ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

スタンダード

ブリッジレポート:(7590)タカショー 2024年1月期第1四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

高岡 伸夫 社長

株式会社 タカショー(7590)

 

 

会社情報

市場

プライム

業種

卸売業(商業)

社長

高岡 伸夫

所在地

和歌山県海南市南赤坂20-1

決算

1月20日

HP

https://takasho.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

673円

17,001,656株

11,442百万円

4.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

16.00円

2.4%

38.65円

17.4倍

756.72円

0.9倍

*株価は7/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE、BPSは23/1期実績、EPSは24/1期予想。数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2020年1月(実)

17,357

531

469

203

13.93

10.00

2021年1月(実)

18,486

1,156

1,152

952

65.36

20.00

2022年1月(実)

20,781

1,474

1,530

1,001

65.00

23.00

2023年1月(実)

20,351

880

982

518

29.60

23.00

2024年1月(予)

22,700

1,016

1,048

651

38.65

16.00

*予想は会社予想。単位:百万円。

 

 

タカショーの2024年1月期第1四半期決算などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.事業展開
3.2024年1月期第1四半期決算
4.2024年1月期業績予想
5.中長期計画
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 24/1期1Qは前年同期比1.2%減収、66.9%経常減益。ブランド価値を高め将来の成長を促進するために、様々な重要な施策を実施してきた。海外事業では、米国で取引先の店舗における在庫調整が継続し、欧州では物価高騰による買い控えが続くなか天候不順も大きく影響した。利益面では、前年同期に材料や海上運賃が高騰する前の在庫販売割合が高かったことで売上総利益を押し上げた反動や、前年同期に為替差益を計上した反動も加わったことで経常減益。前年同期に計上した一時的な要因を除いた実質の経常利益は前年同期比19.9%減。予算に対しては売上高が7.8%下回ったものの、経常利益は概ね予算水準での着地となった。

     

  • 通期予想に修正はなく、24/1期は11.5%増収、6.7%経常増益を見込む。1Qが大幅な減益だが、ほぼ予算どおりに推移している。今後の展開においては、プロユース事業では、ブランド力の向上と営業活動の強化を図るとともに販路を拡大していく。ホームユース事業においては、伸長しているe-コマース分野の更なる販売強化を図る。海外事業においても、米国での大手ホームセンターとの新規取引の推進や欧州での営業展開できていなかった地域(フランス、イタリア等)への販売強化を図る。また、自社WEBサイト“VEGTRUG.COM”を中心にe-コマースでの売上拡大も図る。配当についても修正なく16.0円/株の期末配当を見込んでいる。

     

  • 1Qが43.9%の大幅な営業減益となったのは前年同期が一時的要因によって利益が押し上げられた反動によるもの。経常利益は概ね会社予算通りであった。国内ではプロユース事業が引き続き着実に推移しているものの、海外事業が28.9%減収となっている。ただし、子会社ベジトラグが欧州や米国で急速に伸ばしている模様、販売地域も適宜拡大させており、今後の海外事業巻き返しには注目したい。尚、同社はこのところ株主還元により積極的になっている。配当性向を30%から40%に引き上げたことに加えて、発行済株式総数に対して4%相当の自己株式取得も行った。27/1期の目標を達成するとEPSは87円程度となり、PBR1倍を割り込む現状の株価水準は、見直し余地があると見ている。

     

  • 7月14日にスタンダード市場への選択・申請を行った。「流通株式時価総額」がプライム市場の上場維持基準を満たすための株価は約800円であるが、同社ではプライム市場の上場維持基準の充足のための短期的な目線だけではなく、中長期的な成長目線で経営資源を振り分けることが企業価値の向上に資すると判断したためでる。

     

1.会社概要

「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、ガーデンエクステリア商品を手掛けている。戦後、素材から業種型、そして業態産業へと移行、同社はより良い庭くらしのライフスタイルメーカーとして成長してきた。心身の健康と家族の笑顔ある暮らしの提供を目指す。また、常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化に貢献するグローバルなオンリーワン企業を目指している。ミッションとして「より良い庭での暮らしをグローバルに提供する企業」と掲げている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニア、アメリカへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。1998年に9月にジャスダックに上場、2012年、2013年の増資を経て2017年10月19日より東証二部へ、2018年7月9日には東証一部へ市場変更した。2022年4月4日からの東証新市場区分により、現在は東証プライムに上場しているが7月14日付けでスタンダード市場への上場申請を行った。スタンダード市場への上場基準はすべて満たしており23年10月20日よりスタンダード市場に移行の予定。

