庫調整から取引先との納期調整が発生しとことから売上高は当初予想比で大きく減少した。利益面では、売上高が減少するなか、仕入原価の高騰や、売上拡大に向けた展示会等の販売促進費、設備投資費用や人材確保などの先行投資費用がほぼ当初予想どおり推移したことから、営業利益は当初予想比56.2%減にとどまった。経常利益においては、外貨建て取引における為替差益が4億63百万円計上されたこともあり、当初予想比21.4%減、親会社株式に帰属する四半期純利益は繰越欠損金の解消に伴い税負担率が上がったこともあり、当初予想比39.9%減となった。3Qの結果を踏まえ、4Qにおいても、市場環境は大きく変わらず推移すると考えられることから、3Q累計の売上高および利益の落ち込みを解消するまでの回復が難しいと考えられることから修正した。
今後の展開においては、プロユース事業では、リアルとネットのハイブリッド化を更に進め、AR・MRなどのDX型販売促進を推進し、ブランド力の向上と営業活動の強化を図る。また、ランドスケープへの営業・提案力の強化を図り、販路を拡大させる考え。ホームユース事業においては、伸長しているe-コマース分野の更なる販売強化と自社工場生産による新商品の開発促進およびグローバル商品の共通販売を推進していく。また、海外事業においても、米国での大手ホームセンターとの新規取引の推進や欧州では今まで営業展開できていなかった地域(フランス、イタリア等)への販売強化を図る。また、自社WEBサイト“VEGTRUG.COM”を中心にe-コマースでの販売拡大を図るため、販売アイテムの新規投入と新商品開発を推進し、庭全体で楽しめる商品構成を提案することで販売強化を図る。また、市場創造推進担当の執行役員を任命し、売上を伸ばすにおいて、既存業界へのアプローチだけでなく、未開拓の業界・分野への新規開拓を進めていく。
世界中で健康(ガーデンセラピー)や文化(情緒、アート)、環境(緑や自然)の再認識といった、with&afterコロナ時代における住まい方の変化、つまり、ガーデニングのあるライフスタイルが人々に浸透・定着し、安定的な需要が期待できる。また、海外におけるプロユース事業展開として、オーストラリア市場での成功事例をアメリカ市場にも展開するなど(現在数件が進行中)、今後も引き続き海外ビジネス拡大に邁進する。
配当については修正なく、前期と同じ23.0円/株の期末配当を見込んでいる。

5.中長期計画

現在進行中の中長期計画では26/1期に売上高300億円、経常利益31億50百万円を目指している。また、売上高は30/1期に500億円、50/1期に1,000億円を目指す。利益についても売上増に見合う形で伸び、営業・経常利益率は10%を見込んでいる。

 

(同社資料より)

 

 

6.今後の注目点

海外事業がエネルギー価格高騰、物価高騰、物流の停滞、欧州では消費低迷も加わって苦戦しており、通期業績予想の下方修正となった。円安メリットを享受し、経常利益については減益幅を抑えることができた。足元のエネルギー価格は下落、物価上昇率の拡大も落ち着き、物流の停滞も収まりつつある。米国における一時的なホームセンター・ガーデンセンターにおける集客の一時的な低迷を含め、最悪期は脱したと思われる。上期決算発表時には、「成長へのスタートアップバリュー経営からグロース経営へ」と打ち出している。今後、国内では売上の6割を占めるプロユース部門が安定成長を持続させており、引き続き業績の屋台骨となるだろう。海外は、米国では大手ホームセンターとの新規取引を推進するとともに、プロユース事業も展開する。欧州では営業展開する地域の拡大が期待できる。やはり成長の主軸は海外にありそうだ。ただし、ロシア・ウクライナ情勢の継続などを考慮しても、短期的な急回復は見込みにくい状況。来期は静かなスタートとなりそうだ。まずは、中国や景気が比較的好調なインドの回復が期待できる。通期業績の下方修正はあったものの、株価は底堅く推移している。同社はグロース経営のスタートラインに立ったばかり、海外での成長余力や中長期計画における利益水準を考慮すると、見直し余地は大きいといえそうだ。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年7月26日

 

<基本的な考え方>
同社は、健全で透明性が高く、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応するための経営の意思決定の効率性を確保したコーポレート・ガバナンスの構築が重要課題と認識し取り組んでいる。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【補充原則1-2-4】

当社では、2022年4月開催予定の定時株主総会から議決権電子行使プラットフォームを利用する予定としております。また招集通知の英訳につきましては、海外投資家の比率の推移および株主の皆様の要望等を踏まえ検討を進めていくこととしております。

【補充原則3-1-2】

英語での情報開示につきましては、人員・コスト面から費用対効果を鑑み、海外投資家の比率が比較的低いため、採用しておりません。今後、株主構成の変化等の状況に応じて検討して参ります。

【補充原則3-1-3 】

【補充原則4-2-2 】

当社は、サステナビリティについての取組みを積極的に行っており、取り組み内容をHPにて開示しております。しかしながら、中長期的な企業価値向上のための基本的な方針の策定には至っておらず、策定に向けて今後検討してまいります。また、人的資本・知的財産への投資等の重要性等の観点を踏まえた実効的な監督の方法・体制づくりについては、人的資本・知的財産に関する経営戦略との整合性を意識した開示とあわせ、今後検討してまいります。

【補充原則4-8-1】

現在、独立社外取締役のみを構成員とする定期的な会合等は実施しておりませんが、各取締役や監査役とも意見交換を行い、取締役会では、積極的に議論に参加し発言を行うなど、独立社外取締役としての役割・責務を十分に果たしていただいているものと認識しております。

 

<開示している主な原則>

原則

その理由

【原則1-4 政策保有株式】

(1)政策保有に関する方針

営業上の取引関係の維持・強化に繋がるか、事業活動の円滑な推進等を通じて当社の中長期的な企業価値の向上に結びつくか等を総合的に判断し、保有できるものとします。政策保有株式のうち、主要なものについては、保有する上での中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点からの保有効果等について検証し取締役会において報告を行います。

保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、縮減を図ります。

(2)政策保有株式に係る議決権行使の基準

当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、投資先企業の株主総会議案の内容を精査し、議決権を行使することとしております。

【原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】

当社は確定給付企業年金制度を採用しており、企業年金の管理・運用に関してスチュワードシップ活動の受け入れを表明している資産管理運用機関と契約を締結しています。総務人事部門内に担当者を配置し、運用の健全性について委託している運用機関から定期的に報告を受け、関連部門において適宜モニタリングを行っております。

【原則4-8 独立取締役の有効な活用】

当社では、社外取締役を2名選任し、その2名が独立社外取締役という構成となっており、取締役会において独立、中立の立場での意見を踏まえた議論を可能にしております。今後も、高い専門性と豊富な経験をもった複数名の独立社外取締役が選任できるように候補者の選定に努めて参ります。

【補充原則4-11-1 取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方】

【取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方】

当社は、様々な経営環境の変化に、的確かつ迅速に対応すべく、知識・経験・能力のバランスを考慮し、多彩なバックグランウンドを有する人材を取締役に選任しております。特に、社外取締役は、業界の知見、経営に対する経験、専門的な能力などを考慮し、各分野で見識の高い人材を選任し、バランス、多様性に配慮しております。また、当社では、企業規模等を勘案し、定款において取締役の員数を15名以内と定めておりますが、現在、5名の取締役(うち社外取締役2名)を選任しております。

 

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