ブリッジレポート:(7590)タカショー 2026年1月期中間期決算
![]() 高岡 伸夫 社長 | 株式会社 タカショー(7590) |
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会社情報
市場 | 東証スタンダード |
業種 | 卸売業(商業) |
社長 | 高岡 伸夫 |
所在地 | 和歌山県海南市南赤坂20-1 |
決算 | 1月20日 |
HP |
株式情報
株価 | 発行済株式数(自己株式を控除) | 時価総額 | ROE(実) | 売買単位 | |
409円 | 16,858,453株 | 6,895百万円 | - | 100株 | |
DPS(予) | 配当利回り(予) | EPS(予) | PER(予) | BPS(実) | PBR(実) |
5.00円 | 1.1% | 9.49円 | 43.1倍 | 748.41円 | 0.55倍 |
*株価は10/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE、BPSは25/1期実績、EPSは26/1期予想。数値は四捨五入。
連結業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | DPS |
2022年1月(実) | 20,781 | 1,474 | 1,530 | 1,001 | 65.00 | 23.00 |
2023年1月(実) | 20,351 | 880 | 982 | 518 | 29.60 | 23.00 |
2024年1月(実) | 19,411 | -108 | 250 | -75 | - | 5.00 |
2025年1月(実) | 19,890 | -150 | 83 | -242 | - | 5.00 |
2026年1月(予) | 21,736 | 463 | 470 | 160 | 9.49 | 5.00 |
*予想は会社予想。単位:百万円。
タカショーの2026年1月期中間期決算などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.事業展開
3.2026年1月期中間期決算
4.2026年1月期業績予想
5.中長期計画
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 26/1期中間期は前年同期比2.2%増収、営業利益3億82百万円(前年同期は7百万円の利益)と大幅な増益となった。国内ではプロユース事業が引き続き伸長し、タカショーデジテックの売上は同27%増と拡大。海外事業では適正な販売価格調整のためeコマースを一時停止したことにより減収となったが、心身の健康、快適性、持続可能性を重視する「WELL-BEING」志向の高まりを背景に事業環境は追い風となっている。利益面では、売上総利益率が前年同期比0.9ポイント改善し、売上総利益が前年同期比4.3%増加。加えて販管費の見直し・効率化が進んだ結果、営業利益・経常利益ともに大幅に改善した。経常利益は前年同期比30.3%増の3億49百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同102.2%増の1億14百万円を計上。これまで進めてきた先行投資の効果が顕在化し、収益力の底上げが進んでいる。
- 26/1期は売上高が前期比9.3%増の217億36百万円、営業利益4億63万円(前期は1億50百万円の損失)を見込む。各段階利益を上方修正している。プロユース事業は引き続き堅調に成長を遂げている。公共・商業施設や大手飲食チェーンにおける導入が拡大し安定的な需要拡大を実現した。タカショーデジテックでは、今後さらなる成長が期待できる。また、下期にかけてはホームユース事業での新商品の導入や海外事業の新規導入店舗の拡大を見込んでいる。利益面では、タカショーデジテックの拡大もあり粗利率が改善している。販管費においては費用対効果の低い取組みを見直したことから当初の計画を下回る見込み。配当も修正なく、前期と同じ5.00円/株の期末配当を予定。
