ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

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ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.27

(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア 企業HP
泉澤 豊 社長
泉澤 豊 社長

【ブリッジレポート vol.27】2011年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期はコンビニ事業の苦戦が続く中、ホテル事業の先行投資が負担となったが、M&A効果によりほぼ前年同期並みの営業利益を確保する・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年8月3日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
社長
泉澤 豊
所在地
千葉県浦安市美浜1-9-2
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年2月 26,322 416 610 235
2009年2月 25,271 571 334 -78
2008年2月 24,277 623 446 216
2007年2月 23,347 699 610 310
2006年2月 22,332 1,018 1,055 600
2005年2月 20,956 1,081 1,101 578
2004年2月 17,236 946 1,048 499
2003年2月 14,024 880 878 390
2002年2月 12,358 847 873 445
2001年2月 11,835 753 722 386
2000年2月 9,840 641 673 306
株式情報(7/16現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
120円 24,683,602株 2,962百万円 6.1% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
4.00円 3.3% 7.78円 15.4倍 160.54円 0.7倍
※株価は7/16終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2011年2月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
(株)サークルKサンクスのエリアフランチャイズ本部として、東京都内9区(新宿区、千代田区、中央区、江東区、江戸川区、港区、葛飾区、足立区、台東区)及び千葉県全域においてコンビニエンス・ストア(コンビニ)「サンクス」を展開すると共に、加盟店の指導や経営ノウハウ等の提供を行なっている。
 
<非コンビニ事業の育成-「便利さの提供」を追求->
「便利さの提供」を企業理念に掲げ、この一環としてコンビニの店舗で「クリーニング取次ぎサービス」や「宝くじ」販売等の独自サービスを提供している他、非コンビニ事業の育成にも注力している。具体的には、09年11月にJR京葉線市川塩浜駅前にビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」(千葉県市川市)を開業した他、連結子会社(株)エフ・エイ・二四がマンションフロントでの「クリーニング取次ぎサービス」(200物件以上でサービスを提供中)や「お掃除サービス」等を手掛けている。また、09年10月にはマンション向けフロント(コンシェルジュ)サービスで業界トップの(株)アスクを子会社化した。
 
ビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」
市川市が保有するJR京葉線市川塩浜駅前の遊休地を定期借地で借受け、108室規模(シングル54室、ダブル12室、ツイン41室、バリアフリー1室)のビジネスホテルを運営している。投資額は700百万円(建物650百万円、客室設備50百万円)。
JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から快速で19分。東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅5分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く(朝食付きで1泊5,800円から)、周辺には競合となるビジネスホテルがない状態。
 
連結子会社(株)アスク社
09年10月1日に議決権の58.3%を取得し、マンション向けフロント(コンシェルジュ)サービスで業界トップの(株)アスクを連結子会社化した。(株)アスクは、クリーニングなどの各種取次ぎや各種案内等のコンシェルジュサービス、メンテナンスサポートやハウスクリーニング業者紹介等のレジデンスサポート、ミニショップや売店の運営、更にはカーシェアリング事業(22物件、4,400世帯を対象に30台の車両を提供中)を手掛けており、不動産会社やマンション管理会社等を顧客に持ち、首都圏を中心に約800物件を受託している。「クリーニング取次ぎ」や「ハウスクリーニング」サービス等で連結子会社(株)エフ.エイ.二四との相乗効果が期待でき、中期的には物販の取次ぎ等でコンビニ事業等との連携も強めていく考え。
 
2011年2月期第1四半期決算
 
(1)第1四半期(3-5月)連結業績
 
前年同期比15.9%の増収、同44.4%の経常減益
消費低迷により主力のコンビニ事業が苦戦したものの、マンション向けフロント(コンシェルジュ)サービスを手掛ける(株)アスクの寄与で売上高が増加した。利益面では、コンビニ事業において消費者の節約志向や低価格志向に対応した廉価販売を継続した事や(株)アスクを連結した影響等で売上総利益率が低下。(株)アスクの連結に伴い販管費も増加したものの、増収効果で吸収しほぼ前年同期並みの営業利益を確保した。営業外損益の悪化は、有価証券売却益の減少等による。
 