会社概要

設立日

1980年8月

上場日

1998年9月(ジャスダック)

2017年10月より東証二部

2018年7月より東証一部

2022年4月より東証プライム

資本金

30億4,362万円

従業員数

1,169名(グループ全体)

グループ

国内7社、海外13社

 

基本理念とミッション

(同社資料より)

ビジネスセグメント

ビジネスセグメントは、①戸建(新築、リフォーム)、ハウスメーカー向けに提案する「PROガーデンエクステリア分野」、②公共事業、商業施設等の非住宅向けに提案する「コントラクト分野」、③ホームセンター、専門店向けに提案する「ホームセンター、GMS分野」、④Webサイトからのネット販売を展開する「e-コマース」、⑤プロユース、ホームユースの事業を海外展開する「国際」に分けられる。

 

 

 

 

(同社資料より)

 

マーケット

同社が主軸とする国内PRO市場とDIY市場の市場規模はそれぞれ7,000億円。国内コントラクト分野や、現在急速に伸ばしている海外市場は14兆円と非常に大規模であり、ポテンシャルは大きい。

(同社資料より)

 

今後の成長

 

(同社資料より)

2.事業展開

プロユース ガーデン空間を構成する商品

(同社資料より)

 

ライティング分野 光の演出でタカショーデジテック伸長

(同社資料より)

 

「V2H機器搭載宅配ボックス付門柱」(下図右上)など各カテゴリーで新商品を発売

(同社資料より)

 

ビジネスモデル

(同社資料より)

 

ビジネス展開

2030年売上500億円に向けた、ライフスタイル&ハイブリッド経営の拡大
昨年7月27日には、4D空間デザインやXRシミュレーション事業を担う子会社「株式会社 GLD-LAB.」を設立

(同社資料より)

 

4K動画イメージ

(同社資料より)

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の展開

(同社資料より)

 

今後の市場

(同社資料より)

 

総住宅戸数の1%(約60万戸)×30万円(同社が想定提供する「庭のパッケージ」プランにおける最低限のプランでかかる金額イメージ)→約1,800億円の市場を同社では想定している。

 

「LINKED CITY(*)」コンセプト協業開発商品第一弾「GXホーム」発売!

(同社資料より)
(*)LINKED CITY:観光を起点に都市の創造性を向上させる観光型スマートシティ

 

ホームユースの取り組み

共通商品とロ-カル商品に分類し、届ける

(同社資料より)

 

趣味趣向に合わせたライフスタイルを提案

(同社資料より)

 

ホームユースの特徴

(同社資料より)

 

ヨーロッパ全土への販売拡大

(同社資料より)

 

今後の展開:庭全体で楽しめる商品構成へ

(同社資料より)

 

プロユース商品のアメリカ市場への展開

(同社資料より)

 

タカショーが提供するバリュー

(同社資料より)

 

SDGsの取り組み

常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化づくりに貢献するという理念の元、持続可能な開発目標で社会に貢献。また、3Rにおいては「reduce」を重視する姿勢を示している。

 

(同社資料より)

 

 

3.2024年1月期第1四半期決算

(1)連結業績

 