- 利益率向上への取り組みが着実に成果を上げ、売上総利益率の改善と販管費削減による効率化が進んだ結果、営業利益・経常利益ともに大幅な増益を実現。先行投資の効果が顕在化し、収益性の向上が明確に表れた中間期となった。中間期の営業利益は期初の通期予想を上回まわり、上方修正となった。中間期営業利益の通期予想に対する進捗率は82.5%に達しており、さらなる上乗せ余地も見込まれる。海外事業においてはeコマースを一時停止したが、足元では大手ホームセンターなどへの導入が一気に進み始めている。今後は再び成長軌道に乗ると思われ、市場規模の大きさを踏まえると、来期以降の成長余地はかなり大きい。国内においても、プロユース事業が堅調に推移し、安定した収益基盤を支えている。好スタートを切った中長期計画の下、28/1期に目指す純利益を達成すればEPSは50円程度が見込まれ、今後の成長を考慮すればPBR1倍を下回る現状の株価水準は見直し余地が大きいと考えられる。また、配当性向40%を目指す方針も示しており、株主還元の魅力も高まりつつある。
1.会社概要
「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、ガーデン・エクステリア商品を手掛けている。戦後、素材から業種型、そして業態産業へと移行、同社はより良い庭くらしのライフスタイルメーカーとして成長してきた。心身の健康と家族の笑顔ある暮らしの提供を目指す。企業理念は「常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化づくりに貢献するグローバルなオンリーワングループを目指す」と掲げている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、アメリカ、欧州、アジア、オセアニアへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。1998年に9月にジャスダックに上場、2012年、2013年の増資を経て2017年10月19日より東証二部へ、2018年7月9日には東証一部へ市場変更した。2022年4月4日からの東証新市場区分により、東証プライムに上場した。2023年10月20日よりスタンダード市場に移行。
会社概要
設立日 | 1980年8月 |
上場日 | 1998年9月(ジャスダック) 2017年10月より東証二部 2018年7月より東証一部 2022年4月より東証プライム 2023年10月より東証スタンダード |
資本金 | 30億4,362万円 |
従業員数 | 443名(うち正社員334名) |
グループ | 国内7社、海外13社 |
※資本金は2025年1月20日、従業員数は2025年7月20日現在
企業理念
私たちタカショーグループは常に変化を先取りして新たな価値を創造し、 広く都市環境庭文化づくりに貢献する グローバルなオンリーワングループを目指します。 |
1.ガーデンを中心とした豊かで安らぎのある庭生活文化を創造します。
2.さまざまな提案を通じ、お客様の期待以上の満足を追求します。
3.たゆまぬ研究開発により質の高い商品とサービスを追求します。
4.すべての命を尊重し自然との共生をテーマに地球環境を守ります。
5.人が成長することにより会社が成長する人材型企業としての職場を実現します。
6.企業の社会的責任を自覚し、法令及び公正な商習慣に則り、透明な企業活動を推進します。
また、自然にこだわることも掲げており、①風、②光、③水、④緑、⑤心の5つのこだわりで、庭空間をトータルプロデュースしている。
ビジネス
やすらぎのある庭空間を通じて幸せな暮らしを創るガーデンライフスタイルメーカー。
庭と住まいを一体化させた「Living Garden」のコンセプトを軸に、人々のライフスタイルに溶け込むガーデン空間の創造を目指している。また、DXの推進に積極的に取り組んでおり、顧客に対して、より具体的で魅力的なガーデン・エクステリア空間の提案を実現し、DXを通じて新しい価値を創造している。
GARDEN(庭)、EXTERIOR(外構)、CONTRACT(建築)の3つの領域での新築、リフォーム、リノベーションに係る商品の企画、開発、製造、販売を行い、顧客のビジネスに役立つサービスを提供している。
プロユース事業 【Target】 公共事業・商業施設・戸建住宅・ハウスメーカー | 製造拠点は国内。公共事業、商業施設、戸建住宅等の企画・設計、デザイン、施工部門など、設計・施工を伴うプロの顧客が対象。景観、アウトドアリビング&エクステリア空間提案をメーカーとしてトータルサポート。具体的なプラン提案のため、さまざまなツールを活用し、リアルとデジタルを連携させた提案力の強化を図っている。 |