(2)セグメント別動向
コンビニエンス・ストア事業  事業収入5,444百万円、営業利益224百万円(内部消去前)
加盟店を含む全店売上高が6,192百万円と前年同期比9.9%減少した。既存店の状況は、平均日販が同6.9%減の525千円、平均客数が同4.8%減の954人、客単価が同2.1%減の551円。新規出店を見合わせ、不採算店を2店舗閉店した結果、第1四半期末の加盟店を含む全店舗数は128店舗となった。
 
マンションフロントサービス事業  事業収入1,348百万円、営業利益53百万円(内部消去前)
(株)アスクの事業領域である。全国の高級分譲マンションを中心にフロント業務を手掛けている。居住者へのトータルサポートに加え、地域や個々の物件毎のニーズに応じた多様なフロントサービスの提供により受託物件が増加している。
 
クリーニング事業  事業収入344百万円、営業利益19百万円(内部消去前)
(株)エフ・エイ・二四の事業領域で、マンションフロントでの「クリーニング取次ぎサービス」や「お片づけ・お掃除サービス」等を手掛けている。マンションフロントサービス事業との相乗効果もありマンションやホテルのフロントでの「クリーニング取次ぎサービス」において新規取引先の開拓が進んだ他、「お片づけ・お掃除サービス」も固定客が増加した。
 
その他事業  事業収入 76百万円、営業損失 8百万円(内部消去前)
その他事業では、「日常生活の便利さを提供できる会社になりたい」という企業理念の下、従来のコンビニエンス・ストア事業にとらわれない新しいサービスの提供に取り組んでいる。この一環として昨年11月に千葉県市川市のJR京葉線市川塩浜駅前にオープンしたビジネスホテル「CVS・BAYHOTEL」は今期の稼働率目標を65%としており、開業3年目からの黒字化を見込んでいる。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比935百万円増の13,675百万円。総資産の増加は、(株)アスクの預り金の増加に伴う現預金の増加が主な要因。CFの面では、利益の減少と支払税額の増加で営業CFは減少したものの、890百万円の黒字を確保。ビジネスホテル関連の投資一巡により投資CFのマイナス幅も縮小した。832百万円のフリーCFを確保した事に加え、短期借入金の増加で財務CFも黒字となり、現金及び現金同等物期末残高は前期末比965百万円増加した。
 
 
 
2011年2月期業績予想
 
(1)通期連結業績
 
前期比12.2%の増収、同37.2%の経常減益予想
コンビニ事業を中心とする個別ベースでの営業総収入が同2.8%減少するものの、(株)アスクが通期で寄与する(前期は5ヶ月間)他、(株)エフ・エイ・二四も(株)アスクとの相乗効果で売上が増加する。利益面でも、個別ベースではホテル事業の損失もあり同24.2%の営業減益が見込まれるものの、子会社2社の利益貢献により連結ベースでは同7.2%の営業減益にとどまる見込み。経常利益の減少率が大きいのは、有価証券運用益を見込んでいないため。ただ、店舗の減損損失も見込んでいないため、当期純利益は同18.3%の減少にとどまる。配当は、1株当たり4円(上期末配当2円を含む)を予定。
 
 
取材を終えて
第1四半期はコンビニ事業の苦戦が続く中、ホテル事業の先行投資が負担となったが、M&A効果によりほぼ前年同期並みの営業利益を確保する事ができた。上期予想に対する営業利益の進捗率は62%を超えており、順調なスタートが切れたものと考える。第2四半期(6-8月)はコンビニ事業の最繁忙期であり、また、ディズニーリゾートへの観光需要等でビジネスホテルの稼働率の向上も見込まれる事から第1四半期以上の収益が期待できる。このため、上期は利益が上振れる可能性が高い。