23/1期 1Q

構成比

24/1期 1Q

構成比

前年同期比

予算

予算比

売上高

5,671

100.0%

5,602

100.0%

-1.2%

6,075

-7.8%

売上総利益

2,493

44.0%

2,403

42.9%

-3.6%

2,525

-4.8%

販管費

2,069

36.5%

2,165

38.7%

+4.7%

2,282

-5.1%

営業利益

424

7.5%

238

4.2%

-43.9%

243

-2.0%

経常利益

764

13.5%

253

4.5%

-66.9%

252

+0.5%

親会社株主に帰属する四半期純利益

525

9.3%

106

1.9%

-79.7%

144

-26.0%

*単位:百万円。
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前年同期比1.2%の減収、66.9%の経常減益
売上高は前年同期比1.2%減の56億2百万円。
ブランド価値を高め将来の成長を促進するために、様々な重要な施策を実施してきた。特にテレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいDX型販売促進の展開でエンドユーザーとのタッチポイントを増やし、AR・VR・MRなどを利用したXR・メタバースといった最先端の技術を活かして、住宅事業者やリフォーム事業者を対象とした外構提案をサポートする「GLD-LABデザインネットワークサービス」など販売促進活動を図ってきた。さらに、デジタル田園都市構想に基づく「LINKED CITY」をコンセプトとした「GXホーム」の販売をスタートし、地域の活性化や持続可能な経済社会の実現に注力した。海外事業においては、米国ではホームンセンターおよびガーデンセンターの来店客数は戻りつつあるものの、取引先の店舗における在庫過多による在庫調整が継続した。欧州では、エネルギー価格および生活必需品等の物価高騰による買い控えが続くなか、例年にない天候不順も大きく影響した。
経常利益は同66.9%減の2億53百万円。
利益面では、前年同期において、前々期に材料や海上運賃が高騰する前の在庫販売割合が高かったことで売上総利益を押し上げた。反動で売上総利益率が前年同期44.0%から42.9%へ低下した。販管費は増加したことにより、営業利益率が前年同期7.5%から4.2%へ低下し営業利益は前年同期比43.9%減の2億38百万円。前年同期は急激な円安による為替差益3億14百万円計上したものの、今1Qは10百万円にとどまり、営業外収益が減少した。親会社株主に帰属する四半期純利益は同79.7%減の1億6百万円となった。
前年同期に計上した未実現利益の洗い替え1億20百万円、為替差益3億14百万円を考慮した実質の経常利益は前年同期比19.9%減。社内予算に対しては売上高が7.8%下回ったものの、経常利益は概ね予算水準での着地となった。

 

事業別販売状況

 

23/1期 1Q

構成比

24/1期 1Q

構成比

前年同期比

プロユース事業

3,416

60.2%

3,531

63.0%

+3.4%

ホームユース事業

1,612

28.4%

1,615

28.8%

+0.2%

海外事業

633

11.2%

450

8.0%

-28.9%

連結売上高

5,671

100.0%

5,602

100.0%

-1.2%

*単位:百万円。
*上記三事業以外の販売が少額あるため、各事業の合計額は売上高と一致しない。

開示資料を基に株式会社インベストメントブリッジが作成。

 

プロユース事業
売上高は前年同期比3.4%増の35億31百万円。住宅着工数が減少するなか同社グループの特徴である別注対応を可能とする国内自社工場生産と豊富なカラー展開により「ファサードエクステリア&リビングガーデン」における様々な趣味趣向に沿った庭暮らしをライフスタイルで一括提案した。DXによる提案と、実際に商品を体験できる全国各地にあるガーデン&エクステリアの自社ショールームでクロージングするビジネスモデルの推進も図った。さらに、「5thROOM」のコンセプトに基づく基軸商品である「ホームヤードルーフ」など、リビングガーデン関連商品を用いたテレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させたDX型販売促進を強化した。これにより、取引先からのブランド指定による受注の増加や、別注対応の受注単価のアップ等により売上高は増加した。また、夜の庭を演出する屋外照明「ローボルトライト」関連商品の売上が順調に伸長していることから増収となった。
子会社タカショーデジテックでは、LEDサインおよびライティング/イルミネーションの事業を推進するなか、独自の営業活動の強化や景観建材グループとの連携により、非住宅分野(公共施設や商業施設)での取組みが引き続き成長しており、16.6%増収となった。また、タカショーデジテックは全国に66社ある環境省が定める業界における環境先進企業の“エコ・ファースト制度”に業界で初めて認定された。

 

ホームユース事業
売上高は前年同期比0.2%増の16億15百万円。新型コロナウイルス感染症の影響による反動減や、4月の天候不順の影響を受け各量販店における来店客数も前年から減少するなか、WEB広告の強化や量販店向け販売価格の見直し等を図った。

 

海外事業
売上高は前年同期比28.9%減の4億50百万円。米国ではホームンセンターおよびガーデンセンターの来店客数は戻りつつあるものの、取引先の店舗における在庫過多による在庫調整が継続した。欧州では、エネルギー価格および生活必需品等の 物価高騰による買い控えが続くなか、例年にない天候不順の影響を受けた。

 

報告セグメント別売上高・利益

 

 

 

 

23/1期 1Q

構成比

24/1期 1Q

構成比

前年同期比

日本

4,645

81.9%

4,681

83.6%

+0.8%

欧州

281

5.0%

131

2.3%

-53.3%

中国

431

7.6%

450

8.0%

+4.6%

韓国

41

0.7%

95

1.7%

+133.3%

米国

188

3.3%

194

3.5%

+3.2%

その他

83

1.5%

49

0.9%

-40.9%

連結売上高

5,671

100.0%

5,602

100.0%

-1.2%

日本

355

76.2%

201

75.8%

-43.5%

欧州

-17

-

-41

-

-

中国

149

32.1%

152

57.5%

+1.8%

韓国

7

1.5%

1

0.4%

-85.1%

米国

-26

-

-21

-

-

その他

-2

-

-26

-

-

連結調整

-42

-

-27

-

-

連結営業利益

424

100.0%

238

100.0%

-43.9%

*単位:百万円
*営業利益の構成比は連結調整前ベース
 

開示資料を基に株式会社インベストメントブリッジが作成。

 