ホームユース事業 【Target】 ホームセンター・量販店 ・eコマース | DIYを基本とした庭づくりをサポートし、こだわりのお庭のシーン提案や、多彩な商品ラインアップを提供している。Living Gardenのコンセプトに基づき、家と庭が一体となった安らぎのある暮らしを提案している。 |
海外事業 【Target】 ホームセンター・量販店 ・eコマース・商業施設 ・戸建住宅 | 中国に製造拠点を持ち、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アジア諸国など、グローバルに販売を展開している。eコマースも活用。 |
DX事業・その他 | DXツールによる空間提案、SNS等による情報発信を展開。 |
事業概要

(同社資料より)
2.事業展開
今後の成長戦略
リアルとデジタル空間によるハイブリッド経営の拡大
ものづくり工場 ガーデンクリエイト タカショーデジテック | × | ソフト工場 GLD – LAB. フィリピン・ベトナム |
ガーデンクリエイトでは鹿沼、徳島、和歌山3工場の生産システムが来期に本格スタート。生産性の向上に寄与する見込み。
25年2月からは増設した和歌山工場が稼働した。
LED照明やサインを製造するデジテックの新工場(約3,000坪)が24年2月から稼働。
4D空間デザインやXRシミュレーション事業を担う子会社「株式会社GLD – LAB.」を22年7月に設立。
プロユース |
①マテリアル
建材マテリアルは空間創造をテーマにした設計デザイン。乾式工法、自社製法、省施工で本物を超える人工竹・板・木を提供している。エバーアートウッドはマンションエントランスや店舗内装に採用されている。豊富な型材と別注出荷によりデザイン性を向上させ、省施工を可能にしている。エバーアートボードは集合住宅や宿泊施設、店舗などの改修案件で採用されている。高耐候性のラッピングと見切り材固定により、本物のような素材でありながら乾式施工を実現する。エバーバンブーは温泉旅館や飲食店、神社仏閣などで採用されている。天然竹を型取りし、リアルな表情を忠実に再現。再注目されている和風空間の演出には最適となっている。
②非住宅、コントラクト
インバウンドにより拡大するホテルや飲食店、商業施設やオフィスビルの施設など、非住宅市場への展開を強化している。
③住宅ガーデン及びエクステリアへの展開
エバーアートウッド、エバーアートボード、エバーバンブーなど、より良い庭でのくらしを演出する商品を展開。1.リビング、2.ダイニング、3.キッチン、4.ベッドルームに続く、5thRoom®(家と庭をつなぐ、5番目の部屋)を提唱し共感を得ている。
室内を拡張して5thRoom®を家に取り込むことも行っている。住宅設計時やリノベーションで壁の一部を取り払い、室内と庭をつなぐ中間領域を創る。こうすることで、より暮らしに庭が溶け込む“もう一つの部屋”が生まれる。
④リフォーム、リノベーション
今後、最も市場が拓けていく市場として強化。室内を拡張して5thRoom®を家に取り込む提案も積極的に行っている。
⑤DXソリューション
ソフト工場では、「株式会社GLD–LAB.」を鳥取にを開設。21年4月から本格稼働している。4D空間デザインやXRシミュレーションを担う技術とノウハウを保持しており、フィリピンやベトナムと連携してDXツールを展開する。
新提案サービスとして「庭プラス」を展開。これは庭の写真をAIが3D認識して直感的に庭をデザインするもの。集合住宅のエントランスなどにも採用されている。
フォトクオリティの高精細パースを低価格・短納期で製作する「エクスビズ」も展開。
また、プランニング検索サービスとしてパッケージプランサイトを公開。イメージや条件の選択だけで洗練されたデザインが簡単に見つかる。ARやVR対応プランも提供している。
https://pac.takasho.jp
商品開発と製造能力を強化することで、世界展開などシェア拡大を図る。
①自社製品比率の拡大
LED照明やサインを製造する約3,000坪のデジテックチャイナ新工場(中国・広州)が本格稼働し自社製品の売上が拡大。
②生産能力拡大とサプライチェーンの構築
生産能力を拡大させ、現在のグループ外売上比率52%を70%(45億円)に引き上げる方針。
世界展開も視野に入れ、25/1期売上32.4億円を28/1期に65億円へ拡大させる考え。
③コントラクト向け製品の拡大
麻布台ヒルズ、スカイツリー東京ソラマチ、歌舞伎町タワーなどで実績。
④地方創生への取り組み