日本
売上高は前年同期比0.8%増の46億81百万円、セグメント利益は同43.5%減の2億1百万円。新型コロナウイルス感染症の影響による反動減や、4月の天候不順の影響を受け各量販店における来店客数が減少、住宅着工数も減少した。こうしたなか、WEB広告の強化や量販店向け販売価格の見直し等を図り、同社の特徴である別注対応を可能とする国内自社工場生産と豊富なカラー展開により「ファサードエクステリア&リビングガーデン」における様々な趣味趣向に沿った庭暮らしをライフスタイルで一括提案した。DXによる提案と、実際に商品を体験できる全国各地にあるガーデン&エクステリアの自社ショールームでクロージングするビジネスモデルの推進を図った。さらに、「5thROOM」のコンセプトに基づく基軸商品である「ホームヤードルーフ」など、リビングガーデン関連商品を用いたテレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させたDX型販売促進を強化した。これらにより取引先からのブランド指定による受注の増加や、別注対応の受注単価のアップ等があり売上高は増加した。また、夜の庭を演出する屋外照明「ローボルトライト」関連商品の売上が順調に伸長している。利益面では、為替変動を受けて仕入原価が前年同期と比べ上昇したことや、販路拡大に向けた人材確保やリアル展示会の増加等、先行投資型の販促費用の増加等により減益となった。

 

欧州
売上高は前年同期比53.3%減の1億31百万円、セグメント損失41百万円(前年同期は17百万円の損失)。ロシアウクライナ紛争によるエネルギー価格および生活必需品等の物価高騰による買い控えが続くなか、例年にない天候不順の影響も受けた。

 

中国
売上高は前年同期比4.6%増の4億50百万円、セグメント利益は同1.8%増の1億52百万円。日本向けOEM売上高の増加および中国国内での販売が増加したことから増収、増収効果により増益となった。

 

韓国
売上高は前年同期比133.3%増の95百万円、セグメント利益1百万円(同85.1%減)。現地ホームセンターとの直送取引の増加や商圏移管を受けたことにより増収。利益面では、燃料価格高騰による運賃の増加やリアル展示会出店など販促費が増加したことにより減益となった。

 

米国
売上高は前年同期比3.2%増の1億94百万円、セグメント損失21百万円(前年同期は26百万円の損失)。ホームンセンターおよびガーデンセンターの来店客数は戻りつつあるものの、取引先の店舗における在庫過多による在庫調整が継続している。増収に伴い、損失は縮小した。

 

その他
売上高は前年同期比40.9%減の49百万、セグメント損失26百万円(前年同期は2百万円の損失)。インド市場では増収も、オーストラリアでは、取引先の店舗における在庫過多による在庫調整から減収となった。減収に伴い、損失が拡大した。

 

(2)財政状態

財政状態

 

23年1月

23年4月

 

23年1月

23年4月

現預金

4,206

5,226

仕入債務

3,767

4,744

売上債権

3,328

4,329

短期有利子負債

3,951

5,556

たな卸資産

7,044

7,304

流動負債

9,386

12,204

流動資産

15,383

17,475

長期有利子負債

75

66

有形固定資産

6,246

6,418

固定負債

864

828

無形固定資産

511

520

純資産

13,389

12,903

投資その他

1,498

1,523

負債・純資産合計

23,640

25,936

固定資産

8,256

8,461

有利子負債合計

4,026

5,622

*単位:百万円
*有利子負債は借入金

開示資料を基に株式会社インベストメントブリッジが作成。

 