各地のイベントなどにイルミネーションや自社製造のドローンショーで地域活性化に貢献する。商品開発と製造能力を強化しシェアを拡大させ、世界展開も図る。
外部環境要因による収益低下を見直し、ビジネスモデルを再構築する。
①新商品の展開
デザイン性の高い高品質の商品を展開している。
②Webビジネス強化
青山ガーデンの専門店化を推進する。
ブランドと販路拡大により、世界№1ガーデンカテゴリーメーカーを目指す。
①ホーム・デポの店舗導入
約2,430店舗を展開し、年間売上約24兆円、米国No1のDIY店であるホーム・デポの店舗へ導入。9月から21店舗で販売を開始。来期には130店舗に拡大する予定。
②大手チェーン販路拡大
約5,100店舗を展開し、年間売上約1.4兆円の米国大手フランチャイズのホームセンターであるAce Hardwareでは、8月に展示会に出展し、来期より本格導入の予定。約610店舗を展開し、年間売上約3兆円の米国大手ホームセンターであるコストコには、来期より本格導入の予定。豪州では、約310店舗を展開し、年間売上約1.8兆円の大手ホームセンターであるBunningsにおいて今夏より100店舗に導入を開始した。今期中には140店舗に拡大の予定。
③展示会出展
Ace Hardwareの展示会は8/12~14にシカゴで行われた。このほか、1万の販売店を持つ全米最大の園芸販売代理店であるBFG社の展示会が8/5~7に開催されて出展した。50社の店舗オーナーと商談を進めた。
④アマゾン/ホーム・デポでeコマースを再開
適正な販売価格への調整のため、eコマースを一時停止していたが、7月より再開している。
⑤US生産工場と提携
米国のトランプ関税への対策として、アメリカ国内の生産工場と提携した
⑥プロ市場の展開
需要が高く利益率が高い住宅・コントラクト向け商品をアメリカ市場向けに拡販を図る。

3.2026年1月期中間期決算
(1)連結業績
| 25/1期 中間期 | 構成比 | 26/1期 中間期 | 構成比 | 前年同期比 |
売上高 | 10,697 | 100.0% | 10,929 | 100.0% | +2.2% |
売上総利益 | 4,461 | 41.7% | 4,652 | 42.6% | +4.3% |
販管費 | 4,454 | 41.6% | 4,270 | 39.1% | -4.1% |
営業利益 | 7 | 0.1% | 382 | 3.5% | - |
経常利益 | 267 | 2.5% | 349 | 3.2% | +30.3% |
親会社株主に帰属する中間純利益 | 56 | 0.5% | 114 | 1.1% | +102.2% |
*単位:百万円。
*数値には株式会社インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
前年同期比2.2%の増収、営業利益は大幅に増加
売上高は前年同期比2.2%増の109億29百万円。
国内ではホームユース事業は伸び悩んだものの、プロユース事業が引き続き伸長した。海外事業は適正な販売価格調整のためeコマースを一時停止したことにより減収となった。心身の健康、快適性、持続可能性を重視する「WELL-BEING」志向の高まりを背景に、自然との共生を取り入れたバイオフィリックデザインに対する関心が拡大している。「ガーデンセラピー®」を推奨する同社にとって事業環境は追い風となりつつある。プロユース事業では外装化粧建材関連商品の販売増加や各施設における設計折り込みの採用拡大による非住宅分野の売上が前年同期比14%増。またLED庭照明の拡大など、急成長を続けるタカショーデジテックの売上は同27%増と拡大した。
営業利益は3億82百万円(前年同期は7百万円の利益)。
利益面では、売上総利益率が前年同期比0.9ポイント改善して売上総利益は前年同期比4.3%増。販管費においては、DXの推進などにより効率化を進め4.1%減少して、営業利益は大幅に増加した。営業外では前年同期の為替差益から為替差損に転じており経常利益は前年同期比30.3%増の3億49百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同102.2%増の1億14百万円となった。
事業別の状況
| 25/1期 中間期 | 構成比 | 26/1期 中間期 | 構成比 | 前年同期比 |
プロユース事業 | 6,928 | 64.8% | 7,479 | 68.4% | +7.9% |
ホームユース事業 | 2,360 | 22.1% | 2,277 | 20.8% | -3.5% |
海外事業 | 1,374 | 12.8% | 1,142 | 10.4% | -16.9% |
合計 | 10,697 | 100.0% | 10,929 | 100.0% | +2.2% |
*単位:百万円。
*上記三事業以外の販売が少額あるため、各事業の合計額は売上高と一致しない。
*一部の商圏分類変更を25/1期実績に反映している。このため、25/1期末決算短信のセグメント数値とは異なる。
プロユース事業
売上高は前年同期比7.9%増の74億79百万円。
非住宅分野においては、昨年開設した品川ショールームも寄与し、公共施設や商業施設で採用が拡大、大手飲食チェーンにおける導入も進展して14%増収と伸長している。一般住宅市場においても、ガーデン・エクステリアのリノベーション及びリフォーム需要が顕在化し始めている。販売促進施策としては、子会社でデジタル空間ソフト制作を展開する株式会社GLD-LAB.が手掛けるAR・VR・メタバース空間、高精細なパース図面や4K動画など、DXツールによる提案の強化とリアル製品の融合による価値提供を進めた。また、全国各地に展開する自社ショールームを活用した体験型営業活動を推進した。さらには、屋外照明・LEDサイン・イルミネーション事業を展開するタカショーデジテック においては、すべての事業領域において順調に成長したことにより計画を大きく上回り、売上高は前年同期比27%増となった。
ホームユース事業
売上高は前年同期比3.5%減の22億77百万円。
今夏の猛暑により、日除け商材の売上は伸長した。e-コマース分野においては、直販ECサイトの青山ガーデンの売上高が前年同期比3%増と順調に進捗している。
海外事業
売上高は前年同期比16.9%減の11億42百万円。
米国市場では人材投入と販売戦略の強化が奏功し、店舗販売先の拡大に成功している。また、適正な販売価格への調整を目的として、eコマースを一時停止した。この措置により一時的に売上の減少が発生した。営業体制の強化が奏功しており、ホームデポ.をはじめ新規大手有力チェーンストアーとの取り組みが開始した。なお、7月よりeコマースは価格改定し再開している。英国では市場の回復及び新規取引先が拡大したものの、戦略的に営業体制において米国の新規開拓営業を最優先とした結果、一時的に売上が減少。豪州では販売促進活動及び導入店舗の増加により計画通りに進捗している。
報告セグメント別売上高・利益 |
|
|
| ||
| 25/1期 中間期 | 構成比/利益率 | 26/1期 中間期 | 構成比/利益率 | 前年同期比 |
日本 | 8,886 | 83.1% | 9,411 | 86.1% | +5.9% |
欧州 | 536 | 5.0% | 443 | 4.1% | -17.3% |
中国 | 559 | 5.2% | 550 | 5.0% | -1.7% |
韓国 | 142 | 1.3% | 86 | 0.8% | -39.4% |
米国 | 439 | 4.1% | 333 | 3.1% | -24.1% |
その他 | 133 | 1.3% | 103 | 1.0% | -22.3% |
連結売上高 | 10,697 | 100.0% | 10,929 | 100.0% | +2.2% |
日本 | 245 | 2.8% | 572 | 6.1% | +133.0% |
欧州 | -154 | - | -201 | - | - |
中国 | -9 | - | 51 | 9.4% | - |
韓国 | -13 | - | -34 | - | - |
米国 | -81 | - | -135 | - | - |
その他 | -42 | - | -38 | - | - |
連結調整 | 64 | - | 167 | - | - |
連結営業利益 | 7 | 0.1% | 382 | 3.5% | - |
*単位:百万円。
(2)財政状態
財政状態
| 25年1月 | 25年7月 |
| 25年1月 | 25年7月 |
現預金 | 3,649 | 5,033 | 仕入債務 | 3,667 | 4,256 |
売上債権 | 3,494 | 3,942 | 短期有利子負債 | 4,700 | 4,742 |
たな卸資産 | 7,023 | 6,516 | 流動負債 | 9,810 | 10,771 |
流動資産 | 15,125 | 16,315 | 長期有利子負債 | 589 | 1,034 |