1Q末の総資産は前期末比(以下同)22億96百万円増加し、259億36百万円となった。
流動資産は20億91百万円増加し、174億75百万円となった。主な要因は、現預金が10億19百万円増の52億26百万円、売上債権が10億1百万円増の43億29百万円となったこと等によるもの。固定資産は20億5百万円増加し、84億61百万円となった。主な要因は、建設仮勘定が2億33百万円増の2億69百万円となったこと等によるもの。
流動負債は28億17百万円増の122億4百万円となった。主な要因は、仕入債務が9億77百万円増の47億44百万円、短期借入金が16億4百万円増の55億20百万円となったこと等によるもの。固定負債は35百万円減の8億28百万円となった。主な要因はその他の固定負債が30百万円減の5億11百万円、長期借入金が9百万円減の66百万円となったこと等によるもの。
純資産は4億85百万円減の129億3百万円となった。主な要因は、自己株式が3億83百万円増の3億95百万円、利益剰余金が2億96百万円減の59億55百万円、その他の包括利益累計額が1億90百万円増の10億82百万円となったこと等によるもの。
自己資本比率は49.3%(前期末56.2%)となった。

4.2024年1月期業績予想

連結業績

 

23/1期 実績

構成比

24/1期 予想

構成比

前期比

売上高

20,351

100.0%

22,700

100.0%

+11.5%

売上総利益

9,006

44.3%

9,823

43.3%

+9.1%

販管費

8,125

39.9%

8,807

38.8%

+8.4%

営業利益

880

4.3%

1,016

4.5%

+15.3%

経常利益

982

4.8%

1,048

4.6%

+6.7%

親会社株主に帰属する当期純利益

518

2.6%

651

2.9%

+25.4%

*単位:百万円

 

24/1期は前期比11.5%の増収、同6.7%の経常増益予想
通期予想に修正はなく、24/1期は売上高が前期比11.5%増の227億円、営業利益は同15.3%増の10億16百万円、経常利益は同6.7%増の10億48百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同25.4%増の6億51百万円を見込む。1Qが大幅な減益だが、これは前年同期において、前々期に材料や海上運賃が高騰する前の在庫販売割合が高かったことで売上総利益を押し上げたことや、急激な為替変動(円安)による為替差益3億14百万円の計上など、類例のない事象の発生のため。ほぼ予算どおりに推移している。
今後の展開においては、プロユース事業では、リアルとネットのハイブリッド化を更に進め、AR・MRなどのDX型販売促進を推進し、ブランド力の向上と営業活動の強化を図る。さらには、ランドスケープへの営業・提案力の強化も図り、販路を拡大していく。また、地域の活性化や持続可能な経済社会の実現に向けた販売を推進する。ホームユース事業においては、伸長しているe-コマース分野の更なる販売強化と自社工場生産による新商品の開発促進、およびグローバル商品の共通販売を推進する。また、“Living Garden Store”(自社WEBサイ ト)の稼働、さらに、天候などの影響に左右されない商品構成に基づく販売を推進する。海外事業においても、米国での大手ホームセンターとの新規取引の推進や欧州での営業展開できていなかった地域(フランス、イタリア等)への販売強化を図る。また、自社WEBサイト“VEGTRUG.COM”を中心にe-コマースでの売上拡大を図るため、販売アイテムの新規投入と新商品開発を推進し、庭全体で楽しめる商品構成を提案することで販売強化を図る。米国では若い世帯からの住宅用屋外造園に対する需要の高まりから、芝生の手入れと園芸活動への1世帯あたりの平均支出が増加傾向にある。また、健康志向の高まりから、果物や野菜を自給自足する家庭菜園の必要性に駆り立てられた園芸活動の増加により、若い世代の家庭による造園の必要性が求められている。海外におけるプロユース事業展開として、オーストラリアでの成功事例を米国に展開するなど、今後も引き続き海外ビジネス拡大に邁進する。
配当についても修正なし。業績に連動した配当を積極的に実施することを基本方針とし、5.0円/株を下限とした上で、配当性向を40%としている。24/1期の配当は16.0円/株の期末配当を見込んでいる。

 

5.中長期計画

現在進行中の中長期計画では27/1期に売上高314億10百万円、経常利益24億10百万円を目指す。また、売上高は31/1期に500億円、50/1期に1,000億円を目指す。営業・経常利益率は10%を見込む。

 

セグメント別売上高計画

(同社資料より)

 

6.今後の注目点

1Qが43.9%の大幅な減益となったのは前年同期が一時的要因によって利益が押し上げられた反動によるもの。経常利益は概ね会社予算通りであった。通期予想に対する進捗率は、売上高で24.7%、経常利益で24.2%。国内ではプロユース事業が引き続き着実に推移しているものの、海外事業が28.9%減収となっている。ただし、子会社ベジトラグが欧州や米国で急速に伸ばしている模様、販売地域も適宜拡大させており、今後の海外事業巻き返しには注目したい。
尚、同社はこのところ株主還元により積極的になっている。配当性向を30%から40%に引き上げたことに加えて、発行済株式総数に対して4%相当の自己株式取得も行った。27/1期の目標を達成するとEPSは87円程度となり、PBR1倍を割り込む現状の株価水準は、見直し余地があると見ている。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成>