有形固定資産 | 6,452 | 6,047 | 固定負債 | 1,248 | 1,603 |
無形固定資産 | 518 | 498 | 純資産 | 12,756 | 12,217 |
投資その他資産 | 1,718 | 1,730 | 負債・純資産合計 | 23,814 | 24,591 |
固定資産 | 8,688 | 8,276 | 有利子負債合計 | 5,289 | 5,776 |
*単位:百万円。
*有利子負債は借入金。
中間期末の総資産は前期末比7億77百万円増加し245億91百万円となった。現預金の増加が主因。
負債は前期末比13億16百万円増加し123億74百万円となった。仕入債務や有利子負債の増加が主因。
純資産は5億38百万円減少し122億17百万円となった。為替換算調整勘定の減少が主因。
自己資本比率は49.1%(前期末53.0%)となった。
(3)トピックス
販売促進・自社展示会の開催
タカショーガーデン&エクステリアフェア2025を7月31日・8月1日に東京流通センターで開催した。「新築からリフォーム・リノベーション時代に向けて」をテーマとしたタカショー単独開催の展示会である。
展示会場の総面積は4,500㎡、リアルとオンラインで開催された。
来場者は約3,000名。非住宅分野関連企業の来場が増加した。また、非住宅向け外装建材の展示を強化している。
低炭素素材フェンスでCO2を年間約1.4t固定へ
株式会社TBMと連携して開発した低炭素素材(CR LIMEX※)の『モクプラボードECO』を9月より発売。脱炭素社会の実現を推進する。年間で約1.4tのCO₂を固定化。環境負荷を抑えながらもリーズナブル。
※「CR LIMEX」は、排ガスから回収したCO₂と工場廃棄物から合成した炭酸カルシウムを主原料とする素材
2027年国際園芸博覧会に出展
2027年3月19日~9月26日に横浜で開催される2027国際園芸博覧会に出展する。博覧会のテーマは「幸せを創る明日の風景」。タカショーは「ウェルビーイング(心身の健康と幸せ)」をテーマに出展する予定。
IR活動を強化
25年7月より広報IR室を新設した。取締役会へフィードバックを行い、企業価値向上への施策につなげる考え。日英決算説明資料の開示を従来の半期から四半期にして、投資家の声を反映させていく。
タカショーの魅力1分紹介の掲載もスタート。
https://takasho.co.jp/ir/ataglance
4.2026年1月期業績予想
連結業績
| 25/1期 実績 | 構成比 | 26/1期 予想 | 構成比 | 前期比 | 前回予想 |
売上高 | 19,890 | 100.0% | 21,736 | 100.0% | +9.3% | 21,736 |
営業利益 | -150 | - | 463 | 2.1% | - | 308 |
経常利益 | 83 | 0.4% | 470 | 2.2% | +461.0% | 405 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | -242 | - | 160 | 0.7% | - | 122 |
*単位:百万円。
各段階利益を上方修正、26/1期は前期比9.3%の増収、461.0%の経常増益予想
26/1期は売上高が前期比9.3%増の217億36百万円、営業利益4億63万円(前期は1億50百万円の損失)、経常利益は同461.0%増の4億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億60百万円(前期は2億42百万円の損失)を見込む。上表の通り、各段階利益を上方修正した。
プロユース事業は引き続き堅調に成長を遂げている。公共・商業施設や大手飲食チェーンにおける導入拡大に加え、ショールーム展開やデジタルツールを活用した提案活動により、同社の強みを最大限に発揮して安定的な需要拡大を実現した。タカショーデジテックによる屋外照明・イルミネーション関連ビジネスは、エンターテインメント用ドローンの活用など新たな成長領域を取り込み、堅調に拡大を続けている。地方創生の一環としてイベントが拡大する中、自治体やイベント会社から引き合いが高まっており、今後さらなる成長が期待できる。ホームユース事業および海外事業が市場環境や施策の影響を受け、一時的に伸び悩む局面は見られた。しかし、下期にかけてはホームユース事業での新商品の導入や海外事業の新規導入店舗の拡大を見込んでおり、売上高は当初の計画通り推移する見通し。利益面では、急成長するタカショーデジテックの外部売上構成比が拡大していることもあり粗利率が改善している。販管費においては必要な投資は積極的に進めるものの、費用対効果の低い取組みを見直したことから当初の計画を下回る見込み。