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2023年4月21日

 

<基本的な考え方>
同社は、健全で透明性が高く、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応するための経営の意思決定の効率性を確保したコーポレート・ガバナンスの構築が重要課題と認識し取り組んでいる。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】

当社では、女性の管理職への登用等をはじめとする多様性の確保に積極的に取り組んでおり、管理職等の女性割合に係る目標を定め、女性活躍推進法に基づく行動計画に記載して届け出ております。また、多様性の尊重に関する研修や各種施策の実施等、多様性の確保に向けた環境整備に努めております。現在のところ、これら各種取り組みの基となる中長期的な戦略や方針等の策定は行っておりませんが、企業価値の向上に向け、これら戦略や方針等の策定の検討を進めてまいります。

【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取り組み】

【補充原則4-2-2 サステナビリティについての方針策定・監督】

当社は、サステナビリティについての取組みを積極的に行っており、取り組み内容をHP(https://takasho.co.jp/investor_sdgs)にて開示しております。しかしながら、中長期的な企業価値向上のための基本的な方針の策定には至っておらず、策定に向けて今後検討してまいります。また、人的資本・知的財産への投資等の重要性等の観点を踏まえた実効的な監督の方法・体制づくりについては、人的資本・知的財産に関する経営戦略との整合性を意識した開示とあわせ、今後検討してまいります。

【補充原則4-8-1】

現在、独立社外取締役のみを構成員とする定期的な会合等は実施しておりませんが、各取締役や監査役とも意見交換を行い、取締役会では、積極的に議論に参加し発言を行うなど、独立社外取締役としての役割・責務を十分に果たしていただいているものと認識しております。

 

<開示している主な原則>

原則

その理由

【原則1-4 政策保有株式】

(1)政策保有に関する方針営業上の取引関係の維持・強化に繋がるか、事業活動の円滑な推進等を通じて当社の中長期的な企業価値の向上に結びつくか等を総合的に判断し、保有できるものとします。(2)政策保有の適否に関する検証内容保有する上での中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点からの保有効果等について検証し取締役会において報告を行います。保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、縮減を図ります。(3)政策保有株式に係る議決権行使の基準当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、投資先企業の株主総会議案の内容を精査し、議決権を行使することとしております。

【原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】

当社は確定給付企業年金制度を採用しており、企業年金の管理・運用に関してスチュワードシップ活動の受け入れを表明している資産管理運用機関と契約を締結しています。総務人事部門内に担当者を配置し、運用の健全性について委託している運用機関から定期的に報告を受け、関連部門において適宜モニタリングを行っております。また、従業員の資産形成のため企業型確定拠出年金制度を導入しております。入社時には従業員に対し運用期間・運用商品の選定や資産運用に関する説明を行っております。

【補充原則4-1-1 取締役会の役割・責務】

当社は、取締役会の意思決定の範囲として、法令および定款にて定める事項のほか、重要な意思決定の項目として「取締役会規程」および「稟議規程」ならびに「稟議規程細則」を設けて運用しております。取締役会は、業務執行の機動性と柔軟性を高め、経営の活力を増大するため、法令、定款および「取締役会規程」に記載する事項以外の業務執行の意思決定については、代表取締役も出席する経営会議において審議を行い実施しております。

【原則4-8 独立取締役の有効な活用】

当社では、社外取締役を2名選任し、その2名が独立社外取締役という構成となっており、取締役会において独立、中立の立場での意見を踏まえた議論を可能にしております。今後も、高い専門性と豊富な経験をもった複数名の独立社外取締役が選任できるように候補者の選定に努めて参ります。

【補充原則4-11-1 取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方】

当社は、様々な経営環境の変化に、的確かつ迅速に対応すべく、知識・経験・能力のバランスを考慮し、多彩なバックグランウンドを有する人材を取締役に選任しております。特に、社外取締役は、業界の知見、経営に対する経験、専門的な能力などを考慮し、各分野で見識の高い人材を選任し、バランス、多様性に配慮しております。また、当社では、企業規模等を勘案し、定款において取締役の員数を15名以内と定めておりますが、現在、5名の取締役(うち社外取締役2名)を選任しております。

 

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