配当も修正なく、前期と同じ5.00円/株の期末配当を予定。なお、配当の基本方針として5.00円/株を下限に配当性向40%以上を目安としている。
5.中長期計画
28/1期に売上高253億57百万円、経常利益13億43百万円を計画している。
単位:百万円 | 25/1期 実績 | 26/1期 計画 | 27/1期 計画 | 28/1期 計画 |
売上高 | 19,890 | 21,736 | 24,063 | 25,357 |
営業利益 | -150 | 463 | 957 | 1,248 |
経常利益 | 83 | 470 | 1,053 | 1,343 |
当期純利益 | -242 | 160 | 598 | 776 |
PBR向上に向けた考え方
収益性、資産効率、負債構造の最適化を図るとともに、事業モデルや効率的なコスト管理を通じて収益を最大化し、適切な資本構造の構築を目指す。
・グループ会社シナジーの最大化
・注力事業への集中投資
・安定的な株主還元の充実
・資産の効率的な活用
・資本効率を意識した経営
・コーポレートガバナンスの強化
・人的資本への投資
ROE向上に向けた考え方
28/1期にROE(①×②×③)11.7%を目指す。
①売上高純利益率(収益性)
・売上高営業利益率上昇のために各セグメントの粗利率を向上させるとともに、BPRによる販管費率の低減を図る。
②総資産回転率(資産効率性)
・保有資産の見直しを行い。棚卸資産・固定資産を圧縮する
・売上高の増加
③財務レバレッジ
最適資本構成の追求を行うものの、現状水準の継続を想定
なお、ROA(総資産営業利益率)については28/1期に3.1%を目指す。

(同社資料より)
6.今後の注目点
利益率向上への取り組みが着実に実を結びつつある。中間期の営業利益は期初の通期予想を上回ったことにより、上方修正となり、中間期営業利益の通期予想に対する進捗率は82.5%に達した。売上総利益率の改善と販管費削減によるコスト効率化が進み、営業利益・経常利益ともに大幅な増益を実現。これまでの先行投資の効果が顕在化し、収益性の向上が明確に表れた中間期となった。中間期の売上高の伸びは前年同期比2.2%増にとどまったものの、これは拡大基調にある海外事業においてeコマースを一時停止した影響によるもの。足元では大手ホームセンターなどへの導入が一気に進み始めており、今後は再び成長軌道に乗る見込みだ。市場規模の大きさを考えると、来期以降の成長余地はかなり大きい。国内でも、プロユース事業のコントラクト向けの勢いがさらに増しており、「タカショーガーデン&エクステリアフェア2025」でさらなる弾みをつけたい。成長が続くタカショーデジテックでは中国新工場の本格稼働により供給体制が強化されており、今後の売上拡大余地は大きい。
好スタートを切った中長期計画は、28/1期の目標純利益7億76万円を達成すればEPSは50円程度となる見込み。26/1期以降の成長ポテンシャルを踏まえるとPBR1倍を大きく割り込む現状の株価水準は見直し余地が大きいと考えられる。また、配当性向40%を目指す方針も示しており、利回り面でも妙味が出てくるだろう。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態および取締役・監査役の構成>
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 5名、うち社外3名 |
監査役 | 3名、うち社外2名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2025年4月14日
<基本的な考え方>
同社は、健全で透明性が高く、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応するための経営の意思決定の効率性を確保したコーポレート・ガバナンスの構築が重要課題と認識し取り組んでいる。
<実施しない主な原則とその理由>
原則 | 実施しない理由 |
【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】 | 当社では、女性の管理職への登用等をはじめとする多様性の確保に積極的に取り組んでおり、管理職等の女性割合に係る目標を定め、女性活躍推進法に基づく行動計画に記載して届け出ております。また、多様性の尊重に関する研修や各種施策の実施等、多様性の確保に向けた環境整備に努めております。現在のところ、これら各種取り組みの基となる中長期的な戦略や方針等の策定は行っておりませんが、企業価値の向上に向け、これら戦略や方針等の策定の検討を進めてまいります。 |
【補充原則4-8-1 独立社外取締役による客観的立場に基づく情報交換・認識共有】 | 現在、独立社外取締役のみを構成員とする定期的な会合等は実施しておりませんが、各取締役や監査役とも意見交換を行い、取締役会では、積極的に議論に参加し発言を行うなど、独立社外取締役としての役割・責務を十分に果たしていただいているものと認識しております。 |
<開示している主な原則>
原則 | その理由 |
【原則1-4 政策保有株式】 | (1)政策保有に関する方針営業上の取引関係の維持・強化に繋がるか、事業活動の円滑な推進等を通じて当社の中長期的な企業価値の向上に結びつくか等を総合的に判断し、保有できるものとします。(2)政策保有の適否に関する検証内容保有する上での中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点からの保有効果等について検証し取締役会において報告を行います。保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、縮減を図ります。(3)政策保有株式に係る議決権行使の基準当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、投資先企業の株主総会議案の内容を精査し、議決権を行使することとしております。 |
【原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】 | 当社は確定給付企業年金制度を採用しており、企業年金の管理・運用に関してスチュワードシップ活動の受け入れを表明している資産管理運用機関と契約を締結しています。総務人事部門内に担当者を配置し、運用の健全性について委託している運用機関から定期的に報告を受け、関連部門において適宜モニタリングを行っております。また、従業員の資産形成のため企業型確定拠出年金制度を導入しております。入社時には従業員に対し運用期間・運用商品の選定や資産運用に関する説明を行っております。 |
【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取り組み】 | 当社グループのサステナビリティに関する方針・取り組みについては、有価証券報告書において開示しております。 |
【補充原則4-1-1 取締役会の役割・責務】 | 当社は、取締役会の意思決定の範囲として、法令および定款にて定める事項のほか、重要な意思決定の項目として「取締役会規程」および「稟議規程」ならびに「稟議規程細則」を設けて運用しております。取締役会は、業務執行の機動性と柔軟性を高め、経営の活力を増大するため、法令、定款および「取締役会規程」に記載する事項以外の業務執行の意思決定については、代表取締役も出席する経営会議において審議を行い実施しております。 |
【原則4-8 独立取締役の有効な活用】 | 当社では、社外取締役を3名選任し、その3名が独立社外取締役という構成となっており、取締役会において独立、中立の立場での意見を踏まえた議論を可能にしております。今後も、高い専門性と豊富な経験をもった複数名の独立社外取締役が選任できるように候補者の選定に努めて参ります。 |
【補充原則4-11-1 取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方】 | 当社は、様々な経営環境の変化に、的確かつ迅速に対応すべく、知識・経験・能力のバランスを考慮し、多彩なバックグランウンドを有する人材を取締役に選任しております。特に、社外取締役は、業界の知見、経営に対する経験、専門的な能力などを考慮し、各分野で見識の高い人材を選任し、バランス、多様性に配慮しております。また、当社では、企業規模等を勘案し、定款において取締役の員数を15名以内と定めておりますが、現在、5名の取締役(うち社外取締役3名)を選任しております。 |
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